JPH05208969A - 光学活性な含フッ素化合物 - Google Patents

光学活性な含フッ素化合物

Info

Publication number
JPH05208969A
JPH05208969A JP1568392A JP1568392A JPH05208969A JP H05208969 A JPH05208969 A JP H05208969A JP 1568392 A JP1568392 A JP 1568392A JP 1568392 A JP1568392 A JP 1568392A JP H05208969 A JPH05208969 A JP H05208969A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
formula
mmol
general formula
reaction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP1568392A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomoya Kitatsume
智哉 北爪
Takashi Yamazaki
孝 山崎
Kenji Mizutani
憲二 水谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kashima Oil Co Ltd
Original Assignee
Kashima Oil Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kashima Oil Co Ltd filed Critical Kashima Oil Co Ltd
Priority to JP1568392A priority Critical patent/JPH05208969A/ja
Publication of JPH05208969A publication Critical patent/JPH05208969A/ja
Priority to US08/164,774 priority patent/US6096908A/en
Priority to US08/470,467 priority patent/US6114544A/en
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Pyrane Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 様々な化学薬品,工業薬品,強誘電性液晶な
どの原料として有用な光学活性な含フッ素化合物の開
発。 【構成】 一般式(I) 【化1】 〔式中、Acはアシル基を示し、*は不斉炭素を示
す。〕および一般式(II) 【化2】 〔式中、TBDMSはt−ブチルジメチルシリル基を示
し、*は前記と同じである。〕で表される光学活性な含
フッ素化合物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学活性な含フッ素化
合物に関し、詳しくは、様々な化学薬品,工業薬品,強
誘電性液晶などの原料として有用な光学活性な含フッ素
化合物に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】近
年、液晶の利用が増大するとともに新しい構造を有する
液晶の開発が求められている。これまでに、本発明者ら
の研究グループは、これら液晶として利用できる様々な
光学活性な含フッ素化合物を開発することに成功してい
る(特開昭64−83074号公報,特開平1−163
143号公報,同1−233243号公報,同1−23
3244号公報,同2−49743号公報,同2−16
7252号公報,同2−232208号公報,同2−2
32209号公報等)。このような状況下で本発明者ら
は、さらに新たなタイプの液晶として有望なテトラヒド
ロピラン環を有する新規な光学活性化合物を開発するこ
とを目的として鋭意研究を重ねた。
【0003】
【課題を解決するための手段】その結果、テトラヒドロ
ピラン環上の不斉炭素原子に、それ自体大きな電子吸引
性を有するフルオロメチル基を有する新規化合物が、上
記目的に適うものであることを見出した。本発明は、か
かる知見に基づいて完成したものである。すなわち、本
発明は、下記一般式(I)
【0004】
【化3】
【0005】〔式中、Acはアシル基を示し、*は不斉
炭素を示す。〕で表される光学活性な含フッ素化合物お
よび下記一般式(II)
【0006】
【化4】
【0007】〔式中、TBDMSはt−ブチルジメチル
シリル基を示し、*は前記と同じである。〕で表される
光学活性な含フッ素化合物を提供するものである。
【0008】本発明における一般式(I)の化合物は、
様々な方法で製造することができるが、例えば以下の工
程により製造することができる。例えば、フランをシリ
ル化(例えば、トリメチルシリル化)して下記一般式
(III)
【0009】
【化5】
【0010】〔式中、TMSはトリメチルシリル基を示
す。〕で表される化合物を得、この化合物をさらにトリ
フルオロアセチル化して下記一般式(IV)
【0011】
【化6】
【0012】〔式中、TMSは前記と同じである。〕で
表される化合物を得る。この反応はテトラヒドロフラ
ン,ジエチルエーテル等の溶媒を用い、有機リチウム化
合物、例えばn−ブチルリチウムとトリメチルシリルク
ロリドを用いてシリル化した後、上記のブチルリチウム
とトリフルオロ酢酸エチルを用いてトリフルオロアセチ
ル化することにより、−78℃〜0℃の温度で行うこと
ができる。得られた一般式(IV)の化合物を常法により
還元して下記一般式(V)
【0013】
【化7】
【0014】〔式中、TMSは前記と同じである。〕で
表される化合物を得る。この反応は還元剤として例えば
水素化ホウ素ナトリウム,水素化アルミニウムリチウ
ム,塩化第二錫等を用いて行うことができる。得られた
一般式(V) の化合物を酸クロリドと反応させてアシル
化する。ここでアシル化剤として用いる酸クロリドは具
体的には、塩化アセチル,塩化プロピオニル,塩化イソ
ブチロイル,塩化オクタノイル,塩化ベンゾイル等であ
る。得られた下記一般式(VI)
【0015】
【化8】
【0016】〔式中、AcおよびTMSは前記と同じで
ある。〕で表される化合物を酵素を用いて不斉加水分解
することにより下記一般式(VII)
【0017】
【化9】
【0018】〔式中、TMSおよび*は前記と同じであ
る。〕で表される光学活性なアルコールおよび下記一般
式(VIIa)
【0019】
【化10】
【0020】〔式中、Ac,TMSおよび*は前記と同
じである。〕で表される光学活性なエステルを得る。こ
の反応に用いる酵素としては、いわゆる加水分解酵素で
あれば各種のものを用いることができ、例えばリパーゼ
PS,リパーゼMY,リパーゼOF,セルラーゼ等が挙
げられる。上記の一般式(VIIa) で表されるエステル
は、化学的加水分解および別の酵素による不斉加水分解
により、一般式(VII)で表されるアルコールと鏡像体の
関係にある光学活性アルコールに変換することができ
る。次に、このようにして得られた一般式(VII)で表さ
れるアルコールをシリル化(例えば、t−ブチルジメチ
ルシリル化)して下記一般式(VIII)
【0021】
【化11】
【0022】〔式中、TBDMS,TMSおよび*は前
記と同じである。〕で表される化合物を得る。この反応
はシリル化剤としてt−ブチルジメチルシリルクロリド
を用いて行うことができる。得られた一般式(VIII) で
表されるシリル誘導体を酸化して下記一般式(IX)
【0023】
【化12】
【0024】〔式中、TBDMSおよび*は前記と同じ
である。〕で表される化合物を得る。この反応は、酸化
剤として、例えばモノパーオキシフタル酸マグネシウム
塩,過酸化水素を用いて酢酸,クロロホルム等の溶媒中
で行うことができる。また、この反応では、ジアステレ
オマー混合物を得るが、これらの化合物はシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーにより容易に分離することがで
きる。得られた一般式(IX) で表される化合物を常法に
より水素添加して、下記一般式(X)
【0025】
【化13】
【0026】〔式中、TBDMSおよび*は前記と同じ
である。〕で表される化合物を得る。ここで、水素添加
は、溶媒として例えばエタノール,メタノール,ヘキサ
ン,酢酸エチル,ベンゼン,トルエン等を用い、触媒と
してパラジウム・チャコール(Pd/C)を用いて水素
雰囲気下で行うことができる。得られた一般式(X) で
表されるラクトン誘導体を還元して下記一般式(XI)
【0027】
【化14】
【0028】〔式中、TBDMSおよび*は前記と同じ
である。〕で表される化合物を得る。ここで、還元剤と
しては例えば、水素化ジイソブチルアルミニウムを用い
て、ジエチルエーテル,テトラヒドロフラン等の溶媒
中、−20〜−78℃で行うことができる。次いで、こ
のようにして得られた一般式(XI) で表されるγ−ラク
トールを塩基で処理して上記一般式(II) で表される本
発明の化合物を得る。この反応は、塩基としてカリウム
−t−ブトキシド等を用いて、ジエチルエーテル,テト
ラヒドロフラン等の溶媒中、−20〜−78℃で行うこ
とができる。上記一般式(II) で表されるアルコール化
合物をアシル化して、下記一般式(XII)
【0029】
【化15】
【0030】〔式中、Ac,TBDMSおよび*は前記
と同じである。〕で表される化合物を得る。このアシル
化反応は、無水酢酸等を用いてピリジン,トルエン等の
塩基存在下、トルエン,塩化メチレン等の溶媒中、−5
0〜50℃で行うことができる。次に得られた一般式
(XII)で表される化合物の脱シリル化を行えば、目的と
する上記一般式(I) で表される化合物を得ることがで
きる。この脱シリル化反応は、テトラヒドロフラン溶媒
中、触媒としてテトラ−n−ブチルアンモニウムフルオ
ライドを用いて0〜50℃で行うことができる。
【0031】以上のようにして得られる本発明の一般式
(I)で表される化合物の代表的なものとしては、例え
【0032】
【化16】
【0033】などが挙げられる。
【0034】
【実施例】次に実施例に基づいて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。また、以下の各例において、本発明の一般式(I)
で表される光学活性化合物のR,S表示は、下記の式
【0035】
【化17】
【0036】〔式中、Acおよび*は前記と同じであ
る。〕の位置番号に基づいて行った。
【0037】実施例1 (5#,6#)−テトラヒドロ−6−トリフルオロメチ
ル−2−ヒドロキシ−5−t−ブチルジメチルシロキシ
ピランの合成(#は、SまたはRを示す。)
【0038】
【化18】
【0039】〔式中、TBDMSおよび*は前記と同じ
である。〕 (a)窒素雰囲気下、フラン13.6g(200ミリモ
ル)をテトラヒドロフラン150ミリリットルに加え、
1.5モル/リットルのn−ブチルリチウムヘキサン溶液
133ミリリットル(200ミリモル)を−20℃で滴
下し、1時間反応させた。次に、トリメチルシリルクロ
リド21.7g(200ミリモル)を滴下し、−20℃で
1時間攪拌した。1.5モル/リットルのn−ブチルリチ
ウムヘキサン溶液133ミリリットル(200ミリモ
ル)を加え、−20℃で1時間反応させた後、−78℃
でトリフルオロ酢酸エチル28.4g(200ミリモル)
を滴下し、−78℃で1時間、室温でさらに1時間反応
させた。この反応溶液に3規定の塩酸を加えて反応を停
止させ、酢酸エチルで抽出した。次いで、飽和炭酸水素
ナトリウム溶液,飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マ
グネシウムで乾燥した。酢酸エチルを減圧留去し、フラ
ン誘導体の粗生成物を得た。
【0040】(b)乾燥エタノール100ミリリットル
に水素化ホウ素ナトリウム2.3g(60ミリモル)を加
え、上記反応で得たフラン誘導体の粗生成物を0℃で3
0分かけて滴下した。室温で2時間反応させた後、エタ
ノールを減圧留去し、3規定の塩酸を加えて反応を停止
させ、酢酸エチルにより抽出した。次いで、飽和炭酸水
素ナトリウム,飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥した。酢酸エチルを減圧留去した後、減
圧蒸留を行い、アルコール化合物40.5g(170ミリ
モル)を得た。
【0041】(c)塩化メチレン200ミリリットルに
上記(b)の反応で得たアルコール化合物23.8g(1
00ミリモル)とピリジン8.9ミリリットル(110ミ
リモル)を加え、0℃で塩化アセチル8.6g(110ミ
リモル)を滴下し、室温で12時間反応させた。次い
で、3規定の塩酸を加えて反応を停止させ、塩化メチレ
ンで抽出した。その後、飽和炭酸水素ナトリウム溶液,
蒸留水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し
た。塩化メチレンを減圧留去した後、減圧蒸留を行い、
エステル化合物27.5g(98ミリモル)を得た。
【0042】(d)蒸留水1000ミリリットルに上記
反応により得られたエステル化合物28.0g(100ミ
リモル)を加えて、ミニジャーファーメンター中で40
℃で攪拌した。リパーゼPSを20g加え、20時間反
応させた。3規定の塩酸を加え、0℃に冷却して反応を
停止し、セライトによりろ過した。ろ液を酢酸エチルに
より抽出し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥し、酢酸エチルを減圧留去した。次いで、シリ
カゲルカラムクロマトグラフィーにより分離精製して光
学活性アルコール化合物11.7g(49ミリモル)と光
学活性エステル化合物13.2g(47ミリモル)を得
た。なお、得られたアルコール化合物の光学純度は97.
5%e.e.であった。
【0043】(e)上記反応で得られた光学活性アルコ
ール化合物11.7g(49ミリモル)を塩化メチレン1
00ミリリットルに溶かし、イミダゾール4.0g(59
ミリモル)とt−ブチルジメチルシリルクロリド8.9g
(59ミリモル)を0℃で加えて15分攪拌し、室温で
16時間反応させた。蒸留水を加えて反応を停止させ、
塩化メチレンにより抽出した。次いで、蒸留水で洗浄
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。塩化メチレンを
減圧留去した後、カラムクロマトグラフィーにより分離
精製してシリルエーテル化合物16.6g(47ミリモ
ル)を得た。
【0044】(f)窒素雰囲気下、酢酸120ミリリッ
トルに上記反応で得られたシリルエーテル化合物14.1
g(40ミリモル)およびモノパーオキシフタル酸マグ
ネシウム23.2g(60ミリモル)を加え、80℃で1
2時間反応させた。酢酸を減圧留去した後、飽和炭酸水
素ナトリウム溶液を加え、酢酸エチルにより抽出した。
次いで、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで
乾燥した。酢酸エチルを減圧留去した後、カラムクロマ
トグラフィーにより分離精製し、(4S,1’S)ブテ
ノリド化合物 4.7g(16ミリモル)および(4R,
1’S)ブテノリド化合物 3.0g(10ミリモル)を得
た。なお、4.2g(12ミリモル)の原料も回収され
た。
【0045】(g)上記反応で得られた(4S,1’
S)および(4R,1’S)ブテノリド化合物13.7g
(46ミリモル)を分離せずにエタノール40ミリリッ
トルに溶かし、Pd/C(Pd10重量%含有)を1.4
g加え、水素雰囲気下、室温で15時間反応した。反応
溶液を濾過し、溶媒を減圧留去した後、シリカゲルラカ
ムクロマトグラフィーで分離精製して、(4S,1’
S)ブタノリド化合物8.2g(29ミリモル)および
(4R,1’S)ブタノリド化合物3.6g(12ミリモ
ル)を得た。
【0046】(h)窒素雰囲気下、ジエチルエーテル4
0ミリリットルに上記反応により得られた(4S,1’
S)ブタノリド化合物7.5g(25ミリモル)を加え、
−78℃で水素化ジイソブチルアルミニウムの濃度0.9
3モル/リットルのn−ヘキサン溶液32ミリリットル
(30ミリモル)を滴下し、3時間反応した。蒸留水を
加えて反応を停止し、1規定の塩酸を加え中和した後、
ジエチルエーテルで抽出した。飽和食塩水で洗浄後、無
水硫酸マグネシウムで乾燥し、ジエチルエーテルを減圧
留去した。次いでシリカゲルカラムクロマトグラフィー
で精製して、ラクトール化合物7.3g(24ミリモル)
を得た。
【0047】(i)窒素雰囲気下、テトラヒドロフラン
50ミリリットルに上記反応により得られたラクトール
化合物7.3g(24ミリモル)を加え、−78℃でカリ
ウム−t−ブトキシド3.0g(27ミリモル)のテトラ
ヒドロフラン10ミリリットル溶液を滴下し、3時間反
応した。蒸留水を加えて反応を停止し、1規定の塩酸を
加え中和した後、ジエチルエーテルで抽出した。飽和食
塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ジエチ
ルエーテルを減圧留去した。次いでシリカゲルカラムク
ロマトグラフィーで精製して、(5#,6#)−テトラ
ヒドロ−6−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−5
−t−ブチルジメチルシロキシピラン6.4g(21ミリ
モル)を得た。得られた化合物はジアステレオマー混合
物であるが、分離していない。
【0048】得られた化合物の物理的性質を以下に示
す。 分子式:C12233 3 Si1 H−NMR(プロトン核磁気共鳴法);δ(ppm) 0.03 (s,6H) 0.85 (s,9H) 1.40〜2.10(m,4H) 2.90〜3.10(m,1H) 3.78 (dt,J=5.6,8.9Hz,1H) 4.11 (dq,J=9.2,6.9Hz,1H) 5.20〜5.40(m,1H) 0.05 (s,6H) 0.85 (s,9H) 1.40〜2.10(m,4H) 3.20〜3.40(m,1H) 3.67 (dq,J=8.8,6.2Hz,1H) 3.70〜3.90(m,1H) 4.80〜5.00(m,1H)19 F−NMR(同位体フッ素による核磁気共鳴法,基
準:CF3 COOH) ;δ(ppm) −4.80 (d,J=7.6Hz) −4.90 (d,J=6.1Hz) IR(赤外線吸収:cm-1) 3475,2975,2950,2925,2875 質量分析 m/e(M+ +H) 計算値 301.1447 実測値 301.1425 [α]D 23=+55.2°(C(濃度)=1.00,溶媒:
クロロホルム)
【0049】実施例2 (5#,6#)−テトラヒドロ−2−アセトキシ−6−
トリフルオロメチル−5−ヒドロキシピランの合成(#
は、SまたはRを示す。)
【0050】
【化19】
【0051】(a)実施例1(i)で得られたピラノー
ス化合物0.28g( 0.93ミリモル)を塩化メチレン3
ミリリットルに溶かし、無水酢酸0.11ミリリットル(
1.2ミリモル)とピリジン0.3ミリリットルを0℃で加
えて15分間攪拌し、室温で10時間反応させた。この
反応液に蒸留水を加えて反応を停止し、塩化メチレンで
抽出した。次いで、蒸留水で洗浄を行い、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥し、塩化メチレンを減圧留去した後、カ
ラムクロマトグラフィーにより精製してアセテート化合
物0.30g(0.88ミリモル)を得た。
【0052】(b)上記反応で得られたアセテート化合
物0.14g( 0.41ミリモル)をテトラヒドロフラン3
ミリリットルに溶かし、テトラ−n−ブチルアンモニウ
ムフルオライドの濃度1.0モル/リットルのテトラヒド
ロフラン溶液0.45ミリリットルを加えて、0℃で30
分、室温で2時間反応させた。この反応液に蒸留水を加
えて反応を停止し、ジエチルエーテルで抽出を行った。
次いで、飽和食塩水で洗浄して、無水硫酸マグネシウム
で乾燥させた。ジエチルエーテルを減圧留去した後、シ
リカゲルクロマトグラフィーで精製して、(5#,6
#)−テトラヒドロ−2−アセトキシ−6−トリフルオ
ロメチル−5−ヒドロキシピラン0.08g(0.37ミリ
モル)を得た。得られた化合物はジアステレオマー混合
物であるが、分離していない。
【0053】得られた化合物の物理的性質を以下に示
す。 分子式:C8 173 4 1 H−NMR;δ(ppm) 1.60〜2.30(m,4H) 2.11 (s,3H) 2.29 (d,J=3.9Hz,1H) 3.85 (dq,J=8.3,6.3Hz,1H) 3.88〜3.95(m,1H) 5.78 (dd,J=2.4,8.6Hz,1H) 1.60〜2.30(m,4H) 2.13 (s,3H) 2.33 (d,J=3.4Hz,1H) 3.99 (dq,J=9.4,6.1Hz,1H) 3.88〜3.95(m,1H) 6.16〜6.19(m,1H)19 F−NMR(基準:CF3 COOH) ;δ(ppm) 4.30 (d,J=6.2Hz) IR(cm-1) 3450,2950,2875,1760 質量分析 m/e(M+ +H) 計算値 229.0687 実測値 229.0658 [α]D 23=−8.8°(C(濃度)=0.90,溶媒:ク
ロロホルム)
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、テトラヒドロピラン環
上の不斉炭素原子に、それ自体大きな電子吸引性を持つ
フルオロアルキル基を有する新規な化合物が得られる。
これらの化合物は、酵素阻害剤,生物活性物質,抗癌剤
および強誘電性液晶等の原料として広範な利用が期待さ
れる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 〔式中、Acはアシル基を示し、*は不斉炭素を示
    す。〕で表される光学活性な含フッ素化合物。
  2. 【請求項2】 一般式(II) 【化2】 〔式中、TBDMSはt−ブチルジメチルシリル基を示
    し、*は前記と同じである。〕で表される光学活性な含
    フッ素化合物。
JP1568392A 1992-01-31 1992-01-31 光学活性な含フッ素化合物 Pending JPH05208969A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1568392A JPH05208969A (ja) 1992-01-31 1992-01-31 光学活性な含フッ素化合物
US08/164,774 US6096908A (en) 1992-01-31 1993-12-10 Optically active fluorinated compounds
US08/470,467 US6114544A (en) 1992-01-31 1995-06-06 Optically active fluorinated compounds

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1568392A JPH05208969A (ja) 1992-01-31 1992-01-31 光学活性な含フッ素化合物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05208969A true JPH05208969A (ja) 1993-08-20

Family

ID=11895553

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1568392A Pending JPH05208969A (ja) 1992-01-31 1992-01-31 光学活性な含フッ素化合物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05208969A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0741136A1 (en) * 1995-05-01 1996-11-06 Kashima Oil Company Optically active dihydropyran derivative, and liquid crystal composition, liquid crystal device, and racemic mixture comprising the derivative

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0741136A1 (en) * 1995-05-01 1996-11-06 Kashima Oil Company Optically active dihydropyran derivative, and liquid crystal composition, liquid crystal device, and racemic mixture comprising the derivative

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2786768B2 (ja) 光学活性な含フッ素化合物
US4132726A (en) Process for the preparation of 4-hydroxycyclopent-2-en-1-one derivatives
JPH05208969A (ja) 光学活性な含フッ素化合物
JPS6244A (ja) 2−ハロ−2−シクロペンテノン誘導体及びその製法
US6114544A (en) Optically active fluorinated compounds
JP2869215B2 (ja) 光学活性な含フッ素化合物
JP2821038B2 (ja) 光学活性な含フッ素化合物
JP2614259B2 (ja) 光学活性な含フッ素アルコール
JP2667911B2 (ja) 光学活性な含フッ素安息香酸誘導体
JP2709807B2 (ja) 3−クロロ−4−シリルオキシ−2−シクロペンテン−1−オン類の製造法
JPH0660114B2 (ja) 光学活性アルコ−ル化合物
JPS635056A (ja) (1r,4s)−4−ヒドロキシ−2−シクロペンテニルエステル類の製造方法
JP2596825B2 (ja) 光学活性化合物
JP3020980B2 (ja) 光学活性なバレロラクトン誘導体
JP3050104B2 (ja) 1−ブチン−3,4−ジオールの新規な製造法
JP3060915B2 (ja) trans−3−ヒドロキシ−4−フェニルチオテトラヒドロフラン及びその製造法
JPH0825942B2 (ja) 光学活性化合物
JPH0611735B2 (ja) 光学活性なβ―アルキル―γ―アシルオキシカルボン酸エステルの製造方法
JPH06335398A (ja) シクロヘキセンジオール誘導体
JPS63227536A (ja) ヒドロキシアルキン化合物
JPH0813768B2 (ja) 光学活性アルコール
JPH08198800A (ja) 3−置換−3−メチルブタン酸の製造方法
JPH0733390B2 (ja) 光学活性4−置換−2−シクロペンテノン類の単離方法
JPH0532585A (ja) 光学活性なヒドロキシカルボン酸の合成方法
JPH0825940B2 (ja) 光学活性化合物