JPH05205525A - 高周波誘電体磁器組成物 - Google Patents
高周波誘電体磁器組成物Info
- Publication number
- JPH05205525A JPH05205525A JP4009568A JP956892A JPH05205525A JP H05205525 A JPH05205525 A JP H05205525A JP 4009568 A JP4009568 A JP 4009568A JP 956892 A JP956892 A JP 956892A JP H05205525 A JPH05205525 A JP H05205525A
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- JP
- Japan
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- composition
- porcelain composition
- high frequency
- porcelain
- mol
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- Pending
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- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
- Inorganic Insulating Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】高誘電率かつ低誘電損失を有し、誘電率の温度
係数が組成により制御できかつ安定な磁器組成物を提供
することを目的とする。 【構成】酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化チタ
ンおよび酸化クロムよりなる磁器組成物であって、その
成分の組成範囲を xMgO・yCaO・zTiO2 ・uCr2 O3 であらわしたときx、y、z、uが 25≦x≦80mol% 1≦y≦5mol% 10≦z≦70mol% 0<u≦10mol% を満足する高周波誘電体磁器組成物。
係数が組成により制御できかつ安定な磁器組成物を提供
することを目的とする。 【構成】酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化チタ
ンおよび酸化クロムよりなる磁器組成物であって、その
成分の組成範囲を xMgO・yCaO・zTiO2 ・uCr2 O3 であらわしたときx、y、z、uが 25≦x≦80mol% 1≦y≦5mol% 10≦z≦70mol% 0<u≦10mol% を満足する高周波誘電体磁器組成物。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、MgO−CaO−Ti
O2 −Cr2 O3 系よりなり、比誘電率εrが大きく、
高周波帯における誘電正接tanδが小さく、誘電率の
温度係数が組成により−50〜50ppm/℃程度の範
囲で制御できかつ安定な高周波誘電体磁器組成物に関す
るものである。
O2 −Cr2 O3 系よりなり、比誘電率εrが大きく、
高周波帯における誘電正接tanδが小さく、誘電率の
温度係数が組成により−50〜50ppm/℃程度の範
囲で制御できかつ安定な高周波誘電体磁器組成物に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、マイクロ波に代表される高周波帯
での共振器やマイクロストリップ用アンテナ基板などの
高周波用部品に比較的高誘電率で低損失な誘電体磁器材
料が積極的に用いられ、機器の安定化、小型化が計られ
ている。従来、これらの誘電体材料としては、MgO−
CaO−TiO2 系の3成分の組成物やこの組成物に添
加物を加えたものが検討されていた。
での共振器やマイクロストリップ用アンテナ基板などの
高周波用部品に比較的高誘電率で低損失な誘電体磁器材
料が積極的に用いられ、機器の安定化、小型化が計られ
ている。従来、これらの誘電体材料としては、MgO−
CaO−TiO2 系の3成分の組成物やこの組成物に添
加物を加えたものが検討されていた。
【0003】ところが、MgO−CaO−TiO2 系磁
器は誘電率の温度係数と誘電正接tanδがともに小さ
くとれる組成範囲が狭く、組成比を変えると比誘電率と
その温度係数が同時に変化するために、例えば誘電体磁
器の誘電正接tanδが最小で比誘電率の温度係数が±
0ppm/℃付近の値が得られるような組成での比誘電
率εrは15程度であり、これ以上の大きな比誘電率を
得ることが困難であった。
器は誘電率の温度係数と誘電正接tanδがともに小さ
くとれる組成範囲が狭く、組成比を変えると比誘電率と
その温度係数が同時に変化するために、例えば誘電体磁
器の誘電正接tanδが最小で比誘電率の温度係数が±
0ppm/℃付近の値が得られるような組成での比誘電
率εrは15程度であり、これ以上の大きな比誘電率を
得ることが困難であった。
【0004】しかし、共振器などの高周波用部品の小型
化にはさらに比誘電率の大きな材料が必要であり、その
ためにMgO−CaO−TiO2 系にLa2 O3 、Al
2 O 3 などの添加が検討されてきた。添加物としてLa
2 O3 を用いる場合、大気中のCO2 と反応して組成変
動を起こし、量産化、工業化に際して組成の制御が困難
であった。またAl2 O3 を添加する場合は、焼結温度
が約1500℃の高温度となり、コスト高となるなどの
欠点があった。
化にはさらに比誘電率の大きな材料が必要であり、その
ためにMgO−CaO−TiO2 系にLa2 O3 、Al
2 O 3 などの添加が検討されてきた。添加物としてLa
2 O3 を用いる場合、大気中のCO2 と反応して組成変
動を起こし、量産化、工業化に際して組成の制御が困難
であった。またAl2 O3 を添加する場合は、焼結温度
が約1500℃の高温度となり、コスト高となるなどの
欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような課
題を解決するもので、高誘電率かつ低誘電損失を有する
磁器組成物について種々の検討を行ない、MgO−Ca
O−TiO2 系磁器組成物に特定量のCr2 O3 を含浸
させて、比誘電率が大きく、高周波帯域での誘電正接t
anδが小さく、誘電率の温度係数が組成により制御で
きかつ安定な磁器組成物を提供することを目的とするも
のである。
題を解決するもので、高誘電率かつ低誘電損失を有する
磁器組成物について種々の検討を行ない、MgO−Ca
O−TiO2 系磁器組成物に特定量のCr2 O3 を含浸
させて、比誘電率が大きく、高周波帯域での誘電正接t
anδが小さく、誘電率の温度係数が組成により制御で
きかつ安定な磁器組成物を提供することを目的とするも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明は、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化
チタンおよび酸化クロムよりなる磁器組成物であって、
その成分の組成範囲を xMgO・yCaO・zTiO2 ・uCr2 O3 であらわしたときx、y、z、uが 25≦x≦80mol% 1≦y≦5mol% 10≦z≦70mol% 0<u≦10mol% を満足することを要旨とするものである。
に本発明は、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化
チタンおよび酸化クロムよりなる磁器組成物であって、
その成分の組成範囲を xMgO・yCaO・zTiO2 ・uCr2 O3 であらわしたときx、y、z、uが 25≦x≦80mol% 1≦y≦5mol% 10≦z≦70mol% 0<u≦10mol% を満足することを要旨とするものである。
【0007】本発明において磁器組成物の各組成を限定
した理由は以下の通りである。MgOが80mol%を
超え、CaOが5mol%を超え、TiO2 が70mo
l%を超えると、誘電率の温度係数が急激に負へ増大
し、組成変動による特性の変化が大となり、実用上不適
である。
した理由は以下の通りである。MgOが80mol%を
超え、CaOが5mol%を超え、TiO2 が70mo
l%を超えると、誘電率の温度係数が急激に負へ増大
し、組成変動による特性の変化が大となり、実用上不適
である。
【0008】また、MgOが25mol%未満、CaO
が1mol%未満、TiO2 が10mol%未満では焼
結後の収縮によって磁器素材にクラックが生じ易く、実
用化に対し困難である。
が1mol%未満、TiO2 が10mol%未満では焼
結後の収縮によって磁器素材にクラックが生じ易く、実
用化に対し困難である。
【0009】また、Cr2 O3 が10mol%を超える
と、誘電率の温度係数は急激に負へ増大し、組成変動に
よる特性の変化が大となり、また誘電正接tanδが劣
化する。
と、誘電率の温度係数は急激に負へ増大し、組成変動に
よる特性の変化が大となり、また誘電正接tanδが劣
化する。
【0010】
【作用】上記のように本発明は、MgO、CaO、Ti
O2 およびCr2 O3 よりなる磁器組成物であって、そ
の成分の組成範囲を xMgO・yCaO・zTiO2 ・uCr2 O3 であらわしたときx、y、z、uが 25≦x≦80mol% 1≦y≦5mol% 10≦z≦70mol% 0<u≦10mol% を満足したときに、比誘電率εrが比較的大きく、高周
波帯域での誘電正接tanδが小さく、誘電率の温度係
数が組成により制御できかつ安定な磁器組成物が得られ
る。
O2 およびCr2 O3 よりなる磁器組成物であって、そ
の成分の組成範囲を xMgO・yCaO・zTiO2 ・uCr2 O3 であらわしたときx、y、z、uが 25≦x≦80mol% 1≦y≦5mol% 10≦z≦70mol% 0<u≦10mol% を満足したときに、比誘電率εrが比較的大きく、高周
波帯域での誘電正接tanδが小さく、誘電率の温度係
数が組成により制御できかつ安定な磁器組成物が得られ
る。
【0011】さらに上記組成物をN2 雰囲気中で焼成す
ることにより再現性が高まる。
ることにより再現性が高まる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。原
料粉末として純度99.5%以上のMgO、CaO、T
iO2 、Cr2 O3の各粉末を用い、表1に示す所定の
組成となるように秤量し、ボール・ミルで純水とともに
湿式混合した。次いでこの混合物を乾燥した後、空気中
において1000℃で2時間仮焼した。
料粉末として純度99.5%以上のMgO、CaO、T
iO2 、Cr2 O3の各粉末を用い、表1に示す所定の
組成となるように秤量し、ボール・ミルで純水とともに
湿式混合した。次いでこの混合物を乾燥した後、空気中
において1000℃で2時間仮焼した。
【0013】この仮焼物を再びボール・ミルで湿式粉砕
して平均粒径を1〜2μmとした後、脱水乾燥した。こ
の粉末に濃度10%のポリビニルアルコール溶液を7w
t%添加して造粒し、60メッシュのふるいを通して整
粒した造粒粉を、1ton/cm2 の成形圧で直径15
mm、高さ7mmの形状に成形した。成形体はその組成
に応じて酸化雰囲気、およびN2 雰囲気中で1200〜
1400℃の範囲の温度で焼成した。このようにして得
られた磁器を所定の寸法に加工して、25℃、8GH2
における比誘電率εr、誘電正接tanδを求めた。
して平均粒径を1〜2μmとした後、脱水乾燥した。こ
の粉末に濃度10%のポリビニルアルコール溶液を7w
t%添加して造粒し、60メッシュのふるいを通して整
粒した造粒粉を、1ton/cm2 の成形圧で直径15
mm、高さ7mmの形状に成形した。成形体はその組成
に応じて酸化雰囲気、およびN2 雰囲気中で1200〜
1400℃の範囲の温度で焼成した。このようにして得
られた磁器を所定の寸法に加工して、25℃、8GH2
における比誘電率εr、誘電正接tanδを求めた。
【0014】
【表1】
【0015】なお表1において、試料番号1〜17の試
料は本発明による組成からなる磁器組成物であり、試料
番号18〜25のものは比較例による磁器組成物であ
る。表1に示した試料結果からも、本発明実施例による
磁器組成物は比較例による磁器組成物に比べて各特性に
おいて優れていることがわかる。
料は本発明による組成からなる磁器組成物であり、試料
番号18〜25のものは比較例による磁器組成物であ
る。表1に示した試料結果からも、本発明実施例による
磁器組成物は比較例による磁器組成物に比べて各特性に
おいて優れていることがわかる。
【0016】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、得られた
磁器組成物は高周波領域において比誘電率εrが比較的
大きく、誘電正接が小であることがわかる。さらに、本
発明によって得られた磁器組成物はその組成によって誘
電率の温度係数を制御でき、かつ安定であり、工業上の
利用範囲ならびに利用価値が極めて大きい材料である。
磁器組成物は高周波領域において比誘電率εrが比較的
大きく、誘電正接が小であることがわかる。さらに、本
発明によって得られた磁器組成物はその組成によって誘
電率の温度係数を制御でき、かつ安定であり、工業上の
利用範囲ならびに利用価値が極めて大きい材料である。
Claims (1)
- 【請求項1】 酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸
化チタンおよび酸化クロムよりなる磁器組成物であっ
て、その成分の組成範囲を xMgO・yCaO・zTiO2 ・uCr2 O3 であらわしたときx、y、z、uが 25≦x≦80mol% 1≦y≦5mol% 10≦z≦70mol% 0<u≦10mol% を満足することを特徴とする高周波誘電体磁器組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4009568A JPH05205525A (ja) | 1992-01-23 | 1992-01-23 | 高周波誘電体磁器組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4009568A JPH05205525A (ja) | 1992-01-23 | 1992-01-23 | 高周波誘電体磁器組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05205525A true JPH05205525A (ja) | 1993-08-13 |
Family
ID=11723904
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4009568A Pending JPH05205525A (ja) | 1992-01-23 | 1992-01-23 | 高周波誘電体磁器組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05205525A (ja) |
-
1992
- 1992-01-23 JP JP4009568A patent/JPH05205525A/ja active Pending
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