JP3231161B2 - 水硬性無機質成形物の製造方法 - Google Patents

水硬性無機質成形物の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水硬性無機質成形物の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】セメント、石膏、珪酸カルシウム形成材
料等の水硬性無機物を主成分とする材料で成形した成形
物は、通常、曲げや荷重により引張り応力が加わると破
損しやすいと言う欠点を有している。そこで、セメント
瓦などの薄板状成形物の場合、通常、水硬性無機物に合
成繊維、天然繊維、ガラス繊維等の補強繊維を予め混合
した水硬性無機物成形材料を用いて成形するようにして
いる。
【0003】従来、水硬性無機物成形材料の成形方法の
1例として、一方の型と、型面に多数の脱水孔が設けら
れている他方の型とを閉合して形成される型窩内に成形
材料を圧入した後、余剰水分を濾過材ごしに型壁面の脱
水孔から吸引脱水することにより成形材料を賦形する吸
引成形法が提案されている(特公昭61−51521号
公報)が、この方法の場合、型窩内の成形材料を加圧す
ることが出来ないため、得られる成形物の気孔率が大き
くなり強度が低くなるという問題点があった。
【0004】そこで、本発明者は、成形物の気孔率を抑
え強度を高める成形方法として、図5に示すような成形
装置19を用いて行う製造方法(特開平5−20070
9号公報)を先に提案している。
【0005】この方法は、多数の脱水孔11が壁面に沿
って穿孔された第1分割型2と、型面に沿って気密性を
有する弾性膨縮体6が設けられた第2分割型3とを閉合
することで形成される型窩内に、第2分割型3の型面に
開口している成形材料の圧入口8より成形材料4を充填
し、前記弾性膨縮体6と第2分割型3の型面との間に加
圧媒体5を圧入して弾性膨縮体6を第1分割型2側へ膨
出させて成形材料4を加圧圧縮するとともに、吸引によ
り第1分割型2の前記脱水孔11から成形材料4の余剰
水分を型外へ脱水して所望形状に賦形する構成とされて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、本発明者が先
に提案した上記成形方法では、型窩内に圧入される成形
材料の圧入口近傍と圧入口から離れた場所とでは成形材
料が圧入されるまでに時間差があると共に、成形材料の
水分は圧入された場所から優先的に脱水孔を介して脱水
されるので圧入口近傍と圧入口から離れた場所とでは脱
水量及び脱水時間が異なり、圧入口近傍で賦形された賦
形物の含水率は低いが圧入口から離れた場所で賦形され
た賦形物の含水率は高くなり、賦形物の部位により水/
セメント比(w/c)に差が生じる。その結果、圧入口
近傍で賦形された賦形物に較べ圧入口から離れた場所で
賦形された賦形物の水/セメント比は大きくなり得られ
る成形物の密度、曲げ破壊強度、耐凍害性等が低下する
等、成形物の部位により品質に差が生じるという問題点
がある。
【0007】本発明は、上記従来の問題点を解決するた
め、成形材料の圧入口近傍で賦形された賦形物の含水率
と圧入口から離れた場所で賦形された賦形物の含水率を
ほぼ均等化し、成形物の部位による品質差が生じない水
硬性無機質成形物の製造方法を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、請求項1に記載の発明(以下、「第1発明」
と記す)にかかる水硬性無機質成形物の製造方法は、多
数の脱水孔が壁面に沿って穿孔された第1分割型と、成
形材料の圧入口が壁面に開口している第2分割型とを閉
合することで形成される型窩内へ、成形材料の圧入圧力
より小さい圧力の気体で第1分割型の脱水孔より型窩内
を加圧しながら水硬性無機物成形材料の一部を圧入後、
第1分割型の外側から吸引により成形材料の水分を脱水
しながら成形材料の残部を圧入する工程を経た後、吸引
により第1分割型の脱水孔から前記型窩内の水硬性無機
物成形材料の余剰水分を型外へ脱水し、所望形状に賦形
することを特徴とし、そのことにより上記目的が達成さ
れる。
【0009】又、請求項2に記載の発明(以下、「第2
発明」と記す)にかかる水硬性無機質成形物の製造方法
は、開閉機構を有する多数の脱水孔が壁面に沿って穿孔
された第1分割型と、成形材料の圧入口が型面に開口し
ている第2分割型とを閉合することで形成される型窩内
へ、第1分割型の前記脱水孔を閉とした状態で水硬性無
機物成形材料の一部を圧入後、第1分割型の前記脱水孔
を開の状態として第1分割型の外側より吸引により成形
材料の水分を脱水しながら成形材料の残部を圧入する工
程を経た後、吸引により第1分割型の脱水孔から型窩内
の水硬性無機物成形材料の余剰水分を型外へ脱水し、所
望形状に賦形することを特徴とし、そのことにより上記
目的が達成される。
【0010】上記第1発明にかかる水硬性無機質成形物
の製造方法をより具体的に述べると、図1に示される成
形装置1のように、先ず、多数の脱水孔11が壁面に沿
って穿孔された第1分割型2と、成形材料の圧入口8が
型面に開口している第2分割型3とを閉合する。第1分
割型2と第2分割型3との閉合により形成された型窩内
へ、気体圧送管13から成形材料4の圧入圧力より小さ
い圧力の気体を脱水ボックス12に送り込み第1分割型
2の脱水孔11より型窩内を加圧しながら、成形材料4
を型窩内に成形材料4が行き渡る時点まで圧入する。次
いで、図2に示されるように、気体加圧を停止して、空
気吸引管13から脱水ボックス12を吸引し型窩内の成
形材料4の水分を脱水孔11から脱水しつつ成形材料4
の残部の圧入を継続する。成形材料4の圧入完了後、吸
引を継続して成形材料4の余剰水分を脱水孔11から型
外へ脱水し所望形状に賦形する。
【0011】上記において、型窩内を加圧する気体の種
類としては、特に限定されるものではなく、空気、窒素
ガス、炭酸ガス等が挙げられるが、なかでも空気が最も
簡便に用いられる。
【0012】又、上記において、型窩内に成形材料4が
行き渡る時点とは、圧力計14aで測定される成形材料
4の吐出側圧力と圧力計14bで測定される成形材料4
の型窩入り直前の圧力が等しくなった時点を言う。
【0013】上記製造方法において、気体の加圧圧力
は、特に限定されるものではないが、3〜6kg/cm
2 程度が好ましい。又、成形材料の圧入圧力は、特に限
定されるものではないが、型窩内が3〜6kg/cm2
程度で気体加圧されている時は5〜10kg/cm2
度が好ましく、また、吸引による脱水が行われている時
は20〜40kg/cm2 程度が好ましい。例えば、成
形材料を5kg/cm2の圧力で型窩内へ圧入する場
合、型窩内が気体加圧されていないと脱水孔から10g
/秒程度の落水が認められるが、型窩内を3kg/cm
2 の圧力で気体加圧すると落水は停止する。
【0014】次に、前記第2発明にかかる水硬性無機質
成形物の製造方法をより具体的に述べると、図3に示さ
れる成形装置16のように、先ず、開閉機構17を有す
る多数の脱水孔11が壁面に沿って穿孔された第1分割
型2と、成形材料の圧入口8が型面に開口している第2
分割型3とを閉合する。第1分割型2と第2分割型3と
の閉合により形成された型窩内へ、脱水孔11の開閉機
構17を閉とした状態17aで、成形材料4を型窩内に
成形材料4が行き渡る時点まで圧入する。次いで、図4
に示されるように、脱水孔11の開閉機構17を開の状
態17bとして、空気吸引管13から脱水ボックス12
を吸引し型窩内の成形材料4の水分を脱水孔11から脱
水しつつ成形材料4の残部の圧入を継続する。成形材料
4の圧入完了後、吸引を継続して成形材料4の余剰水分
を脱水孔11から型外へ脱水し所望形状に賦形する。
【0015】上記製造方法において、各脱水孔に設けら
れている開閉機構としては、特に限定されるものではな
いが、遠隔操作で開閉の切り換え可能な開閉弁や開閉バ
ルブ等が挙げられる。
【0016】又、上記製造方法において、成形材料の圧
入圧力は、特に限定されるものではないが、脱水孔の開
閉機構が閉の状態にある時は5〜10kg/cm2 程度
が好ましく、また、脱水孔の開閉機構が開の状態にあり
吸引による脱水が行われている時は20〜40kg/c
2 程度が好ましい。
【0017】前記第1発明及び第2発明の製造方法にお
いて、型窩内に充填された成形材料に対する脱水のため
の吸引圧力は、特に限定されるものではないが、−50
0〜−700mmHg程度が好ましい。吸引圧力が−5
00mmHg程度未満であると成形材料の脱水を充分行
えず、逆に−700mmHg程度を超えると脱水時に材
料詰まりを生じやすい。
【0018】第1発明及び第2発明の製造方法において
は、型窩内に圧入された成形材料の脱水は上記の如く吸
引のみで行っても良いが、より好ましくは吸引のみなら
ず成形材料の加圧圧縮も行うことが望ましい。そのこと
により得られる賦形物はより緻密なものとなる。
【0019】上記成形材料の加圧圧縮方法は、特に限定
されるものではないが、例えば図1に示されるように、
予め第2分割型3に加圧媒体の圧入管9を設けておき、
加圧媒体の圧入管9から空気のような気体を型窩内に直
接圧入して加圧圧縮しても良いし、又、図1に示される
ように、予め第2分割型3の内壁面に沿って気密性を有
する弾性膨縮体6を周縁を一体化して設けておき、弾性
膨縮体6と第2分割型3の内壁面との間に加圧媒体の圧
入管9から水や油等の液体を加圧媒体5として圧入し、
弾性膨縮体6を介して成形材料4を加圧圧縮しても良
い。
【0020】上記において、吸引脱水と加圧圧縮とは同
時に行っても良いが、先ず、吸引脱水を行い、一定時間
経過後に加圧圧縮を開始することが好ましい。
【0021】上記加圧媒体の圧入圧力は、特に限定され
るものではないが、20〜40kg/cm2 程度が好ま
しい。加圧媒体の圧入圧力が20kg/cm2 程度未満
であると加圧圧縮効果が充分に得られず、逆に40kg
/cm2 程度を超えると弾性膨縮体の強度上の問題を生
じやすい。
【0022】上記気密性を有する弾性膨縮体の種類は、
特に限定されるものではないが、ゴムやプラスチック等
の気密性・水密性に優れたものが好適に用いられる。
【0023】又、第1発明及び第2発明の製造方法にお
いては、前記第1分割型の型面に沿うように伸張性を有
する濾過材を設けておくことが好ましい。濾過材の材質
としては、特に限定されないが、外力が加えられる際に
寸法が伸びて面積が拡張する材料が好ましく、例えば、
巻縮糸を使用した布地、多孔質ゴム等が挙げられる。
【0024】又、第1発明及び第2発明における成形材
料としては、水硬性無機物、補強繊維を主成分として含
み、必要に応じて、骨材としての砂、砂利、急硬材、顔
料等や、一般の無機成形物の製造に用いることができる
ものを適宜混合したもの等が挙げられる。
【0025】上記水硬性無機物は、セメント、石膏、珪
酸カルシウム形成材料等の水和反応によって硬化する材
料から選ばれる。
【0026】上記補強繊維としては、特に限定されない
が、例えば、鉱物繊維、ガラス繊維、動植物繊維、合成
繊維等が挙げられる。
【0027】
【作用】上記第1発明及び第2発明の製造方法によれ
ば、第1分割型と第2分割型とを閉合することにより形
成される型窩内へ成形材料が行き渡るまで脱水が行われ
ず、型窩内へ成形材料が行き渡った時点で始めて脱水が
開始されるので、得られる賦形物の各部位の含水率はほ
ぼ均等化し部位による品質差の無い水硬性無機質成形物
を得ることが出来る。
【0028】
【実施例】以下に、本発明を、その実施例をあらわす図
面を参照しつつ詳しく説明する。
【0029】(実施例1)
【0030】(1)水硬性無機物成形材料の作成 普通ポルトランドセメント(宇部興産社製)100重量
部、ビニロン繊維RM182(繊維長3mm、クラレ社
製)2重量部及び水500重量部を混合して水硬性無機
質成形材料(以下「成形材料」と記す)を得た。
【0031】(2)水硬性無機質成形物の成形 得られた成形材料の成形を図1に示される成形装置1を
用いて以下のように行った。壁面に直径3mmの脱水孔
11が50mm間隔で多数穿孔された800mm×40
0mm×300mmの大きさの第一分割型2と、気密性
を有するゴム製の弾性膨縮体6が周縁を一体化して内壁
面に沿って設けられている第二分割型3とを閉合して形
成された型窩内へ、気体圧送管13から脱水孔11より
5kg/cm2 の加圧空気を送りながら、上記成形材料
4を8kg/cm2 の圧入圧力で圧入した。型窩内に成
形材料4が行き渡った時点で空気加圧を停止し、図2に
示されるように、空気吸引管13から−600mmHg
の吸引圧力で吸引を開始し吸引しながら成形材料4を2
0kg/cm2 の圧入圧力で型窩内へ圧入した。成形材
料4の圧入完了後、弾性膨縮体6と第2分割型3の内壁
面との間に加圧媒体5として水を30kg/cm2 の圧
力で圧入し、弾性膨縮体6を介して成形材料4を加圧圧
縮すると共に、−600mmHgの吸引圧力で第1分割
型2の脱水孔11から成形材料4の余剰水分を型外へ脱
水した。得られた水硬性無機質賦形物を20℃の雰囲気
下で1週間養生して水硬性無機質成形物を得た。
【0032】(3)評価 得られた水硬性無機質賦形物及び水硬性無機質成形物に
つき、図2に示されるサンプリング位置15a,15
b,15cから試験片を採取し、賦形物については含水
率を、また成形物については吸水率及び曲げ破壊強度を
以下の方法で測定した結果は表1に示すとおりであっ
た。
【0033】含水率:得られた賦形物につき、上記サ
ンプリング位置15a,15b,15cから巾100m
m、長さ100mm、厚み10mmの試験片を採取し、
試験片の初期重量(A)と105±5℃で24時間乾燥
後の重量(B)を測定し、次式により含水率(%)を求
めた。 含水率(%)=〔(A−B)/A〕×100
【0034】吸水率:得られた成形物につき、上記サ
ンプリング位置15a,15b,15cから巾100m
m、長さ100mm、厚み10mmの試験片を採取し、
JIS A−5423「住宅屋根用化粧石綿スレート」
に準じて、吸水率(%)を測定した。
【0035】曲げ破壊強度:得られた成形物につき、
上記サンプリング位置15a,15b,15cから巾1
50mm、長さ200mm、厚み10mmの試験片を採
取し、JIS A−5423に準じて、荷重速度5mm
/分で曲げ破壊強度(kg/cm2 )を測定した。
【0036】(比較例1)
【0037】実施例1で用いたのと同様の水硬性無機物
成形材料を用い、水硬性無機質成形物の成形にあたり、
図1に示される装置1の型窩内へ、型窩内に対する空気
加圧を行うことなく、先ず成形材料4を8kg/cm2
の圧入圧力で圧入した。型窩内に成形材料4が行き渡っ
た時点で、図2に示されるように、空気吸引管13から
−600mmHgの吸引圧力で吸引を開始し吸引しなが
ら成形材料4を20k/cm2 の圧入圧力で型窩内へ圧
入した。以下、実施例1と同様にして水硬性無機質賦形
物及び水硬性無機質成形物を得た。
【0038】得られた水硬性無機質賦形物及び水硬性無
機質成形物を実施例1と同様にして評価した結果は表1
に示すとおりであった。
【0039】(比較例2)
【0040】実施例1で用いたのと同様の水硬性無機物
成形材料を用い、水硬性無機質成形物の成形にあたり、
図1に示される装置1の型窩内へ、型窩内に対する空気
加圧を行うことなく、最初から、図2に示されるよう
に、空気吸引管13から−600mmHgの吸引圧力で
吸引しながら成形材料4を20kg/cm2 の圧入圧力
で圧入した。以下、実施例1と同様にして水硬性無機質
賦形物及び水硬性無機質成形物を得た。
【0041】得られた水硬性無機質賦形物及び水硬性無
機質成形物を実施例1と同様にして評価した結果は表1
に示すとおりであった。
【0042】(実施例2)
【0043】実施例1で用いたのと同様の水硬性無機物
成形材料を用い、水硬性無機質成形物の成形にあたり、
図3に示される成形装置16の型窩内へ、脱水孔11の
開閉機構17を閉とした状態17aで成形材料4を8k
g/cm2 の圧入圧力で圧入した。成形材料4が型窩内
へ行き渡った時点で、図4に示されるように、脱水孔1
1の開閉機構17を開の状態17bとして、空気吸引管
13から−600mmHgの吸引圧力で吸引を開始し吸
引しながら成形材料4を20kg/cm2 の圧入圧力で
型窩内へ圧入した。成形材料4の圧入完了後、弾性膨縮
体6と第2分割型3の内壁面との間に加圧媒体5として
水を30kg/cm2 の圧力で圧入し、弾性膨縮体6を
介して成形材料4を加圧圧縮すると共に、−600mm
Hgの吸引圧力で第1分割型2の脱水孔11から成形材
料4の余剰水分を型外へ脱水した。得られた水硬性無機
質賦形物を20℃の雰囲気下で1週間養生して水硬性無
機質成形物を得た。
【0044】得られた水硬性無機質賦形物及び水硬性無
機質成形物につき、図4に示されるサンプリング位置1
8a,18b,18cから試験片を採取し、賦形物につ
いては含水率を、また成形物については吸水率及び曲げ
破壊強度を実施例1と同様にして評価した結果は表1に
示すとおりであった。
【0045】(比較例3)
【0046】実施例2で用いたのと同様の水硬性無機物
成形材料を用い、水硬性無機質成形物の成形にあたり、
図4に示される成形装置16の型窩内へ、脱水孔11の
開閉機構17を開の状態17bとしたままで、成形材料
4を8kg/cm2 の圧入圧力で圧入した。成形材料4
が型窩内へ行き渡った時点で、空気吸引管13から−6
00mmHgの吸引圧力で吸引を開始し吸引しながら成
形材料4を20kg/cm2 の圧入圧力で型窩内へ圧入
した。以下、実施例2と同様にして水硬性無機質賦形物
及び水硬性無機質成形物を得た。
【0047】得られた賦形物につき含水率を、又、得ら
れた成形物につき吸水率及び曲げ破壊強度を実施例1と
同様にして測定した結果は表1に示すとおりであった。
【0048】(比較例4)
【0049】実施例2で用いたのと同様の水硬性無機物
成形材料を用い、水硬性無機質成形物の成形にあたり、
図4に示される装置16の型窩内へ、脱水孔11の開閉
機構17を開の状態17bとしたままで、最初から、図
4に示されるように、空気吸引管13から−600mm
Hgの吸引圧力で吸引しながら成形材料4を20kg/
cm2 の圧入圧力で圧入した。以下、実施例2と同様に
して水硬性無機質賦形物及び水硬性無機質成形物を得
た。
【0050】得られた賦形物につき含水率を、又、得ら
れた成形物につき吸水率及び曲げ破壊強度を実施例1と
同様にして測定した結果は表1に示すとおりであった。
【0051】
【表1】
【0052】
【発明の効果】以上述べたように、本発明による水硬性
無機質成形物の製造方法は、成形材料が型窩内に行き渡
るまで脱水が行われず、型窩内に成形材料が行き渡った
時点で始めて脱水が開始されるので、得られる賦形物の
各部位の含水率はほぼ均等化し部位による品質差の無い
水硬性無機質成形物を簡便に製造出来るものである。
【0053】
【図面の簡単な説明】
【図1】第1発明にかかる水硬性無機質成形物の製造方
法に用いる成形装置の1例であり、型窩内に対する空気
加圧が行われている時を表す断面図である。
【図2】図1において、型窩内に対する空気吸引が行わ
れている時を表す断面図である。
【図3】第2発明にかかる水硬性無機質成形物の製造方
法に用いる成形装置の1例であり、脱水孔の開閉機構が
閉の状態にある時を表す断面図である。
【図4】図3において、脱水孔の開閉機構が開の状態に
ある時を表す断面図である。
【図5】先に提案された水硬性無機質成形物の成形方法
に用いる成形装置の1例を表す断面図である。
【符号の説明】
1 成形装置 2 第1分割型 3 第2分割型 4 水硬性無機物成形材料 5 加圧媒体 6 弾性膨縮体 7 水硬性無機物成形材料の圧入
管 8 水硬性無機物成形材料の圧入
口 9 加圧媒体の圧入管 10 濾過材 11 脱水孔 12 脱水ボックス 13 気体圧送管及び空気吸引管 14a,14b 圧力計 15a,15b,15c サンプリング位置 16 成形装置 17 開閉機構 17a 閉の状態にある開閉機構 17b 開の状態にある開閉機構 18a,18b,18c サンプリング位置 19 成形装置

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の脱水孔が壁面に沿って穿孔された
    第1分割型と、成形材料の圧入口が型面に開口している
    第2分割型とを閉合することで形成される型窩内へ、成
    形材料の圧入圧力より小さい圧力の気体で第1分割型の
    脱水孔より型窩内を加圧しながら水硬性無機物成形材料
    の一部を圧入後、第1分割型の外側から吸引により成形
    材料の水分を脱水しながら成形材料の残部を圧入する工
    程を経た後、吸引により第1分割型の脱水孔から型窩内
    の水硬性無機物成形材料の余剰水分を型外へ脱水し、所
    望形状に賦形することを特徴とする水硬性無機質成形物
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 開閉機構を有する多数の脱水孔が壁面に
    沿って穿孔された第1分割型と、成形材料の圧入口が型
    面に開口している第2分割型とを閉合することで形成さ
    れる型窩内へ、第1分割型の前記脱水孔を閉とした状態
    で水硬性無機物成形材料の一部を圧入後、第1分割型の
    前記脱水孔を開の状態として第1分割型の外側から吸引
    により成形材料の水分を脱水しながら成形材料の残部を
    圧入する工程を経た後、吸引により第1分割型の脱水孔
    から型窩内の水硬性無機物成形材料の余剰水分を型外へ
    脱水し、所望形状に賦形することを特徴とする水硬性無
    機質成形物の製造方法。 【0001】
JP27679093A 1993-11-05 1993-11-05 水硬性無機質成形物の製造方法 Expired - Fee Related JP3231161B2 (ja)

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