JPH0521150U - クランクベアリングキヤツプ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、クランクベアリングキャップの軽
量化を果たし、燃費を向上させるとともに、クランクベ
アリングキャップ成形時の材料費を削減し、コストを低
廉とし得ることを目的としている。 【構成】 このため、内燃機関のシリンダブロック下部
の所定のクランクシャフト部位とシリンダブロック間に
スラストベアリングを設け、クランクベアリングキャッ
プの厚みを略均一とすべくクランクベアリングキャップ
の一部にスラストベアリング支持用の突起部を設けてい
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案はクランクベアリングキャップに係り、特に内燃機関のシリンダブロ ック下部にクランクシャフトを保持するクランクベアリングキャップに関する。

【０００２】

【従来の技術】

多気筒用の内燃機関は、複数個のシリンダを例えば直列に形成したシリンダブ ロックと、このシリンダブロックに対応する位置で複数の燃焼室用空間が形成さ れた燃焼室形成部を有するシリンダヘッドとからなり、シリンダブロックにシリ ンダヘッドを載置することによって構成されている。

【０００３】 また、シリンダブロックの底面にエンジンオイルを貯留するオイルパンが配設 され、オイルパン内部且つシリンダブロック下部には、複数個のクランクベアリ ングキャップによりクランクシャフトが保持されている。

【０００４】 クランクベアリングキャップとしては、実開昭５６−１０５６３８号公報に開 示されるものがある。この公報に開示される内燃機関のクランク軸受は、シリン ダブロックの隔壁部とベアリングキャップとで形成される孔部に振動減衰手段を 兼ねた軸受部材を嵌装したクランク軸受を設け、前記軸受部材を、嵌装状態にて 孔加工し得るように、弾性のある被削性材料により形成するとともに、軸受部材 外周に回り止め手段を設けている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、従来のクランクベアリングキャップにおいては、図５〜図８に示す 如く、３気筒内燃機関のシリンダブロック１０２下部にクランクシャフト１０４ を保持する際に、４個の第１〜第４クランクベアリングキャップ１０６−１、１ ０６−２、１０６−３、１０６−４中の、第３クランクベアリングキャップ１０ ６−３（図５において左側から３番目）の厚みを通常の厚みａよりもｂだけ大に 形成している。

【０００６】 つまり、第３クランクベアリングキャップ１０６−３をスラストベアリング１ ０８のストッパとして機能させ、前記クランクシャフト１０４に装着されるスラ ストベアリング１０８を支持すべく、第３クランクベアリングキャップ１０６− ３の厚みをａ＋ｂに形成する。

【０００７】 また、図８に示す如く、第３クランクベアリングキャップ１０６−３の打ち抜 き方向は、上下方向となっている。

【０００８】 この結果、他のクランクベアリングキャップ１０６−１、１０６−２、１０６ −４に比し、第３クランクベアリングキャップ１０６−３のみが大なる厚みを有 することとなり、内燃機関の総重量が大となって燃費や出力等に悪影響を及ぼし 、実用上不利であるという不都合がある。

【０００９】 また、前記第３クランクベアリングキャップ１０６−３を厚く形成することに より、材料費が嵩み、経済的にも不利であるという不都合がある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

そこで、この考案は、上述不都合を除去するために、内燃機関のシリンダブロ ック下部にクランクシャフトを保持するクランクベアリングキャップにおいて、 所定のクランクシャフト部位とシリンダブロック間にスラストベアリングを設け 、前記クランクベアリングキャップの厚みを略均一とすべくクランクベアリング キャップの一部に前記スラストベアリング支持用の突起部を設けたことを特徴と する。

【００１１】

【作用】

上述の如く考案したことにより、シリンダブロック下部にクランクシャフトを クランクベアリングキャップにより夫々保持し、所定のクランクシャフト部位と シリンダブロック間に配設されるスラストベアリング下部にクランクベアリング キャップを位置させ、スラストベアリングの下面をクランクベアリングキャップ の突起部に接触させ、クランクベアリングキャップの軽量化を果たし、燃費を向 上させるとともに、クランクベアリングキャップ成形時の材料費を削減し、コス トを低廉としている。

【００１２】

【実施例】

以下図面に基づいてこの考案の実施例を詳細に説明する。

【００１３】 図１〜図４はこの考案の実施例を示すものである。図１において、２は例えば ３気筒内燃機関（図示せず）のシリンダブロック、４はクランクシャフト、６は クランクベアリングキャップである。

【００１４】 このクランクベアリングキャップ６は、前記シリンダブロック２の下部にクラ ンクシャフト４を保持すべく形成され、例えば厚みの均一な４個の第１〜第４ク ランクベアリングキャップ６−１、６−２、６−３、６−４からなる。

【００１５】 そして、所定のクランクシャフト４部位とシリンダブロック２間にスラストベ アリング８を設け、前記クランクベアリングキャップ６の厚みを、例えば略均一 なａとすべくクランクベアリングキャップ６の一部に前記スラストベアリング８ 支持用の突起部１０を設ける構成とする。

【００１６】 詳述すれば、第３クランクベアリングキャップ６−３（図１において左側から ３番目）上部におけるクランクシャフト４部位とシリンダブロック２間にスラス トベアリング８を介設する。

【００１７】 そして、このスラストベアリング８下部に第３クランクベアリングキャップ６ −３を位置させるものである。

【００１８】 このとき、第３クランクベアリングキャップ６−３の内周縁部の上端且つ両側 にスラストベアリング８支持用の突起部１０を設ける。つまり、突起部１０は、 一側に２個の第１、第２突起部１０ａ−１、１０ａ−２と、他側に２個の第３、 第４突起部１０ｂ−１、１０ｂ−２との計４個からなり、これら第１〜第４突起 部１０ａ−１、１０ａ−２、１０ｂ−１、１０ｂ−２を、第３クランクベアリン グキャップ６−３の取付時にスラストベアリング８下面に接触させ、スラストベ アリング８の下方向への移動を阻止している。

【００１９】 また、前記第３クランクベアリングキャップ６−３は、ダイカスト鋳造法によ り成形され、第１〜第４突起部１０ａ−１、１０ａ−２、１０ｂ−１、１０ｂ− ２が成形されることにより、成形時の打ち抜き方向は、図４に示す如く、左右方 向となる。

【００２０】 次に作用について説明する。

【００２１】 前記シリンダブロック２の下部にクランクシャフト４を４個の第１〜第４クラ ンクベアリングキャップ６−１、６−２、６−３、６−４によって夫々保持する 。

【００２２】 このとき、第３クランクベアリングキャップ６−３上部におけるクランクシャ フト４部位とシリンダブロック２間に前記スラストベアリング８を介設し、この スラストベアリング８下部に第３クランクベアリングキャップ６−３を位置させ る。

【００２３】 そして、スラストベアリング８の下面を第３クランクベアリングキャップ６− ３の第１〜第４突起部１０ａ−１、１０ａ−２、１０ｂ−１、１０ｂ−２に夫々 接触させる。

【００２４】 これにより、前記第３クランクベアリングキャップ６−３に第１〜第４突起部 １０ａ−１、１０ａ−２、１０ｂ−１、１０ｂ−２のみを設けることによって第 ３クランクベアリングキャップ６−３の軽量化を果たすことができ、図示しない 内燃機関の軽量化にも寄与し、燃費を向上し得て、経済的に有利であるとともに 、従来に比し第３クランクベアリングキャップ６−３成形時の材料費を削減する ことができ、コストを低廉とし得るものである。

【００２５】 また、前記第３クランクベアリングキャップ６−３を成形する際の打ち抜き方 向を、従来の上下方向から左右方向に変更するのみで対処することができること により、第３クランクベアリングキャップ６−３成形時の作業工程を大きく変更 させる必要がなく、実用上有利である。

【００２６】

【考案の効果】

以上詳細に説明した如くこの考案によれば、内燃機関のシリンダブロック下部 の所定のクランクシャフト部位とシリンダブロック間にスラストベアリングを設 け、クランクベアリングキャップの厚みを略均一とすべくクランクベアリングキ ャップの一部にスラストベアリング支持用の突起部を設けたので、クランクベア リングキャップの軽量化を果たすことができ、燃費を向上し得て、経済的に有利 であるとともに、従来に比しクランクベアリングキャップ成形時の材料費を削減 することができ、コストを低廉とし得る。また、前記クランクベアリングキャッ プを成形する際の打ち抜き方向を、従来の上下方向から左右方向に変更するのみ で対処することができ、実用上有利である。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の実施例を示す３気筒内燃機関のシリ
ンダブロック下部の概略図である。

【図２】図１の〓−〓線による断面図である。

【図３】クランクベアリングキャップの正面図である。

【図４】打ち抜き方向を示すクランクベアリングキャッ
プの右側面図である。

【図５】この考案の従来の技術を示す３気筒内燃機関の
シリンダブロック下部の概略図である。

【図６】図５の〓−〓線による断面図である。

【図７】クランクベアリングキャップの正面図である。

【図８】打ち抜き方向を示すクランクベアリングキャッ
プの右側面図である。

【符号の説明】

２ シリンダブロック ４ クランクシャフト ６ クランクベアリングキャップ ６−１ 第１クランクベアリングキャップ ６−２ 第２クランクベアリングキャップ ６−３ 第３クランクベアリングキャップ ６−４ 第４クランクベアリングキャップ ８ スラストベアリング １０ 突起部 １０ａ−１ 第１突起部 １０ａ−２ 第２突起部 １０ｂ−１ 第３突起部 １０ｂ−２ 第４突起部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 内燃機関のシリンダブロック下部にクラ
   ンクシャフトを保持するクランクベアリングキャップに
   おいて、所定のクランクシャフト部位とシリンダブロッ
   ク間にスラストベアリングを設け、前記クランクベアリ
   ングキャップの厚みを略均一とすべくクランクベアリン
   グキャップの一部に前記スラストベアリング支持用の突
   起部を設けたことを特徴とするクランクベアリングキャ
   ップ。