JPH05198286A - ソレノイド磁界式放電灯 - Google Patents

ソレノイド磁界式放電灯

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JPH05198286A
JPH05198286A JP23710192A JP23710192A JPH05198286A JP H05198286 A JPH05198286 A JP H05198286A JP 23710192 A JP23710192 A JP 23710192A JP 23710192 A JP23710192 A JP 23710192A JP H05198286 A JPH05198286 A JP H05198286A
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starting
bulb
discharge
magnetic field
thin tube
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JP23710192A
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English (en)
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Kenji Araki
建次 荒木
Akio Watanabe
昭男 渡辺
Akihiro Inoue
昭浩 井上
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Toshiba Lighting and Technology Corp
Original Assignee
Toshiba Lighting and Technology Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】始動用細管とバルブとの間の隔壁の破損を防止
するソレノイド磁界式放電灯を提供する。 【構成】発光物質を封入したバルブ10を取り巻くよう
にして高周波励起コイル20を配し、上記バルブに始動
用ガスを封入した始動用細管15をこのバルブ内と隔壁
16を介して接続し、この細管の始動用ガスに始動電圧
を印加して始動放電を発生させ、この始動放電によりバ
ルブ内にプラズマ放電12を誘起して発光物質を発光さ
せるようにしたソレノイド磁界式放電灯において、始動
時に間欠的に始動放電を発生させる手段30を設けたこ
とを特徴とする。 【作用】始動時に間欠的に始動放電が発生するので、隔
壁には電界が間欠的に付与されるようになり、休止期間
が生じるから隔壁の温度上昇が抑制され、破損を防止す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高周波励起コイルによ
りバルブ内にプラズマ放電を発生させ、この放電により
バルブ内の発光物質を発光させるようにしたソレノイド
磁界式放電灯に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に良く知られている高圧金属蒸気放
電灯、つまりHID放電灯は、発光管バルブの両端部に
高融点金属の構体からなる電極をそれぞれ封装し、これ
ら電極間でアーク放電を発生させ、バルブ内に封入した
発光金属を電離および励起させて発光させるようになっ
ている。しかしながら、このような構造のランプは、バ
ルブ内に電極を配置するので、電極の封止構造が複雑に
なり、電極封止部からのリークを防止するための格別な
工夫が必要となり、かつ電極が放電空間に露出している
ので電極が侵蝕されるなど、種々の不具合が生じる。
【0003】このような有電極形の放電灯の不具合を解
消するランプとして、ソレノイド磁界式放電灯が注目さ
れている。ソレノイド磁界式放電灯は、図6に示すよう
に、透明なバルブ10内に発光物質を封入し、このバル
ブ10を取り巻くようにして高周波励起コイル20を配
し、この励起コイル20はマッチングボックス25を介
して高周波発振回路26に接続されている。高周波発振
回路26から励起コイル20に高周波電流を流すと、高
周波磁界が発生し、これにより上記バルブ10内でリン
グ形状のプラズマ放電12が発生して上記発光物質を発
光させる。このようなランプは、バルブ10内に電極が
無いことから無電極放電灯とも称されており、上記有電
極形ランプの不具合を解消することができる。
【0004】ところで、この種のソレノイド磁界式放電
灯は、バルブ10内にプラズマ放電を発生させるため
に、バルブ10内に非常に高い電界勾配をつくって放電
を起こさせる必要がある。
【0005】従来において、例えば特開平2−6004
8号公報にはこの種のソレノイド磁界式放電灯における
始動手段が示されている。すなわち、この公報に記載さ
れた始動手段は、バルブの両端部にそれぞれ始動用電極
を設け、これら始動用電極間に始動電圧を印加してバル
ブ内に放電破壊を起こさせ、これにより始動させるよう
にしたものである。
【0006】しかしながら、このような始動用電極を設
ける構造は、もともとこの種のソレノイド磁界式放電灯
が無電極放電灯として開発されており、電極を設けない
ことを目的とするものであるから、始動用とはいえども
電極を設置することはその目的に反するものであり、電
極の封止や配置構造が複雑になり、電極の侵蝕などの不
具合を生じる。
【0007】このようなことから始動手段として、図6
に示すような始動用細管(ガスプローブとも称する)を
設ける構造が提案されている。このものは、バルブ10
の一側に、バルブと同材料であることが望ましい細管1
5を接続してある。この細管15はバルブ10の内部に
対して隔壁16を介して隔離されており、この細管15
に始動用希ガスとして例えばアルゴンまたはクリプトン
の少なくとも1種が封入されている。細管15には始動
用電極17が取着されており、この始動用電極17はコ
ンデンサ18a、18a´およびインピーダンス18b
を含む始動回路18に接続されており、この始動回路1
8は、マッチングボックス25を介して高周波発振回路
26に接続されている。なお、励起コイル20は上記マ
ッチングボックス25を介して高周波発振回路26に接
続されているものである。
【0008】このような構造の場合、始動用電極17に
高周波電圧を印加すると、始動用電極17と、励起コイ
ル20の高周波磁界によりバルブ10内に発生されてい
る高周波電界との間で電位差を発生し、これにより上記
細管15内に、始動用希ガスによるグロー放電が発生す
る。このグロー放電はバルブ10内との間で電界勾配を
発生し、したがって、バルブ10内ではプラズマ放電が
誘起され、リング形状の放電12が発生するものであ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような始動用細管15を用いる始動手段の場合、始動時
に細管15内でグロー放電を継続すると隔壁16が破損
する心配がある。
【0010】つまり、細管15内でグロー放電を発生さ
せてバルブ10内との間で電界勾配を生じさせた場合、
隔壁16に電界が集中し、この隔壁16の温度が上昇す
る。このようなグロー放電状態を続けると、ガラス製隔
壁16の電気抵抗が低くなり、電流が集中し、特に高温
のスポットに益々集中するようになって更に温度が上昇
する。そして、細管15内とバルブ10内とはガス圧が
異なるので、温度上昇により隔壁16が軟化すると吹き
抜けが発生し、細管15がその機能を失ってしまうこと
が心配される。
【0011】本発明はこのような事情にもとづきなされ
たもので、始動用細管とバルブとの間の隔壁が破損する
のを防止し、始動用細管の機能を長期に渡って維持する
ことができるソレノイド磁界式放電灯を提供しようとす
るものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の1番目は、透光
性のバルブ内に発光物質を封入するとともに、このバル
ブを取り巻くようにして高周波励起コイルを配し、上記
バルブにこのバルブ内と隔離して始動用細管を接続し、
この始動用細管に始動用希ガスを封入し、この細管内で
上記始動用ガスによる始動放電を発生させ、この始動放
電によりバルブ内にプラズマ放電を誘起し、このバルブ
内のプラズマ放電により上記発光物質を発光させるよう
にしたソレノイド磁界式放電灯において、始動時に上記
細管に間欠的に始動電圧を供給して間欠的な始動放電を
発生させる手段を設けたことを特徴とする。
【0013】また、本発明の2番目は、透光性のバルブ
内に発光物質を封入するとともに、このバルブを取り巻
くようにして高周波励起コイルを配し、上記バルブにこ
のバルブ内と隔離して始動用細管を接続し、この始動用
細管に始動用希ガスを封入し、この細管内で上記始動用
ガスによる始動放電を発生させ、この始動放電によりバ
ルブ内にプラズマ放電を誘起し、このバルブ内のプラズ
マ放電により上記発光物質を発光させるようにしたソレ
ノイド磁界式放電灯において、上記バルブに2本の始動
用細管を接続し、始動時にはこれら細管に始動電圧を供
給して始動放電を発生させる手段を設けたことを特徴と
する。
【0014】
【作用】本発明の1番目によれば、始動時に細管内に間
欠的に始動放電が発生されるようになり、隔壁には間欠
的に電界が付与され、いわゆる休止期間が生じるので、
隔壁の温度上昇を抑制することができ、隔壁の破損を防
止することができる。
【0015】また、本発明の2番目によれば、バルブに
2本の始動用細管を連結し、始動時にはこれら細管に始
動放電を発生させるようにしたので、それぞれの細管に
おける始動放電を小さくすることができ、各隔壁の負担
が軽減され、各隔壁の温度上昇が抑制され、しかも、こ
れら始動放電はバルブ中心から偏心した位置に発生する
からバルブ内にリング形のプラズマ放電を確実に誘起さ
せることができる。
【0016】なお、2本の始動用細管により交互に始動
放電を発生させるようにすれば、各隔壁の負担が一層軽
減され、しかもバルブに対しては交互に始動放電が作用
するので、始動放電が途切れることがなく、プラズマ放
電を確実に発生させることができる。
【0017】
【実施例】以下本発明について、図1および図2に示す
第1の実施例にもとづき説明する。図において10は発
光管バルブであり、例えば合成石英などのような高融点
ガラスや、アルミナなどのような透明セラミック材料に
より構成されている。このバルブ10内には、プラズマ
によるア−ク放電12によって発光する発光物質、例え
ば紫外線照射用の光源として使用する場合は、鉄のハロ
ゲン化物、例えば鉄のヨウ化物が封入されている。な
お、バルブ10内には上記発光物質の外に、アルゴン、
キセノン、クリプトン、ネオンなどのような希ガスが少
なくとも1種封入されている。
【0018】バルブ10の周囲には励起コイル20が配
置されている。励起コイル20は、両端がマッチングボ
ックス25を介して高周波発振回路26に接続されてお
り、この高周波発振回路26から供給される高周波電圧
により高周波電流が流されるようになっている。
【0019】このような高周波電流により、励起コイル
20内には励起コイル20のコイル軸方向O−Oに沿っ
て磁界が発生し、これによりコイル20の中心部空間に
収容されたバルブ10内に、コイル軸O−Oを取巻くよ
うにしてプラズマによるドーナツ形のア−ク放電12が
発生する。この放電12により発光金属が電離および励
起されて紫外線を発し、この紫外線はバルブ10を透過
して外部に放射される。
【0020】なお、上記励起コイル20は、高純度アル
ミニウム、または銅、もしくは銀などの導電性に優れた
金属よりなり、コイル素線は断面形状が非円形、例えば
偏平をなしている。
【0021】上記バルブ10の一端には、例えば中心線
上に位置して始動用細管15が接続されている。細管1
5はバルブと同一材料であることが望ましく、バルブ1
0の内部に対して隔壁16を介して隔離されている。そ
して、この細管15内には始動用希ガスとして例えばア
ルゴンまたはクリプトンの少なくとも1種が封入されて
いる。
【0022】細管15には始動用電極17が取着されて
いる。本実施例の場合、図2に示すように細管15の途
中に径を絞った縮小径部14を形成し、この縮小径部1
4に割りリング形の電極17を嵌め込んである。
【0023】このような始動用電極17はコンデンサ1
8a、18a´およびインピーダンス18bを含む始動
回路18に接続されており、この始動回路18は上記マ
ッチングボックス25を介して高周波発振回路26に接
続されている。この始動回路18にはスイッチング手段
30が設けられている。スイッチング手段30は詳図し
ないが、電子スイッチなどからなり、始動回路18を間
欠的に開閉する。つまり、このスイッチング手段30
は、始動回路18を例えば1秒間オンすると、1秒間オ
フし、次ぎに再び1秒間オンする、などのように、オン
とオフを交互に繰り返す作用をなす。
【0024】なお、上記スイッチング手段30は、光セ
ンサー31からの信号により、オン−オフの繰り返しを
止めて、オフ状態を保つようにも切換えが可能となって
おり、上記光センサー31はバルブ10の発光状態を検
知するようになっている。このような構成のソレノイド
磁界式放電灯、つまり無電極放電灯の作用を説明する。
【0025】ランプを始動させる場合は、高周波発振回
路26から始動用電極17に始動電圧を供給すると同時
に、励起コイル20に高周波電流を流し、バルブ10内
に高周波磁界による電界を発生させる。すると、始動用
電極17とバルブ10の電界との間で電位差が生じ、細
管15内の希ガスがグロー放電を発生する。このグロー
放電とバルブ10内の電界との間に電界勾配が発生し、
このためバルブ10内でプラズマ放電が誘起され、リン
グ形状の放電12が発生する。
【0026】本実施例の場合、始動用電極17には、ス
イッチング手段30の作用により始動電圧が間欠的に供
給される。このため、細管15内でグロー放電が間欠的
に発生する。
【0027】よって、電界は隔壁16へ間欠的に作用
し、継続して集中電界が加わらなくなるので、隔壁16
の温度上昇が抑制される。このため、ガラスからなる隔
壁16の電気抵抗が低下するのが防止され、電流の集中
がなくなり、隔壁16が溶融する不具合がなくなる。し
たがって、隔壁16の破損が防止され、バルブ10内の
高圧ガスが低圧側の細管15に吹き抜けるなどの損傷が
防止される。
【0028】特に、隔壁16の吹き抜けは、局部的な電
流集中により局部的に温度が上昇し、これにより局部的
に抵抗が下がることによりさらに電流が集中といった悪
循環を起こすためであり、上記のように休止期間を設け
るようにすればその間に温度を拡散させるのでその効果
は大きい。上記のような間欠的なグロー放電により、ラ
ンプが始動すると、バルブ10内の発光物質が電離およ
び励起されて発光する。この発光を光センサー31が検
知すると、スイッチング手段30は作動を停止し、以後
ランプの点灯中は始動回路18を開き放しの状態を保
つ。
【0029】なお、本実施例の場合、細管15に縮小径
部14を形成し、この縮小径部14に電極17を嵌め込
んで取付けてあるから、振動や衝撃が加わっても電極1
7が細管15から抜け難くなり、機械的結合が強固にな
る。このため電極17をランプホルダーとして利用する
こともでき、ランプ支持の信頼性が向上する。
【0030】また、細管15に縮小径部14を形成した
場合は、この部分の周方向面積が小さくなり、電極17
と内部空間との間に存在するガラス壁の周方向面積を小
さくすることができ、絶縁ガラスによるコンデンサ容積
を小さくすることができる。このため、抵抗が少なくな
り、細管15内の電界強度を高くすることができ、始動
放電を発生させ易くなる。
【0031】また、本実施例の励起コイル20は断面形
状を偏平な形状としたので、表面積が増し、高周波電流
は導体の表面を流れる性質があるから表皮効果が大きく
なり、電流に対する抵抗が小さくなり、また表面積が大
きいので放熱効果が大きくなり、上記抵抗が小さくなる
ことと相俟って自己発熱が軽減され、コイル効率が向上
する。次に、本発明の第2の実施例を図3にもとづき説
明する。
【0032】上記図1に示した実施例は、始動時のグロ
ー放電を間欠的に発生させるようにしたから、始動中に
休止期間が発生し、この休止時間のために始動に要する
時間が長くかかる心配がある。
【0033】そこで、本実施例の場合、バルブ10に2
本の始動用細管41a、41bを接続してある。これら
始動用細管41a、41bはそれぞれバルブ中心軸(ほ
ぼコイル軸O−Oに一致)から偏心した位置に接続され
ている。これら細管41a、41bにはそれぞれ始動用
電極42a、42bを取着してあり、これら電極42
a、42bを回路43a、43bを介してスイッチング
手段40に接続してある。このスイッチング手段40は
光センサー31によりオン・オフ作動されるもので、こ
のスイッチング手段40がオンしている場合、各始動用
電極42a、42bに同時に始動電圧が供給されるよう
になっている。
【0034】このような構成の場合、スイッチング手段
40が始動用電極42a、42bに同時に始動電圧を供
給するので、各細管41a、41bでそれぞれグロー放
電が発生する。よって、各細管41a、41bの始動放
電は、1本の細管で始動させる場合に比べて小さな始動
放電であっても、バルブ10内にプラズマ放電を誘起さ
せることができ、各始動用細管41a、41bの負担が
小さくなる。よって、各隔壁16、16の電流密度を低
くすることができ、大きな電界が作用せず、各隔壁1
6、16の温度上昇が抑制される。このため、隔壁1
6、16が溶融する不具合はなく、破損が防止される。
【0035】また、これら始動用細管41a、41bは
バルブ10に対しそれぞれバルブ中心軸から偏心した位
置に接続されているので、バルブ10内では半周づつの
プラズマ放電を誘起すればよく、バルブ10内に1本の
連続したドーナツ形状のプラズマを誘起し易くなり、始
動性が向上することになる。
【0036】なお、この場合もバルブ10の発光を光セ
ンサー31が検知すると、スイッチング手段40の作動
を停止し、以後ランプの点灯中は回路43a、43bを
いづれも開き放しにする。
【0037】さらに、上記のように2本の始動用細管4
1a、41bを設けた場合、図4に示す第3の実施例の
ようにしてもよい。この第3の実施例は、始動用細管4
1a、41bに設けた始動用電極42a、42bが回路
43a、43bを介してスイッチング手段45に接続さ
れており、このスイッチング手段45は、上記始動用電
極42a、42bに交互に始動電圧を供給すべく回路4
3a、43bを切換える作用をなす。
【0038】このような構成の場合は、スイッチング手
段45が始動用電極42a、42bに交互に始動電圧を
供給するので、各細管41a、41bで交互にグロー放
電が発生する。この場合それぞれの細管41a、41b
の隔壁16、16は、間欠的に放電電界が作用し、つま
り休止期間があるので集中電界が加わらなくなり、隔壁
16、16の温度上昇が抑制される。このため、隔壁1
6が溶融する不具合はなく、隔壁16の破損が防止され
る。
【0039】しかも、この実施例の場合は、バルブ10
からみると、交互にグロー放電による電界勾配が与えら
れるので、始動放電の実質的な休止がなく、したがっ
て、速やかにかつ確実なドーナツ形プラズマ放電12を
誘起し、始動性が向上する。
【0040】なお、この場合もバルブ10の発光を光セ
ンサー31が検知すると、スイッチング手段45の作動
を停止し、以後ランプの点灯中は回路43a、43bを
いづれも開き放しに保つ。
【0041】ところで、上記バルブ10は、いづれも水
銀を封入していない点でランプ廃棄後の環境汚染を防止
することができる利点がある。しかしながら、水銀が封
入されていないことから始動のときにペニング効果が期
待できず、始動性が劣る問題を抱えている。このような
観点からも、始動用細管15や41a、41bにより始
動を促すことは有効であるあるが、以下の点も考慮する
ことが望ましい。すなわち、本発明者らの研究、実験に
よれば、バルブ10の内径をd(mm)、高周波励起コイ
ル20への定格入力をP(ワット)、高周波励起コイル
20へ流す高周波電流の周波数をf(MHz)とした場
合、 10≦f≦100 …(1) 10≦d≦50 …(2) 250≦d・f≦7.5P …(3)
【0042】の条件を満足すればよい。但し、この種の
放電灯は、ランプ入力Pが20〜2000ワットの範囲
で用いられる。
【0043】このような数値範囲は、実験により確かめ
られている。つまり、水銀を封入していないランプの場
合、高周波励起コイル20の電磁誘導作用によりバルブ
内部に発生する電界が相対的に弱く、このため始動用細
管15からバルブ内に拡散するグロー放電がリング形の
プラズマ放電を誘起しない場合がある。バルブ10内で
周方向に発生する電界E(ボルト)は、バルブの内周面
にファラデーの電磁誘導の法則から得られる電圧を周長
で割ることにより、以下の方程式で表される。
【0044】
【数1】
【0045】ここで、rはバルブ10における赤道面で
のコイル軸を中心とする仮想円の半径であり、コイル軸
とランプ軸が一致している場合はバルブ10の内径に相
当する。μは透磁率、ωは角周波数、H(x)はバルブ
10における赤道面でのコイル軸からの径方向の距離x
における磁界のコイル軸方向に成分である。
【0046】上記電界Eは、上記H(x)が、外径方向
に向かうに従って増大する傾向にあるため、xが大きく
なるほど大きくなると考えられる。また、上記電界E
は、高周波励起コイル20へ入力される高周波電流の周
波数fの増大につれて大きくなり、よって始動が容易に
なると考えられる。
【0047】このような解析を踏まえて、次の条件のも
とで実験した。すなわち、図5に示す通り、バルブ10
の半径をr1 (=d/2)、高周波励起コイル20は2
枚の平板形プレートからなり、その内径をr2 、外径を
3 とし、これら2枚の平板形プレートの内径側離間寸
法をg、外径側離間寸法をhとする。但し、励起コイル
20の寸法は、バルブ10の内径r1 に応じて以下のよ
うに変化させた。 r2 =r1 +7(mm) r3 =2.4r1
7(mm) g=0.2r1 h=1.2r1
【0048】このような放電灯において、高周波励起コ
イル20へ流す高周波電流の周波数f(MHz)および
高周波励起コイル20へ供給する定格入力P(ワット)
を変化させ、始動性の判定を行った。判定条件は、バル
ブ10の温度がd2 /Pにほぼ比例することを利用し
て、これから点灯時の定格入力電力の上限を求めること
ができるが、始動時に高周波励起コイル20へ投入する
入力がこの上限を越えないことを条件とし、その値を
2.0(mm2 /W)とした。試験方法として、P=d2
/2.0で定まる電力をバルブに投入し、20回の試験
で全てランプが始動した場合を合格、1回でも始動に失
敗したランプを不合格と判定した。なお、周波数の上限
は100MHzとする。この結果を、下記表に示す。
【0049】
【表1】
【0050】上記表1から、前記(1)式、(2)式、
および(3)式を同時に満足すれば、水銀を封入してい
ないバルブであっても、したがって水銀によるペニング
効果を期待できないランプであっても始動性がよくなる
ことが確認された。
【0051】なお、上記表1において、高い周波数で始
動性が悪化するのは、周波数に比して高周波励起コイル
20が大形になり、コイル損失が増大するためであると
考えられる。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように本発明の1番目によ
ると、始動時には細管に間欠的に始動放電が発生するの
で隔壁には電界が間欠的に付与されるようになり、休止
期間が生じるので、隔壁の温度上昇を抑制することがで
き、隔壁の破損を防止することができる。
【0053】また、本発明の2番目によれば、バルブに
2本の始動用細管を接続し、始動時にはこれら細管に始
動放電を発生させるので、それぞれの細管の隔壁の負担
が軽減され、これら隔壁の温度上昇が抑制され、隔壁の
破損が防止される。しかもバルブに対しては偏心した位
置に始動放電が作用するので、リング形のプラズマ放電
を確実に発生させることができる。
【0054】そして、始動時に2本の始動用細管に交互
の始動放電を発生させるようにした場合は、それぞれの
細管の隔壁は、始動放電の休止期間があるので集中電界
が加わらなくなり、隔壁の温度上昇が抑制され、隔壁の
破損が一層防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示すソレノイド磁界式
放電灯およびその点灯回路を示す構成図。
【図2】同実施例における始動電極部の分解した図。
【図3】本発明の第2の実施例を示すソレノイド磁界式
放電灯およびその点灯回路を示す構成図。
【図4】本発明の第3の実施例を示すソレノイド磁界式
放電灯およびその点灯回路を示す構成図。
【図5】始動性を改善するために実験したソノイド磁界
式放電灯の寸法を示す図。
【図6】本発明の背景技術を示すソレノイド磁界式放電
灯およびその点灯回路を示す構成図。
【符号の説明】
10…バルブ 12…アーク放電 1
5…始動用細管 16…隔壁 17…始動用電極 1
8…始動回路 20…励起コイル 26…高周波発振回路 30、40、45…スイッチング手段

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透光性のバルブ内に発光物質を封入する
    とともに、このバルブを取り巻くようにして高周波励起
    コイルを配し、上記バルブにこのバルブ内と隔離して始
    動用細管を接続し、この始動用細管に始動用希ガスを封
    入し、この細管内で上記始動用ガスによる始動放電を発
    生させ、この始動放電によりバルブ内にプラズマ放電を
    誘起し、このバルブ内のプラズマ放電により上記発光物
    質を発光させるようにしたソレノイド磁界式放電灯にお
    いて、始動時に上記細管に間欠的に始動電圧を供給して
    間欠的な始動放電を発生させる手段を設けたことを特徴
    とするソレノイド磁界式放電灯。
  2. 【請求項2】 透光性のバルブ内に発光物質を封入する
    とともに、このバルブを取り巻くようにして高周波励起
    コイルを配し、上記バルブにこのバルブ内と隔離して始
    動用細管を接続し、この始動用細管に始動用希ガスを封
    入し、この細管内で上記始動用ガスによる始動放電を発
    生させ、この始動放電によりバルブ内にプラズマ放電を
    誘起し、このバルブ内のプラズマ放電により上記発光物
    質を発光させるようにしたソレノイド磁界式放電灯にお
    いて、上記バルブに2本の始動用細管を接続し、始動時
    にはこれら細管に始動電圧を供給してそれぞれ始動放電
    を発生させる手段を設けたことを特徴とするソレノイド
    磁界式放電灯。
  3. 【請求項3】 上記バルブに2本の始動用細管を設けた
    放電灯の場合、始動時にこれら細管に交互に始動電圧を
    供給して交互に始動放電を発生させる手段を設けたこと
    を特徴とする請求項2に記載のソレノイド磁界式放電
    灯。
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