JPH05195523A - 排水補強材及びその製造方法 - Google Patents

排水補強材及びその製造方法

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JPH05195523A
JPH05195523A JP2905392A JP2905392A JPH05195523A JP H05195523 A JPH05195523 A JP H05195523A JP 2905392 A JP2905392 A JP 2905392A JP 2905392 A JP2905392 A JP 2905392A JP H05195523 A JPH05195523 A JP H05195523A
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  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)
  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 通水性と濾過性を有し、へたりの小さい排水
補強材を提供する。 【構成】 基材としてのコードカーペット2の柄出し側
に、カーペット2の厚み、へたりが殆どないように、透
水性接着材3を介して表皮材4を貼着し、基材2、透水
性接着材3及び表皮材4の3層を一体化した排水補強材
を構成するものであり、必要に応じて、コードカーペッ
トの柄に任意の方向に異方性を付与したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、土木工事、建築工事に
使用する排水補強材に関する。
【0002】
【従来の技術】土木建築等の建設工事、例えば海岸、港
湾、堤防等の治山、治水工事、築堤、盛土工事、道路建
設および軟弱地盤、海岸埋立て地、ヘドロ地盤等の改良
工事において、土壌基礎あるいは建築構造物の地盤内部
に、降雨水、涌水、貯溜水、地下水等の排水および補強
用に各種の面状排水材が用いられている。
【0003】例えば、従来、土中に設置される面状排水
材として、金網又は有孔プラスチックボードに布帛が適
宜の接合材料によって止着されたシート材料がある。ま
た、多数のコの字型断面を有するプラスチックボードと
布帛とを接着剤により接合したシート材料も考案されて
いる。また不織布の厚み方向の中間にスパイラルプラス
チックを挿入したシート状排水材も公知である。さら
に、トンネル等の防水シートの背面や擁壁の背面等に設
置する裏面排水材は、厚さを大きくしたり、空隙率を大
きくして通水量を確保しようとしている。この際、不織
布をニードルロックした後、フォーク状のニードルで不
織布に凹凸を付けるコードカーペットを用いる場合があ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記金網又は各種プラ
スチックボードに布帛が適宜の接合材料によって止着さ
れたシート材料は、金網又はプラスチックボードと布帛
という異質の材料を接合するのに接着又は機械的止着を
することが必要であり、各種の接合材料を必要とし、作
業が人力によらざるをえず工事費が高くなる。
【0005】また、上記各種プラスチックボードと布帛
とを接着剤により接合したシート材料は、軟弱地盤に用
いると、不等沈下を生じやすく、各種プラスチックボー
ドの支持力が小さいので、シート材料の上に敷き均らす
土壌及び施工用ブルドーザー等の重量荷重や地盤変形に
耐えられずへたりを生じたり、不等沈下を生じたりして
所期の機能を発揮しないことがある。
【0006】さらに、上記コードカーペットは、通常の
ニードルカーペットと比較して約2倍の空隙率を有して
おり、土中に設置する面状排水材として有力であるが、
この空隙率を利用して排水補強材として使用する場合、
土中に埋設されると土圧によりコードカーペットの表面
の凹凸が崩れてしまい空隙率が小さくなるだけでなく、
折角作った前記凹凸の間に土砂が入り込み所定の通水断
面と透水性を確保することができなくなるという欠点が
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記欠点を解
消するものであり、基材としてのコードカーペットの柄
出し側に該カーペットの厚み、へたりが殆どないよう
に、透水性接着材を介して表皮材を貼着し、前記基材、
透水性接着剤及び表皮材の3層を一体化した排水補強材
を構成するものであり、詳細には、基材としてのコード
カーペットの柄に、任意の方向への配向性を付与し、そ
の柄出し側に蜘蛛の巣状、網目状不織布シート、スリッ
ト又は細孔を有するフィルムまたは経糸及び緯糸にて構
成された織物よりなる透水性接着材を介して表皮材を貼
着した排水補強材とし、更に、基材及び表皮材の複合に
おいて、熱風又は輻射熱によって透水性接着材を加熱溶
融せしめるとともにように、透水性接着材を介して表皮
材を貼着し、前記基材、透水性接着材及び表皮材の3層
を積層した後、全体の厚さがへたらないように適宜の間
隙、加圧帯を通すことによって確実に接合一体化した排
水補強材の製造方法を構成するものであり、通水性と濾
過性を有し、へたりの小さい排水補強材を実現するもの
である。
【0008】本発明は、ポリエステルスパンボンドのよ
うな表皮材の上又は下に不織布状、蜘蛛の巣状又はスダ
レ状の織物タイプの接着シートを載置し、接着シートを
熱風又は赤外線ヒーターで溶融しながら、上方又は下方
から供給されるコードカーペットと一体化し、その直後
に適宜の間隔を隔てた2本のロール間を通過させ、圧着
させることにより、厚みのへたりの少ない複合排水補強
材を形成することができる。
【0009】コードカーペットに用いる繊維としては、
ナイロン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリ塩化ビニル、アクリル等の合成繊維等の短繊維
が用いられる。耐へたり性を向上させるために、ナイロ
ン66繊維を用いてもよい。
【0010】上記短繊維は、繊度が3〜30デニールで
あることが必要であり、好ましくは、6〜20デニール
である。繊度はこの範囲内で同一であってもよいし、異
なる繊度の短繊維が混合されていてもよい。繊度が3デ
ニール未満であると、風合が良いが、へたりやすく、ま
た、ニードルパンチングの時、細く強力がないため、繊
維切れが発生し、毛羽が多発しやすい。繊度が30デニ
ールを超えると、同じ目付では繊維本数が少なくなり、
ニードルパンチングの時、す抜けが生じやすい。
【0011】また、短繊維のカット長は、40〜100
mmが必要であり、好ましくは、カット長は、50〜1
00mmである。カットは、定長カットでもよいし、バ
リアブルカットでもよい。カット長は、この範囲内で同
一であってもよいし、異なる定長カットの短繊維が混合
されていてもよい。カット長が40mm未満では、ニー
ドルパンチングの時、繊維端が不織布本体から抜け出る
比率が高くなり、不織布表面が粗硬になる。また、カッ
ト長が100mmを超えると、風合が悪くなり、カード
での混合が悪くなり、ニードルパンチングの操作性も劣
化する。
【0012】また、本発明のコードカーペットの目付
は、200〜1000g/m2 、特に300〜800g
/m2が好適である。目付が200g/m2 未満ではパ
イルが形成されにくく、また、目付が1000g/m2
を超えると、高価になり、土木資材としての特徴がなく
なる。
【0013】そして、本発明のコードカーペットのパイ
ル長は、2〜10mmであることが必要である。パイル
長が2mm未満であると、フラットカーペットと外観上
異なるところがなく、接着シートを介して表皮材を接着
させても、コードカーペットと表皮材との間に間隙が十
分確保できず通水性、濾過性が劣る。
【0014】本発明のコードカーペットは、例えば以下
の方法で製造される。原料繊維として繊度3〜30デニ
ール、カット長40〜100mmの短繊維、例えばナイ
ロン短繊維、ポリエステル短繊維、ポリプロピレン短繊
維、アクリル短繊維あるいはナイロン66短繊維を混合
する。その後、カードに通し、カードウェッブを必要目
付に積層し、パンチングを施してフラットニードルパン
チシートを得る。
【0015】ニードルパンチングに使用する針は、バー
ブ針、クラウン針等を用いることが好ましい。これらの
針によって繊維が緻密に交絡される。また、この時のパ
ンチング数は30〜300回/cm2 程度で、用途に応
じて適宜選定する。針深度としては5〜20mm、特に
10〜15mmが好ましい。
【0016】ついで、フラットニードルパンチシートを
立毛パンチして立毛カーペットを得る。立毛パンチング
に使用する針は、フォーク針を用いることが好ましい。
フォーク針によって繊維がカーペットの表面から突出し
立毛させる。
【0017】立毛パンチングをする際、フォーク針を所
定間隔に隔てたニードルパンチング機械を用いることに
より、繊維がカーペットの表面から畝状に突出し立毛さ
せることができる。
【0018】上記のように、フラットニードルパンチシ
ートを立毛パンチして立毛カーペットにする代わりに、
長いフォーク針と短いフォーク針とを交互に配設した針
板を備えたニードルパンチング機械を用いることによ
り、繊維が緻密に交絡されるとともにね長いフォーク針
によって繊維がカーペットの表面から畝状に突出し立毛
させることができる。
【0019】透水性接着材として用いる不織布状、蜘蛛
の巣状又はスダレ状接着シートは、ポリエステル製、ポ
リアミド製、ポリアクリルニトリル製、ポリビニルアル
コール製、ポリ塩化ビニル製、ポリエチレン製等のフィ
ラメントからなるものを使用できる。特にポリエステル
製のものが好適である。フィラメントまたはステープル
は1〜30d程度のものであり、特に3〜10デニール
のものが好ましい。この接着シートは、スパンボンド法
に準じた長繊維不織布製造法による。不織布の目付は1
0〜100g/m2、特に10〜50g/m2が好適であ
る。
【0020】透水性接着材として用いるすだれ状シート
は、変性ナイロン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(E
VA)製等のフィルムをスプリット加工したスプリット
シートを使用できる。また、ポリアミドフィルムとし
て、6−ナイロン、6,6−ナイロン、6,10−ナイ
ロン、11−ナイロン、12−ナイロン、これらのナイ
ロンのモノマーの2種以上の共重合アミド、又は上記ナ
イロンの2種以上の混合物が使用できる。エチレン−酢
酸ビニル共重合体又はそのけん化物であってもよい。エ
チレン含量は、20〜60%、好ましくは30〜40%
でけん化度は50〜100%のものを使用してもよい。
さらに、各種の熱可塑性プラスチック材料、例えばポリ
エステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン及びこれらの
共重合体等のフィルムが適宜使用できる。
【0021】透水性接着性すだれ状シートは、例えば、
エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)製のフィルム
をスプリット加工したスプリットシートを使用する。即
ち、EVAをTダイ方式の押出機から押出し、EVA製
の厚み300〜700μのフィルムを製造し、延伸機に
より温度70〜120℃で3〜5倍に延伸し、ガイドロ
ーラを経て擦過刃を有するコーミングロールへ送り、フ
ィルムの幅方向にミシン目を入れ、幅方向に拡開してス
プリットシートを形成する。
【0022】EVA製のフィルムに変えて変性ナイロン
を使用してもよい。また、コーミングロールはフィルム
の全幅に対して傾斜状に設けた刃を用いてもよい。
【0023】表皮材として使用する不織布は、ポリエス
テル製、ポリアミド製、ポリアクリルニトリル製、ポリ
ビニルアルコール製、ポリ塩化ビニル製、ポリエチレン
製等のフィラメント、またはステープルからなるものを
使用できる。特にポリエステル製のものが好適である。
フィラメントまたはステープルは1〜30デニール程度
のものであり、特に3〜10デニールのものが好まし
い。また、これらの繊維はニードルパンチ法、ウォータ
ージェット交絡法により交絡し一体化するもの、スパン
ボンド法による長繊維不織布製造法による。不織布の目
付は、20〜500g/m2、特に50〜200g/m2
が好適である。
【0024】次に、図1に示すように、上記表皮材1の
上に透水性接着シート2を載置し、透水性接着シート2
の上方から160〜200℃の熱風を吹き出し口3を経
て噴射して透水性接着シート2を溶融しながら透水性接
着シート2の上方から供給されるコードカーペット4と
一体化してその直後に適宜の間隔を隔てた2本のロール
5,5間に供給速度10〜20m/minで通過させ、
表皮材1とコードカーペット4とを圧着させ、次いで巻
取ロール7に巻き取る。
【0025】図2に示すように、表皮材1の下に透水性
接着シート2を載置し、透水性接着シート2の下方から
コードカーペット4を供給して第1ロール5−1の回り
を巻回させながら160〜200℃の赤外線ヒーター6
によって透水性接着シート2を溶融して第1ロール5−
1と第2ロール5−2との間を通過させ、表皮材1とコ
ードカーペット4とを圧着させ、巻取ロール7に巻き取
ってもよい。
【0026】
【作用】本発明は、上記のように構成したので、コード
カーペットの柄出し側のパイルにより形成される表面凸
部と表皮材とを接着することにより、凹凸の崩れが小さ
く空隙ができるので、通水性が確保され、また表皮材が
凹凸により形成された空隙に土砂の進入を防止する濾過
材としての作用をするので、濾過性を有し、全体として
繊維材料からなるので、可撓性も備えている。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
は、実施例によって制約を受けるものではない。 実施例−1 コードカーペットとして、繊度10デニール、カット長
51mmのナイロン短繊維をカードに通した。得られた
カードウェッブにパンチング(針種:バーブ針、深さ1
2mm、回数100回/cm2 )を施してフラットニー
ドルパンチシートを得た。
【0028】ついで、フラットニードルパンチシートを
フォーク針を所定間隔を隔てたニードルパンチング機械
を用いることにより、立毛パンチしてパイル高さ3m
m、目付350g/m2 の畝状立毛カーペットを得た。
【0029】透水性接着材として用いるすだれ状シート
は、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)製のフィ
ルムをスプリット加工したスプリットシートを使用し
た。即ち、EVAをTダイ方式の押出機から押出し、E
VA製の厚み500μのフィルムを製造し、延伸機によ
り温度100℃で3倍に延伸し、ガイドローラを経て擦
過刃を有するコーミングロールへ送り、フィルムの幅方
向にミシン目を入れ、幅方向に拡開してスプリットシー
トを得た。
【0030】表皮材として、繊度3デニールのポリエス
テルスパンボンド不織布を用いた。不織布の目付は、9
0g/m2 とした。
【0031】次に、上記表皮材の上に透水性接着シート
を載置し、透水性接着シートの上方から160℃の熱風
を噴射して透水性接着シートを溶融しながら透水性接着
シートの上方から供給されるコードカーペットと一体化
してその直後に適宜の間隔を隔てた2本のロール間に通
過させ、表皮材とコードカーペットとを圧着させ、巻取
ロールに巻き取った。
【0032】実施例−2 コードカーペットとして、繊度5デニール、カット長6
0mmのポリエステル短繊維をカードに通した。得られ
たカードウェッブにパンチング(針種:バーブ針、深さ
10mm、回数100回/cm2 )を施してフラットニ
ードルパンチシートを得た。
【0033】ついで、フラットニードルパンチシートを
フォーク針を所定間隔隔てたニードルパンチング機械を
用いることにより、立毛パンチしてパイル高さ5mm、
目付400g/m2 の畝状立毛カーペットを得た。
【0034】透水性接着材として、約8デニールのポリ
エステル系蜘蛛の巣状不織布シートを用いた。繊維はス
パンボンド法に準じた長繊維不織布製造法によった。不
織布の目付は10g/m2とした。
【0035】表皮材として、繊度3デニールのポリエス
テルスパンボンド不織布を用いた。不織布の目付は、1
30g/m2 とした。
【0036】図2に示すように、表皮材1の下に透水性
接着シート2を載置し、透水性接着シート2の下方から
コードカーペット4を供給して第1ロール5−1の回り
を巻回させながら200℃の赤外線ヒーター6によって
透水性接着シート2を溶融して第1ロール5−1と第2
ロール5−2との間を通過させ、表皮材1とコードカー
ペット4とを圧着させ巻取ロール7に巻き取った。
【0037】比較例−1 実施例−1と同一条件でコードカーペットを得た。
【0038】比較例−2 実施例−2と同一条件でコードカーペットを得た。
【0039】実施例−1、実施例−2、比較例−1、比
較例−2で得たもの通水試験を行った。通水試験の結果
を表−1に示す。但し、比較例−1、比較例−2の厚み
及び透水係数(表−1中※印)は、図3のようにコード
カーペット4の谷の部分を20メッシュの標準フルイを
通過した砂8で充填した状態で測定した値である。
【0040】表1に示すように、比較例では砂があるた
め拘束圧力をかけても厚みのへたりは少ないが透水係数
が小さくなる。排水材として最も必要な通水量(V)は
結果として小さくなる。なお、通水量(V)は透水係数
(K)と導水勾配(i)と通水断面積(A)との積で表
される(V=KiA)。
【0041】施工例1 図4は、軟弱地盤10上に敷設された本発明の排水補強
材11の上に盛土12を施工している状況を示してい
る。施工機械13のトラフィカビリティー(作業性)を
確保しているだけでなく、良質土中に軟弱地盤10から
の細粒分が入り込むことを防止する濾過機能を発揮して
いるとともに、軟弱地盤から出てくる余剰水や雨水等を
水平方向に排水し、有孔排水パイプ14に集水する。
【0042】施工例2 図5は盛土での使用例である。盛土の基礎面に本発明の
排水補強材21を敷設したり、小段に当該排水補強材2
0を使用する場合には、当該排水補強材20,21の下
流端は、所要の流量の排水能力を有する排水材、例え
ば、U字溝23、盲暗渠24等に接続する。また、法部
22の排水、補強に使用される場合には、端部を法面に
沿って10cm位たれ下げて使用する。
【0043】図6は有孔排水パイプ24廻りでの、本発
明の排水補強材21の納め方の詳細図である。有孔排水
パイプ24の廻りに本発明の排水補強材21を囲繞し、
補強材の端部同志を針金でしばったり接着剤で接着、ま
たは縫製して固定する。法面に滲出した排水、法面を流
下する排水は、排水補強材21に滲入し透水して有孔排
水パイプ24に集水される。
【0044】図7は排水パイプ24の末端でのパイプ2
4内への土砂流入防止の具体的例を示している。排水パ
イプ24の末端に本発明の排水補強材21を包囲して閉
塞し、排水パイプ24の末端周囲の排水補強材21端部
を番線26で巻き付け、排水パイプ24に排水補強材2
1端部を固定する。排水パイプ24を土中に埋設した
際、排水補強材21のコードカーペットと表皮材との間
隙に土砂が入り込むのを防止する濾過材としての作用を
するので、排水パイプ24の末端でのパイプ24内への
土砂の流入を防止することができる。
【0045】施工例3 図8は、盲暗渠30の濾過材として本発明の排水補強材
31を使用した例である。軟弱な地盤32上に盛土を築
く場合、原地盤中にフィルター材で空隙を充填した暗
渠、即ち盲暗渠30を設置する例が多いが、盲暗渠に隣
接する土砂がヘドロ化する場合がある。
【0046】このような場合、フィルター層としての所
定の品質を満足した礫等のフィルター材33を掘削溝3
4の中にそのまま投入すると、ヘドロ化した土砂がフィ
ルター材中に混入しフィルター層としての所期の機能を
発揮できなくなることがある。またこのような場合に
は、フィルター材が原地盤中に食い込むことを防止する
必要がある。
【0047】更に盛土基礎部の土質にかかわらず、盲暗
渠30のフィルター材に適合する材料の入手が困難であ
ったり、経済的な理由からフィルター材として不適当な
材料を使用しなければならない場合もある。図8は当該
排水補強材31でフィルター材33を包み込み、排水補
強材31の濾過機能でヘドロの混入を防ぐとともにフィ
ルター材33のめり込みを防止する使用例である。
【0048】更に当該排水補強材31は、補強機能で盲
暗渠の不陸を防止することができるため、付加的機能と
して排水フィルター層の連続性を確保できる。
【0049】施工例4 本発明は、トンネルの防水シートの裏面緩衝材として使
用することもできる。図9はトンネルの構造と防水シス
テム、即ち防水工42の施工位置を示し、図10はその
防水工(防水シート+裏面緩衝材)の拡大図で、裏面緩
衝材として本発明の排水補強材47を使用している例で
ある。
【0050】図9に示すように、トンネル40は、外環
覆工コンクリート41の内面に、防水工42を介在させ
て内環覆工コンクリート43を打設し、内環覆工コンク
リート43の内周下面に路盤コンクリート44を打設
し、その上面は路盤面45とする。
【0051】図10に示すように、防水工42は遮水シ
ート46と裏面緩衝材47とからなり、裏面緩衝材47
として本発明の排水補強材を使用する。本発明の排水補
強材は排水補強機能の他にクッション性も持っているた
め、外環覆工コンクリート41に存在する突起からの遮
水シート46の保護、内環覆工コンクリート43の打設
時に、遮水シート46に働く衝撃力を吸収する作用並び
に内環覆工と外環覆工を構造的に分離し、コンクリート
に発生するクラックの分離材としての機能を十分に果た
している。また、遮水シート46に集まってくる浸透水
を縦、横断方向に排水する機能も有している。そして、
この機能を利用して建築を含めた地下構造物のドレーン
材としても使用される。
【0052】施工例5 本発明の排水補強材は、クッション性と空隙の方向性を
有することから、池または廃棄物処理場などで使用され
る遮水シートの保護材、排水材、空気抜きとしても使用
される。具体的使用例を図11に示す。
【0053】即ち、池等の水底軟弱地盤50の上および
これに連続する築堤51の上に、ゴム、塩化ビニルシー
トからなる遮水シート52の裏面に本発明の排水補強材
53を積層する。これにより、水底軟弱地盤50および
築堤51に存在する凹凸からの遮水シート52の保護、
緩衝としての作用を奏する。
【0054】施工例6 図12は本発明の排水補強材60をサンドマット61の
下に使用して、薄いサンドマット層や透水性の悪いサン
ドマット材を敷設して所定の透水機能を持たせている例
である。軟弱地盤上での使用例と同様な工法であるが、
排水機能をより高めるために、50cmとか1mの厚み
の砂層(サンドマット)を敷設する工法は良く知られて
いる。
【0055】しかし、最近は良質の砂が十分に得られな
い場合が多く、ジオテキスタイル排水材のみを使用する
か、サンドマットとジオテキスタイル排水材を併用し、
透水性の良くないサンドマットを用いたり、サンドマッ
トの厚みを減少させる工夫がなされている。図12に示
す排水補強材60は、サンドマット61の下に使用し
て、薄いサンドマット層でも所定の透水機能を持たせて
いる。
【0056】この例は、軟弱地盤62の上に、直接排水
補強材60とサンドマット層61を敷設した例である
が、サンドマット層の内部に排水補強材60を敷設した
り全くサンドマット層を使用しなくてもよい。この工法
の特徴は、本発明の排水補強材が濾過機能を有するの
で、盛土や軟弱地盤中から細粒分がサンドマット層に入
り込んでくるのを防止出来るため、排水層に必要な水平
方向の透水機能を長期間維持できることにある。
【0057】施工例7 その他の使用例としては、垂直ドレーン材、コンクリー
ト養生マット、擁壁の裏込排水材、ゴルフ場のバンカー
底面排水及びフェアウェイ排水、ヘドロ溜り排水促進材
等にも使用することができる。
【0058】
【発明の効果】以上のように本発明は、コードカーペッ
トの表面パイルの凸部と表皮材とを接着し固定すること
により、土中で使用された後にも、コードカーペットの
有する空隙を保持することができ、全面的な通水性を備
えることができるとともに土中においてへたりが小さ
い。また、表皮材によって前記空隙に土砂が侵入するの
を防止する濾過性能を有しており、排水材の機能として
必要な水平(面内)方向の通水性能が長期にわたって低
下しにくい構造となっている。そして、全体として繊維
材料からなるので、可撓性を有し、緩衝効果を有し、施
工現場に敷設してもよくなじみ、破損することがない。
【0059】したがって、盛土の基礎面、小段の分離・
排水材、法面の排水補強材、軟弱地盤の表層処理工の覆
土下に分離・排水・補強材として用いられ、盛土の補
強、安定、軟弱地盤表層処理工の資材節約、工期の短縮
に有効である。また、道路に用いても荷重が分散され、
地下水等の排水材、河川、海等の護岸にも用いても排水
機能の他に吸出し防止機能がある。その他、防水シー
ト、止水シートの保護材、トンネル等の排水材や断熱
材、養生シート等の建築資材として広く用いることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排水補強材の製造工程を示す概略図で
ある。
【図2】本発明の排水補強材の他の製造工程を示す概略
図である。
【図3】本発明の通水試験に用いた排水補強材の断面図
である。
【図4】軟弱地盤上に本発明の排水補強材を敷設した施
工例を示す概略図である。
【図5】盛土の基礎面、内部、法部に本発明の排水補強
材を敷設した施工例を示す概略図である。
【図6】有孔排水パイプ廻りに本発明の排水補強材を使
用した施工例を示す断面図である。
【図7】排水パイプの端部に本発明の排水補強材を使用
した施工例を示す断面図である。
【図8】盲暗渠に本発明の排水補強材を使用した施工例
を示す断面図である。
【図9】トンネルの防水工の断面図である。
【図10】トンネルと防水工の部分拡大断面図である。
【図11】池の底部に本発明の排水補強材を使用した施
工例を示す断面図である。
【図12】サンドマットの下に、本発明の排水補強材を
使用した施工例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 表皮材 2 接着材 3 熱風吹き出し口 4 コードカーペット 5 圧着ロール 6 赤外線ヒーター 7 巻取ロール
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新田 盛一 東京都板橋区高島平8丁目8番4号 竹山 マンション502号 (72)発明者 林 英雄 埼玉県入間市大字新光306−125 (72)発明者 宮川 雅男 滋賀県栗太郡栗東町川辺166番地−4

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材としてのコードカーペットの柄出し
    側に該カーペットの厚み、へたりが殆どないように、透
    水性接着材を介して表皮材を貼着し、前記基材、透水性
    接着材及び表皮材の3層を一体化した排水補強材。
  2. 【請求項2】 基材としてのコードカーペットの柄に、
    任意の方向に配向性を付与した請求項1記載の排水補強
    材。
  3. 【請求項3】 透水性接着材は、蜘蛛の巣状、網目状不
    織布シートよりなる請求項1記載の排水補強材。
  4. 【請求項4】 透水性接着材は、スリット又は細孔を有
    するフィルムよりなる請求項1記載の排水補強材。
  5. 【請求項5】 透水性接着材は、経糸及び緯糸にて構成
    された織物よりなる請求項1記載の排水補強材。
  6. 【請求項6】 基材及び表皮材の複合において、熱風又
    は輻射熱によって透水性接着材を加熱溶融せしめるとと
    もに、透水性接着材を介して表皮材を貼着し、前記基
    材、透水性接着材及び表皮材の3層を積層した後、全体
    の厚さがへたらないように適宜の間隙、加圧帯を通すこ
    とによって接合一体化した排水補強材の製造方法。
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