JPH05202282A - 硬化性組成物 - Google Patents

硬化性組成物

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JPH05202282A
JPH05202282A JP4269190A JP26919092A JPH05202282A JP H05202282 A JPH05202282 A JP H05202282A JP 4269190 A JP4269190 A JP 4269190A JP 26919092 A JP26919092 A JP 26919092A JP H05202282 A JPH05202282 A JP H05202282A
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Hiroshi Iwakiri
浩 岩切
Masayuki Fujita
雅幸 藤田
Takashi Hasegawa
敬 長谷川
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 粘度が低いため押出し性がよく、かつ良好な
チキソトロピック性(タレ性)を有する硬化性組成物を
提供すること。 【構成】 分子量分布が狭く、平均分子量が6,000
以上である反応性ケイ素基含有オキシアルキレン重合
体、脂肪酸処理炭酸カルシウム、フタル酸エステル、シ
ラン化合物、アミノシラン化合物、および硬化触媒を含
有する硬化性組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は作業性の良好な1成分型
室温硬化性の硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】水酸基および/または加水分解性基の結
合したケイ素原子を含みシロキサン結合を形成すること
により架橋し得る基(以下反応性ケイ素基という)を有
するオキシプロピレン重合体は、特開昭52−7399
8号公報、USP3,971,751などに開示されて
おり、その代表的な例は、一般式(4) X2 3Si−−(オキシプロピレン重合体)−−−SiX2 3 〔式中、X2 はメトキシ基などの加水分解基〕で表され
る重合体である。
【0003】反応性ケイ素基を有するオキシプロピレン
重合体は、室温硬化性シリコンゴムのように室温で空気
中の湿気などの作用で重合体間にシロキサン結合(Si
−O−Si)を形成することによって硬化し、ゴム状硬
化物を与える。この硬化物は優れた伸び特性、強度、接
着性などを有するため、シーラント、接着剤などの用途
に使用されている。
【0004】特にシーラントなどに使用される場合には
取扱いに便利な一液型組成物として使用されることがあ
る。一液型組成物は必要な添加物をすべて予め配合した
組成物で密閉下で保存し、使用時には空気中の水分など
によって硬化する。この重合体をシーラントとして用い
る場合カートリッジなどに充填されこれから押出すこと
により壁の隙間などに充填される。押出しや充填を容易
にするため重合体の粘度が低いことが必要であるが、他
方施工後硬化前に重合体がタレないことも必要である。
【0005】この重合体の分子量分布(Mw /Mn に対
応する)を小さくすると粘度が低下し、押出し性は良好
となるが、分子量分布の大きい重合体に比較しタレが大
きくなるという問題が生じた。特に可塑剤、脱水剤、接
着賦与剤、硬化触媒が添加された一液型組成物において
はこれら添加剤が低分子量物質であるため粘度を低下さ
せることが多く、タレの問題は特に顕著になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、分子
量分布が小さい重合体を用い、粘度が低く押出し性が良
好で、かつ施工に当たってタレの問題が生じない硬化性
組成物を提供することにある。本発明者らは、反応性ケ
イ素基を有する分子量分布が小さいオキシプロピレン重
合体を用いた一液型組成物において脂肪酸で表面処理さ
れた平均粒径0.2μm以下の炭酸カルシウムを添加す
ると押出し作業性を良好に保ったままタレを防止できる
ことを見出し本発明に到達した。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は次の発
明である。 1)(A)水酸基および/または加水分解性基の結合し
たケイ素原子を含みシロキサン結合を形成することによ
り架橋し得る基を有しMw /Mn が1.6以下で平均分
子量が6,000以上であるオキシプロピレン重合体1
00重量部、(B)脂肪酸で表面処理された平均粒径
0.5μm以下の炭酸カルシウムを少なくとも30重量
%以上含有する炭酸カルシウム100〜200重量部、
(C)フタル酸エステル系可塑剤を少なくとも5重量%
以上含有する可塑剤30〜100重量部、(D)化学式
1 Si(OCH3 3 および/またはSi(OCH2
CH3 4 で表される化合物を0.5〜10重量部(但
しR1 はアミノ基を含有しない1価の有機基)、(E)
下記一般式(1)の化合物0.5〜10重量部、(F)
有機錫系硬化触媒0.5〜5重量部を必須成分とし、
(D)+(E)成分が2重量部以上であり、(A)成分
が15〜35重量%を占めることを特徴とする硬化性組
成物。
【0008】一般式(1) R2 Si(CH3 n (OR3 3-n 但し、 R2 :少なくとも1個のアミノ基を含有する1
価の有機基 R3 :CH3 またはCH2 CH3 ; n=0または1 2)水酸基および/または加水分解性基の結合したケイ
素原子を含みシロキサン結合を形成することにより架橋
し得る基が一般式(2)
【0009】
【化4】
【0010】〔式中、R4 及びR5 は、いずれも炭素数
1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、
炭素数7〜20のアラルキル基または(R6)3 SiO−
で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R4 または
5 が2個以上存在する時、それらは同一であってもよ
く、異なっていてもよい。ここでR6 は炭素数1〜20
の1価の炭化水素基であり、3個のR6 は同一であって
もよく、異なっていてもよい。Xは水酸基または加水分
解性基を示し、Xが2個以上存在するとき、それらは同
一であってもよく、異なっていてもよい。aは0、1、
2または3を、bは0、1、または2をそれぞれ示す。
また、m個の
【0011】
【化5】
【0012】におけるbは異なっていてもよい。mは0
〜19の整数を示す。但し、a+Σb≧1を満足するも
のとする。〕で表される基である上記1)に記載の硬化
性組成物。 3)水酸基および/または加水分解性基の結合したケイ
素原子を含みシロキサン結合を形成することにより架橋
し得る基が一般式(3)
【0013】
【化6】
【0014】〔式中、R5 、X、aは前記と同じ。〕で
表される基である上記1)に記載の硬化性組成物。 4)上記1)に記載の(A)成分のオキシプロピレン重
合体の分子量が10,000以上で分子量分布をしめす
パラメータ(Mw /Mn )が1.5以下であることを特
徴とする上記1)に記載の硬化性組成物。
【0015】5)上記1)に記載の(C)成分のフタル
酸エステル系可塑剤がジ(2−エチルヘキシル)フタレ
ートである上記1)に記載の硬化性組成物。上記1)に
記載の(A)成分の反応性ケイ素基としては、一般式
(2)
【0016】
【化7】
【0017】〔式中、R4 及びR5 は、いずれも炭素数
1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、
炭素数7〜20のアラルキル基または(R6)3 SiO−
で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R4 または
5 が2個以上存在する時、それらは同一であってもよ
く、異なっていてもよい。ここでR6 は炭素数1〜20
の1価の炭化水素基であり、3個のR6 は同一であって
もよく、異なっていてもよい。Xは水酸基または加水分
解性基を示し、Xが2個以上存在するとき、それらは同
一であってもよく、異なっていてもよい。aは0、1、
2または3を、bは0、1、または2をそれぞれ示す。
また、m個の
【0018】
【化8】
【0019】におけるbは異なっていてもよい。mは0
〜19の整数を示す。但し、a+Σb≧1を満足するも
のとする。〕で表される基を例示できる。上記Xで示さ
れる加水分解性基は特に限定されず、従来公知の加水分
解性基であればよい。具体的には、例えば、水素原子、
ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキ
シメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノ
オキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基等が挙げ
られる。これらの内では、水素原子、アルコキシ基、ア
シルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド
基、アミノオキシ基、メルカプト基及びアルケニルオキ
シ基が好ましいが、加水分解性が穏やかで取扱いやすい
という観点からメトキシ基等のアルコキシ基が特に好ま
しい。
【0020】この加水分解性基や水酸基は1個のケイ素
原子に1〜3個結合することができ、(a+Σb)は1
〜5であるのが好ましい。加水分解性基や水酸基が反応
性ケイ素中に2個以上存在する場合には、それらは同一
であってもよく、異なっていてもよい。反応性ケイ素中
に、ケイ素原子は1個あってもよく、2個以上あっても
よいが、シロキサン結合等によりケイ素原子の連結され
た反応性ケイ素基の場合には、20個程度あってもよ
い。
【0021】なお、下記一般式(3)で表される反応性
ケイ素基が、入手容易の点からは好ましい。
【0022】
【化9】
【0023】〔式中、R5 、X、aは前記と同じ。〕ま
た、上記一般式(2)におけるR4 及びR5 の具体例と
しては、例えば、メチル基、エチル基などのアルキル
基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基、フェニ
ル基などのアリール基、ベンジル基などのアラルキル
基、R6 がメチル基やフェニル基などである(R6)3
iO−で示されるトリオルガノシロキシ基などが挙げら
れる。R4 、R5 、R6 としてはメチル基が特に好まし
い。
【0024】反応性ケイ素基はオキシアルキレン重合体
1分子中に少なくとも1個、好ましくは1.1〜5個存
在するのがよい。重合体1分子中に含まれる反応性ケイ
素基の数が1個未満になると、硬化性が不十分になり、
良好なゴム弾性挙動を発現しにくくなる。反応性ケイ素
基はオキシアルキレン重合体分子鎖の末端に存在しても
よく、内部に存在してもよい。反応性ケイ素基が分子鎖
の末端に存在すると、最終的に形成される硬化物に含ま
れるオキシアルキレン重合体成分の有効網目鎖量が多く
なるため、高強度、高伸びで、低弾性率を示すゴム状硬
化物が得られやすくなる。
【0025】上記1)に記載の(A)成分のオキシプロ
ピレン重合体は(Mw /Mn )が1.6以下である。ま
た、Mw /Mn が1.5以下、さらには1.4以下、特
には1.3以下の場合に本発明の効果が特に顕著であ
る。(A)成分のオキシプロピレン重合体の分子量は
6,000以上であり、好ましくは10,000以上、
さらに好ましくは15,000以上である。
【0026】上記分子量及び分子量分布をしめすパラメ
ータ(Mw /Mn )はゲル浸透クロマトグラフィーで測
定される。(A)成分のオキシプロピレン重合体は特開
平3−72527号公報などに記載されている。炭酸カ
ルシウムの種類としては、膠質、軽質、重質およびそれ
らの各種表面処理剤で処理したものが、単独もしくは併
用して使用できるが、脂肪酸で表面処理された平均粒径
0.5μm以下の炭酸カルシウムの使用が重要であり、
全使用炭酸カルシウム中少なくとも30重量%以上使用
することが必要である。同炭酸カルシウムは平均粒径
0.5μm以下好ましくは0.2μm以下で、高級脂肪
酸処理されたものが好ましい。
【0027】可塑剤としてはフタル酸エステル類が用い
られ、さらにこれに加えて脂肪族2塩基酸エステル類、
脂肪族エステル類、リン酸エステル類、エポキシ可塑剤
類、ポリエステル可塑剤類、ポリエーテル可塑剤類、ポ
リスチレン可塑剤類その他ポリブタジエン、ブタジエン
−アクリロニトリル共重合体、ポリクロロプレン、ポリ
イソプレン、ポリブテン、塩素化パラフィン類などの可
塑剤が任意に使用できる。可塑剤は押出し性などの作業
性の観点から30〜100重量部の範囲で使用する必要
がある。好ましくは50〜80重量部の範囲で使用する
必要がある。
【0028】30重量部より少ないと組成物の粘度が高
くなりすぎ用途によっては押出しなどの作業性が低下す
る。100重量部より多いと粘度が低くなりすぎタレな
どの作業性の問題が生じると共に、経時的な可塑剤の表
面への移行による各種性能への悪影響が生じる。フタル
酸エステル類可塑剤を全可塑剤中に少なくとも5重量%
以上含有されるように使用する必要があり、これによ
り、シーラント表面への塗料の密着性を高めることがで
きる。フタル酸エステル類可塑剤としてはジオクチルフ
タレートが好ましい。
【0029】貯蔵安定性を確保するためには、脱水剤で
ある(D)、(E)成分の添加が必須である。(D)成
分の具体例としては、Si(OC2H5)4、CH2=CHSi(OCH3)3
HSCH2CH2CH2Si(OCH3)3および下記〔化10〕および〔化
11〕に示された加水分解性シリコン化合物が、また
(E)成分の具体例としてはH2NCH2CH2NHCH2CH2CH2Si(O
CH3)3 、H2NCH2CH2NHCH2CH2CH2Si(CH3)(OCH3)2、(C2H
5O)3SiCH2CH2CH2NHCNHCH2CH2CH2Si(OC2H5)3などのアミ
ノ基置換アルコキシシランおよび、上記アミノ基置換ア
ルコキシシランと下記〔化10〕に示されたエポキシシ
ラン化合物との反応物またはCH2=C(CH3)C(O)OCH2CH2CH2
Si(OCH3)3 、CH2=C(CH3)C(O)OCH2CH2CH2Si(OCH2CH2OC
H3)3のようなメタクリルオキシシラン化合物との反応物
のようなアミノシラン化合物が例示でき、これらは単独
もしくは併用して使用することができる。経済性および
取扱性などよりCH2=CHSi(OCH3)3 およびCH3CH2Si(OCH3)
3 が好ましい。
【0030】
【化10】
【0031】
【化11】
【0032】これらの使用量は組成物中に含まれる水分
量によって左右されるが、通常0.5〜10重量部、好
ましくは1〜5重量部の範囲で使用できる。0.5重量
部以下の使用量では貯蔵安定性に問題を生じ、10重量
部以上の使用は硬化物のモジュラスが上がりすぎるとい
う性能上の問題が生じ、経済的にも不利となり好ましく
ない。
【0033】接着性(特にプライマーを適用していない
汎用基材に対する接着性)を確保するためには、(E)
成分の添加が必須であり、経済性及び取扱性よりH2N(CH
2)2NH(CH2)3Si(OCH3)3が好ましい。使用量は0.5〜1
0重量部、好ましくは1〜5重量部が必要であり、0.
5重量部以下では接着性能が不十分であり、10重量部
以上の使用は経済性の他に性能上もモジュラスが上がり
すぎる、耐水性が低下するなどの問題を生じるため好ま
しくない。
【0034】有機錫系硬化触媒は本組成物を短時間に硬
化させ、良好な作業性を確保するために必須の成分であ
る。同触媒としてはジブチル錫ジラウレート、ジブチル
錫マレエート、ジブチル錫ジアセテート、オクチル酸
錫、ナフテン酸錫などの錫カルボン酸塩類;ジブチル錫
オキサイドとフタル酸エステルとの反応物;ジブチル錫
ジアセチルアセトナートなどの具体的有機錫系硬化触媒
が例示できるが、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫
オキサイドとDOPとの反応生成物、ジブチル錫ジアセ
チルアセトナートが迅速硬化を行うためには好ましい。
アミン化合物をこれら錫化合物と併用して使用すること
も迅速硬化を行うために有効な手段である。アミン化合
物としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテト
ラミン、テトラエチレンペンタミン、ブチルアミン、ヘ
キシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ラウリ
ルアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエタノールア
ミン、ジブチルアミン、ジエタノールアミン、N,N,
N′,N′−テトラメチル−1,3−ブチレンジアミ
ン、ベンジルアミン、シクロヘキシルアミン、ドデカメ
チレンジアミン、ジメチルエチレンジアミン、ジメチル
アミノエタノール、N,N,N′,N′−テトラメチル
エチレンジアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチ
ルアニリン、ジメチルベンジルアミンなど具体的化合物
が例示できるが、反応性や取扱性からラウリルアミンが
好ましい。アミン化合物は通常0.1〜2重量部の範囲
で使用することが好ましい。
【0035】(A)成分を組成物中で、15〜35重量
%使用することも、本発明の目的とする各種特性の総合
化のためには重要であり、15重量%以下では接着性お
よび作業性に問題が生じ、35重量%以上では作業性の
調整が困難となり好ましくない。本発明の組成物には、
必要に応じてチキソトロピック性付与剤、紫外線吸収
剤、酸化防止剤、光安定剤、顔料などが添加できる。更
に、必要に応じて、他の硬化触媒(例えば、チタン酸エ
ステル類、オクチル酸鉛など)、接着性改良剤、物性調
整剤、保存安定性改良剤、金属不活性化剤、オゾン劣化
防止剤、アミン系ラジカル連鎖禁止剤、リン系過酸化物
分解剤、滑剤、発泡剤などの各種添加剤を適宜添加する
ことが可能である。
【0036】
【実施例】
(実施例1〜3)全末端の85%に(CH3O)2Si(CH3)CH2C
H2CH2-基を含有し、ゲル浸透クロマトグラフィーで測定
された数平均分子量が12,000(ポリスチレン換
算)、分子量分布(Mw /Mn )=1.25のポリオキ
シプロピレン重合体(重合体A)を用いて表1に示す組
成の硬化性組成物を製造し、その特性を評価した。結果
を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】表中PPGは分子量約2500のポリプロ
ピレングリコール、ノクラックNS−6(登録商標)は
大内新興化学工業(株)製ビスフェノール型ヒンダード
フェノール系酸化防止剤、TINUVIN(登録商標)
327はCIBA−GEIGY製ベンゾトリアゾール系
紫外線吸収剤、サノール(登録商標)LS−770は三
共(株)製ヒンダードアミン系光安定剤である。
【0039】硬化性組成物は錫触媒およびシリコン化合
物以外を一括して5リットルのプラミタリーミキサーに
投入し、減圧下、110℃×5時間脱水を行い、常温に
冷却後、シリコン化合物と錫触媒を添加して30分間攪
拌後カートリッジに充填することにより調製した。また
特性の評価方法は次の通りである。タレ性:垂直な目地
に配合物を充填した際のタレの程度により評価した。
【0040】A:タレが全くない。 B:タレが少しあ
る。 C:タレがある。 押出し性:配合物をカートリッジに充填し、カートリッ
ジからの内容物を容易に押出すことができるかにより評
価した。 A:容易に押出すことができる。 B:押出すことにかなりの力を要する。
【0041】塗装性:硬化物上に市販アクリル系塗料を
塗装し、碁盤目(5×5個)法で剥離し、剥離マスの個
数で判定した。 A:0/25、B:5/25以下、C:6〜20/25 D:20/25以上 貯蔵安定性:50℃×一ヶ月貯蔵後の粘度上昇率で判定
した。
【0042】A:上昇率1.5倍未満 B:上昇率1.5倍以上 接着性:2枚のガラス製テストピースの間に組成物を充
填し、硬化させた後、2枚のガラス板を手によって引っ
張り破壊させその状態により接着性を評価した。
【0043】 A:凝集破壊(Cohesive falure) B:界面破壊(Adhesive falure) (比較例1〜5)全末端の85%に(CH3O)2Si(CH3)CH2C
H2CH2-基を含有し、ゲル浸透クロマトグラフィーで測定
された数平均分子量が12,000(ポリスチレン換
算)、分子量分布(Mw /Mn )=2.0のポリオキシ
プロピレン重合体(重合体C)および重合体Aを用いて
硬化性組成物を製造し、その特性を評価した。結果を表
2に示す。
【0044】
【表2】
【0045】実施例1〜3と比較例1〜3から分子量分
布が小さい重合体を用いると押出し性が良く、かつタレ
性がよい組成物を得ることができることがわかる。比較
例4から分子量分布が小さい重合体Aを用い、脂肪酸処
理炭酸カルシウムの量が少ない場合はタレ性が悪くなる
ことがわかる。(表2)ところが分子量分布が大きい重
合体Cの場合はタレ性の悪化はない。
【0046】実施例4〜6、比較例6〜8 全末端の90%に(CH3O)2Si(CH3)CH2CH2CH2NHC(O)O- 基
を含有し、数平均分子量が20,000、分子量分布
(Mw /Mn )=1.3のポリオキシプロピレン重合体
(重合体B)、重合体Aおよび重合体Cを用いて硬化性
組成物を製造し、その特性を評価した。結果を表3およ
び表4に示す。
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】比較例6および7からフタル酸エステル系
可塑剤を用いない場合は塗装性が悪化し、(D)成分で
あるCH2=CHSi(OCH3)3 を用いない場合は貯蔵安定性が悪
化することがわかる。また、比較例8から(E)成分で
あるH2N(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH3)3を用いないと接着性が
悪くなることがわかる。
【0050】
【発明の効果】本発明により得られる硬化性組成物は押
出し性がよく、かつ良好なチキソトロピック性(タレ
性)を有し、優れたシーリング材として使用することが
できる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 83/04 LRS 8319−4J

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)水酸基および/または加水分解性
    基の結合したケイ素原子を含みシロキサン結合を形成す
    ることにより架橋し得る基を有しMw /Mn が1.6以
    下で平均分子量が6,000以上であるオキシプロピレ
    ン重合体100重量部、(B)脂肪酸で表面処理された
    平均粒径0.5μm以下の炭酸カルシウムを少なくとも
    30重量%以上含有する炭酸カルシウム100〜200
    重量部、(C)フタル酸エステル系可塑剤を少なくとも
    5重量%以上含有する可塑剤30〜100重量部、
    (D)化学式R1 Si(OCH3 3 および/またはS
    i(OCH2 CH3 4 で表される化合物を0.5〜1
    0重量部(但しR1 はアミノ基を含有しない1価の有機
    基)、(E)下記一般式(1)の化合物0.5〜10重
    量部、(F)有機錫系硬化触媒0.5〜5重量部を必須
    成分とし、(D)+(E)成分が2重量部以上であり、
    (A)成分が15〜35重量%を占めることを特徴とす
    る硬化性組成物。 一般式(1) R2 Si(CH3 n (OR3 3-n 但し、 R2 :少なくとも1個のアミノ基を含有する1
    価の有機基 R3 :CH3 またはCH2 CH3 ; n=0または1
  2. 【請求項2】 水酸基および/または加水分解性基の結
    合したケイ素原子を含みシロキサン結合を形成すること
    により架橋し得る基が一般式(2) 【化1】 〔式中、R4 及びR5 は、いずれも炭素数1〜20のア
    ルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜2
    0のアラルキル基または(R6)3 SiO−で示されるト
    リオルガノシロキシ基を示し、R4 またはR5 が2個以
    上存在する時、それらは同一であってもよく、異なって
    いてもよい。ここでR6 は炭素数1〜20の1価の炭化
    水素基であり、3個のR6 は同一であってもよく、異な
    っていてもよい。Xは水酸基または加水分解性基を示
    し、Xが2個以上存在するとき、それらは同一であって
    もよく、異なっていてもよい。aは0、1、2または3
    を、bは0、1、または2をそれぞれ示す。また、m個
    の 【化2】 におけるbは異なっていてもよい。mは0〜19の整数
    を示す。但し、a+Σb≧1を満足するものとする。〕
    で表される基である請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. 【請求項3】 水酸基および/または加水分解性基の結
    合したケイ素原子を含みシロキサン結合を形成すること
    により架橋し得る基が一般式(3) 【化3】 〔式中、R5 、X、aは前記と同じ。〕で表される基で
    ある請求項1に記載の硬化性組成物。
  4. 【請求項4】 (A)成分のオキシプロピレン重合体の
    分子量が10,000以上で分子量分布をしめすパラメ
    ータ(Mw /Mn )が1.5以下であることを特徴とす
    る請求項1に記載の硬化性組成物。
  5. 【請求項5】 フタル酸エステル系可塑剤がジ(2−エ
    チルヘキシル)フタレートである請求項1に記載の硬化
    性組成物。
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