JPH0684507A - ソレノイド磁界式放電灯およびこれを用いた照明装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】バルブから放射される光の有効利用率を高め、
照射光量を増すことができるソレノイド磁界式放電灯お
よびこれを用いた照明装置を提供する。 【構成】バルブ１０の周囲に高周波励起コイル２０を配
し、この高周波励起コイルに高周波電流を流して上記バ
ルブ内にプラズマ放電を発生させ、このプラズマ放電に
よりバルブ内の発光物質を発光させるようにし、上記バ
ルブ１０には、コイル軸方向に沿う一側面に反射膜１４
を形成し、この反射膜で反射された光を上記コイル軸方
向に沿う他方に向けて照射するようにしたことを特徴と
する。 【作用】バルブから放射される光は、直接に、および反
射膜により反射されてコイル軸方向に沿う他側に向かっ
て照射されるようになり、バルブの全表面から出る光を
照明として有効に利用することができ、効率が向上す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、高周波励起コイルによ
りバルブ内にプラズマ放電を発生させ、この放電により
バルブ内の発光物質を発光させるようにしたソレノイド
磁界式放電灯およびこれを用いた照明装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に良く知られている高圧金属蒸気放
電灯、つまりＨＩＤ放電灯は、発光管バルブの両端部に
高融点金属の構体からなる電極をそれぞれ封装し、これ
ら電極間でアーク放電を発生させ、バルブ内に封入した
発光金属を電離および励起させて発光させるようになっ
ている。

【０００３】しかしながら、このような構造のランプ
は、バルブ内に電極を配置するので、電極の封止構造が
複雑になり、電極封止部からのリークを防止するための
格別な工夫が必要となり、かつ電極が放電空間に露出し
ているので電極が侵蝕されるなど、種々の不具合が生じ
る。

【０００４】このような有電極形の放電灯の不具合を解
消するランプとして、ソレノイド磁界式放電灯が注目さ
れている。ソレノイド磁界式放電灯は、透明なバルブ内
に発光物質を封入し、このバルブを取り巻くようにして
高周波励起コイルを配し、この励起コイルを高周波発振
回路に接続して構成してあり、高周波発振回路より励起
コイルに高周波電流を流すと、高周波磁界が発生し、こ
れにより上記バルブ内でリング形状のプラズマ放電を発
生させ、このプラズマ放電にて上記発光物質を発光させ
る。このようなランプは、バルブ内に電極が無いことか
ら無電極放電灯とも称されており、上記有電極形ランプ
の不具合を解消することができる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、この種のソ
レノイド磁界式放電灯においては、バルブの周囲にこれ
を取り巻いて高周波励起コイルを配置してあり、しかも
このコイルはバルブ内に発生するドーナツ形プラズマ放
電と磁気的結合を強くするためバルブに可能な限り近づ
けて設置するようになっており、このため高周波励起コ
イルがバルブから放射される光を遮断することになる。
特に、この種の高周波励起コイルは、電流を流すと抵抗
分のためにコイル損失を生じ、これを低減するには平板
形コイルなどを用いて表面積を増すなどの対策がなされ
ており、このため高周波励起コイルが益々配光を乱した
り、影を作るなどの不具合がある。

【０００６】このようなことから、バルブから放射され
る光を照明として利用する場合、高周波励起コイルのコ
イル軸方向に向かう光を利用することが有効になる。つ
まり、高周波励起コイルはコイル軸方向に沿う両端がオ
ープンとなっているので、バルブから放射される光のう
ち、上記コイル軸方向に沿う光は遮光されず、よってこ
の方向の光を利用するようにすれば、効率がよくなる。

【０００７】しかしながら、コイル軸方向の光は軸方向
の両方に向かって照射するものであり、これら両方向の
光を利用しようとすると、バルブの支持構造や器具の構
造などの制約を受けるため、構造が複雑になる傾向があ
る。

【０００８】そこで、コイル軸方向の一方向に向かう光
を利用することになるが、この場合他方に向かう光が無
駄になり、したがってバルブから放射される全光量を照
明のために利用する有効利用率が低下する不具合があ
る。

【０００９】本発明はこのような事情にもとづきなされ
たもので、その目的とするところは、バルブから放射さ
れる光の有効利用率を高め、照射光量を増すことができ
るソレノイド磁界式放電灯およびこれを用いた照明装置
を提供しようとするものである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明のソレノイド磁界
式放電灯は、高周波励起コイルにより包囲された透光性
バルブには、上記高周波励起コイルのコイル軸方向に沿
う一側面に反射膜を形成し、この反射膜で反射された光
を上記コイル軸方向に沿う他方に向けて照射するように
したことを特徴とする。

【００１１】また、本発明の照明装置は、透光性バルブ
を取り巻くようにして高周波励起コイルを配し、この高
周波励起コイルに高周波電流を流して上記バルブ内にプ
ラズマ放電を発生させ、このプラズマ放電によりバルブ
内に封入した発光物質を発光させるようにしたソレノイ
ド磁界式放電灯と、上記放電灯から放射される光を反射
する反射鏡とを具備し、

【００１２】上記放電灯のバルブには、上記高周波励起
コイルのコイル軸方向に沿う一側面に反射膜を形成し、
この反射膜で反射された光を上記コイル軸方向に沿う他
方に向けて照射するようにし、

【００１３】上記反射鏡は上記放電灯からコイル軸方向
に沿って照射された光を反射してこの反射光を上記高周
波励起コイルのコイル軸と交差する方向に照射するよう
にしたことを特徴とする。

【００１４】

【作用】本発明によれば、バルブから放射される光は、
直接および反射膜により反射されて上記高周波励起コイ
ルのコイル軸方向に沿う他側に向かって照射されるよう
になり、バルブの全表面から出る光を照明として有効に
利用することができ、効率が向上する。

【００１５】そして、本発明の照明装置の場合は、この
ような一方向に照射される光を反射鏡で反射して高周波
励起コイルのコイル軸と交差する方向に照射するように
したから、高周波励起コイルによる配光の乱れや、影の
発生を防止することができる。

【００１６】

【実施例】以下本発明について、図１および図２に示す
第１の実施例にもとづき説明する。図１は街路灯などに
適用して有効な照明装置の例を示し、１は器具本体であ
り、この器具本体１はランプ室２と回路部品室３とに区
画されている。

【００１７】ランプ室２は下面が開口、またはプリズム
カバー４により閉塞されており、このランプ室２には本
発明のソレノイド磁界式放電灯５が収容されているとと
もに、この放電灯５から放射される光を上記プリズムカ
バー４の方向に反射する反射鏡６が設置されている。

【００１８】回路部品室３には、上記放電灯５の点灯を
維持する高周波発振回路、マッチング回路などを含む主
点灯回路（詳細な図示をしない）が、プリント回路基板
７に配線して設けられているとともに、上記放電灯５を
始動させるための始動回路部品８が収容されている。な
お、上記主点灯回路を設けたプリント回路基板７には放
熱用のヒートパイプ９が連結されており、このヒートパ
イプ９は器具本体１の外部の導出されている。このヒー
トパイプ９にはフィン９ａ…が取着されており、上記プ
リント配線基板７の熱がヒートパイプ９により外部へ放
熱されるようになっている。

【００１９】上記ソレノイド磁界式放電灯５について、
図２にもとづき説明する。すなわち、図中１０は発光管
バルブであり、例えば合成石英などのような高融点ガラ
スや、アルミナなどのような透明セラミック材料により
構成されている。このバルブ１０は、例えば楕円球形を
なしており、短軸方向の中心線がバルブ軸Ｏ−Ｏとな
り、このバルブ軸Ｏ−Ｏに直交する長軸方向の中心線が
バルブ中心線Ｘ−Ｘとなっている。このバルブ１０内に
はプラズマによるア−ク放電１２によって発光する発光
物質、例えば金属ハロゲン化物が封入されている。な
お、バルブ１０内には上記発光物質の外に、アルゴン、
キセノン、クリプトン、ネオンなどのような希ガスが少
なくとも１種封入されている。

【００２０】上記バルブ１０の一端、つまりバルブ軸Ｏ
−Ｏ上に位置する一端には、始動用細管１５が接続され
ている。この始動用細管１５はバルブ１０と同一材料で
あることが望ましく、バルブ軸Ｏ−Ｏ方向に沿って一方
向、すなわち図２の図示右側に伸びている。この始動用
細管１５の内部はバルブ１０の内部に対して隔壁１６を
介して隔離されており、この細管１５内には始動用希ガ
スとして例えばアルゴンまたはクリプトンの少なくとも
１種が封入されている。

【００２１】上記始動用細管１５は、図１に示すバルブ
ホルダ１８に取着されているとともに、図示しない始動
用電極を介して前記始動回路部品８と電気的に接続され
ている。このため、バルブ１０は上記始動用細管１５を
接続した面と反対側の面、つまり図２の図示左側の面
が、前記反射鏡６と対面するようになっている。

【００２２】バルブ１０の周囲には高周波励起コイル２
０が配置されている。高周波励起コイル２０は例えば２
タ−ンコイルからなり、高純度アルミニウム、または
銅、もしくは銀などの導電性に優れた金属より形成さ
れ、コイル素線の断面形状が非円形、例えば偏平をなし
ており、つまり平板形をなしている。この平板形高周波
励起コイル２０は、コイル軸が前記バルブ軸Ｏ−Ｏと一
致されており（両者とも軸Ｏ−Ｏで示す）、かつこのコ
イル軸Ｏ−Ｏと直交する方向のコイル中心線Ｙ−Ｙが前
記バルブ中心線Ｘ−Ｘと一致されている。

【００２３】このような高周波励起コイル２０は、両端
が前記点灯回路のマッチング回路を介して高周波発振回
路に接続されており、この高周波発振回路から供給され
る高周波電圧により高周波電流が流されるようになって
いる。このような高周波電流により、高周波励起コイル
２０内にはこの励起コイル２０のコイル軸方向Ｏ−Ｏに
沿って磁界が発生し、これによりコイル２０の中心部空
間に収容されたバルブ１０内に、コイル軸Ｏ−Ｏを取巻
くようにしてプラズマによるドーナツ形のア−ク放電１
２が発生する。この放電１２により発光金属が電離およ
び励起されて光を発し、この光はバルブ１０を透過して
外部に放射されるようになっている。

【００２４】このような放電灯５においては、上記バル
ブ１０の背面側、つまり始動用細管１５を連結した端部
側の面、さらに述べると図２の図示左側に、反射膜１４
が形成されている。この反射膜１４は、例えばアルミナ
などのような電気絶縁性の反射作用を有する被膜にて形
成されており、バルブ１０の背面側を、バルブ全表面積
の５〜６０％の範囲に亘って覆っている。このため、バ
ルブ１０から放射される光は、主として図２の左方向へ
向けて放出されるようになっている。

【００２５】なお、反射膜１４が導電性である場合は、
高周波励起コイル２０の磁界の作用で反射膜に渦電流が
誘起され、バルブ内にプラズマと結合される磁束が減っ
て効率が低下する恐れがあるため、反射膜１４は絶縁体
であることが望ましい。

【００２６】このような構成のソレノイド磁界式放電灯
５は、図１に示すように、ランプ室２に収容されてい
る。この場合、前記したように、バルブ１０の一端に連
結した始動用細管１５が、バルブホルダ１８に取着され
るようになっており、このためバルブ１０は始動用細管
１５を接続した面と反対側の面、つまり図２の図示左側
の面が反射鏡６と対面するようになっている。また、こ
のバルブ１０を取り巻く高周波励起コイル２０は主点灯
回路を備えたプリント回路基板７に連結されており、コ
イル軸Ｏ−Ｏがバルブ軸Ｏ−Ｏと一致されている。この
ような構成のソレノイド磁界式放電灯５および照明装置
の作用を説明する。

【００２７】ランプを始動させる場合は、高周波始動回
路部品８から始動用電極に始動電圧を供給し、同時に主
点灯回路から励起コイル２０に高周波電流を流し、バル
ブ１０内に高周波磁界による電界を発生させる。する
と、始動用電極とバルブ１０内の電界との間で電位差が
生じ、始動用細管１５内の希ガスがグロー放電を発生す
る。このグロー放電とバルブ１０内の電界との間に電界
勾配が発生し、このためバルブ１０内でプラズマ放電が
誘起され、リング形状の放電１２が発生する。このよう
なリング形のプラズマ放電により、バルブ１０内に封入
した発光物質が電離および励起されて発光する。

【００２８】この発光はバルブ１０から外部に放出され
る。本実施例の場合、バルブ１０の右半分に反射膜１４
を形成したので、バルブ１０からコイル軸Ｏ−Ｏの左方
向に放出される光は直接反射鏡６に向かって照射され、
また右方向に出ようとする光は反射膜１４にて反射され
るため、やはり反射鏡６に向かって照射される。

【００２９】このようにして反射鏡６に達した光は、こ
の反射鏡６によりコイル軸Ｏ−Ｏ方向と交差した方向に
向けて反射され、プリズムカバー４を通じて下方に照射
される。

【００３０】したがって、上記ソレノイド磁界式放電灯
５、図２に示す通り、バルブ１０の右半分に反射膜１４
を形成したので、バルブ１０から放出される光は全部左
方向に向かうようになり、バルブ１０の回りに高周波励
起コイル２０が存在していてもこの高周波励起コイル２
０によって光が遮られることがないので、左方向への光
量が増大する。つまり、バルブ１０から放射される全光
量を照明のために利用することができる。

【００３１】そして、このような放電灯５を光源とした
照明装置においては、上記のようにコイル軸Ｏ−Ｏに沿
う一方向に向けて照射される光を反射鏡６によりコイル
軸Ｏ−Ｏと交差する方向に反射し、プリズムカバー４を
通じて下方に照射するから、バルブ１０から出た光が下
方照明となるまでの経路の途中に高周波励起コイル２０
がなく、よって高周波励起コイル２０により光が遮られ
ることがなく、このため配光の乱れや高周波励起コイル
２０の影が発生することがない。この結果、器具効率が
向上する。

【００３２】なお、上記実施例の場合、反射膜１４の被
覆面積を、バルブ全表面積の５〜６０％としたが、これ
が５％未満の場合はバルブ１０から放射される光のうち
図示右側に向かう光量が増し、反射膜１４を設ける初期
の目的が達成できず、また６０％を越えるとバルブ１０
から図示左方向に向かう直射光および反射光が減じられ
るので望ましくない。

【００３３】また、上記実施例の場合、バルブ１０のバ
ルブ軸Ｏ−Ｏと、高周波励起コイル２０のコイル軸Ｏ−
Ｏを一致させるとともに、バルブ中心線Ｘ−Ｘとコイル
中心線Ｙ−Ｙを一致させるようにしたが、図３に示す第
２の実施例で示す通り、ランプの始動時には、バルブ中
心線Ｘ−Ｘとコイル中心線Ｙ−Ｙを相互にコイル軸Ｏ−
Ｏ方向に偏位させるようにしてもよい。このような偏位
によれば、始動が容易になる。

【００３４】すなわち、バルブ１０内にドーナツ形のプ
ラズマ放電を発生させてグロー放電またはアーク放電に
移行させる場合は、高周波励起コイル２０によって大き
な誘導磁界を形成し、この電磁誘導によりドーナツ形プ
ラズマを発生させるものであるから、プラズマの径が大
きいければ大きい程大きな電磁誘導エネルギーを注入す
る必要がある。そして、上記ドーナツ形のプラズマは注
入エネルギーが集中するコイル中心線Ｙ−Ｙの上に形成
される。

【００３５】このため、上記バルブ中心線Ｘ−Ｘとコイ
ル中心線Ｙ−Ｙをコイル軸Ｏ−Ｏ方向にずらせた場合
は、コイル中心線Ｙ−Ｙが楕円球形のバルブ１０の径の
小さな領域に対向するようになり、よって径の小さなド
ーナツ形のプラズマ放電が形成されるようになる。この
結果、始動が容易になり、始動に要する電磁誘導エネル
ギーが小さくてすみ、始動電圧を低くすることができ
る。なお、バルブ１０内にドーナツ形のプラズマ放電が
発生すると、プラズマ内で急激に電圧降下が発生し、一
気にア−ク放電に移行する。

【００３６】この場合、始動時には上記した通り、バル
ブ中心線Ｘ−Ｘとコイル中心線Ｙ−Ｙをコイル軸Ｏ−Ｏ
方向にずらせておき、ア−ク放電に移行した後に、これ
らバルブ中心線Ｘ−Ｘとコイル中心線Ｙ−Ｙを一致させ
るように、バルブ１０またはコイル２０を相対的に移動
させるようにしてもよい。このような移動手段は図示し
ないが、バルブ１０がア−ク放電に移行したことを検知
するセンサーと、このセンサーにより作動されるモータ
等の駆動源とで構成し、この駆動源によりバルブ１０ま
たはコイル２０を軸Ｏ−Ｏ方向に移動させるようにすれ
ばよい。なお、長軸の内径が２４mm、短軸の内径が１
９．５mmの楕円球形バルブ１０で、希土類金属のハロゲ
ンとクリプトンを封入したランプの場合、バルブ中心線
Ｘ−Ｘとコイル中心線Ｙ−Ｙを一致させた場合、つまり
偏位量δが零の場合は始動に要するコイル電流は８５Ａ
であり、これに対し、偏位量δが１mmの場合は始動に要
するコイル電流が８０Ａ、偏位量δが２mmの場合は始動
に要するコイル電流が７２Ａ、偏位量δが４mmの場合は
始動に要するコイル電流が６５Ａ、偏位量δが５mmの場
合は始動に要するコイル電流が６０Ａ、偏位量δが６mm
の場合は始動に要するコイル電流が６０Ａであることを
確認している。

【００３７】また、図１の実施例の場合、街路灯などに
適用して有効な照明装置の場合を示したが、本発明はこ
れに制約されるものではなく、例えば図４に示す第３の
実施例のように、ダウンライト等に適用することができ
る。図４の場合、反射鏡６がランプ室２を構成してお
り、このランプ室２の下面が開口されている。ランプ５
から放射された光は、前記実施例と同様にして反射鏡６
に向かい、この反射鏡６で反射されてランプ室２の下面
開口部より下向きに照射される。なお、図４において１
９はＤＣ電源であり、このようなＤＣ電源１９を装着す
れば、車両等にて適用可能であり、また携帯用としても
使用可能である。さらに、図５および図６は本発明の第
４の実施例を示す。

【００３８】この実施例においては、バルブ１０の軸方
向Ｏ−Ｏに沿って両方向に出る光を照射光に有効に利用
しようとする例である。すなわち、本実施例の場合、始
動用細管１５をバルブ１０の軸Ｏ−Ｏから斜め方向に延
長し、この始動用細管１５を接続した面からコイル軸Ｏ
−Ｏ方向に出る光も反射鏡６に向わせるようになってい
る。この場合、反射膜１４は始動用細管１５およびその
根元部分を覆うことにより、細管１５側に向かう光を反
射して有効に利用するようになっている。なお、始動用
細管１５は、高周波励起コイル２０外側を通り、主点灯
回路の基板に接続されている。

【００３９】このような構成の場合は、バルブ１０から
出た光をバルブ軸（コイル軸）Ｏ−Ｏに沿う両方向に導
き出して反射鏡６を通じて下方照明に変更することがで
きるから、バルブ１０の両面からでる光を活用でき、図
１や図４の場合に比べて、反射鏡６の構造が簡単にな
る。

【００４０】図５において、３０は器具の吊具、また４
０は始動用細管１５を機械的、電気的に連結するための
ソケットを示し、バルブ１０はソケット４０に脱着可能
となっている。

【００４１】さらに、各実施例の場合、高周波励起コイ
ル２０の断面形状を偏平にしてあるから、表面積が増
し、高周波電流は導体の表面を流れる性質があるため表
皮効果が大きくなり、電流に対する抵抗が小さくなり、
また表面積が大きいことから放熱効果が大きくなり、上
記抵抗が小さくなることと相俟って自己発熱が軽減さ
れ、コイル効率が向上する。

【００４２】しかしながら、本発明の目的は、放射光の
有効利用の点にあり、高周波励起コイルの素線の断面形
状は平板形に限らず、円形ワイヤにより構成した高周波
励起コイルであってもよい。

【００４３】また、本発明は始動用細管１５を備えるこ
とには限らず、他の始動手段を用いるランプ、または格
別な始動手段を設けないランプであっても実施可能であ
る。したがって、バルブ１０を支持する構造は、バルブ
に連結したホルダ等のような支持具を用いるようにして
もよい。

【００４４】

【発明の効果】以上説明したように本発明のソレノイド
磁界式放電灯によると、バルブから放射される光は、直
接および反射膜により反射されて高周波励起コイルのコ
イル軸方向に沿う他側に向かって照射されるようにな
り、バルブの全表面から出る光を照明として有効に利用
することができ、効率が向上する。

【００４５】また本発明の照明装置によれば、上記のよ
うに一方向に照射される光を反射鏡で反射して高周波励
起コイルのコイル軸と交差する方向に照射するので、高
周波励起コイルによる配光の乱れや、影の発生を防止す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例を示すソレノイド磁界式
放電灯を用いた照明装置の構成図。

【図２】同実施例におけるソレノイド磁界式放電灯の断
面図。

【図３】本発明の第２の実施例を示すソレノイド磁界式
放電灯の断面図。

【図４】本発明の第３の実施例を示す照明装置の構成
図。

【図５】本発明の第４の実施例を示すソレノイド磁界式
放電灯を用いた照明装置の構成図。

【図６】同実施例におけるソレノイド磁界式放電灯の断
面図。

【符号の説明】

１…器具本体 ２…ランプ室
３…部品収容室 ５…ソレノイド磁界式放電灯
６…反射鏡 ７…プリント回路基板７ ８…始動回路部品
９…ヒートパイプ １０…バルブ １２…プラズマ放電
１５…始動用細管 ２０…高周波励起コイル。

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 透光性のバルブを取り巻くようにして高
   周波励起コイルを配し、この高周波励起コイルに高周波
   電流を流して上記バルブ内にプラズマ放電を発生させ、
   このプラズマ放電によりバルブ内に封入した発光物質を
   発光させるようにしたソレノイド磁界式放電灯におい
   て、 上記バルブには、上記高周波励起コイルのコイル軸方向
   に沿う一側面に反射膜を形成し、この反射膜で反射され
   た光を上記コイル軸方向に沿う他方に向けて照射するよ
   うにしたことを特徴とするソレノイド磁界式放電灯。
2. 【請求項２】 上記反射膜は、上記バルブの全表面積の
   うちの５〜６０％を覆っていることを特徴とする請求項
   １に記載のソレノイド磁界式放電灯。
3. 【請求項３】 上記バルブのバルブ軸方向と直交する方
   向の中心線を、上記高周波励起コイルのコイル軸方向と
   直交する方向のコイル中心線からコイル軸方向へ偏位し
   て設けたことを特徴とする請求項１に記載のソレノイド
   磁界式放電灯。
4. 【請求項４】 透光性のバルブを取り巻くようにして高
   周波励起コイルを配し、この高周波励起コイルに高周波
   電流を流して上記バルブ内にプラズマ放電を発生させ、
   このプラズマ放電によりバルブ内に封入した発光物質を
   発光させるようにしたソレノイド磁界式放電灯と、 上記放電灯から放射される光を反射する反射鏡とを具備
   し、 上記放電灯のバルブには、上記高周波励起コイルのコイ
   ル軸方向に沿う一側面に反射膜を形成し、この反射膜で
   反射された光を上記コイル軸方向に沿う他方に向けて照
   射するようにし、 上記反射鏡は上記放電灯から照射された光を反射してこ
   の反射光を上記コイル軸と交差する方向に照射するよう
   にしたことを特徴とする照明装置。
5. 【請求項５】 上記放電灯のバルブには、上記反射膜を
   形成した面側に始動用細管またはバルブ支持具を設け、
   この始動用細管またはバルブ支持具は、上記高周波励起
   コイルのコイル軸から斜め方向に延長し、かつ上記高周
   波励起コイルの外側を通るように配置したことを特徴と
   する請求項４に記載の照明装置。