JPH05208523A - 走査光学装置 - Google Patents

走査光学装置

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JPH05208523A
JPH05208523A JP4098476A JP9847692A JPH05208523A JP H05208523 A JPH05208523 A JP H05208523A JP 4098476 A JP4098476 A JP 4098476A JP 9847692 A JP9847692 A JP 9847692A JP H05208523 A JPH05208523 A JP H05208523A
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scanning
light
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mark
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祐三 小池
Tsutomu Saito
勉 斎藤
Shuzo Hirahara
修三 平原
Akifumi Mori
昌文 森
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 レーザービームプリンタ等に使われている走
査光学系において、走査光学系の走査位置誤差や感光体
の回転変動誤差等による光ビームの照射位置変動が生ず
るため、情報記録の画質劣化の原因となっていた。この
ビーム照射位置変動を抑制することを目的とする。 【構成】 感光体上に設けた光ビームの照射位置を参照
するマークと、適正照射位置との照射位置誤差を検出す
る手段と、ビームの照射位置を制御する手段とを備えた
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光ビームを走査する走
査光学装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】走査光学装置は、レーザービームプリン
タ等に用いられ、感光体上にレーザービームをスポット
状に結像し、かつ走査するものである。このような走査
光学装置では、レーザービームの走査位置が変動する
と、感光体の移動方向に走査ピッチむらが生じ、露光画
像の濃度むらとなって画質の低下の原因となる。
【0003】そこで、従来は、かかる画質の低下を防止
すべく、レーザービームの走査位置の変動を補正する方
法として図43に示すものがあった。これは光ビームの
走査位置を補正するため、光ビームの一部を感光体とは
別の場所に設けられた受光素子等を用いて走査位置誤差
を検出し、この受光素子からの誤差信号に基づいて、シ
リンドリカルレンズを変位させることにより走査位置の
補正を行なうものである。しかしながら、上記従来の方
法では、感光体と受光素子が別個独立に構成されていた
ため、走査光学系を起因として発生する走査誤差に対し
ては有効な補正を行うことができるが、感光体の回転変
動等の機械系を起因として発生する走査誤差に対しては
補正を行なうことができなかった。
【0004】また、感光体の移動方向に対して複数の光
ビーム群を極めて近接した地点に結像し、光ビームの照
射点を重ね合わせてビームスポットを形成し、光ビーム
群の光量比をそれぞれ制御することにより、スポット位
置を変位させる場合がある。しかしながら、複数の光ビ
ーム群を極めて近接した地点に照射し、位置ズレのない
状態で感光体上に結像させるのは困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように上記従来の
走査光学装置では、感光体の回転変動等の機械系の走査
誤差に対しては何ら考慮されていなかったので、これを
起因とする誤差を補正できないという欠点があった。ま
た、複数の光ビームを極めて近接した地点に照射し、位
置ズレのない状態で感光体上に結像させるのは困難であ
った。本発明は、上記従来の欠点を除去し、感光体に照
射される光ビーム自体の走査位置を検出し、光学系、機
械系それぞれに起因して発生する走査誤差を併せて補正
することができる補正系を備え、光ビームの照射位置を
容易に変位させることが可能な光学系を有する走査光学
装置を提案することを目的とするものである。 [発明の構成]
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記従来の課
題を解決するために、光ビームを発生する光ビーム発生
手段と、この光ビーム発生手段から発生した光ビームを
感光体の被走査面上に1方向に走査する手段と、この走
査方向とほぼ直行方向に感光体を移動させる手段とを備
えた走査光学装置において、感光体上に予め設けられた
走査基準位置と光ビームの走査位置との位置ズレを誤差
信号として取り出し、この誤差信号に基づいて光ビーム
の走査位置を制御する走査光学装置を提案するものであ
る。
【0007】
【作用】本発明においては、支持体のマーク部に設けら
れたマークを基準として、支持体の被走査面上の光ビー
ムの光量を測定することにより、感光体に走査された光
ビームの走査位置を検出する。適正な光ビームの走査位
置からずれた位置に光ビームが走査されているときは、
光ビームの走査位置のずれを誤差として検出し、受光素
子からの信号により、光ビームの走査位置を適正な位置
に変位させる。
【0008】このように構成した本発明によれば、感光
体表面の光ビームの照射位置を検出して、照射位置補正
を行なう構成を採用したため、光学系に起因する誤差に
よる走査位置変動、あるいは機械系に起因する誤差によ
る走査位置変動にかかわらず、単一の補正系によって光
ビームの走査位置の補正を行なうことが可能となる。
【0009】また複数の光ビームの照射位置を重ね合わ
せてビームスポットを形成し、それぞれの光ビームの光
量を制御することによりスポットを変位させる場合に
も、本発明を用いて、照射位置の誤差量を求めることも
可能となる。
【0010】
【実施例】
(実施例1)図1は本発明の第1実施例を示す走査光学
装置の概略図である。本実施例における走査光学装置
は、感光体1上の被走査面を照射する半導体レーザ2の
光路中に、コリメータレンズ3、シリンドリカルレンズ
4、ポリゴンミラー5及びfθレンズ6が順に配置され
ると共に、感光体1表面の光量を測定可能な位置に受光
部7が配置され、また、受光部7からの電気的な出力信
号に基づいてシリンドリカルレンズ4を駆動制御する制
御部8及び駆動部9とから構成されている。
【0011】半導体レーザ2から発生した光ビームは、
コリメータレンズ3によって平行光にされた後、シリン
ドリカルレンズ4によって副走査方向に集束されポリゴ
ンミラー5の反射面上に照射される。このポリゴンミラ
ー5は、副走査方向に対して感光体1と光学的に共役な
位置関係にあり、また、複数の反射面を有すると共に一
定速度で矢印方向に回転し、反射面上に照射された光ビ
ームを主走査方向に次々と走査する。ポリゴンミラー5
で反射された光ビームは、fθレンズ6を介して、感光
体1の被走査面に照射される。このfθレンズ6は、感
光体1上での光ビームの走査速度がポリゴンミラー5の
回転速度に比例する、いわゆるfθ特性と、光ビームが
感光体1上で主走査方向に集束する特性を持っているの
で、感光体1における被走査面で任意のスポットサイズ
を得ることができる。
【0012】感光体1は、支持体10表面に感光層11
が設けられた感光部1aと、この支持体10の少なくと
も一方の端部にこの支持体10表面と異なる反射特性を
有するマーク12が規則的に配されたマーク部1bとか
らなっている。なお、マーク12は被マーク面と異なる
反射特性を有すればよいので、感光層11表面にマーク
12を設け、マーク部1bを形成してもよい。マーク部
1bのマーク12は、例えば図2に示すように等間隔か
つ縞状に、好ましくは光ビームの走査ピッチと等間隔か
つ縞状に、設けられている。このマーク12は光ビーム
の走査基準位置を示すためのものであり、例えばマーク
12の中心線を光ビームの適正走査位置とする。光ビー
ムがこのマーク部1bを走査すると、マーク12の有無
によって光ビームの一部が反射され受光部7に入射す
る。
【0013】受光部7は、その受光面が2分割にされて
おり、それぞれの受光面に設けられた受光素子13,1
3’は入射する光量に応じて電気的な出力信号S,S’
を出力する。
【0014】制御部8は、受光部7からの出力信号S,
S’に基づいてシリンドリカルレンズ4を駆動制御する
ための制御信号Cを出力する。受光素子13,13’か
ら出力された出力信号S,S’は、図2に示すように、
比較演算部14によってその差が比較演算され、その結
果が走査位置誤差信号(以下「誤差信号E」という)と
して出力される。すなわち、それぞれの受光素子13,
13’の受光する光量が等しければ、大きさの等しい出
力信号S,S’が発生するため誤差信号Eは零となる。
また、それぞれの受光素子13,13’が受光する光量
が異なれば、発生する出力信号S,S’の大きさが異な
るため誤差信号Eが測定される。この測定された誤差信
号Eに基づいてシリンドリカルレンズ4を駆動制御する
ための制御信号Cを駆動部9へ出力する。
【0015】駆動部9は、例えば図3に示すように、支
持台15上に永久磁石等の筒形の磁性体16が載置固定
され、この磁性体16に摺動自在に嵌挿されたコイル1
7には、シリンドリカルレンズ4が連結一体に設けられ
ており、このコイル17に流れる誘導起電力によって、
シリンドリカルレンズ4は上下に摺動移動する。
【0016】なお、制御部8及び駆動部9は、制御信号
Cに基づいて、例えば光ビームの光路中のミラーやプリ
ズム等を駆動制御して光ビームの走査位置を変位させた
り、また、音響光学変調器(AOM)を用いて光ビーム
の進路を偏向させるように構成してもよい。
【0017】次に、本実施例における走査光学装置を用
いた光ビーム走査位置の補正方法について説明する。光
ビームは、感光体1の被走査面をマーク部1b側の走査
開始位置から主走査方向に走査され、光ビームがマーク
部1bのマーク12を走査した際に、その光ビームの一
部がマーク部1bのマーク12から反射され受光部7に
入射する。光ビームの走査位置が感光体1上の適正走査
位置からずれている場合には、感光体1から反射して受
光部7のそれぞれの受光素子13,13’に入射する光
量が異なるので、それぞれの受光素子13,13’から
発生する出力信号の差により適正位置からの照射位置の
ずれを誤差として測定することができる。すなわち、誤
差信号Eの値の大きさにより適正位置からのずれの大き
さを測定するとともに、誤差信号Eの符号により光ビー
ムのずれた方向を測定することができる。
【0018】次に、この誤差信号Eに基づいた制御信号
Cを所要の大きさに増幅した後コイル17に流し、コイ
ル17に連結一体に設けられたシリンドリカルレンズ4
を上下に摺動させ、適正位置にてシリンドリカルレンズ
4の位置をロックする。そして、光ビームは、感光体1
の感光部1aを1ライン走査した後、次の走査ラインに
おいて同様に走査することを繰り返す。
【0019】本実施例によれば、感光体1上のマーク部
1bに走査位置の基準となるマーク12を予め設けてお
き、ここからの反射光を受光することにより、光ビーム
の誤差を測定、補正を行ない、走査ピッチむらのなく正
確に光ビーム走査を行なうことができる。
【0020】また、光ビームの照射位置の誤差が光ビー
ムの伝搬経路による光学系のものであると感光体1の回
転変動による機械系のものであるとを問わず、感光体上
に設けたマークからの走査位置誤差信号を検出・補正
し、正確な光ビーム走査を行なうことが可能となる。
【0021】なお、マーク12は縞状に設けるかわり
に、図4のように千鳥格子状に形成してもよい。受光素
子13により走査位置誤差を検出する方法の概念図を示
す。このように格子のラインを光ビームの適正照射位置
の基準として用いても、上記縞状に設けられたマークと
同様の効果を得ることができる。
【0022】本実施例におけるマーク部1bは、マーク
されている部分とマークされていない地の部分との反射
率が異なればよいので、所望のパターンが予め印刷され
たシートを貼着する方法や、厚膜印刷技術、切削工程に
よる凹孔等によって感光体表面上に容易に設けることが
できるが、感光体における感光部自体は耐熱性に劣るた
め、以下のような製造方法により実現することが望まし
い。
【0023】すなわち、感光層11を設ける感光部1a
とマーク12を設けるマーク部1bを各々独立に作った
後、これらを連結一体に構成する。具体的には、所望の
パターンが予め印刷された熱収縮性を有するシートを支
持体11の表面に巻き付け、このシートを加熱によって
支持体10と密着させ、その後この支持体10を感光部
1aと連結一体化する。また、支持体10自体に感光材
料を塗布し、露光装置でマークを書き込み、現像して可
視化した後、感光部1aと連結一体化してもよい。
【0024】このように、感光体1は感光部1aとマー
ク部1bを各々独立に作るので、感光層11の熱特性を
何ら考慮する必要がなく、また、感光体1の交換に際
し、感光部1aのみ交換すればよいのでコストを最小限
に抑えることができる。 (実施例2)図5は本発明の第2実施例を示す走査光学
装置の概略図である。本実施例は、半導体レーザ2から
発生した光ビームは、コリメータレンズ3によって平行
光にされた後、ビームスプリッタ18を介してシリンド
リカルレンズ4によって副走査方向に集束されポリゴン
ミラー5の反射面上に照射される。ポリゴンミラー5で
反射された光ビームの走査光路にはfθレンズ6が配置
され、光ビームは、fθレンズ6を介して被走査面であ
る感光体1上にほぼ垂直に照射され、その一部が反射さ
れる。光ビームが感光体1の被走査面に対してほぼ垂直
に照射するため、この反射光は、半導体レーザからの光
路とほぼ同一光路を辿ってビームスプリッタ18に入射
する。ビームスプリッタ18に入射した入射光は、半導
体レーザ2側へ戻ることなく受光部7に入射することに
より、誤差信号Eを検出する。
【0025】本実施例では、光ビームを感光体1上に照
射する走査光学系をそのまま補正光学系に用いるため、
補正を行なうための新たな光学系を設ける必要がなく、
簡単な構成で装置を構成することができる。
【0026】なお、本実施例において、ビームスプリッ
タ18を半導体レーザ2とシリンドリカルレンズ3の間
に設けて誤差信号の検出を行なったが、感光体1からの
反射光を受光できる位置であればよい。 (実施例3)図6は、感光体1の表面上に格子状のマー
ク12をつけた走査光学装置の走査位置補正系の要部を
示している。この実施例に示す感光体1を用いた光ビー
ムの照射位置補正の方法を説明する。走査光学系は図1
に示した構成と同様の構成を用いることができる。ただ
し受光部7における受光素子13は受光面が4分割さ
れ、この面に感光体からの反射光が入射するものとす
る。分割された各受光面からは、それぞれ誤差信号を含
む信号電流が発生する。
【0027】受光素子13に光ビームの反射光が入射す
る様子と誤差信号を検出する原理を図7に示す。適正照
射位置に光ビームが照射されている場合には、感光体か
らの反射光は4分割された受光素子に等しい光量で入射
される。このときそれぞれの受光素子13からは値の大
きさの等しい出力信号が出力される。これらの出力信号
の差分はそれぞれ零となり、適正な位置にビームが照射
されていることが検出される。適正照射位置からずれた
位置に光ビームが照射されている場合には、適正位置か
らのずれに応じて感光体1面からの反射光が受光素子1
3に入射する。それぞれの受光素子からは適正位置から
のずれによる入射光の信号電流を発生する。これらの出
力信号の差分は適正位置からのずれに応じた値を持つこ
ととなるので、この値を誤差信号Eとして制御部8が光
ビームの走査位置を変化させることにより、感光体1上
のビームの照射位置を補正する。
【0028】本実施例では、受光部を4分割しそれぞれ
の受光素子に生じた出力信号の差分により照射位置の誤
差の方向およびその大きさを検出することができるの
で、リアルタイムで光ビームの照射位置補正をすること
ができる。また光ビームの主走査方向にも連続模様を設
けることにより、主走査方向の位置変動を検出すること
ができるので、感光体1の回転変動等による副走査方向
の走査誤差のみならず、光学系の走査方向である主走査
方向の走査誤差をも併せて2次元平面に対する誤差補正
することが可能となる。 (実施例4)図8は、感光体1の記録領域面上における
光ビームの照射位置誤差補正を行なう走査光学装置の一
実施例である。実施例1に示した構成は感光体1上の光
ビームの照射位置を補正するために、走査ラインの先頭
で画像情報の記録領域を走査する前に光ビームの照射位
置補正を行なうものであったが、本実施例では感光体の
情報記録領域面上をビーム走査を行なう最中にも、照射
位置補正を行なうことを特徴とする。この場合には画像
情報を記録しない画点でも感光体面を連続して光ビーム
で照射する必要があり、画像情報を記録しない画点では
感光体1に記録されない程度まで光ビームの強度を小さ
くすることにより、画像情報を乱すことなく感光体1面
の光ビームの照射位置を検出することができる。
【0029】また光ビームの光量に対して非線形な感度
を持つ感光材料を用いて、画像情報を記録する画点では
光ビームの強度を大きく、画像情報を記録しない画点で
は光ビームの強度を小さくし、感光体1の情報記録領域
でも全域において光ビームを走査することにより、照射
位置の誤差を検出し、補正を行なうことができる。この
誤差補正方法のタイムチャートを図9に示す。感光体1
に画点を記録する描画時間は(a)基準クロックとして
表わすことができる。基準クロックに従って記録信号
(b)が与えられ、記録信号に対応して光ビームの強度
(c)を変化させる。これにより画点を形成しない部分
でもビーム走査を行ない、ビームの走査位置誤差を検出
することができる。但し、光ビーム強度の変化により感
光体1上からの反射光の強度も変化するため、受光素子
13から発生した誤差信号の弱い部分では光の強度を補
正する必要がある。この様子を(d)に示す。実際には
制御部8内で誤差信号と記録信号とを入力される信号処
理回路により誤差信号の補正を行ない、画像情報を記録
しない画点では感光体1上に画点が形成されることなく
照射位置誤差補正を行なうことができる。このように光
量に対して非線形な感度をもつ感光材料を用いると、画
像情報を記録する画点では、光ビームの照射位置の基準
となるマークの有無により光の強度が弱くなってしまう
場合でも、情報を記録する画点で画点を形成するのに十
分な強度をもつ光ビームを用いることによって、濃度む
らのない画点を形成することができる。
【0030】光ビームの光量に対して非線形な感度を持
つ感光材料では、光ビームの照射時間を短くすることに
よって感光体1への入射光量を制限すると、感光体1上
の潜像コントラストは十分に得られず、感光体1への画
点を形成を抑えられる。この性質を利用して、ある画点
に光ビームが照射されてから感光体1上に画点が形成さ
れるまでの間に、光ビームの照射位置誤差補正を行なう
ことによっても、画像情報を乱されることなく記録領域
上の光ビーム位置誤差補正が可能である。
【0031】なお、感光体の記録面上に設けたマーク
は、導電性を有するマークを用いることによって、何ら
支障なくトナーの付着を行うことが出きる。
【0032】また、感光体1の中央部と端部では、光ビ
ームの入射角が異なるため、感光体の端部では光ビーム
は弱く照射され、感光体の位置により入射光の強度が異
なる。これでは感光体の位置により受光素子に入射する
反射光の強度も異なるため、誤差信号を大きさが感光体
の位置により変わってしまう。そこで、図8に示すよう
に、感光体に照射される光ビームの強度の変動を補完す
るための手段として、例えば感光体上の照射位置により
光ビームの照射強度を増幅する手段を設けることができ
る。図10に誤差信号の増幅方法の原理図及び制御部に
おける信号の流れ図を示す。光ビームの走査開始位置、
走査終了位置では、光の強度が弱く、感光体1上から反
射される光も弱くなることから、これをポリゴンミラー
5の回転角に対応した光の強度を予め計算し、受光素子
13から発生する誤差信号Eの強度を補正することがで
きる。
【0033】また、感光体1の照射位置により受光素子
13の受光感度を変化させる手段を設けてもよい。さら
に、これを光学的に修正するために、光ビームを走査す
る全範囲で感光体に垂直にビームが入射するようにレン
ズを挿入することによっても実現してもよい。 (実施例5)図11(a)は、感光体1のマーク部1b
に設けられたマーク12のパターンを示す一実施例であ
る。マーク12aは、マーク部1b表面と異なる反射特
性を有し、感光体におけるマーク部1b表面の走査開始
位置から感光体1の移動方向全周に渡って切れ目なく帯
状に設けられている。マーク12bは、マーク12aと
同様に反射特性を有し、光ビーム走査ピッチの2倍の間
隔でマーク12aの端縁に接して規則的に設けられてい
る。さらに、マーク12cはマーク12bと同じ間隔で
主走査方向に対してちょうどマークが交互になるように
千鳥状に設けられている。ここで、マーク12b及びマ
ーク12cの水平方向の境界を光ビームの適正走査位置
とする。
【0034】図11(b)は、図12における制御部の
信号処理回路の動作を表すタイミングチャートであり、
これに基づいて信号処理回路の動作を説明する。
【0035】受光素子13は、水平同期信号(HSN信
号)によって特定される有効受光領域を光ビームが主走
査方向に連続的に走査する際、出力信号を出力する。マ
ーク12aからなる受光領域Aを走査した際に出力され
る出力信号は、サンプルホールドIC19に入力される
信号をホールドするための同期信号と、各走査ラインの
書き出し位置の同期信号を得るのに用いられ、シュミッ
トトリガを介してコントローラ20に入力される。マー
ク12bからなる受光領域Bを走査した際に出力される
出力信号は、増幅器21aを介してサンプルホールドI
C19a,19bに入力される。コントローラ20は、
同期信号に基づいてマーク12cからなる受光領域Cを
走査する前に、サンプルホールドIC19aのみをホー
ルド信号H1 によってホールドする。光ビームは、続い
て受光領域Cを走査し同期信号に基づいてサンプルホー
ルドIC19bをホールド信号H2 によってホールドす
る。サンプルホールドIC19a,19bがホールドさ
れた後、差動増幅器22で波形整形を行いサンプルホー
ルドIC19cでホールドし、増幅器21bを介して制
御信号を出力する。なお、サンプルホールドIC19c
で出力信号をホールドするのは、制御信号が確定する前
に誤って駆動制御されないようにするためである。
【0036】本実施例において、マークの繰り返し周期
を走査ピッチの2倍にした効果について述べる。マーク
の繰り返し周期Xと走査ピッチPの関係がX=PとX=
2Pの場合について、中心から画素径Pのところで強度
が1/eになるガウシャンビームをマークに照射したと
きのビームの走査位置に対する反射光量の変化を図13
に示す。なお、マークは反射率の高い部分と低い部分と
の割合を1:1とする。図13から、X=P場合は、反
射光量の変化が少なく、ビーム位置はxbの値で、0.
25を中心に0から0.5までしか検出できない。これ
に対して、X=2Pの場合は、反射光量の変化が大き
く、ビーム位置はxbの値で0.5を中心に0から1ま
で検出できる。このように、マークの繰り返し周期を走
査ピッチの2倍とすることで光ビームの走査位置の検出
能力が大幅に向上する。なお、マークの繰り返し周期X
=3P以上にするとさらに検出能力が向上する。ただ
し、制御系が複雑になるため好ましくはX=2Pとする
のがよい。
【0037】また、本実施例は、複数のビームを用いて
複数の走査ラインを同時に記録するマルチビームプリン
タに応用することができる。光ビーム群のピッチ(走査
ピッチ×光ビームの数)とマークの周期を合わせると、
誤差信号はどの走査でも同じように出力される。このた
め、誤差信号から制御信号を得るための信号処理手段を
1走査毎に切り替える必要がなくなり、信号処理回路が
簡易になる。 (実施例6)図14は、感光体1のマーク部表面におけ
るマーク12の一実施例を示している。本実施例におけ
るマーク12は、感光体の副走査方向僅かに斜め方向に
主走査方向の幅が一定の割合で変化する帯状のパターン
が切れ目なく設けられ、マーク12の開始端と終端は、
わずかにオーバーラップされている。これは、1マーク
中における開始端と終端の走査での走査位置の誤差に対
しマージンを大きくするためである。
【0038】このマーク12を光ビームが走査すると、
図15に示すように走査位置により長さの異なるパルス
が得られる。従って、このパルス幅から制御信号を得
る。図16は、制御部の信号処理回路の一実施例であ
る。受光素子からの出力を増幅器で適当に増幅し、シュ
ミットトリガ付きのアナログコンパレータ23でデジタ
ルパルスに変換する、パルスの出力されている時間をカ
ウンタ24でカウントし、このカウント数と予め定めら
れた適正位置でのカウント数との差をとることにより誤
差信号が得られる。適正位置でのカウント数は1走査毎
に変位するので、各走査毎にコントローラ20から読み
出す。誤差信号は、D/Aコンバータ25によりアナロ
グ信号に変換されホールド信号によりホールドされる。
【0039】なお、アナログ系で構成するには、カウン
タの代わりにオペアンプ等の積分器で出力パルスを積分
し、減算器で基準信号との差をとればよい。
【0040】誤差信号Eを適当に増幅すると制御信号が
得られ、制御信号Cを制御部8に入力することにより光
ビーム位置の補正が行える。
【0041】なお、マーク12の繰り返し周期は、走査
ピッチの整数倍であればよい。好ましくは、処理の簡易
さから走査ピッチ×(2のn乗)×m(m,nは1以上
の整数)とするか、記録する文字の副走査方向のドット
数の整数倍か整数分の一とするのがよい。また、本実施
例においてもマークの繰り返し周期が走査ピッチより長
い方が光ビームの位置検出の精度が高くなる。 (実施例7)図17は光ビームを発生させる光発生装置
を複数備えた走査光学装置において本発明を用いた場合
の実施例を示したものである。実施例1に示した構成に
加えて光ビームを発生させるための半導体レーザ2’が
追加されている。ここでは二つの半導体レーザは波長の
異なるものを用いる例について説明する。
【0042】半導体レーザ2は情報記録用の光ビームを
発生させ、半導体レーザ2’は光ビームの照射位置補正
用の光ビームを発生させる。これら二つの半導体レーザ
2,2’により発生された光ビームは、それぞれハーフ
ミラー26を介して光学的に同じ光路を辿って感光体1
に照射される。感光体1上には光ビームの照射位置の基
準となるマーク12が記録領域にも設けられ、これに対
応して光ビームの主走査領域の全範囲をカバーする受光
素子13(図示せず)が配置された受光部7が設けられ
ている。感光層には、光ビームの波長に対して選択的に
感光する性質をもつ材料を用いる。情報記録用の光ビー
ムは感光体1の記録領域に入射することにより、画像情
報を記録する。照射位置補正用の光ビームはも同様に感
光体上に照射され、この反射光が受光素子13に入射す
る。受光素子13に入射する反射光から適正照射位置と
の誤差信号を検出することにより、光ビームの走査経路
の補正を行なうのは、実施例1と同様である。
【0043】本実施例の構成によれば、照射位置補正に
用いる光ビームの発生手段を情報記録用の光ビームの発
生手段と別に設け、照射位置補正用の光ビームは感光体
に対して感度の鈍い波長の光を用いることができるの
で、この光ビームで感光体の記録領域での走査を行なっ
ても、感光体には記録されることない。従って、この照
射位置補正用の光ビームを感光体の記録領域上に照射
し、反射光を受光素子で受光することによって、情報記
録領域での感光体面上における光ビームの照射位置の誤
差を検出することができる。これにより情報記録面上に
おいても、光学的、機械的な要因によるビームの照射位
置の誤差を有効に補正することができる。
【0044】以上示した全ての実施例は情報記録用の光
ビームが単一の場合に限られるものではなく、複数の記
録用光ビームを備えた走査光学装置であっても応用する
ことができる。
【0045】(実施例8)本実施例の光学装置はレーザ
ビームプリンタ、画像入力スキャナや露光装置に用いら
れるが、ここではレーザビームプリンタを例にとって説
明する。
【0046】図18は、本発明を用いたレーザビームプ
リンタの光学系と感光体を模式的に示したものである。
実際のレーザビームプリンタではこの他に現像装置、転
写装置、感光体のクリーニング装置等が必要であるが、
本発明を用いたレーザビームプリンタではこれらの装置
については特に問わないので、ここでは説明は省略す
る。
【0047】光ビームは副走査方向に複数個並んだ半導
体レーザ2より発し、コリメータレンズ3で平行光にさ
れる。この光ビームはコリメータレンズ3を通りそれぞ
れの光軸がほぼ平行になり、シリンドリカルレンズ4で
はポリゴンミラー5上で副走査方向に対してビームウエ
ストになるよう集光される。ポリゴンミラー5で反射さ
れた光ビームは、fθレンズ6を通り、感光体1上を照
射する。
【0048】図19に光ビームの副走査方向の光ビーム
の広がり方のモデルを示す。半導体レーザ2,2’は図
面上下方向に2つ並んで配置されているものとする。図
19(a)は、上側の半導体レーザ2からの光ビームの
光線をハッチングにより示し、図19(a)は、下側の
半導体レーザ2’からの光ビームの光線をハッチングに
より示した。このように近接して2つのレーザダイオー
ドを配置することにより、感光体1上で二つの光ビーム
が合成される。この合成されたビームスポットを用いる
ことにより、それぞれの光ビームの強度を変化させて、
合成によって形成されるビームスポットの形状を変位さ
せることができる。
【0049】本実施例では、感光体1上に副走査方向に
近接して照射された2個のビームの光量比を加減するこ
とで、ビームスポットの形状を変化させ、実質的にビー
ムスポット形状の重心を副走査方向に変位させて面倒れ
を補正する。このためには、ビームピッチは各光ビーム
のスポット径より小さくなければならない。半導体レー
ザアレイは、発光面でのビーム径がおよそ1[μm]で
あるのに対して、ビームピッチはおよそ100[μm]
であるため、光ビームが感光体1上で結像する場合に
は、ビームピッチに対してビーム径が大きくなり過ぎ
る。そこで本実施例では、感光体1を結像面より焦点に
近い側に配置し、ビーム径とビームピッチがほぼ等しく
なるようにした。このような構成にすると、感光体1上
でビームが結像しなくなるが、面倒れ補正レンズを用い
ないので特に問題はない。なお、本実施例ではfθレン
ズ6に主走査方向と副走査方向の両者の機能を持たせた
が、それぞれの機能が分離したレンズを用いても良い。
【0050】感光体1上には画像記録領域以外の部分に
光ビームを走査する位置を示すマーク12を予め設けて
いる。図18ではマーク12は光ビームの走査が始まる
側の感光体1の端部に設けられている。このマーク12
を設けている部分で感光体1上で反射した光ビームは、
受光素子13へと向かう。受光素子13は感光体1で反
射した光ビームの全量を受光できるように光ビームの径
よりも十分に大きい開口のものを用いている。
【0051】図20に感光体1上のマーク12と光ビー
ムの位置関係を示す。図20(a)には、感光体1上に
は副走査方向に副走査方向の記録密度と同じピッチで千
鳥状に並ぶマーク12が設けられている。このマーク1
2は感光体1と反射率の異なる物質で作られている。走
査位置の誤差信号は、受光素子13から得られる連続し
たパルスの強度を比較することで得られる(図21)。
すなわち、受光素子13が出力する1つ目のパルスのサ
ンプリング値(A)から2つ目のパルスのサンプリング
値(B)を引いたもの(A−B)がビームの適正位置か
らのズレ量に対応する誤差信号Eとして制御部8に出力
される。
【0052】制御部8はこの誤差信号に基づいて、2つ
の光ビームの光量比を変化させることにより、合成され
たビームスポット形状を変化させ、ビームスポット形状
から得られる重心を変位させる。この方式は、光路中の
光学素子を機械的に動かして光軸を傾ける方式に比べる
と、制御の高速性、安定性に優れている。また光ビーム
の変位の前後で個々の光ビームの軌跡が変化しないた
め、合成された光ビームの軌跡の変化も少なく、1つの
光ビームの光軸を傾けて変位させる方式に比べると、小
さな受光素子で感光体から反射した光ビームを検出でき
るという利点もある。
【0053】図22に半導体レーザ2の駆動電流とビー
ムスポット照度の関係を示す。合成したビームスポット
の光量は、それぞれの半導体レーザ2の駆動電流を変え
ることにより行う。これは定電流源から出力される電流
を2つの駆動電流に振分けることによって行えるが、こ
のようにすると、感光体1上に形成される静電潜像の大
きさが一定にならない。すなわち、2つの光量が同じ場
合が一番大きく、光量を一方に偏らせていくに従って小
さくなる。この関係は、感光体1上でのスポット径とビ
ームピッチの比に大きく依存し、ビームピッチが大きく
なるに従って顕著になる。一例を挙げると、ビームピッ
チがスポットサイズの半分である時に同じサイズの潜像
を形成するのに必要な電流は、均等に照射した場合の全
電流を1とすると、1つのビームで照射する場合の電流
はおよそ1.25となる。また、ビームの変位量とレー
ザダイオードの駆動電流変化量もリニアな関係にならな
い。ビームの照射量が偏ってくるにつれ、同じ量だけ変
位させる時の駆動電流の変化量を大きくしなければなら
ない。
【0054】本実施例では、2つの光ビームの光量比を
変化させたが、2つの光ビームの照射時間(駆動パルス
幅)を変化させてもよい。感光体1の感光に必要な光量
を得るために、一定時間の光ビームの照射を要すること
から、半導体レーザ2の駆動時間をそれぞれ制御するこ
とによりビームスポットを変位させることが可能であ
る。
【0055】図23に、レーザー駆動時間の制御による
ビームスポット形成の原理を示す。2つの半導体レーザ
2,2’は、時間的にそれぞれ独立して駆動できるもの
とする。同図上段において、光ビーム(a)は時間T1
にONとなり、光ビーム(b)は時間T2 においてON
となる。同図下段には光ビーム(a)と光ビーム(b)
のビーム形状を示し、これら2つの光ビームをそれぞれ
T1 、T2 にて駆動しながら、走査を行なったときに形
成される画素形状を同図下段右に示す。形成された画素
は光ビーム(b)側に偏ったものとなり、2つのビーム
を等しい時間駆動して形成した場合の画素と比較して、
画素の重心は変位されている。
【0056】図24に光量制御によるビームスポット形
成と、レーザ駆動時間制御によるビームスポット形成を
示す。同図(A)は、光ビーム(a)と光ビーム(b)
との光量を変化させ、合成されるビームスポット形状を
変化させている。この例では光ビーム(b)を強く、光
ビーム(a)を弱く照射し、ビームスポット形状の重心
を光ビーム(b)側に変位させている。このビームスポ
ットにより形成された画素(同右図)は、光ビーム
(b)側に偏ったものとなる。一方、レーザ駆動時間制
御によるビームスポットによれば、光ビーム(a)、光
ビーム(b)の駆動時間を替えることにより、形成され
る画素形状を変化させる。光ビーム(b)の駆動時間を
長く、光ビーム(a)の駆動時間を短くし、走査を行な
った場合の形成される画素形状は、重心位置が光ビーム
(b)側に変位したものとなる。上記いずれの場合も、
画素の重心位置がずれることにより、実質的にビームス
ポットの変位した画素を形成することが可能である。こ
のとき画素の形は必ずしも対象性の良いものではない
が、マクロ的にみれば、画素の重心が変位したものとと
らえることができるので、これにより画素を変位させる
ことができる。
【0057】光ビーム走査位置の制御は、図20(a)
に示したように、1走査ラインの先頭(記録領域外)の
みで行い、1ラインを走査中は2つの光ビームの光量を
固定する。光ビームはマーク12で示された適正な走査
位置を通過して記録領域を走査する。しかし、より正確
に走査させたい場合には、図20(b)のように記録領
域を含めて感光体1の被走査面全体にマーク12を設
け、照射位置制御を継続して行ないながら感光体1上の
光ビーム走査を行なう。この場合の光ビームの光量制御
は図9に示すように光ビームの強度を制御する方法や、
感光体1への照射時間を制御する方法により行なう。感
光体1上に設けられるマーク12の主走査方向のピッチ
を画点記録ピッチの整数倍または整数分の1にすると、
記録ピッチの整数倍または整数分の1毎に照射位置誤差
を検出することができるため、光ビームの位置制御を容
易に行なうことができる。
【0058】このようにして、感光体1の被走査面前体
に走査位置を示すマーク12を設け、感光体1上の光量
を測定し、その測定結果に基づいて2つの光ビームの光
量比を変化させて光ビームを適正走査位置に戻すことに
より、光ビームの走査を正確にしている。
【0059】本実施例では2つの光ビームを使う場合に
ついて述べてきたが、3つ以上の光ビームを使って、光
ビームを重ね合わせの部分を合成することによりビーム
スポットを形成することも可能である。その場合にも本
発明に示す光ビーム照射位置誤差検出を利用することに
より、容易かつ高速に照射位置誤差補正を行なうことが
可能である。
【0060】図25には、ビームスプリッタを用いない
場合の実施例の構成を示す。感光体1上に照射された光
ビームの反射光を受光部7の受光素子13(図示せず)
で受光することにより、照射位置の誤差を検出するもの
である。ここで用いる受光素子13は、図2に示す2分
割の構成であっても、図7に示す4分割の構成であって
もかまわない。また、図23に示すように2つまたは3
つ以上の光ビームを重ね合わせることによりビームスポ
ットを合成し、照射位置を変位させることも可能であ
る。
【0061】図26は、ビームスプリッタ18を用いな
い場合に、2つの光源による光ビームがシリンドリカル
レンズ4に光軸が平行に入射するよう、光学系にプリズ
ム27を挿入する例を示す。同図(A)にて、コリメー
タレンズの後にプリズムを挿入したときの、光ビームの
軌跡を示す。図面においてコリメータレンズ3の焦点距
離、直径をそれぞれf,Dとし、コリメータレンズの光
軸と半導体レーザの開口部までの距離及びコリメータレ
ンズとプリズムまでの距離をそれぞれ、a及びxとする
と、以下の関係式を満たすものとする。
【0062】x=(f・D)/(2a) 例えば、f=5(mm),D=3(mm),a=0.15(mm),
とすると、x=50(mm)となる。このとき2つの半導体
レーザの光ビームの軌跡を同図(B)に示す。同図に示
すように、プリズムを挿入することにより、2つの光ビ
ームの軌跡を容易に近づけることができるため、感光体
1上で光ビームを重ね合わせて照射し易くなる。 (実施例9)図27は本発明を用いたレーザビームプリ
ンタの光学系と感光体を模式的に示したものである。
【0063】光ビームは半導体レーザ2より発し、コリ
メータレンズ3で平行光にされる。この光ビームはシリ
ンドリカルレンズ4ではポリゴンミラー5上で主走査方
向に伸びる線像になるように集光される。ポリゴンミラ
ー5で反射された光ビームはfθレンズ6、ハーフミラ
ー26を通り、感光体1上を照射する。
【0064】このfθレンズ6は主走査方向に対して
は、感光体1上での光ビームの走査速度がポリゴンミラ
ー5の回転速度に比例する、いわゆるfθ特性と、光ビ
ームが感光体1上で主走査方向にビームが絞られる特性
を持っていて、走査面で任意のスポットサイズが得られ
る。また、fθレンズ6は副走査方向にのみパワーを持
っているシリンドリカルレンズで、ポリゴンミラー5と
感光体1が光学的に共役な関係になっている。また、光
ビームはハーフミラー26で分岐され、スケール28を
照射する。
【0065】スケール28には、光ビームの走査位置を
参照するマーク(図示されていない)が設けられてい
て、ハーフミラー26からは感光体1と同じ光学距離に
配置されている。また、このスケール28は、感光体1
の回転速度変動にあわせて、矢印方向Bに微動する。す
なわち、矢印方向Aに回転する感光体1の回転速度変動
は、ロータリー・エンコーダ29で検知され、制御部8
で標準クロックとロータリー・エンコーダ29の出力パ
ルスを比較され、その結果はスケール駆動装置30へ送
られて、スケール28はスケール駆動装置30によって
光学的位置を保持するため矢印方向Bに修正移動され
る。
【0066】スケール28の照射面上では、走査された
光ビームの位置情報を受光素子13により電気信号に変
換して、制御部8’へ送っている。制御部8’では走査
された光ビームの位置情報に基づいて、光ビームが適正
な位置を走査するように処理され、駆動部9に信号を送
る。駆動部9では送られてきた信号を基づいてミラー3
1を回動させることにより、光ビームの光軸を副走査方
向に微小量変位させる。
【0067】スケール28の照射面上のマークを設けら
れている部分は、マーク12が設けられていない部分と
比較して光の反射率が異なる特性を示す。スケール28
に光ビームが入射した場合には、マーク12を設けた部
分と設けていない部分とで光ビームの反射量が異なるた
め、この光の反射を受光素子により受光することができ
る。そしてこの受光量は光ビームの照射位置によりマー
クの有無に差があるので、受光量を検出することにより
光ビームの照射位置に関する光量を観測することが可能
となる。
【0068】なお、本実施例においては光ビームの反射
光を測定したが、マークの透過光を用いてもよい。
【0069】ここでスケール28上のマークの例を図2
8(a)〜(d)に示す。破線は光ビームの適正走査位
置を示す。図28(a)では、スケール上にV字状のマ
ーク12が設けられており、スケール28の裏側には受
光素子13が設けられている。スケール28を通過した
光を受光素子に導く手段としては光ファイバやレンズ等
の光学部品が使える。図28(b)では、光ビームの主
走査方向とほぼ垂直な方向に沿って設けられたマーク1
2が設けられている。このマーク12の後方には、CC
D等の光電変換素子が等間隔に配置されている。図28
(c)は適正走査位置を基準として対称位置にマーク1
2を設けることにより、照射位置の誤差を検出すること
が可能となる。図28(d)では適正照射位置を基準と
して対称に空間周波数の異なるマーク12を設けた例で
ある。これらのマークによる光走査位置誤差補正の原理
を、図29〜図32に従って説明する。
【0070】図29には図28(a)に示したV字状の
マーク12を拡大した図である。このスケールの裏側に
は受光素子が設けられている。光ビームの適正走査ライ
ンを(B)として、V字状の上側にずれた場合の走査ラ
インを(A)、V字状の下側にずれた場合の走査ライン
を(C)とする。そして走査ライン(A)、(B)、
(C)を光ビームが走査した場合の、対応する発生電流
パターンの例を示す。走査ライン(B)を走査する場合
には、開口部が一定間隔をおいて2箇所に現われるの
で、この開口部に対応して光電変換された電流パルスは
一定間隔をおいて発生する。この発生電流パルスの間隔
を検出することにより、発生電流パルスが一定間隔の場
合には適正走査位置を走査しているものと検出する。
【0071】一方、走査ライン(A)を走査する場合に
は、設けられたマークに対応した開口部の間隔が走査ラ
イン(B)と比較して広いため、光電変換して得られる
電流パルスの間隔が大きくなる。従って発生電流パルス
の間隔が、適正走査が行なわれているときよりも、大き
くなる。適正走査位置からの走査位置誤差が大きくなれ
ばなるほど、発生電流パルスの間隔が大きくなるので、
パルス間隔の大きさを検出することにより、走査位置誤
差の大きさを検出することが可能となる。
【0072】逆に走査ライン(C)を走査する場合に
は、設けられたマークに対応した開口部の間隔が走査ラ
イン(B)と比較して狭いために、光電変換して得られ
る電流パルスの間隔は小さくなる。従って発生電流パル
スの間隔が、適正走査が行なわれているときよりも、小
さくなる。適正走査位置からの走査位置誤差が大きくな
ればなるほど、発生電流パルスの間隔が小さくなるの
で、パルス間隔の大きさを検出することにより走査位置
誤差の大きさを検出することができる。なお、照射位置
誤差が余りにも大きくなりすぎ、開口部の間隔がなくな
ってしまうと、光が分離して走査されなくなるので、発
生する電流パルスも一つとなり、発生電流パルスの間隔
により誤差の大きさを検出することができなくなる。こ
の場合には重なった電流パルスのパルス幅を検出するこ
とにより、適正走査位置からの変位量を検出することも
可能である。
【0073】この場合にマークは光ビームの走査幅と同
じだけ設けられていても良いし、走査幅の一部分だけで
おこなってもよい。また光ビームの走査幅全域で走査位
置の制御を行うときは、光ビームの光量制御を行う必要
がある。記録しない画点において走査位置制御のために
光ビームを照射すると誤って記録されることになる。従
って、記録しない画点においては光ビームの強度を下げ
て走査位置の制御を行う必要がある。感光体は光ビーム
の光量に対して非線形な感度特性を持っており、ある強
度以下の光ビームにはほとんど感度がない。従って、光
ビームをある強度以下にしておけば記録しない画点にお
いて光ビームを照射しても、感光体上に画点が形成され
ることはない。
【0074】主走査方向の走査幅の一部分だけで走査位
置の制御を行う場合は、小さい受光素子を設けるだけで
済み、受光素子のコスト、製造性、取付誤差の点で利点
がある。特に走査位置の制御を走査開始側の非記録領域
だけで行なう場合、光ビームの光量制御をする必要がな
いため制御回路の構成が簡単になる。
【0075】図30では図28(b)に示す副走査方向
に配置された一次元の光センサ(例えば光電変換素子)
アレイによる光走査位置の誤差検出の原理を図示してい
る。走査ライン(B)を適正走査位置である場合に、光
ビームが走査ライン(B)を走査したときの発生電流パ
ターンを示す。このときの発生電流パターンは走査ライ
ン状の光電変換素子から得られる電流が最も大きくなる
特性となる。これに対し光ビームの走査位置が走査ライ
ン(A)側に変位すると、光電変換素子により発生する
電流パターンも走査ライン(A)側にシフトした特性を
示す。逆に光ビームの走査位置が走査ライン(C)側に
変位すると、光電変換素子により発生する電流パターン
も走査ライン(C)側にシフトした特性を示す。従って
適正走査位置を走査した場合に発生する電流パターンを
メモリに蓄えて基準パターンとして、光ビームを走査し
た際に得られる発生電流パターンとこの基準電流パター
ンとを比較することにより、発生電流のピークの変位方
向から走査誤差の方向を検出し、発生電流のピークの変
位の大きさから走査誤差の大きさを検出することができ
る。
【0076】このような発生電流パターンの変化により
走査位置誤差を検出し、電流パターンのピーク値の位置
を検出すれば誤差量の大きさを検出することができる。
【0077】図31では図28(c)に示したマークに
よる光ビームの走査位置誤差の検出方法の原理を示した
ものである。このマークはスケールの光ビーム照射面に
開口面を設けることにより与えることができる。そして
開口部の裏側には光電変換素子が配置されている。光ビ
ームの適正走査ライン(B)を基準として、このライン
に対して均等に開口部が設けられている。適正走査ライ
ン(B)上を走査する場合には、ラインに均等に設けら
れた開口部から等しく光ビームが光電変換素子に入射す
るので、開口位置に対応した電流はピークの等しい波形
が得られる。一方、ビームの照射位置が走査ライン
(A)側にシフトした場合には、シフトした側の開口部
から入射する光量が大きくなり、これに応じて光電変換
素子から発生する電流の量の大きくなる。同時に、基準
走査ラインと反対側の開口部から入射する光量は小さく
なるため、光電変換素子から発生する電流の量は小さく
なる。
【0078】従って相隣合った開口部から発生する電流
パターンが等しい場合には、対応する開口部から等しい
量の光が入射しているため、光ビームは適正走査位置を
走査しており、副走査方向への変位がないことを表わ
す。相隣合った開口部から発生する電流パターンに偏り
があるならば、電流のピーク値が大きい側へ光ビームの
照射量が偏っているためであり、これにより光ビームの
走査位置がシフトしていることを検出できる。
【0079】図32では図28(d)に示した空間周波
数の異なるマークを用いた場合の走査位置誤差の検出方
法を示す。同図(A)は空間周波数の異なるマークの表
示例を示す。ここで用いるマークとマークの間隔は光ビ
ームのビームスポットのスポット系と同程度のオーダー
であるものとする。ここでマークのある部分とマークの
ない部分では受光素子に入射する光量が異なるので、光
ビームに走査することにより発生する電流の振幅が変化
する。ここでスケールに設けたマークが周期的に変化す
るものであれば、同図(B)に示すように光ビームの走
査位置に対応して光電変換素子から発生する電流の振幅
は周期的に変化する。この電流変化の周期はスケール上
にマークを設ける周期に対応しており、異なる空間周波
数のマークを設ければ、これに対応して発生する電流の
振幅変化の周波数も異なる。
【0080】従って、空間周波数の異なるマークを設け
たスケール上を光ビームで走査した場合に、受光素子か
ら得られる一定幅を有する発生電流波形を検出し(同図
(C))、これをFFT(高速フーリエ変換)等により
周波数分析すれば、同図(D)に示すような特定周波数
にピークをもつ周波数特性が得られる。光ビームの走査
位置が副走査方向に変化すると、ある特定の空間周波数
を有するマークに対応した電流の応答が大きくなり、別
の空間周波数を有するマークに対応した電流の応答が小
さくなる。そこで適正走査位置を走査したときの発生電
流の波形、または周波数分析した後の周波数特性を示す
波形をメモリに記録しておき、周波数特性を覚えておく
ことにより、特定周波数に偏った周波数応答と比較し、
光ビームの照射位置変動を検出することができる。
【0081】また空間周波数を規定するマークの幅によ
り、受光素子に入射する光量を調節することができる。
すなわちマークのある部分では光の反射量が異なるの
で、スケールにおけるマークの占める割合を変化させれ
ば、受光素子に入射する光量を変化させることが可能と
なり、受光素子から発生する電流量を適当に変化させる
ことも可能となる。そこでマークの幅を適当に設定し受
光素子から発生する電流量を適当に与えることにより、
空間周波数の異なるマークに対しても等しい電流が発生
するように設定することが可能である。
【0082】このように設定された場合には、異なる空
間周波数のマークに対して、それぞれ等しい発生電流を
与えるよう設定しておくことにより、合成電流を周波数
分析した後各周波数における振幅を比較して、走査位置
誤差の方向、誤差の大きさを検出することができる。こ
れは適正走査位置を走査したときの観測結果を基準とす
ることなく、測定された電流波形または周波数特性を示
す波形のみで、誤差を検出することが可能である。
【0083】以上のように、マークを設けたスケールを
感光体とは別に設け、このスケールを感光体の回転速度
変動にあわせて動かすことで、光ビームの走査位置誤差
を抑制することができる。 (実施例10)図27の例では感光体1の回転軸にロー
タリー・エンコーダ22を設けて回転速度変動を検知し
たが、図33に示すように感光体の一方の端部に縞状の
マーク18を設け、記録する光ビームを用いて回転速度
変動を検知しても良い。
【0084】すなわち、光ビームは、ビームスプリッタ
18でポリゴンミラー5へ向かう光ビームとマーク12
へ向かう光ビームに分離される。マーク12を設けられ
た領域で反射した光ビームは受光素子13に入る。マー
クのある部分とマークのない部分では光の反射特性が異
なるため、等間隔に設けられたマークからは反射強度の
異なる反射光が得られる。感光体が移動するに従って強
度の異なる反射光を受光することから、この光量の周期
を測定すれば回転速度を観測できる。このように回転速
度を観測しながら、制御部8で回転速度変動を検出し、
回転速度の変動量に応じてスケール28を移動させる。
【0085】本実施例においては、高価なロータリー・
エンコーダを使わなくて済むので非常に経済的であると
共に、感光部1aとマーク部1bの移動に同期がとられ
ていれば、それぞれ別個に作られたものを連結一体に構
成してもよい。また、図28(a)〜(d)に示すよう
なV字状、千鳥状、異なる空間周波数の帯状のマークで
あってもよい。 (実施例11)図34は、感光体1とローラ32をベル
ト33で連動させ、ローラ32上に設けられたマーク1
2を参照することによって光ビームの走査位置補正を行
う一実施例を示したものである。ローラ32上には光ビ
ームの走査位置を参照する縞状のマーク12が設けられ
ている。
【0086】図35にはローラ32に光ビームが入射し
たときの出力信号を得る方法を示す。このローラ32は
透過性を有する材質、例えばガラスからできており、ロ
ーラ32表面は光ビームが反射、散乱するように作られ
ている。ローラ32の円筒内に入った光ビームは、円筒
内部で反射を繰り返しながら、ローラ32の端面に設け
られた出射口から出射される。この出射口から導かれた
光を導波した先に受光素子を設けることにより、受光素
子1つで走査幅全域からの光ビームを電気信号に変える
ことができる。
【0087】本実施例によれば、高価なロータリー・エ
ンコーダを使用しないで済むので経済的である。また、
図34ではベルト33によって感光体1の回転運動をロ
ーラ32に伝達しているが、複数の歯車により回転軸間
を結合する方法、あるいはギアの間をチェーンを用いて
接続する方法により回転運動を伝達してもよい。
【0088】また先の実施例で用いたロータリー・エン
コーダを除いて、走査誤差補正系を構成することもでき
る。図36にその構成を示す。感光体1の端部に細かい
縞状のマーク12を設け、光ビームを照射することによ
り、反射光の強度変化の周期を観測して回転ドラムの速
度を検出する。制御部8によりドラムの回転速度を観測
し、変動が生じた場合には制御部8の信号処理回路によ
り回転変動を抑制する方向にドラムの回転数を制御す
る。これに対しポリゴンミラーの面倒れ等の光学系に起
因する走査位置誤差を検出するためには、走査される光
ビームの一部をスケール28に照射して、変動を検出す
ればよい。これら2種類の誤差検出手段から得られる誤
差信号をもとに、感光体1の回転速度変動による走査位
置変動と、ポリゴンミラー5の面倒れなど光学部品によ
る走査位置の変動を別々に検知して、制御部8であわせ
て処理している。
【0089】(実施例12)上述の実施例では適正な走
査位置を示すマークを設けた領域からの反射光もしくは
透過光を受光素子で受光することにより電気信号に変え
て、適正走査位置からの誤差を検出することとしていた
が、本実施例では光ビームが照射される感光体1表面上
に生ずる電荷量を観測することにより、電荷量の大小か
ら照射位置の誤差を検出する方法を用いる。
【0090】図37に誤差補正系の構成を示す。同図で
はマーク部1bに感光層11を設けることで、光ビーム
が照射される部分で生ずる電荷量を観測する。感光体1
表面とマーク12を設けたマーク部1bとを光ビームで
照射することにより、感光体1に入射する光量を変化さ
せて、感光体1から生ずる電荷量を変化させることによ
り、適正走査位置との誤差信号を得ることができる。
【0091】これについて図38を用いて説明する。ま
ずこのマークが設けられたドラムは帯電器34により電
荷qが与えられ表面電位が均一になる。この領域はアル
ミ製の支持体10に図39に示すような複数の凹孔35
が副走査方向に設けられており、感光層11がこの支持
体10上に一様に設けられている。この感光層11は、
有機感光材料でも良いし、無機感光材料でも良い。支持
体27の凹孔35に合わせて、感光層11の層厚も変化
し、感光層11の層厚が厚いところでは表面にある電荷
は少なく、薄いところでは多い。
【0092】図38において、光ビームが照射されたと
ころは感光体の表面電荷はなくなり、導電性の支持体1
0に集まっていた逆極性の電荷がアース電位へと流れて
いく。これを抵抗に通すことによって、電気信号Vou
tを得ることができる。このとき、光ビームが支持体の
凹孔35に対応する感光体1の表面を照射すれば、アー
ス電位に流れていく電流は一番小さくなり出力信号Vo
utも最小になる。例えば、凹孔35を光ビームの適正
走査位置とすれば、アース電位に流れる電流が最小にな
るように、光ビームを変位させればよいことになる。こ
のアース電位に流れていく電流は微少なので、S/Nを
上げるためにマークのパターンを工夫する。すなわち、
図40に示すように、はアルミ製ドラムの凹孔35をひ
し形状に設け、主走査方向にも凹孔35を周期的に設け
ると、バンドパス・フィルタによってS/Nのよい電気
信号が得るられる。 (実施例13)図41は、走査光学装置をカラーレーザ
ービームプリンタに応用した例である。本実施例では、
感光体とレーザ走査光学系は1組だけで、1色毎に画像
信号を感光体に書き込み、そして現像器で現像して中間
転写媒体に転写している。そして、中間転写媒体上で各
色の画像を重ねてカラー画像を得ている。このようなカ
ラーレーザビームプリンタでは色ズレが問題となる。こ
の色ズレには、中間転写媒体への転写時における色ズレ
とレーザ光の書き込みにおける色ズレとがある。後者の
原因として、感光体の回転変動によりレーザ光の走査位
置がずれるほかに、各色の画像の書き始めの位置が微妙
にずれることがあげられる。本実施例では、各色の画像
を感光体の決められた位置に書き込むことができるの
で、レーザ光の書き込み時に起きる色ズレの抑制に効果
がある。
【0093】カラーレーザビームプリンタには、このほ
かにも異なる構成が考えられているが、それらの構成の
カラーレーザビームプリンタでも本提案は効果がある。
図42は、シアン、マゼンダ、イエロー及びブラックの
各色毎に感光体1と半導体レーザ2を持つカラーレーザ
ビームプリンタの構成図である。この構成時に起こる色
ズレの原因の中に、さきに説明したほかに感光体上での
レーザ走査曲がりの問題がある。レーザ走査光学系はレ
ーザ光が光軸からずれると、感光体上で微妙に湾曲す
る。この湾曲の程度がレーザ光が光学系毎に異なると、
形成されたカラー画像では色ズレが起こることになる。
本提案において各感光体上に記録領域上にレーザ光の走
査位置を参照するマークを設けて、レーザ光が感光体の
回転軸と平行に走査するように補正すれば、上で述べた
湾曲の問題は解決する。
【0094】以上の説明ではレーザビームプリンタを例
に説明したが、本発明の応用はこれに限られるものでは
なく、画像入力スキャナや各種露光装置に用いることが
できる。
【0095】
【発明の効果】本発明によれば感光体に照射される光ビ
ームの照射位置を検出し、ビームの適正照射位置からの
誤差を検出し、補正する手段を備えることにより、光学
系、機械系に起因する走査位置誤差を併せて補正可能な
走査光学装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の構成を示す概念図
【図2】 誤差信号検出方法の原理を示す図
【図3】 光学系の制御装置の一実施例を示す図
【図4】 格子状のマークを用いた感光体の一実施例を
示す図
【図5】 本発明の構成を示す概念図
【図6】 格子状のマークを用いた誤差補正の原理を示
す図
【図7】 4分割した受光素子による誤差信号検出方法
の原理を示す図
【図8】 本発明の構成を示す概念図
【図9】 誤差補正方法のタイムチャート
【図10】 誤差信号の増幅方法の原理図及び制御装置
における信号の流れ図
【図11】 マークのパターンの一実施例を示す図及び
タイムチャート
【図12】 制御部の信号処理回路の一実施例を示す図
【図13】 ガウシャンビームを照射したときのビーム
の走査位置に対する反射光量の変化を示す図
【図14】 マークのパターンの一実施例を示す図
【図15】 制御部の信号処理回路の一実施例を示す図
【図16】 光ビームの走査における誤差信号の検出方
法の概念図
【図17】 光発生装置を複数個備えた本発明の構成を
示す概念図
【図18】 本発明の一実施例を示す図
【図19】 光ビームの副走査方向の広がりを示す図
【図20】 感光体上のマークと光ビームの関係を表わ
す図
【図21】 走査位置誤差と受光素子の出力を表した図
【図22】 2つのビームの光量比と光ビームの変位量
の関係を表した図
【図23】 光ビームの駆動時間制御によるビームスポ
ット形成の原理を示す図
【図24】 光量制御によるビームスポット形成と駆動
時間制御によるビームスポット形成との比較図
【図25】 複数の半導体レーザを用いてビーム形成を
行なう他の実施例を示す図
【図26】 光学系にプリズムを挿入した場合の一実施
例を示す図
【図27】 本発明の一実施例を説明する図
【図28】 マークの構成例を説明する図
【図29】 マークにより誤差を検出する方法を説明す
るための図
【図30】 マークにより誤差を検出する方法を説明す
るための図
【図31】 マークにより誤差を検出する方法を説明す
るための図
【図32】 マークにより誤差を検出する方法を説明す
るための図
【図33】 本発明のその他の実施例を説明する図
【図34】 誤差観測用ローラを備えた本発明の実施例
を説明する図
【図35】 マークを設けたローラの構造を示す図
【図36】 本実施例のさらに他なる実施例を示す図
【図37】 スケールに感光性材料を用いた本発明の実
施例の図
【図38】 本実施例の動作原理を説明する図
【図39】 導電性基板上のパターンの一例を示す図
【図40】 導電性基板上のパターンを一例を示す図
【図41】 走査光学装置をカラーレーザープリンタに
応用した例を示す構成図
【図42】 走査光学装置をカラーレーザープリンタに
応用した例を示す構成図
【図43】 従来例を説明する図
【符号の説明】
1 感光体 1a 感光部 1b マーク部 2 半導体レーザ 3 コリメータレンズ 4 シリンドリカルレンズ 5 ポリゴンミラー 6 fθレンズ 7 受光部 8 制御部 9 駆動部 10 支持体 11 感光層 12,12a,12b,12c マーク 13,13’ 受光素子 14 比較演算部 15 支持台 16 磁性体 17 コイル 18 ビームスプリッタ 19a,19b,19c サンプルホールドIC 20 コントローラ 21a,21b 増幅器 22 差動増幅器 26 ハーフミラー 27 プリズム 28 スケール 29 ロータリー・エンコーダ 30 スケール駆動装置 31 ミラー 32 ローラ 33 ベルト 34 帯電器 35 凹孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // G03G 15/04 116 (72)発明者 平原 修三 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝総合研究所内 (72)発明者 森 昌文 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝総合研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ビームを発生する光ビーム発生手段
    と、この光ビーム発生手段から発生した光ビームを感光
    体の感光部面上に1方向に走査する手段と、この走査方
    向とほぼ直行方向に前記感光体を移動する手段とを備え
    た走査光学装置において、前記感光体の移動速度に同期
    して移動する支持体と、この支持体面と異なる反射特性
    又は透過特性を有するマークを前記支持体面上に複数配
    したマーク部と、このマーク部面上の光量を測定し電気
    信号に変換する光電変換手段と、このマーク部の電気信
    号から光ビームの位置ズレを誤差信号として取り出す手
    段と、この誤差信号に基づいて前記光ビームの走査位置
    を制御する手段とを備えたことを特徴とする走査光学装
    置。
  2. 【請求項2】 光ビームを発生する光ビーム発生手段
    と、この光ビーム発生手段から発生した光ビームを感光
    体の感光部面上に1方向に走査する手段と、この走査方
    向とほぼ直行方向に前記感光体を移動する手段とを備え
    た走査光学装置において、前記感光体の感光部面と異な
    る反射特性又は透過特性を有すると共に前記感光部面上
    に複数配したマークと、このマークを含む感光体面上の
    光量を測定し電気信号に変換する光電変換手段と、この
    感光体面上の電気信号から光ビームの位置ズレを誤差信
    号として取り出す手段と、この誤差信号に基づいて前記
    光ビームの走査位置を制御する手段とを備えたことを特
    徴とする走査光学装置。
  3. 【請求項3】 前記マークは、導電性を有することを特
    徴とする請求項2記載の走査光学装置。
  4. 【請求項4】 前記マークは、光ビームの波長による反
    射選択特性を有することを特徴とする請求項2記載の走
    査光学装置。
  5. 【請求項5】 複数の光ビームを発生する光ビーム発生
    手段と、この光ビーム発生手段から発生した光ビームを
    感光体の感光部面上に1方向に走査する手段と、この走
    査方向とほぼ直交する方向に前記感光体を移動する手段
    とを備えた走査光学装置において、前記複数の光ビーム
    を合成し光ビーム群を形成する光ビーム合成手段と、前
    記光ビーム合成手段によって形成した光ビーム群を前記
    感光体の被走査面上に2次元的に走査する手段と、前記
    感光体の感光部面と異なる反射特性又は透過特性を有す
    ると共に前記感光部面上に複数配したマークと、この感
    光部面上の光量を測定し電気信号に変換する光電変換手
    段と、この感光体面上の電気信号から光ビームの位置ズ
    レを誤差信号として取り出す手段と、この誤差信号に基
    づいて前記光ビーム発生手段の光ビーム出力を制御する
    手段とを備えたことを特徴とする走査光学装置。
  6. 【請求項6】 前記光ビーム発生手段は、光源から出力
    される光ビームの光量が駆動電流に対して非線形な関係
    を有することを特徴とする請求項5記載の走査光学装
    置。
  7. 【請求項7】 光ビームを発生する光ビーム発生手段
    と、この手段から発生した光ビームを感光体の被走査面
    上に1方向に走査する走査手段と、この走査方向とほぼ
    直交する方向に前記支持体を移動する手段とを有する走
    査光学装置において、前記感光体の移動速度を観測する
    手段と、前記光ビーム発生手段から発生した光ビームを
    基準スケールに誘導し照射する手段と、前記基準スケー
    ル表面に規則的に配すると共に前記基準スケール表面と
    異なる反射特性を有するマークと、前記基準スケールに
    入射した光ビームの光量を測定し電気信号に変換する光
    電変換手段と、この基準スケールの電気信号から光ビー
    ムの位置ズレを誤差信号として取り出す手段と、この誤
    差信号に基づいて前記光ビームの走査位置を制御する手
    段とを備えたことを特徴とする走査光学装置。
  8. 【請求項8】 光ビームを発生する光ビーム発生手段
    と、この手段から発生した光ビームを感光体の被走査面
    上に1方向に走査する手段と、この走査方向とほぼ直交
    する方向に前記支持体を移動する手段とを有する走査光
    学装置において、前記感光体の移動速度を観測すると共
    に前記感光体の移動速度の変化を検出する速度変化検出
    手段と、前記光ビーム発生手段から発生した光ビームを
    基準スケールに誘導照射する手段と、前記基準スケール
    表面に複数配すると共に前記基準スケール表面と異なる
    反射特性又は透過特性を有するマークと、前記速度変化
    検出手段からの信号に基づいて前記基準スケール上の光
    ビームの照射位置を変更させる照射位置変更手段と、前
    記基準スケール上の光量を測定し電気信号に変換する光
    電変換手段と、この基準スケールの電気信号から光ビー
    ムの位置ズレを誤差信号として取り出す手段と、この誤
    差信号に基づいて光ビームの走査位置を制御する手段と
    を備えたことを特徴とする走査光学装置。
  9. 【請求項9】 光ビームを発生する光ビーム発生手段
    と、この光ビーム発生手段から発生した光ビームを感光
    体の被走査面上を1方向に走査する手段と、この走査方
    向とほぼ直交する方向に前記感光体を移動する手段とを
    備えた走査光学装置において、被走査面の電荷量を測定
    し電気信号を出力する手段と、この電気信号から光ビー
    ムの位置ズレを誤差信号として取り出す手段と、この誤
    差信号に基づいて前記光ビームの走査位置を制御する手
    段とを備えたことを特徴とする走査光学装置。
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