JPH05209072A - 基材の表面処理方法 - Google Patents

基材の表面処理方法

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JPH05209072A
JPH05209072A JP4037001A JP3700192A JPH05209072A JP H05209072 A JPH05209072 A JP H05209072A JP 4037001 A JP4037001 A JP 4037001A JP 3700192 A JP3700192 A JP 3700192A JP H05209072 A JPH05209072 A JP H05209072A
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JP
Japan
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plasma
thin film
film
inorganic oxide
oxide thin
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Application number
JP4037001A
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English (en)
Inventor
Tetsuo Ito
徹男 伊藤
Toshiyuki Ninomiya
利幸 二宮
Kenji Yasuda
健二 安田
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JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 基材の表面処理により、親水性および耐久性
に優れ、且つ多様な特性、機能などを有する物品を製造
する。 【構成】 基材表面に無機酸化物薄膜を形成したのち、
酸素原子および/または窒素原子を有する極性基を含有
するプラズマ重合膜を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、基材表面に無機酸化物
薄膜を形成したのち親水性プラズマ重合膜を形成するこ
とからなる、基材の表面処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、基材の表面改質には物理的、電気
的、化学的、機械的などのすべてにわたる数多くの技術
が採用されており、また基材材料や処理材料について
も、低分子、高分子、天然、合成を含む有機物質、無機
物質、金属あるいはそれらの混合物など、夥しい数にの
ぼっている。そのうち、基材に親水性を付与する表面改
質は、接着性、印刷性、染色性、帯電防止性、防曇性、
揆油性、耐汚染性、さらには生体適合性あるいは生体親
和性を改良する技術として、広く採用されており、その
ための技術手段は(イ)親水性材料による被覆、塗装、
積層等による処理、(ロ)酸化剤、火炎等による酸化や
化学反応による親水性官能基の導入、(ハ)親水性モノ
マーによるグラフト重合、(ニ)反応性雰囲気下での放
電などによるプラズマ処理、(ホ)真空蒸着、スパッタ
リング、イオンプレーティングなどによる親水性薄膜形
成のように多岐にわたっている。しかしながら、上記
(イ)では、基材表面と親水性材料との間の結合が弱
く、両者間の界面で分離し易いばかりか、被覆材の厚さ
を薄くするのに限度があり、基材本来の特性が十分確保
できるとはいえず、上記(ロ)はクロム酸等の酸化剤、
空気中の酸素などによる酸化処理、あるいは化学反応に
よって、カルボキシル基などの親水性官能基を導入する
ものであるが、処理可能な基材または基材と反応試剤と
の組合せに限度があるのみならず、効果も一時的であっ
て、例えば空気中にしばらく放置しただけで処理効果が
損なわれるという欠点があり、上記(ハ)はアクリル
酸、アクリルアミドなどの親水性モノマーをグラフト重
合するものであるが、グラフト重合層が柔らかいため、
例えば洗浄を繰り返すことにより、親水性被覆膜が次第
に摩耗するなど耐久性に欠点があった。さらに上記
(ニ)は酸素、窒素などの非重合性ガス雰囲気下でプラ
ズマ等により処理して親水性官能基を導入したり、ある
いは含硫黄、含酸素、含窒素等の官能基を有する親水性
プラズマ重合膜を形成するものであるが、これらも、上
記(ロ)と同様空気中に放置するだけで親水性が低下し
たり、基材とプラズマ重合膜との間の付着性が十分でな
いなど、耐久性に問題があるとともに、プラズマ重合膜
の場合には、汚れが付着し易いなどの欠点があり、また
上記(ホ)は無機酸化物、金属、場合により有機物など
を蒸発源あるいはターゲットとしてそれらの薄膜を基材
表面に形成するものであり、特に無機酸化物の場合薄膜
の硬度が大きく耐擦傷性、耐磨耗性などにも優れている
が、基材との接着性あるいは付着性が十分でないため、
繰り返し使用している間に基材から剥離してしまうなど
の問題があった。さらに従来の基材の表面処理技術で
は、所要箇所に連続した被覆膜を形成することだけが意
図されていたため、処理された基材の特性、機能などは
基本的には基材あるいは処理剤の選択に依存して変えら
れるに過ぎず、多様な特性、機能などを有する物品を提
供する方法としては不十分なものであった。
【0003】一方、上記プラズマ重合膜および無機酸化
物薄膜に見られる欠点を解消するため、まず基材表面に
有機モノマーなどによるプラズマ重合処理を行って有機
ポリマー層を形成し、ついでプラズマ重合条件下で無機
酸化物等を蒸着して有機質ー無機質複合層を形成する方
法が提案されている(特開昭56−147829号公
報)。しかしながら、この方法は有機質ー無機質複合層
を形成する工程の制御が困難であるとともに、最外層が
必ずしも十分な親水性を有するとは言えないものであ
る。しかもこの方法も、有機ポリマー層および有機質ー
無機質複合層がともに基材上に連続して存在するもので
あり、多様な特性、機能を有する物品を提供できるとは
言えなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明が
解決しようとする課題は、常に十分な親水性を有し且つ
耐久性にも優れた被覆膜を有するのみならず、多様な特
性、機能などを有する有用な物品を効率よく製造できる
新規な方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明における上記課題
を解決するための手段は、基材の表面処理において、基
材表面に無機酸化物薄膜を形成したのち、酸素原子およ
び/または窒素原子を有する極性基を含有するプラズマ
重合膜を形成することを特徴とするものである。本発明
によると、以下に詳述するように、十分な親水性を有し
且つ耐久性にも優れた多様な物品を効率よく製造するこ
とができる。
【0006】以下、本発明について具体的に説明する。
まず、本発明により処理される基材は親水性の被覆膜を
形成できるものであれば特に限定されるものではなく、
例えばフィルム、シート、繊維状物、多孔体(例えばス
ポンジ)、網体などの形態をとることができ、あるいは
レンズ、プリズム、レコード、細胞培養用シャーレ、各
種人工臓器・器官などの単体成形品であることができ
る。また基材は、本発明による処理を受ける表面あるい
は他の表面が火炎処理、放電処理、紫外線照射処理、放
射線照射処理、サンドブラスト処理、溶剤処理、薬品処
理、グラフト重合などの他の処理を受けたものであって
もよい。上記基材の材質は特に制限されないが、本発明
が親水性膜を形成するものであることから、基材が疎水
性である場合に本発明の効果が十二分に発揮されると言
うことができる。本発明により処理することができる基
材材質の例としては、オレフィン系ポリマー(ポリエチ
レン、ポリプロピレン、エチレンープロピレン共重合
体、エチレンープロピレンブロック共重合体など)、ス
チレン系ポリマー(ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレ
ン、ABS樹脂など)、ハロゲン化オレフィン系ポリマ
ー(塩化ビニル、塩化ビニリデン、テトラフルオロエチ
レンなどの重合体)、ビニルアルコール系ポリマー(ポ
リビニルアルコール、エチレンービニルアルコール共重
合体など)、アクリル系ポリマー(メチルメタクリレー
ト、ヒドロキシアルキルメタクレート、フルオロアルキ
ルメタクリレート、シリルアルキルメタクリレート、ア
クリロニトリルなどの重合体)、ジエン系ポリマー(ポ
リブタジエン、ポリイソプレン、スチレンーブタジエン
共重合体、スチレンーブタジエンブロック共重合体な
ど)、スチレンーブタジエンブロック共重合体の水素添
加物、ポリアセタール、ポリエーテル(ポリフェニレン
エーテルなど)、ケトン系ポリマー(ポリエーテルエー
テルケトン、ポリアリールエーテルケトン、ポリケトン
サルファイドなど)、ポリウレタン、ポリカーボネー
ト、ポリエステル(ポリブチレンテレフタレート、ポリ
アリレート、ポリエチレンナフタレートなど)、ポリア
ミド(ナイロン46、ナイロン11、ポリパラフェニレ
ンテレフタルアミドなど)、ポリエステルーアミド、ポ
リイミド(ポリエーテルイミド、ポリエステルーイミ
ド、ポリアミドーイミドなど)、ポリウレタン、ポリサ
ルファイド(ポリフェニレンサルファイドなど)、ポリ
スルホン(ポリエーテルスルホン、ポリアリールスルホ
ンなど)、ポリシロキサン(ジメチルポリシロキサン、
メチルフェニルポリシロキサン、フルオロアルキルポリ
シロキサン、シアノアルキル系ポリシロキサン、ジアリ
ールポリシロキサンなど)、ポリフェニレン、ポリキシ
リレン、天然ゴム、セルロース、絹、羊毛、あるいは上
記材料から得られる誘導体、前記2種以上の材料のポリ
マーブレンドあるいはポリマーアロイ、液晶材料、有機
半導体材料などの有機物質;ガラス、セラミック(Al
−O系、Mg−O系、Zr−O系、Al−Si−O系、
Al−Mg−Si−O系、Al−Ti−O系、Al−N
系、Si−C系、Si−N系、Al−Si−O−N系、
Ti−N系、B−N系、Ti−B系など)、無機半導体
材料、石材、金属などの無機物質;さらには上記材料の
2種以上からなる複合材料が挙げられる。
【0007】本発明において使用される無機酸化物は、
一般に周期律表III〜VIII族元素の酸化物、ガラ
スなどである。好ましい無機酸化物は周期律表III〜
VI族元素の酸化物であり、その例には酸化アルミニウ
ム、酸化ガリウム、酸化インジウム、酸化珪素、酸化ゲ
ルマニウム、酸化錫、酸化チタン、酸化ジルコニウム、
酸化ハフニウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化モリ
ブデン、酸化タングステンなどが挙げられる。特に酸化
珪素および酸化アルミニウムが好ましい。また無機酸化
物の場合、薄膜の親水性、耐久性などの観点から高純度
(例えば純度99.99%以上)のものが好ましい。こ
れらの無機酸化物は何れも親水性薄膜をもたらすもので
ある。
【0008】つぎに、本発明において形成されるプラズ
マ重合膜は酸素原子および/または窒素原子を有する極
性基を含有するものである。このような重合膜は、酸
素原子および/または窒素原子を有する極性基を含有す
る化合物(以下、「極性基含有化合物」という。)のプ
ラズマ重合、プラズマ重合可能な化合物と酸素、窒素
およびアンモニアの少なくとも1種との混合ガスを使用
するプラズマ重合などによって形成することができるも
のであり、これらのプラズマ重合はそれぞれ単独で行な
うことができ、また同時に行なうこともできる。プラズ
マ重合により親水性薄膜を形成する技術は、既に本発明
者らによって提案されている(例えば特公平3−290
84号公報、特開昭59−22933号公報など)。プ
ラズマ重合は炭素ー炭素不飽和結合を持たない化合物で
あっても生起しうるものであり、したがって、上記お
よびのプラズマ重合が可能な化合物についても、不飽
和結合を有することは必ずしも必要ではない。また場合
により存在しうる炭素ー炭素不飽和結合は脂肪族あるい
は芳香族の不飽和結合であることができ、脂肪族炭素ー
炭素不飽和結合の場合は、二重結合または三重結合であ
ることができる。
【0009】本発明において使用することができる上記
における極性基含有化合物は、プラズマ重合条件下で
ガス化あるいは蒸気化できるものである。その化合物が
有することができる酸素原子および/または窒素原子を
有する極性基の例を挙げると、アルコール性またはフェ
ノール性の水酸基、エーテル基、ケトン基、アルデヒド
基、カルボキシル基、酸無水物基、アシル基、スルホン
酸基、アミノ基、イミノ基、アミド基、イミド基、ニト
ロ基、ニトロソ基、シアノ基、アセタール基、ペルオキ
シカルボキシル基、オキシム基などがある。これらの極
性基は、それぞれについて1分子中に1個でもよく、ま
た2個以上存在することもできる。これらの極性基含有
化合物は脂肪族、脂環族あるいは芳香族の化合物である
ことができ、脂環族および芳香族の化合物では炭素環あ
るいは複素環を有することができ、またこれらの炭素環
および複素環は単環でも2以上の環からなることもでき
る。これらの化合物は単独でまたは2種以上混合して使
用される。
【0010】本発明において使用することができる上記
極性基含有化合物のうち、炭素ー炭素不飽和結合を持た
ない化合物の具体例を挙げると、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、メトキシエタノール、エトキシエタ
ノール、1−クロロ−2−プロパノールなどのアルコー
ル類、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、プロピ
レンオキシド、1,2−エポキシブタン、ジオキサン、
テトラヒドロフランなどのエーテル類、アセトン、メチ
ルエチルケトン、ペンタノン、ヘキサノンなどのケトン
類、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒドなどのア
ルデヒド類、酢酸、プロピオン酸などのカルボン酸類、
無水酢酸、無水コハク酸などの酸無水物類、酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸2−エチルブチルなどのカルボン
酸エステル類、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸な
どのスルホン酸類、前記スルホン酸類のエステルのよう
な酸素原子含有化合物;メチルアミン、エチルアミン、
プロピルアミンなどのアミン類、エチレンイミン、ピロ
リジンなどのイミン類、アセトニトリル、プロピオニト
リルなどのニトリル類、ヒドロキシエチルアミン、ヒド
ロキシプロピルアミンなどのヒドロキシアミン類、グリ
シン、セリンなどのアミノ酸類、アセトアミド、プロピ
オンアミドなどのアミド類、ニトロメタン、ニトロエタ
ンなどのニトロ化合物類、アセトンシアノヒドリン−2
−アミノメタノールなどのシアン化合物類のような窒素
原子含有化合物がある。
【0011】また上記における極性基含有化合物のう
ち、炭素ー炭素不飽和結合を持つ化合物としては、2−
プロピン−1−オール、アリルアルコール、ベンジルア
ルコールなどのアルコール類、前記アルコール類のエス
テル、フェノール、クレゾールなどのフェノール類、ジ
ビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニル
エーテル、メトキシベンゼン、p−ジメトキシベンゼ
ン、エトキシベンゼン、エトキシエチレン、メトキシア
セチレン、エトキシアセチレン、ベンジルエチルエーテ
ル、フラン、2−メチルフランなどのエーテル類、3−
ペンテン−2−オン、4−メチル−3−ペンテン−2−
オン、アセトフェノンなどのケトン類、2−ペンテンジ
アール、ベンズアルデヒド、プロピオールアルデヒドな
どのアルデヒド類、アクリル酸、メタクリル酸、プロピ
ン酸、4−ペンテン酸、安息香酸などのカルボン酸類、
前記カルボン酸類のエステル(例えばアクリル酸または
メタクリル酸のアルキルエステル、フッ素含有アルキル
エステルまたはシロキサニルアルキルエステル、安息香
酸メチル、安息香酸エチルなど)、無水マレイン酸、無
水イタコン酸、無水フタール酸などの酸無水物類、前記
酸無水物類のエステル、ベンゼンスルホン酸、スチレン
スルホン酸などのスルホン酸類、前記スルホン酸類のエ
ステルのような酸素原子含有化合物;アニリン、N,N
−ジメチルアニリン、、ベンジルアミン、ニトロベンゼ
ン、ピリジン、ピラゾロン、ニトロトルエン、ニトロエ
チレン、2−ペンテンジニトリル、アリルアミン、ピロ
ール、ピコリン、2,4−ジメチルピリジン、アミノ安
息香酸、ベンズアミド、ニトロベンゼンなどの窒素原子
含有化合物類が挙げられる。
【0012】これらの極性基含有化合物のうち好ましい
ものを挙げると、炭素ー炭素不飽和結合を持たない化合
物としては、メタノール、エタノール、プロパノール、
ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、プロピレンオ
キシド、テトラヒドロフラン、アセトン、メチルエチル
ケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸2−エチルブチ
ル、エチルアミン、プロピルアミン、ニトロメタン、ニ
トロエタンなどがあり、また炭素ー炭素不飽和結合を持
つ化合物としては、2−プロピン−1−オール、アリル
アルコール、ジビニルエーテル、エチルビニルエーテ
ル、ブチルビニルエーテル、メトキシベンゼン、エトキ
シベンゼン、エトキシエチレン、メトキシアセチレン、
エトキシアセチレン、フラン、2−メチルフラン、3−
ペンテン−2−オン、プロピオールアルデヒド、アクリ
ル酸、メタクリル酸、プロピン酸、4−ペンテン酸、ア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピ
ル、アクリル酸ブチル、アクリル酸トリフルオロエチ
ル、アクリル酸ヘキサフルオロプロピル、メタクリル酸
メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸トリフルオ
ロエチル、メタクリル酸ヘキサフルオロプロピル、ピリ
ジン、ニトロエチレン、アリルアミン、ピロール、ピコ
リンなどがある。
【0013】さらに、本発明における上記において、
酸素、窒素およびアンモニアの少なくとも1種と混合し
て使用されるプラズマ重合可能な化合物(以下、「プラ
ズマ重合化合物」という。)は、プラズマ重合条件下で
ガス化あるいは蒸気化できるものである。この化合物
は、脂肪族、脂環族あるいは芳香族の化合物であること
ができ、脂環族および芳香族の化合物では炭素環あるい
は複素環を有することができ、またこれらの炭素環およ
び複素環は単環でも2以上の環からなることもできる。
さらに、このプラズマ重合可能な化合物は炭化水素に限
られず、置換基を有することもでき、また単独でまたは
2種以上混合して使用することができる。
【0014】前記プラズマ重合化合物のうち、炭素ー炭
素不飽和結合を持たない化合物の例を挙げると、メタ
ン、エタン、プロパン、ブタンなどの鎖状炭化水素類;
シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタンなど
の環状炭化水素類がある。また炭素ー炭素不飽和結合を
持つ化合物の例には、エチレン、プロピレン、1−ブテ
ン、2−ブテン、イソブチレン、ペンテン、2−メチル
−2−ブテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネ
ン、1,3−ブタジエン、1,3,5−ヘキサトリエ
ン、2−ビニル−1,3−ブタジエン、2−ペンテン、
2−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、
1,4−ペンタジエンなどの鎖状炭化水素類;シクロペ
ンテン、シクロブタジエン、シクロヘキセン、ピネン、
ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、スチ
レン、メチルスチレン、ジビニルベンゼンなどの環状炭
化水素類が挙げられる。これらのうち好ましい化合物
は、鎖状炭化水素類では、エチレン、プロピレン、1−
ブテン、2−ブテン、4−メチル−1−ペンテンなど、
環状炭化水素類では、ベンゼン、トルエン、シクロペン
テンなどである。
【0015】上記プラズマ重合化合物と酸素、窒素およ
びアンモニアの少なくとも1種との混合比(プラズマ重
合化合物/酸素、窒素およびアンモニアの少なくとも1
種)は、容量比として通常0.05〜10であるが、好
ましい混合比は0.2〜4.0である。混合比が0.0
5未満では無機酸化物薄膜との密着性が乏しくなり、ま
た10を超えると着色を生じ易くなる。
【0016】本発明において使用される極性基含有化合
物、プラズマ重合化合物、酸素、窒素あるいはアンモニ
アは、純粋のものでもよいが、水素、二酸化炭素、一酸
化炭素、アルゴン、ヘリウム、空気などの他のガス成分
も全体の10モル%以下混合することができる。
【0017】本発明において酸素原子および/または窒
素原子を有する極性基を含有するプラズマ重合膜を形成
する際には、上記、などのプラズマ重合を単独でま
たは2つ以上を組合せて実施することができる。2つ以
上のプラズマ重合を組み合わせるには、例えば極性基含
有化合物、プラズマ重合化合物並びに酸素、窒素および
アンモニアの少なくとも1種のすべてが共存する混合ガ
スを使用することができ、またプラズマ重合を極性基含
有化合物と酸素、窒素およびアンモニアの少なくとも1
種との混合ガスを使用して行うこともできる。何れにせ
よ、本発明により形成されるプラズマ重合膜は、その含
有される極性基に由来して、親水性を具備したものとな
る。
【0018】本発明においては、以上に説明した材料を
使用して少なくとも2段階からなる工程により基材に被
覆膜を形成するが、以下それらの方法について説明す
る。まず本発明における第1段階、即ち無機酸化物薄膜
の形成には、好ましくは高純度の上記した無機酸化物を
蒸発源あるいはターゲットとする、真空蒸着法、イオン
プレーティング法、スパッタリング法などの通常の薄膜
化技術を使用することができる。真空蒸着法は、真空室
内で蒸発源である無機酸化物を加熱あるいは電子線照射
により蒸発させ、この無機酸化物蒸気を一般に蒸発源と
対向配置される基材表面に凝縮させることにより薄膜を
形成するものである。イオンプレーティング法は、アル
ゴンなどの非反応性ガス雰囲気下にある真空室内で、蒸
発源である無機酸化物(陽極)と基材(陰極)との間に
高電圧の直流電圧を印加して両極間にグロー放電を起こ
させ、その状態で無機酸化物を加熱蒸発させてイオン化
させ、電界により加速して基材表面に打ち込み無機酸化
物薄膜を形成するものである。またスパッタリング法
は、アルゴンなどの非反応性ガス雰囲気下にある真空室
内で、ターゲットとなる無機酸化物と基材との間に高電
圧直流電圧あるいは高周波電界を印加することにより、
加速された非反応性ガスイオンにより無機酸化物をプラ
ズマ状態に放出させ、基材表面に凝縮させることにより
無機酸化物薄膜を形成するものである。なお、スパッタ
リング法では、処理雰囲気中に存在する電子が効率よく
ターゲットに戻るよう真空室内に磁場を印加しておくこ
ともできる。
【0019】本発明においては、無機酸化物薄膜は基材
表面の少なくとも一部に形成される。即ち、無機酸化物
薄膜は基材の特定の主要表面のみに形成されていてもよ
く、また2以上の主要表面に形成することもでき、さら
に前記それぞれの場合において、連続あるいは不連続に
存在することができる。本発明における不連続な無機酸
化物薄膜とは、例えば基材表面からなる海の上に無機酸
化物薄膜が島状に分散した、所謂海ー島構造と考えるこ
とができるものである。これらの無機酸化物薄膜が形成
される範囲や場所はとくに制限されるものではなく、処
理された基材の特性や機能上の差異などを考慮して適宜
選定することができるものである。無機酸化物薄膜の範
囲や場所を限定する際には、適当な大きさや形状の孔な
どが開けられたマスクを使用することにより、例えば基
材の特定主要表面の限定された範囲(例えば、主要表面
の半分)あるいは特定場所だけに無機酸化物薄膜を形成
することができる。
【0020】本発明における無機酸化物薄膜の膜厚につ
いては、とくに臨界的な範囲が存在する訳ではないが、
一般に約2000〜10Å(好ましくは30Å以上)の
範囲から選択される。膜厚が約2000Åを超えると無
機酸化物薄膜が剥離しやすくなったり、コンタクトレン
ズなどのように酸素などのガス透過性を要求される基材
の場合には、その透過性を損なうおそれがあり、また1
0Å未満では基材表面の親水性が不十分となる傾向があ
るからである。一方、膜厚が比較的薄く、100Å以下
である場合には、無機酸化物薄膜が不連続、即ち海ー島
構造となることが、本発明者らによって見出された。ま
た不連続な無機酸化物薄膜は基材表面の所定箇所に微細
な孔の空いたマスク、ネットなどを被せて薄膜形成する
ことによっても得ることができ、この場合には、薄膜を
不連続とするための膜厚には特に制約はない。本発明に
おいては、不連続無機酸化物薄膜を形成させる場合、処
理された主要表面の合計面積に対する薄膜部分の合計面
積の割合(以下、「被覆率」という。)は、マスクなど
を使用するか否かに係わらず、ほぼ100%から例えば
5%までの任意の値に選定することができる。マスクな
どを使用しない場合の無機酸化物薄膜の被覆率は、真空
室内圧力、処理時間などを制御することによって調節す
ることができる。さらに本発明においては、無機酸化物
薄膜の膜厚が比較的薄く、好ましくは100Å以下の場
合には、基材が親水性であるか疎水性であるかに係わら
ず、また薄膜が連続であるか不連続であるかを問わず、
該薄膜と基材との結合あるいは接着が特に強固となる。
【0021】つぎにプラズマ重合処理する際には、極性
基含有化合物をガスとして、あるいはプラズマ重合化合
物と酸素、窒素およびアンモニアの少なくとも1種との
混合ガスとして、また常温で液体または固体の化合物の
場合には蒸気化して、真空室からなる処理系に供給され
る。処理電場は直流でも交流でもよい。処理条件は、通
常のプラズマ処理におけるもの同様であり、特に限定さ
れるものでないが、例えば真空度が0.01Torr〜
10Torr、交流の場合の周波数が50〜50MH
z、放電電力が0.2〜1000W、処理時間は30秒
〜数十分であり、また基材温度は、処理中の基材の変質
を抑えるため100°C以下とすることが好ましい。交
流の場合、10MHz程度以下の周波数では電極を処理
装置の内部に配置することもできるが、数MHz以上の
高周波、マイクロ波などでは、処理系から電極金属の影
響を取り除き、真空装置に電極端子を取り付ける必要が
ないなどの理由から、外部電極方式が好ましい場合もあ
る。この外部電極方式では、プラズマへのエネルギー供
給は容量結合あるいは誘導結合によって行なわれるが、
強力な電磁波が放出されやすいので、一般に電磁気シー
ルドを施すことが好ましい。。さらにプラズマは磁場の
影響を強く受けるので、処理系に磁場をかけ、それによ
りプラズマを局在化させて安定な放電を行なわせること
もできる。本発明による表面処理の対象となる基材は一
般に誘電体であるので、とくに有機ポリマーからなる基
材の場合には電荷の蓄積による絶縁破壊を避けるよう配
慮することが望ましく、そのためには、放電周波数を比
較的高くするか放電電流を小さくするなどの方策を講じ
ることができる。
【0022】本発明におけるプラズマ重合処理はバッチ
式でも、半連続式でも、また連続式でも実施できる。バ
ッチ式の場合のプラズマ重合処理室(即ち真空室)は1
室あるいは2以上の室から構成することができ、後者で
はプラズマ重合の予備段階として、例えば基材を清浄化
するためのスパッタエッチングやプラズマ処理をプラズ
マ重合処理とは別の処理室で実施することができる。半
連続式は一般に基材がプラズマ重合領域を移動するもの
であるが、このプラズマ重合領域は、例えば基材がフィ
ルムの場合、送り出し室や巻取り室と同一であっても別
であってもよい。半連続式では被処理基材が活性なプラ
ズマ雰囲気下に長時間置かれることによる影響を考慮し
ておかなければならない。また、連続式は基本的にはプ
ラズマ重合処理領域が真空室となっており、基材の送り
出し、巻取り・取り出しなどの付帯設備が真空室外(即
ち空気中)にあるものである。この連続式は、付帯設備
が空気中にあるため、プラズマ重合を中断しないで基材
を取り扱える利点があるが、真空室と他の区域との接続
がやや困難である。これらの半連続式および連続式は、
基材が連続体(フィルムなど)であっても、多数の単体
(レンズ、板材などの成形品)であっても、適用するこ
とができ、またバッチ式と同様に、予めスパッタエッチ
ングやプラズマ処理によって基材を清浄化しておくこと
もできる。
【0023】本発明により形成されるプラズマ重合膜
は、基材の全ての表面に対して実施することができる
が、一般には基材の主要表面(例えばレンズの場合で
は、前面および/または後面)に対して実施される。特
定の主要表面だけにプラズマ重合処理する場合には、通
常他の主要表面をマスクすることが必要となる。本発明
におけるプラズマ重合膜は基材表面の一部または全部を
被覆しているが、その何れの場合であっても、基材表面
上に連続して存在することができ、あるいは不連続に存
在することができる。ここで言う不連続に存在すると
は、例えば、無機酸化物薄膜の場合と同様に海ー島構造
と考えることができるものである。連続して存在するプ
ラズマ重合膜は、一般に膜厚が比較的厚い場合に形成さ
れ、不連続なプラズマ重合膜は、一般に膜厚が比較的薄
い場合に生成される。しかしながら本発明においては、
プラズマ重合膜の膜厚自体は特に限定されるものではな
く、通常採用される膜厚(一般に5000Å以下)の範
囲内から適宜に選定することができるものである。なお
本発明における不連続なプラズマ重合膜は、無機酸化物
薄膜の場合と同様に、基材に微細な孔の空いたマスク、
ネットなどを被せてプラズマ重合処理することによって
も形成することができる。本発明における不連続プラズ
マ重合膜についても、その被覆率(処理された主要表面
の合計面積に対するプラズマ重合膜の合計面積の割合)
は、マスクなどを使用するか否かに係わらず、ほぼ10
0%から例えば5%までの任意の範囲に調節することが
できる。マスクなどを使用しない場合の被覆率は、プラ
ズマ重合処理の条件を制御することによって調節するこ
とができる。さらにプラズマ重合膜が形成される範囲や
場所も、無機酸化物薄膜の場合と同様に、作用効果上の
差異などを考慮して適宜選定することができる。
【0024】ここで、本発明における無機酸化物薄膜お
よびプラズマ重合膜の被覆形態について、最も一般的な
2つの主要表面を有する基材に基づき説明する。 (1)無機酸化物薄膜が基材の一方の主要表面のみを被
覆している場合 この場合には、プラズマ重合膜は基材の何れか一方の主
要表面に形成でき、また両方の主要表面に形成すること
もできる。そしてその各々の場合について、無機酸化物
薄膜およびプラズマ重合膜が相互に独立して連続または
不連続に存在しうるものである。したがって、無機酸化
物薄膜およびプラズマ重合膜の被覆状態(連続、不連
続)や被覆場所などによる被処理基材全体としての被覆
形態は、前記各条件が独立に組み合わされた多くの態様
をとることができる。
【0025】(2)無機酸化物薄膜が基材の両主要表面
を被覆している場合 この場合にも、プラズマ重合膜は基材の何れか一方の主
要表面のみあるいは両方の主要表面を被覆することがで
き、その各々の場合について、無機酸化物薄膜およびプ
ラズマ重合膜は、それぞれ連続または不連続であること
ができる。したがって、この場合の被覆形態も、これら
の各条件を独立に組み合わせた種々の態様の中から選択
できる。
【0026】また3つ以上の主要表面を考えなければな
らない基材についても、無機酸化物薄膜およびプラズマ
重合膜全体の被覆形態は、上記(1)および(2)と同
様にして理解することができるものである。
【0027】さらに本発明により基材が不連続に被覆さ
れる場合について、無機酸化物薄膜とプラズマ重合膜と
の配置関係を観点を変えて説明すると、無機酸化物薄膜
あるいはプラズマ重合膜の形成時にマスクなどを使用し
ない場合は、被覆される領域を正確に予測することは困
難であるが、例えば無機酸化物薄膜も不連続である場
合、不連続なプラズマ重合膜が形成される領域は、無機
酸化物薄膜で被覆された部分のみであることもでき、ま
た無機酸化物薄膜で被覆されない部分のみであることも
できる。しかし通常の処理条件下では、これら両方の部
分においてランダムにプラズマ重合膜が形成されると言
える。無機酸化物薄膜あるいはプラズマ重合膜の形成時
にマスクなどを使用する場合は、それらの孔の位置、大
きさ、形などを調節することによって、任意の領域に被
覆膜を形成させることができる。したがって、例えば無
機酸化物薄膜形成時にもマスクなどを使用して不連続な
薄膜を形成させたときは、これらの孔の位置をプラズマ
重合膜形成時のマスクなどの孔と適切に対応させること
によって、両被覆膜の配置関係を調節することができ
る。
【0028】本発明により達成される無機酸化物薄膜
(あるいはプラズマ重合膜)が基材の前面、後面など2
以上の異なる主要表面上に存在する被覆形態は、無機酸
化物薄膜(あるいはプラズマ重合膜)を形成する一回の
処理により達成でき、また複数の処理を段階的に実施す
ることによっても達成することができる。例えば無機酸
化物薄膜が、一方の主要表面では連続で他方の主要表面
では不連続である場合のように、2以上の主要表面で被
覆状態が相違する場合は、それぞれの被覆状態を与える
処理を各主要表面毎に段階的に行なうか、または不連続
に被覆される主要表面についてはマスクなどを使用し
て、両主要表面に対して同時に処理を行なうことができ
る。
【0029】上記した本発明における無機酸化物薄膜お
よびプラズマ重合膜の被覆形態の例を、模式的に図1〜
図4に示す。図中、1は基材、2、2′は無機酸化物薄
膜、3はプラズマ重合膜である。図1は、基材1の一方
の主要表面上に連続無機酸化物薄膜2が形成され、他方
の主要表面に連続プラズマ重合膜3が形成された場合
を、図2、は基材1の一方の主要表面上に不連続無機酸
化物薄膜2が形成されるとともに、その上に不連続プラ
ズマ重合膜3が形成された場合を、図3は、基材1の両
主要表面上に連続無機酸化物薄膜2、2′が形成され、
且つ一方の無機酸化物薄膜2の上にさらに連続プラズマ
重合膜3が形成された場合を、図4は基材1の両主要表
面上に連続無機酸化物薄膜2、2′が形成され、且つ一
方の無機酸化物薄膜2の上にさらに不連続プラズマ重合
膜3が形成された場合を、それぞれ例示している。
【0030】これらの図示した物品の製造例を示すと、
図1の物品は、一方の主要表面に連続無機酸化物薄膜2
を形成したのち、他方の主要表面に連続プラズマ重合膜
3を形成することによって、図2の物品は、一方の主要
表面に不連続無機酸化物薄膜2と不連続プラズマ重合膜
3とを段階的に形成することによって、図3の物品は、
両方の主要表面に対して同時に連続無機酸化物薄膜2、
2′を形成したのち、一方の主要表面に連続プラズマ重
合膜3を形成するか、または一方の主要表面に連続無機
酸化物薄膜2と連続プラズマ重合膜3とを段階的に形成
したのち、他方の主要表面に連続無機薄膜2′を形成す
ることによって、さらに図4の物品は、一方の主要表面
上の連続プラズマ重合膜を不連続にする以外は図3の場
合と同様にして、それぞれ製造することができる。また
図3および図4の物品は、他方の主要表面に予め連続無
機酸化物薄膜2′を形成した基材に対して、本発明によ
る2段階の表面処理を行なったものと考えることもでき
る。しかしながら、図1〜図4に示した被覆形態は、あ
くまで模式的且つ限定的に例示したものであり、実際の
被覆形態は、各々の膜の被覆範囲、被覆場所、形状、膜
厚などの数多くの条件の組み合わされたものとなるので
あって、図示したものよりはるかに複雑且つ変化に富ん
でいることは理解されなければならない。
【0031】本発明によると、基材を極めて多様な被覆
形態に表面処理することができるが、さらには無機酸化
物薄膜の形成あるいはプラズマ重合膜の形成を繰り返す
ことにより、特定の主要表面について3層以上の被覆膜
を有する多層構造を得ることができる。このような多層
構造においては、3層目以降の無機酸化物薄膜あるいは
プラズマ重合膜の状態(連続、不連続)、範囲、場所、
膜厚などは、とくに限定されることはない。
【0032】以上詳述したように、本発明においては、
無機酸化物薄膜とプラズマ重合膜とを有する基材を多様
な形態、構造で得ることがきるものであり、したがって
本発明によって処理される物品の特性、機能なども変化
に富んだものとなる。これは、本発明により達成される
顕著な効果の1つである。本発明により製造される物品
特有の特性、機能などについて主なものを挙げると、次
の通りである。即ち、プラズマ重合膜が無機酸化物薄膜
上にある場合には、プラズマ重合膜が酸素原子および/
または窒素原子を含有する極性基を有し、無機酸化物薄
膜との結合、接着が強固であるため、耐久性に優れた被
覆膜をもたらすことができる。しかも、無機酸化物薄膜
単独では膜厚が500Å以上になると、とくに柔軟な基
材の場合、薄膜にクラックなどが生じやすく耐久性に問
題があるが、本発明においては、酸化物薄膜の膜厚が比
較的厚い場合でも、クラック等の発生をするおそれがな
い。また基材の主要表面に形成された無機酸化物薄膜お
よび/またはプラズマ重合膜が不連続で且つ疎水性の基
材表面が露出している物品では、親水性表面と疎水性表
面とが適度に分布したものとなるため、例えばアルブミ
ンの吸着能が高くなり、抗血栓性や生体適合性に優れる
のみならず、細胞培養における細胞接着率も高いものと
なる。しかも、例えばコンタクトレンズの場合、その前
面(フロントカーブ側)に無機酸化物薄膜を形成し、後
面(ベースカーブ側)にプラズマ重合膜を形成すること
により、前面への涙成分や塵等の汚れの付着、固着など
を防止できるとともに、角膜上でのコンタクトレンズの
動きをスムーズにでき眼球の動きに適切に対応できるも
のとすることができる。さらに、無機酸化物薄膜の膜厚
を比較的薄く、好ましくは膜厚100〜10Å(さらに
好ましくは100〜30Å)とすることにより、基材と
該薄膜とが剥離し難くなるとともに、十分な親水性を付
与することもできる。
【0033】本発明により製造される物品は、その特異
な被覆形態と優れた特性、機能などとから、コンタクト
レンズを始めとする各種の医用機器・人工臓器、細胞培
養用器材など、親水性や生体適合性が望まれる幅広い分
野において好適に使用することができるものである。し
かも、上記したように多様且つ有用な物品を製造するこ
とができる本発明は、親水性表面処理された基材に対し
て、前記以外の分野での利用の道をさらに開くものであ
る。
【0034】つぎに実施例及び比較例により、本発明の
実施態様並びに効果をさらに具体的に説明する。
【実施例】
実施例1 マグネトロン型低温高速スパッタリング装置を用いて、
酸化珪素をターゲット材料とし、アルゴンガスを流し
て、処理圧力0.05Torr、出力60Wで1分間ス
パッタリング処理して、支持台上の非含水ソフトコンタ
クトレンズ(リッキーコンタクトレンズ社製ソフィー
ナ)の前面に酸化珪素薄膜を形成した。ここで処理され
たレンズ前面は、膜厚約60Åの酸化珪素薄膜を有し、
且つ島状の未被覆部が残存していた。ついで平行平板型
電極を有する内容積160リットルのプラズマ重合装置
を用い、その中央の支持台上にスパッタリング処理した
前記コンタクトレンズを保持し、装置内を0.05To
rrの真空度に保ち、4−メチル−1−ペンテンを10
cc/分の流量で、酸素を15cc/分の流量で導入
し、高周波電源を使用して10分間放電させて、コンタ
クトレンズの両面にプラズマ重合処理を行なった。ここ
で処理されたレンズ両面は、膜厚約100Åのプラズマ
重合膜を有し、且つ島状の未被覆部が残存していた。得
られたコンタクトレンズについて、処理直後、空気中に
3ヵ月放置した場合およびスポンジテスト後について、
水の接触角を測定した。スポンジテストでは、基材の片
面を両面接着テープで試料台に固定し、水を含んだスポ
ンジに1Kgの荷重をかけて基材の他方の表面を前後に
1000回(但し、前後それぞれを1回にカウント)擦
った。測定結果を表1に示す。処理後のコンタクトレン
ズは、前面、後面とも水濡れ性は良好であり、3ヶ月装
用後でも、両面とも汚れの固着は全く認められず、僅か
に見られたレンズ前面の汚れの付着は洗剤で洗浄すると
容易に除去することができた。また、角膜上でのコンタ
クトレンズの動きも極めて良好であった。
【0035】比較例1 実施例1と同様にプラズマ重合装置を用い、その中央の
支持台上に非含水ソフトコンタクトレンズを保持し、プ
ラズマ重合装置内を0.05Torrの真空度に保ち、
4−メチル−1−ペンテンを10cc/分の流量で、酸
素を15cc/分の流量で導入し、高周波電源を使用し
て10分間放電させて、コンタクトレンズの両面にプラ
ズマ重合処理を行なった。ここで処理されたレンズ両面
は、膜厚約100Åのプラズマ重合膜を有し、且つ島状
の未被覆部が残存していた。得られたコンタクトレンズ
について、実施例1と同様にして水の接触角を測定し
た。その結果を表1に示す。処理されたコンタクトレン
ズは、前面、後面とも水濡れ性は良好であったが、3ヵ
月装用後にはコンタクトレンズ前面に汚れの固着が認め
られ、この汚れは洗剤で洗浄しても完全には除去できな
かった。またコンタクトレンズの角膜上での動きも不良
であった。
【0036】比較例2 実施例1と同様にマグネトロン型低温高速スパッタリン
グ装置を用いて、酸化珪素をターゲット材料とし、アル
ゴンガスを流して、処理圧力0.05Torr、出力1
00Wで2分間、支持台上の非含水ソフトコンタクトレ
ンズの両面にスパッタリング処理して、酸化珪素薄膜を
形成した。ここで処理されたレンズ両面は、膜厚約25
0Åの酸化珪素薄膜が全面を被覆していた。得られたコ
ンタクトレンズについて、実施例1と同様にして水の接
触角を測定した。その結果を表1に示す。処理後のコン
タクトレンズは、前面、後面とも水濡れ性は良好であっ
たが、3ヶ月装用後のレンズ表面には汚れが認められ、
洗浄剤で洗浄しても汚れは除去できなかった。このコン
タクトレンズの表面を肉眼で観察すると部分的に水はじ
きが認められ、顕微鏡で観察したところ、微細なひび割
れ、欠損が認められ、酸化珪素薄膜が剥がれていること
が明らかとなった。
【0037】実施例2 実施例1と同様にマグネトロン型低温高速スパッタリン
グ装置を用いて、酸化珪素をターゲット材料とし、アル
ゴンガスを流して、処理圧力0.05Torr、出力4
0Wで1分間スパッタリング処理して、非含水ソフトコ
ンタクトレンズの両面に酸化珪素薄膜を形成した。ここ
で処理されたレンズ両面は、膜厚約40Åの酸化珪素薄
膜を有し、且つ島状の未被覆部が残存していた。つい
で、実施例1と同様にプラズマ重合装置を用い、その中
央の支持台上に前記スパッタリング処理したコンタクト
レンズを保持し、装置内を0.05Torrの真空度に
保ち、イソプロパノールとアルゴンとの等モル混合ガス
を20cc/分の流量で導入し、高周波電源を使用して
10分間放電させて、コンタクトレンズの両面にプラズ
マ重合処理を行なった。ここで処理されたレンズ両面
は、膜厚約100Åのプラズマ重合膜を有し、且つ島状
の未被覆部が残存していた。得られたコンタクトレンズ
について、実施例1と同様にして水の接触角を測定し
た。その結果を表1に示す。処理後のコンタクトレンズ
は、前面、後面とも水濡れ性は良好であり、3ヶ月装用
後でも、両面とも汚れの固着は全く認められず、僅かに
見られたレンズ前面の汚れの付着は洗剤で洗浄すると容
易に除去することができた。また、角膜上でのコンタク
トレンズの動きも極めて良好であった。
【0038】実施例3 実施例1と同様にマグネトロン型低温高速スパッタリン
グ装置を用いて、酸化アルミニウムをターゲット材料と
し、アルゴンガスを流して、処理圧力0.05Tor
r、出力100Wで1分間スパッタリング処理して、ポ
リメチルメタクリレート製コンタクトレンズの前面に酸
化アルミニウム薄膜を形成した。ここで処理されたレン
ズ前面は、膜厚約140Åの酸化アルミニウム薄膜で全
面が被覆されていた。ついで、実施例1と同様にプラズ
マ重合装置を用い、その中央の支持台上に前記スパッタ
リング処理したコンタクトレンズを保持し、装置内を
0.05Torrの真空度に保ち、メタクリル酸とアル
ゴンとの等モル混合ガスを20cc/分の流量で導入
し、高周波電源を使用して10分間放電させて、コンタ
クトレンズの両面にプラズマ重合処理を行なった。ここ
で処理されたレンズ両面は、膜厚約100Åのプラズマ
重合膜を有し、且つ島状の未被覆部が残存していた。得
られたコンタクトレンズについて、実施例1と同様にし
て水の接触角を測定した。その結果を表1に示す。処理
後のコンタクトレンズは、前面、後面とも水濡れ性は良
好であり、3ヶ月装用後でも、両面とも汚れの固着は全
く認められず、僅かに見られたレンズ前面の汚れの付着
は洗剤で洗浄すると容易に除去することができた。ま
た、角膜上でのコンタクトレンズの動きも極めて良好で
あった。
【0039】
【表1】
【0040】表1から明らかなように、本発明により表
面処理されたコンタクトレンズは処理直後、3ヶ月放置
後並びに通常の使用条件をはるかに越える過酷なスポン
ジテスト後において、常に良好な水ぬれ性を示している
のに対して、プラズマ重合膜のみを形成した場合(比較
例1)および無機酸化物薄膜のみを形成した場合(比較
例2)では、初期水ぬれ性は良好であるが、空気中で3
ヶ月放置後あるいはスポンジテスト後では、水ぬれ性が
顕著に低下しており、本発明により、耐久性の優れた被
覆膜を形成できることがわかる。
【0041】実施例4 実施例1と同様のスパッタリング装置を用いて、支持台
上にポリスチレン製シャーレを保持し、酸化珪素をター
ゲット材料とし、アルゴンガスを流して、処理圧力0.
05Torr、出力40Wでスパッタリング処理を行
い、シャーレ内面に酸化珪素薄膜を形成した。ここで処
理されたシャーレ内面は、膜厚約40Åの酸化珪素薄膜
を有し、且つ島状の未被覆部が残存していた。ついで、
実施例1と同様にプラズマ重合装置を用い、その中央の
支持台上に前記スパッタリング処理したシャーレを保持
し、装置内を0.05Torrの真空度に保ち、メタン
を10cc/分、酸素を5cc/分の流量で導入し、高
周波電源を使用して10分間放電させて、シャーレ内面
にプラズマ重合膜を形成した。ここで処理されたシャー
レ内面は、膜厚約80Åのプラズマ重合膜により島状に
被覆されていた。得られたシャーレを24時間空気中に
放置したのち、エチレンオキサイドガスで滅菌した。そ
の後、残留エチレンオキサイドガスを抜くため、1リッ
トル/分の流量で窒素ガスを流したデシケータ中に1週
間放置したのち、別途培養しておいた正常2倍体繊維芽
細胞Flow2000の0.25重量%トリプシン溶液
によって遊離細胞としてシャーレに植え込み、牛胎児血
清を10重量%含有するイーグルHEM培地を使用し
て、炭酸ガス5容量%、空気95容量%のインキュベー
ター中、37°Cで細胞培養した。培養時間が120分
に達したときにシャーレをインキュベーターから取り出
し、リン酸緩衝生理食塩水で洗浄したのち、プロナーゼ
EDTA溶液1ミリリットルを加えて培養床表面に接着
していた細胞を遊離させ、血球カウンターを用いて細胞
数を測定した。接着していた細胞数の全細胞数に対する
割合(細胞接着率)を求めた。その結果を表2に示す。
【0042】比較例3 実施例1と同様のマグネトロン型低温高速スパッタリン
グ装置を用い、支持台上にポリスチレン製シャーレを取
り付け、その表面に、酸化珪素をターゲット材料とし、
アルゴンガスを流して、処理圧力0.05Torr、出
力60Wでスパッタリング処理を行い、シャーレ内面に
酸化珪素薄膜を形成した。ここで処理されたシャーレ内
面は、膜厚約200Åの酸化珪素薄膜により全面が被覆
されていた。 得られたシャーレを実施例3と同様に細
胞培養に供し、細胞接着率を測定した。その結果を表2
に示す。
【0043】
【表2】
【0044】表2から明らかなように、本発明により表
面処理されたシャーレは、その特有の不連続被覆形態
(即ち、海ー島構造)に基づき、生体適合性が良く細胞
接着率が極めて優れたものとなる。これに対して、無機
酸化物薄膜のみからなる連続被覆膜を形成した場合(比
較例3)は、細胞接着率が低く、細胞培養には適しない
ものとなる。
【0045】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明は、(1)
無機酸化物薄膜の形成とプラズマ重合処理とを組み合わ
せることによって、良好な親水性を有するとともに、汚
れの付着や固着が生じ難く且つ空気中放置や繰り返され
る洗浄にも十分耐えることができる、優れた物品を製造
することができるものである。しかも本発明において
は、無機酸化物薄膜の形成とプラズマ重合処理とを適切
に組合せて実施することにより、例えば、(2)プラズ
マ重合膜を無機酸化物薄膜上に形成することにより、無
機酸化物薄膜の膜厚が比較的厚い場合でも、クラック等
の発生するおそれがない、(3)基材の主要表面に形成
された無機酸化物薄膜および/またはプラズマ重合膜が
不連続で且つ疎水性の基材表面が露出している物品で
は、親水性表面と疎水性表面とが適度に分布したものと
なるため、抗血栓性や生体適合性に優れるのみならず、
細胞培養における細胞接着率も高いものとなる、(4)
コンタクトレンズの場合、その前面(フロントカーブ
側)に無機酸化物薄膜を形成し、後面(ベースカーブ
側)にプラズマ重合膜を形成することにより、前面への
涙成分や塵等の汚れの付着、固着などを防止できるとと
もに、角膜上でのコンタクトレンズの動きをスムーズに
でき眼球の動きに適切に対応できるものとすることがで
きるなど、優れた特性、機能などを備えた多様な物品を
効率よく製造できるものである。さらに本発明において
は、(5)無機酸化物薄膜の膜厚を比較的薄く、好まし
くは膜厚100〜10Å(さらに好ましくは100〜3
0Å)とすることにより、基材と該薄膜とが剥離し難く
なるとともに、処理表面に十分な親水性を付与すること
ができる。したがって本発明により製造される物品は、
レンズ、プリズム、レコード、細胞培養用シャーレ、各
種人工臓器・器官などのほか、表面が親水性であること
が望まれる他の一般器具・器材として、好適に使用する
ことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】基材の一方の主要表面上に連続無機酸化物薄膜
が形成され、また他方の主要表面上に連続プラズマ重合
膜が形成された、本発明による物品の模式断面図であ
る。
【図2】基材の一方の主要表面上に不連続無機酸化物薄
膜及び不連続プラズマ重合膜が形成された、本発明によ
る物品の模式断面図である。
【図3】基材の両主要表面上に連続無機酸化物薄膜が形
成され、且つ一方の無機酸化物薄膜上に連続プラズマ重
合膜が形成された、本発明による物品の模式断面図であ
る。
【図4】基材の両主要表面上に連続無機酸化物薄膜が形
成され、且つ一方の無機酸化物薄膜上に不連続プラズマ
重合膜が形成された、本発明による物品の模式断面図で
ある。
【符号の説明】
1 基材 2 無機酸化物薄膜 2′ 無機酸化物薄膜 3 プラズマ重合膜

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材表面に無機酸化物薄膜を形成したの
    ち、酸素原子および/または窒素原子を有する極性基を
    含有するプラズマ重合膜を形成することを特徴とする、
    基材の表面処理方法。
JP4037001A 1992-01-29 1992-01-29 基材の表面処理方法 Pending JPH05209072A (ja)

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