JPH0519771A - 電子楽器 - Google Patents

電子楽器

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JPH0519771A
JPH0519771A JP3022336A JP2233691A JPH0519771A JP H0519771 A JPH0519771 A JP H0519771A JP 3022336 A JP3022336 A JP 3022336A JP 2233691 A JP2233691 A JP 2233691A JP H0519771 A JPH0519771 A JP H0519771A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 安価かつ簡単な構成で複数発音し、高速のC
PUや専用の数値演算プロセッサを用いることなく物理
モデル音源の閉ループの位相遅延量を補正し、物理モデ
ル音源内の各構成要素のパラメータを大きく変化させた
場合でもノイズが発生せず、エコーやコーラス等の演奏
効果が得られたり、ある弦あるいは鍵の音が残っている
状態で同じ弦あるいは鍵が繰り返し操作されたような演
奏方法をシミュレートする。 【構成】 演奏情報に対応した複数の駆動波形データが
記憶された駆動波形ROM7と、閉ループを構成する少
なくともシフトレジスタ28とLPF29とを設ける。
そして、複数の駆動波形データを閉ループに入力してそ
れぞれの駆動波形データに演奏情報に対応した少なくと
も遅延処理および減衰処理を時分割で施して繰返し循環
させる。そして、閉ループを循環する複数の信号を複数
の楽音信号として出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は撥弦楽器音等の減衰系の
自然楽器音と同様に変化する楽音を発生する電子楽器に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、技術の向上により、電子楽器の音
源も多種多様な楽音が得られるようになっている。その
音源の1つとして、実際の自然楽器の発音原理をシミュ
レートすることにより得られたモデルを動作させ、これ
により、自然楽器の楽音を合成する物理モデル(遅延フ
ィードバックアルゴリズム)音源が種々、提案されてい
る。
【0003】この物理モデル音源のうち、弦楽器音の物
理モデル音源としては、弦の弾性特性をシミュレートし
た非線形素子と、弦の振動周期に相当する遅延時間を有
する遅延回路とを閉ループ接続した構成のものが知られ
ており、このループ回路を共振状態とし、ループを循環
する信号が弦楽器の楽音信号として取り出される。尚、
この種の技術は、例えば、特開昭63−40199号公
報や特公昭58−58679号公報あるいは特公昭58
−48109号公報に開示されている。
【0004】ここで、図18に上述した物理モデル音源
を4個使用して4音発音する電子楽器の構成例のブロッ
ク図を示す。この図において、1は装置各部を制御する
CPU(中央処理装置)、2はCPU1において用いら
れる制御プログラムが記憶されたROM、3はデータが
一時記憶されるRAM、4は鍵盤等の演奏者によって操
作される制御操作子、5はインターフェースであり、C
PU1がこのインターフェース5を介して制御操作子4
からデータを受け取ると共に、後述する物理モデル音源
6a〜6dへデータを転送する。
【0005】また、6a〜6dはそれぞれ上述した物理
モデル音源である。物理モデル音源6において、7は図
19に示すようにN種類の駆動波形データが記憶された
駆動波形ROMであり、駆動波形データは、例えば、イ
ンパルス等、多くの周波数成分を含んでいる。8はCP
U1の楽音発生開始の指示により駆動波形ROM7を読
み出す読み出しアドレスを生成するアドレスカウンタ、
9は加算器、10は入力信号を所定の遅延量だけ遅延す
る遅延段数可変のシフトレジスタ、11は乗算器、12
はカットオフ周波数等のパラメータを与えることによ
り、時分割で簡単にその特性が制御できるディジタルコ
ントロールフィルタ(以下、DCFという)からなるロ
ーパスフィルタ(以下、LPFという)、13はその入
力信号と出力信号との位相差が信号周波数に応じて変化
するオールパスフィルタ(以下、APFという)であ
る。
【0006】ここで、図20および図21にLPF12
およびAPF13の構成の一例を示す。図20におい
て、14は加算器、15は入力信号に乗算係数(1−
α)を乗ずる乗算器、16は入力信号に乗算係数αを乗
ずる乗算器、17は遅延量Dの遅延回路である。また、
図21において、18は加算器、19は減算器、20お
よび21はそれぞれ入力信号に乗算係数aを乗ずる乗算
器、22は遅延量Dの遅延回路である。尚、シフトレジ
スタ10、乗算器11、LPF12およびAPF13の
それぞれのパラメータは、演奏者が操作する制御操作子
4の出力データに基づいてCPU1によって制御され
る。
【0007】さらに、図18において、23は物理モデ
ル音源6a〜6dそれぞれの加算器9の出力端から出力
された楽音信号を混合するミキシング回路、24はミキ
シング回路23によって混合された楽音信号が出力され
る出力端子である。このような構成において、演奏者が
制御操作子4の鍵盤の、例えば、C音とE音とに対応し
た鍵を押鍵操作すると、鍵盤からそれぞれの鍵に対応し
たキーコードKCおよびキーオン信号KONが出力され
る。また、図示しないタッチ入力部によって鍵盤の各鍵
のイニシャルタッチおよびアフタータッチが検出される
と共に、タッチの強さを示すタッチデータが作成され、
出力される。
【0008】これにより、CPU1は、例えば、C音に
対応したキーコードKCおよびキーオン信号KONを物
理モデル音源6a(1チャンネルとする)に割り当て、
E音に対応したキーコードKCおよびキーオン信号KO
Nを物理モデル音源6b(2チャンネルとする)に割り
当てて、それぞれのタイミングで時分割で出力する。と
ころで、上述したように、物理モデル音源6のLPF1
2およびAPF13の各パラメータは、キーコードKC
毎に演奏者が操作する制御操作子4の出力データに基づ
いてCPU1によって制御されるが、閉ループの位相遅
延量がこれらのフィルタのパラメータによって変化する
ため、求める基本ピッチ(音高)に対応した遅延量から
ずれてしまうので、これを補正する必要がある。そこ
で、CPU1は、まず、キーコードKCおよびタッチデ
ータに基づいて物理モデル音源6を構成するLPF12
の乗算器15および16の乗算係数α(図20参照)を
演算し、さらに、式に基づいてLPF12の位相遅延
量Pdを演算する。式において、fpはキーコードK
Cに対応した基本周波数(基本ピッチ)である。 Pd=[α・sin(fp)/{1−α・cos(fp)}]/fp・・・
【0009】また、CPU1は、APF13の各パラメ
ータについてもLPF12の場合と同様に演算する。そ
して、CPU1は、基本ピッチに対応する閉ループ全体
の位相遅延量からLPF12の遅延量およびAPF13
の遅延量を引いた値をシフトレジスタ10の遅延量、即
ち、遅延段数として設定した後、楽音発生開始の指令を
物理モデル音源6aおよび6bに与える。
【0010】これにより、物理モデル音源6aおよび6
bそれぞれにおいて、アドレスカウンタ8が読み出しア
ドレスを生成し、この読み出しアドレスに従って駆動波
形ROM7から1つの駆動波形データが順次読み出さ
れ、加算器9の一方の入力端に入力される。加算器9の
出力信号は、シフトレジスタ10、乗算器11、LPF
12およびAPF13を介し、加算器9の他方の入力端
に帰還される。従って、駆動波形ROM7から読み出さ
れた駆動波形データは、シフトレジスタ10→乗算器1
1→LPF12→APF13によって構成される閉ルー
プ内の循環を繰り返すに従い、各周波数成分間の位相差
が変化すると共に、徐々に減衰する。そして、物理モデ
ル音源6aおよび6bそれぞれの加算器9の出力端から
楽音信号がそれぞれ取り出され、ミキシング回路23に
おいて混合された後、出力端子24から出力される。
【0011】尚、制御操作子4の鍵盤のある離鍵された
鍵が割り当てられたチャンネル(物理モデル音源6)の
音がまだ減衰しながら残っている状態で新たに同一の鍵
が押鍵された場合には、CPU1は、その鍵が割り当て
られたチャンネルをサーチしてそのチャンネルのタイミ
ングで急速に音を消去し(フォーシングダンプ処理)、
フォーシングダンプ終了後、そのチャンネルのタイミン
グで再び楽音発生開始の指令を該当する物理モデル音源
6に与える。即ち、CPU1は、押鍵されて発音可能な
チャンネルをサーチする場合、離鍵されているチャンネ
ルの中で同一の音高のチャンネルをサーチし、見つかっ
た場合はそのチャンネルにアサインし、閉ループ内の音
を消去した後、駆動波形ROM7からの駆動波形データ
の読み出しを指示する。一方、同一の音高のチャンネル
が見つからなかった場合、最も前に離鍵された鍵が割り
当てられていたチャンネルの音を消去した後、駆動波形
ROM7からの駆動波形データの読み出しを指示する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来の電子楽器においては、各物理モデル音源6a〜6d
それぞれに駆動波形ROM7を設けているため、発音数
だけ駆動波形ROM7が必要となり、コストパフォーマ
ンスが悪いという欠点があった。
【0013】また、上述した電子楽器においては、LP
F12およびAPF13等のパラメータを演算してい
る。一方、発音時(あるいは発音中)には、発音遅れを
防止するため、早い応答が要求される。従って、発音時
あるいは発音中にこの演算処理をするためには、高速の
CPU1や専用の数値演算プロセッサが必要となるとい
う欠点があった。
【0014】さらに、上述した従来の電子楽器において
は、物理モデル音源6内の各構成要素のパラメータ(例
えば、閉ループ内のフィードバック係数やフィルタの係
数)を大きく変化させた場合、変化した時点で出力信号
に不連続な部分ができてノイズが発生するという欠点が
あった。
【0015】加えて、上述した従来の電子楽器において
は、各物理モデル音源6a〜6dの加算器9の出力端か
ら楽音信号を取り出して単に混合しているだけであるの
で、エコーやコーラス等の幅広い演奏効果を得ることが
できないという欠点があった。
【0016】また、上述した従来の電子楽器において
は、制御操作子4の鍵盤のある離鍵された鍵が割り当て
られたチャンネル(物理モデル音源6)の音がまだ減衰
しながら残っている状態で新たに同一の鍵が押鍵された
場合には、CPU1は、フォーシングダンプ処理を行っ
た後、そのチャンネルのタイミングで再び楽音発生開始
の指令を該当する物理モデル音源6に与えている。従っ
て、ギターなどの撥弦楽器等において、例えば、繰り返
し弦を掻き鳴らして演奏するような、ある弦あるいは鍵
の音が残っている状態で同じ弦あるいは鍵が繰り返し操
作されたような演奏方法をシミュレートすることができ
ないという欠点があった。
【0017】本発明は、このような背景の下になされた
もので、安価かつ簡単な構成で複数発音でき、また、高
速のCPUや専用の数値演算プロセッサを用いることな
く物理モデル音源の閉ループの位相遅延量を補正でき、
しかも、物理モデル音源内の各構成要素のパラメータを
大きく変化させた場合でもノイズが発生せず、さらに、
エコーやコーラス等の演奏効果が得られたり、ある弦あ
るいは鍵の音が残っている状態で同じ弦あるいは鍵が繰
り返し操作されたような演奏方法をシミュレートするこ
とができる電子楽器を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
演奏情報に対応した複数の駆動信号を発生する駆動信号
発生手段と、前記複数の駆動信号に対し、前記演奏情報
に対応した少なくとも遅延処理および減衰処理を時分割
で施して繰返し循環させるループ手段とを具備し、前記
ループ手段を共振状態とし、ループを循環する複数の信
号を複数の楽音信号として出力することを特徴としてい
る。
【0019】請求項2記載の発明は、演奏情報に対応し
た駆動信号を発生する駆動信号発生手段と、前記駆動信
号に対し、前記演奏情報に対応した少なくとも遅延処理
および減衰処理を施して繰返し循環させるループ手段と
を具備し、前記ループ手段を共振状態とし、ループを循
環する信号を楽音信号として出力する電子楽器におい
て、前記ループ手段において施される各処理に用いられ
るパラメータが前記演奏情報に対応して記憶された記憶
手段を備え、前記ループ手段は、前記駆動信号に対し、
前記記憶手段に記憶されたパラメータを用いて前記演奏
情報に対応した各処理を施すことを特徴としている。
【0020】請求項3記載の発明は、演奏情報に対応し
た駆動信号を発生する駆動信号発生手段と、前記駆動信
号に対し、前記演奏情報に対応した少なくとも遅延処理
および減衰処理を施して繰返し循環させるループ手段と
を具備し、前記ループ手段を共振状態とし、ループを循
環する信号を楽音信号として出力する電子楽器におい
て、前記ループ手段において施される各処理に用いられ
る各係数の値を、前記演奏情報に対応した目標とされる
値に所定の速度で補間する係数補間回路を備えたことを
特徴としている。
【0021】請求項4記載の発明は、演奏情報に対応し
た駆動信号を発生する駆動信号発生手段と、前記駆動信
号に対し、前記演奏情報に対応した少なくとも遅延処理
および減衰処理を施して繰返し循環させるループ手段
と、前記ループ手段のループの複数の箇所から出力され
る信号を混合する混合手段とを具備し、前記ループ手段
を共振状態とし、前記混合手段の出力信号を楽音信号と
して出力することを特徴としている。
【0022】請求項5記載の発明は、請求項4記載の発
明において、前記ループ手段のループの複数の箇所から
出力される信号の少なくとも1つを所定の周波数の信号
で変調して前記混合手段に入力する変調手段を備えたこ
とを特徴としている。
【0023】請求項6記載の発明は、演奏情報に対応し
た複数の駆動信号を発生する駆動信号発生手段と、前記
複数の駆動信号に対し、それぞれ前記演奏情報に対応し
た少なくとも遅延処理および減衰処理を、オクターブ内
は音高に同期したサンプリング周波数を変更し、オクタ
ーブ間は遅延時間を変更して施して繰返し循環させる複
数のループ手段とを具備し、前記複数のループ手段をそ
れぞれ共振状態とし、各ループを循環する複数の信号を
複数の楽音信号として出力することを特徴としている。
【0024】請求項7記載の発明は、請求項6記載の発
明において、前記ループ手段は、前記オクターブの境界
において楽音が同一音になるように前記各処理に用いら
れる各係数の値を補正することを特徴としている。
【0025】請求項8記載の発明は、PCM化された波
形データが記憶された記憶手段と、該記憶手段から前記
波形データを演奏情報に応じて読み出して楽音信号を出
力する楽音発生手段と、楽音信号の振幅を制御して楽音
信号の音量や音色を制御するエンベロープ信号を発生す
るエンベロープジェネレータと、前記記憶手段から読み
出される波形データと前記エンベロープ信号とを乗算す
る乗算手段と、該乗算手段の出力信号に対し、前記演奏
情報に対応した少なくとも遅延処理および減衰処理を施
して繰返し循環させるループ手段と、前記楽音発生手段
の出力信号と前記ループ手段の出力信号とを混合する混
合手段とを具備することを特徴としている。
【0026】請求項9記載の発明は、複数の演奏情報に
対応した複数の駆動信号を発生する駆動信号発生手段
と、前記複数の駆動信号に対し、それぞれ前記複数の演
奏情報に対応した少なくとも遅延処理および減衰処理を
施して繰返し循環させる複数のループ手段とを具備し、
前記複数の演奏情報をそれぞれ複数のループ手段に割当
ててそれぞれ共振状態とし、各ループを循環する複数の
信号を複数の楽音信号として出力する電子楽器におい
て、既に割当てられた前記ループ手段の信号がまだ減衰
しながら残っている状態で新たに同一の演奏情報が供給
された場合には、前記演奏情報をそのループ手段に割当
てると共に、そのループを循環する信号のレベルを検出
し、前記駆動信号発生手段から前記演奏情報に対応して
出力される駆動信号のレベルから検出されたレベルを減
算して前記ループ手段に供給することを特徴としてい
る。
【0027】請求項10記載の発明は、複数の演奏情報
に対応した複数の駆動信号を発生する駆動信号発生手段
と、前記複数の駆動信号に対し、それぞれ前記複数の演
奏情報に対応した少なくとも遅延処理および減衰処理を
施して繰返し循環させる複数のループ手段とを具備し、
前記複数の演奏情報をそれぞれ複数のループ手段に割当
ててそれぞれ共振状態とし、各ループを循環する複数の
信号を複数の楽音信号として出力する電子楽器におい
て、既に割当てられた前記ループ手段の信号の音高の中
で最も高い音高よりさらに高い音高の演奏情報が供給さ
れ、かつ、所定の条件が満たされた場合には、該当する
ループ手段の信号のピッチを所定変化幅で変化させるこ
とを特徴としている。
【0028】
【作用】請求項1記載の発明によれば、ループ手段は、
共振状態において、演奏情報に対応して供給される複数
の駆動信号に対し、演奏情報に対応した少なくとも遅延
処理および減衰処理を時分割で施して繰返し循環させ
る。これにより、ループを循環する複数の信号が複数の
楽音信号として出力される。
【0029】請求項2記載の発明によれば、ループ手段
は、共振状態において、演奏情報に対応して供給される
駆動信号に対し、前記憶手段に記憶されたパラメータを
用いて演奏情報に対応した少なくとも遅延処理および減
衰処理を施して繰返し循環させる。これにより、ループ
を循環する信号が楽音信号として出力される。
【0030】請求項3記載の発明によれば、ループ手段
は、共振状態において、演奏情報に対応して供給される
駆動信号に対し、前記憶手段に記憶されたパラメータを
用いて演奏情報に対応した少なくとも遅延処理および減
衰処理を施して繰返し循環させる。この際、係数補間回
路は、ループ手段において施される各処理に用いられる
各係数の値を、演奏情報に対応した目標とされる値に所
定の速度で補間する。これにより、ループを循環する信
号が楽音信号としてノイズもなく出力される。
【0031】請求項4記載の発明によれば、ループ手段
は、共振状態において、演奏情報に対応して供給される
駆動信号に対し、前記記憶手段に記憶されたパラメータ
を用いて演奏情報に対応した少なくとも遅延処理および
減衰処理を施して繰返し循環させる。そして、混合手段
がループ手段のループの複数の箇所から出力される信号
を混合する。これにより、混合手段の出力信号が楽音信
号として出力される。
【0032】請求項5記載の発明によれば、請求項4記
載の発明において、変調手段は、ループ手段のループの
複数の箇所から出力される信号の少なくとも1つを所定
の周波数の信号で変調して混合手段に入力する。
【0033】請求項6記載の発明によれば、複数のルー
プ手段は、共振状態において、演奏情報に対応して供給
される複数の駆動信号に対し、それぞれの演奏情報に対
応した少なくとも遅延処理および減衰処理を、オクター
ブ内は音高に同期したサンプリング周波数を変更し、オ
クターブ間は遅延時間を変更して施して繰返し循環させ
る。これにより、各ループを循環する複数の信号が複数
の楽音信号として出力される。
【0034】請求項7記載の発明によれば、請求項6記
載の発明において、ループ手段は、オクターブの境界に
おいて楽音が同一音になるように各処理に用いられる各
係数の値を補正する。
【0035】請求項8記載の発明によれば、楽音発生手
段は、記憶手段から波形データを演奏情報に応じて読み
出して楽音信号を出力する。一方、記憶手段から読み出
された波形データの一部は、乗算手段において、エンベ
ロープ信号と乗算され、ループ手段に入力される。そし
て、ループ手段は、乗算手段の出力信号に対し、演奏情
報に対応した少なくとも遅延処理および減衰処理を施し
て繰返し循環させる。次に、混合手段は、楽音発生手段
の出力信号とループ手段の出力信号とを混合して出力す
る。
【0036】請求項9記載の発明によれば、既に割当て
られたループ手段の信号がまだ減衰しながら残っている
状態で新たに同一の演奏情報が供給された場合には、演
奏情報がそのループ手段に割当てられる共に、そのルー
プを循環する信号のレベルが検出される。そして、駆動
信号発生手段から演奏情報に対応して出力される駆動信
号のレベルから検出されたレベルが減算されてループ手
段に供給される。従って、該当するループ手段は、共振
状態において、そのレベルが減算された駆動信号に対
し、演奏情報に対応した少なくとも遅延処理および減衰
処理を施して繰返し循環させる。これにより、このルー
プを循環する信号が楽音信号として出力される。
【0037】請求項10記載の発明によれば、既に割当
てられたループ手段の信号の音高の中で最も高い音高よ
りさらに高い音高の演奏情報が供給され、かつ、所定の
条件が満たされた場合には、該当するループ手段の信号
のピッチが所定変化幅で変化される。
【0038】
【実施例】以下、図面を参照して、本発明の一実施例に
ついて説明する。図1は本発明の第1の実施例による電
子楽器の構成を示すブロック図であり、この図におい
て、図18の各部に対応する部分には同一の符号を付
け、その説明を省略する。図1において、25はインタ
ーフェースであり、CPU1がこのインターフェース2
5を介して制御操作子4からデータを受け取る。26は
係数レジスタであり、後述する物理モデル音源27の遅
延段数やフィルタ演算用係数等、楽音形成に必要な各種
係数が記憶されている。
【0039】また、27は物理モデル音源であり、加算
器9と、乗算器11と、入力信号を所定の遅延量だけ遅
延する遅延段数4M段のシフトレジスタ28と、LPF
29と、APF30とからなる。LPF29およびAP
F30において、31および32はそれぞれ遅延量4D
の遅延回路である。尚、シフトレジスタ28の遅延段数
4MのMと、遅延回路31および32の遅延量4Dそれ
ぞれのDは、それぞれ1音あたりの遅延段数および遅延
量であり、数字の4は、発音数である。
【0040】また、33a〜33dはそれぞれ物理モデ
ル音源27から時分割で出力される楽音信号をそれぞれ
一時保持するレジスタ、34はレジスタ33a〜33d
にそれぞれイネーブル信号SEN1〜SEN4を所定の
タイミングで出力するタイミング発生器、35a〜35
dはそれぞれレジスタ33a〜33dから出力される楽
音信号をアナログ信号に変換するD/A変換器、36は
D/A変換器35a〜35dそれぞれから出力されるア
ナログの楽音信号を混合するミキシング回路、37はミ
キシング回路36によって混合された楽音信号を楽音に
変換するスピーカである。
【0041】このような構成において、演奏者が制御操
作子4の鍵盤の、例えば、C音とE音とに対応した鍵を
押鍵操作すると、鍵盤からそれぞれの鍵に対応したキー
コードKCおよびキーオン信号KONが出力される。ま
た、図示しないタッチ入力部によって鍵盤の各鍵のイニ
シャルタッチおよびアフタータッチが検出されると共
に、タッチの強さを示すタッチデータが作成され、出力
される。
【0042】これにより、CPU1は、例えば、C音に
対応したキーコードKCおよびキーオン信号KONを1
チャンネル(1ch)に割り当て、E音に対応したキー
コードKCおよびキーオン信号KONを2チャンネル
(2ch)に割り当てた後、アドレスカウンタ8に読み
出しアドレス生成を指示する。
【0043】これにより、アドレスカウンタ8が読み出
しアドレスを生成し、この読み出しアドレスに従って駆
動波形ROM7から図2(a)に示すシステムマスター
クロックCLKに同期して図2(b)に示すように、駆
動波形データDFが各チャンネルそれぞれのタイミング
で時分割で順次読み出される。
【0044】従って、物理モデル音源27において、駆
動波形ROM7から読み出された各チャンネル毎の駆動
波形データが時分割で加算器9の一方の入力端に入力さ
れる。加算器9の出力信号は、シフトレジスタ28、乗
算器11、LPF29およびAPF30を介し、加算器
9の他方の入力端に帰還される。これにより、駆動波形
ROM7から読み出された各チャンネル毎の駆動波形
は、シフトレジスタ28→乗算器11→LPF29→A
PF30によって構成される閉ループ内の循環を繰り返
すに従い、各周波数成分間の位相差が変化すると共に、
徐々に減衰する。
【0045】次に、加算器9の出力端から時分割で取り
出された各チャンネルの楽音信号は、タイミング発生器
34から出力されるイネーブル信号SEN1およびSE
N2に基づいてレジスタ33aおよび33bにそれぞれ
一時保持される。尚、図2(c)にはイネーブル信号S
EN1のみ示す。
【0046】そして、レジスタ33aおよび33bそれ
ぞれに一時保持された各チャンネルの楽音信号DM1お
よびDM2は、それぞれから出力され、D/A変換器3
5aおよび35bにおいて、それぞれアナログ信号に変
換され、ミキシング回路36において混合された後、ス
ピーカ37において楽音に変換され、出力される。尚、
図2(d)には楽音信号DM1のみ示す。
【0047】以上説明した第1の実施例によれば、各チ
ャンネルの物理モデル音源毎に複数の駆動波形データが
記憶された駆動波形ROMを用意する必要がないため、
駆動波形ROMを共有することができる。
【0048】次に、本発明の第2の実施例について説明
する。図3は本発明の第2の実施例による電子楽器の構
成を示すブロック図であり、この図において、図18の
各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を
省略する。図3において、38はタイマであり、CPU
1によって計時データがセットされ、計時データによっ
て指定された時間が経過する毎に、CPU1にタイマ割
り込みパルスを供給する。39は物理モデル音源であ
る。物理モデル音源39において、40はRAM等から
なり、入力信号を所定時間遅延する遅延回路、41は遅
延回路40の出力遅延タップの位置を変調する低周波発
振回路(以下、LFOという)、42は加算器9の出力
信号に所定の乗算係数を乗ずる乗算器、43は遅延回路
40の出力遅延タップに接続され、入力信号に所定の乗
算係数を乗ずる乗算器、44は乗算器42および43の
出力信号を加算する加算器、45は加算器44の出力信
号、即ち、楽音信号が出力される出力端子である。
【0049】46は遅延回路40の出力信号に所定の乗
算係数(フィードバック係数FB)を乗ずる乗算器、4
7aは乗算器46のフィードバック係数FBを補間する
係数補間回路である。ここで、図4に係数補間回路47
の構成の一例を示す。図4において、48はCPU1に
よってインターフェース5を介して転送された目標とす
るフィードバック係数FBが記憶される係数目標レジス
タ、49は係数目標レジスタ48に記憶されたフィード
バック係数FBに補間係数βを乗算する乗算器、50は
加算器、51は現在の係数値が記憶される係数レジス
タ、52は係数レジスタ51に記憶された現在の係数値
に補間係数(1−β)を乗算する乗算器である。
【0050】また、図3において、53はLPFであ
り、図18のLPF12の乗算器16(図20参照)に
代えて、乗算器54が新たに設けられている。この乗算
器54は、遅延回路17の出力信号に乗算係数αを乗算
するものであり、乗算係数αは、係数補間回路47bに
よって補間される。
【0051】尚、図3のROM2あるいはRAM3に
は、図5に示すように、制御操作子4からインターフェ
ース5を介して入力されるMIDI情報のノートナンバ
K0〜K127(音高に対応する)およびノートオンあ
るいはノートオフのヴェロシティT0〜T127(タッ
チデータに対応する)に対するLPF53の位相遅延量
Pdの値やLPF53の乗算器15および54の乗算係
数αの値、APF13の位相遅延量の値や乗算器20お
よび21の乗算係数aの値等が上述した式等に基づい
て演算されて予め記憶されている。
【0052】このような構成において、演奏者が制御操
作子4の鍵盤の、例えば、C音の鍵を押鍵操作すると、
鍵盤からC音の鍵に対応したノートオンデータ、即ち、
ノートナンバK60およびノートオンヴェロシティT6
0が出力される。
【0053】これにより、CPU1は、ノートナンバK
60およびノートオンヴェロシティT60に対する乗算
器46のフィードバック係数FB、LPF53の位相遅
延量Pdの値やLPF53の乗算器15および54の乗
算係数αの値、APF13の位相遅延量の値や乗算器2
0および21の乗算係数aの値等を図5に示すROM2
あるいはRAM3のテーブル等を参照して求める。次
に、CPU1は、C音に対応する物理モデル音源39の
閉ループ全体の位相遅延量から上述したテーブルから求
めたLPF53の遅延量およびAPF13の遅延量を引
いた値を遅延回路40の遅延量として設定する。以上説
明した各パラメータのうち、乗算器46のフィードバッ
ク係数FBが係数補間回路47aの係数目標レジスタ4
8に記憶されると共に、LPF53の乗算係数αが係数
補間回路47bの係数目標レジスタ48に記憶される。
【0054】次に、CPU1は、楽音発生開始の指令を
物理モデル音源39に与える。これにより、物理モデル
音源39において、アドレスカウンタ8が読み出しアド
レスを生成し、この読み出しアドレスに従って駆動波形
ROM7から1つの駆動波形データが順次読み出され、
加算器9の一方の入力端に入力される。加算器9の出力
信号は、遅延回路40、乗算器46、APF13および
LPF53を介し、加算器9の他方の入力端に帰還され
る。従って、駆動波形ROM7から読み出された駆動波
形データは、遅延回路40→乗算器46→APF13→
LPF13によって構成される閉ループ内の循環を繰り
返すに従い、各周波数成分間の位相差が変化すると共
に、徐々に減衰する。この際、乗算器46のフィードバ
ック係数FBは、係数補間回路47aにおいて、現在の
係数レジスタ51に記憶されている値から係数目標レジ
スタ48に記憶されている値へ補間速度βで変化してい
く。また、LPF53の乗算係数αは、係数補間回路4
7bにおいて、現在の係数レジスタ51に記憶されてい
る値から係数目標レジスタ48に記憶されている値へ補
間速度βで変化していく。
【0055】そして、加算器9の出力信号は、乗算器4
2において所定の乗算係数が乗ぜられ、加算器44の一
方の入力端に入力される。また、LFO41によって変
調された遅延回路40の出力遅延タップ位置の出力信号
は、乗算器43において所定の乗算係数が乗ぜられ、加
算器44の他方の入力端に入力される。そして、加算器
44の出力信号、即ち、楽音信号が出力端子45から出
力される。
【0056】以上説明した第2の実施例によれば、発音
時のLPFやAPFの係数や位相遅延量を演算するなど
の処理を簡略化することができる。従って、高速なCP
Uや専用の数値演算プロセッサなどは必要とせず、高速
に発音処理を行うことができる。また、係数補間回路4
7を用いて物理モデル音源39の各構成要素の各係数を
補間しているので、これらの係数が大きく変化した場合
でも、変化した時点で閉ループ内を循環する信号に不連
続点が生じることがない。従って、出力端子45から出
力される楽音信号を再生してもノイズが聞えることがな
い。さらに、加算器9の出力信号と、遅延回路40の出
力遅延タップとの2つの出力信号を処理して楽音信号を
得ている、即ち、1つの物理モデル音源39の閉ループ
から複数の信号を取り出して楽音信号を得ているので、
エコー効果を得ることができる。また、遅延回路40の
出力遅延タップの位置をLFO41によって変調してい
るので、コーラス効果を得ることができる。
【0057】尚、上述した第2の実施例においては、制
御操作子4からMIDI情報が出力される例を示した
が、これに限定されず、演奏者の操作に応じたデータで
あればどのようなものでもよい。
【0058】また、上述した第2の実施例においては、
図3のROM2あるいはRAM3に図5に示すテーブル
等を予め記憶した例を示したが、これに限定されない。
例えば、図6に示すように、物理モデル音源内に各パラ
メータのテーブルを用意しておき、発音時にキーコード
KC等によりこれらのテーブルを参照するようにしても
よい。ここで、各テーブルの作成手順について説明す
る。 (イ)まず、各鍵毎に、非調和な倍音を構造の楽音を合
成するために挿入される非調和用APFの係数IAcお
よび段数IAnと、LPFの係数LFcの値とを設定
し、それぞれについてテーブルを作成する。 (ロ)各鍵毎に、非調和用APFおよびLPFの位相遅
延量を求める。 (ハ)鍵の基本周波数から定まる物理モデル音源の閉ル
ープ全体の総遅延量から(ロ)で求めた非調和用APF
およびLPFの位相遅延量を差引いた遅延量の整数部を
シフトレジスタの段数SRnの値とし、小数部をピッチ
調整用APFの係数TAcの値として各鍵毎に求め、そ
れぞれについてテーブルを作成する。
【0059】さらに、上述した第2の実施例において
は、係数補間回路47を用いてLPF53の係数α等の
値を補間した例を示したが、CPU1が補間処理を行な
いながら各係数を物理モデル音源39に転送するように
してもよい。
【0060】次に、本発明の第3の実施例について説明
する。図7は本発明の第3の実施例による電子楽器の構
成を示すブロック図であり、この図において、図18の
各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を
省略する。図7に示す電子楽器は、発音制御を行うCP
U1の制御プログラムが記憶されるROMの中に駆動波
形データを記憶しておき、この駆動波形データを発音時
(あるいは音色切り換え時)に各物理モデル音源に転送
して4音発音するものである。また、図7に示す電子楽
器は、上述した物理モデル音源の構成要素の各パラメー
タのピッチに対する変更に対してマルチサンプリング方
法を用いて対処している。このマルチサンプリング方法
は、オクターブなど大きくて粗いピッチ変化に対しては
シフトレジスタの遅延段数によって対処し、細かいピッ
チ変化に対してはオクターブ内の音高(C〜B)に同期
した可変サンプリング周波数を変更して対処する方法で
ある。尚、このマルチサンプリング方法の詳細について
は、本出願人が先に提案した電子楽器の公報(特公昭5
8−58678号公報)を参照されたい。
【0061】図7において、53はROMであり、図8
に示すように、CPU1において用いられる制御プログ
ラムと、後述する物理モデル音源58の遅延段数やフィ
ルタ演算用係数等、楽音形成に必要な各種データが記憶
されたデータテーブル(第2の実施例のテーブルと同様
なもの)と、N種類の駆動波形データとが記憶されてい
る。54は複数の鍵からなる鍵盤、55は鍵盤54以外
の演奏者によって操作される制御操作子、56はインタ
ーフェースであり、CPU1がこのインターフェース5
6を介して鍵盤54および制御操作子55からデータを
受け取る。57はインターフェースであり、CPU1が
このインターフェース57を介して後述する物理モデル
音源58へデータを転送する。
【0062】また、58a〜58dはそれぞれ物理モデ
ル音源であり、図18の構成と異なるのは、駆動波形R
OM7に代えて駆動波形RAM59が新たに設けられて
いる点と、サンプリング変換回路60が新たに設けられ
ている点である。駆動波形RAM59は、発音時(ある
いは音色切り換え時)にROM53に記憶された駆動波
形データのうちの1つが転送されて記憶されるものであ
る。サンプリング変換回路60は、加算器9の出力信号
の可変サンプリング周波数Faをシステムの固定サンプ
リング周波数Fsに変換して出力するものである。この
サンプリング変換は、例えば、オーバーサンプリングし
た後、データを間引く等の処理によって行なう。尚、物
理モデル音源58は、ディジタルシグナルプロセッサ
(以下、DSPという)によって構成されており、この
物理モデル音源58において用いられるマイクロプログ
ラムの一部あるいは全部がROM53内に記憶されてい
るものとする。
【0063】さらに、61はミキシング回路23によっ
て混合された楽音信号をアナログの楽音信号に変換する
D/A変換器、62はD/A変換器61の出力信号が出
力される出力端子である。
【0064】このような構成において、演奏者が鍵盤5
4の鍵を押鍵操作した場合の電子楽器の動作を図9に示
すフローチャートに基づいて説明する。
【0065】まず、ステップSA1の処理へ進み、鍵盤
54のある鍵が押されたか否かを判断する。この判断結
果が「NO」の場合には、同判断を繰返す。そして、
今、演奏者が鍵盤54の、例えば、C音とE音とに対応
した鍵を押鍵操作すると、ステップSA1の判断結果は
「YES」となり、ステップSA2へ進む。
【0066】ステップSA2では、鍵盤54は、C音と
E音とに対応した鍵にそれぞれ対応した押鍵、音高およ
びタッチ情報をCPU1に転送した後、ステップSA3
へ進む。
【0067】ステップSA3では、CPU1は、例え
ば、C音に対応した押鍵、音高およびタッチ情報を物理
モデル音源58a(1チャンネル)に割り当て、E音に
対応した押鍵、音高およびタッチ情報を物理モデル音源
58b(2チャンネル)に割り当てた後、各音高からサ
ンプリング周波数Faを設定した後、ステップSA4へ
進む。
【0068】ステップSA4では、CPU1は、各物理
モデル音源58aおよび58bのLPF12の位相遅延
量PdおよびAPF13の位相遅延量PeをROM53
に記憶されたデータテーブルを参照して求め、音高に対
応する各物理モデル音源58aおよび58dの閉ループ
全体の位相遅延量RDからLPF12の位相遅延量Pd
およびAPF13の位相遅延量Peを引いて各物理モデ
ル音源58aおよび58dのシフトレジスタ10の遅延
段数を求め、設定した後、ステップSA5へ進む。
【0069】ステップSA5では、CPU1は、音色お
よび制御操作子55から出力される情報に基づいて各物
理モデル音源58aおよび58bへマイクロプログラム
の一部または全部を転送した後、ステップSA6へ進
む。
【0070】ステップSA6では、CPU1は、各物理
モデル音源58aおよび58bのLPF12およびAP
F13の係数を音高およびタッチ情報に基づいてROM
53に記憶されたデータテーブルを参照して求め、設定
した後、ステップSA7へ進む。
【0071】ステップSA7では、各音色、音高および
タッチ情報に基づいてROM53に記憶されたN個の駆
動波形データの中からそれぞれ1つの駆動波形データを
選択し、各物理モデル音源58aおよび58bの駆動波
形RAM59へ転送した後、ステップSA8へ進む。
【0072】ステップSA8では、CPU1は、各物理
モデル音源58aおよび58bのアドレスカウンタ8に
スタートトリガをかけて読み出しアドレス生成を指示し
た後、ステップSA9へ進む。
【0073】ステップSA9では、各物理モデル音源5
8aおよび58bは、それぞれ音高、今の場合、C音と
E音に同期したサンプリング周波数Faを用いて発音処
理を行なう。即ち、アドレスカウンタ8が読み出しアド
レスを生成し、この読み出しアドレスに従って駆動波形
RAM59から駆動波形データが順次読み出される。
【0074】従って、各物理モデル音源58aおよび5
8bにおいて、駆動波形RAM59から読み出された駆
動波形データが加算器9の一方の入力端に入力される。
加算器9の出力信号は、シフトレジスタ10、乗算器1
1、LPF12およびAPF13を介し、加算器9の他
方の入力端に帰還される。これにより、駆動波形RAM
59から読み出された駆動波形がシフトレジスタ10→
乗算器11→LPF12→APF13によって構成され
る閉ループ内の循環を繰り返すに従い、信号の各周波数
成分間の位相差が変化すると共に、徐々に減衰する。
【0075】次に、加算器9の出力端から出力された楽
音信号は、サンプリング変換回路60において、可変サ
ンプリング周波数Faがシステムの固定サンプリング周
波数Fsに変換されて出力される。
【0076】そして、各物理モデル音源58aおよび5
8bから出力された楽音信号は、ミキシング回路23に
おいて混合された後、D/A変換器61において、アナ
ログ信号に変換され、出力端子62から出力される。
【0077】ところで、上述したマルチサンプリング方
法を用いる場合においても、物理モデル音源58の閉ル
ープ内のフィルタは、ピッチを変化させてもその特性が
所定の特性を保つ必要がある。ところが、このマルチサ
ンプリング方法を用いた場合には、物理モデル音源58
の閉ループ内においてサンプリング周波数が変化するの
で、フィルタの係数が固定されたままであるとその特性
(カットオフ周波数など)が変化してしまう。そこで、
ピッチの変化、即ち、サンプリング周波数の変化と共
に、フィルタの係数も補正する必要がある。以下にマル
チサンプリング方法を用いた場合の物理モデル音源58
のフィルタの係数の補正方法について説明する。
【0078】まず、上述したマルチサンプリング方法に
おいては、オクターブの切り換えはシフトレジスタ10
の遅延段数(ディレイ長)を2のべき乗で変える。従っ
て、1オクターブ上がる毎に物理モデル音源58の閉ル
ープのディレイ長は半分になるように設定される。しか
し、ディレイ長と可変サンプリング周波数Faとが切り
換わる境界において条件を同じにする必要がある。この
境界における条件を同じにするには、ディレイ長が半分
になると共に、演算回数が1/2になった時に同じ音に
なるようにすればよい。
【0079】(1) 閉ループゲイン ディレイ長が半分になると信号は閉ループを2倍通過す
るが、演算回数は半分になるので、結局、係数の補正は
必要ない。同じ係数をフィルタに与えた場合、減衰時定
数τは、次式で示すように、音程の周波数の逆数(周期
T)に比例する。結局、6dB/OCTのレートキース
ケールと等価である。 τ∝1/f=T・・・
【0080】(2) 閉ループのフィルタのカットオフ
係数 係数一定の場合には、サンプリング周波数Faとカット
オフ係数が比例する。つまり、1オクターブ上がると2
倍カットオフ係数が上がる。一方、演算の確率は、境界
では変化しない。これは、演算回数/ディレイ長が一定
であるからである。結局、次式および図10に示すよう
に、オクターブが上がる毎にカットオフ周波数fcとフ
ィルタの係数αは比例すると考えてよい。但し、厳密に
は補正を要する。 α≒2πfc/fa・・・
【0081】(3) FIRフィルタの係数補正 尚、上述した第3の実施例においては、LPF12をD
CFによって構成した例を示したが、LPF12をFI
Rフィルタ(非巡回型フィルタ)によって構成した場
合、係数の補正は困難である。というのは、DCFフィ
ルタの係数が周波数の対数的な変化に対してほぼ相似的
に変化するのに対して、FIRフィルタの係数は、周波
数の対数的な変化に対して相似的に変化しないからであ
る。また、係数を補正してフィルタの肩特性を合せて
も、ナイキスト周波数近傍のゲインが大きく変化するの
で、同じ特性は得られない。そこで、あえて係数を補正
するとすれば、上述した(2)の場合と同様、1オクタ
ーブ上がる毎にカットオフ周波数が2倍になるような係
数を選ぶようにする。
【0082】以上説明した第3の実施例によれば、各チ
ャンネルの物理モデル音源毎に複数の駆動波形データが
記憶された駆動波形ROMを用意する必要がないため、
駆動波形ROMを共有することができる。また、物理モ
デル音源58をDSPによって構成したので、CPU1
が駆動波形データと共に、マイクロプログラムの一部あ
るいは全部を物理モデル音源58に転送することによ
り、LPF12やAPF13の構成自体を変える等ダイ
ナミックに物理モデル音源58の構成を変更することが
できるため、従来より幅広い音色変化が得られる。
【0083】尚、上述した第3の実施例においては、C
PU1が駆動波形データを物理モデル音源58に転送し
た例を示したが、DMA(ダイレクトメモリアクセス)
方式により、CPU1を介さずにROM53から直接駆
動波形データを物理モデル音源58の駆動波形RAM5
9に転送するようにしてもよい。
【0084】また、上述した第3の実施例においては、
駆動波形データを予めROM53に記憶した例を示した
が、CPU1が予めある演算処理を行ない、その演算結
果をRAM3に記憶しておき、これを駆動波形データと
して発音時に物理モデル音源58に転送するようにして
もよい。
【0085】さらに、上述した第3の実施例において
は、可変サンプリング周波数Faとシフトレジスタ10
の遅延段数を変更することにより、任意のピッチを実現
した例を示したが、サンプリング周波数が非常に高い場
合には、可変サンプリング周波数Faを目的のピッチに
比例して変化させることにより任意のピッチを実現する
ことができる。
【0086】次に、本発明の第4の実施例について説明
する。図11は本発明の第4の実施例による電子楽器の
要部の構成を示すブロック図である。この図に示す電子
楽器は、音源としてPCM音源63と物理モデル音源6
4とを併用したものである。PCM音源63は、PCM
音源用波形ROM65にPCM化されて記憶された波形
データを演奏者による図示しない鍵盤等の操作に応じた
クロックで読み出すものである。また、物理モデル音源
64は、上述した従来の物理モデル音源6から駆動波形
ROM7およびアドレスカウンタ8を取り除いた構成の
ものであるとする。但し、物理モデル音源64の構成は
これに限定されるものではなく、波形データを入力して
自然楽器の楽音を合成して出力するものでれあればどの
ようなものでもよい。
【0087】図11において、66は楽音信号の振幅を
制御して楽音信号の音量や音色を制御するエンベロープ
信号(図12参照)を発生するエンベロープジェネレー
タ(EG)、67はPCM音源用波形ROM65から読
み出される波形データとエンベロープ信号とを乗算する
乗算器、68はPCM音源63の出力信号に所定の乗算
係数を乗ずる乗算器、69は物理モデル音源64の出力
信号に所定の乗算係数を乗ずる乗算器、70は乗算器6
8および69の出力信号を加算する加算器、71は加算
器70の出力信号、即ち、楽音信号が出力される出力端
子である。
【0088】このような構成において、演奏者が図示し
ない鍵盤の鍵を押鍵操作すると、鍵に対応したキーコー
ドKCおよびキーオン信号KON等が出力される。これ
により、図示しないCPUは、キーコードKCおよびキ
ーオン信号KON等に対する物理モデル音源64の閉ル
ープを構成する各構成要素のそれぞれのパラメータを設
定した後、楽音発生開始の指令をPCM音源63および
物理モデル音源64それぞれに与えると共に、EG66
を制御する。
【0089】これにより、PCM音源63は、PCM音
源用波形ROM65から波形データを上述したキーコー
ドKCおよびキーオン信号KON等のデータに応じたク
ロックで読み出す。また、PCM音源用波形ROM65
から読み出された波形データの一部は、乗算器67にお
いて、EG66から出力されたエンベロープ信号と乗算
された後、物理モデル音源64に入力される。
【0090】そして、乗算器67の出力信号は、物理モ
デル音源64において、上述した図16に示す物理モデ
ル音源6と同様の処理が行なわれ、各周波数成分間の位
相差が変化すると共に、徐々に減衰する。
【0091】次に、物理モデル音源64から取り出され
た信号は、乗算器69において所定の乗算係数が乗ぜら
れ、加算器70の一方の入力端に入力される。また、P
CM音源63から取り出された信号は、乗算器68にお
いて所定の乗算係数が乗ぜられ、加算器70の他方の入
力端に入力される。そして、加算器70の出力信号、即
ち、楽音信号が出力端子71から出力される。
【0092】以上説明した第4の実施例によれば、PC
M音源用波形ROM65をPCM音源63と物理モデル
音源64とにおいて共有することができる。
【0093】ところで、上述した従来の電子楽器におい
ては、制御操作子4の鍵盤のある離鍵された鍵が割り当
てられたチャンネル(物理モデル音源6)の音がまだ減
衰しながら残っている状態で新たに同一の鍵が押鍵され
た場合には、CPU1は、その鍵が割り当てられたチャ
ンネルをサーチし、同一の音高のチャンネルが見つかっ
た場合には、そのチャンネルのタイミングでフォーシン
グダンプ処理した後、そのチャンネルのタイミングで再
び楽音発生開始の指令を該当する物理モデル音源6に与
えている。
【0094】従って、ギターなどの撥弦楽器等におい
て、例えば、繰り返し弦を掻き鳴らして演奏するよう
な、ある弦あるいは鍵の音が残っている状態で同じ弦あ
るいは鍵が繰り返し操作されたような、鳴動中の弦など
の共鳴体に、さらに振動エネルギーを印加するような演
奏方法をそのままシミュレートすることができなかっ
た。
【0095】そこで、ある離鍵されたチャンネルの音が
まだ減衰しながら残っている状態で新たに同一鍵が押鍵
された場合には、物理モデル音源の閉ループ内の音が残
っている状態で閉ループ内に駆動波形データを入力する
ようにする。言い換えるなら、押鍵されて発音可能なチ
ャンネルを探す時、離鍵されているチャンネルの中で同
一の音高のチャンネルを探し、見つかった場合はそのチ
ャンネルにアサインし、閉ループ内の音はそのままで駆
動波形を入力する。これにより、上述した演奏方法をも
シミュレートすることができる。
【0096】ところが、この方法では、連続して同一鍵
が押鍵と離鍵とを繰返された場合、その鍵は常に同一チ
ャンネルにアサインされてしまうため、駆動波形データ
の入力により閉ループ内の信号が次第に重畳されて最後
にはオーバーフローしてしまう。これにより、楽音信号
の波形がつぶれて歪のある波形になってしまう。
【0097】そこで、以下に、この欠点を解決して上述
した演奏方法をシミュレートすることができると共に、
ポルタメント(スラー)効果をもかけることができる本
発明の第5の実施例について説明する。尚、ここで、ポ
ルタメント効果とは、ギター等における各種の奏法、例
えば、弦を押えた指をそのまま滑らせて音程を上下させ
るスライド奏法、上行スラーを左手の指で弦を叩くこと
によって行なうハンマリング・オン奏法、左手の指でひ
っかくように離すことにより右手で弾弦せずに下行スラ
ーを行なうプリング・オフ奏法等をシミュレートする効
果をいう。
【0098】図13は本発明の第5の実施例による電子
楽器の構成を示すブロック図であり、この図において、
図7および図18の各部に対応する部分には同一の符号
を付け、その説明を省略する。図13において、72a
〜72dはそれぞれ物理モデル音源である。物理モデル
音源72において、73は駆動波形ROM7から読み出
された駆動波形データに所定の特性を付加するフィル
タ、74はEG、75はフィルタ73の出力信号とEG
74から出力されるエンベロープ信号とを乗算する乗算
器である。また、76はEGシミュレータであり、物理
モデル音源72の閉ループ内を循環する信号のレベルを
検出する。77はサンプリング変換・ミキシング回路で
あり、各物理モデル音源72a〜72dの出力信号の可
変サンプリング周波数Faをシステムの固定サンプリン
グ周波数Fsに変換すると共に、混合する。78はサン
プリング変換・ミキシング回路77の出力信号、即ち、
楽音信号が出力される出力端子である。
【0099】このような構成において、演奏者が鍵盤5
4のある鍵を操作した場合のCPU1の動作を図14〜
17に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0100】まず、CPU1は、図14のステップSB
1の処理へ進み、ある鍵(Ki)のイベントが発生した
か否かを判断する。この判断結果が「NO」の場合に
は、同判断を繰返す。そして、演奏者が鍵盤54のある
鍵(Ki)を操作すると、ステップSB1の判断結果は
「YES」となり、ステップSB2へ進む。
【0101】ステップSB2では、ある鍵(Ki)が押
鍵されたか否かを判断する。この判断結果が「YES」
の場合には、ステップSB3へ進む。ステップSB3で
は、押鍵された鍵(Ki)が最も新しく離鍵された鍵
(以下、最新離鍵鍵という)の音高と同じ音高であるか
否かを判断する。この判断結果が「YES」の場合に
は、図15のステップSB4へ進む。
【0102】ステップSB4では、最新離鍵鍵の音高の
チャンネル(物理モデル音源72)をサーチし、EGシ
ミュレータ76を制御してその物理モデル音源72の閉
ループ内を現在循環している信号のレベルL0を検出し
た後、ステップSB5へ進む。
【0103】ステップSB5では、最新離鍵鍵の音高の
物理モデル音源72のフィルタ73およびEG74の各
パラメータを設定する。この時、EG74から出力され
るエンベロープ信号のアタックレベルLAは、鍵盤54
および制御操作子55から出力される音高やタッチに関
するデータから決定される駆動波形データのレベルL1
からステップSB4の処理において検出したレベルL0
を減算したレベルに設定する。そして、ステップSB6
へ進む。
【0104】ステップSB6では、該当する物理モデル
音源72のアドレスカウンタ8に読み出しスタートアド
レスおよびサイズを設定し、スタートトリガをかけた
後、ステップSB7へ進む。ステップSB7では、音高
に同期した可変サンプリング周波数Faで再発音処理が
行なわれる。即ち、アドレスカウンタ8が読み出しアド
レスを生成し、この読み出しアドレスに従って駆動波形
ROM7から駆動波形データが順次読み出される。
【0105】これにより、該当する物理モデル音源72
の駆動波形ROM7から読み出された駆動波形データ
は、フィルタ73を経て乗算器75においてEG74か
ら出力されるエンベロープ信号と乗算された後、加算器
9の一方の入力端に入力される。一方、加算器9→シフ
トレジスタ10→乗算器11→LPF12によって構成
される閉ループ内には、同一音高の信号がまだ減衰しな
がら循環を繰り返している。従って、フィルタ73およ
び乗算器75を経てそのレベルが制御された信号がこの
循環している信号に新たに加えられて、上述した閉ルー
プ内を循環しつつ、徐々に減衰する。
【0106】次に、加算器9の出力端から出力された楽
音信号は、サンプリング変換・ミキシング回路77にお
いて、可変サンプリング周波数Faがシステムの固定サ
ンプリング周波数Fsに変換されると共に、他の物理モ
デル音源72から出力され、サンプリング変換された楽
音信号と混合された後、出力端子78から出力される。
これにより、ギターの繰り返し弦を掻き鳴らして演奏す
るような演奏方法をそのままシミュレートすることがで
きる。
【0107】一方、図14のステップSB3の判断結果
が「NO」の場合、即ち、新たに押鍵された鍵(Ki)
が最新離鍵鍵の音高と同じ音高でない場合には、ステッ
プSB8へ進む。ステップSB8では、新たに押鍵され
た鍵(Ki)が既に押鍵されている鍵の中で最も高い音
高の鍵(以下、最高音高鍵という)(Ko)よりもさら
に高い音高であるか否かを判断する。この判断結果が
「YES」の場合には、ステップSB9へ進む。
【0108】ステップSB9では、最高音高鍵(Ko)
をサーチし、その押鍵時間およびキープレッシャー、即
ち、アフタータッチ(イーチキーアフター)の値を求め
た後、ステップSB10へ進む。ステップSB10で
は、ポルタメント効果を行なうか否かを判断する。この
判断は、ステップSB9の処理において求めた押鍵時間
が予め設定した規定時間を経過し、かつ、アフタータッ
チが予め設定した値を越えたか否かを判断することによ
り行なう。この判断結果が「YES」の場合には、ステ
ップSB11へ進む。
【0109】ステップSB11では、最高音高鍵(K
o)の音高のチャンネル(物理モデル音源72)のフィ
ルタ73およびEG74の各パラメータを鍵(Ki)に
対応したタッチ、音高に関する情報に応じて通常の発音
処理の場合とは異なった値に設定した後、ステップSB
12へ進む。ステップSB12では、最高音高鍵(K
o)の音高を鍵(Ki)の音高に更新する。即ち、鍵
(Ki)の音高に応じて最高音高鍵(Ko)の音高の物
理モデル音源72の閉ループを構成する各構成要素の各
パラメータを設定し直した後、ステップSB13へ進
む。
【0110】ステップSB13では、アドレスカウンタ
8に読み出しアドレスおよびサイズを設定し、スタート
トリガをかけた後、ステップSB14へ進む。ステップ
SB14では、ピッチが最高音高鍵(Ko)のピッチか
ら鍵(Ki)のピッチへ変化するように、可変サンプリ
ング周波数Faが予め設定された速度Spで変化されら
れてポルタメント発音処理が行なわれる。これにより、
上述したギターのハンマリング・オン奏法をシミュレー
トすることができる。
【0111】一方、ステップSB2の判断結果が「N
O」の場合、即ち、ある鍵(Ki)が押鍵でなく、離鍵
された場合には、図16のステップSB15へ進む。ス
テップSB15では、新たに離鍵された鍵(Ki)が最
高音高鍵(Ko)であるか否かを判断する。この判断結
果が「NO」の場合には、ステップSB16へ進む。
【0112】ステップSB16では、鍵(Ki)の音高
のチャンネル(物理モデル音源72)のLPF12の係
数および乗算器11のフィードバック係数FBを設定し
た後、一連の作業を終了する。
【0113】一方、ステップSB15の判断結果が「Y
ES」の場合、即ち、新たに離鍵された鍵(Ki)が最
高音高鍵(Ko)である場合には、ステップSB17へ
進む。ステップSB17では、鍵(Ki)を除いた押鍵
中の鍵の中の最高音高鍵(Km)をサーチした後、ステ
ップSB18へ進む。
【0114】ステップSB18では、最高音高鍵(K
m)があるか否かを判断する。この判断結果が「NO」
の場合には、一連の作業を終了する。一方、ステップS
B18の判断結果が「YES」の場合、即ち、最高音高
鍵(Km)がある場合には、ステップSB19へ進む。
【0115】ステップSB19では、鍵(Ki)の音高
を最高音高鍵(Km)の音高に更新する。即ち、最高音
高鍵(Km)の音高に応じて鍵(Ki)の音高の物理モ
デル音源72の閉ループを構成する各構成要素の各パラ
メータを設定し直した後、ステップSB20へ進む。ス
テップSB20では、ピッチが鍵(Ki)のピッチから
最高音高鍵(Km)のピッチへ変化するように、可変サ
ンプリング周波数Faが予め設定された速度Spで変化
されられてポルタメント発音処理が行なわれる。これに
より、上述したギターのプリング・オフ奏法をシミュレ
ートすることができる。
【0116】一方、図14のステップSB8の判断結果
が「NO」の場合、即ち、新たに押鍵された鍵(Ki)
が最高音高鍵(Ko)よりもさらに高い音高でない場合
には、図17のステップSB21へ進む。また、図14
のステップSB10の判断結果が「NO」の場合、即
ち、ポルタメント効果を行なわない場合にも、図17の
ステップSB21へ進む。
【0117】ステップSB21では、鍵(Ki)をアサ
インするチャンネルがあるか否かを判断する。この判断
結果が「NO」の場合には、一連の作業を終了する。一
方、ステップSB21の判断結果が「YES」の場合、
即ち、アサインするチャンネルがある場合には、ステッ
プSB22へ進む。
【0118】ステップSB22では、最も前に離鍵され
た鍵(以下、最古離鍵鍵という)をサーチし、その鍵の
チャンネルが発音可能であるか調べた後、ステップSB
23へ進む。ステップSB23では、最古離鍵鍵のチャ
ンネルが発音可能であるか否かを判断する。この判断結
果が「NO」の場合には、ステップSB24へ進む。
【0119】ステップSB24では、フォーシングダン
プ処理を行なった後、ステップSB25へ進む。一方、
ステップSB23の判断結果が「YES」の場合、即
ち、最古離鍵鍵のチャンネルが発音可能である場合に
も、ステップSB25へ進む。
【0120】ステップSB25では、ポルタメントのス
ピードを最高に設定した後、ステップSB26へ進む。
ステップSB26では、鍵(Ki)音高に応じて該当す
るチャンネル(物理モデル音源72)のLPF12の係
数、乗算器11のフィードバック係数FB、シフトレジ
スタ10のディレイ長、フィルタ73およびEG74の
各パラメータを設定した後、ステップSB27へ進む。
ステップSB27では、アドレスカウンタ8に読み出し
アドレスおよびサイズを設定し、スタートトリガをかけ
た後、ステップSB28へ進む。ステップSB28で
は、通常の発音処理が行なわれる。
【0121】以上説明した第5の実施例によれば、楽音
信号の波形がつぶれることなくギターなどの撥弦楽器の
繰り返し弦を掻き鳴らして演奏するような演奏方法をシ
ミュレートすることができると共に、ポルタメント(ス
ラー)効果をもかけることができる。
【0122】尚、上述した第5の実施例においては、ポ
ルタメント効果をかけるか否かの判断を、ステップSB
9の処理において求めた最高音高鍵(Ko)の押鍵時間
が予め設定した規定時間を経過し、かつ、アフタータッ
チが予め設定した値を越えたか否かを判断することによ
り行なう例を示したが、これに限定されない。例えば、
最高音高鍵(Ko)の押鍵時間が所定時間内で、新たに
鍵(Ki)の押鍵があった場合にポルタメント効果をか
けるようにしてもよい。特に、ハンマリング・オン奏法
のシミュレートでは、この場合の方が自然である。
【0123】また、上述した第5の実施例においては、
ポルタメント効果をかけるか否かの判断を、CPU1が
自動的に行なう例を示したが、演奏者が制御操作子55
のフットスイッチ等を操作した場合や音色等に応じてポ
ルタメント効果をかけるようにしてもよい。
【0124】さらに、上述した第5の実施例において
は、EGシミュレータ76を用いて物理モデル音源72
の閉ループ内を循環する信号のレベルを検出する例を示
したが、ピーク検出器を用いて物理モデル音源72の閉
ループ内を循環する信号のレベルのピークを検出するよ
うにしてもよい。また、物理モデル音源72の閉ループ
内を循環する信号のレベルは、専用の回路あるいはタイ
マが付加されたCPU1が押鍵時間と乗算器11のフィ
ードバック係数FBとから信号の減衰量を求めてこれか
ら求めるようにしてもよい。
【0125】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
安価かつ簡単な構成で複数発音できるという効果があ
る。また、高速のCPUや専用の数値演算プロセッサを
用いることなく物理モデル音源の閉ループの位相遅延量
を補正できという効果がある。
【0126】しかも、物理モデル音源内の各構成要素の
パラメータを大きく変化させた場合でもノイズが発生し
ないという効果がある。さらに、エコーやコーラス等の
演奏効果が得られるという効果がある。加えて、楽音信
号の波形がつぶれることなく、ギターなどの撥弦楽器の
ある弦あるいは鍵の音が残っている状態で同じ弦あるい
は鍵が繰り返し操作されたような演奏方法をシミュレー
トすることができるという効果がある。また、ポルタメ
ント(スラー)効果をもかけることができるという効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例による電子楽器の構成
を示すブロック図である。
【図2】 図1の装置の各部から出力される信号の一例
を示す波形図である。
【図3】 本発明の第2の実施例による電子楽器の構成
を示すブロック図である。
【図4】 係数補間回路47の構成の一例を示すブロッ
ク図である。
【図5】 図3のLPF53の音高およびタッチに対す
る位相遅延量の値のテーブルの一例を示す図である。
【図6】 本発明の第2の実施例の変形例による電子楽
器の要部の構成を示すブロック図である。
【図7】 本発明の第3の実施例による電子楽器の構成
を示すブロック図である。
【図8】 図7のROM53の構成の一例を示す図であ
る。
【図9】 図7の電子楽器の動作を表すフローチャート
である。
【図10】 マルチサンプリング方法におけるオクター
ブとカットオフとの関係を説明するための図である。
【図11】 本発明の第4の実施例による電子楽器の要
部の構成を示すブロック図である。
【図12】 図11のEG66出力されるエンベロープ
信号の一例を示す波形図である。
【図13】 本発明の第5の実施例による電子楽器の構
成を示すブロック図である。
【図14】 図13のCPU1の動作を表すフローチャ
ートである。
【図15】 図13のCPU1の動作を表すフローチャ
ートである。
【図16】 図13のCPU1の動作を表すフローチャ
ートである。
【図17】 図13のCPU1の動作を表すフローチャ
ートである。
【図18】 従来の電子楽器の構成例を示すブロック図
である。
【図19】 図18の駆動波形ROM7の構成の一例を
示す図である。
【図20】 図18のLPF12の構成の一例を示す図
である。
【図21】 図18のAPF13の構成の一例を示す図
である。
【符号の説明】
1……CPU、2……ROM、3……RAM、4,55
…… 制御操作子、5,25,56,57……インター
フェース、6,6a〜6d,27,39,58,58a
〜58d,64,72,72a〜72d……物理モデル
音源、7……駆動波形ROM、8……アドレスカウン
タ、9,14,18,44,50,70……加算器、1
0,28……シフトレジスタ、11,15,16,2
0,21,42,43,49,52,54,67〜6
9,75……乗算器、12,29,53……LPF、1
3,30……APF、17,22,31,32,40…
…遅延回路、19……減算器、23,36……ミキシン
グ回路、24,45,62,71,78……出力端子、
26……係数レジスタ、33a〜33d……レジスタ、
34……タイミング発生器、35a〜35d,61……
D/A変換器、37……スピーカ、38……タイマ、4
1……LFO、47,47a,47b……係数補間回
路、48……係数目標レジスタ、51……係数レジス
タ、54……鍵盤、59……駆動波形RAM、60……
サンプリング変換回路、63……PCM音源、65……
PCM音源用波形ROM、66,74……EG、73…
…フィルタ、76……EGシミュレータ、77……サン
プリング変換・ミキシング回路。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 演奏情報に対応した複数の駆動信号を発
    生する駆動信号発生手段と、 前記複数の駆動信号に対し、前記演奏情報に対応した少
    なくとも遅延処理および減衰処理を時分割で施して繰返
    し循環させるループ手段とを具備し、前記ループ手段を
    共振状態とし、ループを循環する複数の信号を複数の楽
    音信号として出力することを特徴とする電子楽器。
  2. 【請求項2】 演奏情報に対応した駆動信号を発生する
    駆動信号発生手段と、 前記駆動信号に対し、前記演奏情報に対応した少なくと
    も遅延処理および減衰処理を施して繰返し循環させるル
    ープ手段とを具備し、前記ループ手段を共振状態とし、
    ループを循環する信号を楽音信号として出力する電子楽
    器において、 前記ループ手段において施される各処理に用いられるパ
    ラメータが前記演奏情報に対応して記憶された記憶手段
    を備え、 前記ループ手段は、前記駆動信号に対し、前記記憶手段
    に記憶されたパラメータを用いて前記演奏情報に対応し
    た各処理を施すことを特徴とする電子楽器。
  3. 【請求項3】 演奏情報に対応した駆動信号を発生する
    駆動信号発生手段と、 前記駆動信号に対し、前記演奏情報に対応した少なくと
    も遅延処理および減衰処理を施して繰返し循環させるル
    ープ手段とを具備し、前記ループ手段を共振状態とし、
    ループを循環する信号を楽音信号として出力する電子楽
    器において、 前記ループ手段において施される各処理に用いられる各
    係数の値を、前記演奏情報に対応した目標とされる値に
    所定の速度で補間する係数補間回路を備えたことを特徴
    とする電子楽器。
  4. 【請求項4】 演奏情報に対応した駆動信号を発生する
    駆動信号発生手段と、 前記駆動信号に対し、前記演奏情報に対応した少なくと
    も遅延処理および減衰処理を施して繰返し循環させるル
    ープ手段と、 前記ループ手段のループの複数の箇所から出力される信
    号を混合する混合手段とを具備し、前記ループ手段を共
    振状態とし、前記混合手段の出力信号を楽音信号として
    出力することを特徴とする電子楽器。
  5. 【請求項5】 前記ループ手段のループの複数の箇所か
    ら出力される信号の少なくとも1つを所定の周波数の信
    号で変調して前記混合手段に入力する変調手段を備えた
    ことを特徴とする請求項4記載の電子楽器。
  6. 【請求項6】 演奏情報に対応した複数の駆動信号を発
    生する駆動信号発生手段と、 前記複数の駆動信号に対し、それぞれ前記演奏情報に対
    応した少なくとも遅延処理および減衰処理を、オクター
    ブ内は音高に同期したサンプリング周波数を変更し、オ
    クターブ間は遅延時間を変更して施して繰返し循環させ
    る複数のループ手段とを具備し、前記複数のループ手段
    をそれぞれ共振状態とし、各ループを循環する複数の信
    号を複数の楽音信号として出力することを特徴とする電
    子楽器。
  7. 【請求項7】 前記ループ手段は、前記オクターブの境
    界において楽音が同一音になるように前記各処理に用い
    られる各係数の値を補正することを特徴とする請求項6
    記載の電子楽器。
  8. 【請求項8】 PCM化された波形データが記憶された
    記憶手段と、 該記憶手段から前記波形データを演奏情報に応じて読み
    出して楽音信号を出力する楽音発生手段と、 楽音信号の振幅を制御して楽音信号の音量や音色を制御
    するエンベロープ信号を発生するエンベロープジェネレ
    ータと、 前記記憶手段から読み出される波形データと前記エンベ
    ロープ信号とを乗算する乗算手段と、 該乗算手段の出力信号に対し、前記演奏情報に対応した
    少なくとも遅延処理および減衰処理を施して繰返し循環
    させるループ手段と、 前記楽音発生手段の出力信号と前記ループ手段の出力信
    号とを混合する混合手段とを具備することを特徴とする
    電子楽器。
  9. 【請求項9】 複数の演奏情報に対応した複数の駆動信
    号を発生する駆動信号発生手段と、 前記複数の駆動信号に対し、それぞれ前記複数の演奏情
    報に対応した少なくとも遅延処理および減衰処理を施し
    て繰返し循環させる複数のループ手段とを具備し、前記
    複数の演奏情報をそれぞれ複数のループ手段に割当てて
    それぞれ共振状態とし、各ループを循環する複数の信号
    を複数の楽音信号として出力する電子楽器において、 既に割当てられた前記ループ手段の信号がまだ減衰しな
    がら残っている状態で新たに同一の演奏情報が供給され
    た場合には、前記演奏情報をそのループ手段に割当てる
    と共に、そのループを循環する信号のレベルを検出し、
    前記駆動信号発生手段から前記演奏情報に対応して出力
    される駆動信号のレベルから検出されたレベルを減算し
    て前記ループ手段に供給することを特徴とする電子楽
    器。
  10. 【請求項10】 複数の演奏情報に対応した複数の駆動
    信号を発生する駆動信号発生手段と、 前記複数の駆動信号に対し、それぞれ前記複数の演奏情
    報に対応した少なくとも遅延処理および減衰処理を施し
    て繰返し循環させる複数のループ手段とを具備し、前記
    複数の演奏情報をそれぞれ複数のループ手段に割当てて
    それぞれ共振状態とし、各ループを循環する複数の信号
    を複数の楽音信号として出力する電子楽器において、 既に割当てられた前記ループ手段の信号の音高の中で最
    も高い音高よりさらに高い音高の演奏情報が供給され、
    かつ、所定の条件が満たされた場合には、該当するルー
    プ手段の信号のピッチを所定変化幅で変化させることを
    特徴とする電子楽器。
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