JPH0520435B2 - - Google Patents

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JPH0520435B2
JPH0520435B2 JP59062448A JP6244884A JPH0520435B2 JP H0520435 B2 JPH0520435 B2 JP H0520435B2 JP 59062448 A JP59062448 A JP 59062448A JP 6244884 A JP6244884 A JP 6244884A JP H0520435 B2 JPH0520435 B2 JP H0520435B2
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hydroxy
methyltetrahydropyran
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reaction
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Yasuo Tokito
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Kuraray Co Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

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  • Pyrane Compounds (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は2−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒ
ドロピランの製造法に関し、詳しくは、3−メチ
ル−3−ブテン−1−オールを周期表第族の元
素により変性されていないロジウム化合物の存在
下にヒドロホルミル化して2−ヒドロキシ−4−
メチルテトラヒドロピランを工業的に有利に製造
する方法に関するものである。さらに詳しくは本
発明は、3−メチル−3−ブテン−1−オール
を、35重量%以下の芳香族炭化水素を含んでいて
もよい飽和脂肪族炭化水素および/または飽和脂
環式炭化水素からなる溶媒中、ロジウム原子換算
で0.01〜0.5ミリグラム原子/の濃度の周期表
第族の元素を含有する配位子により変性されて
いないロジウム化合物の存在下、60〜150℃の温
度範囲内で80〜300絶対気圧の圧力下において水
素および一酸化炭素によりヒドロホルミル化し、
ついで得られる反応混合液を水素および一酸化炭
素の混合ガス雰囲気下に水で抽出することによつ
て2−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロピラ
ンを水層中におけるその濃度が2モル/以下に
なるように水層に抽出分離するとともに、ロジウ
ム化合物を含有する抽残液をヒドロホルミル化反
応域に循環することを特徴とする2−ヒドロキシ
−4−メチルテトラヒドロピランの製造法に関す
る。 2−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロピラ
ンはポリウレタン、ポリエステルなどの製造原料
であるβ−メチル−δ−バレロラクトンまたは3
−メチルペンタン−1,5−ジオールの前駆体と
して有用な化合物である。従来、2−ヒドロキシ
−4−メチルテトラヒドロピランの製造方法とし
て、3−メチル−3−ブテン−1−オールを有機
第三級ホスフインにより変性されたロジウムカル
ボニル錯化合物の存在下にヒドロホルミル化し、
生成した2−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒド
ロピランを反応混合液より蒸留分離し、その際に
得られるロジウムカルボニル錯化合物を含有する
残留物をヒドロホルミル化反応のために再使用す
る方法が提案されている(特公昭58−40533号公
報参照)。しかしながら、ロジウムカルボニル錯
化合物はこれを安定化する有機第三級ホスフイン
が共存していても熱的に比較的不安定であり、沸
点の高い2−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒド
ロピランを反応混合液から蒸留操作によつて分離
する場合には、該反応混合液中のロジウムカルボ
ニル錯化合物の一部が熱的に変質し(特公昭57−
25012号公報参照)、また高沸点を有する副生成物
の残留物への蓄積によつて該ロジウムカルボニル
錯化合物の触媒活性が低下する。従つて、この方
法は、高価なロジウムカルボニル錯化合物を長期
にわたつて触媒として安定に循環、再使用するこ
とが極めて困難であり、工業的に採用し難い。 一方、ある種のオレフイン性化合物のヒドロホ
ルミル化反応混合液から反応生成物と触媒成分と
を抽出法によつて分離する方法も提案されてい
る。例えば、アリルアルコールまたは酢酸ビニル
をロジウム錯化合物およびロジウム原子に対して
過剰量の有機第三級ホスフインの存在下にヒドロ
ホルミル化した後、反応混合液より反応生成物を
水で抽出分離する方法(特公昭53−19563号公報
および特開昭56−122330号公報参照)は、蒸留分
離法に比較して生成物の熱分解を避けうること、
触媒成分の変質および触媒活性低下を防止できる
ことなどの利点を有しているが、抽出操作時にお
けるロジウム錯化合物の抽出水層への溶出を抑制
するためには、ロジウム錯化合物中のロジウム原
子に対して100〜300モル倍もの大過剰の有機第三
級ホスフインを共存させることが必須である(特
公昭57−25016号公報参照)。 また、3−メチル−3−ブテン−1−オールの
ようなビニリデン骨格を有するオレフイン性化合
物のヒドロホルミル化反応においては、有機第三
級ホスフインにより変性されたロジウムカルボニ
ル錯化合物を触媒として使用すると反応速度が著
しく遅く(後述の比較例1参照)、それを補うた
め多量のロジウムカルボニル錯化合物が必要とさ
れる。その結果、この反応混合液から反応生成物
を水抽出によつて分離すると多量のロジウムカル
ボニル錯化合物の抽出水層への溶出を伴うことと
なる。 有機第三級ホスフインなどの周期表第族の元
素を含有する配位子により変性されていないロジ
ウム化合物の存在下における3−メチル−3−ブ
テン−1−オールのヒドロホルミル化反応につい
てはこれまで具体的な報告はなされていないが、
本発明者らの研究によれば、周期表第族の元素
を含有する配位子により変性されていないロジウ
ム化合物を触媒として使用し無溶媒下に3−メチ
ル−3−ブテン−1−オールのヒドロホルミル化
を行つた場合には、後述の比較例2に示すよう
に、工業的に満足しうる反応速度が実現される反
面、2−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロピ
ランの選択率は著しく低く、しかも分離困難な多
種類のアセタール化生成物が副生することが判つ
た。 本発明者らは上記の問題点を解決して2−ヒド
ロキシ−4−メチルテトラヒドロピランを工業的
に有利に製造しうる方法を開発すべく鋭意研究を
重ねた結果、3−メチル−3−ブテン−1−オー
ルを特定の炭化水素系溶媒中、低濃度の周期表第
族の元素により変性されていないロジウム化合
物の存在下、特定の条件下でヒドロホルミル化す
ることによつて速い反応速度かつ高い選択率で2
−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロピランが
得られることのみならず、得られる反応混合液を
水素および一酸化炭素の混合ガス雰囲気下に水で
抽出することによつて生成した2−ヒドロキシ−
4−メチルテトラヒドロピランを効果的に分離で
きるとともに、触媒として使用したロジウム化合
物を実質的に損失することなくかつ触媒活性をほ
とんど低下させることなく抽残液中に回収するこ
とができること、さらにロジウム化合物を含有す
る抽残液はそのままヒドロホルミル化反応に循
環、再使用できること、また上記の抽出水溶液か
ら水に実質的に溶解しない特定の有機溶媒により
2−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロピラン
が効果的に抽出分離できることを見い出し、本発
明を完成するに至つた。 本発明においてはヒ
ドロホルミル化反応の反応溶媒として35重量%以
下の芳香族炭化水素を含んでいてもよい飽和脂肪
族炭化水素および/または飽和脂環式炭化水素を
用いることができる。飽和脂肪族炭化水素およ
び/または飽和脂環式炭化水素と芳香族炭化水素
との混合溶媒を用いる場合、芳香族炭化水素の割
合が全反応溶媒中35重量%を越えると反応後の抽
出工程における抽出界面の分離性が悪く抽出率も
低下する。使用しうる飽和脂肪族炭化水素の代表
例としてペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン、ノナン、デカンなどが挙げられ、また、飽和
脂環式炭化水素の代表例としてシクロヘキサン、
メチルシクロヘキサン、シクロオクタンなどが、
芳香族炭化水素の代表例としてベンゼン、トルエ
ン、キシレン、エチルベンゼンなどがそれぞれ挙
げられる。 本発明におけるロジウム化合物としてはヒドロ
ホルミル化触媒能を有するかまたはヒドロホルミ
ル化反応系内で触媒能を有するように変化する化
合物であつて、周期表第族の元素を含有する配
位子により変性されていないロジウム化合物であ
れば任意のものを使用することができる。周期表
第族の元素は蓄素、リン、ヒ素、アンチモンな
どであり、かかる元素を含有する配位子としては
トリフエニルホスフイン、トリブチルホスフイン
などの有機第三級ホスフイン;トリフエニルホス
フアイト、トリブチルホスフアイトなどの有機第
三級ホスフアイト;トリフエニルアルシン、トリ
オクチルアルシンなどの有機第三級アルシン;お
よびトリフエニルスチルビンなどの有機第三級ス
チルビンなどが例示される。本発明において用い
られるロジウム化合物の代表例としては、塩化ロ
ジウム;酢酸ロジウム、プロピオン酸ロジウムな
どの有機カルボン酸ロジウム;Rh4(CO)12、Rh6
(CO)16、〔Rh(CO)2Cl2〕などのロジウムカルボ
ニル化合物;およびビスシクロペンタジエニルロ
ジウムクロリド、ビスシクロオクタジエニルロジ
ウムクロリドなどを挙げることができ、この中で
も特にロジウムカルボニル化合物、ビスシクロペ
ンタジエニルロジウムクロリド、ビスシクロオク
タジエニルロジウムクロリドなどが好ましく用い
られる。本発明において反応混合液中でのロジウ
ム化合物の濃度はロジウム原子換算で0.01〜0.5
ミリグラム原子/となるよう調整することが必
要であり、好ましくは0.02〜0.2ミリグラム原
子/の範囲である。かかる濃度が0.01ミリグラ
ム原子/未満の場合にはヒドロホルミル化反応
が遅く、また0.5ミリグラム原子/を越える場
合には反応混合液の抽出工程において抽出水層中
へのロジウム化合物の溶出量が多くなるため工業
的に不利である。 本発明におけるヒドロホルミル化の反応温度は
60〜150℃の範囲から選ばれる。反応温度が60℃
未満の場合には反応速度が遅くなり、反応温度が
150℃を超える場合にはロジウム化合物および生
成物である2−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒ
ドロピランの安定性を維持することが困難とな
る。反応圧力としては80〜300絶対気圧の範囲内
の圧力が用いられる。反応圧力が80絶対気圧未満
の場合には副生成物である3−メチル−2−ブテ
ン−1−オールおよびイソバレルアルデヒドの生
成割合が多くなり、その結果ヒドロホルミル化生
成物である2−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒ
ドロピランの収率が低下し、かつロジウム化合物
の安定性が低下する傾向がみられる。反応圧力が
300絶対気圧を越える場合には設備費、運転費な
どの面で工業的に採用することが困難である。原
料ガスである水素ガスおよび一酸化炭素ガスの比
率は反応器への入りガスの水素/一酸化炭素のモ
ル比として約3/1〜1/3の範囲にあることが
好ましい。なお、反応系中にヒドロホルミル化反
応に対して不活性なガス、例えばメタン、エタ
ン、プロパン、窒素、ヘリウム、アルゴン、炭酸
ガスなどが共存しても何ら差しつかえない。 本発明におけるヒドロホルミル化反応は撹拌式
反応槽中または気泡式反応槽中で回分法または連
続法により行われる。原料である3−メチル−3
−ブテン−1−オールの転化率がほぼ100%近く
なるように反応を追い込むこともできるし、転化
率がそれ以下になるように反応させてもよいが、
ヒドロホルミル化反応後の反応混合液中の2−ヒ
ドロキシ−4−メチルテトラヒドロピランの濃度
が約0.5〜5モル/となるように反応溶媒の使
用量、3−メチル−3−ブテン−1−オールの供
給速度および反応器中における反応混合液の滞留
時間を設定することが好ましい。 ヒドロホルミル化反応後の反応混合液を水で抽
出することによつて、反応混合液から生成物であ
る2−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロピラ
ンを抽出分離することができる。かかる抽出操作
において反応混合液に加えられる水の量は抽出後
の水層中の2−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒ
ドロピランの濃度が2モル/以下となるように
調整することが必要であり、さらには0.5〜1.5モ
ル/となるように調整することが好ましい。こ
の条件を満足する水の容量は抽出に供する反応混
合液中の2−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒド
ロピランの濃度などによつて若干変化するが、通
常、抽出に供する反応混合液に対して約0.5〜3
倍の範囲内にある。抽出水層中の2−ヒドロキシ
−4−メチルテトラヒドロピランの濃度を高くす
ると、ロジウム化合物の水層中への溶出量が多く
なる。抽出操作は、反応混合液中のロジウム化合
物の析出を防止するため水素および一酸化炭素の
混合ガス雰囲気下に行うことが必須である。水素
および一酸化炭素の混合ガスとしては、ヒドロホ
ルミル化反応に用いる原料ガスと同様の組成を有
するものを使用してもよく、水素ガスおよび一酸
化炭素の比率は水素/一酸化炭素のモル比として
約1/3〜3/1の範囲にあることが好ましい。
抽出操作の温度は約0〜50℃の範囲が好ましく、
約10〜30℃の範囲がさらに好ましい。圧力は約1
〜300絶対気圧の範囲が好ましく、約2〜100絶対
気圧の範囲がさらに好ましい。抽出装置としては
一般的の汎用な撹拌型抽出塔(ミキサーセトラ
ー、回転円板抽出塔など)および棚段型抽出塔
(多孔板塔など)などが使用される。本発明にお
いては、抽出後のロジウム化合物を含有する抽残
液はヒドロホルミル化反応域に循環し再使用され
る。なお、ヒドロホルミル化反応後の反応混合液
の一部または抽残液の一部を必要に応じて別途取
り出し、これに触媒賦活などの処理を施すことも
できる。取り出した反応混合液または抽残液中か
ら水素および一酸化炭素ガスを放出すれば、液中
のロジウム化合物はロジウム金属またはその酸化
物として析出する。液中のロジウム化合物はこの
性質を利用して公知の方法により液中より容易に
分離回収でき、回収されたロジウム金属またはそ
の酸化物は公知の方法により精製または前述のロ
ジウム化合物への変換などの処理を施した後、ヒ
ドロホルミル化反応のために再使用することがで
きる。 上記の抽出操作によつて得られた2−ヒドロキ
シ−4−メチルテトラヒドロピランを含有する抽
出水溶液からは蒸留法または後述する抽出法など
の分離方法によつて2−ヒドロキシ−4−メチル
テトラヒドロピランを分離することができる。ま
た、例えば2−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒ
ドロピランの水素化して3−メチルペンタン−
1,5−ジオールを製造する場合には、2−ヒド
ロキシ−4−メチルテトラヒドロピランを含有す
る抽出水溶液をそのまま水素化反応に供すること
もできる。 2−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロピラ
ンを含有する抽出水溶液を特定の有機溶媒で再抽
出することにより、2−ヒドロキシ−4−メチル
テトラヒドロピランを効率的に分離することがで
きる。かかる有機溶媒は実質的に水に溶解しない
ものであり、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢
酸イソブチル、酢酸イソアミル、プロピオン酸メ
チルなどのエステル;メチルイソブチルケトン、
ジブチルケトンなどのケトン;ベンゼン、トルエ
ンなどの芳香族炭化水素;および3−メチル−3
−ブテン−1−オールから選ばれ、これらは単独
でまたは二種以上の混合物で使用される。抽出に
使用する有機溶媒の容量は2−ヒドロキシ−4−
メチルテトラヒドロピランを含有する水溶液の容
量に対して通常、約0.2〜3倍の範囲内である。
有機溶媒の使用量が水溶液の容量に対して約0.2
倍よりも少ない場合には、抽残水溶液中に残存す
る2−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロピラ
ンの量が多く良好に抽出分離を行うことができな
いことがある。有機溶媒の使用量が多いほど水溶
液から有機溶媒への2−ヒドロキシ−4−メチル
テトラヒドロピランの移行量が増加する傾向があ
るが、有機溶媒の使用量が水溶液の容量に対して
約3倍よりも多くなると、もはやそれ以上、有機
溶媒の使用量を増しても2−ヒドロキシ−4−メ
チルテトラヒドロピランの有機溶媒への移行量が
増加しなくなり不必要に多い有機溶媒を使用する
だけの結果に終る。抽出温度は特に制限されない
が好ましくは約0〜100℃の範囲内である。抽出
操作の雰囲気はヒドロホルミル化反応に悪影響を
及ぼさない限りにおいて特に限定されないが、水
素および一酸化炭素の混合ガスまたはヒドロホル
ミル化反応に対して不活性なガス、例えばメタ
ン、エタン、プロパン、窒素、ヘリウム、アルゴ
ン、炭酸ガスなどの雰囲気下に抽出操作を行うこ
とが好ましく、さらに好ましくは水素および一酸
化炭素の混合ガス雰囲気である。また抽出操作の
圧力は通常の抽出操作において使用される圧力が
適用でき、一般的には常圧付近である。 再抽出によつて得られた有機層に蒸留操作など
の分離操作を施すことによつて2−ヒドロキシ−
4−メチルテトラヒドロピランを分離取得するこ
とができる。有機溶液からの2−ヒドロキシ−4
−メチルテトラヒドロピランの蒸留分離は水溶液
からの2−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロ
ピランの蒸留分離に比べて必要とされる熱量が少
ないため、工業的に有利である。なお、再抽出に
より得られた抽残水溶液中に少量の2−ヒドロキ
シ−4−メチルテトラヒドロピランが溶解し残存
している場合があるので、抽残水溶液は前述のヒ
ドロホルミル化反応混合液の水抽出域に循環し再
使用することが好ましい。 本発明により得られる2−ヒドロキシ−4−メ
チルテトラヒドロピランは、銅クロム酸化物など
の酸化脱水素触媒の存在下に脱水素反応させるこ
とによつて容易にβ−メチル−δ−バレロラクト
ンに変換することができる。また、2−ヒドロキ
シ−4−メチルテトラヒドロピランはラネーニツ
ケル、ニツケル−ケイソウ土、銅クロム酸化物な
どの水素化触媒および水素の存在下に水素化する
ことによつて、容易に3−メチルペンタン−1,
5−ジオールに変換することができる。 以下、本発明を実施例により具体的に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。 実施例 1 温度計、電磁撹拌装置、ガス吹込み口、ガス排
出口、保圧弁および内液を圧送できるようにした
パイプで結ばれた電磁撹拌装置付きの内容2の
ガラス製オートクレーブを備えた内容1のステ
ンレス製オートクレーブに、ヘキサン500mlおよ
び0.0125ミリモル/のRh4(CO)12(ロジウム原
子換算で0.050ミリグラム原子/)を仕込み、
ステンレス製オートクレーブ内の雰囲気を水素お
よび一酸化炭素の混合ガス(モル比1/1)で充
分置換した後、この混合ガスでステンレス製オー
トクレーブ内の圧力を150絶対気圧に保ちながら
内温が100℃の一定温度になるまで撹拌下に加熱
した。しかる後、定速フイードポンプより3−メ
チル−3−ブテン−1−オール75gをステンレス
製オートクレーブ中に30分かけて連続的に供給し
た。反応中、オートクレーブ内の圧力が常に150
絶対気圧に保たれるようにオートクレーブ中に水
素および一酸化炭素の混合ガスを供給し、オート
クレーブからの出ガス流速を約5/hrとなるよ
うに調整した。3−メチル−3−ブテン−1−オ
ールの供給が終了した後もこの条件下でさらに2
時間撹拌に反応を続けた。合計で2.5時間反応し
た後、撹拌を停止し、オートクレーブ内の温度を
室温付近まで急冷した。しかる後、オートクレー
ブ内の圧力を20絶対気圧まで放圧し、サンプル採
取口より微量の反応混合液を取り出し、これをガ
スクロマトグラフイーにより分析した結果、未反
応の3−メチル−3−ブテン−1−オールの残存
量の1.5g(3−メチル−3−ブテン−1−オー
ルの変換率98%)であり、2−ヒドロキシ−4−
メチルヒドロピランの生成量は84g(選択率85
%)であつた。 ステンレス製オートクレーブに連結された電磁
撹拌装置付きの内容2のガラス製オートクレー
ブ中の雰囲気を水素および一酸化炭素の混合ガス
(モル比1/1)で置換し、内部に水500mlを仕込
んだ後、上記の反応混合液をステンレス製オート
クレーブからガラス製オートクレーブ中に圧送し
た。圧送し終つた時点で、系内を混合ガス雰囲気
下、5絶対気圧に保ち、この状態で20分間撹拌し
て抽出操作を行つた。抽出温度は30℃であつた。
撹拌を停止すると直ちに2層に分離したが、さら
に10分間静置した後、下層の水層のみを内圧を利
用して系外に抜き出した。かかる抽出水層をガス
クロマトグラフイーにより分析したところ、生成
した2−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロピ
ランの70%が水層側に抽出されていることが判つ
た。 ガラス製オートクレーブ中の抽残層を再びステ
ンレス製オートクレーブ中に圧送し、前記と同一
の条件および操作方法により3−メチル−3−ブ
テン−1−オールのヒドロホルミル化反応および
抽出を行つた。このようにして3−メチル−3−
ブテン−1−オールのヒドロホルミル化反応およ
び抽出を合計5回繰り返した。なお、繰り返しの
際に新たにロジウム化合物またはヘキサンを追加
することはなかつた。2回目、3回目、4回目お
よび5回目の3−メチル−3−ブテン−1−オー
ルのヒドロホルミル化反応において、変換率はそ
れぞれ98%、97%、97%および98%であり、また
2−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロピラン
への選択率はいずれも85%であつた。各回の抽出
において、抽出水層中の2−ヒドロキシ−4−メ
チルテトラヒドロピランの濃度は1.0〜1.3モル/
の範囲内であり、2回目以降の抽出における抽
出水層中へのロジウム化合物の溶出量は原子吸光
分析の結果、ロジウム原子換算でわずかに0.03〜
0.05ppmの範囲であつた。 実施例 2 オートクレーブ中にシクロヘキサン500mlおよ
び0.025ミリモル/の(c−C8H12RhCl)2を仕
込み、反応圧力を200絶対気圧、反応温度を120℃
とし、3−メチル−3−ブテン−1−オール供給
後の反応時間を1時間(反応時間は合計1.5時間)
とする以外は実施例1と同様にしてヒドロホルミ
ル化反応および抽出を5回繰り返した。反応終了
後の反応混合液をガスクロマトグラフイーにより
分析した結果、3−メチル−3−ブテン−1−オ
ールの変換率は98〜99%の範囲であり、2−ヒド
ロキシ−4−メチルテトラヒドロピランへの選択
率はいずれも84%であつた。2回目以降の抽出操
作において抽出水層中での2−ヒドロキシ−4−
メチルテトラヒドロピランの濃度は1.0〜1.3モ
ル/の範囲であり、水層中への2−ヒドロキシ
−4−メチルテトラヒドロピランの抽出率は平均
して70%であつた。また、抽出水層中へのロジウ
ム化合物の溶出量はロジウム原子換算でわずかに
0.05〜0.08ppmの範囲であつた。 実施例 3 オートクレーブ中にヘキサン400ml、トルエン
100mlおよび0.025ミリモル/のRh4(CO)12を仕
込み、反応温度を90℃とし、300mlの水で抽出す
る以外は実施例1と同様にしてヒドロホルミル化
反応および抽出を5回繰り返した。反応終了後の
反応混合液をガスクロマトグラフイーにより分析
した結果、3−メチル−3−ブテン−1−オール
の変換率は94〜95%の範囲であり、2−ヒドロキ
シ−4−メチルテトラヒドロピランへの選択率は
いずれも85%であつた。2回目以降の抽出操作に
おいて抽出水層中での2−ヒドロキシ−4−メチ
ルテトラヒドロピランの濃度は1.3〜1.9モル/
の範囲であり、水層中への2−ヒドロキシ−4−
メチルテトラヒドロピランの抽出率は平均して42
%であつた。また、抽出水層中へのロジウム化合
物の溶出量はロジウム原子換算でわずかに0.07〜
0.15ppmの範囲であつた。 比較例 1 トリフエニルホスフイン0.565g(2.5ミリモ
ル)を添加する以外は実施例1と同様な方法によ
りヒドロホルミル化反応を行つた(反応時間は合
計2.5時間)。反応終了後、反応混合液をガスクロ
マトグラフイーにより分析した結果、3−メチル
−3−ブテン−1−オールの変換率はわずか24%
であり、2−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒド
ロピランへの選択率は86%であつた。 比較例 2 温度計、撹拌装置およびガス出入口を備えた内
容1のオートクレーブにRh4(CO)123.4mg、3
−メチル−3−ブテン−1−オール430gを水素
および一酸化炭素の混合ガス(モル比1/1)雰
囲気下に仕込み、同じガスを用いてオートクレー
ブ内を200絶対気圧の加圧下に維持した。撹拌下
にオートクレーブの内温を30分かけて100℃に昇
温した後、撹拌下にこの温度および圧力を維持し
ながら5時間反応させた。反応終了後、撹拌を止
め冷却して反応混合液を取り出し、これをガスク
ロマトグラフイーにより分析した結果、3−メチ
ル−3−ブテン−1−オールの変換率は93%であ
り、2−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロピ
ランへの選択率は37%であり、他に分離困難な多
種類のアセタール化生成物が生成していた。 実施例 4 実施例1と同様にして1回めのヒドロホルミル
化反応および水抽出を行つたところ、ヒドロホル
ミル化反応における3−メチル−3−ブテン−1
−オールの変換率は98%、2−ヒドロキシ−4−
メチルテトラヒドロピランへの選択率は85%であ
り、水抽出における抽出水層の2−ヒドロキシ−
4−メチルテトラヒドロピランの濃度は0.91モ
ル/、水層中に溶出したロジウム化合物の濃度
はわずかロジウム原子換算で0.05ppmであつた。
この水溶液を撹拌装置付の内容2のフラスコに
移し、酢酸イソプロピル500mlを用いて10分間撹
拌下に混合した。これを静置した後、上層の酢酸
イソプロピル溶液をガスクロマトグラフイーによ
り分析した結果、酢酸イソプロピル溶液中の2−
ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロピランの濃
度は0.71モル/であつた。 実施例 5〜7 再抽出における有機溶媒として酢酸イソプロピ
ルの代りに第1表に示す有機溶媒を用いる他は実
施例4と同様にしてヒドロホルミル化反応、水抽
出および再抽出を行つた。再抽出後の有機溶媒層
中の2−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロピ
ランの濃度を第1表に示す。
【表】 ラヒドロピラン
実施例 8 実施例1と同様にして1回目のヒドロホルミル
化反応および水抽出を行つた。反応終了後、反応
混合液をガスクロマトグラフイーにより分析した
結果、3−メチル−3−ブテン−1−オールの変
換率は98%であり、2−ヒドロキシ−4−メチル
テトラヒドロピランへの選択率は85%であつた。 上記の水抽出用の内容2のガラス製オートク
レーブに内容2の三つ口フラスコを連結し、フ
ラスコ中の雰囲気を窒素で置換し、フラスコ内に
酢酸イソブチル500mlを仕込んだ後、水抽出で得
られた抽出水溶液をガラス製オートクレーブから
フラスコ中に圧送した。ガラス製オートクレーブ
中の抽残層をステンレス製オートクレーブ中に圧
送し、同一の条件および操作方法により3−メチ
ル−3−ブテン−1−オールのヒドロホルミル化
反応を行つた。この間にフラスコ中、30℃におい
て酢酸イソブチルと前述の抽出水溶液とを10分間
撹拌下に混合し、10分間静置した後、下層の水溶
液をガラス製オートクレーブ中に圧送し、上層の
酢酸イソブチル溶液をフラスコ中より系外に抜き
出した。かかる酢酸イソブチル溶液をガスクロマ
トグラフイーにより分析した結果、1回目のヒド
ロホルミル化反応によつて生成した2−ヒドロキ
シ−4−メチルテトラヒドロピランの53%が酢酸
イソブチル溶液として系外に取り出されたことが
判明した。 このような方法により、ヒドロホルミル化反
応、水抽出および酢酸イソブチル抽出からなる一
連の操作を合計5回繰り返した。ヒドロホルミル
化反応において3−メチル−3−ブテン−1−オ
ールの変換率は97〜98%であり、2−ヒドロキシ
−4−メチルテトラヒドロピランへの選択率はい
ずれも85%であつた。2回目、3回目、4回目お
よび5回目の酢酸イソブチル抽出により酢酸イソ
ブチル溶液として取り出された2−ヒドロキシ−
4−メチルテトラヒドロピランの量は0.58モル、
0.66モル、0.71モルおよび0.74モルであつた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 3−メチル−3−ブテン−1−オールを、35
    重量%以下の芳香族炭化水素を含んでいてもよい
    飽和脂肪族炭化水素および/または飽和脂環式炭
    化水素からなる溶媒中、ロジウム原子換算で0.01
    〜0.5ミリグラム原子/の濃度の周期表第族
    の元素を含有する配位子により変性されていない
    ロジウム化合物の存在下、60〜150℃の温度範囲
    内で80〜300絶対気圧の圧力下において水素およ
    び一酸化炭素によりヒドロホルミル化し、ついで
    得られるヒドロホルミル化反応混合液を水素およ
    び一酸化炭素の混合ガス雰囲気下に水で抽出する
    ことによつて2−ヒドロキシ−4−メチルテトラ
    ヒドロピランを水層中におけるその濃度が2モ
    ル/以下になるように水層に抽出分離するとと
    もに、ロジウム化合物を含有する抽残液をヒドロ
    ホルミル化反応域に循環することを特徴とする2
    −ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロピランの
    製造法。 2 ヒドロホルミル化反応混合液を水抽出するこ
    とにより得られる抽出水溶液を水に実質的に溶解
    しないエステル、ケトン、芳香族炭化水素および
    3−メチル−3−ブテン−1−オールからなる群
    より選ばれる少なくとも一種以上の有機溶媒で抽
    出することによつて2−ヒドロキシ−4−メチル
    テトラヒドロピランを有機層に抽出分離し、抽残
    水溶液を前段の水抽出域に循環する特許請求の範
    囲第1項記載の方法。
JP59062448A 1984-03-14 1984-03-29 2−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロピランの製造法 Granted JPS60204778A (ja)

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