JPH0519798Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、内燃機関の燃焼圧力、ノツキング及
び燃料噴射により振動を生じるエンジンのシリン
ダーヘツドに保持し、その圧力変動を圧電素子に
よつて検知するガスケツト型圧力センサーに関す
る。

（従来の技術） この種の圧力センサーは、エンジンのスパーク
プラグの取付金具のガスケツト座面とシリンダー
ヘツドのプラグ座面の間に挿入する等、適宜の螺
装体の緊締により振動体表面に保持し、前記振動
体の振動により圧電素子に圧縮歪を生じさせ、該
振動に同期する出力信号を圧電素子から取り出す
ものであり、上述のようにシリンダーヘツドに適
用させる場合にはノツキングや燃料噴射時期の検
出に用いられる。

この従来の代表的な圧力センサーとしては特公
昭41−5154号公報の第３図イに示すように圧電材
料からなる薄い環状に形成された圧電子ａ，ａの
間に内面電極ｂを挾持し、その上下に外面電極
ｃ，ｃを積層すると共に、前記電極に接続された
リード線ｄ，ｄを取り出し、これら周囲を合成樹
脂ｅで一体にモールドしたガスケツト型圧力セン
サーが知られており、又第３図ロに示すように圧
電素子ａの積層体を環状の金属ケース本体ｆ内に
封入し、該ケース本体に切欠を設けてこの切欠部
を通つて電極ｂに接続されたリード線ｄを取り出
し、ケース本体との接合部を合成樹脂でモールド
することも知られている。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、これら構造の圧力センサーは特
にシリンダーヘツドのスパークプラグ取付け用の
プラグホールのスペースが制約されている関係か
ら該圧力センサーをスパークプラグの取付金具座
面に嵌入してプラグホールに螺合して締付けた場
合、圧力センサーが一緒に回転し、リード線の取
り出し部分が破壊され易い欠点があつた。又、実
開昭58−65542号には金属ケース１内に環状部１
０ａを配して固定され、この環状部１０ａの一部
に突設した廻り止め部材を具え、この廻り止め部
材を上方に屈曲させて金属パイプを沿わせてＵ字
形状の縛着金具１１を用いて両者を一体に結合す
ることが知られている。しかし、この場合の金属
パイプの把持力が弱く、機関の振動等によつて金
属パイプが緩み易く、リード線７が断線するおそ
れがあつた。

本考案は上記不具合を解消することを目的とす
るものである。

（問題点を解決するための手段） 圧電素子が封入された環状の金属ケース本体に
対し、該ケース本体から突出して立上る出力取り
出し用リード線周囲を直径1.5〜4.0mmφの金属パ
イプで被うと共に、そのパイプの一端を前記ケー
スの切欠との間に溶接、鑞付け接合し、更に前記
突出して立上る接合部の金属パイプ部分を円弧状
に曲成し且つその半径方向の断面が短軸となる楕
円形状に形成したことを特徴とする。

（作用） 金属ケース本体から突出するリード線周囲の接
合部が楕円形状に圧潰された金属パイプでケース
本体と接合されていることによりスパークプラグ
の締付けの際に回転を生じても該金属パイプが破
損することなく内部のリード線を堅牢に保持する
ことができる。

（実施例） 第１図は本考案圧力センサーの実施例を示す断
面図であり、環状の圧電素子２，２を電極板３を
介して積み重ね、その上下にインバー、コバー
ル、42Ni−Fe等からなる低膨張金属材料からな
る環状の押え金４を配して積層体１を構成し、こ
の積層体１を第２図に示すように下方が開口する
同心の凹み５ａを形成した金属ケース本体５内に
嵌入し、凹部の両端部５ｂ，５ｂを内方に加締め
て前記押え金４の両肩部に圧接し積層体１が固定
されている。６は出力取り出し用リード線で絶縁
被覆されており、前記ケース本体５の外周壁５ｃ
の一部を切欠してその内部を通つて前記電極板３
と電気的接続されている。このリード線６の周囲
の前記ケース本体４との接合部７に金属パイプ８
好ましくは直径1.5〜4.0mmφで被われ、かつ接合
部７は曲率半径の大きい丸味（Ｒ）を付すと共に
上下方向に巾が狭い楕円形状となるよう圧潰され
てなり、この接合部端部９を上記ケース本体５の
切欠１０との間に溶接、鑞付けによつて接合され
ている（第２図）。このケース本体５の凹部５ａ
内に、電極板３にリード線６を接続した上記積層
体１を挿入し、この時リード線は金属パイプ８内
に挿通されて凹部の両端部５ｂ，５ｂを加締めて
固定する。また金属パイプ８の空〓には必要に応
じて絶縁材料が充填されてもよく、更に端子側に
は金属編組のシールド線１１を直接又は保護筒を
介して圧着固定されている。

なお、圧力センサーの構造は上記実施例だけに
限定されず、要は金属ケース本体内に圧電素子を
封入したガスケツト型のものであればいかなる構
造でもよい。また金属パイプを1.5〜4.0mmφに限
定する理由は圧力センサー本体の厚みが２〜４mm
に対して必要強度を保つことができるからであ
る。

（考案の効果） 以上の構成からなる本考案の圧力センサーは金
属ケース本体とリード線周囲で金属ケースから突
出して立上る接合部を直径1.5〜4.0mmφの金属パ
イプで被うと共に該接合部に丸味を付し、かつ前
記接合部が上下方向に巾狭の楕円形状に圧潰され
て前記ケース本体に接合されていることにより、
金属パイプは回転方向に厚みを増大する分、回転
方向の曲げ応力が増加し、スパークプラグの締付
け時におけるリード線の接合部の破損を有効に防
止して耐久性の優れたものとすることができ、ま
た接合部の丸味及び楕円形状の圧潰によつてリー
ド線の挿通が容易となり、圧力センサー本体の厚
みに比べて太い金属パイプが適用でき、更に圧力
センサーのコンパクト化及び軽量化をも図ること
ができる効果をもつものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案圧力センサーの実施例を示す断
面図、第２図は金属ケース本体と金属パイプの接
合部を示す要部断面図、第３図イ，ロは従来の圧
力センサーの要部断面図である。 １……積層体、２……圧電素子、５……金属ケ
ース本体、６……リード線、７……接合部、８…
…金属パイプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 圧電素子が封入された環状の金属ケース本体に
   対し、該ケース本体から突出して立上る出力取り
   出し用リード線周囲を直径1.5〜4.0mmφの金属パ
   イプで被覆すると共に、そのパイプの一端を前記
   ケースの切欠との間に溶接、鑞付け接合し、更
   に、前記ケースから突出して立上る接合部の金属
   パイプ部分を円弧上に曲成し、且つ、その半径方
   向の断面が短軸となる楕円形状に形成したことを
   特徴とするガスケツト型圧力センサー。