JPH0520306Y2

JPH0520306Y2 -

Info

Publication number: JPH0520306Y2
Application number: JP1987027864U
Authority: JP
Priority date: 1987-02-25
Filing date: 1987-02-25
Publication date: 1993-05-26
Anticipated expiration: 2002-02-25
Also published as: JPS63136587U

Description

【考案の詳細な説明】産業上の利用分野この考案は、ルーパに供給される下糸に所要の
糸量を確保する下糸天秤への糸通し操作を、容易
になし得るよう改良した二重環縫いミシンの下糸
天秤カバーに関するものである。

従来技術殊に工業用ミシンにおける特殊な縫製用途に向
けて、二重環縫いミシンが好適に使用されてい
る。この二重環縫いミシンは、上糸を挿通した１
本または複数本の縫針を下降させて加工布に刺通
し、次いで上昇させる過程で該加工布の下方に形
成されるループに、下糸を挿通したルーパをくぐ
らせることにより環状の縫目を順次形成して行く
ものである。

この場合に第３図に示す如く、ミシンベツド１
０の内部にはミシン主軸により回転される下糸天
秤１２が配設され、ルーパ１４の動作と同期する
糸調子カム１６（第４図参照）により下糸１８を
捕捉して当該下糸１８を糸供給源から所定量だけ
余分に繰出し、前記ルーパ１４において必要とさ
れる下糸１８の糸量を確保するようになつてい
る。この下糸天秤１２には、これに付帯して第４
図に示す如く、糸案内２０，２０や補助テンシヨ
ン皿２２が設けられていて、縫製開始の準備の際
やその他下糸切れを生じた際に、下糸１８をこれ
ら各部材２０，２２に糸通しする必要がある。

考案が解決しようとする問題点前述した如く縫製開始の準備の際し、その他縫
製中に下糸が切れたりした場合は、下糸天秤１２
およびこれに付帯する前記糸案内２０等の各部材
に、下糸１８を掛け渡す操作を要する。この操作
の便宜のため、従来より第３図に示すように、ミ
シンベツド１０の上面における針板２４に隣接す
る加工布載置領域で、かつ前記下糸天秤１２の上
方に位置する個所に矩形状の開口部２６が開設し
てある。そして該開口部２６に開閉自在に設けた
カバー２８を開放することにより、この開口部越
しに前記一連の糸通し操作を行なうようになつて
いる。

このように開口部２６に配設したカバー２８
を、一般に「下糸天秤カバー」と称するが、従来
の下糸天秤カバー２８は、矩形状に開設した開口
部２６の長手方向に対向的に延在する両端縁部に
形成したスライド溝２６ａ，２６ｂに摺動自在に
嵌挿され、該カバー２８を右方向にスライドさせ
ることにより開口部２６を開放する構成が採用さ
れている。この下糸天秤カバーの開閉構造では、
開口部２６の手前側に前記スライド溝２６ｂを確
保するために、図示の如く水平な延出部３０を不
可欠とし、このために前述した下糸天秤１２およ
びその付帯部材２２等に下糸１８を掛ける操作が
極めて困難となる欠点があつた。

また別の構成として、下糸天秤カバーを水平に
旋回させ、これを手前側に張出させることにより
前記開口部を開放する機構も提案されているが、
これも糸通し操作に際しては、前記と同様の欠点
が指摘される。

考案の目的本考案は、前述した二重環縫いミシンにおける
下糸天秤カバーに内在している欠点に鑑み、これ
を好適に解決するべく提案されたものであつて、
下糸を下糸天秤およびこれに付帯する部材に糸通
しする一連の操作を容易になし得る、改良された
下糸天秤カバーを提供することを目的とする。

問題点を解決するための手段前記問題点を克服し、所期の目的を達成するた
め本考案は、縫針に挿通した上糸に形成されるル
ープに下糸を渡すべく動作するルーパと、このル
ーパの動きに同期して動作し、前記下糸に所要の
糸量を確保する下糸天秤とをミシンベツドの内部
に備え、前記下糸天秤の上方に位置するミシンベ
ツドに開設した開口部を被覆し得るカバーを、該
ミシンベツドに蝶番により開閉自在に枢着し、こ
の開口部を介して前記下糸天秤への下糸通しが行
なわれる二重環縫いミシンにおいて、前記ミシン
ベツドから突出片を水平に突出させて、これを前
記開口部の開口領域内に臨ませると共に、この突
出片の上面に磁石片を配設し、前記下糸天秤カバ
ーの閉成時には、前記突出片が該カバーを支持す
ると共に、前記磁石片により該カバーを磁力吸着
して安定保持するように構成したことを特徴とす
る。

実施例次に本考案に係る二重環縫いミシンの下糸天秤
カバーにつき、好適な実施例を挙げて、添付図面
を参照しながら以下説明する。第１図に示す如
く、ミシンベツド１０の内部には、前述した下糸
天秤１２およびこれに付帯する糸案内２０等の部
材が収納配置され、下糸天秤１２の上方に位置す
るベツド上面に矩形状開口部２６が開設されてい
ることは従来と同様である。

そして本考案では、この開口部２６に矩形状の
カバー３４が蝶番３６により開閉自在に枢着され
ている。すなわち、ミシンベツド１０の上面に開
設した矩形状開口部２６の内端縁部２６ｃ（図に
おいて右側）に蝶番３６が固定され、この開口部
２６を全面的に閉成可能な矩形状カバー３４が、
その一端部において前記蝶番３６に固定されて、
上方へ撥ね上げ可能になつている。

なおミシンベツド１０の手前側に設けた前板３
８は、当該ミシンベツドに対し開放可能に取付け
られるものであつて、該前板３８をベツド１０に
取付けた際にベツド上面と同一レベルとなる平坦
な表面を構成する延在部３８ａを備えている。そ
してこの延在部３８ａの一端部が、該前板３８を
ミシンベツド１０に取付けた状態において、前記
開口部２６の手前側の長手端縁部を形成するよう
に構成してある。従つて前板３８をミシンベツド
１０から手前側に開放すると、前記開口部２６
（手前側）が第２図に示すように、大きく開放さ
れるものである。

更に開口部２６の左側端縁部には、前記カバー
３４の板厚分だけ下つた個所に水平に延出する突
出片４０が設けられ、この突出片４０に磁石片４
２が埋設固定されている。そしてカバー３４を閉
成した際に、該カバーがこの磁石片４２に磁気吸
着され、これにより安定的に保持されるようにな
つている。

この構成に係る下糸天秤カバーの開閉構造によ
れば、二重環縫いミシンにおける下糸天秤１２お
よびこれに付帯する糸案内２０や補助テンシヨン
皿２２等の部材に下糸１８を通す際に、前記ミシ
ンベツド１０の開口部２６を覆つている下糸天秤
カバー３４を蝶番３６を中心として上方へ撥ね上
げるだけで、前記開口部２６が開放する。またミ
シンベツド１０に取付けた手前側前板３８の延在
部３８ａは、前述した如く前記開口部２６の手前
側における長手端縁部を画成しているが、この前
板３８を該ベツド１０から開放することによつ
て、前記開口部２６の手前側が大きく開放され
る。このように全面開放された開口部２６を介し
て、前述の糸通しを行なえばよい。

また糸通し完了後は、前記前板３８を再び閉成
し、次いで下糸天秤カバー３４を回動させて開口
部２６を閉成する。このとき開口部２６に設けた
水平突出片４０の磁石片４２に、下糸天秤カバー
３４が磁力吸着されるので、ミシン縫製作業中に
該カバー３４が振動することがなく、安定的に保
持される。

考案の効果このように本考案に係る二重環縫いミシンの下
糸天秤カバーによれば、下糸天秤等への糸通しに
際して、下糸天秤カバーを突出片に設けた磁石片
の磁力に抗して上方へ撥ね上げるだけで、ミシン
ベツドに開設した開口部が開放し、従つて該開口
部を介して下糸天秤への下糸通しを極めて容易に
なし得る。また、下糸天秤カバーを開口部に対し
て閉成する場合は、該開口部に臨む突出片が該カ
バーを支持すると共に、突出片に設けた磁石片が
該カバーを磁力吸着するので、ミシン運転時にカ
バー自体が振動することなく安定保持される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係る下糸天秤カバ
ーの開閉構造を示す斜視図、第２図は第１図に示
す二重環縫いミシンにおいて、手前側の前板をミ
シンベツドから開放して、開口部の手前側を開放
した状態を示す斜視図、第３図は一般的な二重環
縫いミシンの概略構成を示す説明図であつて、殊
にミシンベツドの内部に収納される下糸天秤やル
ーパの位置関係を示し、第４図は第３図に示す下
糸天秤に付帯する糸調子カム、糸案内その他補助
テンシヨン皿の概略を説明する要部斜視図、第５
図は下糸天秤等に下糸を掛け渡す操作の便宜のた
め、ミシンベツドの上面に開設した開口部に、下
糸天秤カバーがスライド可能に被着してある状態
を示す説明斜視図である。１０……ミシンベツド、１２……下糸天秤、１
４……ルーパ、１８……下糸、２６……開口部、
３４……下糸天秤カバー、３６……蝶番、３８…
…前板、３８ａ……延在部、４０……水平突出
片、４２……磁石片。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】縫針に挿通した上糸に形成されるループに下糸
１８を渡すべく動作するルーパ１４と、このルー
パ１４の動きに同期して動作し、前記下糸１８に
所要の糸量を確保する下糸天秤１２とをミシンベ
ツド１０の内部に備え、前記下糸天秤１２の上方
に位置するミシンベツド１０に開設した開口部２
６を被覆し得るカバー３４を、該ミシンベツド１
０に蝶番３６により開閉自在に枢着し、この開口
部２６を介して前記下糸天秤１２への下糸通しが
行なわれる二重環縫いミシンにおいて、前記ミシンベツド１０から突出片４０を水平に
突出させて、これを前記開口部２６の開口領域内
に臨ませると共に、この突出片４０の上面に磁石
片４２を配設し、前記下糸天秤カバー３４の閉成
時には、前記突出片４０が該カバー３４を支持す
ると共に、前記磁石片４２により該カバー３４を
磁石吸着して安定保持するように構成したことを
特徴とする二重環縫いミシンの下糸天秤カバー。