JPH0520930A - 電線被覆材 - Google Patents

電線被覆材

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JPH0520930A
JPH0520930A JP19978591A JP19978591A JPH0520930A JP H0520930 A JPH0520930 A JP H0520930A JP 19978591 A JP19978591 A JP 19978591A JP 19978591 A JP19978591 A JP 19978591A JP H0520930 A JPH0520930 A JP H0520930A
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Hiroshi Kitahara
洋 北原
Shiro Kumakawa
四郎 熊川
Kazuyuki Kono
一幸 河野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】被覆加工する際の加工性に優れ、且つ収束性、
可撓性及び耐久性にも優れた電線被覆材を得る。 【構成】最大引張強度が5.0g/d以上、沸水収縮率
が25%以上、且つ熱応力曲線において70〜160℃
にピークを有するとともに100℃での熱応力値が0.
2g/d以上のポリエステル繊維が緯糸の少なくとも一
部に用いられている布帛からなる電線被覆材。 【効果】本発明の電線被覆材は、温水又は乾熱処理する
と大きな収縮応力のもとで大きく収縮するので、極めて
容易に線芯と介在とを締付け被覆加工することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電線被覆材に関し、さら
に詳しくは、線芯と介在とを一括して締め上げるため
の、保護層用の押え巻き材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電線被覆材の保護層用材料のう
ち、電線、ケーブル等の収束に使用される押え巻き用材
料は、綿布、ポリエステル不織布あるいは熱収縮性の塩
ビチューブ等が用いられていた。しかしながら、綿布及
びポリエステル不織布は、線芯と介在とを一括して締め
上げるためには機械的強度が不充分である上、巻き付
け、締め上げ工程に多大の労力を要するといっ問題点が
ある。一方熱収縮性の塩ビチューブは、巻き付け及び締
め上げ工程等の労力を低減することができるものの、表
面等に傷が入るとその部分から破壊が進行し易いため耐
久性に劣るといった問題点がある。
【0003】
【発明の目的】本発明は、上記従来技術の有する問題点
を背景になされたもので、その目的は、電線、ケーブル
の収束が容易であり且つ耐久性に優れた、電線被覆押え
巻き用材料を提供することにある。
【0004】
【発明の構成】本発明者らは、上記目的を達成せんと鋭
意検討した結果、電線被覆材を構成する繊維素材とし
て、沸水収縮率が25%以上で且つ100℃における熱
収縮応力が0.2g/de以上のものを用いることによ
り、容易に締め付けすることができ且つその耐久性も良
好な押え巻き用材料が得られることを知り本発明に到達
した。
【0005】すなわち、本発明によれば、最大引張り強
度が5.0g/de以上、沸水収縮率が25%以上、熱応
力曲線における熱応力ピークが温度70〜160℃に存
在し且つ100℃における熱収縮応力値が0.2g/de
以上である高収縮性ポリエステル繊維が、緯糸の少なく
とも一部に用いられている布帛からなる電線被覆材、が
提供される。
【0006】本発明の電線被覆材の緯糸に用いられるポ
リエステル繊維は、最大引張荷重時の強度が5.0g/
de以上である必要があり、これ未満の場合には、電線被
覆材として使用するには機械的特性及び耐久性の面で実
用上の問題が有り好ましくない。
【0007】また、沸水収縮率は25%以上であること
が大切であり、25%未満の場合には、収束加工時に熱
水処理しても布帛の収縮量が不充分となって強固に締め
付けることができなくなり、本発明の目的を達成するこ
とができなくなる。
【0008】本発明においては、上述に加えて、以下に
示されるような特定の熱応力曲線を有する、大きな内部
歪が存在する繊維構造を持ったポリエステル繊維である
ことが肝要である。すなわち、熱応力曲線における熱応
力ピークが温度70〜160℃の範囲内に存在し、且つ
100℃における熱収縮応力値が0.2g/de以上、好
ましくは0.25g/de以上である必要がある。温度1
00℃における熱収縮応力値が0.2g/de未満の場合
には、被覆加工時に熱処理を施しても、その収縮力が不
充分で本発明の目的は達成できない。また、熱収縮応力
のピーク温度が上記範囲外で70℃未満の場合には、繊
維構造の固定が不充分で長期間保存中に収縮率の低下等
が生じて充分な被覆加工ができなくなるとともに、かか
る特性を有するポリエステル繊維の製糸性も悪化するた
め好ましくない。一方、160℃を越える場合には、1
00℃での熱収縮応力値が0.2g/de以上のものを得
難くなるので、本発明の目的を達成する上では好ましく
ない。
【0009】本発明が対象とするポリエステルは、エチ
レンテレフタレートを主たる繰り返し単位とし、第3成
分を8〜30モル%(テレフタル酸成分に対して)共重
合したポリエステルである。第3成分の共重合量が8モ
ル%未満の場合には、沸水収縮率が25%以上といった
高収縮性のポリエステル繊維を得ることが難しくなり、
一方30モル%を越える場合には、ポリマーの結晶性が
低下して融着等のトラブルが発生し易くなる傾向があ
る。
【0010】好ましく用いられる第3成分としては、例
えばイソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン
酸、セバシン酸等の二官能性ジカルボン酸、ネオペンチ
ルグリコール、ブタンジオール、ジエチレングリコー
ル、プロピレングリコール等のジオール化合物等をあげ
ることができるが、これらに限定されるものではない。
また、これらの第3成分は一種を単独で用いても、二種
以上を併用してもよい。
【0011】なお、かかる共重合ポリエステルの固有粘
度[η]は、0.60以上、好ましくは0.70〜0.
80とするのが望ましく、かくすることによって容易に
最大引張時の強度が5g/de以上のものを得ることがで
きる。
【0012】本発明で用いるポリエステル繊維は、上記
の共重合ポリエステルを用い、例えば以下に示す方法に
より製造することができる。すなわち、上記共重合ポリ
エステルを、延伸時の総繊度が500〜2000deにな
るように紡糸口金より吐出し、融点以上に加熱された雰
囲気中を通した後、冷却してから油剤を0.05〜10
重量%付与する。次いで、引取りローラーを通したのち
一旦巻き取って別の工程で延伸するか、もしくは巻き取
ることなく連続して延伸する。この際、未延伸糸の引取
り速度は、配向結晶化を防ぐため1500m/分以下と
するのが望ましく、延伸条件としては、共重合ポリエス
テルのガラス転移温度以上、例えば75〜95℃に加熱
されたローラーで予熱後、引取り速度に応じた延伸倍率
(2.0〜5.0倍)に第1段延伸し、次いで室温〜1
60℃に加熱された気体中を通して加熱しながら定長〜
2.0倍に第2段延伸すればよい。
【0013】第1段延伸時の予熱温度が70℃未満の場
合には製糸安定性が低下するし、一方第2段延伸時に糸
条の温度が160℃を越える場合には温度100℃にお
ける熱収縮応力を0.2g/de以上とすることは困難と
なり、また熱収縮応力のピークが160℃以上に現れる
ようになって目的とする高収縮性ポリエステル繊維は得
られなくなる。
【0014】以下、実施例をあげて本発明をさらに詳細
に説明する。なお、各特性は下記の方法にしたがって測
定した。 沸水収縮率 糸に対し、該糸のデニール数の1/10の荷重(g)を
付けて吊るし、長さL0 の間隔でマークを付け、それを
無緊張状態で100℃の沸水中で30分間処理し、処理
後の糸に再び同荷重を付けて吊るしマークの長さを測定
した長さL1 から、収縮率を次式により算出した。 沸水収縮率(%)=[(L0 −L1 )/L0 ]×100 熱収縮応力 一定長の試料を乾燥機中で初荷重が0.05g/dとな
る様に両端を固定する。この乾燥機中の雰囲気を4℃/
分の速度で昇温せしめ、溶断するまで加熱して熱収縮に
よる収縮力を測定する。この収縮力を繊維のデニールで
除した値を熱収縮応力とした。
【0015】
【実施例1】高収縮ポリエステル繊維(糸条A)の製造 ネオペンチルグリコール(NPG)を表1記載の割合で
共重合した、25℃オルソクロロフェノール溶液で測定
した固有粘度が表1記載の共重合ポリエチレンテレフタ
レートチップを、エクストルーダーで溶融し、孔径0.
35mmの口金より延伸糸の総デニールが表1記載のデニ
ールとなるようにギアポンプで計量吐出した。吐出され
た糸条は、口金下に設けられた長さ300mm、温度27
0℃の加熱雰囲気を通過させた後、長さ300mmにわた
って相対湿度65%、温度25℃の冷却風を5Nm3
分送風して冷却固化させた。冷却固化した糸条はオイリ
ングローラーで油剤を付与したのち、引き取り速度1,
000m/分にて一旦未延伸糸パッケージとして巻取っ
た。
【0016】得られた未延伸糸を、85℃に加熱した供
給ローラーで予熱したのち、ローラー間で3.0倍に第
1段延伸を行い、次いで室温の延伸気体浴中で1.4倍
に第2段延伸を行ったのち、290m/分の速度で巻き
取り、総デニールが表1記載の糸条Aを得た。得られた
糸条の特性は表1に示す。
【0017】低収縮ポリエステル繊維(糸条B)の製造 25℃オルソクロロフェノール溶液で測定した表1記載
の固有粘度のポリエチレンテレフタレートチップをエク
ストルーダーで溶融し、孔径0.40mmの口金より延伸
糸の総デニールが表1記載のデニールになるようにギア
ポンプで計量吐出した。吐出された糸条は、口金下に設
けられた長さ200mm、温度330℃の加熱雰囲気を通
過させたのち、長さ300mmにわたって相対湿度65
%、温度25℃の冷却風を5Nm3 /分送風して冷却固
化させた。冷却固化した糸条は、オイリングローラーで
油剤を付与したのち、引き取りローラーで800m/分
の速度で引き取り、未延伸糸繊維を一旦巻き取ることな
く連続して適正な延伸倍率で延伸、弛緩熱処理を施した
のち、3,300m/分の速度で巻き取り、表1記載の
糸条Bを得た。
【0018】このようにして得られた高収縮性の糸条A
を緯糸に、糸条Bを経糸に使用して被収束体より約20
%程度内径の大きい袋状織物を作成し、該織物の中に被
収束体となる電線・ケーブルを通した。この被覆電線を
100℃の乾熱浴中で処理して収束性、経方向の寸法安
定性及び可とう性を評価した。結果は表1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】
【発明の効果】以上詳述した本発明の電線被覆材は、被
収束体である電線芯と介在とを被覆した後、沸水処理も
しくは乾熱処理することによって大きな収縮応力のもと
で収縮させることができるので、被覆部を緊締すること
ができ、押え巻き工程の大巾な省力化が可能となる。し
かも、従来多用されていた塩化ビニル製チューブに比較
して、収束性、可撓性、経方向の寸法安定性(経糸には
高収縮糸を使用しない時)等に優れ、且つ耐破壊進行性
(傷の伝播性)にも優れているといった特徴を有し、か
かる特性は保存中でもほとんど劣化しないので長期間保
存することができるものである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年1月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】
【表1】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】最大引張り強度が5.0g/de以上、沸水
    収縮率が25%以上、熱応力曲線における熱応力ピーク
    が温度70〜160℃に存在し且つ100℃における熱
    収縮応力値が0.2g/de以上である高収縮性ポリエス
    テル繊維が、緯糸の少なくとも一部に用いられている布
    帛からなる電線被覆材。
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Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6258511A (ja) * 1985-09-02 1987-03-14 帝人株式会社 電気絶縁材料

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS6258511A (ja) * 1985-09-02 1987-03-14 帝人株式会社 電気絶縁材料

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