JPH05201419A - にぎりずし等のそのまま食べられる食品を包装する方法およびその包装物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 そのまま衣服のポケットなどに入れて携行し
ても、内部の水分や汁成分および調味料の揮発性成分が
外へ漏洩せず、長時間風味が保持され、しかも指で容易
に破ってそのまま食べることのできる食品の包装方法と
その包装物の提供。 【構成】 本発明の包装物は、人の手で容易に破ること
ができ表面が防水処理された台紙２の上に、被包装物１
が載せられ、台紙２には被包装物１の底部分３をのぞく
周辺のみに排氣用通氣孔４・・・・４があらかじめ設けられ
ており、これら台紙２と被包装物１の上から透光性軟質
プラスチックシート５が被っており、通氣孔４がシート
５により塞がれている。本発明方法は、この包装物の製
造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】 本発明は、にぎりずし等のその
まま食べられる食品を包装する方法およびその包装物に
関する。本発明の被包装食品は、にぎりずし、手巻きず
し、おにぎり、魚のさしみ、焼魚、焼肉、佃煮、香の物
のように、適度の水分を含有し、柔軟であって、そのま
ま食べられるものに適している。

【０００２】

【従来の技術】 従来より真空包装が知られているが、
真空度が高いので、食品中の水分や酢成分が蒸発して風
味を損ねる欠点がある。また、全面に排氣孔を有する台
紙上に食品を載せて減圧包装することが知られている
が、にぎりずし等を包装する場合、生魚等から滲出する
汁成分が排氣孔から漏洩するため、携帯するときは更に
折箱等の容器に収納する必要があった。

【０００３】また従来より、一枚のセロハン紙、プラス
チックシートで、にぎりずし等を包み込む方法が実施さ
れているが、終始手作業で行われるという欠点がある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】 そこで本発明は、店
頭に陳列する際は姿勢が安定して見ばえがよく、そのま
ま衣服のポケットなどに入れて携行しても水分や汁成分
が外へ漏洩せず、酢成分、わさび成分のように揮発性の
高い成分をそのまま残して長時間風味が低下しない、そ
のまま食べられる食品を包装する方法およびその包装物
の提供を解決課題とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】 本発明の、そのまま食
べられる食品を包装する方法は、にぎりずし等のそのま
ま食べられる食品を加工する工程と、上記食品の載る部
分から所定距離隔った周辺のみに通氣孔が形成され、人
の手で破りうる強度を有し、かつ、少くとも表面が防水
性を有する台紙の上に上記食品を載せる工程と、上記台
紙上に上記食品が載せられた上から透光性の軟質プラス
チックシートを被せながら、上記通氣孔から排氣して、
上記食品を上記台紙と上記軟質プラスチックシートの間
で包み込んで外氣と遮断する工程を有することを特徴と
している。

【０００６】また本発明の、そのまま食べられる食品の
包装物は、人の手で破りうる強度を有し少くとも表面が
防水性を有する台紙の上に被包装物が載せられ、上記台
紙には上記被包装物の底面をのぞく周辺のみに排氣用通
氣孔が設けられており、上記台紙の周辺部と上記被包装
物の上が透光性の軟質プラスチックシートで被われてい
ることを特徴としている。

【０００７】

【作用】 本発明方法によれば、台紙上に被包装食品を
載せた状態の上から軟質プラスチックシートを被せて台
紙の下から排氣するので、食品周辺の空氣が台紙周辺の
通氣孔から排氣されながら軟質プラスチックシートが被
包装食品の外形に応じて収縮変形し、最終的には軟質プ
ラスチックシートの外周部と台紙の外周部が接合されて
包装工程が終る。そのとき、いままで排氣に用いられて
いた通氣口は塞がれている。

【０００８】従って、本発明方法により加工された本発
明の包装物は、通氣口が塞がれているため食品中の水
分、酢、肉汁等の成分が決して外部へ漏洩せず、また、
台紙上に載っているから姿勢が安定していて陳列の見ば
えがよい。

【０００９】

【実施例】 図１は、本発明方法の実施例の説明図であ
る。例えばにぎりずし１は、従来の通り人手またはロボ
ットによりつくられる。台紙２は、発泡性または発泡性
に似た比重の軽いプラスチックより成り、厚さ０．５〜
０．８ｍｍ程度のシート状であって、その両面に防水処
理が施こされており、指で容易に破りうる強度を有して
いる。そして図１（ａ）に示すように、にぎりずし１の
載る部分３をのぞいてその周辺に、例えば数個の通氣孔
４・・・・４が穿たれている。

【００１０】図１（ｃ）に本発明方法の実施に使用する
装置の構成を示す。包装室６の下部の金網または多孔板
７上に、台紙２が置かれ、その上の通氣孔４・・・・４のな
い部分に、被包装物１が載せられ、さらにその上に軟質
プラスチックシート５が被せられる。包装室６下端の排
氣管８の開閉弁９が開くと、軟質プラスチックシート５
と台紙２の間の空氣は通氣孔４・・・・４を通って排氣さ
れ、その結果、軟質プラスチックシート５は被包装物１
と台紙２の上に密着し、あらかじめ台紙２上に塗布され
た樹脂層と接着する。この工程は被加工物１を多数個並
置して、同時並列に行うことができる。その後、包装室
６から取り出し、台紙２とプラスチックシート５の接着
部分を、所定輪郭形状の押切カッタで切断して本包装物
が得られる。

【００１１】図２にこのようにしてつくられた本発明包
装物の実施例を示す。台紙２の上に被包装物１が載せら
れ、この台紙２には、被包装物１の底面をのぞく周辺の
みに数個の排氣用通氣孔４・・・・４が穿たれている。被包
装物１の底面をのぞく全表面は透光性の軟質プラスチッ
クシート５で包まれ、そのシート５の外周が台紙の通氣
孔形成帯に接着されており、しかも、通気孔４が塞がれ
ているので、被包装物１は外界と完全に蔽断されてい
る。また、台紙２は常に平面であって、しかも被包装物
１の底面の外周部にまで及ぶ大きさであるため姿勢が安
定しており、転倒しない。

【００１２】つぎに本発明の他の実施例を説明する。こ
の実施例は、にぎりずし１に調味料を添加した状態で、
一括包装したことが特徴である。本発明の調味料は、例
えば無色醤油とわさびをペースト状に練った半固体状で
あって、これが例えばにぎりずしの米飯部とタネ部の間
に添付される。従って、包装を破ってにぎりずしを取り
出すと、従来のように醤油につけることなく、そのまま
食べることができる。本発明のペースト状調味料の内容
は、被包装物の種類に応じて適宜選択されること勿論で
ある。

【００１３】

【発明の効果】 本発明によれば、内部に、酢、わさび
等の揮発性成分、肉汁等の水分を含んだまま、これらを
外部へ漏洩させず、従って、包装物のまま衣類のポケッ
トやハンドバッグ等に収納して携帯することができ、そ
れを食べるときには、台紙を指で破るだけで容易に被包
装物を取り出すことができる。また、減圧包装であって
内部にいくらかの空氣が残留しているから、にぎりずし
等の食品が強く締めつけられず、普通の柔軟さを保持し
ながら、乾燥と風味の風化、ならびに外部からの汚染を
完全に防ぎ、賞味期間が伸長された。

【００１４】また、ペースト状調味料をにぎりずし等に
添付する場合は、従来添付されていた液体醤油が、そ
の、パッケージ開封時に飛散して衣類を汚すおそれがな
く、台紙を破ってにぎりずし等を取り出すと、そのまま
すぐに食べても美味である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 は本発明方法の説明図である。

【図２】 は本発明の包装物の実施例を示す斜視図であ
る。

【符号の説明】

１・・・・被包装物 ２・・・・台紙 ３・・・・被包装物の底部分 ４・・・・通氣孔 ５・・・・軟質プラスチックシート

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 にぎりずし等のそのまま食べられる食品
   を加工する工程と、上記食品の載る部分から所定距離隔
   った周辺のみに通氣孔が形成され、人の手で破りうる強
   度を有し、かつ、少くとも表面が防水性を有する台紙の
   上に上記食品を載せる工程と、上記台紙上に上記食品が
   載せられた上から透光性の軟質プラスチックシートを被
   せながら、上記通氣孔から排氣して、上記食品を上記台
   紙と上記軟質プラスチックシートの間で包み込んで外氣
   と遮断する工程を有する、そのまま食べられる食品を包
   装する方法。
2. 【請求項２】 人の手で破りうる強度を有し少くとも表
   面が防水性を有する台紙の上に被包装物が載せられ、上
   記台紙には上記被包装物の底面をのぞく周辺のみに排氣
   用通氣孔が設けられており、上記台紙の周辺部と上記被
   包装物の上が透光性の軟質プラスチックシートで被われ
   ている、そのまま食べられる食品の包装物。
3. 【請求項３】 上記被包装物とともにペースト状調味料
   が添付されていることを特徴とする、請求項２に記載の
   そのまま食べられる食品の包装物。