JP2585820B2 - 漁網用ポリエステル繊維 - Google Patents

漁網用ポリエステル繊維

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JP2585820B2 JP2000448A JP44890A JP2585820B2 JP 2585820 B2 JP2585820 B2 JP 2585820B2 JP 2000448 A JP2000448 A JP 2000448A JP 44890 A JP44890 A JP 44890A JP 2585820 B2 JP2585820 B2 JP 2585820B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、漁網用ポリエステル繊維に関し、さらに詳
しくは「小破れ」の少ない漁網に適した力学特性を備え
た網地コードを製造可能な高伸度、高タフネスの漁網用
ポリエステル繊維に関する。
〔従来の技術〕
一般に漁網用に用いられる網は、主としてポリエステ
ル、ナイロン、ポリエチレンなどの合成繊維が使用され
ているが、中でもポリエステル繊維は、比重が大なるこ
とによる「網なり」「水さばき」などが良好である点、
経時収縮が小なることによる長期操業下での網の変形が
少ない点、コストパフォーマンスが良好である点など種
々の優れた性能を有するため、当分野で広く使用されて
いる素材である。
しかるに、近年の各種漁具類のハイテク化、高度化と
を考えあわせた場合、その性能は必ずしも市場で満足さ
れていないのみならず以下に述べる改良要求および欠点
の指摘がなされているのが現状である。
一般に施網漁法、定置網漁法に多く採用されている無
結節漁網については、網の面積が大きく、これを構成す
る糸本数も多く太いため操業に際して省エネルギーの観
点からも、軽量化を目的として原糸の高タフネス化の要
求が高い。また、素材間の比較において、ポリエステル
網は、ナイロン網対比繰り返し操業後の「小破れ」が多
いとの欠点も指摘され、巻き上げ機ネットホーラーの樹
脂コーテイングなどが実施されているが、これとて充分
な成果をあげるに至らず、網地のエネルギー吸収性能向
上のため網地構成原糸の大幅な伸度アップが課題となっ
ている。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、かかる従来技術の諸欠点を解消し、網地の
高タフネス化を図るとともに「小破れ」を防止するな
ど、総合的に網性能を向上させるための高伸度かつ高タ
フネスの漁網用ポリエステル繊維を提供せんとするもの
である。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、エチレンテレフタレートを主たる繰り返し
単位とし、極限粘度が0.9以上のポリエステルからな
り、紡糸・延伸後、3段以上に多段分割して弛緩熱処理
して得られ、かつその荷重−荷伸曲線における各点の勾
配をDとしたとき (破断伸度−5)%の伸度領域で D≦0.10gr/de/% ……(ア) 伸度2.5%以上、中間伸度点以下の領域で D≦0.45gr/de/% ……(イ) 中間伸度点での強度が 3.5〜5.0gr/de ……(ウ) の条件を満足するとともに、150℃における乾熱収縮率
が2.5%以上であり破断伸度が少なくとも30%かつ破断
強度が少なくとも6.0gr/deであることを特徴とする漁網
用ポリエステル繊維である。
本発明で使用されるポリエステル繊維を構成するポリ
マーは、分子鎖中にエチレンテレフタレート繰り返し単
位を90モル%以上、好ましくは95モル%以上含むポリエ
ステルである。
かかるポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタ
レートが好適であるが、10モル%未満、好ましくは5モ
ル%未満の割合で他の共重合成分を含んでも差し支えな
い。この様な共重合成分としては、例えばイソフタル
酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、オキシ安息
香酸、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、
トリメリット酸、ペンタエリスリトールなどが挙げられ
る。
また、これらのポリエステルには、安定剤、着色剤な
どの添加剤を含んでも差し支えない。
本発明のポリエステル繊維は、25℃、o−クロロフェ
ノール溶液から求められ、極限粘度が0.90以上であるこ
とが必要である。極限粘度が0.90未満ではポリエステル
繊維の強度または伸度が不足して不適当である。極限粘
度は0.90〜1.3が好ましい。
さらに、本発明のポリエステル繊維は、その荷重−荷
伸曲線において、各点の勾配(D)が、 (破断伸度−5)%の伸度領域(以下、伸度領域とい
う)で D≦0.10gr/de/% ……(ア) 伸度2.5%以上中間伸度点以下の領域(以下伸度領域
という)で D≦0.45gr/de/% ……(イ) 中間伸度点での強度が 3.5〜5.0gr/de ……(ウ) の3つの条件を満足するとともに150℃における乾熱収
縮率が2.5%以上であり、破断伸度が少なくとも30%、
かつ破断強度が少なくとも6.0gr/deであることが必要で
ある。
ここで、本発明で規定するポリエステル繊維の強度、
破断伸度、収縮率は、JIS−L−1017(1983)に従って
測定したものであり、荷伸曲線は伸度と強度をX−Y記
録計で記録し得たものである。
荷重−荷伸曲線の勾配および中間伸度点での強度が前
記範囲外では、該ポリエステル繊維の伸度および/また
はタフネスは不充分であり、これより得られる網地コー
ドの力学特性向上効果は少ない。
すなわち、伸度領域でD>0.10gr/de/%の場合に
は、荷重−荷伸曲線ターミナル部のモジュラスが大なる
ことにより後述する撚糸〜製網過程での強力利用率が低
下し充分な網地強力が得られない。これを回避するに
は、延伸倍率を高くするなどフィラメントの初期強度を
上げるなどの手段も採用しうるが、この場合には伸度の
低下を伴うとともに製糸時の糸切れが増加する。この領
域においては、D>0.03gr/deであることが好ましい。
さらに、伸度領域でD>0.45gr/deの場合には、荷
重−荷伸曲線の初期のモジュラスが大なることにより実
操業における魚体との接触、海底の突起物体への引っ掛
かりなどの小荷重下でのエネルギー吸収量が少なく、小
荷重の繰り返し負荷に対する破網防止効果は少ない。こ
の領域においては、D>0.10gr/deであることが好まし
い。
さらに、中間伸度点での強度が3.5gr/de未満となる
(第1図の曲線2で示す)場合には、破断に至るまでの
全エネルギー吸収量が少なく高荷重時に破網しやすく、
中間伸度点の強度が5.0gr/deを超える(第1図の曲線3
で示す)場合には、前述の如き伸度領域の勾配が大と
なり小荷重時エネルギー吸収量低下により破網しやすい
などの欠点が生じる。
また、150℃における乾熱収縮率が2.5%未満の場合に
は、得られる網地の締まりが少なく、やはり繰り返し使
用下での網地コード構成単糸の収束性低下により充分な
網地性能を発揮しえない。
150℃における乾熱収縮率は、5.0%以下であることが
好ましい。
破断伸度が30%未満の場合には、海底および船体の突
起物体への引っ掛かりなどが原因となる変形量不足によ
る応力集中での破網が多くなるとともに、高荷重時のエ
ネルギー吸収量の絶対値も小となる。破断伸度は45%以
下が好ましい。
破断伸度が6.0gr/de未満の場合には、漁獲後の引上げ
時、前記応力集中時などの高荷重下での強度不足とな
り、網地性能してはともに好ましくない。破断伸度は、
7.0gr/de以下が好ましい。
本発明のポリエステル繊維(代表例;第1図曲線2)
は、例えば以下の方法で得られる。
すなわち、エチレンテレフタレートを主たる繰り返し
単位とする極限粘度が0.95〜1.5のポリエステルまたは
極限粘度が0.7〜0.9のポリエステルに重合度促進剤を反
応させて常法により溶融輸送し、紡糸口金より、延伸後
の繊度が6〜20デニール、全デニール500〜2,000デニー
ルになるように糸条を吐出し、融点以上の温度の加熱雰
囲気中にある時間さらして遅延冷却を行う。
次いで、得られた未延伸糸をその破断伸度の60%以上
延伸する。この延伸は、紡糸に続いて連続して行い、一
段で一挙に破断伸度の60%以上延引する。この延伸に当
たって、その加熱手段として250〜450℃の加熱水蒸気を
噴出させるスチーム・ジェット方式が採用される。
また、延伸後の熱処理は、フィラメントの融解温度−
30〜90℃の範囲で0.1〜0.5秒間保持しながら5〜20%、
好ましくは7〜15%の弛緩熱処理を行う。ここで、走行
糸条の応力緩和に伴う過度の収縮率低下を制御するとと
もに、延伸張力の急激な低下による走行糸のタルミを防
止して製糸時の断糸を抑制するため、弛緩は多段に分割
して熱応力下にて逐次昇温熱セットすることにより製造
される。分割数は3段以上とするのが好ましく、3段以
上の分割熱処理を行うことなく本発明のフィラメントを
得るのは極めて難しい。
熱処理段数、熱処理温度、熱処理時間、延伸倍率の絶
妙な組合せにより、初めて本発明の繊維が得られる。
〔実施例〕
以下、実施例をあげて本発明をさらに詳述する。
実施例中、「部」は、重量部を表す。
実施例1〜5および比較例1〜5 ジメチルテレフタレート97部、エチレングリコール69
部、酢酸カルシウム1水塩0.034部および三酸化アンチ
モン0.025部をオートクレーブに仕込み、チッソを緩や
かに通じながら180〜230℃でエステル交換の結果生成す
るメタノールを除去したのち、H3PO4の50重量%水溶液
を0.05部加えて加熱温度を280℃まで上昇させるととも
に徐々に減圧に移行し、約1時間20分重合反応を続けて
固有粘度0.70、末端カルボキシル基量30当量/106グラム
の重合体を得た。
こののち、さらに公知の固相重合装置にて高真空下
(1torr以下)、240℃の温度で撹拌しつつ約16時間固相
重合を行い、固有粘度1.05の重合体としたのち、約300
℃で溶融輸送し、孔径0.6mm、孔数96個を有する紡糸口
金より吐出後、吐出糸条を口金下保温加熱300mm、同温
度350℃の条件に保持し、その後25℃の冷却風を500mmに
わたって7.0m3/分吹きつけながら冷却固化させ、その後
オイリングローラで油剤を付与後引き取りローラに導
き、巻き取らずに直ちに延伸ローラとの間に介在する圧
力2.5kg/cm2G、温度350℃のスチーム・ジェットを糸条
に45℃の角度で噴射させて1段延伸して各種の延伸糸を
得た。この際、第1表に示す様に、巻取り速度、延伸倍
率、リラックス段数、各段熱処理温度、各段熱処理時
間、各段リラックス率を種々変更した。
スチーム・ジェットは、第1段延伸部で使用するとと
もに、弛緩熱処理は1〜3段段付セットローラーとセッ
トプレートを介在させて後続する延伸ローラーとの間で
実施し、各延伸糸の物性を第1表に示した。
さらに、この各延伸糸を2本合糸し、下撚300T/mをか
け、この撚糸を無結節編網機で370T/mの上撚をかけなが
ら16本12節の網とし180℃×3分定長熱セットした。
次いで、無結節網の耐久性強制テストとして、各網を
市販洗濯機を用い、室温下の水中にて網地重量と同重量
の金属性M8ナットとともに24時間洗濯後24時間乾燥し
た。この操作を5回繰り返したのち、網地コードを取り
出し、破断強度、破断伸度を測定して第1表に併記し
た。
第1表から明らかなように、極限粘度が0.9以上かつ
伸度領域でD≦0.10gr/de/%および伸度領域でD≦
0.45gr/de/%であり、中間伸度点での強度が3.5〜5.0gr
/deかつ150℃における乾熱収縮率が2.5%以上であり、
破断伸度が少なくとも30%かつ破断強度が少なくとも6.
0gr/deのポリエステル繊維を用いた場合は、耐久性強制
テスト後でも網地コードの力学特性は充分なものであ
る。
〔発明の効果〕 本発明によれば、網地タフネスの向上が可能な高伸度
高タフネスを有するポリエステル繊維を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図はポリエステル繊維の荷重−荷伸曲線である。図
中、曲線1は本発明のポリエステル繊維の荷重−荷伸曲
線であり、曲線2は初期高モジュラスタイプのポリエス
テル繊維の荷重−荷伸曲線、曲線3は初期低モジュラス
タイプのポリエステル繊維の荷重−荷伸曲線である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレンテレフタレートを主たる繰り返し
    単位とし、極限粘度が0.9以上のポリエステルからな
    り、紡糸・延伸後、3段以上に多段分割して弛緩熱処理
    して得られ、かつその荷重−荷伸曲線における各点の勾
    配をDとしたとき (破断伸度−5)%の伸度領域で D≦0.10gr/de/% ……(ア) 伸度2.5%以上、中間伸度点以下の領域で D≦0.45gr/de/% ……(イ) 中間伸度点での強度が 3.5〜5.0gr/de ……(ウ) の条件を満足するとともに、150℃における乾熱収縮率
    が2.5%以上であり破断伸度が少なくとも30%かつ破断
    強度が少なくとも6.0gr/de であることを特徴とする漁網用ポリエステル繊維。
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