JPH05204081A - ハロゲン化銀写真乳剤 - Google Patents

ハロゲン化銀写真乳剤

Info

Publication number
JPH05204081A
JPH05204081A JP3298692A JP3298692A JPH05204081A JP H05204081 A JPH05204081 A JP H05204081A JP 3298692 A JP3298692 A JP 3298692A JP 3298692 A JP3298692 A JP 3298692A JP H05204081 A JPH05204081 A JP H05204081A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
silver
silver halide
emulsion
chemical
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3298692A
Other languages
English (en)
Inventor
Mikio Ihama
三樹男 井浜
Akihiko Ikegawa
昭彦 池川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP3298692A priority Critical patent/JPH05204081A/ja
Publication of JPH05204081A publication Critical patent/JPH05204081A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】シアニン色素を化学増感時またはそれ以前に添
加して、感度低下が防止され、高感度でかぶりの少ない
ハロゲン化銀写真乳剤を提供する。 【構成】ハロゲン化銀粒子及び特定の構造の、メルカプ
ト基及び水溶性基を有する含窒素複素環化合物とを含有
するハロゲン化銀写真乳剤であって、シアニン色素が化
学増感時又はそれ以前に添加されたハロゲン化銀写真乳
剤である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハロゲン化銀写真乳剤に
関するものである。特にシアニン色素が化学増感時また
はそれ以前に添加されたハロゲン化銀写真乳剤に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】シアニン色素を化学増感時または、それ
以前に添加して分光増感を行なうことは、米国特許4,
433,048号に開示されている。しかしながら上記
方法はシアニン色素の高温下での吸着を伴うので、しば
しば写真乳剤の感度の低下を招く場合がある。
【0003】また、メルカプト基および水溶性基を有す
る含窒素複素環化合物については、例えば特開昭62−
196649号に開示があり、これによれば、ハロゲン
化銀組成を異にする少なくとも2つの領域を有するハロ
ゲン化銀粒子に対し前記化合物を使用することにより感
度/かぶり比を向上させている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的はシアニ
ン色素が化学増感時またはそれ以前に添加されても、感
度の低下を起さない、高感度でかぶりの少ないハロゲン
化銀写真乳剤を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記のシア
ニン色素による分光増感に伴う感度低下の問題を克服す
るため種々検討を重ねたところ、メルカプト基及び水溶
性基を有する、特別の構造を有する含窒素複素環化合物
を添加することによりシアニン色素の高温下での吸着に
よる写真乳剤の感度低下を抑制しうることを見い出し、
この知見に基づき本発明をなすに至った。
【0006】すなわち本発明は、ハロゲン化銀粒子及び
下記一般式(I)で示される化合物を含有するハロゲン
化銀写真乳剤において、シアニン色素が化学増感時又は
それ以前に添加されたことを特徴とするハロゲン化銀写
真乳剤を提供するものである。一般式(I)
【化2】 (式中、Wは水溶性基を表わし、Lは2価の連結基を表
わし、mは3以下の正の整数を表わし、nは0または3
以下の正の整数を表わす。Zは酸素原子及び窒素原子を
含むヘテロ環を形成するのに必要な原子群を表わし、M
は水素原子または金属原子を表わす。)
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
乳剤は一般式(I)で示される化合物を含有する。
【0008】一般式(I)
【化3】
【0009】式中、Wは水溶性基を表わす。Lは2価の
連結基を表わす。mは3以下の正の整数を表わす。nは
0または3以下の正の整数を表わす。Zは酸素原子及び
窒素原子を含むヘテロ環を形成するのに必要な原子群を
表わす。Mは水素原子または金属原子を表わす。Wで表
わされる水溶性基としては、スルホ基、カルボキシル
基、ホスホ基、スルホンアミド基、ウレイド基、アミノ
スルホニル基、アミノ基、アンモニオ基、ヒドロキシル
基などが好ましく、これらの官能基が可能ならば、アル
キル基、アリール基などによって置換されていてもよ
い。
【0010】Lで表わされる2価の連結基としては、水
素原子、炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、セ
レン原子、リン原子から選ばれた原子または原子群より
なる2価の連結基が好ましく、例えば置換されてもよい
炭素数10以下のアルキレン、置換されてもよい炭素数
10以下のアルケニレン、置換されてもよい炭素数10
以下のアルキニレン、置換されてもよい炭素数20以下
のアリーレン、
【0011】
【化4】
【0012】等があげられる。R1 、R2 、R3 、R
4 、R5 、R6 、R7 、R8 、R9 およびR10は水素原
子、置換されてもよい炭素数8以下のアルキル基、置換
されてもよい炭素数8以下のアルケニル基、置換されて
もよい炭素数15以下のアリール基を表わす。
【0013】Zは好ましくは炭素原子、窒素原子、酸素
原子から構成される5員、6員、または7員の複素環を
形成するのに必要な原子群を表わし、より好ましくはさ
らに炭素芳香環または複素芳香環と縮合した、2〜4環
性の縮合複素環を表わす。最も好ましくはベンゾオキサ
ゾール、ナフトオキサゾール、ナフトオキサジン、ベン
ゾオキサゾロトリアゾール、ナフトオキサゾロトリアゾ
ール、トリアゾロオキサゾロピリジン、トリアゾロオキ
サゾロピリミジンである。
【0014】また、これらの複素環はニトロ基、ハロゲ
ン原子(例えば塩素原子、臭素原子、フッ素原子、
等)、メルカプト基、シアノ基、それぞれ置換もしくは
無置換のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、t−ブチル基、シアノエチル基、等)、アリ
ール基(例えばフェニル基、4−メタンスルホンアミド
フェニル基、4−メチルフェニル基、3,4−ジクロル
フェニル基、ナフチル基、等)、アルケニル基(例えば
アリル基、等)、アラルキル基(例えばベンジル基、4
−メチルベンジル基、フェネチル基、等)、スルホニル
基(例えばメタンスルホニル基、エタンスルホニル基、
p−トルエンスルホニル基、等)、カルバモイル基(例
えば無置換カルバモイル基、メチルカルバモイル基、フ
ェニルカルバモイル基、等)スルファモイル基(例えば
無置換スルファモイル基、メチルスルファモイル基、フ
ェニルスルファモイル基、等)、カルボンアミド基(例
えばアセトアミド基、ベンズアミド基、等)、スルホン
アミド基(例えばメタンスルホンアミド基、ベンゼンス
ルホンアミド基、p−トルエンスルホンアミド基、
等)、アシルオキシ基(例えばアセチルオキシ基、ベン
ゾイルオキシ基、等)、スルホニルオキシ基(例えばメ
タンスルホニルオキシ基、等)、ウレイド基(例えば無
置換のウレイド基、メチルウレイド基、エチルウレイド
基、フェニルウレイド基、等)チオウレイド基(例えば
無置換のチオウレイド基、メチルチオウレイド基、
等)、アシル基(例えばアセチル基、ベンゾイル基、
等)、オキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル
基、フェノキシカルボニル基、等)、オキシカルボニル
アミノ基(例えばメトキシカルボニルアミノ基、フェノ
キシカルボニルアミノ基、2−エチルヘキシルオキシカ
ルボニルアミノ基、等)で置換されていてもよい。
【0015】Mで表わされる金属原子としては、カリウ
ム、ナトリウム、銀などが挙げられる。また一般式
(I)で表わされる化合物は無機または有機の酸の塩の
形をとってもよい。無機または有機の酸の好ましい例と
しては塩酸、硫酸、硝酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、
過塩素酸、シュウ酸、p−トルエンスルホン酸、メタン
スルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸などが挙げ
られる。
【0016】以下に本発明の一般式(I)で表わされる
化合物の具体例を示すが、本発明の化合物はこれらに限
定されるものではない。
【0017】
【化5】
【0018】
【化6】
【0019】
【化7】
【0020】
【化8】
【0021】本発明の化合物は一般によく知られている
方法で容易に合成できる。例えばケミッシェ・ベリヒテ
“Chemische Berichte”,86,314、ジャーナル・
オブ・ケミカル・ソサイエティ“Journal of Chemical
Society ”,49,1748(1927)、ジャーナル
・オブ・ヘテロサイクリック・ケミストリー“Journal
of Heterocyclic Chemistry ”,15,981(197
8)、特開昭56−111840号、同53−2842
6号、米国特許第2,585,388号、同2,54
1,924号、同3,266,897号、英国特許第
1,275,701号、ドイツ国特許第2,349,5
27号等に記載の合成法に準じて容易に合成できる。
【0022】一般式(I)で示される化合物はハロゲン
化銀乳剤製造工程中のいかなる時期に添加してもよい。
一般にハロゲン化銀乳剤の製造工程は粒子形成過程、脱
塩過程、化学増感過程及び塗布過程よりなるが一般式
(I)で示される化合物は上記いずれの過程においても
添加することができる。好ましくは化学増感過程中また
は化学増感過程以前に添加することができる。
【0023】一般式(I)で示される化合物の添加量は
乳剤及び乳剤製造方法に依存するので添加量を選ぶ必要
があるが、ハロゲン化銀1モル当り10-8〜10-2モル
の範囲が適当である。好ましくは10-5〜10-3モルの
範囲である。一般式(I)で示される化合物は水あるい
はアルコール類、グリコール類、ケトン類、エステル
類、アミド類などの溶媒に溶かして添加することができ
る。
【0024】本発明のハロゲン化銀乳剤はシアニン色素
が化学増感時またはそれ以前に添加されて分光増感され
ている。本発明に有用なシアニン色素の具体例として次
の一般式(II)で表わされる色素があげられる。
【0025】
【化9】
【0026】式中、Z1 、Z2 はシアニン色素に通常用
いられるヘテロ環核、特にチアゾール、チアゾリン、ベ
ンゾチアゾール、ナフトチアゾール、キサゾール、オキ
サゾリン、ベンゾオキサゾール、ナフトオキサゾール、
テトラゾール、ピリジン、キノリン、イミダゾリン、イ
ミダゾール、ベンゾイミダゾール、ナフトイミダゾー
ル、セレナゾリン、セレナゾール、ベンゾセレナゾー
ル、ナフトセレナゾール又はインドレニンなどを完成す
るに必要な原子群を表わす。これらの核は、メチルなど
の低級アルキル基、ハロゲン原子、フェニール基、ヒド
ロキシル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、カルボキシ
ル基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルファモイ
ル基、アルキルカルバモイル基、アセチル基、アセトキ
シ基、シアノ基、トリクロロメチル基、トリフルオロメ
チル基、ニトロ基などによって置換されていてもよい。
【0027】L1 またはL2 はメチン基、置換メチン基
を表わす。置換メチン基としては、メチル、エチル等の
低級アルキレン基、フェニル、置換フェニル、メトキ
シ、エトキシ等によって置換されたメチン基などがあ
る。
【0028】R1 とR2 は炭素数が1〜5のアルキル
基;カルボキシ基をもつ置換アルキル基;β−スルホエ
チル、γ−スルホプロピル、δ−スルホブチル、γ−ス
ルホブチル、2−(3−スルホプロポキシ)エチル、2
−〔2−(3−スルホプロポキシ)エトキシ〕エチル、
2−ヒドロキシ・スルホプロピルなどのスルホ基をもつ
置換アルキル基、アリル(allyl)基やその他の通
常シアニン色素のN−置換基に用いられている置換アル
キル基を表わす。m1 は1、2または3を表わす。X1 -
は沃素イオン、臭素イオン、p−トルエンスルホン酸
イオン、過塩素酸イオンなどの通常シアニン色素を用い
られる酸アニオン基を表わす。n1 は1または2を表わ
し、ベタイン構造をとるときはn1 は1である。
【0029】分光増感色素としては、上記以外に次のよ
うなものに記載されたものが、用いられる。ドイツ特許
第929,080号、米国特許第2,493,748
号、同2,503,776号、同2,519,001
号、同2,912,329号、同3,656,956
号、同3,672,897号、同3,694,217
号、同4,025,349号、同4,046,572
号、同2,688,545号、同2,977,229
号、同3,397,060号、同3,552,052
号、同3,527,641号、同3,617,293
号、同3,628,964号、同3,666,480
号、同3,672,898号、同3,679,428
号、同3,703,377号、同3,814,609
号、同3,837,862号、同4,026,344
号、英国特許第1,242,588号、同1,344,
281号、同1,507,803号、特公昭44−14
030号、同52−24844号、同43−4936
号、同53−12375号、特開昭52−110618
号、同52−109925号、同50−80827号等
に記載されている。
【0030】ハロゲン化銀乳剤調製中に添加される増感
色素の量は、添加剤の種類や用いたハロゲン化銀などに
よって一義的に述べることはできないが、従来の方法に
て添加される量とはほぼ同等量用いることができる。す
なわち、好ましい増加色素の添加量はハロゲン化銀1モ
ルあたり0.001〜100mmolであり、さらに好まし
くは0.01〜10mmolである。
【0031】増感色素としてのシアン色素は化学増感時
またはそれ以前に添加される。化学増感時とは実質的に
化学増感が終了する以前のことを意味する。化学増感以
前とは例えば粒子形成時、物理熟成時、水洗前、水洗
時、及び分散時である。増感色素は任意の方法で添加す
ることができる。水あるいはアルコール類、グリコール
類、ケトン類、エステル類、アミド類などの溶媒に溶か
して、添加することができる。また分散剤(界面活性
剤)を用いて色素の水への分散を助け、そのまま添加し
たり乾燥して得られた粉末を添加する方法や、色素と分
散剤をゼラチンなどの結合剤と共に均質な混合物(ゲル
状、ペースト状、スラリー状など)としてそのまま添加
する方法や、混合物を乾燥して得られた粒状物を添加す
る方法や、分散剤を用いずに(ゼラチンなどの結合剤を
用いることもできる)水の中で色素を1μm以下の微粒
子に粉砕して分散したものを添加する方法を用いること
ができる。
【0032】シアニン色素及び一般式(I)の化合物の
相対的な添加順序はお互いに前後又は同時となりうる。
典型例を述べれば、シアニン色素を粒子形成中に加えた
後、化学増感の終了時に一般式(I)の化合物を加える
場合がある。別の典型例は、シアニン色素を化学増感の
開始時に加え、一般式(I)の化合物を化学増感の終了
時に加える場合である。シアニン色素を粒子形成中及び
化学増感の開始直前に分割添加することもできる。
【0033】増感色素とともに、それ自身分光増感作用
をもたない色素あるいは可視光を実質的に吸収しない物
質であって、強色増感を示す物質を乳剤中に含んでもよ
い。例えば、含窒素異節環基で置換されたアミノスチル
化合物(例えば米国特許第2,933,390号、同
3,635,721号に記載のもの)、芳香族有機酸ホ
ルムアルデヒド縮合物(例えば米国特許第3,743,
510号に記載のもの)、カドミウム塩、アザインデン
化合物などを含んでもよい。米国特許第3,615,6
13号、同3,615,641号、同3,617,29
5号、同3,635,721号に記載の組合わせは特に
有用である。
【0034】本発明の乳剤は好ましくは平均アスペクト
比が3以上の平板状ハロゲン化銀粒子である。ここで平
板状粒子とは、1枚の双晶面か2枚以上の平行な双晶面
を有する粒子の総称である。双晶面とは、この場合(1
11)面の両側で全ての格子点のイオンが鏡像関係にあ
る場合にこの(111)面のことをいう。この平板状粒
子は粒子を上から見た時に三角形状、六角形状、もしく
はこれらが丸みを帯びた円形状をしており、三角形状の
ものは三角形の、六角形状のものは六角形の、円形状の
ものは円形状の互いに平行な外表面を有している。
【0035】平板状粒子の平均アスペクト比は3以上で
あることが好ましい。より好ましくは4以上さらには5
以上であることが本発明にはより有効である。上限とし
ては好ましくは30以下、より好ましくは20以下であ
る。
【0036】本発明における平板状粒子の平均アスペク
ト比とは0.1μm以上の粒子直径を有する平板状粒子
について、各々その粒子直径を厚みで割った値の平均値
である。粒子の厚みの測定は、参照用のラテックスとと
もに粒子の斜め方向から金属を蒸着し、そのシャドーの
長さを電子顕微鏡写真上で測定し、ラテックスのシャド
ーの長さを参照にして計算することにより容易にでき
る。
【0037】本発明における粒子直径とは、粒子の平行
な外表面の投影面積と等しい面積をもつ円の直径であ
る。粒子の投影面積は電子顕微鏡写真上での面積を測定
し、撮影倍率を補正することにより得られる。平板状粒
子の直径としては0.15〜5.0μであることが好ま
しい。平板状粒子の厚みとしては0.05〜1.0μで
あることが好ましい。
【0038】本発明の乳剤における平板状粒子の占める
割合としては好ましくは全投影面積のうち30%以上、
より好ましくは50%、特に好ましくは80%以上であ
る。
【外1】
【外2】 る。好ましくは35%以下のものである。最も好ましく
は30%以下のものであ
【外3】 上について測定して求める。より好ましくはハロゲン化
銀粒子の全投影面積の70%以上が、最小の長さを有す
る辺の長さに対する最大の長さを有する辺の長さの比
が、2以下である六角形であり、かつ、平行な2面を外
表面として有する平板状ハロゲン化銀によって占められ
ており、さらに、該六角平板状ハロゲン化銀粒子の粒子
サイズ分布の変動係数(その投影面積の円換算直径で表
わされる粒子サイズのバラツキ(標準偏差)を、平均粒
子サイズで割った値)が30%以下の単分散性をもつも
のであり、平均アスペクト比が3以上であり、かつ粒子
直径が0.2μm以上であるようなハロゲン化銀写真乳
剤が好ましい。
【0039】本発明の写真乳剤に含有されるハロゲン化
銀粒子は、臭化銀、ヨウ臭化銀、ヨウ塩臭化銀、塩臭化
銀、塩化銀、またはヨウ塩化銀のいずれかのハロゲン組
成でもよい。好ましくは臭化銀、ヨウ臭化銀、塩臭化銀
またはヨウ塩臭化銀である。本発明のハロゲン化銀粒子
はハロゲン化銀粒子内に実質的にハロゲン組成の異なる
少なくとも2つの層状構造を持つものでも均一な組成の
ものでもよい。
【0040】ハロゲン組成の異なる層状構造を持つ乳剤
においては、コア部に高沃化銀層、最外層(シェル部)
に低沃化銀層を含む乳剤でも、コア部に低沃化銀層、最
外層に高沃化銀層を含む沃臭化銀、塩沃臭化銀乳剤であ
ってもよい。また、コア部に高塩化銀層、低塩化銀層を
含む乳剤でも、コア部に低塩化銀層、最外層に高塩化銀
層を含む塩沃臭化銀又は塩臭化銀乳剤であってもよい。
さらに層状構造は3層以上から成っていてもよい。
【0041】本発明の平板状乳剤は以下の沈澱生成法に
より調製することができる。撹拌機構を備えた常用され
るハロゲン化銀沈澱生成用反応器中に分散媒を入れる。
通常最初の段階で反応器中に入れる分散媒の量は、最終
粒子沈澱生成段階で乳剤中に存在する分散媒の量の少な
くとも約10%、好ましくは20〜80%である。反応
器中に最初に入れる分散媒としては水または、解膠剤の
水中分散媒であって、この分散媒は、必要に応じて他の
成分、例えば1または2以上のハロゲン化銀熟成剤およ
び/または後で詳述する金属ドープ剤を配合する。解膠
剤を最初に存在せしめる場合、その濃度は、ハロゲン化
銀沈澱生成の最終段階で存在する解膠剤全量の少なくと
も10%、特に少なくとも20%であることが好まし
い。銀、およびハライド塩とともに反応器中に追加の分
散媒を加えるが、これは別のジェットから導入すること
ができる。一般には特に解膠剤の割合を増大するため
に、ハライド塩導入を完了した後に分散媒の割合を調節
する。
【0042】ハロゲン化銀粒子の生成に用いるブロマイ
ド塩またはクロライド塩の通常10重量%未満を最初に
反応器中に存在せしめて、ハロゲン化銀沈澱生成の開始
時における分散媒中のハロゲンイオン濃度を調節する。
また、反応器中の分散媒は当初は実質的にヨードイオン
を含まない。というのは銀塩とブロマイド塩またはクロ
ライド塩を同時に加える前にヨードイオンを存在せしめ
ると厚い非平板状粒子が生成しやすいからである。ここ
で、「実質的にヨードイオンを含まない」とは、ブロマ
イドイオンまたはクロライドイオンと比較してヨードイ
オンが別のヨウ化銀相として沈澱するのに不十分な量で
しか存在しないことを意味する。銀塩を導入する前の反
応器中におけるヨード濃度は、反応器中の全ハライドイ
オン濃度の0.5モル%未満に維持することが望まし
い。分散媒のpBrが当初高過ぎると生成する平板状ヨ
ウ塩臭化銀粒子は比較的厚くなり、粒子の厚みの分布は
広くなる。また、非平板状の粒子が増加する。他方pB
rが低過ぎるとやはり非平板状粒子が生成しやすい。こ
こで用いられるpBrはブロマイドイオン濃度の対数で
負の値で定義される。
【0043】沈澱を生成せしめる間、ハロゲン化銀粒子
の沈澱生成に周知の技法に従って銀、ブロマイド、クロ
ライド及びヨード塩を反応器に加える。通常ブロマイ
ド、クロライド及びヨード塩の導入と同時に反応器中に
硝酸銀のような可溶性銀塩の水溶液を導入する。また、
ブロマイド、クロライドおよびヨード塩は、可溶性アン
モニウム、アルカリ金属(例えばナトリウムまたはカリ
ウム)またはアルカリ土類金属(例えばマグネシウム、
またはカルシウム)ハライド塩の水溶液のような塩水溶
液として導入する。銀塩は少なくとも当初はブロマイド
塩、クロライド塩及びヨード塩とは別に反応器中に導入
する。ブロマイド塩、クロライド塩及びヨード塩は別々
に加えても混合物として導入してもよい。
【0044】銀塩を反応容器中に導入すると粒子の核生
成段階が開始される。銀、ブロマイド、クロライド及び
ヨード塩の導入を続けると臭化銀、塩化銀及びヨウ化銀
の沈澱生成位置として役立つ粒子核の母集団が計画され
る。現存する粒子核上への臭化銀、塩化銀及びヨウ化銀
の沈澱生成により粒子は成長段階に入る。核形成の条件
は、特開昭63−92942号に記載の方法を参考にす
ることができるが、この方法に限られることはなく、例
えば核形成温度は5〜55℃の範囲で行うことができ
る。核形成時における反応容器中のゼラチンの量は、極
めて粒子サイズの分布に影響する。ゼラチン濃度として
は0.5〜10wt%が好ましく、さらに0.5〜6wt%
が好ましい。
【0045】続く、粒子成長は周知の技法に従って銀、
臭化物イオン、沃化物イオン及び塩化物イオンを反応容
器に加えることにより達成される。本発明に従って形成
される平板状粒子のサイズ分布は平板状粒子の成長の条
件、すなわち成長段階のブロマイド塩、クロライド塩及
びヨード塩によっても大きく影響される。
【0046】pBrが低過ぎると高アスペクト比の平板
状粒子が形成されるが、その投影面積の変動係数は著し
く大きくなる。pBrを約2.2〜5の間に維持するこ
とにより投影面積の変動係数の小さな平板状粒子を形成
することができる。上述のpBr条件が満足されること
を条件として、銀、ブロマイド、クロライド及びヨード
塩の濃度及び導入速度は、従来慣用されるものと同様で
あってもよい。銀及びハライド塩はリットル当たり0.
1〜5モルの濃度で導入することが望ましいが、従来か
ら常用されるより広い濃度範囲、例えば、リットル当た
り0.01モルから飽和度までの範囲が採用可能であ
る。特に好ましい沈澱生成技法は、銀及びハライド塩の
導入速度を増大せしめて沈澱生成時間を短縮せしめるこ
とである。銀及びハライド塩の導入速度は、分散媒並び
に銀及びハライド塩を導入する速度を増大させることに
よって、または、導入する分散媒中の銀及びハライド塩
の濃度を増大することによって増大せしめることができ
る。銀及びハライド塩の添加速度を特開昭55−142
329号記載のように新しい粒子核の生成が起る限界値
付近に保持することにより、粒子の投影面積の変動係数
をさらに小さくすることができる。
【0047】また撹拌回転数、反応容器の形状も粒状サ
イズの分布に影響する。撹拌混合装置としては、米国特
許第3,785,777号に記載のような反応液を液中
に添加し、混合させる装置が好ましく、撹拌回転数は低
すぎても高すぎてもよくない。撹拌回転数は低いと非平
行双晶粒子の生成割合が増加し、高すぎると平板状粒子
の生成頻度が減少し、サイズ分布も広がってしまう。ま
た反応容器の形状はその底部が半円球のものが最も好ま
しい。
【0048】本発明の平板状ハロゲン化銀乳剤は粒子形
成又は物理熟成の過程においてカドミウム塩、亜鉛塩、
タリウム塩、イリジウム塩またはその錯塩、ロジウム塩
またはその錯塩、鉄塩または鉄錯塩などを共存させても
よい。本発明の平板状粒子の製造時に、必要に応じてハ
ロゲン化銀溶剤を用いることにより、粒子サイズ、粒子
の形状(直径/厚み比など)、粒子のサイズ分布、粒子
の成長速度をコントロールできる。溶剤の使用量は反応
溶液の10-3〜1.0重量%、特に10-2〜10-1重量
%が好ましい。
【0049】例えば溶剤の使用量の増加とともに粒子サ
イズ分布を単分散化し、成長速度を速めることができ
る。一方、溶剤の使用量とともに粒子の厚みが増加する
傾向もある。しばしば用いられるハロゲン化銀溶剤とし
ては、アンモニア、ロダン、チオエーテル、チオ尿素類
を挙げることができる。チオエーテルに関しては、米国
特許第3,271,157号、同第3,790,387
号、同第3,574,628号等を参考にすることがで
きる。好ましくはロダンが用いられる。
【0050】本発明の乳剤は好ましくはセレン増感剤と
金増感剤と硫黄増感剤との少なくとも3種の異なる増感
剤で増感されている。ここでセレン増感は、従来公知の
方法にて、実施される。すなわち、通常、不安定型セレ
ン化合物および/または非不安定型セレン化合物を添加
して、高温、好ましくは40℃以上で乳剤を一定時間撹
拌することにより行われる。特公昭44−15748号
に記載の不安定セレン増感剤を用いるセレン増感が好ま
しく用いられる。具体的な不安定セレン増感剤として
は、アリルイソセレノシアネートのごとき脂肪族イソセ
レノシアネート類、セレノ尿素類、セレノケトン類、セ
レノアミド類、セレノカルボン酸類およびエステル類、
セレノフォスフェート類がある。特に好ましい不安定セ
レン化合物は以下に示される。
【0051】I.コロイド状金属セレン II. 有機セレン化合物(セレン原子が共有結合により有
機化合物の炭素原子に2重結合しているもの) a イソセレノシアネート類 例えば、アリルイソセレノシアネートの如き脂肪族イソ
セレノシアネート b セレノ尿素類(エノール型を含む) 例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブ
チル、ヘキシル、オクチル、ジオクチル、テトラメチ
ル、N−(β−カルボキシルエチル)−N’,N’−ジ
メチル、N−N−ジメチル、ジエチル、ジメチル等の脂
肪族セレノ尿素;フェニル、トリル等の芳香族基を1個
又はそれ以上もつ芳香族セレノ尿素;ピリジル、ベンゾ
チアゾリル等の複素環式基をもつ複素環式セレノ尿素 c セレノケトン類 例えば、セレノアセトン、セレノアセトフェノン、アル
キル基が>C=Seに結合したセレノケトン、セレノベ
ンゾフェノン d セレノアミド類 例えば、セレノアセトアミド e セレノカルボン酸およびエステル類 例えば、2−セレノプロピオン酸、3−セレノ酪酸、メ
チル3−セレノブチレート III.その他 a セレナイド類 例えば、ジエチルセレナイド、ジエチルジセレナイド、
トリフェニルフォスフインセレナイド b セレノフォスフェート類 例えば、トリーp−トリルセレノフォスフェート、トリ
−n−ブチルセレノフォスフェート
【0052】不安定型セレン化合物の好ましい類型を上
に述べたがこれらは限定的なものではない。当業技術者
には写真乳剤の増感剤としての不安定型セレン化合物と
いえば、セレンが不安定である限りにおいて該化合物の
構造はさして重要なものではなく、セレン増感剤分子の
有機部分はセレンを担持し、それを不安定な形で乳剤中
に存在せしめる以外何らの役割をもたぬことが一般に理
解されている。本発明においては、かかる広範な概念の
不安定セレン化合物が有利に用いられる。
【0053】特公昭46−4553号、特公昭52−3
4492号および特公昭52−34491号に記載の非
不安定型セレン増感剤を用いるセレン増感も用いられ
る。非不安定型セレン化合物には例えば亜セレン酸、セ
レノシアン化カリ、セレナゾール類、セレナゾール類の
4級アンモニウム塩、ジアリールセレニド、ジアリール
ジセレニド、2−チオセレナゾリジンジオン、2−セレ
ノオキゾジンチオン及びこれらの誘導体が含まれる。
【0054】特公昭52−38408号に記載の非不安
定型セレン増感剤、チオセレナゾリジンジオン化合物も
有効である。これらのセレン増感剤は水またはメタノー
ル、エタノールなどの有機溶媒の単独または混合溶媒に
溶解し化学増感時に添加される。好ましくは化学増感開
始前に添加される。使用されるセレン増感剤は1種に限
らず上記セレン増感剤の2種以上を併用して用いること
ができる。不安定セレン化合物と非不安定型セレン化合
物の併用は好ましい。
【0055】本発明に使用させるセレン増感剤の添加量
は、用いるセレン増感剤の活性度、ハロゲン化銀の種類
や大きさ、熟成の温度及び時間などにより異なるが、好
ましくは、ハロゲン化銀1モル当り1×10-8モル以上
である。より好ましくは1×10-7モル以上1×10-4
モル以下である。セレン増感剤を用いた場合の化学熟成
の温度は好ましくは45℃以上である。より好ましくは
50℃以上、80℃以下である。pAg及びpHは任意
である。例えばpHは4から9までの広い範囲で本発明
の効果は得られる。
【0056】本発明のセレン増感は、ハロゲン化銀溶剤
の存在下で行うことにより、より効果的である。本発明
で用いることができるハロゲン化銀溶剤としては、米国
特許第3,271,157号、同第3、531,289
号、同第3,574,628号、特開昭54−1019
号、同54−158917号等に記載された(a)有機
チオエーテル類、特開昭53−82408号、同55−
77737号、同55−2982号等に記載された
(b)チオ尿素誘導体、特開昭53−144319号に
記載された(c)酸素または硫黄原子と窒素原子とには
さまれたチオカルボニル基を有するハロゲン化銀溶剤、
特開昭54−100717号に記載された(d)イミダ
ゾール類、(e)亜硫酸塩、(f)チオシアネート等が
あげられる。
【0057】特に好ましい溶剤としては、チオシアネー
ト及びテトラメチルチオ尿素がある。また用いられる溶
剤の量は、種類によっても異なるが、例えばチオシアネ
ートの場合、好ましい量はハロゲン化銀1モル当たり1
×10-4モル以上1×10-2モル以下である。
【0058】本発明の乳剤は化学増感において好ましく
はセレン増感の外に硫黄増感及び金増感を併用する。イ
オウ増感は、通常、イオウ増感剤を添加して、高温、好
ましくは40℃以上で乳剤を一定時間撹拌することによ
り行われる。また、金増感は、通常、金増感剤を添加し
て、高温、好ましくは40℃以上で乳剤を一定時間撹拌
することにより行われる。
【0059】上記のイオウ増感には硫黄増感剤として公
知のものを用いることができる。例えばチオ硫酸塩、ア
リルチオカルバミドチオ尿素、アリルイソチアシアネー
ト、シスチン、p−トルエンチオスルホン酸塩、ローダ
ニンなどが挙げられる。その他米国特許第1,574,
944号、同第2,410,689号、同第2,27
8,947号、同第2,728,668号、同第3,5
01,313号、同第3,656、955号各明細書、
ドイツ特許1,422,869号、特公昭56−249
37号、特開昭55−45016号公報等に記載されて
いる硫黄増感剤も用いることができる。硫黄増感剤の添
加量は、乳剤の感度を効果的に増大させるのに十分な量
でよい。この量は、pH、温度、ハロゲン化銀粒子の大
きさなどの種々の条件の下で相当の範囲にわたって変化
するが、ハロゲン化銀モル当たり1×10-7モル以上、
1×10-4モル以下が好ましい。
【0060】本発明の金増感の金増感剤としては金の酸
化数が+1価でも+3価でもよく、金増感剤として通常
用いられる金化合物を用いることができる。代表的な例
として塩化金酸塩、カリウムクロロオーレート、オーリ
ックトリクロライド、カリウムオーリックチオシアネー
ト、カリウムヨードオーレート、テトラシアノオーリッ
クアシド、アンモニウムオーロチオシアネート、ピリジ
ルトリロロゴールドなどが挙げられる。
【0061】金増感剤の添加は種々の条件により異なる
が、目安としてはハロゲン化銀1モル当り1×10-7
ル以上1×10-4モル以下が好ましい。化学熟成に際し
て、ハロゲン化銀溶剤及びセレン増感剤及びイオウ増感
剤及び金増感剤等の添加の時間及び順位については特に
制限を設ける必要はなく、例えば化学熟成の初期(好ま
しくは)または化学熟成進行中に上記化合物を同時に、
あるいは添加時点を異にして添加することができる。ま
た添加に際しては、上記の化合物を水または水と混合し
得る有機溶媒、例えばメタノール、エタノール、アセト
ン等の単液あるいは混合液に溶解せしめて添加させれば
よい。
【0062】本発明のハロゲン化銀写真乳剤は、種々の
カラー及び黒白の感光材料に応用することができる。一
般用または映画用のカラーネガフィルム、スライド用等
のカラー反転フィルム、カラーペーパー、カラーポジフ
ィルム、カラー反転ペーパー、カラー拡散転写材料及び
熱現像型カラー感光材料として挙げることができる。X
線用、印刷用、マイクロフィルム用または銀塩拡散転写
型の黒白感光材料にも本発明の乳剤を適用できる。
【0063】本発明の乳剤をカラー写真感光材料に適用
する場合、併用することができる技術及び無機・有機素
材は、特開平3−161745号の下記の箇所に記載さ
れている。
【0064】1.層構成:第28頁左下欄1行目〜第2
9頁右上欄7行目 2.ハロゲン化銀乳剤:第29頁右上欄8行目〜第30
頁右上欄12行目 3.イエローカプラー:第30頁右下欄5行目〜11行
目 4.マゼンタカプラー:第30頁右下欄12行目〜第3
1頁3行目 5.シアンカプラー:第31頁左上欄4行目〜16行目 6.ポリマーカプラー:第31頁左上欄17行目〜右上
欄1行目 7.機能性カプラー:第31頁右上欄2行目〜右下欄5
行目 8.防腐・防黴剤:第32頁右上欄10行目〜17行目 9.ホルマリンスカベンジャー:第30頁左下欄16行
目〜20行目 10.その他の添加剤:第35頁右下欄19行目〜第3
6頁左上欄14行目及び第30頁右上欄13行目〜左下
欄15行目 11.分散方法:第31頁右下欄8行目〜第32頁右上
欄9行目 12.支持体:第32頁左下欄4行目〜6行目 13.膜厚・膜物性:第32頁左下欄7行目〜右下欄1
0行目 14.発色現像工程:第32頁右下欄15行目〜第33
頁右下欄16行目 15.脱銀工程:第32頁右下欄17行目〜第35頁左
上欄16行目 16.自動現像機:第35頁左下欄17行目〜右上欄5
行目 17.水洗・安定工程:第35頁右上欄6行目〜右下欄
15行目
【0065】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0066】実施例1 US4,797,354号にしたがって平均円相当径
0.62μm、平均厚み0.17μm、円相当径の変動
係数19%、平均アスペクト比3.6の単分散六角形平
板状臭化銀粒子を調製した。この粒子をコアに用いて、
シェル(AgBr0.92I 0.08) を成長させることにより銀量で
コア/シェル比1/2の沃臭化銀乳剤を調製した。シェ
ル形成時のpAg(銀イオン濃度の逆数の対数)と添加
速度を変化させることにより表1に示す3種類の乳化E
m−A、Em−B及びEm−Cを調製した。
【0067】
【表1】
【0068】Em−A、Em−B及びEm−Cに下記分
光増感色素S−1、S−2及びS−3を表2に示した量
添加した後、60℃にて化学増感を施した。
【0069】
【表2】
【0070】S−1
【化10】
【0071】S−2
【化11】
【0072】S−3
【化12】
【0073】化学増感剤の添加量を表3に示す。
【0074】
【表3】
【0075】それぞれの乳剤をEm−A−1、Em−B
−1及びEm−C−1とした。Em−A、Em−B及び
Em−Cに分光増感色素を添加することなく、同様にし
て化学増感を施した。それぞれの乳剤をEm−A−2、
Em−B−2及びEm−C−2とした。これらの各乳剤
をベースとして化学増感時に一般式(I)で示される化
合物又は比較化合物を表4に示すように添加乳剤試料を
調製した。ここで各乳剤は化学増感の時間を調整するこ
とにより各々最適に化学増感を施した。ここで「最適に
化学増感を施す」とは化学増感後1/100秒露光した
ときの感度が最も高くなるような化学増感をいう。
【0076】
【表4】
【0077】比較化合物R−1、R−2の構造式を下記
に示す。 R−1
【化13】
【0078】R−2
【化14】
【0079】下塗りを施した三酢酸セルロースフィルム
支持体上に、下記に示すような組成の各層を重層塗布
し、多層カラー感光材料である試料を作製した。
【0080】(感光層組成)各層に使用する素材の主な
ものは下記のように分類されている; ExC:シアンカプラー UV :紫外線
吸収剤 ExM:マゼンタカプラー HBS:高沸点
有機溶剤 ExY:イエローカプラー H :ゼラチ
ン硬化剤 ExS:増感色素 各成分に対応する数字は、g/m2 単位で表わした塗布
量を示し、ハロゲン化銀については、銀換算の塗布量を
示す。ただし増感色素については、同一層のハロゲン化
銀1モルに対する塗布量をモル単位で示す。
【0081】 (試料101) 第1層(ハレーション防止層) 黒色コロイド銀 銀 0.18 ゼラチン 1.40 ExM−1 0.18 ExF−1 2.0×10-3
【0082】 第2層(中間層) 乳剤G 銀 0.065 2,5−ジ−t−ペンタデシルハイドロキノン 0.18 ExC−2 0.020 UV−1 0.060 UV−2 0.080 UV−3 0.10 HBS−1 0.10 HBS−2 0.020 ゼラチン 1.04
【0083】 第3層(低感度赤感乳剤層) 乳剤A 銀 0.25 乳剤B 銀 0.25 ExS−1 6.9×10-5 ExS−2 1.8×10-5 ExS−3 3.1×10-4 ExC−1 0.17 ExC−4 0.17 ExC−7 0.020 UV−1 0.070 UV−2 0.050 UV−3 0.070 HBS−1 0.060 ゼラチン 0.87
【0084】 第4層(中感度赤感乳剤層) 乳剤D 銀 0.80 ExS−1 3.5×10-4 ExS−2 1.6×10-5 ExS−3 5.1×10-4 ExC−1 0.20 ExC−2 0.050 ExC−4 0.20 ExC−5 0.050 ExC−7 0.015 UV−1 0.070 UV−2 0.050 UV−3 0.070 ゼラチン 1.30
【0085】 第5層(高感度赤感乳剤層) 表4に示した各乳剤 銀 1.40 ExC−1 0.097 ExC−2 0.010 ExC−3 0.065 ExC−6 0.020 HBS−1 0.22 HBS−2 0.10 ゼラチン 1.63
【0086】 第6層(中間層) Cpd−1 0.040 HBS−1 0.020 ゼラチン 0.80
【0087】 第7層(低感度緑感乳剤層) 乳剤C 銀 0.30 ExS−4 2.6×10-5 ExS−5 1.8×10-4 ExS−6 6.9×10-4 ExM−1 0.021 ExM−2 0.26 ExM−3 0.030 ExY−1 0.025 HBS−1 0.10 HBS−3 0.010 ゼラチン 0.63
【0088】 第8層(中感度緑感乳剤層) 乳剤D 銀 0.55 ExS−4 2.2×10-5 ExS−5 1.5×10-4 ExS−6 5.8×10-4 ExM−2 0.094 ExM−3 0.026 ExY−1 0.018 HBS−1 0.16 HBS−3 8.0×10-3 ゼラチン 0.50
【0089】 第9層(高感度緑感乳剤層) 乳剤E 銀 1.55 ExS−4 4.6×10-5 ExS−5 1.0×10-4 ExS−6 3.9×10-4 ExC−1 0.015 ExM−1 0.013 ExM−4 0.065 ExM−5 0.019 HBS−1 0.25 HBS−2 0.10 ゼラチン 1.54
【0090】 第10層(イエローフィルター層) 黄色コロイド銀 銀 0.035 Cpd−1 0.080 HBS−1 0.030 ゼラチン 0.95
【0091】 第11層(低感度青感乳剤層) 乳剤C 銀 0.18 ExS−7 8.6×10-4 ExY−1 0.042 ExY−2 0.72 HBS−1 0.28 ゼラチン 1.10
【0092】 第12層(中感度青感乳剤層) 乳剤D 銀 0.40 ExS−7 7.4×10-4 ExC−7 7.0×10-3 ExY−2 0.15 HBS−1 0.050 ゼラチン 0.78
【0093】 第13層(高感度青感乳剤層) 乳剤F 銀 0.70 ExS−7 2.8×10-4 ExY−2 0.20 HBS−1 0.070 ゼラチン 0.69
【0094】 第14層(第1保護層) 乳剤G 銀 0.20 UV−4 0.11 UV−5 0.17 HBS−1 5.0×10-2 ゼラチン 1.00
【0095】 第15層(第2保護層) H−1 0.40 B−1(直径1.7μm) 5.0×10-2 B−2(直径1.7μm) 0.10 B−3 0.10 S−1 0.20 ゼラチン 1.20
【0096】さらに、各層に適宜、保存性、処理性、圧
力耐性、防黴・防菌性、帯電防止性及び塗布性をよくす
るためにW−1ないしW−3、B−4ないしB−6、F
−1ないしF−17及び、鉄塩、鉛塩、金塩、白金塩、
イリジウム塩、ロジウム塩が含有されている。
【0097】
【表5】
【0098】表5において、 (1)乳剤A〜Fは特開平2−191938号の実施例
に従い、二酸化チオ尿素とチオスルフォン酸を用いて粒
子調製時に還元増感されている。 (2)乳剤A〜Fは特願平2−34090号の実施例に
従い、各感光層に記載の分光増感色素とチオシアン酸ナ
トリウムの存在下に金増感、硫黄増感とセレン増感が施
されている。 (3)平板状粒子の調製には特開平1−158426号
の実施例に従い、低分子量ゼラチンを使用している。 (4)平板状粒子及び粒子構造を有する正常晶粒子には
特願平2−34090号に記載されているような転位線
が高圧電子顕微鏡を用いて観察されている。
【0099】
【化15】
【0100】
【化16】
【0101】
【化17】
【0102】
【化18】
【0103】
【化19】
【0104】
【化20】
【0105】
【化21】
【0106】
【化22】
【0107】
【化23】
【0108】
【化24】
【0109】
【化25】
【0110】
【化26】
【0111】
【化27】
【0112】第5層に表4に示した各乳剤を使用した。
なお、Em−A−2、Em−B−2及びEm−C−2に
は、化学増感後、塗布する前に対応するEm−A−1、
Em−B−1及びEm−C−1に含有される増感色素を
添加した。これらの試料を40℃、相対湿度70%の条
件下に14時間放置した後、連続ウエッジを通して1/
100秒間露光し、自動現像機を用いて下記の条件にて
処理を行った。
【0113】処理工程及び処理液組成を以下に示す。 (処理工程) 工程 処理時間 処理温度 補充量* タンク容量 発色現像 3分 5秒 38.0 ℃ 600ml 17リットル 漂 白 50秒 38.0 ℃ 140ml 5リットル 漂白定着 50秒 38.0 ℃ − 5リットル 定 着 50秒 38.0 ℃ 420ml 5リットル 水 洗 30秒 38.0 ℃ 980ml 3リットル 安定(1) 20秒 38.0 ℃ − 3リットル 安定(2) 20秒 38.0 ℃ 560ml 3リットル 乾 燥 1分 60 ℃ * 補充量は感光材料1m2 当たりの量
【0114】安定液は(2)から(1)への向流方式で
あり、水洗水のオーバーフロー液は全て定着浴へ導入し
た。漂白定着浴への補充は、自動現像機の漂白槽の上部
並びに定着槽の上部に切かえを設け、漂白槽、定着槽へ
の補充液の供給により発生するオーバーフロー液の全て
が漂白定着浴に流入されるようにした。なお、現像液の
漂白工程への持込み量、漂白液の漂白定着工程への持込
み量、漂白定着液の定着工程への持込み量及び定着液の
水洗工程への持込み量は感光材料1m2 当たりそれぞれ
65ml、50ml、50ml、50mlであった。ま
た、クロスオーバーの時間はいずれも6秒であり、この
時間は前工程の処理時間に包含される。
【0115】また、各補充液はそれぞれのタンク液と同
じ液を補充した。以下に処理液の組成を示す。 (発色現像液) (単位g) ジエチレントリアミン五酢酸 2.0 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 3.3 亜硫酸ナトリウム 3.9 炭酸カリウム 37.5 臭化カリウム 1.4 沃化カリウム 1.3mg ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.4 2−メチル−4−[N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル) アミノ]アニリン硫酸塩 4.5 水を加えて 1.0リットル pH 10.05
【0116】 (漂白液) (単位g) 1,3−ジアミノプロパン四酢酸第二鉄アンモニウム一水塩 130 臭化アンモニウム 80 硝酸アンモニウム 15 ヒドロキシ酢酸 50 酢酸 40 水を加えて 1.0リットル pH(アンモニア水で調製) 4.4
【0117】(漂白定着液)上記漂白液と下記定着液の
15対85(容量比)混合液。(pH7.0)
【0118】 (定着液) (単位g) 亜硫酸アンモニウム 19 チオ硫酸アンモニウム水溶液(700g/リットル) 280ml イミダゾール 15 エチレンジアミン四酢酸 15 水を加えて 1.0リットル pH(アンモニア水、酢酸で調製) 7.4
【0119】(水洗液)水道水をH型強酸性カチオン交
換樹脂(ロームアンドハース社製アンバーライトIR−
120B)と、OH型強塩基性アニオン交換樹脂(同ア
ンバーライトIR−400)を充填した混床式カラムに
通水してカルシウム及びマグネシウムイオン濃度を3mg
/リットル以下に処理し、続いて二酸化イソシアヌール
酸ナトリウム20mg/リットルと硫酸ナトリウム150
ml/リットルを添加した。この液のpHは6.5〜7.
5の範囲にあった。
【0120】 (安定液) (単位g) p−トルエンスルフィン酸ナトリウム 0.03 ポリオキシエチレン−p−モノノニルフェニルエーテル (平均重合度10) 0.2 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.05 1,2,4−トリアゾール 1.3 1,4−ビス(1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル) ピペラジン 0.75 水を加えて 1.0リットル pH 8.5
【0121】赤感層の感度およびかぶりを測定し表6に
示す結果を得た。表6から明らかなように、シアニン色
素が化学増感時に添加されたハロゲン化銀写真乳剤に本
発明の化合物を添加することにより、顕著な感度/かぶ
り比の向上が得られた。
【0122】
【表6】
【0123】
【発明の効果】本発明によれば、シアン色素が化学増感
時またはそれ以前に添加されたハロゲン化銀乳剤におい
て感度の低下を抑制し感度/かぶり比を向上することが
できる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハロゲン化銀粒子及び下記一般式(I)
    で示される化合物を含有するハロゲン化銀写真乳剤にお
    いて、シアニン色素が化学増感時又はそれ以前に添加さ
    れたことを特徴とするハロゲン化銀写真乳剤。一般式
    (I) 【化1】 (式中、Wは水溶性基を表わし、Lは2価の連結基を表
    わし、mは3以下の正の整数を表わし、nは0または3
    以下の正の整数を表わす。Zは酸素原子及び窒素原子を
    含むヘテロ環を形成するのに必要な原子群を表わし、M
    は水素原子または金属原子を表わす。)
JP3298692A 1992-01-24 1992-01-24 ハロゲン化銀写真乳剤 Pending JPH05204081A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3298692A JPH05204081A (ja) 1992-01-24 1992-01-24 ハロゲン化銀写真乳剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3298692A JPH05204081A (ja) 1992-01-24 1992-01-24 ハロゲン化銀写真乳剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05204081A true JPH05204081A (ja) 1993-08-13

Family

ID=12374200

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3298692A Pending JPH05204081A (ja) 1992-01-24 1992-01-24 ハロゲン化銀写真乳剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05204081A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3304466B2 (ja) ハロゲン化銀写真乳剤の製造方法、乳剤及び感光材料
JP3045623B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
US7238467B2 (en) Silver halide emulsion, method of preparing the same and silver halide photosensitive material using the same
EP0369491A1 (en) Method of manufacturing silver halide emulsion
JP3364350B2 (ja) ハロゲン化銀乳剤の製造方法
JPH07199390A (ja) 写真要素及び写真方法
JPH05204081A (ja) ハロゲン化銀写真乳剤
JP3443462B2 (ja) ハロゲン化銀写真乳剤およびそれを用いた写真感光材料
JP3014235B2 (ja) ハロゲン化銀粒子形成方法及びハロゲン化銀写真感光材料の製造方法
JP4073128B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JPH07113738B2 (ja) 経時カブリ等の少ない改良されたハロゲン化銀写真感光材料
JP3045624B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
EP0378841B1 (en) Silver halide photographic light-sensitive material
JP3467350B2 (ja) ハロゲン化銀乳剤、その製造方法、この乳剤を用いた感光材料
JP2001075215A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JP2001075214A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JPH0611780A (ja) ハロゲン化銀写真乳剤及びこれを用いた写真感光材料
JP3369378B2 (ja) ハロゲン化銀写真乳剤の製造方法
JPH04355748A (ja) ハロゲン化銀撮影用カラー写真感光材料
JPH06332091A (ja) ハロゲン化銀写真乳剤の製造方法
JPH07209794A (ja) ハロゲン化銀乳剤
JP2001075218A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JP2001075216A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JPH05173273A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JPH05341420A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料