JPH05195907A - 内燃機関用燃料噴射ポンプ - Google Patents

内燃機関用燃料噴射ポンプ

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JPH05195907A
JPH05195907A JP2998692A JP2998692A JPH05195907A JP H05195907 A JPH05195907 A JP H05195907A JP 2998692 A JP2998692 A JP 2998692A JP 2998692 A JP2998692 A JP 2998692A JP H05195907 A JPH05195907 A JP H05195907A
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JP
Japan
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cam
cylindrical wall
slider
groove
guide hole
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JP2998692A
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English (en)
Inventor
Takeshi Obitsu
丈司 大櫃
Katsumi Mori
克己 森
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 組付け容易な燃料噴射ポンプの提供。 【構成】 ポンプハウジング1のカム室4の内壁27
を、カムシヤフトの回転中心軸から半径方向にカムの最
も突出した部位がカムシヤフトの回転中心軸周りに回転
する軌跡Yの半径より、やや大なる寸法Dの半径を有す
る円弧状断面とし、タペツト案内孔12の円筒壁に形成
する凹溝16をカムシヤフトの回転中心軸に垂直な面内
に配設して、タペツト13に突設させたスライダ17を
案内させる。 【効果】 カム室4の内壁には突出物がなく、タペツト
13の組付けが容易であり、ポンプハウジング1に複数
個の噴射ポンプを構成するときは、カム室4の内壁27
を1個の円筒壁にすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はデイーゼルエンジン等の
内燃機関に用いる燃料噴射ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】デイーゼルエンジン等の内燃機関に用い
られるボツシユ型(列型)の燃料噴射ポンプは、ポンプ
ハウジングの上部に配設したポンプシリンダと、該ポン
プシリンダの下部より該シリンダ内に端部を往復動自在
に嵌装されたプランジヤと、前記ポンプハウジングに形
成されたカム室内に回転自在に支承されたカムシヤフト
と、前記カム室に連通して前記ポンプシリンダに同軸的
に形成された円筒壁を備えたタペツト案内孔と、該タペ
ツト案内孔内に軸方向に往復動自在に支承され前記カム
シヤフトに一体的に形成したカムと前記プランジヤの、
他端部とに当接するタペツトと、該タペツトを常時前記
カムに当接する方向に前記プランジヤを付勢するプラン
ジヤスプリングとを備え、内燃機関の回転主軸と同期し
て回転せしめられる前記カムシヤフトの回転により前記
カム、タペツトを介してプランジヤが往復動せしめら
れ、前記ポンプシリンダ内に吸入する燃料を噴射弁に供
給すべくしたものであつて、図7および図8に示すよう
に、上記カム(図示せず)に従動するタペツト40は、
その下端部に前記カムに当接するローラ41をカムおよ
びカムシヤフト(図示せず)の回転中心軸Xに垂直な軸
により回転自在に支承するとともに、その上端部には、
前記プランジヤ42の下端部に該プランジヤの軸に関し
回動自在に支承させたロアーシート43を当接せしめ
て、ポンプハウジング44に形成したタペツト案内孔4
5の軸方向に摺動自在とされ、プランジヤスプリング4
6によりロアーシート43との当接接触を維持されてい
る。
【0003】そして前記タペツト40の前記タペツト案
内孔45の軸を中心とする回動を阻止するために、タペ
ツト40にはタペツト案内孔45の軸に垂直方向(タペ
ツト案内孔の半径方向)に突出させてスライダ47を形
成し、一方タペツト案内孔45の円筒壁を形成してカム
室48に突出する突出壁49には、前記タペツト案内孔
45のタペツト40に対する円筒壁に、長手方向を前記
タペツト案内孔45の軸方向に平行させた位置決め用の
凹溝50を形成して該凹溝50にはその長手方向に前記
スライダ47を摺動自在に係合せしめて、前記タペツト
40の回動を阻止している。近年になつて内燃機関の高
速回転化の要求が高まり、これにより、燃料噴射ポンプ
として前記カムの回転が高速回転化されるとタペツト4
0およびプランジヤ42の往復速度が高められて、前記
タペツト40に作用する軸方向の慣性力が大となり、こ
の慣性力により従来のプランジヤスプリング46の弾力
ではタペツト40がカムから飛び上がるため、プランジ
ヤスプリング46の全長を長くして、該スプリング46
によるタペツト40のカムに対する押し付け荷重を大と
して、タペツト40にかかる慣性力に対応させている。
しかしながら、プランジヤスプリング46の弾力を過大
とすると燃料噴射ポンプの組付け時にタペツト40をタ
ペツト案内孔45に挿置する作業に多大の力を必要と
し、かつ内燃機関の高速回転化に伴いポンプハウジング
強度を高める必要も生ずる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、エン
ジンの高速回転化に伴う慣性力を抑えるためにはスプリ
ングの付勢力を増大すればよいのであるが、そのためス
プリングの線径も太くなり、またスプリング長も長くな
ることになる。しかしスプリングの付勢力を大きくする
と、多種に及ぶポンプ型式,仕様の違いにより、従来の
ポンプハウジングにタペツトを組付ける際に、ポンプハ
ウジングに設けたタペツトの回動防止のための凹溝にタ
ペツトに設けられたスライダーを挿入するにあたり、位
置決めがしにくく、かつ組付け性が悪いという問題を生
じ自動組付けには不向きであつた。そこで本発明は、噴
射ポンプの組付けを容易にかつ確実に行なうことのでき
る高速回転化に対応した燃料噴射ポンプの提供を目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポンプハウジ
ング上部に配設したポンプシリンダと、該ポンプシリン
ダの下部より該シリンダ内に端部を往復動自在に嵌装さ
れたプランジヤと、前記ポンプハウジングに形成された
カム室内に回転自在に支承されたカムシヤフトと、前記
カム室に連通して、前記ポンプシリンダに同軸的に形成
された円筒壁を備えたタペツト案内孔と、該タペツト案
内孔内に軸方向に往復動自在に支承され、前記カムシヤ
フトに一体的に形成したカムと前記プランジヤの、他端
部とに当接するタペツトと、該タペツトを常時前記カム
に当接する方向に前記プランジヤを付勢するプランジヤ
スプリングとを備え、内燃機関の回転主軸と同期して回
転せしめられる前記カムシヤフトの回転により、前記カ
ムおよびタペツトを介してプランジヤが往復動せしめら
れ、前記ポンプシリンダ内に吸入する燃料を噴射弁に供
給すべく構成とした内燃機関用燃料噴射ポンプにおい
て、前記タペツトにはその外周壁に半径方向に突出する
スライダを形成し、前記ポンプハウジングに形成したタ
ペツト案内孔の円筒壁には、該円筒壁の中心軸を通り前
記カムシヤフトの回転中心軸に垂直な面が前記円筒壁を
横切る線より該円筒壁の中心軸を中心とする中心角が予
め定めた角度となる線までの間に幅方向の中心を有し、
長手方向を前記円筒壁の中心軸に平行に延在させたスラ
イダ案内用の凹溝を凹設して、該凹溝に前記スライダを
挿入して案内せしめ、前記ポンプハウジングに形成した
前記カム室が前記タペツト案内孔の円筒壁と接続する内
壁部分のうち少なくとも前記スライダ案内用の凹溝を凹
設した円筒壁部分が接続する前記内壁部分を、前記カム
シヤフトの回転中心軸に垂直な面内の断面において、前
記カムシヤフトの回転中心軸より半径方向に前記カムの
最も突出している部位までの寸法よりやや大なる寸法の
半径を有し、前記カムシヤフトの回転中心軸を中心とし
た円弧形状に形成したことを特徴とするものである。
【0006】
【実施例】図1に本発明の一実施例の断面図を、図2に
その要部の拡大断面図を、図3に図2の線III−II
Iに沿う断面図を、それぞれ示す。内燃機関、特にデイ
ーゼル機関用の燃料噴射ポンプにおいては、一般に、ポ
ンプハウジング1にポンプシリンダ2と該シリンダ2の
軸方向に摺動自在に案内されるプランジヤ3を、機関の
気筒数だけ列設し、前記ポンプハウジング2に形成した
カム室4に回転自在に支承され、かつ機関のクランク軸
により同期して回転駆動されるカム軸に形成した複数個
のカム(ともに図示せず)によつて、各プランジヤ3が
往復動せしめられるように構成される。図において、前
記ポンプシリンダ2は段付円筒状に形成されてその下半
部はポンプハウジング1に密に嵌装され、その上半部は
ポンプハウジング1に形成した燃料室5に囲まれ、その
内腔部はフイードホール6によつて燃料室5に連通され
ている。前記プランジヤ3の上半部はポンプシリンダ2
の内腔部に液密に摺動自在に嵌装され、その頂部に中心
軸に沿つて形成した短い軸孔7と周壁部に形成したコン
トロールグルーブ8が燃料室5に連通している間に、フ
イードポンプ(図示せず)からポンプシリンダ2に形成
した燃料供給路9を介して前記燃料室5に供給される燃
料を前記ポンプシリンダ2の内腔部に吸入し、プランジ
ヤ3が上方に摺動することによつてデリバリ弁10、バ
ルブホルダ11の内腔部およびデリバリパイプを介して
機関の各気筒に配設した噴射弁(ともに図示せず)に送
出する。
【0007】ポンプハウジング1には、前記ポンプシリ
ンダ2およびプランジヤ3と同軸的にタペツト案内孔1
2が、前記カム室4に連通させて形成され、該タペツト
案内孔12の円筒壁にはタペツト13がその外周壁で摺
動自在に、かつ該タペツト案内孔12の軸方向に摺動自
在に嵌装され、前記タペツト13はその下端にカム軸に
平行な軸14で回転自在に支承するローラ15を介して
前記カム軸に形成したカムの1つと接触せしめられる。
タペツト案内孔12の円筒壁には該案内孔12の軸方向
に長手方向を平行とする凹溝16が刻設され、タペツト
13の外周壁から突設させたスライダ17が前記凹溝1
6に挿入されて、タペツト13の軸を中心とする回動が
阻止される。タペツト13の頂部は環状の周壁18に囲
まれた平坦な頂壁を有する嵌装部19に形成され、該嵌
装部19にはロアーシート20がその外周壁で前記周壁
18に回動自在に嵌装され、該ロアーシート20の頂部
において前記プランジヤ3の下端に該プランジヤ3の下
端部より大径の台盤状に形成した係止部材21を回転自
在に係止する。そしてポンプハウジング1に形成した段
部に係止させたアツパシート22と前記ロアーシート2
0の間にコイルスプリングよりなるプランジヤスプリン
グ23を配設し、ロアーシート20を介してタペツト1
3をカムに圧接するように付勢する。なお、図中符号2
4はコントロールラツク、符号25は前記コントロール
ラツク24に噛合してポンプシリンダ2に同軸的に回転
可能なコントロールスリーブ、符号26は前記コントロ
ールスリーブ25に形成した断面矩形の筒状部に係合す
るようにスリーブ3に形成した断面矩形の軸部であつ
て、噴射燃料の量を調整するための機構である。
【0008】上記から明らかなように、タペツト案内孔
12の円筒壁の中心軸はカムおよびカムシヤフトの回転
中心軸に垂直に形成される。本実施例においては、前記
カム室4の内壁27を、前記カムおよびカムシヤフトの
回転中心軸Xに垂直な断面において、前記回転中心軸X
から前記カムの最も半径方向に突出している部位までの
寸法よりやや大なる寸法の半径を有し、前記カムシヤフ
トの回転中心軸Xを中心とする円形状に形成する。即ち
前記カムの回転中心軸Xから最も半径方向に突出してい
る部位が回転中心軸Xを中心として回転する軌跡Yを示
すと図2の2点鎖線で示す円の軌跡となる。従つて本実
施例におけるカム室4の内壁27を前記円Yの半径より
やや大なる半径Dの円形状に形成する。そして前記タペ
ツト案内孔12の円筒壁に形成した凹溝16の幅方向の
中心を、前記タペツト案内孔12の中心軸を通り前記カ
ムの回転中心軸Xに垂直な面内にあるように配置する。
本実施例によれば、内燃機関の1気筒に対応する燃料噴
射ポンプにおいて、カム室4はカムおよびカムシヤフト
の回転中心軸Xに垂直な面内において該回転中心軸Xを
中心とする円形断面の内壁27を備え、タペツト13を
摺動自在に支承するタペツト案内孔12の円筒壁を直接
前記カム室4に開口せしめるとともに、タペツト13に
突設したスライダ17を案内するためにタペツト案内孔
12の円筒壁に形成する凹溝16を、その幅方向(カム
およびカムシヤフトの回転中心軸Xに平行する方向)の
中心を、前記タペツト案内孔12の中心軸を含み前記カ
ムおよびカムシヤフトの回転中心軸Xに垂直な面内に位
置せしめたことにより、ポンプハウジング1に形成する
カム室4の内壁27の成形および加工が極めて簡易にな
るとともに、該内壁27および凹溝16の機械加工も容
易となり、かつ前記内壁27の表面積が最小限ですむこ
とにより、機械的強度を増大することができる。またポ
ンプハウジング1のカム室4の底部に形成した組付け用
開口28より、プランジヤ3、プランジヤスプリング2
3、タペツト13を挿入し組付ける作業を容易とする。
【0009】また本実施例によれば、ポンプハウジング
1に複数個の気筒に対応する燃料噴射ポンプを列設する
際には、各気筒に対応する噴射ポンプは1本のカムシヤ
フトで駆動されることから、各噴射ポンプに対応するカ
ム室4の内壁27は、これらをまとめて前記カムシヤフ
トの回転中心軸Xを中心とする1個の円筒状の内壁に形
成することができるので、ポンプハウジング1の成形お
よび加工はさらに容易となる。図4に本発明の他の実施
例の要部の断面図を示す。図4は、本実施例における図
2の線III−IIIに対応する部分の断面図であつ
て、凹溝16および該凹溝16に摺動自在とされるスラ
イダ17の位置が図1ないし図3に示す実施例と異なる
のみで、他の構成は同一である。図4において、タペツ
ト案内孔12の円筒壁に形成される凹溝17の幅方向
(タペツト案内孔12の円筒壁の周方向)の中心と前記
円筒壁の中心軸とを結ぶ線は、カムおよびカムシヤフト
の回転中心軸Xに垂直な面に対して、前記円筒壁の中心
軸の周りに角θだけ回転させた面内に在る。カム室4の
内壁27はカムおよびカムシヤフトの回転中心軸Xを中
心とした円筒面に形成されているから、凹溝16の幅方
向の中心を前記回転中心軸Xに垂直な面P内に在るよう
に前記円筒壁に形成する(θ=0)と、凹溝16の下端
がカム室4の内壁27に開口する端部は最も低い位置に
あり、タペツト13の下死点においてスライダ17が凹
溝16に係合している長さは最大となるが、凹溝16の
幅方向の中心が前記面Pより角θだけ回転した面Qに在
ると、前記凹溝16がカム室4の内壁27に開口する端
部の位置が上方に移行し、タペツト13の下死点位置に
おけるスライダ17と凹溝16との係合長さは短くな
る。
【0010】図5はタペツト案内孔12と凹溝16との
関係を示す図である。タペツト案内孔12の円筒壁の半
径をd、該円筒壁の中心軸Zから凹溝16の開口部Rに
垂直な線の該開口部Rと前記中心軸Zまでの距離をLと
し、凹溝16の幅を2Wとすると、数1が成立する。
【数1】 次に図6はカム室4の内壁27、タペツト案内孔12、
凹溝16およびスライダ17の関係を示す図である。凹
溝16のタペツト案内孔12に対する開口部Rは、タペ
ツト案内孔12の中心軸Zとカムおよびカムシヤフトの
回転中心軸Xとを含む面(図6の紙面)内で前記中心軸
Zから距離Lだけ離れた位置にあり、前記凹溝16の開
口部Rとカム室4の内壁27との交点Sと前記中心軸Z
と内壁27を構成する半径Dの円の交点Tとの間の前記
中心軸Zに沿う長さl1は、次の数2であらわされる。
【数2】 また、図5及び図6において、仮にスライダ17を案内
する凹溝16が図5及び図6に2点鎖線で示すθが90
°の位置Uにあつたとすると、この凹溝Uの開口部と前
記点T間の前記中心軸Zに沿う長さl2は次の数3であ
らわされる。
【数3】 従つて図5において、θが90°の位置Uに凹溝があつ
た場合には該凹溝の下端から外れる位置にスライダ17
があつたと仮定した場合、このスライダ17を図5のθ
が0°の位置、即ち面P内にその幅方向の中心が在るよ
うに配置すれば、前記寸法l1とl2の差の寸法l0だけ
凹溝16内に係合することとなる。即ち、
【数4】
【0011】図5において凹溝16の幅方向の中心が面
Qにあるとすると、該凹溝16の開口部Rの中心点を図
6上に投影させたとき、該中心点と前記中心軸Zとの間
の距離はLcosθの長さであらわされる。従つて前記数
1,数2,数4のLに代えてLcosθを代入すると、前
記凹溝16の幅方向の中心が面Q内にあるときのスライ
ダ17が凹溝16に係合する寸法lは次の数5であらわ
される。
【数5】 一般に燃料噴射ポンプにおいて、タペツト13の下死点
位置におけるスライダ17の凹溝16への係合寸法は3
mm以上とされているので、数5における寸法lを3m
mとする角θの範囲まで前記凹溝16を配置することが
できる。即ち、
【数6】 数6を満足する角θの範囲内において本実施例を実施す
ることができる。
【0012】上記2個の実施例においては、カム室4の
内壁27の全面を、カムおよびカムシヤフトの回転中心
軸Xに垂直な面内において前記回転中心軸Xを中心とす
る半径Dの円によつて形成したが、この半径Dの円とす
る点の効果は、前記凹溝16を形成したタペツト案内孔
12の円筒壁がカム室4の内壁27に接続する部分のみ
である。従つて本発明においては、前記タペツト案内孔
12の円筒壁には該円筒壁の中心軸Zを通り前記カムシ
ヤフトの回転中心軸Xに垂直な面Pが前記円筒壁を横切
る線から、該円筒壁の中心軸Zに関する中心角が前記数
6で定まる予め定めた角度θとなる線までの間に幅方向
(前記円筒壁の周方向)の中心を有するように、前記円
筒壁の中心軸Zに平行するスライダ案内用の凹溝16を
少なくとも1個凹設し、該凹溝16にタペツト13の外
周壁に半径方向に突設したスライダ17を案内させ、前
記ポンプハウジング1の前記カム室4の内壁27の前記
タペツト案内孔12の少なくとも前記凹溝16を形成し
た円筒壁部分との接続部を、前記カムシヤフトの回転中
心軸Xに垂直な面内における断面において、前記カムシ
ヤフトに設けたカムの回転中心軸Xより最も半径方向に
突出している部分の回転軌跡の半径の寸法Yよりやや大
なる寸法Dの半径を有し、前記カムシヤフトの回転中心
軸を中心とする円弧形状に形成すれば足りるので、カム
室4の内壁の残余の部分を前記半径Yの円より離間した
任意の形状の内壁27とする実施例を含むものとする。
なお内燃機関用の燃料噴射装置においては、これを取付
ける内燃機関の機種、形式等により前記タペツト案内孔
の半径d,スライダを係合する凹溝16の幅W,カムの
回転中心軸より最も半径方向に突出している部分の回転
軌跡Yの半径も種々の寸法が選択されているので、前記
中心角θは、タペツトの下死点位置においてスライダが
タペツト案内孔の円筒壁に形成した凹溝に係合する前記
寸法lを3mm以下としないように予め定めた角度とす
る。
【0013】
【作用および発明の効果】本発明の内燃機関用燃料噴射
ポンプにおいては、ポンプハウジング内のカム室に支承
されているカムシヤフトが、内燃機関の回転主軸と同期
して回転駆動されると、カムシヤフトに一体的に形成し
たカムがタペツトを介してプランジヤをその軸方向に往
復動させ、該プランジヤの端部がポンプハウジングの上
部に配設したポンプシリンダ内に吸入した燃料を噴射弁
に、内燃機関の回転主軸と同期せしめて供給し、プラン
ジヤスプリングは前記タペツトとカムとの当接を保証
し、プランジヤの復動を助ける。本発明においては、ポ
ンプハウジングに形成されてタペツトの往復動を案内す
るタペツト案内孔はポンプシリンダと同軸的に形成され
た円筒壁を備え、該円筒壁にはその中心軸を通り前記カ
ムシヤフトの回転中心軸に垂直な面が該円筒壁を横切る
線から、該円筒壁の前記中心軸に関する中心角が予め定
めた角度θとなる線までの間に幅方向の中心を有し、前
記円筒壁の中心軸に平行な長手方向を有するスライダ案
内用の凹溝を凹設し、該凹溝には前記タペツトの外周壁
に半径方向に突設したスライダを挿置して案内させると
ともに、前記ポンプハウジングに形成した前記カム室が
前記タペツト案内孔の円筒壁と接続する内壁部分のう
ち、少なくとも前記スライダ案内用の凹溝を凹設した円
筒壁部分が接続する内壁部分を、前記カムシヤフトの回
転中心軸に垂直な面内の断面において、前記カムシヤフ
トの回転軸より半径方向に前記カムの最も突出している
部位までの寸法よりやや大なる寸法の半径を有し前記カ
ムシヤフトの回転中心軸を中心とした円弧形状に形成す
る。従つて、燃料噴射ポンプの組付け時に、ポンプハウ
ジングの下部に形成されている組付け用の開口部よりプ
ランジヤ、プランジヤスプリングおよびタペツトを挿入
し所定位置に組付けるにあたつて、ポンプハウジングの
カム室内には何も突出物が存在していないので、これら
をタペツト案内孔に挿入し組付け作業を容易に行なうこ
とができ、内燃機関の高速回転化に伴つて付勢力の大な
るプランジヤスプリングを採用する場合においても、該
スプリングの付勢力に対応した補助具をカム室内に挿入
して組付けることを可能とする。
【0014】また本発明においては、タペツトの回転防
止のためにタペツトに突設したスライダを案内する凹溝
を、タペツト案内孔の中心軸を含みカムシヤフトの回転
中心軸に垂直な面に幅方向の中心が在るようにすること
を最適の実施例とするものであつて、前記スライダ案内
用の凹溝が前記面内に在つても、前記カム室の前記タペ
ツト案内孔に接続する内壁部分のうち、少なくとも前記
タペツト案内孔の凹溝を凹設した円筒壁部分が接続する
内壁部分を、前記カムの回転中心軸より半径方向に最も
突出している部位の画く回転軌跡の半径よりやや大なる
半径の円弧形状としたことにより、前記タペツトの下死
点位置におけるスライダと該スライダ案内用の凹溝との
係合寸法を確保しており、前記スライダ案内用の凹溝の
幅方向の中心位置が、燃料噴射ポンプの構成上、前記ス
ライダ案内孔の中心軸を含みカムシヤフトの回転中心軸
に垂直な面より、前記スライダ案内孔の中心軸を中心と
する中心角が、燃料噴射ポンプの各部の寸法により定ま
る予め定めた角度範囲にあるときは、前記スライダ案内
用の凹溝との係合寸法を実用上支承のない寸法範囲に止
めることが可能であるから、設計上の選択余地を保有さ
せることが可能である。
【0015】さらに内燃機関用燃料噴射ポンプにおいて
は、1個のポンプハウジングに複数の噴射ポンプを配設
することが普通に行なわれているが、本発明のポンプハ
ウジングにおいてはタペツト案内孔の円筒壁と接続する
カム室の内壁部分のうち、少なくとも前記スライダ案内
用の凹溝を形成した円筒壁部分を、カムシヤフトの回転
中心軸に垂直な面内における断面を前記カムの最も突出
している部位の回転軌跡の半径よりやや大なる寸法の半
径を有する円弧形状としているから、該ポンプハウジン
グに配設するすべての噴射ポンプに対応する前記カム室
の円弧形状の内壁部分を連続した円筒面に形成すること
ができ、鋳造、仕上げ等の工作作業を簡易なものとする
ことができるとともに、ポンプハウジングのタペツト案
内孔まわりの構成を簡易にして強度の大なるポンプハウ
ジングを容易に製造することを可能とするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の断面図。
【図2】上記実施例の要部拡大断面図。
【図3】図2の線III−IIIに沿う断面図。
【図4】本発明の他の実施例における、図3と同一部位
の断面図。
【図5】本発明のタペツト案内孔と凹溝の関係を示す
図。
【図6】本発明のタペツト案内孔、凹溝とカム室の関係
を示す図。
【図7】従来の噴射ポンプの断面図。
【図8】図7の線VIII−VIIIに沿う断面図。
【符号の説明】
1 ポンプハウジング 2 ポンプシリンダ 3 プランジヤ 4 カム室 5 燃料室 12 タペツト案内孔 13 タペツト 16 スライダ案内用凹溝 17 スライダ 22 プランジヤスプリング 27 カム室内壁

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポンプハウジングの上部に配設したポン
    プシリンダと、該ポンプシリンダの下部より該シリンダ
    内に端部を往復動自在に嵌装されたプランジヤと、前記
    ポンプハウジングに形成されたカム室内に回転自在に支
    承されたカムシヤフトと、前記カム室に連通して前記ポ
    ンプシリンダに同軸的に形成された円筒壁を備えたタペ
    ツト案内孔と、該タペツト案内孔内に軸方向に往復動自
    在に支承され前記カムシヤフトに一体的に形成したカム
    と前記プランジヤの、他端部とに当接するタペツトと、
    該タペツトを常時前記カムに当接する方向に前記プラン
    ジヤを付勢するプランジヤスプリングとを備え、内燃機
    関の回転主軸と同期して回転せしめられる前記カムシヤ
    フトの回転により前記カム、タペツトを介してプランジ
    ヤが往復動せしめられ、前記ポンプシリンダ内に吸入す
    る燃料を噴射弁に供給すべくした内燃機関用燃料噴射ポ
    ンプにおいて、 前記タペツトにはその外周壁に半径方向に突出するスラ
    イダを形成し、前記ポンプハウジングに形成したタペツ
    ト案内孔の円筒壁には、該円筒壁の中心軸を通り前記カ
    ムシヤフトの回転中心軸に垂直な面が前記円筒壁を横切
    る線より該円筒壁の中心軸を中心とする中心角が予め定
    めた角度となる線までの間に幅方向の中心を有し、長手
    方向を前記円筒壁の中心軸に平行に延在させたスライダ
    案内用の凹溝を凹設して、該凹溝に前記スライダを挿入
    して案内せしめ、 前記ポンプハウジングに形成した前記カム室が前記タペ
    ツト案内孔の円筒壁と接続する内壁部分のうち少なくと
    も前記スライダ案内用の凹溝を凹設した円筒壁部分が接
    続する前記内壁部分を、前記カムシヤフトの回転中心軸
    に垂直な面内の断面において、前記カムシヤフトの回転
    中心軸より半径方向に前記カムの最も突出している部位
    までの寸法よりやや大なる寸法の半径を有し、前記カム
    シヤフトの回転中心軸を中心とした円弧形状に形成した
    ことを特徴とする内燃機関用燃料噴射ポンプ。
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