JPH05203631A - コンクリート構造物の維持管理システム - Google Patents

コンクリート構造物の維持管理システム

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JPH05203631A
JPH05203631A JP4012211A JP1221192A JPH05203631A JP H05203631 A JPH05203631 A JP H05203631A JP 4012211 A JP4012211 A JP 4012211A JP 1221192 A JP1221192 A JP 1221192A JP H05203631 A JPH05203631 A JP H05203631A
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JP
Japan
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concrete structure
sensor
concrete
detected
sensors
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Application number
JP4012211A
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English (en)
Inventor
Yuji Murakami
祐治 村上
Takako Kyogoku
孝子 京極
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Hazama Ando Corp
Original Assignee
Hazama Gumi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 コンクリート構造物の大局的な変形挙動の観
測を行なうことにより包括な維持管理を行なうことがで
きるとともに、構造物の異常箇所を容易に特定すること
のできるコンクリート構造物の維持管理システムを提供
する。 【構成】 コンクリート構造物10に配設したAEセン
サー12によりAEを検知してそのカウント数によりA
Eの基準発生パターンを求め、これと所定期間経過後に
新たに求めた当該コンクリート構造物10の発生パター
ンとを比較して、その異同からコンクリート構造物10
の異常を判定するとともに、複数のAEセンサー12に
よって検知される到達時間差からコンクリート構造物1
2の異常箇所を特定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はコンクリート構造物の維
持管理システムに関し、特に、アコースティック・エミ
ッション(以下AEとする)を測定することにより維持
管理を行なうコンクリート構造物の維持管理システムに
関する。
【0002】
【従来の技術】社会的に重要な構造物では、従来より、
構造物の異常を早期に発見してこれの破壊・崩落を防止
するための管理を行なっている。そして、例えばダム構
造等においては、これをいくつかのブロックに分けてそ
の主要箇所に歪計等の計器を埋設し、かかる計器によっ
て観測されるブロックの挙動を、予めモニタリングされ
た、温度履歴、日照時間、日射量等のダム構造の周辺の
環境に応じた変形挙動と比較し、そのデータを基に安全
を評価することによってコンクリート構造物の維持管理
を行なう方法が採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の維持管理方法では、所定のブロックの変形挙動によ
り構造物の異常を判定することになるため、その判断の
根拠が局部的なものとなり、したがって、特に、計器の
セッティングが適正でない場合には、構造物の所定領域
を包括する大局的な変形挙動の観測を行なうことができ
ないという問題があった。
【0004】また、ブロックの変形挙動が観測されて
も、その挙動がそのブロック自身の異常に起因するもの
か、その周囲のブロックの異常に起因するものかを区別
することが困難であるため、構造物の損傷部等の異常箇
所を特定することができないという問題があった。
【0005】さらに、計器には寿命がある一方で、埋設
された計器を交換することが容易でなく、したがって管
理機能を長時間保持しておくことが困難になるという問
題があった。
【0006】そこで、本発明は上記問題点を鑑みてなさ
れたもので、構造物の所定領域全体を包括して大局的な
変形挙動の観測を行なうことのできるコンクリート構造
物の維持管理システムを提供せんとする。
【0007】また、本発明は、構造物の異常箇所を容易
に特定することのできるコンクリート構造物の維持管理
システムを提供せんとする。
【0008】さらに、本発明は、計器の取付け、交換が
容易なコンクリート構造物の維持管理システムを提供せ
んとする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を鑑
みてなされたもので、その要旨は、コンクリート構造物
にAEセンサーを配設し、AEを検知してそのカウント
数を経時的に示すことにより所定条件下におけるAEの
基準発生パターンを求め、所定期間の経過後、あるいは
定期的に前記所定条件と同様の条件下における前記コン
クリート構造物のAEを検知してそのカウント数から新
たなAEの発生パターンを求め、該発生パターンを前記
基準発生パターンと比較したその異同からコンクリート
構造物の異常を判定することを特徴とするコンクリート
構造物の維持管理システムにある。
【0010】また、本発明の他の要旨は、コンクリート
構造物の所定領域、例えばコンクリート構造物の全領域
が、少なくとも3箇所のAEセンサーによって検知可能
な領域となるよう複数のAEセンサーを配設し、発生し
たAEを複数個のAEセンサーにより検知して、その検
知された到達時間差から前記発生源を特定し、発生源の
挙動を観測することを特徴とするコンクリート構造物の
維持管理システムにある。
【0011】なお、本発明に用いるAEセンサーは、コ
ンクリート中に埋設することなく、コンクリート表面に
容易に取付けることができるとともに、これを容易に交
換することができる。
【0012】ここで、AE(アコースティック・エミッ
ション)とは、固体の変形及び破壊に伴って開放される
エネルギーが、音響パルスとなって伝播する現象をい
い、コンクリート等の多くの材料は、破壊に至る以前か
らこの音響エネルギーを固体中を伝わる微弱な超音波と
して放出する。そして、AEは、これを検出するための
専用のAEセンサーで検出されて電気信号に変換され、
この電気信号によって種々の解析が行なわれる。
【0013】
【作用】本発明のコンクリート構造物の維持管理システ
ムでは、AEのカウント数を解析する。すなわち、カウ
ント数の経時的変化によって示される、維持管理すべき
構造物のAEの基準発生パターンと、かかる同一の構造
物について、所定時間の経過後あるいは定期的に計測し
て新たに求めたAEの発生パターンとを比較する。コン
クリート構造物は、日常の温度履歴、日照時間、日射量
等の周辺の環境変化により変形挙動してAEを発生し、
その発生パターンは所定の環境下において一定となる傾
向がある。一方、大きな変形挙動、ひび割れの発生及び
進展などの構造物にとって悪影響を及ぼす異常現象が生
じると、AEの発生が頻発してその発生パターンを変化
させる。したがって、本発明は、カウント数によるAE
の基準発生パターンと新たな発生パターンとを比較する
ことにより、コンクリート構造物の異常を容易に検知可
能にする。
【0014】また、本発明のコンクリート構造物の維持
管理システムでは、同一の発生源から生じるAEを少く
とも3箇所に設置したAEセンサーによって検知し、各
センサーの到達時間差を計測する。そして例えば、かか
る到達時間差から作図的にAEの発生源を求めることに
より、コンクリート構造物の異常箇所を容易に特定可能
にする。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面を基に詳細
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0016】本実施例の、コンクリート構造物の維持管
理システムは、図1(イ)及び(ロ)に示すように、ア
ーチダム10の維持管理を行なうべく採用するものであ
る。すなわち、アーチダム10は、これによって形成さ
れる貯水池11内の水位の変化によって疲労するため、
かかる疲労によって生じる、アーチダム10にとって好
ましくないひび割れや変形等の異常を本実施例の維持管
理システムによって検知する。
【0017】そして、アーチダム10の維持管理を行な
うには、図2に示すように、AEの発生に対して共振周
波数約30KHz程度のAEセンサー12を、互いに約
40mの間隔をあけて、各AEセンサー12が三角形の
頂点を形成するよう千鳥状に配設する。そして、このよ
うにAEセンサー12を配設することによって、アーチ
ダム10の全領域は、少なくとも3箇所のAEセンサー
12によってAEを検知可能となっている。なお、AE
センサー12として共振周波数約30KHz程度のもの
を用い、これを約40mの間隔をあけて配設するのは、
コンクリート及びAEセンサー12の特性を鑑みて、最
も効率的かつ経済的な組合せとなるよう設定したもので
ある。
【0018】また、本実施例に用いるAEセンサー12
は、アーチダム10に容易に取付けることができる。す
なわち、例えば図3(イ)〜(ニ)に示すように、ま
ず、アーチダム10のコンクリート表面13に、径約9
mm、深さ約5cmの孔14を孔設する((イ)参
照)。次に、孔14を水洗いにより洗浄した後に、これ
にシリコングリス15を充填する((ロ)参照)。さら
に、シリコングリス15を充填した孔14にネジ式ホー
ルインアンカー16を打ち込むとともに、該ネジ式ホー
ルインアンカー16内にさらにシリコングリス17を充
填する((ハ)参照)。そして、ネジ式のAEセンサー
12をネジ式ホールインアンカー16に装着固定する。
このように、AEセンサー12はアーチダム10に容易
に取付けることができるとともに、必要に応じて容易に
交換可能なのでその検知機能を長期間保持することがで
きる。なお、シリコングリス15,17は、AEセンサ
ー12をコンクリート表面13と密着させてAEの伝達
を良好にすべく用いるものである。
【0019】図4(イ)〜(ホ)は、本実施例によって
得られた、一日単位のAEの発生パターンにより、アー
チダム10の異常を検知する場合の一例を示すものであ
る。(イ)〜(ハ)は、前提となる構造物の環境条件を
示すもので、(イ)は温度条件を、(ロ)はアーチダム
10への負荷荷重としての水位条件を、(ハ)は日射条
件を各々示すものである。かかる条件下で測定したAE
の基準発生パターンを(ニ)に示す。そして、(イ)〜
(ハ)に示す環境条件と同一の条件下において、アーチ
ダム10が基準発生パターンと略同様の発生パターンを
有する場合には、アーチダム10は健全な状態にあるこ
とが判定される。一方前記同一の条件下における発生パ
ターンが、(ホ)に示すように基準発生パターンとは異
なる形状を示す場合には、大きな変形挙動、ひび割れの
発生及び進展等のなどのアーチダム10にとって悪影響
を及ぼす異常現象が発生していると判定される。
【0020】そして、アーチダム10に生じた異常箇所
は、そこから発生するAEを追跡して容易にその場所を
特定することができる。すなわち、図5に示すように、
3箇所のAEセンサー12により、各2箇所のAEセン
サーによって検出されるAEの到達時間差を測定する。
次に、所定の計算式によって、到達時間差から当該各2
箇所のAEセンサーについての到達時間差曲線18を算
定する。そして、各2箇所のAEセンサーについての3
本の到達時間差曲線の交点19が異常箇所として特定さ
れる。
【0021】なお、本実施例におけるアーチダム10
は、平面的な拡がりを有するため、3箇所のAEセンサ
ー12によって異常箇所を特定したが、立体的な拡がり
を有する構造物に対しても4箇所またはそれ以上のAE
センサー12を用いることにより、上述と同様の方法で
異常箇所を特定することができる。
【0022】
【発明の効果】以上のように、本発明のコンクリート構
造物の維持管理システムは、コンクリート構造物に取付
けたAEセンサーによりAEを検知して、そのカウント
数からAEの基準発生パターンを求め、該基準発生パタ
ーンと比較した当該コンクリート構造物のAEの発生パ
ターンの異同からコンクリート構造物の異常を判定する
ので、構造物の所定領域全体を包括して大局的な変形挙
動の観測を行なうことができる。
【0023】また、本発明のコンクリート構造物の維持
管理システムは、少なくとも3箇所のAEセンサーによ
ってAEの到達時間差を計測することにより、容易にA
E発生源、すなわち構造物の異常発生箇所を特定するこ
とができる。
【0024】さらに、本発明に用いるAEセンサーは、
コンクリート構造物に対して容易に取付け交換すること
ができるので、維持管理システムの検知機能を長期間保
持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(イ)は、本発明のコンクリート構造物の維持
管理システムが適用されるアーチダムを示す概略斜視図
である。(ロ)は、(イ)のA−Aに沿った断面図であ
る。
【図2】アーチダムに取付けられるAEセンサーの配置
図である。
【図3】(イ)〜(ニ)は、アーチダムにAEセンサー
を取付ける状況を示す説明図である。
【図4】AEの発生パターンを示すチャートで、(イ)
は温度条件、(ロ)は水位条件、(ハ)は日射条件、
(ニ)は基準発生パターン、(ホ)は異常な発生パター
ンを各々示すものである。
【図5】3箇所のAEセンサーによって検知されるAE
の到達時間差により、コンクリート構造物の局部的な異
常箇所を特定する状況を示す説明図である。
【符号の説明】
10 アーチダム(コンクリート構造物) 12 AEセンサー 18 到達時間差曲線 19 AE発生源

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリート構造物にAEセンサー(ア
    コースティック・エミッション・センサー)を配設し、
    AE(アコースティック・エミッション)を検知してそ
    のカウント数により所定条件下におけるAEの基準発生
    パターンを求め、前記所定条件と同様の条件下における
    前記コンクリート構造物のAEを検知してそのカウント
    数から新たにAEの発生パターンを求め、該発生パター
    ンを前記基準発生パターンと比較したその異同からコン
    クリート構造物の異常を判定することを特徴とするコン
    クリート構造物の維持管理システム。
  2. 【請求項2】 コンクリート構造物の所定領域が少なく
    とも3箇所のAEセンサーによって検知可能な領域とな
    るようAEセンサーを配設し、発生源から発生したAE
    を少なくとも3箇所のAEセンサーにより検知して、そ
    の到達時間差から前記AE発生源の位置を特定すること
    を特徴とするコンクリート構造物の維持管理システム。
JP4012211A 1992-01-27 1992-01-27 コンクリート構造物の維持管理システム Pending JPH05203631A (ja)

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JP4012211A JPH05203631A (ja) 1992-01-27 1992-01-27 コンクリート構造物の維持管理システム

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20160029252A (ko) * 2014-09-05 2016-03-15 국방과학연구소 패턴 인식을 이용한 평판 구조물의 결함 위치 탐지 방법 및 그 장치

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20160029252A (ko) * 2014-09-05 2016-03-15 국방과학연구소 패턴 인식을 이용한 평판 구조물의 결함 위치 탐지 방법 및 그 장치

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