JPH05198004A - 光記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

光記録媒体及びその製造方法

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JPH05198004A
JPH05198004A JP4281638A JP28163892A JPH05198004A JP H05198004 A JPH05198004 A JP H05198004A JP 4281638 A JP4281638 A JP 4281638A JP 28163892 A JP28163892 A JP 28163892A JP H05198004 A JPH05198004 A JP H05198004A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 光記録媒体に於いて、内周部及び外周部にそ
れぞれ設けられた記録層を有しない領域以外の領域に、
色素を含有する記録層を有し、この記録層の上に内周部
は記録層と一致するように、且つ外周部は記録層を越え
て金属の反射層を設け、更にこの反射層の上に内周部及
び外周部共に反射層を越えて保護層を設けた光記録媒
体。 【効果】 内周部および外周部に基板の露出部分を容易
に設けることが出来、最内周部および最外周部は記録層
及び反射層を越えて保護層を成膜することに依って、高
温・高湿条件下に媒体を放置しても保護層が剥離するこ
とがなくなり、保護機能が向上し信頼性に優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光記録媒体、特に大容量
情報が記録可能な色素を記録層とする単板型の高反射率
の光記録媒体、及び光記録媒体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】色素を記録層とし且つ反射率を大きくす
るため記録層の上に金属の反射層を設け更にこの上に保
護層を設けた単板型の追記可能且つ市販コンパクトディ
スク(以後CDと略す)プレーヤーと互換性を有する光
記録媒体は、例えば OpticalData Storage 1989 Techni
cal Digest Series Vol.1 45(1989)、特開平2-132656、
特開平2-168446等に提案されている。
【0003】この光記録媒体に於いては記録層及び反射
層を保護するために、反射層の上に保護層が設けられて
いる。この保護層は記録層や反射層が傷つくことを防ぐ
ためハードコートと称される硬い樹脂が通常用いられて
いる。更に保護層の機能としては記録層や反射層が剥離
したりすることを防ぎ、且つ記録層や反射層の酸化劣化
等を防止し耐久性の向上に役立たしめることである。そ
れ故に保護層には反射層との良好な密着性が求められて
いる。
【0004】しかしながら、一般に色素を記録層に用い
る媒体に於て、記録層を成膜するには通常スピンコート
法を用いて成膜される。光ディスク基板の内周部のグル
ーブがあるが、スピンコート法によって記録層を成膜し
た場合、この基板内周部のグルーブのさらに内側から外
側の全面に記録層が成膜される。そして前記したように
保護層と反射層との密着性を考慮した場合、例えば特開
平2-183442、特開平2-236833に提案されているように内
周部及び外周部の記録膜を除去し、保護層を記録層及び
反射層を越えて成膜することが求められる。
【0005】このように、保護層を記録層及び反射層を
越えて成膜するためには、記録層が成膜されている最外
周及び最内周の外側に基板が露出している部分を設けね
ばならない。そのためには従来は、外周部及び内周部の
記録膜を(即ち、記録膜を除去すべき外周の部分と内周
の部分を)、記録層を成膜した後除去していた。しかし
て、外周部の記録膜を除去するには、例えば基板を回転
しながら外周部に溶剤を滴下することに依って容易に除
去できる。一方、内周部の記録層の除去は外周部の場合
と同じ方法では除去できず、例えば特開平2-183442に開
示されているように拭き取るか又はレーザーにより燃焼
させて除去せざるを得なかった。しかしながら、我々の
検討によると、いづれの方法も煩雑で生産性に劣るのみ
ならず、必ずしも記録膜は完全に除去できない。このた
め、保護層の密着性は充分ではなく、媒体を高温高湿度
下の条件に長時間放置した場合、内周部の剥離強度が低
下し、テープ剥離試験を行った場合内周部から剥離を起
こすという問題点があることを我々は見い出した。
【0006】内周部の記録層の別の除去方法としては、
特開平2-236833に開示されているように、記録層を越え
ることなく反射層を成膜し、その後内周部の反射層から
はみ出している記録層を溶剤で洗い流す方法がある。こ
の方法に於いては、反射層が溶剤に侵漬されると云う欠
点があることを我々は見い出した。反射層は金属の薄膜
であるため、溶剤に侵漬されるとダメージを受け、反射
層が剥離したり、媒体のノイズが増加したりするという
欠点を有していることを見い出した。更にこの方法は煩
雑な溶剤洗浄工程が必要となるばかりでなく、生産性も
劣っていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは保護層の
反射層に対する密着性に優れ、従って高温高湿度下の条
件に長時間放置した後テープ剥離試験を行っても内周部
や外周部から剥離を起こさない単板型の光記録媒体を、
容易で且つ生産性に優れた方法を製造する方法を開発す
べく種々検討を行った。その結果、外周部と内周部では
保護層等に残留する応力が異なり、内周部の方が残留応
力が格段に小さいと云う重要な事実が存在することにに
気付き、外周部は記録層を越えて反射層を成膜し、更に
反射層を越えて保護層を成膜し、一方内周部は保護層が
記録層及び反射層を越えて成膜されていれば、即ち反射
層は記録層を越えていなくても良いことを見いだし本発
明を完成した。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、透
明な樹脂基板上に、記録層、反射層、保護層の順に積層
してなる光記録媒体であって、該基板上の内周部及び外
周部にはそれぞれ記録層を有しない領域( 例えば図4の
4、6' )が設けられており、該領域以外の領域に、色
素を含有する記録層が設けられ、この記録層の上に、金
属の反射層が、内周部は記録層の端部とほぼ一致するよ
うに、且つ外周部は記録層を越えて設けられており、更
にこの反射層の上に、内周部及び外周部共に反射層を越
えて保護層が設けられている光記録媒体、および、透明
な樹脂基板上に、記録層、反射層、保護層の順に積層し
てなる光記録媒体の製造方法であって、該基板上に塗布
法好ましくはスピンコート法により色素を含有する記録
層を設けた後、該基板の最外周部近傍の記録層を除去す
ることにより基板最外周の内側に基板表面が露出した部
分を設け、次にこの記録層の上に、金属の反射層を、該
内周部は該記録層がはみ出るように、一方外周部は記録
層を越えて、且つ最外周部には反射層を有しない領域を
設けるように設け、更にこの反射層の上に、内周部は記
録層が設けられている領域から、又は記録層を越えて、
一方外周部は反射層を越えて基板の最外周部まで、記録
層の物質を溶解する液状樹脂を塗布した後、該液状樹脂
を硬化し、保護層を成膜する光記録媒体の製造方法、で
ある。
【0009】図1〜図4は本発明の光記録媒体が形成さ
れる過程を示す図である。図1は、本発明の光記録媒体
の、基板の上に記録層が設けられる過程における、内周
部から外周部の構造の一例を示す断面図、図2は図1に
おける最外周部の記録層を除去した過程における構造の
一例を示す断面図、図3は図2の過程の次に、反射層を
記録層の上に設けた過程の構造の一例を示す断面図、図
4はその上に保護層を設けた本発明の光記録媒体の構造
の一例を示す断面図を示す。なお、図5は本発明の光記
録媒体の構造の一例を示す断面斜視図である。以下の説
明の理解には、この図面を適宜参照することによってよ
り容易になろう。ここで、1は基板、2は記録層、3は
スタンパーの固定溝、4は最外周部の記録層除去領域、
5は反射層、6は最内周部の反射層からはみ出している
記録層、4’は最外周部の反射層が設けられていない領
域、7は保護層、6’は保護層用の液状樹脂によって記
録層が溶解除去された領域、1’は基板外周側面を示
す。尚、外周部とは、基板の最外周部及びその内側近傍
を言う。
【0010】本発明に於て用いられる透明な樹脂基板と
しては、信号の記録や読み出しを行うための光を透過す
るものが好ましい。光の透過率としては85%以上であ
り、且つ光学的異方性の小さいものが望ましい。例えば
アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド
系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等の
熱可塑性樹脂を用いた基板が好ましい例示として挙げら
れる。これらの中で基板の機械的強度、グルーブやプレ
ピットなどの付与のしやすさ、経済性の点からアクリル
系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹
脂の射出成形樹脂基板が好ましく、特にポリカーボネー
ト系樹脂基板が最も好ましい。
【0011】これらの基板の形状は板状でもフィルム状
でもよく、又円形やカード状でもよい。これらの基板の
表面には記録位置を制御するためのグルーブを有する。
又部分的にピット等を有していてもよい。かかるグルー
ブやピット等は、射出成形や圧縮成形又は注型によって
基板を作る際に付与するのが好ましい。グルーブやピッ
トを基板の成形時に付与するにはスタンパーを成形機の
金型内に装着して転写すればよい。又、射出成形により
作られた基板には、内周部にスタンパー固定治具による
凹状の溝が形成される。
【0012】本発明の光記録媒体に於いては、該透明な
樹脂基板の上に、色素を含有する記録層、反射層、保護
層を順次積層してなるが、色素を含有する記録層に用い
られる色素とは、ポリメチン系色素、フタロシアニン系
色素、ナフタロシアニン系色素、ナフトキノン系色素、
アズレン系色素、ジチオール金属錯体系色素等の半導体
レーザーの発振波長域に吸収を有する色素が挙げられ
る。これらの色素は溶剤に対する溶解性を改良したり、
記録特性等の改善のために各種の置換基で置換されてい
てもよい。又、これらの色素は1種又は2種以上を混合
して用いることも出来る。これらの色素の中でも色素の
耐久性を考慮すればフタロシアニン系色素、ナフタロシ
アニン系色素が好ましい。
【0013】本発明に於いては、前記した色素を含有す
る記録層は、通常塗布法によって成膜することが出来
る。塗布法の中でもスピンコート法が好ましい。
【0014】上記色素を塗布法により成膜する際は、樹
脂基板にダメージを与えない溶剤、即ち基板用樹脂を実
質的に溶解しない溶剤、例えばヘキサン、ヘプタン、オ
クタン、デカン、シクロヘキサン等の脂肪族や脂環式炭
化水素系溶剤、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、
ジイソプロピルエーテル等のエーテル系溶剤等の非極性
溶剤や、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプ
ロピルアルコール、アリルアルコール、メチルセロソル
ブ等のアルコール系溶剤に色素を溶解して用いればよ
い。
【0015】そして前記した色素溶液を塗布法好ましく
はスピンコート法によって例えば射出成形樹脂基板の場
合は内周部のスタンパー固定治具によってできた溝の外
側の基板全面に塗布すればよい。例えば図1に示したと
おりである。
【0016】次に本発明に於いては、最外周部に基板が
露出した部分( 図2の4の部分 )を設けるために、最外
周部の記録膜を溶剤により除去する。除去する方法とし
ては、基板を回転しながら最外周部近傍の記録膜を除去
すべき箇所に溶剤を滴下する方法が挙げられる。この際
用いる溶剤は色素を3重量%以上溶解する溶剤が好まし
い。
【0017】記録層を除去するのに用いられる溶剤の具
体例としては、以下の通りである:色素を塗布する際に
用いられる前記した溶剤や四塩化炭素、クロロホルム、
メチルクロロホルム、1 、1 2- トリクロロエタン、トク
リレン、ジクロルメタン等のハロゲン系溶剤、ベンセ
ン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶剤、シクロヘ
キサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
等のケトン系溶剤、ブチルセロソルブ、エチルセロソル
ブ等のアルコール系溶剤、酢酸ブチル、酢酸アミル、セ
ロソルブアセテート等のエステル系溶剤が挙げられる。
これらの溶剤は1種又は2種以上を混合して用いること
が出来る。
【0018】色素を含有する記録層を成膜する際には、
前記した色素の他に、ニトロセルロース、エチルセルロ
ース、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ウレタン樹脂
等の樹脂やレベリング剤、消泡剤等を本発明の効果を損
なわない範囲、例えば20重量%以下、好ましくは10
重量%以下で併用することもできる。
【0019】次に本発明に於いては、記録層の上に反射
層が設けられる。通常この反射層は金属の薄膜が好まし
い。本発明に於いては通常のCDプレーヤーとの互換性
を考慮すれば媒体のグルーブ上での反射率を60%以上
にするのが好ましい。好ましい金属としては、アルミ、
金、銀、銅、白金、ニッケル等やこれらの金属を一成分
とする合金等が挙げられる。これらの金属の反射層は蒸
着、スパッター等の方法で成膜することが出来る。又、
これらの反射層の膜厚は通常500〜2000A程度が
好ましい。そしてこの反射層5は内周部は記録層がはみ
出すように( 図3の6の部分。円形の基板の場合は、該
記録層が円環状に露出するように)設け、一方、外周部
は記録層を越えて、且つ最外周部には反射層を有しない
領域( 図3の4' )を設けるように設ける。円形基板の
場合は、最外周部の円周部には基板が円環状に露出して
いる部分が残るように成膜する。
【0020】次にこれらの金属の反射膜を保護するため
に、反射層の上に更に保護層7が設けられる。保護層は
通常液状樹脂が用いられる。すなわち、液状樹脂を塗布
した後、硬化することによって成膜することができる。
この際、特に生産性などの点から紫外線硬化樹脂が好ま
しい。保護層の膜厚は1〜15μm 程度が好ましい。こ
の保護層を成膜する際は、図4( 一部図3 )に示すよう
に、最内周部は記録層が設けられている領域( 6 )か
ら、又は記録層を内側に越えた領域から、紫外線硬化樹
脂を塗布し、一方外周部は反射層を越えて基板の最外周
部(基板が露出している部分、4' )まで、又は基板外
周側面( 1' ) まで紫外線硬化樹脂を塗布した後、紫外
線を照射し硬化すればよい。例えばスタンパー固定治具
による溝を有する基板に、塗布法好ましくはスピンコー
ト法を用いて該保護層用の液状樹脂を塗布する場合は、
該スタンパー固定治具の溝の外側に液状樹脂を滴下し、
回転させて基板の全面に塗布すれば良い。このようにし
て塗布することによって、最内周部で反射膜からはみ出
ていた記録層は液状硬化樹脂に依って溶解し除去され、
保護層7は記録層及び反射層を越えて成膜される( 図4
の6' ) 。一方、外周は最外周部に基板が露出した部分
が設けられているので記録層及び反射層を越えて保護層
7が成膜される( 図4の4 )。それ故に、保護層に用い
られる液状樹脂は未硬化状態で記録層物質を0.5重量
%以上、好ましくは1重量%以上溶解できる樹脂を選択
することが好ましい。更に、保護層と基板の密着性の点
からは、該保護層用の液状樹脂は未硬化状態で基板樹脂
を0.5重量%以上溶解できる樹脂が好ましく、1重量
%以上溶解できる樹脂が更に好ましい。
【0021】本発明に於いては、反射層を形成した過程
で、内周部の反射層からはみ出している記録層は、保護
層用の液状樹脂を塗布した際に、その大部分は該液状樹
脂に溶解し除去されることが好ましいが、必ずしも完全
に除去されなくてもよい。特に、該液状樹脂が基板樹脂
をある程度溶解しうる樹脂であれば、残存する記録層を
浸透しながら基板をも溶解し、保護層と基板の密着性の
向上に効果がある。
【0022】それ故に、保護層に用いられる紫外線硬化
樹脂は、未硬化状態で記録層物質を0.5重量%以上、
好ましくは1重量%以上溶解する樹脂が好ましいのであ
る。またそれ故に、保護層と基板の密着性の点からは、
紫外線硬化樹脂は未硬化状態で基板樹脂を0.5重量%
以上、更に好ましくは1重量%以上溶解する樹脂が好ま
しいのである。図5は斯くして形成された本発明の光記
録媒体の構造の一例を断面斜視図として示したものであ
る。
【0023】本発明の光記録媒体は基板を通してレーザ
ー光を照射し信号の記録及び読み出しを行うが、用いる
レーザー光の波長は通常640 〜850 nmに発振波長を有す
る半導体レーザーが好ましい。記録する際は、媒体を回
転させながら記録膜上におけるレーザーの出力を5 〜10
mW 程度にし、又読み出す場合はレーザーの出力を記録
時の1/10程度にすればよい。又本発明の光記録媒体は保
護層の上に印刷などを行うこともできる。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明の実施の態様はこれにより限定されるもの
ではない。 実施例1 厚さ 1.2mm、直径 120mmのスパイラル状のグルーブ(深
さ140nm 、幅 0.5μm、ピッチ1.6 μm )を有する射出
成形ポリカーボネート樹脂基板のグルーブを有する面の
スタンパー固定溝の外側にPd- テトラ- (t-t-ブチル
ーシクロヘキシルオキシ)フタロシアニンのブロム(平
均3.0個/1分子)化色素の3.5重量%のオクタン
溶液を滴下したのち、この樹脂基板を1500rpm の速度で
10秒間回転した。
【0025】更に3000rpm で20秒間回転した後、基板を
回転させながらオクタンを基板の最外周部の記録層に滴
下して最外周部の記録層を除去した。次にこの記録膜を
成膜した樹脂基板を40℃の雰囲気で10分間乾燥した。こ
の様にして、内周部はスタンパー固定溝に接しながら該
溝の外側から、外周部は基板最外縁から1.5mm 内側の領
域に、実質的にフタロシアニン色素のみからなる記録層
が成膜された。
【0026】この記録層の上に反射層として厚さ80nm
の金薄膜をスパッターにより成膜した。但し、この際外
周部は記録層を越え、且つ最外周部から約1mmの幅で、
一方、内周部は基板のスタンパー固定溝の外側約1mmの
幅は反射層を成膜しなかった(即ち、1mm相当の色素層
を残すようにした)。
【0027】更にこの反射層の上に、紫外線硬化樹脂
(大日本インキ製品、SD−17)を内周部のスタンパ
ー固定溝の外側全面にスピンコート法に依って塗布し
た。次にこの樹脂の全面に紫外線を照射( mJ )して硬
化することにより保護層を成膜した。この保護層の膜厚
は約7μm であった。又紫外線硬化樹脂を塗布した際、
最内周部の反射層からはみ出た記録膜の部分は、該紫外
線硬化樹脂に接触・溶解し、記録層を構成する色素が微
量溶解した紫外線硬化樹脂が塗布され、保護層は記録層
及び反射層を越えて成膜されていた。又最外周も当然保
護層は記録層及び反射層を越えて成膜されていた。この
様にして製作した媒体の内周部及び外周部を基板側及び
保護層側から顕微鏡観察したところ、外周部に於いては
反射層が記録層を約0.5 mm越え、保護層は反射層を約1m
m 越えて、基板の外周部縁まで成膜されていた。一方、
内周部は反射層が記録層とその端部がほぼ同じ位置まで
成膜され、保護層はこれら記録層及び反射層を約1mm 越
えて成膜されていることが確認された。
【0028】このようにして製作した媒体の保護層の密
着性を評価するために、初期及び耐久性試験として80
℃、90%RHの条件下に2000時間放置した後、テープ剥離
試験を行ったが、初期及び耐久性試験後共に保護層の剥
離は全く起こらなかった。
【0029】尚、該紫外線硬化樹脂の未硬化状態での該
色素及び基板樹脂に対する溶解性を調べたところ、いず
れも1重量%以上溶解した。比較例1実施例1に於て用
いられた色素の代わりに、Pd- テトラ- (4-メチル-
ペンタン-2- オキシ)フタロシアニンのブロム(平均
3.0個/1分子)化色素の3.5重量%のオクタン溶
液を用いる以外は、実施例1と同じ方法で媒体を作成し
た。この媒体に用いた色素は用いた紫外線硬化樹脂にほ
とんど溶解せず、最内周部の記録層は除去されず反射層
からはみ出したまま残っていた。それ故に、最内周部は
保護層が記録層を越えて成膜されなかった。この媒体を
用いて実施例1と同じ方法で保護層の密着性の評価を行
った。初期の剥離試験では保護層は全く剥離しなかった
が、耐湿熱試験後は最外周部は剥離しなかったが、最内
周部は剥離した。比較例2実施例1と同じようにして反
射層を成膜した後、内周部の記録層を除去するために基
板を回転しながら内周部にオクタンを滴下した。内周部
のはみ出していた記録層は除去されたが、反射層に反射
層の剥離によると思われるしわが生じた。このことは、
内周部の反射層からはみ出た記録層を溶剤で完全に除去
することは困難であることを示している。 実施例2 実施例1で用いられた色素液の代わりに、Pd- テトラ
- (2,4-ジメチル- ペンタン-3- オキシ)フタロシアニ
ンのブロム(平均3.5個/1分子)化色素の3.2重
量%のエチルシクロヘキサン溶液を用いる以外は実施例
1と同じようにして媒体を製作し、保護層の密着性評価
を行った。初期及び耐久性試験後共に保護層の剥離は全
く起こらなかった。又、該色素も未硬化の紫外線硬化樹
脂には1重量%以上溶解した。
【0030】
【発明の効果】実施例から明らかなように、内周部及び
外周部にそれぞれ設けられた記録層を有しない領域以外
の領域に、色素を含有する記録層を有し、この記録層の
上に内周部は記録層端部と一致するように、且つ外周部
は記録層を越えて金属の反射層を設け、更にこの反射層
の上に内周部及び外周部共に反射層を越えて保護層を設
けることによって、高温高湿条件下に媒体を長時間放置
しても保護層の密着性に優れ、それ故にテープ剥離試験
を行っても全く剥離しないことが明かである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の媒体の基板上に記録層が設けられた過
程で外周部から内周部の構造の一例を示す断面図。
【図2】本発明の媒体の基板上に記録層が設けられた
後、外周部の記録層が除去された過程の構造の一例を示
す断面図。
【図3】本発明の媒体の基板上に記録層を設け、外周部
の記録層を除去した後、反射層を記録層の上に成膜した
過程の構造の一例を示す断面図。
【図4】本発明の光記録媒体の構造の一例を示す断面
図。
【図5】本発明の光記録媒体の構造の一例を示す断面斜
視図。
【符号の説明】
1 基板 1’基板外周側面 2 記録層 3 スタンパー固定溝 4 最外周部の記録層除去領域 4’最外周部の反射層が設けられていない領域 5 反射層 6 最内周部の反射層からはみ出している記録層 6’保護層用の液状樹脂によって記録層が溶解除去され
た領域 7 保護層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 広瀬 純夫 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明な樹脂基板上に、記録層、反射層、
    保護層の順に積層してなる光記録媒体であって、該基板
    上の内周部及び外周部にはそれぞれ記録層を有しない領
    域が設けられており、該領域以外の領域に、色素を含有
    する記録層が設けられ、この記録層の上に、金属の反射
    層が、内周部は記録層の端部とほぼ一致するように、且
    つ外周部は記録層を越えて設けられており、更にこの反
    射層の上に、内周部及び外周部共に反射層を越えて保護
    層が設けられている光記録媒体。
  2. 【請求項2】 透明な樹脂基板上に、記録層、反射層、
    保護層の順に積層してなる光記録媒体の製造方法であっ
    て、該基板上に塗布法により色素を含有する記録層を設
    けた後、該基板の最外周部近傍の記録層を除去すること
    により基板最外周の内側に基板表面が露出した部分を設
    け、次にこの記録層の上に、金属の反射層を、該内周部
    は該記録層がはみ出るように、一方外周部は記録層を越
    えて、且つ最外周部には反射層を有しない領域を設ける
    ように設け、更にこの反射層の上に、内周部は記録層が
    設けられている領域から、又は記録層を越えて、一方外
    周部は反射層を越えて基板の最外周部まで、記録層の物
    質を溶解する液状樹脂を塗布した後、該液状樹脂を硬化
    し、保護層を成膜する光記録媒体の製造方法。
  3. 【請求項3】 保護層に用いられる液状樹脂が紫外線硬
    化樹脂である請求項2記載の光記録媒体の製造方法。
  4. 【請求項4】 保護層に用いられる液状樹脂がスピンコ
    ート法によって塗布される請求項2記載の光記録媒体の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 反射層を成膜する以前に、基板を回転さ
    せながら基板最外周部に溶剤を滴下して最外周部の記録
    層を除去することにより最外周部に基板が露出している
    部分を設ける請求項4記載の光記録媒体の製造方法。
  6. 【請求項6】 保護層に用いられる紫外線硬化樹脂が未
    硬化状態で記録層物質を0.5重量%以上溶解する樹脂
    を用いる請求項3記載の光記録媒体の製造方法。
  7. 【請求項7】 保護層に用いる紫外線硬化樹脂が未硬化
    状態で記録層物質を1重量%以上溶解する樹脂を用いる
    請求項6記載の光記録媒体の製造方法。
  8. 【請求項8】 保護層に用いられる液状樹脂を塗布した
    際、内周部の反射層からはみ出した記録層は該液状樹脂
    に溶解し除去され、斯くして保護層は内周部及び外周部
    ともに反射層を越えて成膜される請求項2記載の光記録
    媒体の製造方法。
  9. 【請求項9】 基板がポリカーボネート樹脂を射出成形
    によって作られた基板である請求項2記載の光記録媒体
    の製造方法。
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