JPH0520589B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、電子制御式燃料噴射装置を備えた自
動車用エンジン等に好適に利用可能な燃料ポンプ
の制御方法に関する。

［従来の技術］ 電子制御式燃料噴射装置を備えた自動車等のエ
ンジンでは、燃料供給ラインに介設した燃料ポン
プの運転を電子制御装置により制御し得るように
構成しておき、エンジンの点火信号等が前記電子
制御装置に入力された場合、すなわち、クランキ
ング時およびエンジン始動後に連続的に燃料ポン
プを作動させてインジエクタに燃料を圧送するよ
うにしている。

このような電子制御式の燃料ポンプを備えたも
のにあつては、本発明の先行技術として、例えば
特開昭57−203826号公報に示されるように、イグ
ニツシヨンスイツチが閉じられた旨の信号が電子
制御装置に入力された場合等に、燃料ポンプを微
小な時間（例えば、約２秒前後）作動させて、イ
ンジエクタから噴射する燃料を燃料供給開始前に
予め所定圧まで上昇させるようにしている例もあ
る。

［発明が解決しようとする課題］ ところが、従来のものには燃料供給ラインの空
気抜きを行うためのポンプ作動時間は格別に設定
されていない。そのため、車両の組付けラインの
最終工程でエンジンを始動する場合や燃料パイ
プ、燃料タンク等の交換・点検後は、比較的長い
時間燃料ポンプを作動させて燃料供給ラインの空
気抜きを行うようにしているのが実状である。し
かして、このような手法によれば、スタータ等を
連続的に駆動させることになるとともに、イグナ
イタ等から前記電子制御装置に点火信号等を長時
間入力させることが必要となるため、作業の繁雑
化を招く上に、スタータやイグナイタ等の電気負
荷へも多量の電力が消費されることになる。

また、単にイグニツシヨンスイツチを閉じただ
けの条件で燃料ポンプを長時間運転させるように
設定すれば、イグニツシヨンスイツチを閉じる都
度に燃料ポンプが長時間運転されることになり、
安全上の面などからも好ましくない。

本発明は、このような不具合を解消することを
目的としている。

［課題を解決するための手段］ かかる目的を達成するための本発明は、燃料供
給ラインに介設した燃料ポンプを電子制御装置に
より制御するように構成し、イグニツシヨンスイ
ツチが閉じられた場合に微少な時間だけ燃料ポン
プが作動する燃料ポンプの制御方法において、前
記燃料供給ラインの空気抜きを行うべき旨の信号
を前記電子制御装置に入力するチエツク端子を短
絡し、かつイグニツシヨンスイツチが閉じられた
場合に限り、前記燃料ポンプを前記燃料供給ライ
ンの空気抜き用に設定したポンプ作動時間に基づ
いて作動させるようにしたことを特徴とする。

［作用］ このような構成からなる燃料ポンプの制御方法
によれば、チエツク端子を短絡し、かつイグニツ
シヨンスイツチを閉じると、予め設定したポンプ
作動時間に基づいて燃料ポンプが作動する。この
ため、車両組立ラインの最終工程でエンジンを始
動させる場合や燃料供給ラインの部品交換・点検
等の後には、スタータやイグナイタ等によつて多
量の電力が消費されることがなく、燃料ポンプに
よつて自動的に燃料供給ラインに燃料が充填され
るとともに、燃料供給ラインの空気抜きが行われ
ることになる。そして、次回からはイグニツシヨ
ンスイツチが閉じられる毎に、燃料ポンプの一般
的な制御が行われることになる。

［実施例］ 以下、本発明の一実施例を図面を参照して説明
する。

第１図は、自動車のエンジン（図示せず）に装
着された電子制御装置や燃料ポンプ等の接続回路
を概略的に示したものである。このエンジンは、
吸気管等に装着したインジエクタや、燃料タンク
から前記インジエクタに至る燃料供給ライン（図
示せず）に介設した燃料ポンプ１等を共通の電子
制御装置２により制御するように構成したもので
ある。

燃料ポンプ１は、燃料ポンプリレー３およびイ
グニツシヨンスイツチ４を介してバツテリ５に接
続してある。そして、この燃料ポンプ１にバツテ
リ５の電力が入力されると、連続的な運転に伴つ
て燃料タンクから吸い上げた燃料を調圧弁を介し
て前記インジエクタに圧送するようになつてい
る。前記燃料ポンプリレー３は、コイル３ａに通
電状態で接点３ｂが閉じる常開型のもので、その
コイル３ａの一方を燃料ポンプ駆動回路６を介し
て前記電子制御装置２に接続してある。

電子制御装置２は、中央演算処理装置やメモ
リ、入出力インターフエース等を備えたものであ
り、電源回路７および前記イグニツシヨンスイツ
チ４を介して前記バツテリ５に接続してあるとと
もに、イグナイタ（図示せず）等と接続してあ
る。そして、この電子制御装置２にイグナイタの
点火信号が入力されると、その点火信号が入力さ
れている間、前記燃料ポンプリレー３の接点３ｂ
を閉じて連続的に燃料ポンプ１を作動させるよう
になつている。さらに、この電子制御装置２に
は、燃料供給ラインの空気抜きを行うべき旨の信
号を該電子制御装置２に入力するためのチエツク
端子８を設けてあり、そのチエツク端子８に開閉
自在なチエツク回路９を接続してある。そして、
図面に示すように、上記チエツク回路９を閉じて
チエツク端子８を短絡させ、かつ前記イグニツシ
ヨンスイツチ４を閉じると、前記燃料供給ライン
の空気抜き用に設定したポンプ作動時間（例え
ば、約８秒）に基づき、前記燃料ポンプリレー３
のコイル３ａに通電して接点３ｂを閉じ、燃料ポ
ンプ１を連続的に作動させるように設定してあ
る。

そして、このような制御を実行するために、上
記電子制御装置２には、第２図に概略的に示すよ
うなプログラムを内蔵してある。先ず、ステツプ
51ではチエツク端子８が短絡（ON）されている
か否かを判別し、短絡されていると判断した場合
にはステツプ52へ進む。ステツプ52ではイグニツ
シヨンスイツチ（IGスイツチ）４が閉じられて
いる（ON）か否かを判別し、閉じられていると
判断した場合にはステツプ53へ進む。ステツプ53
では燃料ポンプ駆動回路６から燃料ポンプリレー
３のコイル３ａに通電して接点３ｂを閉じ、燃料
ポンプ１を燃料供給ラインの空気抜き用に設定し
た時間（例えば、約８秒）連続的に作動させる。

このような構成によると、車両の組立ラインの
最終工程でエンジンを始動させる場合や燃料供給
ラインの部品交換・点検等の終了後にチエツク端
子８を短絡させ、イグニツシヨンスイツチ４を閉
じれば、電子制御装置２等の働きによつて燃料ポ
ンプ１が所定時間作動する。その結果、燃料供給
ラインに燃料が充填されるとともに、燃料供給ラ
インの空気抜きが行われ、インジエクタに所定圧
の燃料が供給される。そして、この状態で引続い
てクランキング状態に入ると、インジエクタから
は所定圧の燃料が噴射されるため、失火等が発生
し難くなり、速やかなエンジン始動が可能とな
る。

したがつて、このような構成によれば、車両組
立ラインの最終工程や燃料供給ラインの部品交
換・点検等の後に燃料供給ラインの空気抜きを簡
便に行うことができるとともに、エンジン始動性
を確実に高めることができる。また、燃料供給ラ
インの空気抜きを行う際に、空気抜作業に不必要
なスタータやイグナイタ等によつて多量の電力が
消費されるような不具合も防止できる。

以上、本発明の一実施例について述べたが、本
発明は上記実施例に限定されないのは勿論であ
る。例えば、燃料供給ラインの空気抜を行うため
の設定時間等は、燃料供給ラインの形態等に応じ
て適宜変更が可能である。

［発明の効果］ 以上のような構成からなる本発明によれば、イ
グニツシヨンスイツチおよび燃料供給系に、空気
抜きのための専用の装備を組み込むことなく、ま
た燃料供給ラインの最終点検の際に、燃料供給ラ
インの空気抜作業に不必要な電気負荷へ電力を消
費させることなく、燃料供給ラインの空気抜きを
簡便に行うことができるとともに、エンジンをク
ランキング状態から速やかに始動させることがで
きる燃料ポンプの制御方法を提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す概略的な構成
図、第２図は同実施例の制御手順を概略的に示す
フローチヤート図である。 １……燃料ポンプ、２……電子制御装置、４…
…イグニツシヨンスイツチ、８……チエツク端
子。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 燃料供給ラインに介設した燃料ポンプを電子
   制御装置により制御するように構成し、イグニツ
   シヨンスイツチが閉じられた場合に微少な時間だ
   け燃料ポンプが作動する燃料ポンプの制御方法に
   おいて、前記燃料供給ラインの空気抜きを行うべ
   き旨の信号を前記電子制御装置に入力するチエツ
   ク端子を短絡し、かつイグニツシヨンスイツチを
   閉じた場合に限り、前記燃料ポンプを前記燃料供
   給ラインの空気抜き用に設定したポンプ作動時間
   に基づいて作動させるようにしたことを特徴とす
   る燃料ポンプの制御方法。