JPH05196961A - 薄膜デバイスの製造方法 - Google Patents

薄膜デバイスの製造方法

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JPH05196961A
JPH05196961A JP726992A JP726992A JPH05196961A JP H05196961 A JPH05196961 A JP H05196961A JP 726992 A JP726992 A JP 726992A JP 726992 A JP726992 A JP 726992A JP H05196961 A JPH05196961 A JP H05196961A
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film
gate
photoresist
thin film
electrode
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JP726992A
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English (en)
Inventor
Haruo Matsumaru
治男 松丸
Hideaki Yamamoto
英明 山本
Kazuo Shirohashi
和男 白橋
Yuka Matsukawa
由佳 松川
Hideaki Taniguchi
秀明 谷口
Akira Sasano
晃 笹野
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】陽極酸化時、走査信号線GLのAl層g2が断
線することを防ぐ。 【構成】陽極酸化マスクAOを走査信号線GLのAl層
g2上でクランク状に形成して、陽極酸化を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は薄膜デバイス、特に陽極
酸化を利用する薄膜トランジスタ、とりわけアクティブ
マトリクス液晶表示デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】ゲート電極をAlとし、これを陽極酸化
して得られるAl23をゲート絶縁膜の一部に用いた液
晶表示パネル用の薄膜トランジスタ基板(以下TFT基
板と記す)は例えば本出願人が出願した特開平3−23
2274号公報で知られており、その例を図19に示
す。
【0003】同図において(a)(b)(c)(d)は
各々等価回路、平面図、端子部拡大図、断面図を示すも
のである。
【0004】G1、G2はゲート端子、G1´、G2´はゲ
ート配線、D1,D2はドレイン線、T1、T2は薄膜トラ
ンジスタ、LCは液晶を示す。Caddは、17の透明電
極(画素電極)とゲート配線の重なった容量部分を示
す。
【0005】以下、従来技術によるプロセス工程を述べ
る。スパッタリングや蒸着等によりCrを堆積しCr端
子11を形成する。次ぎに、スパッタリングや蒸着等に
よりAlを堆積し、Alゲート配線12を形成する。C
rの端子部とAlゲート配線の接続部分は(c)で示す
ような構造を持つ。これはAlを巾10μm程度の格子
状に形成し、ホイスカなどの発生を防ぐものである。
【0006】この状態でCr端子部をホトレジストで被
覆し、Alゲート配線部を陽極酸化する。このホトレジ
ストの被覆位置は、(b),(c)で示したl1の位置で、
1より右の領域は陽極酸化を行なう領域(画素部)であ
り、左側は行なわない(ホトレジストで覆う)領域であ
る。この時、l1は、(c)に示すごとくCr端子11を
ホトレジストで完全に被覆するような位置とされる。な
ぜならば、Crが露出していると、陽極酸化時に溶解し
端子部が消失するからである。
【0007】Alゲート配線のホトレジスト被覆位置右
側は、陽極酸化されるので表面がAl23になり、Al
/Al23の2層構造となる。
【0008】陽極酸化後、プラズマCVDによりSiN
/a−Si(i)/a−Si(n)層の3層膜を形成する。
【0009】(d)の断面図で示す14がゲート絶縁膜の
SiN、15がa−Si(i型)、16がa−Si(n型)
である。
【0010】その後、スパッタリングによりITOを堆
積し、透明電極17を形成する。この時17の透明電極
とAlゲート配線の重なり部分はCaddとなる。また1
1のゲート端子部分のCr表面にITOを形成する。
【0011】次ぎにスパッタリングによりCr、Alを
堆積しドレイン電極18を形成する。18´はソース電
極であり17の透明電極と接続している。18´´は、
端子部でITOが段差で断線しないようCr/Alを形
成する。この状態でドライエッチングにより16のa−
Si(n)層を除去する。最後にプラズマCVDによりS
iN膜を堆積しパッシベーション膜を形成する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は陽極酸
化工程において、Alゲート配線と交差するホトレジ膜
パタンが直線状になっており、この部分のホトレジ膜接
着力が低下すると液が浸透する。ホトレジ膜とAlの間
に液が浸透すると、Alの溶断が発生する。初期から発
生する場合は、印加電圧が小さいので溶断も小さいが、
印加電圧が大きい(100V程度)場合はゲート配線が断
線する事故となる。
【0013】Alの溶断は、陽極酸化中にホトレジ膜の
被覆がなくなりAlが露出すると、この部分に大きな電
流が集中し(他の部分はAl23膜が生成されているた
め)、この時のジュ−ル熱のために発生する。
【0014】このように、上記従来技術では陽極酸化中
にAlゲート配線が断線するのを防ぐ対策が十分でな
く、歩留まり向上を阻害する要因が残っていることが本
発明者等によって明らかにされた。
【0015】本発明の一つの目的は歩留まりを向上でき
る薄膜デバイスの製造方法を提供することである。
【0016】本発明の他の目的は信頼性の高い薄膜デバ
イスを提供することである。
【0017】本発明の更に他の目的は、Alゲート配線
上のホトレジパタンの接着性が弱く、陽極酸化中に液の
浸透が起きてもAlの溶断が発生しないTFT基板の製
造方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の一実施例によれ
ば、陽極酸化マスクの境界線がゲート配線をクランク状
に横切る形成される、薄膜デバイスの製造方法が提供さ
れる。
【0019】
【作用】陽極酸化時、ゲート線が融け始めても、それは
上記クランク部分で止まるので、配線全体が断線するこ
とが避けられる。
【0020】
【実施例】本発明、本発明の更に他の目的及び本発明の
更に他の特徴は図面を参照した以下の説明から明らかと
なるであろう。
【0021】(現象、原理)実施例の子細を述べるのに
先立ち、従来技術の問題点解析結果と比較した本発明の
コンセプトを説明する。
【0022】従来のAlゲート配線の溶断について図1
6を用いて説明する。同図において、12はAlゲート
配線を示し、13は表面が酸化物Al23で被覆された
Alゲート配線を示す。l1は選択的陽極酸化用ホトレ
ジストのパタン端面(境界)の位置を示し、20はホト
レジストである。
【0023】Alゲート配線の表面が汚染されている場
合や、ホトレジスト条件の変動に(ベーク温度等)より
膜の接着性が低下するような場合、ホトレジスト膜の端
面の接着力が大きく劣化しする。特にAlゲート配線と
交差する部分Bでは、Alの段差により接着力低下の影
響がさらに強調される。
【0024】この状態で陽極酸化を行なうと、ホトレジ
スト膜で被覆されていない部分は印加電圧に依存した酸
化膜厚が形成される。一般に陽極酸化の電流密度は0.
5mA/cm2程度であり、80cm2程度のAlを陽極酸化
するに必要な電流は40mAとなる。陽極酸化の電圧
は、要求されるAl23膜厚に関連し、2000Å程度
の膜厚ならば約145V必要である。この時、ホトレジ
スト膜の接着力が弱い部分すなわちBから酸化液が浸透
すると、この部分のみAlが露出する。他の部分は表面
にAl23膜が成長しているため、Alが露出した部分
に大きな電流が集中する。この結果ジュ−ル熱によりA
lが溶断する。
【0025】ホトレジスト膜端面では、液が除々に浸透
する場合は問題無いが、通常は接着力に見合った破壊電
圧で始めてホトレジスト膜が破断しAlが露出する。こ
のため陽極酸化電圧が大きい場合は、Al配線が断線す
る。
【0026】Al配線の溶断は、ホトレジスト膜の端面
に沿って発生する。
【0027】これを防ぐための本発明の概念を図17を
用いて説明する。
【0028】図中l1(AO)はホトレジストパタン端
面の位置を示し、従来のホトレジストパタンはAl配線
と直線で交差するように形成されていたが、本改良では
クランク状に形成される。今、Alゲート配線の段差部
と交差するホトレジスト部分Bから剥離が始まり、陽極
酸化電圧によりAl溶断が発生しても、ホトレジスト膜
の端面に沿って進行するためそれはクランク状の部分で
止まる。
【0029】(アクティブ・マトリクス液晶表示装置)
以下、アクティブ・マトリクス方式のカラー液晶表示装
置にこの発明を適用した実施例を説明する。なお、以下
説明する図面で、同一機能を有するものは同一符号を付
け、その繰り返しの説明は省略する。
【0030】図2はこの発明が適用されるアクティブ・
マトリクス方式カラー液晶表示装置の一画素とその周辺
を示す平面図、図3は図2の3−3切断線における断面
を示す図、図4は図2の4−4切断線における断面図で
ある。また、図5には図2に示す画素を複数配置したと
きの平面図を示す。
【0031】(画素配置)図2に示すように、各画素は
隣接する2本の走査信号線(ゲート信号線または水平信
号線)GLと、隣接する2本の映像信号線(ドレイン信
号線または垂直信号線)DLとの交差領域内(4本の信
号線で囲まれた領域内)に配置されている。各画素は薄
膜トランジスタTFT、透明画素電極ITO1および保
持容量素子Caddを含む。走査信号線GLは列方向に延
在し、行方向に複数本配置されている。映像信号線DL
は行方向に延在し、列方向に複数本配置されている。
【0032】(表示部断面全体構造)図3に示すよう
に、液晶LCを基準に下部透明ガラス基板SUB1側に
は薄膜トランジスタTFTおよび透明画素電極ITO1
が形成され、上部透明ガラス基板SUB2側にはカラー
フィルタFIL、遮光用ブラックマトリクスパターンB
Mが形成されている。下部透明ガラス基板SUB1はた
とえば1.1mm程度の厚さで構成されている。また、透
明ガラス基板SUB1、SUB2の両面にはディップ処
理等によって形成された酸化シリコン膜SIOが設けら
れている。このため、透明ガラス基板SUB1、SUB
2の表面に鋭い傷があったとしても、鋭い傷を酸化シリ
コン膜SIOで覆うことができるので、その上にデポジ
ットされる走査信号線GL、遮光膜BM等の膜質を均質
に保つことができる。
【0033】図示していないが、液晶封入口を除く透明
ガラス基板SUB1、SUB2の縁周囲全体に沿って液
晶LCを封止するようにシール材が形成され。シール材
は例えばエポキシ樹脂から成る。上部透明ガラス基板S
UB2側の共通透明画素電極ITO2は、少なくとも一
個所において、銀ペースト材によって下部透明ガラス基
板SUB1側に形成された外部引出配線に接続されてい
る。この外部引出配線は後述するゲート端子GTM、ド
レイン端子DTMと同一製造工程で形成される。
【0034】配向膜ORI1、ORI2、透明画素電極
ITO1、共通透明画素電極ITO2、それぞれの層
は、シール材の内側に形成される。偏光板POL1、P
OL2はそれぞれ下部透明ガラス基板SUB1、上部透
明ガラス基板SUB2の外側の表面に形成されている。
液晶LCは液晶分子の向きを設定する下部配向膜ORI
1と上部配向膜ORI2との間に封入され、シール材に
よってシールされている。下部配向膜ORI1は下部透
明ガラス基板SUB1側の保護膜PSV1の上部に形成
される。
【0035】上部透明ガラス基板SUB2の内側(液晶
LC側)の表面には、遮光膜BM、カラーフィルタFI
L、保護膜PSV2、共通透明画素電極ITO2(CO
M)および上部配向膜ORI2が順次積層して設けられ
ている。
【0036】この液晶表示装置は、下部透明ガラス基板
SUB1側、上部透明ガラス基板SUB2側で別個に種
々の層を積み重ね、その後下部透明ガラス基板SUB1
と上部透明ガラス基板SUB2とを重ね合わせ、下部透
明ガラス基板SUB1と上部透明ガラス基板SUB2と
の間に液晶LCを封入することによって組み立てられ
る。
【0037】(薄膜トランジスタTFT)薄膜トランジ
スタTFTは、ゲート電極GTに正のバイアスを印加す
ると、ソース−ドレイン間のチャネル抵抗が小さくな
り、バイアスを零にすると、チャネル抵抗は大きくなる
ように動作する。
【0038】各画素の薄膜トランジスタTFTは、画素
内において2つ(複数)に分割され、薄膜トランジスタ
(分割薄膜トランジスタ)TFT1およびTFT2で構
成されている。薄膜トランジスタTFT1、TFT2の
それぞれは実質的に同一サイズ(チャネル長、チャネル
幅が同じ)で構成されている。この分割された薄膜トラ
ンジスタTFT1、TFT2のそれぞれは、ゲート電極
GT、ゲート絶縁膜GI、i型(真性、intrinsic、導
電型決定不純物がドープされていない)非晶質シリコン
(Si)からなるi型半導体層AS、一対のソース電極
SD1、ドレイン電極SD2を有す。なお、ソース、ド
レインは本来その間のバイアス極性によって決まるもの
で、この液晶表示装置の回路ではその極性は動作中反転
するので、ソース、ドレインは動作中入れ替わると理解
されたい。しかし、以下の説明では、便宜上一方をソー
ス、他方をドレインと固定して表現する。
【0039】(ゲート電極GT)ゲート電極GTは図6
(図2の第2導電膜g2およびi型半導体層ASのみを
描いた平面図)に示すように、走査信号線GLから垂直
方向(図2および図6において上方向)に突出する形状
で構成されている(T字形状に分岐されている)。ゲー
ト電極GTは薄膜トランジスタTFT1、TFT2のそ
れぞれの能動領域を越えるよう突出している。薄膜トラ
ンジスタTFT1、TFT2のそれぞれのゲート電極G
Tは、一体に(共通ゲート電極として)構成されてお
り、走査信号線GLに連続して形成されている。本例で
は、ゲート電極GTは、単層の第2導電膜g2で形成さ
れている。第2導電膜g2はたとえばスパッタで形成さ
れたアルミニウム(Al)膜を用い、1000〜550
0Å程度の膜厚で形成する。また、ゲート電極GT上に
はAlの陽極酸化膜AOFが設けられている。
【0040】このゲート電極GTは図2、図3および図
6に示されているように、i型半導体層ASを完全に覆
うよう(下方からみて)それより大き目に形成される。
したがって、下部透明ガラス基板SUB1の下方に蛍光
灯等のバックライトBLを取り付けた場合、この不透明
なAlからなるゲート電極GTが影となって、i型半導
体層ASにはバックライト光が当たらず、光照射による
導電現象すなわち薄膜トランジスタTFTのオフ特性劣
化は起きにくくなる。なお、ゲート電極GTの本来の大
きさは、ソース電極SD1とドレイン電極SD2との間
をまたがるに最低限必要な(ゲート電極GTとソース電
極SD1、ドレイン電極SD2との位置合わせ余裕分も
含めて)幅を持ち、チャネル幅Wを決めるその奥行き長
さはソース電極SD1とドレイン電極SD2との間の距
離(チャネル長)Lとの比、すなわち相互コンダクタン
スgmを決定するファクタW/Lをいくつにするかによっ
て決められる。この液晶表示装置におけるゲート電極G
Tの大きさはもちろん、上述した本来の大きさよりも大
きくされる。
【0041】(走査信号線GL)走査信号線GLは第2
導電膜g2で構成されている。この走査信号線GLの第
2導電膜g2はゲート電極GTの第2導電膜g2と同一
製造工程で形成され、かつ一体に構成されている。ま
た、走査信号線GL上にもAlの陽極酸化膜AOFが設
けられている。
【0042】(絶縁膜GI)絶縁膜GIは薄膜トランジ
スタTFT1、TFT2のそれぞれのゲート絶縁膜とし
て使用される。絶縁膜GIはゲート電極GTおよび走査
信号線GLの上層に形成されている。絶縁膜GIはたと
えばプラズマCVDで形成された窒化シリコン膜を用
い、1200〜2700Åの膜厚(この液晶表示装置で
は、2000Å程度の膜厚)で形成する。
【0043】(i型半導体層AS)i型半導体層AS
は、図6に示すように、複数に分割された薄膜トランジ
スタTFT1、TFT2のそれぞれのチャネル形成領域
として使用される。i型半導体層ASは非晶質シリコン
膜または多結晶シリコン膜で形成し、200〜2200
Åの膜厚(この液晶表示装置では、2000Å程度の膜
厚)で形成する。
【0044】このi型半導体層ASは、供給ガスの成分
を変えてSi34からなるゲート絶縁膜として使用され
る絶縁膜GIの形成に連続して、同じプラズマCVD装
置で、しかもそのプラズマCVD装置から外部に露出す
ることなく形成される。また、オーミックコンタクト用
のリン(P)を2.5%ドープしたN(+)型半導体層d
0(図3)も同様に連続して200〜500Åの膜厚
(この液晶表示装置では、300Å程度の膜厚)で形成
される。しかる後、下部透明ガラス基板SUB1はCV
D装置から外に取り出され、写真処理技術によりN(+)
型半導体層d0およびi型半導体層ASは図2、図3お
よび図6に示すように独立した島状にパターニングされ
る。
【0045】i型半導体層ASは、図2および図6に示
すように、走査信号線GLと映像信号線DLとの交差部
(クロスオーバ部)の両者間にも設けられている。この
交差部のi型半導体層ASは交差部における走査信号線
GLと映像信号線DLとの短絡を低減する。
【0046】(透明画素電極ITO1)透明画素電極I
TO1は液晶表示部の画素電極の一方を構成する。
【0047】透明画素電極ITO1は薄膜トランジスタ
TFT1のソース電極SD1および薄膜トランジスタT
FT2のソース電極SD1の両方に接続されている。こ
のため、薄膜トランジスタTFT1、TFT2のうちの
1つに欠陥が発生しても、その欠陥が副作用をもたらす
場合はレーザ光等によって適切な箇所を切断し、そうで
ない場合は他方の薄膜トランジスタが正常に動作してい
るので放置すれば良い。なお、2つの薄膜トランジスタ
TFT1、TFT2に同時に欠陥が発生することは稀で
あり、このような冗長方式により点欠陥や線欠陥の確率
を極めて小さくすることができる。透明画素電極ITO
1は第1導電膜d1によって構成されており、この第1
導電膜d1はスパッタリングで形成された透明導電膜
(Indium-Tin-Oxide ITO:ネサ膜)からなり、10
00〜2000Åの膜厚(この液晶表示装置では、14
00Å程度の膜厚)で形成される。
【0048】(ソース電極SD1、ドレイン電極SD
2)複数に分割された薄膜トランジスタTFT1、TF
T2のそれぞれのソース電極SD1とドレイン電極SD
2とは、図2、図3および図7(図2の第1〜第3導電
膜d1〜d3のみを描いた平面図)に示すように、i型
半導体層AS上にそれぞれ離隔して設けられている。
【0049】ソース電極SD1、ドレイン電極SD2の
それぞれは、N(+)型半導体層d0に接触する下層側か
ら、第2導電膜d2、第3導電膜d3を順次重ね合わせ
て構成されている。ソース電極SD1の第2導電膜d2
および第3導電膜d3は、ドレイン電極SD2の第2導
電膜d2および第3導電膜d3と同一製造工程で形成さ
れる。
【0050】第2導電膜d2はスパッタで形成したクロ
ム(Cr)膜を用い、500〜1000Åの膜厚(この
液晶表示装置では、600Å程度の膜厚)で形成する。
Cr膜は膜厚を厚く形成するとストレスが大きくなるの
で、2000Å程度の膜厚を越えない範囲で形成する。
Cr膜はN(+)型半導体層d0との接触が良好である。
Cr膜は後述する第3導電膜d3のAlがN(+)型半導
体層d0に拡散することを防止するいわゆるバリア層を
構成する。第2導電膜d2として、Cr膜の他に高融点
金属(Mo、Ti、Ta、W)膜、高融点金属シリサイ
ド(MoSi2、TiSi2、TaSi2、WSi2)膜を
用いてもよい。
【0051】第3導電膜d3はAlのスパッタリングで
3000〜5000Åの膜厚(この液晶表示装置では、
4000Å程度の膜厚)に形成される。Al膜はCr膜
に比べてストレスが小さく、厚い膜厚に形成することが
可能で、ソース電極SD1、ドレイン電極SD2および
映像信号線DLの抵抗値を低減するように構成されてい
る。第3導電膜d3として純Al膜の他にシリコンや銅
(Cu)を添加物として含有させたAl膜を用いてもよ
い。
【0052】第2導電膜d2、第3導電膜d3を同じマ
スクパターンでパターニングした後、同じマスクを用い
て、あるいは第2導電膜d2、第3導電膜d3をマスク
として、N(+)型半導体層d0が除去される。つまり、
i型半導体層AS上に残っていたN(+)型半導体層d0
は第2導電膜d2、第3導電膜d3以外の部分がセルフ
アラインで除去される。このとき、N(+)型半導体層d
0はその厚さ分は全て除去されるようエッチングされる
ので、i型半導体層ASも若干その表面部分がエッチン
グされるが、その程度はエッチング時間で制御すればよ
い。
【0053】ソース電極SD1は透明画素電極ITO1
に接続されている。ソース電極SD1は、i型半導体層
AS段差(第2導電膜g2の膜厚、陽極酸化膜AOFの
膜厚、i型半導体層ASの膜厚およびN(+)型半導体層
d0の膜厚を加算した膜厚に相当する段差)に沿って構
成されている。具体的には、ソース電極SD1は、i型
半導体層ASの段差に沿って形成された第2導電膜d2
と、この第2導電膜d2の上部に形成した第3導電膜d
3とで構成されている。ソース電極SD1の第3導電膜
d3は第2導電膜d2のCr膜がストレスの増大から厚
く形成できず、i型半導体層ASの段差形状を乗り越え
られないので、このi型半導体層ASを乗り越えるため
に構成されている。つまり、第3導電膜d3は厚く形成
することでステップカバレッジを向上している。第3導
電膜d3は厚く形成できるので、ソース電極SD1の抵
抗値(ドレイン電極SD2や映像信号線DLについても
同様)の低減に大きく寄与している。
【0054】(保護膜PSV1)薄膜トランジスタTF
Tおよび透明画素電極ITO1上には保護膜PSV1が
設けられている。保護膜PSV1は主に薄膜トランジス
タTFTを湿気等から保護するために形成されており、
透明性が高くしかも耐湿性の良いものを使用する。保護
膜PSV1はたとえばプラズマCVD装置で形成した酸
化シリコン膜や窒化シリコン膜で形成されており、1μ
m程度の膜厚で形成する。
【0055】(遮光膜BM)上部透明ガラス基板SUB
2側には、外部光(図3では上方からの光)がチャネル
形成領域として使用されるi型半導体層ASに入射され
ないように、遮光膜BMが設けられ、遮光膜BMは図8
のハッチングに示すようなパターンとされている。な
お、図8は図2におけるITO膜からなる第1導電膜d
1、カラーフィルタFILおよび遮光膜BMのみを描い
た平面図である。遮光膜BMは光に対する遮蔽性が高い
たとえばアルミニウム膜やクロム膜等で形成されてお
り、この液晶表示装置ではクロム膜がスパッタリングで
1300Å程度の膜厚に形成される。
【0056】したがって、薄膜トランジスタTFT1、
TFT2のi型半導体層ASは上下にある遮光膜BMお
よび大き目のゲート電極GTによってサンドイッチにさ
れ、その部分は外部の自然光やバックライト光が当たら
なくなる。遮光膜BMは図8のハッチング部分で示すよ
うに、画素の周囲に形成され、つまり遮光膜BMは格子
状に形成され(ブラックマトリクス)、この格子で1画
素の有効表示領域が仕切られている。したがって、各画
素の輪郭が遮光膜BMによってはっきりとし、コントラ
ストが向上する。つまり、遮光膜BMはi型半導体層A
Sに対する遮光とブラックマトリクスとの2つの機能を
もつ。
【0057】また、透明画素電極ITO1のラビング方
向の根本側のエッジ部に対向する部分(図2右下部分)
が遮光膜BMによって遮光されているから、上記部分に
ドメインが発生したとしても、ドメインが見えないの
で、表示特性が劣化することはない。
【0058】なお、バックライトを上部透明ガラス基板
SUB2側に取り付け、下部透明ガラス基板SUB1を
観察側(外部露出側)とすることもできる。
【0059】(カラーフィルタFIL)カラーフィルタ
FILはアクリル樹脂等の樹脂材料で形成される染色基
材に染料を着色して構成されている。カラーフィルタF
ILは画素に対向する位置にストライプ状に形成され
(図9)、染め分けられている(図9は図5の第1導電
膜膜d1、遮光膜BMおよびカラーフィルタFILのみ
を描いたもので、B、R、Gの各カラーフィルターFI
Lはそれぞれ、45°、135°、クロスのハッチを施
してある)。カラーフィルタFILは図8,9に示すよ
うに透明画素電極ITO1の全てを覆うように大き目に
形成され、遮光膜BMはカラーフィルタFILおよび透
明画素電極ITO1のエッジ部分と重なるよう透明画素
電極ITO1の周縁部より内側に形成されている。
【0060】カラーフィルタFILは次のように形成す
ることができる。まず、上部透明ガラス基板SUB2の
表面に染色基材を形成し、フォトリソグラフィ技術で赤
色フィルタ形成領域以外の染色基材を除去する。この
後、染色基材を赤色染料で染め、固着処理を施し、赤色
フィルタRを形成する。つぎに、同様な工程を施すこと
によって、緑色フィルタG、青色フィルタBを順次形成
する。
【0061】(保護膜PSV2)保護膜PSV2はカラ
ーフィルタFILを異なる色に染め分けた染料が液晶L
Cに漏れることを防止するために設けられている。保護
膜PSV2はたとえばアクリル樹脂、エポキシ樹脂等の
透明樹脂材料で形成されている。
【0062】(共通透明画素電極ITO2)共通透明画
素電極ITO2は、下部透明ガラス基板SUB1側に画
素ごとに設けられた透明画素電極ITO1に対向し、液
晶LCの光学的な状態は各画素電極ITO1と共通透明
画素電極ITO2との間の電位差(電界)に応答して変
化する。この共通透明画素電極ITO2にはコモン電圧
Vcomが印加されるように構成されている。コモン電圧
Vcomは映像信号線DLに印加されるロウレベルの駆動
電圧Vdminとハイレベルの駆動電圧Vdmaxとの中間電
位である。
【0063】(ゲート端子部)図1は表示マトリクスの
走査信号線GLからその外部接続端子GTMまでの接続
構造を示す図であり、(A)は平面であり(B)は
(A)のB−B切断線における断面を示している。な
お、同図は図5のマトリクスを基準にすれば基板SUB
1の左端付近を示すものである。
【0064】AOは写真処理用のマスクパターン、言い
換えれば選択的陽極酸化のホトレジストパターンであ
る。従って、このホトレジストは陽極酸化後除去され、
図に示すパターンAOは完成品としては残らないが、ゲ
ート配線GLには断面図に示すように酸化膜AOFが選
択的に形成されるのでその軌跡が残る。平面図におい
て、ホトレジストの境界線AOを基準にして左側はレジ
ストで覆い陽極酸化をしない領域、右側はレジストから
露出され陽極酸化される領域である。陽極酸化されたA
L層g2は表面にその酸化物Al23膜AOFが形成さ
れ下方の導電部は体積が減少する。勿論、陽極酸化はそ
の導電部が残るように適切な時間、電圧などを設定して
行われる。マスクパターンAOは前述したように、走査
線GLに単一の直線では交差せず、クランク状に折れ曲
がって交差させている。
【0065】図中AL層g2は、判り易くするためハッ
チを施してあるが、陽極化成されない領域は櫛状にパタ
ーニングされている。これは、Al層の幅が広いと表面
にホイスカが発生するので、1本1本の幅は狭くし、そ
れらを複数本並列に束ねた構成とすることにより、ホイ
スカの発生を防ぎつつ、断線の確率や導電率の犠牲を最
低限に押さえる狙いである。従って、本例では櫛の根本
に相当する部分もマスクAOに沿ってずらしている(図
17の例と異なる部分である)。
【0066】ゲート端子GTMは酸化珪素SIO層と接
着性の良いCr層g1と、更にその表面を保護し画素電
極ITO1と同レベル(同層、同時形成)の透明導電層
d1とで構成されている。なお、ゲート絶縁膜GI上及
びその側面部に形成された導電層d2及びd3は、導電
層d3やd2のエッチング時ピンホール等が原因で導電
層g2やg1が一緒にエッチングされないようその領域
をホトレジストで覆っていた結果として残っているもの
である。又、ゲート絶縁膜GIを乗り越えて右方向に延
長されたITO層d1は同様な対策を更に万全とさせた
ものである。
【0067】平面図において、ゲート絶縁膜GIはその
境界線よりも右側に、保護膜PSV1もその境界線より
も右側に形成されており、左端に位置する端子部GTM
はそれらから露出し外部回路との電気的接触ができるよ
うになっている。図では、ゲート線GLとゲート端子の
一つの対のみが示されているが、実際はこのような対が
図で上下に複数本並べられ、図でゲート端子の左端は、
製造過程では、基板の切断領域を越えて延長され短絡さ
れる。製造過程におけるこのような短絡は陽極化成時の
給電と、配向膜ORI1のラビング時等の静電破壊防止
に役立つ。
【0068】(ドレイン端子DTM)図10は映像信号
線DLからその外部接続端子DTMまでの接続を示す図
であり、(A)はその平面を示し、(B)は(A)のB
−B切断線における断面を示す。同図は、図5のマトリ
クスを基準にすれば基板SUB1の上端部及び下端部を
示しており、便宜上方向は変えてあるが左端方向が基板
SUB1の上端部又は下端部に該当する。
【0069】TSTdは検査端子でありここには外部回
路は接続されない。検査端子TSTdと外部接続ドレイ
ン端子DTMは上下方向に千鳥状に複数交互に配列さ
れ、検査端子TSTdは図に示すとおり基板SUB1の
端部に到達することなく終端しているが、ドレイン端子
DTMは基板SUB1の切断線を越えて更に延長され、
製造過程中は静電破壊防止のためその全てが互いに短絡
される。図中検査端子TSTdが存在する映像信号線D
Lのマトリクスを挟んで反対側にはドレイン接続端子が
接続され、逆にドレイン接続端子DTMが存在する映像
信号線DLのマトリクスを挟んで反対側には検査端子が
接続される。
【0070】ドレイン接続端子DTMは前述したゲート
端子GTMと同様な理由でCr層g1及びITO層d1
の2層で形成されており、ゲート絶縁膜GIを除去した
部分で映像信号線DLと接続されている。ゲート絶縁膜
GIの端部上に形成された半導体層ASはゲート絶縁膜
GIの縁をテーパ状にエッチングするためのものであ
る。端子DTM上では外部回路との接続を行うため保護
膜PSV1は勿論のこと取り除かれている。AOは前述
した陽極酸化マスクでありその境界線はマトリクス全体
をを大きく囲むように形成され、図ではその境界線から
左側がマスクで覆われるが、この図で覆われない部分に
は層g2が存在しないのでこのパターンは直接は関係し
ない。
【0071】(保持容量素子Caddの構造)透明画素電
極ITO1は、薄膜トランジスタTFTと接続される端
部と反対側の端部において、隣りの走査信号線GLと重
なるように形成されている。この重ね合わせは、図4か
らも明らかなように、透明画素電極ITO1を一方の電
極PL2とし、隣りの走査信号線GLを他方の電極PL
1とする保持容量素子(静電容量素子)Caddを構成す
る。この保持容量素子Caddの誘電体膜は、薄膜トラン
ジスタTFTのゲート絶縁膜として使用される絶縁膜G
Iおよび陽極酸化膜AOFで構成されている。
【0072】保持容量素子Caddは、図6からも明らか
なように、走査信号線GLの第2導電膜g2の幅を広げ
た部分に形成されている。なお、映像信号線DLと交差
する部分の第2導電膜g2は映像信号線DLとの短絡の
確率を小さくするため細くされている。保持容量素子C
addの電極PL1の段差部において透明画素電極ITO
1が断線しても、その段差をまたがるように形成された
第2導電膜d2および第3導電膜d3で構成された島領
域によってその不良は補償される。この島領域は、開口
率を低下しないように、できる限り小さく構成する。
【0073】(表示装置全体等価回路)表示マトリクス
部の等価回路とその周辺回路の結線図を図11に示す。
同図は回路図ではあるが、実際の幾何学的配置に対応し
て描かれている。ARは複数の画素を二次元状に配列し
たマトリクス・アレイである。
【0074】図中、Xは映像信号線DLを意味し、添字
G、BおよびRがそれぞれ緑、青および赤画素に対応し
て付加されている。Yは走査信号線GLを意味し、添字
1,2,3,…,endは走査タイミングの順序に従って
付加されている。
【0075】映像信号線X(添字省略)は交互に上側
(または奇数)映像信号駆動回路He、下側(または偶
数)映像信号駆動回路Hoに接続されている。
【0076】走査信号線Y(添字省略)は垂直走査回路
Vに接続されている。
【0077】SUPは1つの電圧源から複数の分圧した
安定化された電圧源を得るための電源回路やホスト(上
位演算処理装置)からのCRT(陰極線管)用の情報を
TFT液晶表示装置用の情報に交換する回路を含む回路
である。
【0078】(保持容量素子Caddの等価回路とその動
作)図2に示される画素の等価回路を図12に示す。図
12において、Cgsは薄膜トランジスタTFTのゲート
電極GTとソース電極SD1との間に形成される寄生容
量である。寄生容量Cgsの誘電体膜は絶縁膜GIおよび
陽極酸化膜AOFである。Cpixは透明画素電極ITO
1(PIX)と共通透明画素電極ITO2(COM)と
の間に形成される液晶容量である。液晶容量Cpixの誘
電体膜は液晶LC、保護膜PSV1および配向膜ORI
1、ORI2である。Vlcは中点電位である。
【0079】保持容量素子Caddは、薄膜トランジスタ
TFTがスイッチングするとき、中点電位(画素電極電
位)Vlcに対するゲート電位変化ΔVgの影響を低減す
るように働く。この様子を式で表すと、次式のようにな
る。
【0080】 ΔVlc={Cgs/(Cgs+Cadd+Cpix)}×ΔVg ここで、ΔVlcはΔVgによる中点電位の変化分を表
わす。この変化分ΔVlcは液晶LCに加わる直流成分の
原因となるが、保持容量Caddを大きくすればする程、
その値を小さくすることができる。また、保持容量素子
Caddは放電時間を長くする作用もあり、薄膜トランジ
スタTFTがオフした後の映像情報を長く蓄積する。液
晶LCに印加される直流成分の低減は、液晶LCの寿命
を向上し、液晶表示画面の切り替え時に前の画像が残る
いわゆる焼き付きを低減することができる。
【0081】前述したように、ゲート電極GTはi型半
導体層ASを完全に覆うよう大きくされている分、ソー
ス電極SD1、ドレイン電極SD2とのオーバラップ面
積が増え、したがって寄生容量Cgsが大きくなり、中点
電位Vlcはゲート(走査)信号Vgの影響を受け易くな
るという逆効果が生じる。しかし、保持容量素子Cadd
を設けることによりこのデメリットも解消することがで
きる。
【0082】保持容量素子Caddの保持容量は、画素の
書込特性から、液晶容量Cpixに対して4〜8倍(4・C
pix<Cadd<8・Cpix)、寄生容量Cgsに対して8〜3
2倍(8・Cgs<Cadd<32・Cgs)程度の値に設定す
る。
【0083】(保持容量素子Cadd電極線の結線方法)
保持容量電極線としてのみ使用される初段の走査信号線
GL(Y0)は、図11に示すように、共通透明画素電
極ITO2(Vcom)に接続する。基板SUB2の共通
透明画素電極ITO2は、前述したように、液晶表示装
置の周縁部において銀ペースト材によって基板SUB1
の外部引出配線に接続されているので、初段の走査信号
線GL(Y0)は基板SUB1側でその外部引出配線に
接続すれば良い。或いは、初段の保持容量電極線Y0
最終段の走査信号線Yendに接続、Vcom以外の直流電位
点(交流接地点)に接続するかまたは垂直走査回路Vか
ら1つ余分に走査パルスY0を受けるように接続しても
よい。
【0084】(製造方法)つぎに、上述した液晶表示装
置の基板SUB1側の製造方法について図13〜図15
を参照して説明する。なお同図において、中央の文字は
工程名の略称であり、左側は図3に示す画素部分、右側
は図1に示すゲート端子付近の断面形状でみた加工の流
れを示す。工程Dを除き工程A〜工程Iは各写真処理に
対応して区分けしたもので、各工程のいずれの断面図も
写真処理後の加工が終わりフォトレジストを除去した段
階を示している。なお、写真処理とは本説明ではフォト
レジストの塗布からマスクを使用した選択露光を経てそ
れを現像するまでの一連の作業を示すものとし、繰返し
の説明は避ける。以下区分けした工程に従って、説明す
る。
【0085】工程A、図13 7059ガラス(商品名)からなる下部透明ガラス基板
SUB1の両面に酸化シリコン膜SIOをディップ処理
により設けたのち、500℃、60分間のベークを行な
う。下部透明ガラス基板SUB1上に膜厚が1100Å
のクロムからなる第1導電膜g1をスパッタリングによ
り設け、写真処理後、エッチング液として硝酸第2セリ
ウムアンモニウム溶液で第1導電膜g1を選択的にエッ
チングする。それによって、ゲート端子GTM、ドレイ
ン端子DTM、ゲート端子GTMを接続する陽極酸化バ
スライン(図示せず)、ドレイン端子DTMを短絡する
バスライン(図示せず)、陽極酸化バスラインに接続さ
れた陽極酸化パッド(図示せず)を形成する。
【0086】工程B、図13 膜厚が2800ÅのAl−Pd、Al−Si、Al−S
i−Ti、Al−Si−Cu等からなる第2導電膜g2
をスパッタリングにより設ける。写真処理後、リン酸と
硝酸と氷酢酸との混酸液で第2導電膜g2を選択的にエ
ッチングする。
【0087】工程C、図13 写真処理後(前述した陽極酸化マスクAO形成後)、3
%酒石酸をアンモニアによりPH6.25±0.05に調
整した溶液をエチレングリコール液で1:9に稀釈した
液からなる陽極酸化液中に基板SUB1を浸漬し、化成
電流密度が0.5mA/cm2になるように調整する(定
電流化成)。次に所定のAl23膜厚が得られるのに必
要な化成電圧125Vに達するまで陽極酸化を行う。そ
の後この状態で数10分保持することが望ましい(定電
圧化成)。これは均一なAl23膜を得る上で大事なこ
とである。それによって、導電膜g2を陽極酸化され、
走査信号線GL、ゲート電極GTおよび電極PL1上に
膜厚が1800Åの陽極酸化膜AOFが形成される 工程D、図14 プラズマCVD装置にアンモニアガス、シランガス、窒
素ガスを導入して、膜厚が2000Åの窒化Si膜を設
け、プラズマCVD装置にシランガス、水素ガスを導入
して、膜厚が2000Åのi型非晶質Si膜を設けたの
ち、プラズマCVD装置に水素ガス、ホスフィンガスを
導入して、膜厚が300ÅのN(+)型非晶質Si膜を設
ける。
【0088】工程E、図14 写真処理後、ドライエッチングガスとしてSF6、CC
4を使用してN(+)型非晶質Si膜、i型非晶質Si
膜を選択的にエッチングすることにより、i型半導体層
ASの島を形成する。
【0089】工程F、図14 写真処理後、ドライエッチングガスとしてSF6を使用
して、窒化Si膜を選択的にエッチングする。
【0090】工程G、図15 膜厚が1400ÅのITO膜からなる第1導電膜d1を
スパッタリングにより設ける。写真処理後、エッチング
液として塩酸と硝酸との混酸液で第1導電膜d1を選択
的にエッチングすることにより、ゲート端子GTM、ド
レイン端子DTMの最上層および透明画素電極ITO1
を形成する。
【0091】工程H、図15 膜厚が600ÅのCrからなる第2導電膜d2をスパッ
タリングにより設け、さらに膜厚が4000ÅのAl−
Pd、Al−Si、Al−Si−Ti、Al−Si−C
u等からなる第3導電膜d3をスパッタリングにより設
ける。写真処理後、第3導電膜d3を工程Bと同様な液
でエッチングし、第2導電膜d2を工程Aと同様な液で
エッチングし、映像信号線DL、ソース電極SD1、ド
レイン電極SD2を形成する。つぎに、ドライエッチン
グ装置にCCl4、SF6を導入して、N(+)型非晶質S
i膜をエッチングすることにより、ソースとドレイン間
のN(+)型半導体層d0を選択的に除去する。
【0092】工程I、図15 プラズマCVD装置にアンモニアガス、シランガス、窒
素ガスを導入して、膜厚が1μmの窒化Si膜を設け
る。写真処理後、ドライエッチングガスとしてSF6
使用した写真蝕刻技術で窒化Si膜を選択的にエッチン
グすることによって、保護膜PSV1を形成する。
【0093】(変形例)前述の実施例では、Alゲート
配線上のホトレジパタンを、クランク形状で構成した
が、この形状にとらわれるものではない。要はホトレジ
パタンに剥離が発生し進行する時に、これを止める形状
なら矩形、三角形、円形、台形等の単独または組合せで
構成してもよい。
【0094】他の実施例を図18で説明する。同図の
(a)はクランク形状が凸形であるもの、(b)はクランク
形状が凹形のもの、(c)はクランク形状が多数集まった
もの、(d)はクランク形状が多数集まり階段状になった
もの、(e)は凸形の複数個集まったもの、(f)は凹形の
複数個集まったものを示す。クランクの角度は鈍角より
も、鋭角のほうが進行しにくいがそれに特にとらわれる
ものではなく、単純な直線に比べれば鈍角でも同様の効
果がある。
【0095】(応用範囲)以上、本発明者によってなさ
れた発明を、実施例に基づき具体的に説明したが、この
発明は、前記実施例に限定されるものではなく、その要
旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは
勿論である。
【0096】例えば、前述の実施例では最も大きい量産
効果が期待できる液晶表示装置で説明したが、本発明は
それに限らず、薄膜トランジスタを使用した密着式フォ
トセンサー、エレクトロルミネセント表示装置等の薄膜
デバイスにも適用できる。
【0097】
【発明の効果】上記本発明の実施例によれば、Alゲー
ト配線を陽極酸化する工程で断線する不良が無くなり、
高性能、高信頼性を有するAlゲート配線、Al23
ート絶縁膜を持つTFT基板を低コスト(10%向上)
で製作できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたゲート端子GTMとゲート
配線GLの接続部近辺を示す平面と断面の図である。
【図2】この発明が適用されるアクティブ・マトリック
ス方式のカラー液晶表示装置の液晶表示部の一画素とそ
の周辺を示す要部平面図である。
【図3】図2の3−3切断線荷おける1画素とその周辺
を示す断面図である。
【図4】図2の4−4切断線における付加容量Caddの
断面図である。
【図5】図2に示す画素を複数配置した液晶表示部の要
部平面図である。
【図6】図2に示す画素の層g2,ASのみを描いた平
面図である。
【図7】図2に示す画素の層d1,d2,d3のみを描
いた平面図である。
【図8】図2に示す画素の画素電極層、遮光膜およびカ
ラーフィルタ層のみを描いた平面図である。
【図9】図7に示す画素配列の画素電極層、遮光膜およ
びカラーフィルタ層のみを描いた要部平面図である。
【図10】ドレイン端子DTMと映像信号線DLとの接
続部付近を示す平面と断面の図である。
【図11】アクティブ・マトリックス方式のカラー液晶
表示装置の液晶表示部を示す等価回路図である。
【図12】図2に示す画素の等価回路図である。
【図13】基板SUB1側の工程A〜Cの製造工程を示
す画素部とゲート端子部の断面図のフローチャートであ
る。
【図14】基板SUB1側の工程D〜Fの製造工程を示
す画素部とゲート端子部の断面図のフローチャートであ
る。
【図15】基板SUB1側の工程G〜Iの製造工程を示
す画素部とゲート端子部の断面図のフローチャートであ
る。
【図16】従来の問題点を説明する平面図である。
【図17】本発明の概念、現象を説明する平面図であ
る。
【図18】本発明の他の実施例を示す平面図である。
【図19】従来の技術を説明する図である。
【符号の説明】
SUB…透明ガラス基板、GL…走査信号線、DL…映
像信号線 GI…絶縁膜、GT…ゲート電極、AS…i型半導体層 SD…ソース電極またはドレイン電極、PSV…保護
膜、BM…遮光膜 LC…液晶、TFT…薄膜トランジスタ、ITO…透明
画素電極 g、d…導電膜、Cadd…保持容量素子、AOF…陽極
酸化膜 AO…陽極酸化マスク、GTM…ゲート端子、DTM…
ドレイン端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 29/784 (72)発明者 松川 由佳 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所茂原工場内 (72)発明者 谷口 秀明 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所茂原工場内 (72)発明者 笹野 晃 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所茂原工場内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ソース、ドレイン、ゲート、半導体層及び
    該半導体層と上記ゲートの間に形成されるゲート絶縁膜
    を有する薄膜トランジスタと、外部接続端子と、上記ゲ
    ートと上記端子とを電気的に接続するためのゲート配線
    とを一つの基板上に形成する薄膜デバイスの製造方法で
    あって、上記ゲート及び上記ゲート配線を構成する金属
    層を上記基板上に選択的に形成する第一の工程と、その
    境界線が上記ゲート配線上に位置し、上記境界線を基準
    にして、一方では上記ゲート側の上記金属層を覆い、他
    方では上記端子側の上記金属層を露出するマスク層を形
    成する第二の工程と、上記マスク層のパターンに従って
    上記金属層の表面を選択的に陽極酸化する第三の工程と
    を具備して成り、上記ゲート配線上における上記境界線
    は折線状であることを特徴とする薄膜デバイスの製造方
    法。
  2. 【請求項2】上記ゲート絶縁膜は上記金属層の陽極酸化
    膜と、上記第三の工程後に形成される絶縁層とを含むこ
    とを特徴とする請求項1記載の薄膜デバイスの製造方
    法。
  3. 【請求項3】上記金属層はAlを含み、上記端子はCr
    を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の薄膜デバ
    イスの製造方法。
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