JPH05199720A - 電子整流子を備える直流モータの構造体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 モータの回転軸線に対し平行に並進するだけ
でよい特に簡単な運動機構の支援により、モータの構
造、組み立て及び取り付けを実質的に完全自動で行い得
る構造体を提供すること。 【構成】 回転子Ｒ及び固定子Ｓを有するモータの構造
体は、枝部分１１を有する支持ハブ１０と、スリーブ及
びカバー１３と、半径方向内方に伸長するフランジを有
するマンドレル２０と、截頭円錐形リングの形状のコネ
クタ３０とを備えている。該構造体は自動車装置用に自
動的に製造されるモータに適用可能である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、電子整流子（electron
ic commutation）を備える直流モータ、特に、その構造
体に関するものである。

【０００２】

【従来の技術及び解決しようとする課題】電子整流子を
備える直流モータは、その他の構成要素と共に、伸長す
るシャフトを有する巻線電機子を収容するハウジングを
備えている。この電機子の整流子手段は、従来のように
リング及びブラシを備える電気機械的装置により形成す
るのではなく、この場合、固定子の固定電機子に接続さ
れた制御モジュールを備える電子装置により形成され
る。

【０００３】この型式のモータは、通常、製造、構造及
び組み立ての点でデリケートな問題点がある。

【０００４】実際上、巻線コイルは形成して、電機子の
スロット内に配置し、次に、この電機子の巻線端部を制
御モジュールの電子回路に接続しなければならず、最後
に、制御モジュールの電子回路の出力構成要素の熱を発
散させなければならない。

【０００５】第１の問題点は、電機子上で自動的にかつ
直接加工することが望ましい場合、電機子の巻線コイル
を形成することが難しい点である。

【０００６】巻線コイルの巻線端部を制御モジュールの
電子回路に確実に接続するため、巻線端部は、通常、電
子回路に直接関係し又は関係しない端子コネクタに溶接
する。モータの構造体の形状を考慮して、このはんだ付
け工程は殆んどの場合、手操作で行わなければならな
い。各巻線コイルに対し原則として二人のはんだ付け作
業員が必要であるため、これは尚更デリケートな作業で
ある。特に自動化が困難であるかかるはんだ付け工程
は、極めて高度の熟練を必要し、時間がかかるため、更
に問題となる。かかるはんだ付け作業員は、不良な接点
の原因となる。

【０００７】別の問題点は、さもなければ破壊的となる
その熱を回避し得るように冷却させることを要する出力
構成要素を備えることが大部分である電子装置が存在す
ることに関係する。このため、電子回路を分割し、その
構成要素の一部がプリント回路自体の基板上ではなく、
ハウジング上に直接取り付けられ、熱を発散させかつ換
気を促進させ得るようにすることが多い。その結果、取
り付け及び組み立て工程が複雑化し、これが又品質不良
の原因となることが容易に理解されよう。

【０００８】ドイツ国特許第89-11,771号、同第90-03,8
26号、及び同第90-11,702号の明細書には、かかる種類
の問題点を解決するための解決手段が開示されている。

【０００９】又、別の問題点は、一般に、構成要素が多
数であり、その構造が複雑であるため、ロボット又はプ
ログラマブルな自動装置の支援により容易に作動させ得
る複雑でない運動機構で簡単な工程に従いその組み立て
及び取り付けを自動化させることの出来ない型式のモー
タの機械的構造体の設計に関するものである。

【００１０】本発明の一つの目的は、モータの回転軸線
に対し平行に並進するだけでよい特に簡単な運動機構の
支援により、かかるモータの構造、組み立て及び取り付
けを実質的に完全自動で行い得る構造体を提供すること
である。

【００１１】

【課題を解決するための手段】この構造体の設計は、簡
単でかつ効率的であることに加え、その基板に中央穴が
無いプリント回路を通じて給電及び制御手段を使用する
ことを許容し、その結果、構成要素及び接続トラックの
配置に利用可能な面積を増大させるものである。

【００１２】更に、本発明の構造体により、一回の工程
で、電機子の巻線コイルを給電及び制御手段に電気的に
確実に接続することが可能となる。

【００１３】故に、本発明は、電子整流子を備える直流
モータ用の構造体であって、その他の構成要素と共に、
磁界手段及びシャフトを有する回転子と、少なくとも１
つの軸受と、該軸受を支持する巻線電機子を有する固定
子と、及び巻線電機子用の給電及び制御手段とを備える
直流モータ用の構造体を提供するものである。この構造
体は、固定子を固着する固定手段を有する枝部分と、上
記軸受を内部にかつ同軸状に受け入れ得るようにした中
空スリーブであって、保持手段が設けられた一端を有す
る中空スリーブとを有する支持ハブと、上記巻線電機子
を外部から受け入れる管を有するマンドレルであって、
上記スリーブに取り付け得るようにし、回転接続手段
と、上記保持手段と協働し得るようにした切欠きが形成
された半径方向外方に伸長するフランジとを有するマン
ドレルと、リング状の形状のコネクタであって、上記マ
ンドレルの上記管に外側から取り付け、上記回転接続手
段により回転しないように固定され、巻線電機子と電気
的に接触する一方、上記給電及び制御手段と電気的に接
触し得るようにしたピンを受け入れ得るように形成した
キャビティが設けられたコネクタとを備えることを特徴
とする構造体を提供するものである。

【００１４】

【実施例】本発明のその他の特徴は、単に一例としての
み掲げた添付図面に関する以下の詳細な説明及び特許請
求の範囲の記載から明らかになるであろう。

【００１５】電子整流子を備える直流モータは当該技術
分野で周知であるため、本発明に直接又は間接的に関係
する直流モータの点についてのみ以下に説明する。その
他の点については、当業者は、特定の問題点に対し現在
利用可能な従来の解決手段を採用することが出来るであ
ろう。

【００１６】以下の実施例及びその変形例を通じて、同
様の構成要素は同一の参照符号で表示する。

【００１７】説明の便宜上、その取り付け及び組み立て
方法を説明する前に、本発明による改良された構造体の
一実施例の各構成要素について、以下に説明する。

【００１８】電子整流子を備える直流モータは、回転子
Ｒと、固定子Ｓとを備えている。該回転子Ｒは、例えば
永久磁石ＡＰのような磁界手段を備えるヨーク又はフレ
ームＣと、少なくとも１つの軸受Ｐにより支持されたシ
ャフトＡを支持し得るようにした端部壁又はベルＦとを
備えている。図示するように、例えばファンのブレード
構造体等がこのフレームと関係する。

【００１９】固定子Ｓは、従来の方法でスロット内に配
置された巻線コイルＢがその上に配置される板又は積層
Ｔの積み重ね体から成る巻線電機子ＩＢを備えている。

【００２０】かかるモータは、導電体を支持し、その上
に出力構成要素を含む構成要素が配置される絶縁基板を
含むプリント回路ＣＩを備えることが大部分である給電
及び制御手段により始動させる。

【００２１】これは全て、特に図１及び図２に示してあ
る。

【００２２】かかるモータを構成するため、本発明によ
る改良された構造体を使用する。この改良された構造体
は、特に、支持ハブ１０と、マンドレル２０と、コネク
タ３０とを備えている。

【００２３】支持ハブ１０は、例えば、等間隔で離間さ
せかつスリーブ１２に接続した複数の放射状枝部分１１
を備えている。回転子のフレームが図１及び図２に示す
ようなファンのブレード構造体を支持する場合、これら
放射状枝部分１１の各々は、その自由端付近に、例え
ば、図示するような穴を有し、又はモータ、特に、その
固定子を自動車の冷却又は空調装置のような装置のフレ
ームに固着し得るようにしたねじ、リベット等のような
固定手段１１１を有する。又、これら放射状枝部分１１
には、その機能について以下に説明する棚状突起等のよ
うな保持手段１１２が設けられる。中空スリーブ１２
は、軸受Ｐを内部に同軸状に受け入れ得るようにしてあ
る。該中空スリーブ１２の内部には、例えば、せん断及
び変形により形成した少なくとも１つのストッパ１２１
が設けられており、該ストッパ１２１は、図３に明確に
示すように、小さいタブを画成する。このストッパ１２
１は、スリーブ１２及び１又は複数の軸受Ｐの相対的な
軸方向位置を固定する働きをする。スリーブ１２は、以
下に説明する機能を果たすタブのような保持手段１２２
をその一端に更に備えている。

【００２４】支持ハブ１０は、図１に示すように、棚状
突起１１２を受け入れ得るようにしたオリフィス１３１
が設けられたカバー１３を受け入れ得るようにすること
が望ましい。

【００２５】マンドレル２０は、その一端に半径方向内
方に伸長するフランジ２２を支持する管２１を備えてい
る。図１に示すように、該管２１は、巻線電機子ＩＢを
外部から受け入れかつスリーブ１２上に取り付け得るよ
うにしてある。該管２１の外側には、該管１２が受け入
れる板又は積層体Ｔの積み重ね体の回転を阻止し得るよ
うにギザギザ部分、刻み目等２１１が設けられている。
又、この管２１には、その機能に関し以下に説明する舌
状体等のような回転接続部２１２が設けられる。フラン
ジ２２には、スリーブ１２のタブ等１２２を受け入れ得
るようにした切欠き２２１が形成されている。かかる切
欠き２２１は図１に示してある。

【００２６】コネクタ３０は截頭円錐形リング３１（特
に、図１参照）を備えている。該截頭円錐形リング３１
は、キャビティ３１１が形成され、マンドレル２０及び
コネクタ３０の相対的回転を阻止する目的にて舌状体２
１２と協働し得るようした内側溝等３１２を備えてい
る。該キャビティ３１１は、単一のピン３２（図６Ａ）
又は例えば、２つのピン（図６Ｂ）のような多数のピン
を受け入れ得るようにしてある。各ピン３２は、キャビ
ティ３１１内に挿入し得るようにした少なくとも１つの
脚部３２１と、電機子の巻線コイルＢのワイヤーＦＢに
取り付け得るようにした少なくとも１つのストリップ又
は端子コネクタ３２２（図１及び図２参照）とを備えて
いる。

【００２７】図１及び図２に示すように、プリント回路
ＣＩの基板４０には、穴４００が形成されており、該基
板４０は該穴４００に隣接してスタッド４１を支持す
る。これら穴４００は、スタッド４１と協働するピン３
２を受け入れ得るようにしてある。スタッド４１は、基
板４０に固定し得るようにしかつ導電体又は該導電体の
反対側スタッドに接続し得るようにした底板４１１と、
クランプアーム４１２とを備えている。ピン３２及びス
タッド４１が協働する方法は、特に図１及び図２に示し
てある。巻線コイルＢのワイヤー又は導電体ＦＢをピン
３２のストリップ３２２に取り付けるとき、スタッド４
１のクランプアーム４１２は相互方向に付勢させ、ワイ
ヤーをクランプしかつ拘束し、これらワイヤーをストリ
ップに対し接触状態に維持する。はんだ付け作業員がよ
り確実な電気的接続状態にし、必要であれば機械的に屈
曲し得ないようにする。クランプアームは、図２の下半
分に相互に動かす前の状態を示し、図２の上半分には相
互に動かした後の状態が示してある。

【００２８】図１には、本発明による構造体の各種の構
成要素は単に軸方向に並進させるだけでその一方を他方
の内側に係合させることが出来ることが示されており、
組立体が形成されたならば、棚状突起１１２及びタブ等
１２２を折り畳み又は押し潰し、全体が機械的に組み立
てられ、電気的接続状態が実現された状態に維持すれば
十分である。

【００２９】カバーは、モータの内部部分を塵埃及び液
体の飛散から保護し、該モータの最終的外観を付与する
ことが理解されよう。

【００３０】本発明の改良された構造体により提供され
る全ての利点は、上記の説明から明らかであろう。特
に、コネクタのリングが摺動するため、モータの全体的
な軸方向寸法が縮小出来、その結果、電機子の線巻きが
可能となり、又、ピンにより電気的接続を実現するた
め、接続前の状態のとき、ワイヤー端末が「空中」又は
「開放位置」にあることがなくなる点に注目すべきであ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による構造体を備えるモータの１実施例
の図解的な半径方向断面図。

【図２】構造体の部品が２つの異なる状態にある図１の
実施例の端面図。

【図３】図１に示す構造体の支持ハブの図解的な斜視
図。

【図４】図１に示す構造体のマンドレルの図解的な斜視
図。

【図５】図１に示す構造体のコネクタの図解的な斜視
図。

【図６】図６Ａは、図１に示す構造体の単一のピンの実
施例の図解的に斜視図。図６Ｂは、図１に示す構造体の
２つのピンの実施例の図解的な斜視図。

【図７】図１に示す構造体のスタッドの図解的な斜視図
である。

【符号の説明】

１０ 支持ハブ １３ カバー ２０ マンドレル ３０ コネク
タ ３２ ピン ４０ 基板 ４１ スタッド １１１ 固定
手段 １１２ 保持手段 １２２ 保持
手段 １３１ オリフィス Ａ シャフト ＡＰ 永久磁
石 Ｂ コイル Ｃ フレーム ＣＩ プリント回路 Ｆ ベル ＦＢ 導電体 ＩＢ 巻線電
機子 Ｐ 軸受 Ｒ 回転子 Ｓ 固定子 Ｔ 積層体

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 電子整流子を備える直流モータの構造体
   であって、その他の構成要素と共に、磁界手段及びシャ
   フトを有する回転子と、少なくとも１つの軸受と、前記
   軸受を支持する巻線電機子を有する固定子と、巻線電機
   子用の給電及び制御手段とを備える構造体にして、 前記固定子を固着する固定手段を備える枝部分と、前記
   軸受を内部にかつ同軸状に受け入れ得るようにしかつ保
   持手段が設けられた一端を有する中空スリーブとを有す
   る支持ハブと、 前記巻線電機子を外側から受け入れかつ前記スリーブ上
   に取り付けられ得るようにし、回転接続手段が設けられ
   た管と、前記保持手段と協働し得るようにした切欠きが
   設けられた半径方向内方に伸長するフランジとを有する
   マンドレルと、 前記マンドレルの管上に外側から取り付け、前記回転接
   続手段により回転しないように固定されたリング形状の
   コネクタであって、巻線電機子と電気的接触状態になる
   一方、給電及び制御手段と電気的接続状態になり得るピ
   ンを受け入れ得るようにしたキャビティが設けられたコ
   ネクタとを備えることを特徴とする構造体。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の構造体にして、前記回
   転接続手段が、管上に設けられた舌状体と、リングに形
   成された溝とを備えることを特徴とする構造体。
3. 【請求項３】 請求項１又は２に記載の構造体にして、
   前記スリーブの保持手段が、マンドレルのフランジの切
   欠き内で上方に曲げることの出来る軸方向タブであるこ
   とを特徴とする構造体。
4. 【請求項４】 請求項１乃至３の何れかに記載の構造体
   にして、前記ピンがフランジのキャビティ内に挿入し得
   るようにした少なくとも１つの取り付け脚部と、電機子
   の巻線コイルのワイヤーを取り付ける少なくとも１つの
   ストリップとを備えることを特徴とする構造体。
5. 【請求項５】 請求項１乃至４の何れかに記載の構造体
   にして、前記給電及び制御手段がプリント回路により支
   持され、前記プリント回路の基板には、穴が設けられ、
   前記プリント回路が前記穴に近接してスタッドを支持
   し、前記スタッドが前記穴を通って伸長しかつ前記穴と
   協働することを特徴とする構造体。
6. 【請求項６】 請求項５に記載の構造体にして、前記ス
   タッドが、プリント回路に電気的接続された底板と、電
   機子の巻線コイルのワイヤーをピンのワイヤー取り付け
   ストリップ上に締め付けるクランプアームとを備えるこ
   とを特徴とする構造体。
7. 【請求項７】 請求項１乃至６の何れかに記載の構造体
   にして、前記スリーブが前記軸受と協働可能な少なくと
   も１つの内側ストッパを備えることを特徴とする構造
   体。
8. 【請求項８】 請求項１乃至７の何れかに記載の構造体
   にして、支持ハブの枝部分には、カバーを保持する保持
   手段が設けられることを特徴とする構造体。
9. 【請求項９】 請求項８に記載の構造体にして、前記保
   持手段が前記カバーに形成された穴内で上方に曲げるこ
   との出来る軸方向に伸長する棚状突起であることを特徴
   とする構造体。