JP2005272540A - 硬化性組成物 - Google Patents

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正人 日下部
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和男 増田
Satoshi Imai
聡 今井
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Abstract

【課題】シーラントや接着剤として改良された硬化速度を有する硬化性組成物を提供する。
【解決手段】分子鎖末端に加水分解性シリル基を有する有機重合体(A)に、錫塩を形成するカルボキシ基に隣接する炭素が4級炭素であるジアルキル錫ジカルボキシレート(B)とアミン化合物(C)とを配合する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、末端に加水分解性シリル基を有する有機重合体を含有する硬化性組成物に関する。
末端に加水分解性シリル基を有する有機重合体の硬化触媒としては、錫系の化合物が好適に使用されている。なかでも、硬化速度が速く接着性も良好なものとして、ジブチル錫ジアセチルアセトナート等の触媒が提案され(例えば、特許文献1参照。)、広く使用されている。
一方、錫系化合物としては、ジアルキル錫ジカルボキシレートが汎用品として知られており、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジマレエート、ジブチル錫フタレート等が代表例である。しかし、これら錫系化合物の加水分解性シリル基を有する有機重合体に対する触媒活性は十分満足できるものとはいえなかった。そこで、ジブチル錫ジラウレートに対し、アミン系化合物であるラウリルアミンを添加することにより、硬化速度を速くすることが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、実用的な観点からは、まだ十分満足する結果が得られていない。
特開昭61−141761号公報
本発明の目的は、改良された硬化速度を有する、シーラントや接着剤として有用な硬化性組成物を提供することにある。
上記課題を解決するために、加水分解性シリル基を有する有機重合体の硬化触媒として、錫塩を形成するカルボキシ基に隣接する炭素が4級炭素であるジアルキル錫ジカルボキシレートとアミン化合物とを併用することにより、硬化速度が改善されることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、末端に加水分解性シリル基を有する有機重合体(A)、錫塩を形成するカルボキシ基に隣接する炭素が4級炭素であるジアルキル錫ジカルボキシレート(B)、およびアミン化合物(C)を含有することを特徴とする硬化性組成物を提供する。
上記成分(A)の有機重合体の主鎖構造は、ポリエーテル系重合体、飽和炭化水素系重合体、(メタ)アクリル酸エステル系重合体からなる群から選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。また、ポリエーテル系重合体は、ポリオキシアルキレン系重合体であることが好ましく、ポリオキシアルキレン系重合体は、ポリオキシプロピレン系重合体であることが好ましい。
本発明に係る硬化性組成物は、成分(A)100質量部に対して成分(B)を2〜10質量部の割合で、成分(B)1モルに対して成分(C)を0.01〜0.5モルの割合で含有することが好ましく、成分(A)100質量部に対して成分(B)を4〜10質量部の割合で、成分(B)1モルに対して成分(C)を0.01〜0.5モルの割合で含有することがさらに好ましい。
本発明により、硬化速度が改良された、シーラントや接着剤等として有用な硬化性組成物を提供できる。
本発明の加水分解性シリル基を有する有機重合体の加水分解性シリル基は、水酸基や加水分解性基が結合しているケイ素原子を含有する基で、シラノール縮合反応により架橋可能な基であり、特に限定されるものではない。代表的なものを示すと例えば、一般式(1):
−(Si(R 2−b)(X)O)Si(R3−a (1)
(式中、RおよびRはいずれも炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基または(RSiO−で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、RまたはRが2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。ここでRは炭素数1〜20の1価の炭化水素であり3個のRは同一であってもよく、異なっていてもよい。Xは水酸基または加水分解性基を示し、Xが2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく異なっていてもよい。aは0、1、2または3を、bは0、1または2をそれぞれ示す。また、m個の−(Si(R 2−b)(X)O)−基におけるbについて、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。mは0〜19の整数を示す。ただし、a+Σb≧1を満足するものとする。)で表される基が挙げられる。
およびRの具体例としては、例えばメチル基、エチル基等のアルキル基、フェニル基等のアリール基が挙げられるが、メチル基が特に好ましい。
Xのうち加水分解性基は特に限定されず、従来公知の加水分解性基であればよく、具体的には例えば、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基等が挙げられる。これらのうち、加水分解性が穏やかで取扱い易いという点でメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基等のアルコキシ基が好ましい。
この水酸基や加水分解性基は1個のケイ素原子に1〜3個結合することができ、(a+Σb)は1〜5であることが好ましい。水酸基や加水分解性基が加水分解性シリル基中に2個以上存在する場合には、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。
加水分解性シリル基中のケイ素原子の数は1個でもよく2個以上でもよいが、シロキサン結合等によりケイ素原子の連結された加水分解性シリル基の場合には20個程度でもよい。
なお、加水分解性シリル基としては、入手性の容易さから、下記一般式(2):
−Si(R3−a (2)
(式中、R、X、aは一般式(1)と同じ)で表される基が好ましく、具体的には、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリイソプロポキシシリル基、ジメトキシメチルシリル基、ジエトキシメチルシリル基、ジイソプロポキシメチルシリル基等が挙げられる。活性が高く良好な硬化性が得られることから、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、ジメトキシメチルシリル基がより好ましく、トリメトキシシリル基が特に好ましい。また、貯蔵安定性の点からはジメトキシメチルシリル基が特に好ましい。
加水分解性シリル基は、有機重合体中に平均で少なくとも1個、好ましくは1.1〜5個存在することがよい。重合体1分子中に含まれる加水分解性シリル基の数が平均で1個未満になると硬化性が不十分になり、良好なゴム弾性を発現し難くなる。また、その数が平均で5個を越える場合には、得られる硬化物の伸びが小さくなる場合がある。
加水分解性シリル基は有機重合体の分子鎖末端に存在していてもよく、内部に存在していてもよいが、加水分解性シリル基が分子鎖末端に存在すると、高強度、高伸びで低弾性率を示すゴム状硬化物が得られ易くなるのでより好ましい。
加水分解性シリル基を有機重合体中に導入する方法としては、特に限定されず、種々の方法を用いることができる。例えば、1分子中に一般式(3):
C=C(R)−R−O− (3)
(式中、Rは水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、Rは炭素数1〜20の2価の有機基)で表される不飽和基を末端に有する有機重合体と、一般式(4):
H−(Si(R 2−b)(X)O)Si(R3−a (4)
(式中、R、R、X、a、b、mは一般式(1)と同じ)で表される加水分解性シリル基含有化合物とを、8族遷移金属触媒の存在下で反応させる方法が好ましい。
そのほか、水酸基末端有機重合体への加水分解性シリル基含有イソシアネート化合物の添加や、イソシアネート基末端有機重合体と加水分解性シリル基含有アミン化合物との反応によっても得ることができる。
末端に一般式(3)で表される不飽和基を有する有機重合体の製造法としては、従来公知の方法を用いればよく、例えば水酸基末端有機重合体に不飽和結合を有する化合物を反応させて、エーテル結合、エステル結合、ウレタン結合、カーボネート結合等により結合させる方法等が挙げられる。例えば、エーテル結合により不飽和基を導入する場合は、有機重合体の水酸基末端のメタルオキシ化により−OM(MはNaまたはK等)を生成させた後、一般式(5):
C=C(R)−R−Y (5)
(式中、R、Rは一般式(3)と同じ、Yはハロゲン原子)で表される不飽和基含有ハロゲン化合物を反応させる方法が挙げられる。
一般式(5)で表される不飽和基含有化合物の具体例として、例えば、HC=CH−CH−Cl、HC=C(CH)−CH−Cl等が挙げられる。
8族遷移金属触媒の具体例としては、例えば、HPtCl・HO、白金−ビニルシロキサン錯体、白金−オレフィン錯体等を挙げることができる。
このような製造方法は、例えば、特許第1247613号公報、特公平3−31726号公報、WO03−15536号公報、特開平3−72527号公報等に記載されている。
本発明に用いる加水分解性シリル基を有する有機重合体の主鎖構造は特に限定されるものではなく、各種の主鎖構造を持つものを使用することができる。
例えば、具体的に例示すると、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン、ポリオキシテトラメチレン、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシプロピレン−ポリオキシブチレン共重合体等のポリエーテル系重合体;エチレン−プロピレン系共重合体、ポリイソブチレン、イソブチレンとイソプレン等との共重合体、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、イソプレンあるいはブタジエンとアクリロニトリルおよび/またはスチレン等との共重合体、ポリブタジエン、イソプレンあるいはブタジエンとアクリロニトリルおよびスチレン等との共重合体、これらのポリオレフィン系重合体に水素添加して得られる水添ポリオレフィン系重合体等の炭化水素系重合体;アジピン酸等の2塩基酸とグリコールとの縮合、または、ラクトン類の開環重合で得られるポリエステル系重合体;エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等のモノマーをラジカル重合して得られる(メタ)アクリル酸エステル系共重合体;(メタ)アクリル酸エステル系モノマー、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン等のモノマーをラジカル重合して得られるビニル系重合体;前記有機重合体中でのビニルモノマーを重合して得られるグラフト重合体;ポリサルファイド系重合体;ε−カプロラクタムの開環重合によるナイロン6、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の縮重合によるナイロン6・6、ヘキサメチレンジアミンとセバシン酸の縮重合によるナイロン6・10、ε−アミノウンデカン酸の縮重合によるナイロン11、ε−アミノラウロラクタムの開環重合によるナイロン12、上記のナイロンのうち2成分以上の成分を有する共重合ナイロン等のポリアミド系重合体;例えばビスフェノールAと塩化カルボニルより縮重合して製造されるポリカーボネート系重合体、ジアリルフタレート系重合体等が挙げられる。
このような主鎖骨格をもつ重合体のうち、ポリエーテル系重合体、炭化水素系重合体、ポリエステル系重合体、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体、ポリカーボネート系重合体等が入手や製造が容易であることからより好ましい。
さらに、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体等のポリオキシアルキレン系重合体、ポリイソブチレン、水添ポリイソプレン、水添ポリブタジエン等の飽和炭化水素系重合体、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体が比較的ガラス転移温度が低く、得られる硬化物が耐寒性に優れることから特に好ましい。
前記ポリエーテル系重合体の主鎖構造としては、−R−O−(Rは炭素数2〜4の2価のアルキレン基を表す)で表される繰り返し単位を有するものが好ましい。Rは具体的には、−CH−、−CHCH−、−CH(CH)CH−、−CH(CHCH)CH−、−CHCHCHCH−、−C(CH)(CH)CH−等が挙げられる。これらは1種類のみでもよいし、2種類以上の繰り返し単位からなっていてもよいが、入手の容易さの点から、特に−CH(CH)CH−が好ましい。
ポリエーテル系重合体は、直鎖状であっても分岐状であってもよく、あるいは、これらの混合物であってもよい。また、他の単量体単位を含んでいてもよいが、上記−R−O−で表される繰り返し単位が重合体中に50質量%以上、好ましくは80質量%以上存在することが好ましい。
ポリエーテル系重合体の主鎖骨格の製造方法は、特に限定されるものではなく、種々の方法によって得ることができる。具体的には、例えば、2価アルコール、多価アルコール、水酸基を有する各種オリゴマー等の開始剤と、KOH、NaOH等のアルカリ触媒、酸性触媒、有機アルミニウム化合物とポルフィリンとを反応させて得られる錯体のような遷移金属化合物−ポルフィリン錯体触媒やシアン化コバルト亜鉛−グライム錯体触媒等の複合金属シアン化物錯体触媒等のすでに公知である触媒の存在下、エチレンオキシドやプロピレンオキシド等のモノエポキシドを開環重合することによって得ることができる。
また、水酸基末端ポリエーテル系重合体をKOH、NaOH、KOCH、NaOCH等の塩基性化合物の存在下、CHCl、CHBr等の2官能以上のハロゲン化アルキルの鎖延長反応によって得ることができる。
このほか、2官能や3官能のイソシアネート化合物によって水酸基末端ポリエーテル系重合体を鎖延長反応することによっても得ることができる。
加水分解性シリル基を有するポリエーテル系重合体の製造方法は、公知の種々の方法を用いることができる。例えば、特公昭45−36319号公報、同46−12154号公報、特開昭50−156599号公報、同54−6096号公報、同55−13767号公報、同55−13468号公報、同57−164123号公報、特公平3−2450号公報、米国特許3632557、米国特許4345053、米国特許4366307、米国特許4960844等の各公報に提案されているもの、また特開昭61−197631号公報、同61−215622号公報、同61−215623号公報、同61−218632号公報、特開平3−72527号公報、特開平3−47825号公報、特開平8−231707号公報等の各公報に提案されている数平均分子量が6,000以上、分子量分布(Mw/Mn)が1.6以下の高分子量で分子量分布が狭いポリエーテル系重合体等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
上記の反応性シリル基を有するポリエーテル系重合体は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記飽和炭化水素系重合体は芳香環以外の炭素−炭素不飽和結合を実質的に含有しない重合体であり、その主鎖構造をなす重合体は、(1)エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン等のような炭素数1〜6のオレフィン系化合物を主モノマーとして重合させるか、(2)ブタジエン、イソプレン等のようなジエン系化合物を単独重合させるか、あるいは、上記オレフィン系化合物とを共重合させた後、水素添加する等の方法により得ることができる。このうち、イソブチレン系重合体や水添ポリブタジエン系重合体は、末端に官能基を導入しやすく、分子量を制御しやすく、また、末端官能基の数を多くすることができるので好ましく、合成の容易さから、イソブチレン系重合体が特に好ましい。
イソブチレン系重合体は、単量体単位のすべてがイソブチレン単位から形成されていてもよいし、他の単量体との共重合体でもよいが、ゴム特性の面からイソブチレンに由来する繰り返し単位を50質量%以上含有するものが好ましく、80質量%以上含有するものがより好ましく、90〜99質量%含有するものが特に好ましい。
主鎖構造が飽和炭化水素系重合体であるものは、耐熱性、耐候性、耐久性、および湿気遮断性に優れる特徴を有している。
飽和炭化水素系重合体の合成方法としては、従来、各種の重合方法が報告されているが、特に近年多くのいわゆるリビング重合が開発されている。飽和炭化水素系重合体、特にイソブチレン系重合体のばあい、Kennedyらによって見出されたイニファー重合(J.P.Kennedyら、J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed. 1997年、15巻、2843頁)を用いることにより容易に製造することが可能であり、分子量500〜100,000程度を、分子量分布1.5以下で重合でき、分子鎖末端に各種官能基を導入できることが知られている。
加水分解性シリル基を有する飽和炭化水素系重合体の製造方法としては、例えば、特公平4−69659号公報、特公平7−108928号公報、特開昭63−254149号公報、特開昭64−22904号公報、特開平1−197509号公報、特許公報第2539445号、特許公報第2873395号、特開平7−53882号公報の各明細書等に記載されているが、特にこれらに限定されるものではない。
上記の加水分解性シリル基を有する飽和炭化水素系重合体は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記(メタ)アクリル酸エステル系重合体の主鎖構造を構成する(メタ)アクリル酸エステル系モノマーとしては特に限定されず、各種のものを用いることができる。
具体的に例示するならば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−tert−ブチル、(メタ)アクリル酸−n−ペンチル、(メタ)アクリル酸−n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸−n−オクチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸−3−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸−2−アミノエチル、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)ジメトキシメチルシラン、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸−2−トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸−2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸−2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸−2−パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチル、(メタ)アクリル酸ビス(トリフルオロメチル)メチル、(メタ)アクリル酸−2−トリフルオロメチル−2−パーフルオロエチルメチル、(メタ)アクリル酸−2−パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸−2−パーフルオロデシルエチル(メタ)アクリル酸−2−パーフルオロヘキサデシルエチル等の(メタ)アクリル酸系モノマーが挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル系共重合体は、(メタ)アクリル酸エステル系モノマーとともに、ビニル系モノマーを共重合することもできる。そのようなビニル系モノマーを例示すると、(メタ)アクリル酸、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、スチレンスルホン酸及びその塩等のスチレン系モノマー;パーフルオロエチレン、パーフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン等のフッ素含有ビニルモノマー;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のケイ素含有ビニル系モノマー;無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸のモノアルキルエステルおよびジアルキルエステル;フマル酸、フマル酸のモノアルキルエステルおよびジアルキルエステル;マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、ヘキシルマレイミド、オクチルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル基含有ビニル系モノマー;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド基含有ビニル系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル等のビニルエステル類;エチレン、プロピレン等のアルケン類;ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、塩化アリル、アリルアルコール等が挙げられる。これらは、単独で用いても良いし、複数を共重合させても構わない。なかでも、生成物の物性等から、スチレン系モノマーおよび(メタ)アクリル酸系モノマーからなる重合体が好ましい。より好ましくは、アクリル酸エステルモノマーおよびメタクリル酸エステルモノマーからなる(メタ)アクリル酸エステル系重合体であり、さらに好ましくはアクリル酸エステルモノマーからなるアクリル酸エステル系重合体である。一般建築用等の用途においては配合物の低粘度、硬化物の低モジュラス、高伸び、耐候、耐熱性等の物性が要求される点から、アクリル酸ブチル系モノマーが特に好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の合成法としては、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。ただし、重合開始剤としてアゾ系化合物、過酸化物等を用いる通常のフリーラジカル重合法で得られる重合体は、分子量分布の値が一般に2以上と大きく、粘度が高くなるという問題を有している。従って、分子量分布が狭く、粘度の低い(メタ)アクリル酸エステル系共重合体であって、高い割合で分子鎖末端に架橋性官能基を有する(メタ)アクリル酸エステル系共重合体を得るためには、リビングラジカル重合法を用いることがより好ましい。
「リビングラジカル重合法」の中でも、有機ハロゲン化物あるいはハロゲン化スルホニル化合物等を開始剤、遷移金属錯体を触媒として(メタ)アクリル酸エステル系モノマーを重合する「原子移動ラジカル重合法」は、上記の「リビングラジカル重合法」の特徴に加えて、官能基変換反応に比較的有利なハロゲン等を末端に有し、開始剤や触媒の設計の自由度が大きいことから、特定の官能基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体の製造方法としてはさらに好ましい。この原子移動ラジカル重合法としては例えば、Matyjaszewskiら、J.Am.Chem.Soc.1995年、117巻、5614頁等が挙げられる。
加水分解性シリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の製造方法としては、例えば、特公平3−14068号公報、特公平4−55444号公報、特開平6−211922号公報等に、連鎖移動剤を用いたフリーラジカル重合法を用いた製法が開示されている。また、特開平9−272714号公報等に、原子移動ラジカル重合法を用いた製法が開示されているが、特にこれらに限定されるものではない。
上記の加水分解性シリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル系共重合体は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の加水分解性シリル基を有する有機重合体は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。具体的には、加水分解性シリル基を有するポリエーテル系重合体、加水分解性シリル基を有する飽和炭化水素系重合体、加水分解性シリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル系共重合体からなる群から選択される2種以上をブレンドしてなる有機重合体も使用できる。
本発明の加水分解性シリル基を有する有機重合体の分子量には特に制限はないが、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算での数平均分子量(Mn)が3,000〜50,000であることが好ましく、6,000〜30,000であることが硬化性や機械物性の点から特に好ましい。数平均分子量が500未満では硬化物の伸び物性の点で不都合な傾向があり、50,000を越えると高粘度となるため作業性に劣る傾向がある。
本発明で使用される錫塩を形成するカルボキシ基に隣接する炭素が4級炭素であるジアルキル錫ジカルボキシレートは、加水分解性シリル基からシロキサン結合を形成させ得る、いわゆるシラノール縮合触媒として機能するものである。
錫塩を形成するカルボキシ基に隣接する炭素が4級炭素であるジアルキル錫ジカルボキシレートは、下記一般式(6):
Figure 2005272540
(式中、Rは炭素数1〜20の1価のアルキル基、R、RおよびRはそれぞれ独立した置換または非置換の1価の有機基であり、カルボキシ基を含んでいてもよい。)で表される鎖状脂肪酸の錫塩、または一般式(7):
Figure 2005272540
(式中、Rは炭素数1〜20の1価のアルキル基、R10は置換または非置換の1価の有機基、R11は置換または非置換の2価の有機基であり、それぞれカルボキシ基を含んでいてもよい。)で表される鎖状および環状脂肪酸の錫塩、および一般式(8):
Figure 2005272540
(式中、Rは炭素数1〜20の1価のアルキル基、R12は置換または非置換の3価の有機基であり、カルボキシ基を含んでいてもよい。)で表される環状脂肪酸の錫塩が挙げられる。
これらのうち、錫塩を形成するカルボキシ基に隣接する炭素が4級炭素であるカルボキシレート部位を具体的に例示すると、特に限定されるものではないが、
鎖状モノカルボン酸に由来するモノカルボキシレート部位として、例えば、(CHCCOO−、CC(CH)(CH)COO−、CC(C)(CH)COO−、CC(C)(C)COO−、CC(CH)(CH)COO−、CC(C)(CH)COO−、CC(C)(C)COO−、CC(CH)(CH)COO−、CC(C)(C)COO−、C13C(CH)(CH)COO−、CHCH(CH)CHCHC(C)(CH)COO−、C17C(CH)(CH)COO−、HOCHC(CH)(CH)COO−、バーサテート(tert−デカン酸を中心とする分岐状カルボン酸の混合物に由来するカルボキシレート部位)等、
鎖状ジカルボン酸に由来するモノカルボキシレート部位として、例えば、HOOCC(CH)(CH)COO−、HOOCC(C)(CH)COO−、HOOCC(C)(C)COO−、HOOCCHC(CH)(CH)COO−、HOOCCHC(C)(C)COO−、HOOCCHCHC(CH)(CH)COO−等、
鎖状トリカルボン酸に由来するモノカルボキシレート部位として、例えば、HOOCCH=C(COOH)C(CH)(CH)COO−等、
環状カルボン酸に由来するモノカルボキシレート部位として、例えば、
Figure 2005272540
等が挙げられる。このような構造を含有する化合物は天然物に多く存在するが、もちろんこれらも使用できる。
これらのうち、特に加水分解性シリル基を有するポリエーテル系重合体との相溶性が良好である点から、鎖状モノカルボキシレート部位が好ましく、特に入手が容易であることからピバリノエート、ネオデカノエート、バーサテート、2,2−ジメチルオクタノエート、2−エチル−2,5−ジメチルヘキサノエート等のカルボキシレート部位が好ましい。
このようなカルボキシレート部位の炭素数は5〜20であることが好ましく、6〜18であることがより好ましく、8〜12であることが特に好ましい。炭素数がこの範囲より多くなると固体状になりやすい。一方、炭素数が少ないと揮発性が高くなり、臭気が増す傾向にある。
また、Rで表される炭素数1〜20のアルキル基としては、入手性の点からブチル基、オクチル基が好ましい。
本発明の錫塩を形成するカルボキシ基に隣接する炭素が4級炭素であるジアルキル錫ジカルボキシレートの具体例としては、特に限定されるのもではないが、例えば、ジブチル錫ジピバリノエート、ジブチル錫ジネオデカノエート、ジブチル錫ジバーサテート、ジブチル錫ビス(2,2−ジメチルオクタノエート)、ジブチル錫ビス(2−エチル−2,5−ジメチルヘキサノエート)、ジオクチル錫ジピバリノエート、ジオクチル錫ジネオデカノエート、ジオクチル錫ジバーサテート、ジオクチル錫ビス(2,2−ジメチルオクタノエート)、ジオクチル錫ビス(2−エチル−2,5−ジメチルヘキサノエート)等が挙げられ、入手性の点から、ジブチル錫ジネオデカノエート、ジオクチル錫ジネオデカノエートがより好ましい。
錫塩を形成するカルボキシ基に隣接する炭素が4級炭素であるジアルキル錫ジカルボキシレートは、加水分解性シリル基を有する有機重合体100質量部に対して2〜10質量部の割合で使用することが好ましく、4〜10質量部の割合で使用することがさらに好ましい。かかるジアルキル錫ジカルボキシレートの使用量が2質量部未満では硬化速度の改善が見られず、4質量部未満では硬化速度の改善効果はあるものの、その効果は小さい。一方、かかるジアルキル錫ジカルボキシレートの使用量が10質量部を超えると経済的に不利である。
本発明で使用されるアミン化合物は上記の錫塩を形成するカルボキシ基に隣接する炭素が4級炭素であるジアルキル錫ジカルボキシレートの活性を改善するため、助触媒として添加するものである。
アミン化合物の具体例としては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、アミルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、ペンタデシルアミン、セチルアミン、ステアリルアミン、シクロヘキシルアミン等の脂肪族第一アミン類;ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ジアミルアミン、ジヘキシルアミン、ジオクチルアミン、ジ(2−エチルヘキシル)アミン、ジデシルアミン、ジラウリルアミン、ジセチルアミン、ジステアリルアミン、メチルステアリルアミン、エチルステアリルアミン、ブチルステアリルアミン等の脂肪族第二アミン類;トリアミルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミン等の脂肪族第三アミン類;トリアリルアミン、オレイルアミン等の脂肪族不飽和アミン類;ラウリルアニリン、ステアリルアニリン、トリフェニルアミン等の芳香族アミン類;および、その他のアミン類として、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、3−ヒドロキシプロピルアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ベンジルアミン、3−メトキシプロピルアミン、3−ラウリルオキシプロピルアミン、3−ジメチルアミノプロピルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、キシリレンジアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンジアミン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、モルホリン、N−メチルモルホリン、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(DBU)、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン−5(DBN)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらアミン化合物のうち、助触媒能の高さから、オクチルアミン、ラウリルアミン等の第一アミンが好ましい。
アミン化合物は、錫塩を形成するカルボキシ基に隣接する炭素が4級炭素であるジアルキル錫ジカルボキシレート1モルに対して0.01〜0.5モル使用することが好ましい。アミン化合物の使用量が0.01モル未満であると硬化速度の改善効果が見られない。一方、アミン化合物の使用量が0.5モルを越えて使用しても硬化速度の向上は望めず、経済的に不利である。
本発明の硬化性組成物においては、錫塩を形成するカルボキシ基に隣接する炭素が4級炭素であるジアルキル錫ジカルボキシレートとアミン化合物とを併用することが必須であり、これにより本発明の効果である硬化速度の向上が得られる。
本発明の硬化触媒としては、錫塩を形成するカルボキシ基に隣接する炭素が4級炭素であるジアルキル錫ジカルボキシレートを使用するが、本発明の効果を低下させない程度に他の硬化触媒を併用することもできる。そのような他の硬化触媒の具体例としては、テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネート、チタンテトラアセチルアセトナート、ビスアセチルアセトナトジイソプロポキシチタン等のチタン化合物;ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレエート、ジブチル錫フタレート、ジブチル錫ジオクトエート、ジブチル錫ビス(エチルヘキサノエート)、ジブチル錫ビス(メチルマレエート)、ジブチル錫ビス(エチルマレエート)、ジブチル錫ビス(ブチルマレエート)、ジブチル錫ビス(オクチルマレエート)、ジブチル錫ビス(トリデシルマレエート)、ジブチル錫ビス(ベンジルマレエート)、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ビス(エチルマレエート)、ジオクチル錫ビス(オクチルマレエート)、ジブチル錫ジメトキサイド、ジブチル錫ジ(ノニルフェノキサイド)、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)、ジブチル錫ビス(エチルアセトアセトナート)、ジブチル錫オキサイドとシリケート化合物との反応物、ジブチル錫オキサイドとフタル酸エステルとの反応物等の4価の有機錫化合物;アルミニウムトリスアセチルアセトナート、アルミニウムトリスエチルアセトアセトナート、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセトナート等の有機アルミニウム化合物類;ジルコニウムテトラアセチルアセトナート等のジルコニウム化合物類が挙げられる。
これらの硬化触媒を併用させることにより、触媒活性が高くなり、深部硬化性、薄層硬化性、接着性等が改善される。しかしながら、有機錫化合物は添加量に応じて、得られる硬化性組成物の硬化物の復元性、耐久性、および、耐クリープ性を低下させることもある。
本発明の硬化性組成物は、上記以外に必要に応じてシランカップリング剤、充填材、チキソ性付与剤、可塑剤、安定剤等を添加することができる。
シランカップリング剤の具体例としては、例えば、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有シラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト基含有シラン類;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のエポキシ基含有シラン類;ビニルトリメトキシシラン等のビニル型不飽和基含有シラン類;γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン等のイソシアネート基含有シラン類等を挙げることができ、これらシランカップリング剤は1種類のみで使用してもよいし、2種類以上を混合して使用してもよい。特に接着性の点より、アミノシランやその反応物、エポキシシラン、イソシアネートシランが好ましい。
シランカップリング剤は、加水分解性シリル基を有する有機重合体100質量部に対して1〜20質量部の割合で使用することが好ましく、2〜10質量部の割合で使用することがさらに好ましい。
充填材の具体例としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、カーボンブラック、溶融シリカ、沈降性シリカ、けいそう土、白土、カオリン、クレー、タルク、木粉、クルミ殻粉、もみ殻粉、無水ケイ酸、石英粉末、アルミニウム粉末、亜鉛粉末、アスベスト、ガラス繊維、炭素繊維、ガラスビーズ、アルミナ、ガラスバルーン、シラスバルーン、シリカバルーン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化ケイ素等の無機充填材や、パルプ、木綿チップ等の木質充填材、粉末ゴム、再生ゴム、熱可塑性あるいは熱硬化性樹脂の微粉末、ポリエチレン等の中空体等が有機充填材として挙げられ、これらの充填材は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。特に、品質、経済性の点より、炭酸カルシウムが好ましい。
充填材は、使用量を増やせば粘度は増加するものの、作業性も低下してしまうことから、加水分解性シリル基を有する有機重合体100質量部に対して80〜400質量部の割合で使用することが好ましく、100〜300質量部の割合で使用することがさらに好ましい。
チキソ性付与剤の具体例は、例えば、水添ヒマシ油、有機アミドワックス、有機ベントナイト、ステアリン酸カルシウム等が挙げられ、これらチキソ性付与剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
チキソ性の点から、加水分解性シリル基を有する有機重合体100質量部に対して0.1〜50質量部の割合で使用することが好ましく、5〜30質量部の割合で使用することがさらに好ましい。
可塑剤の具体例としては、例えば、ジオクチルフタレート、ジイソデシルフタレート等のフタル酸エステル類;アジピン酸ジオクチル等の脂肪族二塩基酸エステル類;エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油等のエポキシ可塑剤類;ポリプロピレングリコールやその誘導体等のポリエーテル類;ビニル系モノマーを種々の方法で重合して得られるビニル系重合体等が挙げられる。これらの可塑剤は単独または2種類以上を併用してもよい。
可塑剤は、加水分解性シリル基を有する有機重合体100質量部に対して20〜300質量部の割合で使用することが好ましく、30〜200質量部の割合で使用することがさらに好ましい。20質量部未満では可塑剤としての効果が発現しなくなり、300質量部を超えると硬化物の機械強度が不足する。
安定剤の具体例としては、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤等が挙げられる。
酸化防止剤を使用すると硬化物の耐熱性を高めることができる。酸化防止剤としてはヒンダードフェノール系、モノフェノール系、ビスフェノール系、ポリフェノール系が例示できるが、特にヒンダードフェノール系が好ましい。
酸化防止剤は、加水分解性シリル基を有する有機重合体100質量部に対して0.1〜10質量部の割合で使用することが好ましく、0.2〜5質量部の割合で使用することがさらに好ましい。
光安定剤を使用すると硬化物の光酸化劣化を防止することができる。光安定剤としてはベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系、ベンゾエート系化合物等が例示できるが、特にヒンダードアミン系が好ましい。
光安定剤は、加水分解性シリル基を有する有機重合体100質量部に対して0.1〜10質量部の割合で使用することが好ましく、0.2〜5質量部の割合で使用することがさらに好ましい。
紫外線吸収剤を使用すると硬化物の表面耐候性を高めることができる。紫外線吸収剤としてはベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチレート系、置換トリル系及び金属キレート系化合物等が例示できるが、特にベンゾトリアゾール系が好ましい。
紫外線吸収剤は、加水分解性シリル基を有する有機重合体100質量部に対して0.1〜10質量部の割合で使用することが好ましく、0.2〜5質量部の割合で使用することがさらに好ましい。
また、フェノール系やヒンダードフェノール系酸化防止剤とヒンダードアミン系光安定剤とベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を併用して使用することが好ましい。
さらに、本発明の硬化性組成物には、硬化性組成物又は硬化物の諸物性の調整を目的として、必要に応じて各種添加剤を添加してもよい。このような添加物の例としては、例えば、難燃剤、硬化性調整剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、オゾン劣化防止剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、発泡剤、溶剤、防かび剤等が挙げられる。これらの各種添加剤は単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
本発明の硬化性組成物は、すべての配合成分を予め配合密封保存し、施工後空気中の湿気により硬化する1成分型として調製することも可能であり、硬化剤として別途硬化触媒、充填材、可塑剤、水等の成分を配合しておき、該配合材と重合体組成物を使用前に混合する2成分型として調製することもできる。
本発明の硬化性組成物の調整法には特に限定はなく、例えば上記した成分を配合し、ミキサー、ロール、ニーダー等を用いて常温または加熱下で混練したり、適した溶剤を少量使用して成分を溶解させ、混合したりする等の通常の方法を用いることができる。
本発明の硬化性組成物は、粘着剤、建造物・船舶・自動車・道路等のシーラント、接着剤等に使用できる。また、弾性接着剤、サイジングボード等の外装材の目地用シーリング材、コーティング材等の用途に利用可能である。さらに、単独あるいはプライマーの塗布によりガラス、磁器、木材、金属、樹脂成形物等のような広範囲の基質に密着可能なので、種々のタイプの密封組成物および接着組成物としても使用可能である。また、本発明の硬化性組成物は、内装パネル用接着剤、外装パネル用接着剤、タイル張り用接着剤、石材張り用接着剤、天井仕上げ用接着剤、床仕上げ用接着剤、壁仕上げ用接着剤、車両パネル用接着剤、電気・電子・精密機器組立用接着剤、ダイレクトグレージング用シーリング材、複層ガラス用シーリング材、SSG工法用シーリング材、または、建築物のワーキングジョイント用シーリング材等として用いることができる。
本発明をより明らかにするために、以下に具体的な実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1〜3
成分(A)として、分子鎖末端にジメトキシメチルシリル基を有するポリエーテル系重合体(鐘淵化学工業製のS203とS303を質量比で60:40で混合したもの)100質量部、膠質炭酸カルシウム(白石工業製:白艶華CCR)120質量部、可塑剤としてジイソデシルフタレート(ジェイ・プラス製:DIDP)55質量部、チキソ性付与剤(楠本化成製:ディスパロン6500)2質量部、光安定剤(三共製:サノールLS770)1質量部、紫外線吸収剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製:チヌビン327)1質量部、脱水剤としてビニルトリメトキシシラン(日本ユニカー製:A−171)2質量部、接着付与剤としてN−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(日本ユニカー製:A−1120)3質量部を加えて混練した後、成分(B)として、ジブチル錫ジネオデカノエート(実施例1、2)またはジオクチル錫ジネオデカノエート(実施例3)、および成分(C)として、ラウリルアミンを、表1に記載の量(質量部)で添加し、さらに混練して硬化性組成物を得た。
比較例1〜3
成分(B)として、ジブチル錫ジラウレート(比較例1、2)またはジオクチル錫ジラウレート(比較例3)を表1に記載の量(質量部)で添加した以外は、実施例と同様にして、比較用の硬化性組成物を得た。
比較例4、5
成分(C)のアミン化合物を使用しない以外は、実施例と同様にして、比較用の硬化性組成物を得た。
なお、実施例1と比較例1は、錫化合物の使用量がモル単位で同一、また、実施例2、3と比較例2、3も、錫化合物の使用量がモル単位で同一になるように配合した。
また、実施例1〜3、比較例1〜3の硬化性組成物において、錫化合物とアミンのモル比はいずれも1:0.5となるように配合した。
Figure 2005272540
<硬化性の評価>
各組成物の硬化性を評価するために、以下の方法にてタックフリータイムを測定した。表1の各組成物を約3mmの厚みに薄くのばし、23℃、湿度50%RH条件下で、表面を指触したときに、指が汚れなくなるまでの時間(タックフリータイム)を測定した。タックフリータイムが短い方が硬化性に優れることを表す。結果を表1に併記する。
錫塩を形成するカルボキシ基に隣接する炭素が4級炭素である錫化合物とアミン化合物とを併用した実施例1〜3は、錫塩を形成するカルボキシ基に隣接する炭素が4級炭素でない錫化合物を用いた比較例1〜3およびアミン化合物を併用していない比較例4、5よりも硬化速度が向上した。
実施例4〜6
成分(A)として、分子末端にジメトキシメチルシリル基を有するポリエーテル系重合体(鐘淵化学工業製:S203)100質量部に、成分(B)として、ジオクチル錫ジネオデカノエート、および成分(C)として、ラウリルアミンを、表2に記載の量(質量部)添加し、混練して硬化性組成物を得た。これら組成物の硬化性を上記と同様にして評価した。結果を表2に併記する。
Figure 2005272540
実施例4〜6より、錫化合物1モルに対してアミン化合物を0.5モルよりも多く併用しても硬化速度の向上は認められなかった。

Claims (6)

  1. 末端に加水分解性シリル基を有する有機重合体(A)、錫塩を形成するカルボキシ基に隣接する炭素が4級炭素であるジアルキル錫ジカルボキシレート(B)、およびアミン化合物(C)を含有することを特徴とする硬化性組成物。
  2. 成分(A)の有機重合体の主鎖構造が、ポリエーテル系重合体、飽和炭化水素系重合体、および(メタ)アクリル酸エステル系重合体からなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項1記載の硬化性組成物。
  3. ポリエーテル系重合体が、ポリオキシアルキレン系重合体であることを特徴とする請求項2記載の硬化性組成物。
  4. ポリオキシアルキレン系重合体が、ポリオキシプロピレン系重合体であることを特徴とする請求項3記載の硬化性組成物。
  5. 成分(A)100質量部に対して成分(B)を2〜10質量部の割合で、成分(B)1モルに対して成分(C)を0.01〜0.5モルの割合で含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の硬化性組成物。
  6. 成分(A)100質量部に対して成分(B)を4〜10質量部の割合で、成分(B)1モルに対して成分(C)を0.01〜0.5モルの割合で含有ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の硬化性組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005336482A (ja) * 2004-05-11 2005-12-08 Yun Hou Sun 電気伝導度及び有機溶媒に対する溶解性が向上された伝導性高分子及びその合成方法
JP2012007105A (ja) * 2010-06-25 2012-01-12 Sekisui Fuller Co Ltd 硬化性組成物、接着剤及びシーリング材
JP2015224315A (ja) * 2014-05-29 2015-12-14 積水フーラー株式会社 硬化性組成物

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