JPH05200709A - 水硬性無機質成形物の製造方法 - Google Patents
水硬性無機質成形物の製造方法Info
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- JPH05200709A JPH05200709A JP9424692A JP9424692A JPH05200709A JP H05200709 A JPH05200709 A JP H05200709A JP 9424692 A JP9424692 A JP 9424692A JP 9424692 A JP9424692 A JP 9424692A JP H05200709 A JPH05200709 A JP H05200709A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】賦形物の全面に均一に圧力を加えることがで
き、気孔率の小さい緻密で強度的に優れた成形物を得る
ことができる水硬性無機質成形物の製造方法を提供す
る。 【構成】壁面に水抜孔となる小孔が多数穿設された第1
分割型と、気密性を有する弾性シートが周縁を一体化し
て内壁面に沿って設けられている第2分割型とを閉合し
て形成された型窩内へ水硬性無機物成形材料を圧入した
のち、前記弾性シートと第2分割型の内壁面との間に加
圧媒体を圧入し弾性シートを介して水硬性無機物成形材
料を圧縮するとともに、吸引により第1分割型の前記小
孔から前記型窩内の水硬性無機物成形材料の余剰水分を
型外へ脱水して所望形状に賦形するように構成した。
き、気孔率の小さい緻密で強度的に優れた成形物を得る
ことができる水硬性無機質成形物の製造方法を提供す
る。 【構成】壁面に水抜孔となる小孔が多数穿設された第1
分割型と、気密性を有する弾性シートが周縁を一体化し
て内壁面に沿って設けられている第2分割型とを閉合し
て形成された型窩内へ水硬性無機物成形材料を圧入した
のち、前記弾性シートと第2分割型の内壁面との間に加
圧媒体を圧入し弾性シートを介して水硬性無機物成形材
料を圧縮するとともに、吸引により第1分割型の前記小
孔から前記型窩内の水硬性無機物成形材料の余剰水分を
型外へ脱水して所望形状に賦形するように構成した。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水硬性無機質成形物の
製造方法に関する。
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、セメント、石膏、珪酸カルシウム
形成材料等の水硬性無機物を主成分とする成形材料を使
用して複雑な形状の成形物を成形するには、例えば、特
公昭59−37202号公報、特公昭59−37203
号公報、特公昭61−51521号公報等にみるよう
に、型窩内に成形材料を圧入したのち、余分な水分を濾
過材越しに型壁面に穿設された水抜孔から減圧脱水して
賦形する方法が採られている。
形成材料等の水硬性無機物を主成分とする成形材料を使
用して複雑な形状の成形物を成形するには、例えば、特
公昭59−37202号公報、特公昭59−37203
号公報、特公昭61−51521号公報等にみるよう
に、型窩内に成形材料を圧入したのち、余分な水分を濾
過材越しに型壁面に穿設された水抜孔から減圧脱水して
賦形する方法が採られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
方法では、型窩内の成形材料に圧力を加えることができ
ないため、得られる成形体は、その気孔率が大きく基材
強度が弱いと言う欠点を有している。そこで、特公昭6
2−6483号公報にみるように、上型を下型方向へ押
し下げて成形材料に圧力を加えて気孔率を小さくするよ
うな製造方法が提案されている。
方法では、型窩内の成形材料に圧力を加えることができ
ないため、得られる成形体は、その気孔率が大きく基材
強度が弱いと言う欠点を有している。そこで、特公昭6
2−6483号公報にみるように、上型を下型方向へ押
し下げて成形材料に圧力を加えて気孔率を小さくするよ
うな製造方法が提案されている。
【0004】しかし、この方法は、一軸(上下方向)加
圧であるため、均一に圧力を加えることができない。す
なわち、この方法によって底部(平坦部)の側面に立上
部(傾斜部)を持つような成形物を製造しようとする
と、底部は上型と下型とによって圧力を受けて気孔率が
小さくなるのであるが、側面の立上部は、圧力を受けな
いため、気孔率が小さくできない。従って、成形品の強
度が部分によって異なると言う問題がある。
圧であるため、均一に圧力を加えることができない。す
なわち、この方法によって底部(平坦部)の側面に立上
部(傾斜部)を持つような成形物を製造しようとする
と、底部は上型と下型とによって圧力を受けて気孔率が
小さくなるのであるが、側面の立上部は、圧力を受けな
いため、気孔率が小さくできない。従って、成形品の強
度が部分によって異なると言う問題がある。
【0005】本発明は、賦形物の全面に均一に圧力を加
えることができ、気孔率の小さい緻密で強度的に優れた
成形物を得ることができる水硬性無機質成形物の製造方
法を提供することを目的としている。
えることができ、気孔率の小さい緻密で強度的に優れた
成形物を得ることができる水硬性無機質成形物の製造方
法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、請求項1の発明は、壁面に水抜孔が多数穿設
された第1分割型と、気密性を有する弾性シートが周縁
を一体化して内壁面に沿って設けられている第2分割型
とを閉合して形成された型窩内へ水硬性無機物成形材料
を圧入したのち、前記弾性シートと第2分割型の内壁面
との間に加圧媒体を圧入し弾性シートを介して水硬性無
機物成形材料を圧縮するとともに、吸引により第1分割
型の前記小孔から前記型窩内の水硬性無機物成形材料の
余剰水分を型外へ脱水する圧入脱水工程を実施して所望
形状に賦形するように構成した。
るために、請求項1の発明は、壁面に水抜孔が多数穿設
された第1分割型と、気密性を有する弾性シートが周縁
を一体化して内壁面に沿って設けられている第2分割型
とを閉合して形成された型窩内へ水硬性無機物成形材料
を圧入したのち、前記弾性シートと第2分割型の内壁面
との間に加圧媒体を圧入し弾性シートを介して水硬性無
機物成形材料を圧縮するとともに、吸引により第1分割
型の前記小孔から前記型窩内の水硬性無機物成形材料の
余剰水分を型外へ脱水する圧入脱水工程を実施して所望
形状に賦形するように構成した。
【0007】また、請求項2の発明は、請求項1の発明
における1回の圧入脱水工程が終わると、加圧媒体を前
記弾性シートと第2分割型の内壁面との間から抜き、第
2分割型と賦形物との間に隙間が生じていれば、この隙
間に成形材料を再び注入し脱水を行う工程を複数回繰り
返して所望形状に賦形するようにした。さらに、請求項
3の発明は、請求項1或いは請求項2の発明における型
窩内へ水硬性無機物成形材料を圧入するにあたり、第2
分割型と弾性シートとの間を減圧して弾性シートを第2
分割型の内壁面形状に沿って密着させるようにした。
における1回の圧入脱水工程が終わると、加圧媒体を前
記弾性シートと第2分割型の内壁面との間から抜き、第
2分割型と賦形物との間に隙間が生じていれば、この隙
間に成形材料を再び注入し脱水を行う工程を複数回繰り
返して所望形状に賦形するようにした。さらに、請求項
3の発明は、請求項1或いは請求項2の発明における型
窩内へ水硬性無機物成形材料を圧入するにあたり、第2
分割型と弾性シートとの間を減圧して弾性シートを第2
分割型の内壁面形状に沿って密着させるようにした。
【0008】上記構成において、加圧媒体とは、特に限
定されないが、水や油等の液体が挙げられる。弾性シー
トとは、ゴムなどの気密・水密性にすぐれ材質のものが
挙げられる。圧縮と吸引とは、同時に行うようにしても
よいが、まず、吸引を行い一定時間経過後圧縮を開始す
ることが好ましい。
定されないが、水や油等の液体が挙げられる。弾性シー
トとは、ゴムなどの気密・水密性にすぐれ材質のものが
挙げられる。圧縮と吸引とは、同時に行うようにしても
よいが、まず、吸引を行い一定時間経過後圧縮を開始す
ることが好ましい。
【0009】吸引圧力は、特に限定されないが、−500
mmHg程度が好ましい。また、圧縮圧力は、特に限定され
ないが、5kg/cm2 程度が好ましい。また、第1分割型
の内壁に沿うように伸張性を有する濾過材を設けておく
ことが好ましい。濾過材の材質としては、外力が加えら
れる際に寸法が伸び面積が拡張する材料のことであり、
たとえば、巻縮糸を使用した布地、多孔質ゴム等が挙げ
られる。
mmHg程度が好ましい。また、圧縮圧力は、特に限定され
ないが、5kg/cm2 程度が好ましい。また、第1分割型
の内壁に沿うように伸張性を有する濾過材を設けておく
ことが好ましい。濾過材の材質としては、外力が加えら
れる際に寸法が伸び面積が拡張する材料のことであり、
たとえば、巻縮糸を使用した布地、多孔質ゴム等が挙げ
られる。
【0010】水硬性無機物成形材料とは、セメント,石
膏,珪酸カルシウム形成材料等の水和反応によって硬化
する水硬性無機材料を主成分として、骨材としての砂、
砂利,補強材としての鉱物繊維,ガラス繊維,動植物繊
維,合成繊維,半合成繊維、急硬材、顔料等や、一般の
無機成形体の製造に用いることができる材料を混合した
ものを言う。
膏,珪酸カルシウム形成材料等の水和反応によって硬化
する水硬性無機材料を主成分として、骨材としての砂、
砂利,補強材としての鉱物繊維,ガラス繊維,動植物繊
維,合成繊維,半合成繊維、急硬材、顔料等や、一般の
無機成形体の製造に用いることができる材料を混合した
ものを言う。
【0011】
【作用】上記請求項1の構成によれば、まず、第1分割
型と第2分割型を閉合する。そして、この閉合によりで
きた型窩内へ水硬性無機成形材料を注入する。この注入
により第2分割型の内壁に沿って設けられた弾性シート
は、伸張して型内壁面に密着する。なお、第1分割型の
内部に伸張性濾過材を設けた場合は、濾過材も伸張して
第1分割型の内壁面に密着する。したがって、水硬性無
機成形材料は、型窩内面形状に沿った形状に注入される
ことになる。
型と第2分割型を閉合する。そして、この閉合によりで
きた型窩内へ水硬性無機成形材料を注入する。この注入
により第2分割型の内壁に沿って設けられた弾性シート
は、伸張して型内壁面に密着する。なお、第1分割型の
内部に伸張性濾過材を設けた場合は、濾過材も伸張して
第1分割型の内壁面に密着する。したがって、水硬性無
機成形材料は、型窩内面形状に沿った形状に注入される
ことになる。
【0012】つぎに、第1分割型の水抜孔を介して吸引
することによって水硬性無機成形材料中の水分を脱水す
るのに加えて、第2分割型と弾性シートの間に加圧媒体
を圧入すると、弾性シートは、加圧媒体により型窩内の
水硬性無機成形材料側へ膨らんで水硬性無機成形材料全
面に均一に圧力を加え、水溶性無機成形材料を圧縮して
脱水を助長し、緻密な賦形物とすることができる。
することによって水硬性無機成形材料中の水分を脱水す
るのに加えて、第2分割型と弾性シートの間に加圧媒体
を圧入すると、弾性シートは、加圧媒体により型窩内の
水硬性無機成形材料側へ膨らんで水硬性無機成形材料全
面に均一に圧力を加え、水溶性無機成形材料を圧縮して
脱水を助長し、緻密な賦形物とすることができる。
【0013】なお、1回の圧入脱水工程を行うと、第2
分割型と弾性シートの間に加圧媒体が入り込むため、賦
形物は、型窩の形状より少し小さい形状になることがあ
る。そこで、一度、圧入脱水工程を実施したのち、一旦
第2分割型と弾性シートの間の加圧媒体を抜き、弾性シ
ートと型窩内の賦形物の間に生じた隙間にさらに水硬性
無機成形材料を注入することでより型窩形状に近い賦形
物とすることができる。
分割型と弾性シートの間に加圧媒体が入り込むため、賦
形物は、型窩の形状より少し小さい形状になることがあ
る。そこで、一度、圧入脱水工程を実施したのち、一旦
第2分割型と弾性シートの間の加圧媒体を抜き、弾性シ
ートと型窩内の賦形物の間に生じた隙間にさらに水硬性
無機成形材料を注入することでより型窩形状に近い賦形
物とすることができる。
【0014】さらに、水硬性無機成形材料を型窩内に圧
入するに際して、第2分割型と弾性シートの間を減圧状
態にすることで、弾性シートは、第2分割型のコーナー
部に到るまで第2分割型の内壁面に沿って密着する。そ
して、この状態で圧入することによってより型窩形状に
近い賦形物とすることができる。
入するに際して、第2分割型と弾性シートの間を減圧状
態にすることで、弾性シートは、第2分割型のコーナー
部に到るまで第2分割型の内壁面に沿って密着する。そ
して、この状態で圧入することによってより型窩形状に
近い賦形物とすることができる。
【0015】
【実施例】以下に、本発明を、その実施例をあらわす図
面を参照しつつ詳しく説明する。 (実施例1) 図1にみるように、第2分割型として
の上型1と第1分割型としての下型2とを閉合した。
面を参照しつつ詳しく説明する。 (実施例1) 図1にみるように、第2分割型として
の上型1と第1分割型としての下型2とを閉合した。
【0016】なお、上型1は、内部に圧力媒体としての
油が注入される緩衝部16が設けられていて、内壁面1
aからこの緩衝部16に向かって多数の小孔11が穿設
されており、水硬性無機成形材料を注入する注入管12
の先端が内部に臨んでいるとともに、ゴム製の弾性シー
ト13で内壁面1aが覆われている。弾性シート13
は、注入管12の先端周縁および型周縁のみが上型1の
内壁面1aに接着されているとともに、図では少し隙間
が開いているようにみえているが、上型1の内壁面にで
きるだけ密着する形状にされている。また、緩衝部16
には、送油管14が連結されている。
油が注入される緩衝部16が設けられていて、内壁面1
aからこの緩衝部16に向かって多数の小孔11が穿設
されており、水硬性無機成形材料を注入する注入管12
の先端が内部に臨んでいるとともに、ゴム製の弾性シー
ト13で内壁面1aが覆われている。弾性シート13
は、注入管12の先端周縁および型周縁のみが上型1の
内壁面1aに接着されているとともに、図では少し隙間
が開いているようにみえているが、上型1の内壁面にで
きるだけ密着する形状にされている。また、緩衝部16
には、送油管14が連結されている。
【0017】下型2は、型面に多数の水抜孔22が穿設
されているとともに、内壁面に沿って伸張性のある濾過
材21が設けられている。また、上型1と下型2とのク
リアランスは、10mmに設定した。 上型1と下型2とによって形成した型窩3内へ注入
管12から下記配合の水硬性無機成形材料4を図2にみ
るように注入した。
されているとともに、内壁面に沿って伸張性のある濾過
材21が設けられている。また、上型1と下型2とのク
リアランスは、10mmに設定した。 上型1と下型2とによって形成した型窩3内へ注入
管12から下記配合の水硬性無機成形材料4を図2にみ
るように注入した。
【0018】この注入により弾性シート13および濾過
材21は、それぞれ上型1および下型2の内壁面に密着
した。 配合 普通ポルトランドセメント(宇部興産社製) 100重量部 ビニロン繊維(クラレ社製 RM182×3mm) 2重量部 水 500重量部 吸引機(図示せず)を作動させて吸引管23を介し
て減圧し、水抜孔22および濾過材21越しに型窩3内
の水硬性無機成形材料4を脱水した。
材21は、それぞれ上型1および下型2の内壁面に密着
した。 配合 普通ポルトランドセメント(宇部興産社製) 100重量部 ビニロン繊維(クラレ社製 RM182×3mm) 2重量部 水 500重量部 吸引機(図示せず)を作動させて吸引管23を介し
て減圧し、水抜孔22および濾過材21越しに型窩3内
の水硬性無機成形材料4を脱水した。
【0019】 吸引により型窩3内が−500mmHgに
達した時点で図3にみるように、送油管14から上型1
の緩衝部16内に加圧媒体としての油5を5kg/cm2 の
注入圧で注入した。弾性シート13が注入管12先端周
縁および上型周縁以外は接着されていないため、この注
入により、油5が小孔11から弾性シート13と上型1
の内壁面1aとの間に入り込み、水硬性無機成形材料4
が下型2方向へ均一に圧縮されて脱水が進み基材が緻密
化する。
達した時点で図3にみるように、送油管14から上型1
の緩衝部16内に加圧媒体としての油5を5kg/cm2 の
注入圧で注入した。弾性シート13が注入管12先端周
縁および上型周縁以外は接着されていないため、この注
入により、油5が小孔11から弾性シート13と上型1
の内壁面1aとの間に入り込み、水硬性無機成形材料4
が下型2方向へ均一に圧縮されて脱水が進み基材が緻密
化する。
【0020】 充分脱水できた時点で、油5の注入お
よび、下型2からの吸引を停止し、上型1と下型2を分
離したのち、下型2内に残った賦形物9を公知の方法で
取り出し、養生硬化させて底部6の周縁に立上部7を有
する成形物を得た。なお、上記との工程は、同時に
行っても構わない。 (比較例1)実施例1と同様の水硬性無機成形材料を用
い、特公昭62−6483号公報記載の方法と同様にし
て上下加圧により、実施例1と同一形状の成形物を得
た。なお、上下加圧時の面圧は50kg/cm2 であった。 (比較例2)実施例1と同様の水硬性無機成形材料を用
い、特公昭59−37202号公報記載の方法と同様に
して実施例1と同一形状の成形物を得た。
よび、下型2からの吸引を停止し、上型1と下型2を分
離したのち、下型2内に残った賦形物9を公知の方法で
取り出し、養生硬化させて底部6の周縁に立上部7を有
する成形物を得た。なお、上記との工程は、同時に
行っても構わない。 (比較例1)実施例1と同様の水硬性無機成形材料を用
い、特公昭62−6483号公報記載の方法と同様にし
て上下加圧により、実施例1と同一形状の成形物を得
た。なお、上下加圧時の面圧は50kg/cm2 であった。 (比較例2)実施例1と同様の水硬性無機成形材料を用
い、特公昭59−37202号公報記載の方法と同様に
して実施例1と同一形状の成形物を得た。
【0021】上記実施例1および比較例1,2で得た成
形物の底部および立上部のそれぞれについて気孔率およ
び曲げ強度を測定し、その結果を表1に示した。
形物の底部および立上部のそれぞれについて気孔率およ
び曲げ強度を測定し、その結果を表1に示した。
【表1】
【0022】表1にみるように、実施例1では、弾性シ
ート越しに加圧媒体によって水硬性無機材料の全面に均
一な圧力をかけることができるため、底部および立上部
のいずれも比較例2に比べて気孔率が小さく曲げ強度に
優れたものとなる。
ート越しに加圧媒体によって水硬性無機材料の全面に均
一な圧力をかけることができるため、底部および立上部
のいずれも比較例2に比べて気孔率が小さく曲げ強度に
優れたものとなる。
【0023】一方、比較例1では、加圧しない比較例2
に比べて底部においては、気孔率が小さくなり、曲げ強
度も向上するのであるが、立上部には、圧力が充分にか
からないため、曲げ強度の向上がない。 (実施例2)実施例1のの工程において充分脱水した
のち、緩衝部16内の油5を抜くと、図4にみるよう
に、賦形物9と上型1との間に隙間18が形成されたの
で、油5による加圧で上型1と弾性シート13と間に隙
間が無くなるまで、,,の工程を繰り返して所定
の賦形物9を得た。そして、の工程を実施して立上部
7を有する成形物を得た。 (実施例3)弾性シート13を上型1の内壁面に沿わな
い形状にするとともに、実施例2のの工程を実施した
後に、緩衝部16内を、−600mmHg程度に減圧し、図
5にみるように、弾性シート13を上型1の型内壁面に
密着させた。そして、実施例2の以下の工程を順次実
施して立上部7を有する成形物を得た。なお、緩衝部1
6内の減圧は、送油管14の途中に吸引機(図示せず)
に接続される分岐管を設けるとともに、分岐部に切替バ
ルブを設けておき、吸引機によって減圧することができ
る。
に比べて底部においては、気孔率が小さくなり、曲げ強
度も向上するのであるが、立上部には、圧力が充分にか
からないため、曲げ強度の向上がない。 (実施例2)実施例1のの工程において充分脱水した
のち、緩衝部16内の油5を抜くと、図4にみるよう
に、賦形物9と上型1との間に隙間18が形成されたの
で、油5による加圧で上型1と弾性シート13と間に隙
間が無くなるまで、,,の工程を繰り返して所定
の賦形物9を得た。そして、の工程を実施して立上部
7を有する成形物を得た。 (実施例3)弾性シート13を上型1の内壁面に沿わな
い形状にするとともに、実施例2のの工程を実施した
後に、緩衝部16内を、−600mmHg程度に減圧し、図
5にみるように、弾性シート13を上型1の型内壁面に
密着させた。そして、実施例2の以下の工程を順次実
施して立上部7を有する成形物を得た。なお、緩衝部1
6内の減圧は、送油管14の途中に吸引機(図示せず)
に接続される分岐管を設けるとともに、分岐部に切替バ
ルブを設けておき、吸引機によって減圧することができ
る。
【0024】上記実施例2および実施例3で得た成形物
の厚み、厚みのバラツキσ、立上部の気孔率、曲げ強度
を測定し、実施例1の結果と併せて表2に示す。
の厚み、厚みのバラツキσ、立上部の気孔率、曲げ強度
を測定し、実施例1の結果と併せて表2に示す。
【0025】
【表2】
【0026】表2にみるように、実施例2および実施例
3の成形物は、実施例1の成形物に比べより緻密で曲げ
強度に優れている。しかも、厚みも設定した10mmに極
めて近く精密な成形物をばらつきなく得ることができ
る。
3の成形物は、実施例1の成形物に比べより緻密で曲げ
強度に優れている。しかも、厚みも設定した10mmに極
めて近く精密な成形物をばらつきなく得ることができ
る。
【0027】
【発明の効果】本発明にかかる水硬性無機質成形物の製
造方法は、以上のように構成されているので、複雑な装
置も必要無く、材料に均一に圧力を加えることができ
る。したがって、側面に立上部があるような複雑な形状
の成形物であっても、どの部分も緻密で強度に優れた成
形物とすることができる。
造方法は、以上のように構成されているので、複雑な装
置も必要無く、材料に均一に圧力を加えることができ
る。したがって、側面に立上部があるような複雑な形状
の成形物であっても、どの部分も緻密で強度に優れた成
形物とすることができる。
【0028】また、請求項2の方法によれば、より緻密
で、設定どおりの厚みの成形物をばらつきなく正確に成
形することができる。さらに、請求項3の方法によれ
ば、上型の内壁面に沿う形状の弾性シートを用意しなく
てもより緻密で、設定どおりの厚みの成形物をばらつき
なく正確に成形することができる。
で、設定どおりの厚みの成形物をばらつきなく正確に成
形することができる。さらに、請求項3の方法によれ
ば、上型の内壁面に沿う形状の弾性シートを用意しなく
てもより緻密で、設定どおりの厚みの成形物をばらつき
なく正確に成形することができる。
【図1】本発明にかかる水硬性無機成形物の製造方法を
実施するために用いる成形装置の1例をあらわす図であ
って、その型窩内に水硬性無機材料を注入する前の状態
をあらわす断面図である。
実施するために用いる成形装置の1例をあらわす図であ
って、その型窩内に水硬性無機材料を注入する前の状態
をあらわす断面図である。
【図2】図1の成形装置の型窩内へ水硬性無機材料を注
入した状態をあらわす断面図である。
入した状態をあらわす断面図である。
【図3】図2の注入が終了し、加圧媒体としての油を注
入して型窩内の水硬性無機材料を弾性シートを介して圧
縮した状態をあらわす断面図である。
入して型窩内の水硬性無機材料を弾性シートを介して圧
縮した状態をあらわす断面図である。
【図4】弾性シートによる圧縮を停止し、賦形物と上型
との間に隙間が形成された状態をあらわす断面図であ
る。
との間に隙間が形成された状態をあらわす断面図であ
る。
【図5】吸引により弾性シートが上型内壁面に沿って密
着した状態をあらわす断面図である。
着した状態をあらわす断面図である。
1 上型(第2分割型) 2 下型(第1分割型) 3 型窩 4 水硬性無機成形材料 5 油(加圧媒体) 1a 内壁面 13 弾性シート 22 水抜孔
Claims (3)
- 【請求項1】壁面に水抜孔が多数穿設された第1分割型
と、気密性を有する弾性シートが周縁を一体化して内壁
面に沿って設けられている第2分割型とを閉合して形成
された型窩内へ水硬性無機物成形材料を圧入したのち、
前記弾性シートと第2分割型の内壁面との間に加圧媒体
を圧入し弾性シートを介して水硬性無機物成形材料を圧
縮するとともに、吸引により第1分割型の前記小孔から
前記型窩内の水硬性無機物成形材料の余剰水分を型外へ
脱水する圧入脱水工程を実施して所望形状に賦形するこ
とを特徴とする水硬性無機質成形物の製造方法。 - 【請求項2】先の圧入脱水工程が終わると、加圧媒体を
弾性シートと第2分割型の内壁面との間から抜き、再び
圧入脱水工程を行う工程を複数回繰り返して所望形状に
賦形する請求項1記載の水硬性無機質成形物の製造方
法。 - 【請求項3】型窩内へ水硬性無機物成形材料を圧入する
にあたり、第2分割型と弾性シートとの間を減圧して弾
性シートを第2分割型の内壁面形状に沿って密着させる
請求項1または請求項2のいずれかに記載の水硬性無機
質成形物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4094246A JP3009537B2 (ja) | 1991-11-26 | 1992-04-14 | 水硬性無機質成形物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3-310726 | 1991-11-26 | ||
JP31072691 | 1991-11-26 | ||
JP4094246A JP3009537B2 (ja) | 1991-11-26 | 1992-04-14 | 水硬性無機質成形物の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05200709A true JPH05200709A (ja) | 1993-08-10 |
JP3009537B2 JP3009537B2 (ja) | 2000-02-14 |
Family
ID=26435512
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4094246A Expired - Fee Related JP3009537B2 (ja) | 1991-11-26 | 1992-04-14 | 水硬性無機質成形物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3009537B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07144311A (ja) * | 1993-11-25 | 1995-06-06 | Sekisui Chem Co Ltd | 水硬性無機質成形物の製造方法 |
ES2082699A2 (es) * | 1993-10-07 | 1996-03-16 | Prensas De Tomelloso S A | Procedimiento de fabricacion de placas de terrazo y maquina para la puesta en practica del mismo. |
-
1992
- 1992-04-14 JP JP4094246A patent/JP3009537B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
ES2082699A2 (es) * | 1993-10-07 | 1996-03-16 | Prensas De Tomelloso S A | Procedimiento de fabricacion de placas de terrazo y maquina para la puesta en practica del mismo. |
JPH07144311A (ja) * | 1993-11-25 | 1995-06-06 | Sekisui Chem Co Ltd | 水硬性無機質成形物の製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3009537B2 (ja) | 2000-02-14 |
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