JPH05210095A - 液晶表示素子 - Google Patents

液晶表示素子

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JPH05210095A
JPH05210095A JP29678092A JP29678092A JPH05210095A JP H05210095 A JPH05210095 A JP H05210095A JP 29678092 A JP29678092 A JP 29678092A JP 29678092 A JP29678092 A JP 29678092A JP H05210095 A JPH05210095 A JP H05210095A
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JP
Japan
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liquid crystal
thin film
coating
crystal thin
applicator
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JP29678092A
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Minoru Hiroshima
實 廣島
Takashi Isoda
高志 磯田
Masahiro Yanai
雅弘 箭内
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Hitachi Ltd
Hitachi Consumer Electronics Co Ltd
Japan Display Inc
Original Assignee
Hitachi Device Engineering Co Ltd
Hitachi Ltd
Hitachi Consumer Electronics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高分子分散型液晶表示素子の、上下両基板を接
着すると共に液晶薄膜を封止するためのシール材からの
不純物による液晶薄膜の汚染を防止すること。 【構成】上透明電極を設けた上基板と、下透明電極を設
けた下基板とを上下透明電極が対向するように重ね合
せ、高分子材料の中に液晶を分散させてなる高分子分散
型液晶薄膜を上記両基板間に挾み、かつ、上記両基板間
の縁周囲に設けたシール材により、上記両基板を接着す
ると共に上記両基板間の上記シール材の内側に上記液晶
薄膜を封止し、シール材と上記液晶薄膜との間をあける
ことにより、不純物阻止帯を設け、更に、不純物阻止帯
の中に、ストライプ状の不純物吸収帯を設けた。 【効果】シール材中の不純物がパタン表示部まで浸入し
て液晶薄膜が汚染され、該液晶薄膜の抵抗値が低下し、
明るさにむらが生じ、表示むらとなるという表示特性の
劣化を防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高分子分散型液晶薄膜
を用いた液晶表示素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、高分子材料の中に液晶を分散させ
た高分子分散型液晶表示素子の開発が活発に行なわれて
いる。通常、厚さ5〜10μm程度の高分子分散型液晶
薄膜の上面および下面を2枚の透明電極で挾み、これら
の電極間に電圧を加えないときは、光を散乱して不透明
であるが(オフ状態・消燈状態)、適当な大きさの電圧
を加えると、光が透過し透明になる(オン状態・点燈状
態)。この特性を利用することにより、固定表示パタン
の反射型の表示素子を、従来の液晶表示素子と同様に実
現することができる。この高分子分散型液晶表示素子
は、従来の液晶表示素子で必要である偏光板が不要であ
るので、視野角が広く、明るい、また、液晶分子を規則
的に配列させる必要がないので、配向膜が不要である、
等の長所を有する。このような技術は、例えば、米国特
許第4,435,047号に記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】高分子分散型液晶液晶
表示素子においては、固定パタン表示を行なう反射型表
示が1つの有効な応用分野である。
【0004】図1(A)は、本願発明者らが検討した、
実験例としての固定表示パタンの反射型液晶表示装置の
表示面の概略平面図、図1(B)は、図1(A)のX−
Y線で切断した部分の分解断面図である。
【0005】図1(A)において、LCDは液晶表示装
置、PTNはそれぞれ固定パタン表示部である。各固定
パタン表示部PTNは、各種の形状、例えば矩形、三角
形、円などの図形パタン、あるいは文字パタンや絵柄パ
タン等の固定パタンに形成されているが、図では簡単に
矩形で例示されている。
【0006】図1(B)において、SUB2、SUB1
はそれぞれ上電極基板、下電極基板であり、透明のガラ
スまたはプラスチックで形成されている。ITO2、I
TO1はそれぞれ上電極基板SUB2、下電極基板SU
B1の表面上に形成された上透明電極、下透明電極であ
る。上透明電極ITO2は、固定表示パタンの内容に応
じて各種の形状、例えば矩形、三角形、円などの図形パ
タン、あるいは文字パタンや絵柄パタン等の固定パタン
にパターニングされているが、下透明電極ITO1は、
固定パタン表示の場合は通常、パターニングせず、下電
極基板SUB1の全面に形成されている。なお、上透明
電極ITO2は、図には明示していないが、引き出し配
線および外部電気回路と電気的に接続するための接続端
子に接続されている。
【0007】LCは高分子材料の中に液晶を分散させて
なる高分子分散型液晶薄膜、SLは上電極基板SUB2
と下電極基板SUB1間の縁周囲に設けたシール材で、
これら両基板SUB2、SUB1を接着すると共に、両
基板SUB2、SUB1間の当該シール材SLの内側に
液晶薄膜LCを封止し、液晶薄膜LCへの水分の浸入を
防止する。液晶薄膜LCは、シール材SLの内側の両基
板SUB2、SUB1間の全面に設けられており、シー
ル材SLに接触している。
【0008】AGPは導電性ペーストで、下透明電極I
TO1と外部電気回路との接続を容易にするために、下
透明電極ITO1を上電極基板SUB2上に設けた配線
に電気的に接続するためのものである。
【0009】BMは上電極基板SUB2の上に設けた枠
板、WINは固定パタン表示部(図1(A)のPTN)
の表示パタンに対応して枠板BMに設けた表示窓で、枠
板BMは固定パタン表示部以外の部分を覆う。すなわ
ち、枠板BMにあけられた表示窓WINを通して表示パ
タンが見えるようになっている。70は枠板BMの上に
設けた透明保護フィルムで、液晶薄膜LCの液晶材料が
紫外線により分解してしまうのを防止する紫外線カット
材が含まれている。REFは下電極基板SUB1の下に
設けた反射板で、固定カラー表示をするためにカラー印
刷が施されている。すなわち、表示画面側から入射し、
表示パタンの点燈時に液晶薄膜LCを透過した光がこの
カラー印刷した反射板により表示画面側に反射されて、
表示パタンがその色に表示される。なお、透明保護フィ
ルム70、反射板REFは設けなくてもよい。また、反
射板REFの下にプラスチック等からなる下カバーフィ
ルムを設ける場合もある。
【0010】図2は、図1(A)に例示した従来の液晶
表示素子において、シール材SLおよび高分子分散型液
晶薄膜LCのみを抜き出して描いた平面図である。
【0011】高分子分散型液晶薄膜LCは、図1(B)
に示したように、上電極基板SUB2と下電極基板SU
B1との間にほぼ全面にわたって設けられ、かつ、図1
(B)、図2に示すように、液晶薄膜LCは、素子の縁
周囲に設けたシール材SLと接触している。
【0012】シール材SLは例えばエポキシ樹脂等で形
成され、不純物をわずかであるが含んでいる。液晶薄膜
LCの周囲は、シール材SLと接触しているので、この
液晶薄膜LCにシール材SLの不純物が両者の接触部3
4から矢印35のように浸入する。液晶薄膜LCに浸入
した不純物は、液晶薄膜LCの内部に向かって拡散し、
液晶薄膜LCが汚染される。すなわち、液晶薄膜LCの
周辺部がまず汚染され、徐々に内部へと汚染が進み、最
終的には全域が汚染される。固定パタン表示部PTNの
液晶薄膜LCが汚染されると、液晶薄膜LCの抵抗値が
低下し、明るさにむらができて表示むらとなり、表示特
性が劣化する。なお、高分子分散型液晶薄膜LCは、水
分を含み易い性質を有するので、この水分の影響でシー
ル材SLからの不純物の浸入による汚染が進行し易く、
表示特性劣化が特に起こり易い。
【0013】本発明の目的は、上記高分子分散型液晶表
示素子の有する課題を解決することにある。
【0014】本発明の目的は、シール材からの不純物浸
入による高分子分散型液晶薄膜の汚染による表示特性の
劣化を防止することができる高分子分散型液晶表示素子
を提供することにある。
【0015】本発明の他の目的は、上記高分子分散型液
晶表示素子の製造方法及び、これに好適な製造装置を提
供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の液晶表示素子
は、上透明電極を設けた上電極基板と、下透明電極を設
けた下電極基板とを上記各透明電極が対向するように重
ね合せ、高分子材料の中に液晶を分散させてなる高分子
分散型液晶薄膜を上記両基板間に挾み、かつ、上記両基
板間の縁周囲に設けたシール材により、上記両基板を接
着すると共に上記両基板間の上記シール材の内側に上記
液晶薄膜を封止した構造を含んでなる高分子分散型液晶
表示素子において、上記シール材と上記液晶薄膜との間
に不純物阻止帯、不純物吸収帯の少なくとも一方を設け
たことを特徴とする。
【0017】不純物阻止帯は、例えば空隙帯で形成し、
不純物吸収帯は、例えば液晶薄膜で形成する。これによ
り本発明は、上下両基板を接着すると共に液晶薄膜を封
止するためのシール材からの不純物による液晶薄膜の汚
染を防止し得る。
【0018】
【作用】高分子分散型液晶薄膜の液晶材料は、高分子材
料の中に分散させる前の段階では、従来のTN(ツイス
ティド・ネマチック)型液晶を用いた液晶表示素子の液
晶材料と同様に、液体状であるが、分散させて液晶薄膜
とした段階では、固体状である。この固体状であること
が、高分子分散型液晶の最大の特徴の1つである。これ
により、シール材と、液晶薄膜との間に空隙層を形成す
ることができ、あるいは例えばこの空隙層中に不純物吸
収層を形成することができる。
【0019】本発明の液晶表示素子では、シール材と高
分子分散型液晶薄膜との間に不純物阻止帯、不純物吸収
帯の少なくとも一方を設けたので、シール材中に含まれ
ている不純物が液晶薄膜のパタン表示部まで浸入、拡散
しようとしても、その間にある空隙層等からなる不純物
阻止帯により、不純物の浸入が阻止され、あるいは、不
純物吸収帯により、不純物が捕えられ、それ以上先へ進
まず、パタン表示部まで不純物が到達しない。すなわ
ち、シール材中の不純物がパタン表示部まで浸入して液
晶薄膜が汚染され、該液晶薄膜の抵抗値が低下し、明る
さにむらが生じ、表示むらとなるという表示特性の劣化
を防止することができる。
【0020】
【実施例】
実施例1 図3は、本発明の第1の実施例の高分子分散型液晶表示
装置の概略平面図である。本図は、図2と同様に、シー
ル材SLおよび高分子分散型液晶薄膜LCのみを抜き出
して描いた平面図である。図1(A)、図2と同一の符
号を付した部材は同様の部材を示す(以下のすべての図
面についても同様)。
【0021】SPは空隙帯からなる不純物阻止帯で、シ
ール材SLと液晶薄膜LCとの間に設けてある。不純物
阻止帯SPの幅Wは、例えば1mmである。この空隙帯
からなる不純物阻止帯SPにより、例えばエポキシ樹脂
等からなるシール材SL中の不純物が液晶薄膜LCへ拡
散、浸入するのを防止することができる。
【0022】実施例2 図4は、本発明の第2の実施例を示す図3と同様の平面
図である。
【0023】本実施例では、シール材SLと液晶薄膜L
Cとの間に、空隙層からなる不純物阻止帯SPが設けら
れ、この不純物阻止帯SPの中間に、液晶薄膜LCと同
一材料からなる不純物吸収帯LCFが設けられている。
すなわち、シール材SLと液晶薄膜LCとの間には、第
1の不純物阻止帯SPと不純物吸収帯LCFと第2の不
純物阻止帯SPが存在する。シール材SL中の不純物の
浸入は、第1の不純物阻止帯SPによりほとんど阻止さ
れるが、わずかに浸入した不純物があったとしても、不
純物は次の不純物吸収帯LCFに吸収される。さらに、
その次の第2の不純物阻止帯SPにより不純物の内部へ
の浸入が阻止され、固定パタン表示部PTNを含む液晶
薄膜LCへの不純物の影響を完全に防止できる。不純物
阻止帯SPの幅は、それぞれ例えば1〜5mm、不純物
吸収帯LCFの幅は、例えば1〜5mmとした。
【0024】実施例3 図5は、本発明の第3の実施例を示す図3、図4と同様
の平面図である。
【0025】本発明では、不純物阻止帯SPの幅は、広
いほど不純物阻止効果が大きくなる。
【0026】本実施例は、図3の第1の実施例におい
て、空隙帯からなる不純物阻止帯SPの幅を最大限まで
広くした例である。固定パタン表示部PTNを含む表示
部分だけ、液晶薄膜LCが存在し、それ以外の部分は幅
の広い空隙帯からなる不純物阻止帯SPとなっている。
すなわち、液晶薄膜LCは、固定パタン表示部PTNに
対応して、図示のように、それぞれ複数個の独立した島
状の形態をなし、それ以外の部分が空隙帯となってい
る。シール材SLから島状の液晶薄膜LCまでの間に大
きな空隙帯からなる不純物阻止帯SPがあるため、これ
により、シール材SLからの不純物の浸入を効果的に阻
止することができる。液晶薄膜LCが無い部分は、光が
透過してしまうことになるが、図1(B)に示すよう
な、枠板(遮光膜、例えばブラックマトリックス)BM
を設けることにより、光の透過を防止することができ
る。
【0027】実施例4 図6は、本発明の第4の実施例を示す図3、図4、図5
と同様の平面図である。本実施例では、図5の実施例3
と同様に空隙帯からなる不純物阻止帯SPの幅を最大限
まで広くし、かつ、この不純物阻止帯SPの空隙帯中
に、不純物吸収帯LCFを付加した例である。
【0028】図7(A)〜(D)は、図5に示した第3
の実施例の構造を実現する方法について説明する工程斜
視図(図7(A)〜(C))および断面図(図7
(D))である。
【0029】本発明の液晶表示素子は高分子分散型液晶
薄膜を用いるので、図3〜図6に示した構造は容易に実
現できる。すなわち、従来のTN型やSTN(スーパー
・ツイスティド・ネマチック)型液晶表示装置に使用さ
れている液晶材料は、液体状であるが、高分子分散型液
晶薄膜の液晶材料は、前にも述べたように、高分子材料
の中に液体状の液晶を分散させた構造であり、分散前は
液体状であるが、分散後は適当な公知の硬化方法により
高分子材料を固体状にするので、固体状の形態として安
定に保持される。
【0030】まず、図7(A)に示すように、固定パタ
ン表示部PTNに対応して上電極基板SUB2上に選択
的に設けた上透明電極(ここでは図示せず。図1(B)
参照)上に、液体状の高分子分散型液晶薄膜LCの材料
を選択的に塗布する(図7(B))。塗布する膜厚は、
予め決められた適正値に選ばれている。通常、15〜3
0μm程度である。塗布後、適当な硬化方法により、液
晶薄膜LCを硬化する。硬化後は、膜厚が減少するの
で、これを見込んで塗布時の膜厚を厚くしておく。その
後、図7(C)に示すように、上電極基板SUB2の縁
周囲にエポキシ樹脂等のシール材SLを塗布する。次い
で、液晶薄膜LCとシール材SLを設けた上電極基板S
UB2上に、下透明電極(図示せず)を設けた下電極基
板SUB1を重ね合せ、シール材SLを硬化させ、上電
極基板SUB2と下電極基板SUB1とを接着すると共
に、両基板SUB2とSUB1間のシール材SLの内側
に液晶薄膜LCを封止する。このとき、下電極基板SU
B1の下透明電極(ここでは図示省略。図1(B)参
照)と上電極基板SUB2上に設けた配線(図示省略)
とを電気的に接続するための導電性ペーストAGPを形
成する。
【0031】このようにして、シール材SLと液晶薄膜
LCとの間に空隙帯からなる不純物阻止帯SPを有する
図5に例示した構造が実現できる。なお、図7(B)に
おいては、上電極基板SUB2上に液晶薄膜LCを塗布
したが、下電極基板SUB1上に液晶薄膜LCを塗布し
てもよい。また、図7(C)では、シール材SLを上電
極基板SUB2上に塗布した後、上電極基板SUB2上
に下電極基板SUB1を重ね合わせたが、シール材SL
を下電極基板SUB1上に塗布した後、下電極基板SU
B1上に上電極基板SUB2を重ね合わせてもよい。
【0032】以上本発明を実施例に基づいて具体的に説
明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能で
あることは勿論である。例えば、上記実施例では、不純
物阻止帯SPとして空気が存在する空隙帯を用いたが、
これに限定されず、例えば、窒素等の不活性ガス等、他
の気体等を充填したガス帯でもよい。
【0033】また、上記実施例では、不純物吸収帯LC
Fとして液晶薄膜LCと同一の材料を用いたが、例え
ば、液晶を分散させない高分子材料等他の材料を用いて
もよい。
【0034】さらに、上記実施例2、4では、不純物吸
収帯LCFを1つ設けたが、2つ以上設けてもよい。
【0035】以上説明したように、本発明の液晶表示素
子では、シール材からの不純物の液晶薄膜への浸入、拡
散を防止でき、これによる表示特性の劣化のない液晶表
示素子を実現することが可能になる。
【0036】(薄膜塗布方法及び薄膜塗布装置)次に本
発明を実施する時に好適な、薄膜を基板上に塗布形成す
るブレード方式の薄膜塗布装置を説明する。
【0037】図8(A),(B),(C)は、第1のブ
レード方式の薄膜塗布装置の塗布部(以下、アプリケー
タと称す)を示す図で、図8(A)はアプリケータの底
部側から見た外観斜視図、図8(B)は側面図、図8
(C)は正面図である。1はアプリケータで、例えばK
S鋼やステンレス鋼等で形成されている。30はヘッド
部(中間部)、Aはアプリケータ1の両側の底面、Bは
両底面Aの中間に位置するヘッド部30の底面である。
両側の底面A、ヘッド部30の底面Bは、平坦な面で構
成されている。Lはヘッド部30の横幅で、塗布膜の幅
となる。Tは底面A、Bとの段差の大きさで、塗布膜の
膜厚となる。
【0038】図9は、第1のアプリケータを用いた塗布
方法を示す斜視図である。
【0039】10は例えばガラスやプラスチック等から
なり、塗布膜を塗布して薄膜を形成すべき基板、20は
基板10上に滴下供給された塗布液で、アプリケータ1
により塗布される。すなわち、基板10の上にアプリケ
ータ1を密接させて載せ、その手前に、適量の塗布液2
0を図示しない滴下手段により滴下供給した後、アプリ
ケータ1を基板10に密接させた状態を保って矢印方向
に滑動(スライド)させる(または基板10を矢印と逆
方向に滑動させる)と、アプリケータ1の後方に適当な
膜厚の塗布膜が形成される。形成される塗布膜の長さ
は、アプリケータ1(または基板10)の移動量にほぼ
等しい。
【0040】このように塗布膜は、塗布液20上をヘッ
ド部30の底面Bが通過する際(または基板10の移動
によりヘッド部30の底面Bの下を塗布液20が通過す
る際)に形成され、塗布膜厚は図8(C)の段差量Tに
よって制御され、塗布膜幅はヘッド部30の幅Lによっ
て規定される。
【0041】なお、アプリケータ1(または基板10)
の移動によって形成されていく塗布膜を、一定膜厚でか
つ一定幅で安定に形成するためには、図10に示すよう
に、アプリケータ1のヘッド部30の外側前面31に塗
布液のたまり(ビーズ(bead)とも称す)23が形成され
ている必要がある。21はアプリケータ1により塗布し
た後の塗布液である。
【0042】上記の第1のアプリケータを用いたブレー
ド方式の薄膜塗布装置は、以下のような問題点を持って
いる。
【0043】(1)図11は、アプリケータ1を用いて
塗布した後の塗布膜を上から見た平面図である。図11
に示すように、塗布膜21の塗布開始部分21Aと、塗
布終了部分21Bの形状が変形して、所望の形状の薄膜
が得られなかった。
【0044】(2)塗布工程において、塗布液がアプリ
ケータ1に付着し、特に塗布液のたまり23が図10の
アプリケータ1のヘッド部30の外側前面31に付着し
固化して残る。このような状態で塗布を続けると、図1
1に示すように、この固化物が原因となって塗布膜21
上に縦筋状の欠陥22が発生する。特に、塗布液の種類
により塗布液が比較的速く乾く場合、固化物の付着が起
こりやすい。この発生を防止するためには、塗布を行な
う度に、アプリケータ1を洗浄して固化物を除去する必
要があるので、多数枚の基板上に連続的に塗布すること
ができなくなり、作業性が悪かった。
【0045】(3)図12(A)は、塗布膜の一部を上
から見た平面図、図12(B)は、図12(A)のa−
a′線で切断した断面図である。塗布した後の塗布膜2
1は、図12(B)に示すように、塗布膜21の表面張
力のために、塗布膜21の両端部に盛り上がり21Rが
発生する。この塗布膜21が例えば、高分子材料の中に
液晶材料を分散させたポリマ分散型液晶薄膜である場
合、この後、図12(C)に示すように、上基板(液晶
表示素子の上部透明ガラス基板)11を重ね合わせる
が、盛り上がり21Rが存在すると、上基板11を塗布
膜21に密着させることができず、両基板10、11の
重ね合せが不完全となり、液晶表示素子の特性を劣化さ
せる原因となる。
【0046】以下に示すアプリケータは、塗布開始部分
と塗布終了部分に生じる塗布膜変形を最小限に抑えるこ
とができるブレード方式の薄膜塗布装置を提供すること
ができる。
【0047】また、以下に示すアプリケータは、塗布膜
の縦筋状の欠陥の発生を抑制し、塗布を行なう度のアプ
リケータの洗浄が不要で、多数枚の基板上に連続的な塗
布が可能なブレード方式の薄膜塗布装置を提供すること
ができる。
【0048】更に、以下に示すアプリケータは、塗布膜
の両端部に表面張力により発生する盛り上がりの発生を
抑制することができるブレード方式の薄膜塗布装置を提
供することにある。このアプリケータは、塗布膜が塗布
される基板に近接するアプリケータの底部に、上記塗布
液が供給される凹部を設けたものである。
【0049】また、上記(3)の課題を解決するために
は、アプリケータの底部の、滑動させる方向と直角方向
の両端に、塗布膜両端の表面張力による盛り上がりを抑
える凸部を設けたものである。
【0050】このようなアプリケータでは、基板に近接
するアプリケータの底部に、上記塗布液が供給される凹
部を設けたことにより、アプリケータの外側前面に形成
されていた塗布液のたまりをアプリケータ内部の凹部に
形成できるので、たまりを完全に形成した後、塗布を開
始することにより、塗布開始部分に生じる塗布膜変形を
最小限に抑制し、また、塗布液が供給されて形成される
たまりの量を制御することにより、塗布終了部分の変形
を抑制することができる。
【0051】また、たまりが凹部の中に閉じ込められる
ので、塗布液がアプリケータの外側前面に付着し、固化
して残ることもなくなるため、塗布膜の縦筋状の欠陥の
発生を抑制でき、塗布を行なう度のアプリケータの洗浄
が不要となり、多数枚の基板上に連続的な塗布が可能と
なる。
【0052】さらに、アプリケータの底部の、上記滑動
させる方向と直角方向の両端に凸部を設けたので、塗布
後表面張力で盛り上がる塗布膜の両端部の塗布直後の膜
厚が、他の部分より薄くなるので、塗布膜の両端部に発
生する盛り上がりを抑え込んで塗布でき、薄膜両端部の
盛り上がりの発生を抑制できる。
【0053】図16は、改良したアプリケータによるブ
レード方式薄膜塗布装置の全体外観斜視図である。10
0はブレード方式薄膜塗布装置、1は薄膜を形成するた
めに、塗布液を塗布するアプリケータ(塗布部)、10
は塗布液を塗布し、薄膜を形成すべき基板、101は基
板10を載置するテーブル、102はアプリケータ1が
取り付けられたアーム、103はアーム102を矢印
a、b方向に滑動させる移動機構、104は塗布すべき
液体(塗布液)をアプリケータ1に供給するディスペン
サ、105は塗布液、106は図示しない塗布液供給源
からディスペンサ104に塗布液105を送る管、10
7はディスペンサ104に空気圧を送る管で、ディスペ
ンサ104からアプリケータ1への塗布液105の供給
量を制御する。このような構成の薄膜塗布装置におい
て、テーブル101の所定箇所に薄膜を形成すべき基板
10を載置し、ディスペンサ104によりアプリケータ
1に供給される塗布液105をアプリケータ1から基板
10上に滴下供給しつつ、アプリケータ1を移動機構1
03およびアーム102により矢印a方向に移動させる
ことにより、所望の厚さ、幅、長さの薄膜を基板10上
に塗布、形成する。
【0054】次に、改良したアプリケータの詳細を説明
する。図13(A),(B),(C),(D)は、第2
のアプリケータを示す図で、図13(A)はアプリケー
タの底部側から見た外観斜視図、図13(B)は側面
図、図13(C)は上面図、図13(D)は正面図、図
13(E)は底面図である。
【0055】本実施例では、アプリケータ1のヘッド部
30の底面Bに、1本の溝V(断面形状はここでは矩
形)を設け、かつ、この溝Vに複数個、ここでは4個の
貫通穴Hを設けた。図14に、本実施例による塗布膜形
成の動作原理を示す。貫通穴Hは塗布液を供給するディ
スペンサ(図16の104参照)に接続されている。し
たがって、ディスペンサから適量の塗布液が、4個の貫
通穴Hを通路として、溝V内に供給され、溝V内に塗布
膜の安定塗布に必要な塗布液のたまり(ビーズ)23が
常に完全な形で強制的に形成される。たまり23の寸法
(量)は、ディスペンサから供給する塗布液の量を適当
に設定することにより、自由に制御することができる。
このようにたまり23を形成した後、アプリケータ1
(または基板10)を滑動させて、塗布膜21の形成を
開始する。塗布の終了する箇所で、たまり23の寸法が
最小値になるように最初のたまり23の寸法(量)を制
御しておき、この箇所で滑動を停止することにより、塗
布が終了する。
【0056】アプリケータ1の滑動(または基板10の
滑動)によって形成されて行く塗布膜が、一定膜厚で、
かつ一定幅に形成するためには、従来の図10を用いて
既に説明したように、アプリケータ1のヘッド部30の
外側前面31に塗布液21のたまり23が形成されてい
る必要がある。しかし、従来の問題点を示した図11に
おいて、形状が変形する塗布開始部分21Aは、従来の
たまり23(図10)が完全な形に形成されるまでの過
渡期に相当する部分であり、また、形状が変形する塗布
終了部分21Bは、塗布によりたまり23が消費されて
徐々に小さくなり、消えて無くなる過程で発生する部分
である。さらに、従来は、図11に示したように、ヘッ
ド部30の外側前面31にたまり23が形成されるの
で、この前面31にたまり23の一部が付着し、これが
固化して残ることが起こる。
【0057】比較的速く乾く塗布液の場合は、固化物の
付着が特に起こりやすく、図11で示した塗布膜21に
縦筋状欠陥22が発生する。このように、従来の問題点
の原因は図10のヘッド部30の前面31に形成される
たまり23であった。本実施例では、図14に示したよ
うに、アプリケータ1のヘッド部30内に4個の貫通穴
Hを介して塗布液が供給される溝Vを設けたので、この
溝V内にたまり23が常に完全な形で強制的に形成さ
れ、塗布液を安定して塗布することができる。また、本
実施例では、たまり23の寸法(量)は、貫通穴Hを介
して溝Vに接続されたディスペンサの供給量を制御する
ことにより任意に制御することができる。
【0058】したがって、たまり23を完全に形成した
後、アプリケータ1(または基板10)を滑動させるこ
とにより、塗布膜21の塗布開始部分の変形(図11の
21A)を防止することができる。また、塗布終了時点
でたまり23の量が最小値になるようにディスペンサの
アプリケータ1への塗布液の供給量を制御してたまり2
3の量を制御することにより、塗布終了部分での変形
(図10の21B)を防止することができる。さらに、
たまり23がヘッド部30の前面31ではなく溝V内に
閉じ込められて形成されるので、従来のように塗布液が
アプリケータ1、特にヘッド部30の前面31に付着
し、固化して残ることも防止することができ、これに起
因する縦筋状欠陥(図10の22)の発生を防止するこ
とができる。したがって、塗布を行なう度に、アプリケ
ータ1を洗浄してアプリケータ1に付着した固化物を除
去する必要がなくなり、多数枚の基板10上に連続的に
塗布することができ、作業性を大幅に向上できる。
【0059】図13の溝V、貫通穴Hの寸法は、塗布液
の材料、粘度、基板の種類などによって、その適正値が
変わる。例えば、その粘度が100〜500cpのポリ
マ分散型液晶をガラス基板上に5〜100μm膜厚で塗
布する場合、溝Vの面積は1〜20平方ミリメートルが
適当である。また、貫通穴Hの直径は、0.1〜2ミリ
メートルが適当である。貫通穴Hどうしの間隔は1セン
チメートル以内が望ましい。なお、塗布幅はヘッド部3
0の横幅Lで決まり、塗布膜厚は底面A、Bとの段差の
大きさT(底面Bと基板10との間隔)で安定に保たれ
た。
【0060】図15(A),(B),(C),(D),
(E)は、第3のアプリケータを示すもので、図13
(A),(B),(C),(D),(E)と同様の図で
ある。塗布膜幅が例えば10センチメートルと広い場
合、例えば10個以上と多くの貫通穴H(図13
(D))を設ける必要が生じ、アプリケータ1の構造が
複雑となる。このような場合は、貫通穴Hの代わりに、
図15(C)に示すような、貫通スリットSを設けるこ
とにより、貫通穴Hの個数を減らすことができ、構造を
簡単にすることができる。本実施例においても、第2の
アプリケータと同様の効果を奏することができるのは言
うまでもない。
【0061】図17(A),(B),(C),(D),
(E)は、第4のアプリケータを示す図で、図17
(A)は側面図、図17(B)は正面図、図17(C)
は図17(B)の要部拡大図、図17(D)は第1のア
プリケータによる塗布膜の塗布直後の形状を示す図であ
る。図17(E)は第2,3,4のアプリケータによる
塗布膜の塗布直後の形状を示す図である。
【0062】本実施例では、アプリケータ1のヘッド部
30の底面Bの両端部に、(c)に示すように、両端部
に行くにしたがって凸になる斜面形状の凸部30Rを形
成した。図17(C)の2点鎖線30Cは、従来のアプ
リケータの形状を示す。
【0063】図17(D)は、従来の装置による塗布膜
21の塗布直後の断面形状例を示し、図17(E)は、
本発明の装置による塗布膜21の塗布直後の断面形状例
を示す。従来の装置による塗布膜21は、塗布した直後
は、図17(D)に示すような膜厚が均一であるが、塗
布した後、少し時間がたつと、図12(B)に示したよ
うに、塗布膜21の表面張力のために、塗布膜21の両
端部に盛り上がり21Rが発生する。この塗布膜21が
例えばポリマ分散型液晶薄膜である場合、この後、図1
2(C)に示すように、上基板(液晶表示素子の上部透
明ガラス基板)11を重ね合わせるが、盛り上がり21
Rが存在すると、上基板11を塗布膜21に密着させる
ことができず、両基板10、11の重ね合せが不完全と
なり、液晶表示素子の特性を劣化させる原因となる。本
実施例では、アプリケータ1のヘッド部30の底面Bの
両端部に、両端部に行くにしたがって凸になる斜面形状
の凸部30Rを付けたので、塗布膜21の塗布直後は、
塗布膜21の両端部が凸部30Rにより抑え込まれて、
図17(E)に示すように、塗布膜21の両端部の膜厚
が少し薄くなる。この後、塗布膜21の表面張力により
塗布膜21の両端部が少し盛り上がり、最終的に膜厚の
均一な薄膜を得ることができる。これにより、両端部で
の盛り上がりが防止でき、図12(C)に示したよう
な、上基板11の重ね合せ時の両基板10、11の密着
不完全の問題を解消できる。
【0064】凸部30Rの形状、寸法は、でき上がりの
薄膜の膜厚が均一になるような形状に形成するが、塗布
液の材料、粘度、基板の種類によって変わる。例えば、
粘度100〜500cpのポリマ分散型液晶をガラス基
板上に5〜100μmの膜厚で塗布する場合、図17
(C)の傾斜の長さIの値は、2〜5mm程度が望まし
い。
【0065】以上本発明を実施例に基づいて具体的に説
明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能で
あることは勿論である。例えば、図示は省略したが、上
記第1または第2の実施例の構成に、上記第3の実施例
の構成を付加するとより望ましいことは言うまでもな
い。また、アプリケータ1の形状や、第1、第2の実施
例において、溝V、貫通穴Hや貫通スリットSの形状
は、実施例の形状に限定されない。また、第1、第2の
実施例では、全長にわたって同一寸法の貫通穴H、貫通
スリットSを形成したが、これらの代わりに断面積の異
なる開口部と通路から構成してもよい。また、第3の実
施例において、アプリケータ1のヘッド部30の底面B
の両端部に設けた凸部30Rの形状も、実施例の形状に
限定されない。さらに、上記各実施例は、例えば、高分
子材料の中に液晶材料を分散させたポリマ分散型液晶の
塗布液を透明ガラス基板や透明プラスチックフィルム上
に塗布し、固化した後、該基板と同一材料からなるもう
1枚の基板を重ね合わせて、高分子分散型液晶表示素子
を作製する用途に特に有効であるが、基板上に薄膜を形
成する種々の用途に適用可能である。
【0066】以上説明したように、本発明の塗布装置で
は、基板上の塗布開始部分および塗布終了部分に生じる
塗布膜変形を最小限に抑制できる。また、塗布膜の縦筋
状の欠陥の発生を抑制できるので、塗布を行なう度のア
プリケータの洗浄が不要となり、多数枚の基板の連続的
な薄膜塗布処理が可能となり、作業性が向上する。さら
に、塗布膜の両端部の盛り上がりを抑制でき、均一な膜
厚の薄膜を形成することができる。
【0067】(TFTを用いた表示装置)図18は、本
発明をTFTを用いた表示装置に応用した実施例を示す
断面図である。TFTを用いた表示装置は、固定パター
ンの表示装置と同様に液晶に常時電圧を印加することが
できるので、高分子分散型液晶を使用することができ
る。図18は、基本的には従来のツイステッドネマチッ
ク液晶を用いるTFT表示装置と同様である。しかし、
ツイステッドネマチック液晶に必須な、偏光板や、配向
膜は、高分子分散型液晶では必要無い。
【0068】図18に示すように、液晶LCを基準に下部
透明ガラス基板SUB1側には薄膜トランジスタTFT
および透明画素電極ITO1が形成され、上部透明ガラ
ス基板SUB2側にはカラーフィルタFIL、遮光用ブ
ラックマトリクスパターンBMが形成されている。下部
透明ガラス基板SUB1はたとえば1.1mm程度の厚さ
で構成されている。また、透明ガラス基板SUB1、S
UB2の両面にはディップ処理等によって形成された酸
化シリコン膜SIOが設けられている。このため、透明
ガラス基板SUB1、SUB2の表面に鋭い傷があった
としても、鋭い傷を酸化シリコン膜SIOで覆うことが
できるので、その上にデポジットされる走査信号線G
L、遮光膜BM等の膜質を均質に保つことができる。
【0069】上部透明ガラス基板SUB2の内側(液晶
LC側)の表面には、遮光膜BM、カラーフィルタFI
L、保護膜PSV2、共通透明画素電極ITO2(CO
M)が順次積層して設けられている。
【0070】ソース電極SD1は透明画素電極ITO1
に接続されている。ソース電極SD1は、i型半導体層
AS段差(第2導電膜g2の膜厚、陽極酸化膜AOFの
膜厚、i型半導体層ASの膜厚およびN(+)型半導体層
d0の膜厚を加算した膜厚に相当する段差)に沿って構
成されている。具体的には、ソース電極SD1は、i型
半導体層ASの段差に沿って形成された第2導電膜d2
と、この第2導電膜d2の上部に形成した第3導電膜d
3とで構成されている。ソース電極SD1の第3導電膜
d3は第2導電膜d2のCr膜がストレスの増大から厚
く形成できず、i型半導体層ASの段差形状を乗り越え
られないので、このi型半導体層ASを乗り越えるため
に構成されている。つまり、第3導電膜d3は厚く形成
することでステップカバレッジを向上している。第3導
電膜d3は厚く形成できるので、ソース電極SD1の抵
抗値(ドレイン電極SD2や映像信号線DLについても
同様)の低減に大きく寄与している。
【0071】ドレイン端子DTMは酸化珪素SIO層と
接着性が良くAl等よりも耐電触性の高いCr層g1
と、更にその表面を保護し画素電極ITO1と同レベル
(同層、同時形成)の透明導電層d1とで構成されてい
る。なお、ゲート絶縁膜GI上及びその側面部に形成さ
れた導電層d2及びd3は、導電層d3やd2のエッチ
ング時ピンホール等が原因で導電層g2やg1が一緒に
エッチングされないようその領域をホトレジストで覆っ
ていた結果として残っているものである。
【0072】高分子分散型液晶層LCとシール部SLと
の間には、不純物阻止帯となる間隙4が設けられてい
る。遮光膜BMは、不純物阻止帯となる間隙も覆うよう
に設けられている。これにより、光の漏れなどは防止す
ることができる。
【0073】
【発明の効果】以上の構成を採用することにより、高分
子分散型液晶薄膜の水分を含み易い性質による、シール
材からの不純物の浸入による汚染が進行し易く、表示特
性劣化が特に起こり易い、という欠点を解決することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)は、本発明者らが検討した、実験例
の液晶表示素子を示す平面図である。図1(B)は、本
発明者らが検討した、実験例の液晶表示素子を示す分解
断面図である。
【図2】本発明者らが検討した、実験例の液晶表示素子
の一部を示す平面図である。
【図3】本発明の液晶表示素子の第1の実施例を示す平
面図である。
【図4】本発明の液晶表示素子の第2の実施例を示す平
面図である。
【図5】本発明の液晶表示素子の第3の実施例を示す平
面図である。
【図6】本発明の液晶表示素子の第4の実施例を示す平
面図である。
【図7】本発明の液晶表示素子の製造方法を示す斜視図
および断面図である。
【図8】図8(A)は、本発明の製造に用いる薄膜塗布
装置の第1のアプリケータの底部側から見た外観斜視図
である。図8(B)は、本発明の製造に用いる薄膜塗布
装置の第1のアプリケータの側面図である。図8(C)
は、本発明の製造に用いる薄膜塗布装置の第1のアプリ
ケータの正面図である。
【図9】第1のアプリケータを用いた塗布方法を示す斜
視図である。
【図10】第1のアプリケータを用いて塗布膜を安定に
形成する動作原理を示す図である。
【図11】第1のアプリケータを用いて塗布した後の塗
布膜を上から見た平面図である。
【図12】図12(A)は、第1のアプリケータを用い
て塗布した塗布膜の部分平面図である。図12(B)
は、第1のアプリケータを用いて塗布した図12(A)
のa−a′線で切断した断面図である。図12(C)
は、上基板を重ね合わせた断面図である。
【図13】図13(A)は、本発明の製造に用いる薄膜
塗布装置の第2のアプリケータの底部側から見た外観斜
視図である。図13(B)は、本発明の製造に用いる薄
膜塗布装置の第2のアプリケータの側面図である。図1
3(C)は、本発明の製造に用いる薄膜塗布装置の第2
のアプリケータの上面図である。図13(D)は、本発
明の製造に用いる薄膜塗布装置の第2のアプリケータの
正面図である。図13(E)は、本発明の製造に用いる
薄膜塗布装置の第2のアプリケータの底面図である。
【図14】本発明による塗布膜形成方法を示す図であ
る。
【図15】図15(A)は、本発明の製造に用いる薄膜
塗布装置の第3のアプリケータの底部側から見た外観斜
視図である。図15(B)は、本発明の製造に用いる薄
膜塗布装置の第3のアプリケータの側面図である。図1
5(C)は、本発明の製造に用いる薄膜塗布装置の第3
のアプリケータの上面図である。図15(D)は、本発
明の製造に用いる薄膜塗布装置の第3のアプリケータの
正面図である。図15(E)は、本発明の製造に用いる
薄膜塗布装置の第3のアプリケータの底面図である。
【図16】本発明による薄膜塗布装置の全体外観斜視図
である。
【図17】図17(A)は、本発明の製造に用いる薄膜
塗布装置の第4のアプリケータを示す側面図である。図
17(B)は、本発明の製造に用いる薄膜塗布装置の第
4のアプリケータを示す正面図である。図17(C)
は、(B)の要部拡大図である。図17(D)は第1の
アプリケータによる塗布膜の塗布直後の形状を示す図で
ある。図17(E)は第2、3、4のアプリケータによ
る塗布膜の塗布直後の形状を示す図である。
【図18】本発明を、TFTを用いた表示装置に適用し
た断面図である。
【符号の説明】
SL・・・シール材、LC・・・高分子分散型液晶薄
膜、AGP・・・導電性ペースト、ITO1、ITO2
・・・下透明電極、上透明電極、PTN・・・固定パタ
ン表示部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 箭内 雅弘 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所茂原工場内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の透明基板と、 上記第1の透明基板上に設けられた透明電極と、 上記第1の透明基板の透明電極を設けた面と対向するよ
    うに設けられた、透明電極が設けられた第2の透明基板
    と、 上記第1、第2の透明基板の間に設けられた高分子分散
    型液晶薄膜と、 上記第1、第2の透明基板の間に設けられ、上記第1、
    第2の基板を接着するためのシール材とを有する液晶表
    示素子において、 上記シール材と、上記高分子分散型液晶薄膜との間に不
    純物阻止帯が設けられてなることを特徴とする液晶表示
    素子。
  2. 【請求項2】請求項1記載の液晶表示において、 上記不純物阻止帯は、上記シール材と、上記高分子分散
    型液晶薄膜との間に設けられた間隙であることを特徴と
    する液晶表示素子。
  3. 【請求項3】請求項2記載の液晶表示において、 上記上記高分子分散型液晶薄膜との間に設けられた間隙
    の中に設けられた不純物吸収帯を更に有することを特徴
    とする液晶表示素子。
  4. 【請求項4】請求項3記載の液晶表示において、 上記不純物吸収帯は、高分子分散型液晶薄膜で設けられ
    ることを特徴とする液晶表示素子。
  5. 【請求項5】請求項4記載の液晶表示において、 上記不純物吸収帯は、枠状に設けられることを特徴とす
    る液晶表示素子。
  6. 【請求項6】請求項1記載の液晶表示において、 上記第1の基板の透明電極は薄膜トランジスタを介して
    電圧が印加されることを特徴とする液晶表示素子。
  7. 【請求項7】請求項1記載の液晶表示において、 上記第1の基板の透明電極は固定パターン形状であるこ
    とを特徴とする液晶表示素子。
  8. 【請求項8】請求項2記載の液晶表示において、 上記シール材と、上記高分子分散型液晶薄膜との間に設
    けられた間隙に対応する部分に設けられた遮光膜を更に
    有することを特徴とする液晶表示素子。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6128056A (en) * 1997-06-04 2000-10-03 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Liquid crystal display element in which the polymer liquid crystal composite layer is divided into an active area and a non-active area and method of manufacturing the same
JP2001091966A (ja) * 1999-08-24 2001-04-06 Eastman Kodak Co 光変調層上に導電性の画像領域を持つ表示装置形成方法
US6238754B1 (en) * 1998-11-16 2001-05-29 Kabushiki Kaisha Toshiba Liquid crystal display device

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