JPH0520793Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、作業員を乗せてピツト内を昇降す
るケージの昇降機構に関するものである。

〔この考案が解決すべき問題点〕

従来ピツト内へ作業員を昇降させるには、さる
梯子、ゴンドラ、エレベータ等を使用するのが通
常の方法である。しかし特殊環境下、例えば原子
炉キヤビテイ内においては、被爆汚染等の低減を
図るため、迅速かつ安全に昇降させる必要があ
る。またキヤビテイの機能面から壁、床面へ接触
等により傷を付けることができない。

これらのことから従来のさる梯子、ゴンドラ、
エレベータ等は、上記のような特殊環境下におい
て作業員の昇降用として採用できないのが現状で
ある。

即ち、さる梯子は安全性、迅速性に問題があ
る。またゴンドラは、その昇降に際して、昇降用
ワイヤロープがエンドレスのため、ワイヤーロー
プが上部フレームより垂れ下がつており、キヤビ
テイ壁に当たる可能性がある。さらにゴンドラケ
ージは、振れ止めが無いため、振れによりキヤビ
テイ壁に接触してしまう。これに対して一般にク
ツシヨンが設けられているが、原子炉キヤビテイ
の機能を考えた場合接触させることは望ましいこ
とではない。

そしてエレベータは、エレベータケージがガイ
ドレールに沿つて昇降するため、ガイドレールを
何らかの方法でキヤビテイ壁に固定する必要があ
る。そのためキヤビテイ壁にガイドレール受を常
設しておきエレベータを使用する都度ガイドレー
ルを据付けるか、またはガイドレール共キヤビテ
イ壁に常設しておく方法があるが、いずれにしろ
キヤビテイ壁に加工工事を施す必要があり望まし
くない。さらにガイドレールに吸盤を設けてキヤ
ビテイ壁に吸着させることも可能だが、何度か使
用するうちにキヤビテイ壁を傷つける可能性があ
り、据付けに時間を要する等の問題点がある。

この考案は前述した事情に鑑み創案されたもの
で、その目的はキヤビテイ壁、床面への接触無し
に、また傷つけることなく、作業員を安全かつ迅
速に昇降できると共に、コンパクトで据付けの容
易なケージの昇降機構を提供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案に係る昇降機構は、ビツト上方におけ
る地上側に設置された支持装置により上端部が固
定され、ビツト内壁に沿つて延在し得る伸縮自在
な昇降ガイドマストと、該ガイドマストの軸芯と
平行に該ガイドマストの下端部に固定され、かつ
昇降用ロープにより吊持された昇降ゲージと、前
記支持装置上に設けられ、該昇降用ロープを滑車
を介して駆動する昇降駆動機構とからなり、該昇
降駆動機構によりガイドマストを案内として、該
昇降ゲージをビツト内へ昇降可能とする構成と
し、作業員用の昇降ケージの昇降を、任意の場所
で、特別なガイド部材の設置等が必要なく、容易
かつ迅速に行えるようにしたものである。

〔実施例〕

以下この考案を図示する好適な一実施例によつ
て説明する。

昇降機構１は、走行台車２上の前後進自在なシ
ヤトル台３に搭載されており、テレスコープ式に
伸縮自在な昇降ガイドマスト５と、該ガイドマス
トの軸芯と平行に該ガイドマストの下端部に固定
され、かつ昇降用ロープにより吊持された昇降ゲ
ージと、前記支持装置上に設けられ、該昇降用ロ
ープを滑車を介して駆動する昇降駆動機構とから
構成されている。（第１図〜第３図参照） なおここで符号８は操作ボツクス、９は作業員
乗降台である。

走行台車２には、上端部に駆動機構６を備えた
ガイドマスト５の基部５ａが立設されているスラ
イダブルに構成されたシヤトル台３と、カウンタ
ーウエイト１０とが設けられている。またカウン
タウエイト側端には、ロツク機構である着脱式固
定装置１１が設けられている。

昇降ガイドマスト５は、基部５内に複数段の移
動マスト５ｂが収納されてなるテレスコープ式マ
ストで構成されており、最下段の移動マスト５
b′の下端部に昇降ケージ７が固定されている。

このような構成からなる昇降機構１によつて、
例えば原子炉キヤビテイ１３内への作業員の昇降
を行なうには、まず昇降機構１を、走行台車２の
利用で自走させる。そして着脱式固定装置１１
で、アンカー１４に走行台車２をロツク固定す
る。（第５図参照） 次に手動または電動でシヤトル台３を走行台車
２上をスライダブルに前進させて、作業員用の昇
降ケージ７がキヤビテイ端１３ａから張出た状態
とする。（第４図および第１図参照） 次に作業員が乗降台９を利用して昇降ゲージ７
内に入り、操作ボツクス８を操作して支持装置上
方に設けた駆動機構６の滑車を回動させて昇降ロ
ープを繰り出し、ガイドマスト５を案内として、
昇降ゲージ７を下降させる。（第６図参照） なおこの時に昇降ケージ７は、昇降ケージ７の
下降動作と同時に伸長する昇降ガイドマスト５に
よつて案内支持されているので、振れが防止され
て安定した下降動作を行える。

そして作業員を上昇させる時は、この逆の動作
を行なう。また昇降装置１を別の場所へ移動させ
る時は、シヤトル台３を走行台車２内へ後退さ
せ、アンカー１４から着脱式固定装置１１を取外
して行なう。

なお、昇降機構１の支持装置は、走行台車２と
シヤトル台３で構成しているが、これに限らずア
ンカーボルト等によりキヤビテイ端１３ａにおけ
る床面に支持架台を固定し、この支持架台に昇降
ガイドマスト５と昇降駆動機構６を取付けるよう
にしてよい。

〔考案の効果〕 昇降駆動機構により昇降自在とする昇降ガイ
ドマストの下端部に、作業員用昇降ケージを取
付けてなるので、作業員用昇降ケージが昇降す
る時に、同時に昇降ガイドマストも伸縮して追
従することになる。

そのため昇降ケージの昇降時にガイドマスト
によつてガイドされるので、揺れるようなこと
もなく安定して昇降させることができる。

任意の位置に支持装置を固定するだけで作業
員用昇降ケージの昇降を行える。

そのため従来のように昇降作業位置において
ガイドレール等の特別な装置を取付ける必要が
なく、容易に昇降作業を行える。

前述したおよびから作業員用昇降ケージ
の任意位置での昇降作業を、新たに装置を設置
する必要もなく短時間で行なうことができる。

そしてこのことは、例えば原子炉キヤビテイ内
のように被爆汚染等の低減を図るため、迅速かつ
安全に昇降させる必要があり、またキヤビテイの
機能面から壁、床面へ接触等により傷を付けるこ
とができない等の制約がある特殊環境下での使用
に際してきわめて有効となる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の昇降機構を昇降作業可能な
ようにセツトした状態を示す正面図、第２図は第
１図のＡ−Ａ線矢視図、第３図は第１図のＢ−Ｂ
線矢視図、第４図は第２図のＣ−Ｃ線矢視図、第
５図は昇降機構を作業位置にセツトした状態を示
す作動説明図、第６図は作業員用昇降ケージを下
降させた状態を示す作動説明図である。 １……昇降機構、２……走行台車、３……シヤ
トル台、５……昇降ガイドマスト、５ａ……基
部、５ｂ，５b′……移動マスト、６……昇降駆動
機構、７……昇降ケージ、８……操作ボツクス、
９……作業員用乗降台、１０……カウンターウエ
イト、１１……着脱式固定装置、１３……原子炉
キヤビテイ、１３ａ……キヤビテイ端、１４……
アンカー、１５……昇降用ロープ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ビツト上方における地上側に設置された支持装
   置により上端部が固定され、ビツト内壁に沿つて
   延在し得る伸縮自在な昇降ガイドマストと、該ガ
   イドマストの軸芯と平行に該ガイドマストの下端
   部に固定され、かつ昇降用ロープにより吊持され
   た昇降ゲージと、前記支持装置上に設けられ、該
   昇降用ロープを滑車を介して駆動する昇降駆動機
   構とからなり、該昇降駆動機構によりガイドマス
   トを案内として、該昇降ゲージをビツト内へ昇降
   可能としたことを特徴とする作業員用昇降ゲージ
   の昇降機構。