JP3002924B2 - 硬化性組成物 - Google Patents

硬化性組成物

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JP3002924B2
JP3002924B2 JP4114318A JP11431892A JP3002924B2 JP 3002924 B2 JP3002924 B2 JP 3002924B2 JP 4114318 A JP4114318 A JP 4114318A JP 11431892 A JP11431892 A JP 11431892A JP 3002924 B2 JP3002924 B2 JP 3002924B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は反応性ケイ素基含有ポリ
オキシアルキレン重合体を含む室温硬化性組成物に関す
る。特に本発明は優れた復元性を示す硬化物を提供する
室温硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】大気中常温で、湿気に曝露するとゴム状
物質へと硬化し得る反応性ケイ素基含有ポリオキシアル
キレン重合体を含む硬化性組成物は、低粘度でかつチキ
ソトロピックな液状組成物で取扱し易い上、保存安定性
がよく、硬化時硬化速度が速くまたガス等が発生せず、
硬化物は適度の粘弾性的強度を有し、被接着体に対する
接着性を有するので、接着剤や特に建物や輸送機器等の
接合部のシーリング材として広く使用されている。
【0003】上記反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキ
レン重合体を含む硬化性組成物は、建物用弾性シーラン
トや輸送機器等の接合部のシーリング材としてすき間
(目地)の封止に用いられた場合、目地へ注入する時は
液状で注入され、注入後硬化してゴム状の硬化物とな
る。この硬化物には種々の特性が要求されるが、構造体
の相互伸縮等によって、硬化体が圧縮された状態に保た
れた後圧縮を解除された時、元の状態に復元する特性
(復元性)がよいことが特に要求される特性である。上
記硬化性組成物の硬化物の復元性を改良するために、特
開昭55−9669号明細書には硬化触媒としてII価の
錫有機カルボン酸塩及び/又はII価の鉛有機カルボン酸
塩、及び必要に応じて酸性物質又は塩基性物質を併用す
る方法が記述されているがさらに改良が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、良好
な粘弾性的強度を有し、接着性にも優れた硬化物を生成
する反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン重合体を
含む2成分型硬化性組成物において、特に優れた復元性
を有する硬化物を生成する硬化性組成物を提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題は、(A)反応
性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン重合体であって
(Mw /Mn )が1.5以下で数平均分子量10,00
0以上である重合体100重量部、(B)平均粒径1μ
m以上の炭酸カルシウム及び(C)平均粒径0.2μm
以下の炭酸カルシウムの合計量100〜200重量部、
(D)フタル酸エステル系可塑剤40〜80重量部、
(E)II価の錫系硬化触媒0.5〜7重量部及び(F)
エポキシ基含有化合物2〜40重量部を含有し、上記
(B)成分と(C)成分の合計量中(B)成分が10〜
70重量%、(A)成分が全組成物中15〜35重量%
を占めることを特徴とする硬化性組成物を提供すること
によって達成される。
【0006】上記硬化性組成物が作業性、保存性、及び
硬化物が強度、伸びなどのその他の必要特性において満
足するものであることはいうまでもない。本発明でいう
反応性ケイ素基は特に限定されるものではないが、代表
的なものを示すと、例えば、下記一般式(1)で表され
る基が挙げられる。
【0007】
【化1】
【0008】〔式中、R1 及びR2 は、いずれも炭素数
1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、
炭素数7〜20のアラルキル基または(R3)3 SiO−
で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R1 または
2 が2個以上存在する時、それらは同一であってもよ
く、異なっていてもよい。ここでR3 は炭素数1〜20
の1価の炭化水素基であり、3個のR3 は同一であって
もよく、異なっていてもよい。Xは水酸基または加水分
解性基を示し、Xが2個以上存在するとき、それらは同
一であってもよく、異なっていてもよい。aは0、1、
2または3を、bは0、1、または2をそれぞれ示す。
また、m個の下記〔化2〕基におけるbは異なっていて
もよい。mは0〜19の整数を示す。但し、a+Σb≧
1を満足するものとする。〕
【0009】
【化2】
【0010】上記Xで示される加水分解性基は特に限定
されず、従来公知の加水分解性基であればよい。具体的
には、例えば、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ
基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、ア
ミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、
アルケニルオキシ基等が挙げられる。これらの内では、
水素原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメ
ート基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカ
プト基及びアルケニルオキシ基が好ましいが、加水分解
性が穏やかで取扱いやすいという観点からメトキシ基等
のアルコキシ基が特に好ましい。
【0011】この加水分解性基や水酸基は1個のケイ素
原子に1〜3個結合することができ、(a+Σb)は1
〜5であるのが好ましい。加水分解性基や水酸基が反応
性ケイ素中に2個以上存在する場合には、それらは同一
であってもよく、異なっていてもよい。反応性ケイ素基
中に、ケイ素原子は1個あってもよく、2個以上あって
もよいが、シロキサン結合等によりケイ素原子の連結さ
れた反応性ケイ素基の場合には、20個程度あってもよ
い。なお、下記一般式(2)で表される反応性ケイ素基
が、入手容易の点からは好ましい。
【0012】
【化3】
【0013】〔式中、R2 、X,aは前記と同じ。〕ま
た、上記一般式(1)におけるR1 及びR2 の具体例と
しては、例えば、メチル基、エチル基などのアルキル
基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基、フェニ
ル基などのアリール基、ベンジル基などのアラルキル
基、R3 がメチル基やフェニル基などである(R3)3
iO−で示されるトリオルガノシロキシ基などが挙げら
れる。R1 、R2 、R3 としてはメチル基が特に好まし
い。反応性ケイ素基はオキシアルキレン重合体1分子中
に少なくとも1個、好ましくは1.1〜5個存在するの
がよい。重合体1分子中に含まれる反応性ケイ素基の数
が1個未満になると、硬化性が不十分になり、良好なゴ
ム弾性挙動を発現しにくくなる。
【0014】反応性ケイ素基はオキシアルキレン重合体
分子鎖の末端に存在してもよく、内部に存在してもよ
い。反応性ケイ素基が分子鎖の末端に存在すると、最終
的に形成される硬化物に含まれるオキシアルキレン重合
体成分の有効網目鎖量が多くなるため、高強度、高伸び
で、低弾性率を示すゴム状硬化物が得られやすくなる。
【0015】本発明の(A)成分における重合主鎖を構
成するオキシアルキレン重合体は、 一般式(3): −(R−O)n − (式中、Rは炭素数1〜4の2価のアルキレン基)で表
されるものが使用できるが、入手の容易さの点からは下
記一般式(4)で表される繰り返し単位を有するオキシ
プロピレン重合体が好ましい。 一般式(4):−CH(CH3 )CH2 O− 上記オキシプロピレン重合体は、直鎖状であっても分枝
状であってもよく、或いは、これらの混合物であっても
よい。また、他の単量体等が含まれていてもよいが、上
記一般式(4)で表される単量体単位が重合体中に50
重量%以上、好ましくは80重量%以上存在することが
好ましい。
【0016】本発明の(A)成分である反応性ケイ素基
含有オキシアルキレン重合体は、官能基を有するオキシ
アルキレン重合体に反応性ケイ素基を導入することによ
って得るのが好ましい。高分子量で分子量分布が狭く、
官能基を有するオキシアルキレン重合体は、オキシアル
キレンの通常の重合法(苛性アルカリを用いるアニオン
重合法)やこの重合体を原料とした鎖延長反応方法によ
って得りことは極めて困難であるが、通常のアニオン重
合よりは特殊な重合法である特開昭61−197631
号公報、特開昭61−215622号公報、特開昭61
−215623号公報、特開昭61−218632号公
報、特公昭46−27250号公報及び特公昭59−1
5336号公報に記載された方法により得ることができ
る。なお、反応性ケイ素基含有オキシアルキレン重合体
の分子量分布は、対応する反応性ケイ素基を導入前の重
合体の分子量分布に依存するため、導入前の重合体の分
子量分布はできるだけ狭いことが好ましい。
【0017】反応性ケイ素基を導入は公知の方法で行え
ばよい。すなわち、例えば以下の方法が挙げられる。 (1)末端に水酸基等の官能基を有するオキシアルキレ
ン重合体と、この官能基に対して反応性を示す活性基及
び不飽和基を有する有機化合物を反応させるか、若しく
は不飽和基含有エポキシ化合物との共重合により、不飽
和基含有オキシアルキレン重合体を得る。次いで、得ら
れた反応生成物に反応性ケイ素基を有するヒドロシラン
を作用させてヒドロシリル化する。 (2)(1)法と同様にして得られた不飽和基含有オキ
シアルキレン重合体にメルカプト基及び反応性ケイ素基
を有する化合物を反応させる。 (3)末端に水酸基、エポキシ基やイソシアネート基等
の官能基(以下、Y1官能基という)を有するオキシア
ルキレン重合体に、このY1 官能基に対して反応性を示
す官能基(以下、Y2 官能基という)及び反応性ケイ素
基を有する化合物を反応させる。
【0018】このY2 官能基を有するケイ素化合物とし
ては、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメ
トキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピ
ルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエ
トキシシランなどのようなアミノ基含有シラン類;γ−
メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプ
トプロピルメチルジメトキシシランなどのようなメルカ
プト基含有シラン類;γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシランなどのようなエポキシシ
ラン類;ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイ
ルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイ
ルオキシプロピルメチルジメトキシシランなどのような
ビニル型不飽和基含有シラン基;γ−クロロプロピルト
リメトキシシランなどのような塩素原子含有シラン類;
γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−
イソシアネートプロピルメチルジメトキシシランなどの
ようなイソシアネート含有シラン類;メチルジメトキシ
シラン、トリメトキシシラン、メチルジエトキシシラン
などのようなハイドロシラン類などが具体的に例示され
得るが、これらに限定されるものではない。以上の方法
の中で、(1)の方法、または(3)のうち末端に水酸
基を有する重合体とイソシアネート基及び反応性ケイ素
基を有する化合物を反応させる方法、が好ましい。
【0019】本発明の(A)成分である重合体は、数平
均分子量(Mn )が10,000以上でかつMw /Mn
が(重量平均分子量と数平均分子量との比)が1.5以
下であるが、Mn は10,000〜30,000が好ま
しく、Mw /Mn は1.5以下が好ましい。分子量分布
は各種の方法で測定可能であるが、通常ゲル浸透クロマ
トグラフィ(GPC)法での測定が一般的である。平均
分子量もGPC法での測定が便利であり、本発明におい
てはこの方法で測定している。本組成物は反応性ケイ素
含有ポリオキシアルキレン重合体を15〜35重量%含
有していることが必須であり、15重量%以下では十分
な耐久性が得られず、35重量%以上では組成物の作業
性のコントロールが難しく、また経済性も損なわれるた
め好ましくない。
【0020】本発明には上記(B)成分として、粒径1
μm以上の炭酸カルシウムを用いる。このような炭酸カ
ルシウムを用いることによって、硬化体の復元性が改善
される。(B)成分炭酸カルシウムの平均粒径としては
1〜5μmが好ましく、また脂肪酸等によって表面処理
されていてもよい。(B)成分炭酸カルシウムとなる炭
酸カルシウムとしては重質炭酸カルシウムが例示でき、
サンライト# 100、# 300(以上竹原化学工業)、
NS# 100、# 200、# 400、# 600、# 10
00、NN# 500、SS80(以上日東粉化工業)、
EC−1、5、MCコートP−13、S−13、スノー
ライトSS、SSS、Mホワイト、スーパー# 150
0、# 1700、# 2000、# 2300(以上丸尾カ
ルシウム)、ホワイトンSB、P−10、20、30、
40、50、(以上白石カルシウム)として市販されて
いる。
【0021】本発明には上記(C)成分として平均粒径
0.2μm以下の炭酸カルシウムを用いる。このような
炭酸カルシウムを用いることにより作業時にタレ等のな
い硬化性組成物を得ることができる。平均粒径としては
0.01〜0.15μmが好ましい。また、脂肪酸、樹
脂酸、リグニン等の有機酸、特に脂肪酸によって表面処
理された炭酸カルシウムが好ましい。(C)成分となる
炭酸カルシウムとしては、白艶華O、カルモス、白艶華
CC、白艶華CCR、VIGOT−15等の商品名で市
販されているものが例示される。
【0022】炭酸カルシウムは(B)成分と(C)成分
の合計として100〜200重量部の範囲で使用する。
100重量部未満では組成物の粘性のコントロールが困
難であり、経済的にも不利となる。200重量部以上で
は、組成物の粘度が上がり作業性が低下すると共に耐久
性も低下するので好ましくない。(B)成分と(C)成
分の合計中(B)成分としては10〜70重量%、好ま
しくは20〜60重量%存在することが必要である。1
0重量%以下では硬化体の復元性が十分でなく、70重
量%以上では作業時にタレ等が発生する組成物となる。
【0023】フタル酸エステル系可塑剤は、40〜80
重量部で使用する必要がある。40重量部以下では組成
物の粘度が高くなりすぎ押し出し性などの作業性に支障
をきたす。80重量部以上の使用は可塑剤のブリードに
よる経時的な物性変化が大きく、また表面に塗料を塗布
した場合に、塗料の変質を生じたりするため好ましくな
い。
【0024】フタル酸エステル系可塑剤としてはDO
P、DBP、BBP等が例示できるが、DOPが特に好
ましい。フタル酸エステル系可塑剤と共に使用できる可
塑剤としてアジピン酸ジオクチル、コハク酸イソデシ
ル、セバシン酸ジブチルなどの如き脂肪族二塩基酸エス
テル類;ジエチレングリコールジベンゾエート、ペンタ
エリスリトールエステルなどの如きグリコールエステル
類;オレイン酸ブチル、アセチルリシノール酸メチルな
どの如き脂肪族エステル類;リン酸トリクレジル、リン
酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニルなどの如き
リン酸エステル類;エポキシ化大豆油、エポキシ化アマ
ニ油、エポキシステアリン酸ベンジルなどの如きエポキ
シ可塑剤類;2塩基酸と2価アルコールとのポリエステ
ル類などのポリエステル系可塑剤;ポリプロピレングリ
コールやその誘導体などのポリエーテル類;ポリ−α−
メチルスチレン、ポリスチレンなどのポリスチレン類;
ポリブタジエン、ブタジエン−アクリロニトリル共重合
体、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、ポリブテン、
塩素化パラフィン類などの可塑剤が例示できる。
【0025】II価の錫系硬化触媒は、硬化速度と耐久性
の両特性に影響する重要な配合剤であり、オクチル酸
錫、ラウリン酸錫、フェルザチック酸錫等が例示できる
が特にオクチル酸錫が好ましい。オクチル酸錫が0.5
重量部未満では硬化速度が遅過ぎ作業性の問題が生じ
る。7重量部より多い使用は、耐久性、特に繰り返し疲
労特性、復元性に悪影響を与えるため好ましくない。
【0026】II価の錫系硬化触媒単独で硬化速度が不十
分の場合は助触媒としてアミン化合物を使用することが
できる。アミン化合物としてはジエチレントリアミン、
トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、
ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシ
ルアミン、ラウリルアミン、ヘキサメチレンジアミン、
トリエタノールアミン、ジブチルアミン、ジエタノール
アミン、N,N,N′,N′−テトラメチル−1,3−
ブタンジアミン、ベンジルアミン、シクロヘキシルアミ
ン、ドデカメチレンジアミン、ジメチルエチレンジアミ
ン、ジメチルアミノエタノール、N,N,N′,N′−
テトラメチルエチレンジアミン、トリエチルアミン、
N,N−ジメチルアニリン、ジメチルベンジルアニリン
などが例示できるがその活性等から1級アミンが好まし
く、取扱性等からラウリルアミンが特に好ましい。
【0027】本発明の組成物においては復元性を高める
ために、(F)成分として1分子中にエポキシ基を含有
する化合物を使用する。同化合物は具体的にはエポキシ
化不飽和油脂類、エポキシ化不飽和脂肪酸エステル類、
脂環族エポキシ化合物類、エピクロルヒドリン誘導体に
示す化合物及びそれらの混合物等が例示できる。 具体
的には、エポキシ化大豆油、エポキシ化あまに油、ジ−
(2−エチルヘキシル)4,5−エポキシシクロヘキサ
ン−1,2−ジカーボキシレート(E−PS)、エポキ
シオクチルステアレ−ト、エポキシブチルステアレ−ト
等があげられる。これらのなかではE−PSが特に好ま
しい。
【0028】本発明の組成物には、炭酸カルシウム以外
の充填剤を添加してもよい。このような充填剤として
は、フュームシリカ、沈降性シリカ、無水ケイ酸、含水
ケイ酸、カーボンブラック、炭酸マグネシウム、ケイソ
ウ土、焼成クレー、クレー、タルク、酸化チタン、ベン
トナイト、有機ベントナイト、酸化第2鉄、酸化亜鉛、
活性亜鉛華、シラスバルーン、石綿、ガラス繊維が例示
される。
【0029】組成物にチキソトロピック性を付与するた
めに、各種揺変剤を添加することができる。揺変剤とし
ては、水添ひまし油、アマイドワックス、ステアリン酸
アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸
亜鉛、微粉末シリカ、有機ベントナイトが例示できるが
特に水添ひまし油が好ましい。水添ひまし油の場合は
0.5〜7重量部の範囲で使用することが好ましい。耐
久性、特に表面耐候性を高めるために、紫外線吸収剤を
使用することもできる。紫外線吸収剤としてはベンゾフ
ェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチレート系、置
換トリル系及び金属キレート系化合物等が例示できる
が、特にベンゾトリアゾール系が好ましい。
【0030】同様の目的で、酸化防止剤を使用すること
も有効である。酸化防止剤としてはヒンダードフェノー
ル系、モノフェノール系、ビスフェノール系、ポリフェ
ノール系が例示できるが、特にヒンダードフェノール系
が好ましい。同様に、チヌビン622LD,チヌビン144; CHI
MASSORB944LD,CHIMASSORB119FL(以上いずれも日本チバ
ガイギー株式会社製); MARK LA-57,MARK LA-62,MARK L
A-67,MARK LA-63,MARK LA-68(以上いずれもアデカアー
ガス化学株式会社製); サノールLS-770, サノールLS-7
65, サノールLS-292, サノールLS-2626,サノールLS-111
4,サノールLS-744(以上いずれも三共株式会社製)に示
されたヒンダードアミン系光安定剤を使用することもで
きる。
【0031】1分子中に少なくとも2個以上のアクリル
またはメタクリル官能基を含有する化合物を添加するこ
とも表面耐候性を高めるために有効である。具体的には
下記に示す化合物、例えば特殊アクリレート(2官能)
のアロニックスM-210,アロニックスM-215,アロニックス
M-220,アロニックスM-233,アロニックスM-240,アロニッ
クスM-245; (3官能)のアロニックスM-305,アロニック
スM-309,アロニックスM-310,アロニックスM-315,アロニ
ックスM-320,アロニックスM-325,及び(多官能)のアロ
ニックスM-400 などが例示できるが、特にアクリル官能
基を含有する化合物が好ましく、また1分子中に平均し
て3個以上の同官能基を含有する化合物が好ましい。
(以上アロニックスはいずれも東亜合成化学工業株式会
社の製品である。)
【0032】同化合物は0.5〜10重量部の範囲で使
用するのがよく、0.5重量部以下では耐候性を高める
効果はなく、10重量部以上では硬化物が硬くなりすぎ
て、ヒビ割れを生じるため好ましくない。以下に本発明
の一層の理解のために実施例を示すが、本発明はこれら
実施例によって制限されることはない。
【0033】
【実施例】(実施例1)(比較例1及び2) 全末端の85%に(CH3 O)2 Si(CH3 )CH2
CH2 CH2 −基を含有し、ゲル浸透クロマトグラフィ
ーで測定された数平均分子量が10,000、分子量分
布(Mw /Mn )が1.3(高速GPC:東ソー製GP
C(HLC8020)によりカラムとしてTSKゲルG
3000HとG4000Hを直列に接続したもの、溶媒
としてTHF、測定温度として40.0℃、測定時溶媒
流量として1.0ml/min、試料溶液として0.0
5gの試料を10ccのTHFに溶解したものを使用し
て測定)のポリオキシプロピレン重合体(重合体A)を
用いて表1に示した配合剤と混合して硬化性組成物を製
造し、この組成および硬化物の特性を評価した。結果を
表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】表中の特性の評価方法は以下の通りであ
る。(表2、表3も同じ) *作業性:カートリッジからの押出し性とヘラ切れ性
を測定。 *復元性:硬化物を90℃30%7日間圧縮し、圧解
除後の復元性を測定。 *サンシャインWOM:サンシャインWOMで硬化物
試料シートの表面を照射しクラックが発生するまでの照
射時間を測定。なお、特性の欄の「◎」は「きわめて良い」;「○」は
「良い」;「×」は「悪い」を意味するものとする。
【0036】(実施例2)(比較例3) 全末端の85%に(CH3 O)2 Si(CH3 )CH2
CH2 CH2 −基を含有し、ゲル浸透クロマトグラフィ
ーで測定(測定条件は上記に同じ)された数平均分子量
が17,000、分子量分布(Mw /Mn )=1.3の
ポリオキシプロピレン重合体(重合体B)を用いて硬化
性組成物を製造し、その特性を評価した。結果を表2に
示す。
【0037】
【表2】
【0038】(実施例3)(比較例4及び5) 全末端の90%に(CH3 O)2 Si(CH3 )CH2
CH2 CH2 NHC(O)O−基を含有し、ゲル浸透ク
ロマトグラフィーで測定された数平均分子量が20,0
00、分子量分布(Mw /Mn )=1.4のポリオキシ
プロピレン重合体(重合体C)を用いて硬化性組成物を
製造し、その特性を評価した。結果を表3に示す。
【0039】
【表3】
【0040】
【発明の効果】本発明により得られる硬化性組成物は、
建築用、自動車用をはじめ各種用途に、特に復元性に優
れ、かつ良好な耐久性と作業性を兼備したシーリング材
もしくは接着剤として使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08K 5/57 C08K 5/57

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)反応性ケイ素基含有ポリオキシア
    ルキレン重合体であって(Mw /Mn )が1.5以下で
    数平均分子量が10,000以上である重合体100重
    量部、(B)平均粒径1μm以上の炭酸カルシウム及び
    (C)平均粒径0.2μm以下の炭酸カルシウムの合計
    量100〜200重量部、(D)フタル酸エステル系可
    塑剤40〜80重量部、(E)II価の錫系硬化触媒0.
    5〜7重量部及び(F)エポキシ基含有化合物2〜40
    重量部を含有し、上記(B)成分と(C)成分の合計量
    中(B)成分が10〜70重量%、(A)成分が全組成
    物中15〜35重量%を占めることを特徴とする硬化性
    組成物。
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