JPH05194964A - 高オクタン価ガソリン基材の製造方法 - Google Patents

高オクタン価ガソリン基材の製造方法

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JPH05194964A
JPH05194964A JP24140292A JP24140292A JPH05194964A JP H05194964 A JPH05194964 A JP H05194964A JP 24140292 A JP24140292 A JP 24140292A JP 24140292 A JP24140292 A JP 24140292A JP H05194964 A JPH05194964 A JP H05194964A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 触媒成分の結晶性アルミノガロシリケートを
簡単な方法で変性して優れた初期活性と触媒寿命とを有
する触媒を調製し、この触媒を使用して軽質炭化水素か
ら高オクタン価ガソリン基材を有利に製造する。また、
特に炭素数2〜7のパラフィン及び/又はオレフィンを
主成分とする軽質炭化水素から高オクタン価ガソリン基
材を製造するのに有利な方法を提供する。 【構成】 炭素数2〜7のパラフィン及び/又はオレフ
ィンを主成分とする軽質炭化水素を、触媒成分として結
晶性アルミノガロシリケートを含む触媒組成物の存在下
に水素分圧5kg/cm2 以下、温度350〜650℃
の条件で処理することにより、高オクタン価ガソリン基
材を製造するに際し、触媒成分として、水素型アルミノ
ガロシリケートをドライ条件下でアンモニアと接触させ
て得られたアンモニア変性結晶性アルミノガロシリケー
トを使用する高オクタン価ガソリン基材の製造方法であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、芳香族炭化水素を主成
分とする高オクタン価ガソリン基材の製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、オクタン価の高いガソリンを製造
する方法としては、商業的には白金アルミナ系触媒によ
る直留ナフサの接触改質法が広く採用されている。この
接触改質法で使用する原料ナフサとしては、自動車用ガ
ソリン製造を目的とする場合には沸点70〜180℃の
留分が使用され、また、BTX製造の場合には沸点60
〜150℃の留分が使用されている。しかしながら、こ
の接触改質法においては、原料ナフサの炭素数が減少す
るにつれて芳香族への転化割合も著しく低下し、このた
めに炭素数2〜7のパラフィン及び/又はオレフィンを
主成分とする軽質炭化水素を原料として高オクタン価ガ
ソリン基材を製造することは困難である。このため、現
状ではこの軽質炭化水素の用途が石油化学用原料、都市
ガス製造用原料等に限られている。このため、軽質炭化
水素から高オクタン価ガソリン基材を製造する技術は、
軽質炭化水素の付加価値を高め、ガソリン消費量の増加
に対応するために近年注目されている技術である。
【0003】そして、この軽質炭化水素から高オクタン
価ガソリン基材を製造する技術としては、水素型のZS
M−5や、Gaを含浸及び/又は交換した水素型のMF
I構造のアルミノシリケートや、水素型のMFI構造の
ガロシリケートや、水素型又はアンモニウム型のMFI
構造のガロアルミノシリケートをスチーム処理により変
性したスチーム変性結晶性ガロアルミノシリケート(特
公表60−501,357号公報)や、我々の発明に係
る特開昭62−254,847号公報に記載されている
水素型のMFI構造のアルミノガロシリケート等を触媒
として用いる方法が提案されている。
【0004】しかしながら、水素型のZSM−5、Ga
が担持されたアルミノシリケート及び結晶性ガロシリケ
ートは、芳香族炭化水素の製造用触媒としては水素型の
結晶性アルミノガロシリケートと比較すると劣ってお
り、また、上記スチーム変性結晶性ガロアルミノシリケ
ートは、スチーム変性により骨格構造からガリウムが除
かれる際にアルミニウムも除かれて構造に欠陥が生じ、
触媒として使用を重ねていくに従って構造崩壊を起こ
し、触媒活性が永久劣化していくと考えられ、未だ工業
的に使用する触媒としては満足すべきものでなく、更
に、特開昭62−254,847号公報記載のアルミノ
ガロシリケートは、水素雰囲気下でも結晶骨格構造中か
らのガリウムの脱離は認められないが、長時間の反応に
おいては芳香族炭化水素の収率が徐々に低下し、芳香族
炭化水素の選択率が充分でなく、依然として工業的には
改善の余地が残されている。
【0005】ところで、軽質炭化水素を原料にして高オ
クタン価ガソリン基材を製造するための反応において
は、経時的に安定して芳香族炭化水素の収率を高く維持
できることが重要であり、初期活性が高くても触媒劣化
し易いもの、例えばコーク析出による活性低下が激しい
ものは工業的に使用する触媒としては適当でなく、理想
的には初期活性が高く、しかも、その高い初期活性が長
期間に亘って維持される(すなわち、寿命が長い)こと
が重要である。
【0006】また、このようなゼオライト触媒を使用し
て軽質炭化水素から高オクタン価ガソリン基材を製造す
る反応は、一般に、水分の存在を極度に嫌うものであ
る。すなわち、この種の反応は一般に300〜700℃
という高温で行われるのが通常であるが、このような高
温下に触媒が水分と接触すると、触媒中のアルミニウム
等がこの水分によって引き抜かれる脱アルミニウム等が
起こり、触媒に構造上の欠陥が生じて所定の触媒活性を
維持できなくなる場合がある。このため、この種の反応
においては、如何に系内をドライの状態に維持するかが
プロセス運転上の鍵となっており、触媒寿命をできるだ
け長くするための必要な条件になっている。このため、
水分を除去するために、ドライヤーを設けるとか、吸着
分離の手段を設ける等の工夫がプロセスにより種々工夫
されているのが実情である。
【0007】これに対して、酸型ゼオライト触媒の触媒
活性を高めるために、ある特定の条件下にゼオライトを
水と接触させること、あるいはこの水との接触の際にア
ンモニアを存在させることが提案されている(特公平1
−47,224号公報)。この方法は、シリカ/アルミ
ナのモル比が少なくとも12であって制御指数が1〜1
2の酸型ゼオライト触媒を所定の関係式を満足する処理
時間、温度及び水の分圧の条件下に水と接触させるもの
である。とりわけ、この方法は、ゼオライトの酸点に起
因する酸活性/分解活性を向上させる方法であると理解
できるが、本願発明の如く軽質炭化水素からの芳香族化
反応においては酸点によるメタン、エタン等の軽質ガス
の生成を伴う分解反応を抑制して脱水素環化反応活性を
この分解反応に優先させる必要がある。このため、この
方法をそのまま軽質炭化水素から高オクタン価ガソリン
基材を製造するのに適した結晶性アルミノガロシリケー
トに適用することはできず、しかも、仮にこのような特
定の関係式に基づく処理時間、温度及び水の分圧の条件
の設定ができても、実際にはこのような特殊な処理条件
を実現するには困難が伴い、また、そのための特殊な装
置も必要になって経済的でない。また、このスチーム処
理においては、触媒の初期活性は向上しても、触媒構造
の一部に脱アルミニウムが起こって触媒寿命の点で問題
が生じる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、上記問題点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、触
媒成分として結晶性アルミノガロシリケートを含む触媒
組成物の存在下に軽質炭化水素から高オクタン価ガソリ
ン基材を製造する反応において、触媒成分として、特定
の条件でアンモニア処理をして得られたアンモニア変性
結晶性アルミノガロシリケートを使用することにより、
触媒の初期活性だけでなく、触媒寿命をも顕著に改善で
き、これによって有利に高オクタン価ガソリン基材を製
造できることを見出した。すなわち、分解活性機能と脱
水素環化活性機能とを備えた2元機能触媒である該結晶
性アルミノガロシリケート触媒をアンモニア変性処理す
ることにより、この脱水素環化活性機能及び触媒寿命を
より顕著に向上させることができることを見出し、本発
明を完成した。
【0009】従って、本発明の目的は、触媒成分として
の結晶性アルミノガロシリケートを変性し、これによっ
て優れた初期活性と触媒寿命とを有する触媒を調製し、
この触媒を使用して軽質炭化水素から高オクタン価ガソ
リン基材を有利に製造することができる高オクタン価ガ
ソリン基材の製造方法を提供することにある。また、本
発明の他の目的は、軽質炭化水素から高オクタン価ガソ
リン基材を製造する際の触媒成分、結晶性アルミノガロ
シリケートを変性する方法として、優れた初期活性と触
媒寿命とを達成でき、しかも、これによって軽質炭化水
素から高オクタン価ガソリン基材を有利に製造すること
ができる高オクタン価ガソリン基材の製造方法を提供す
ることにある。更に、本発明の他の目的は、特に炭素数
2〜4のパラフィン及び/又はオレフィンを主成分とす
る軽質炭化水素から高オクタン価ガソリン基材を製造す
るのに有利な方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、炭
素数2〜7のパラフィン及び/又はオレフィンを主成分
とする軽質炭化水素を、触媒成分として結晶性アルミノ
ガロシリケートを含む触媒組成物の存在下に水素分圧5
kg/cm2 以下、温度350〜650℃の条件で処理
することにより、高オクタン価ガソリン基材を製造する
に際し、触媒成分として、水素型アルミノガロシリケー
トを水分の濃度100ppm以下、好ましくは10pp
m以下のドライ条件下でアンモニアと接触させて得られ
たアンモニア変性結晶性アルミノガロシリケートを使用
する高オクタン価ガソリン基材の製造方法である。
【0011】本発明において、原料として使用する軽質
炭化水素は、炭素数2〜7の直鎖状及び/又は環状のパ
ラフィン及び/又はオレフィンを主成分として含むもの
であり、具体的には、炭素数5〜7のパラフィンを主成
分とするナフサ留分中の沸点100℃以下の軽質留分、
FCC装置からの分解ガスやナフサリフォーマーからの
分解ガスあるいはLPGの成分であるエタン、エチレ
ン、プロパン、プロピレン、ブタン、ブチレン等があ
る。本発明方法によれば、炭素数2〜4のパラフィン及
び/又はオレフィンを主成分とする軽質炭化水素を原料
として使用した場合でも、炭素数5〜7の軽質炭化水素
を原料とした場合と同様に高収率で高オクタン価ガソリ
ン基材を製造できるので、本発明はこのような炭素数2
〜4のパラフィン及び/又はオレフィンを主成分とする
軽質炭化水素を原料とする場合に特に有利に適用するこ
とができる。
【0012】また、本発明方法により得られる高オクタ
ン価ガソリン基材は、リサーチ法オクタン価95以上の
炭化水素であり、ベンゼン、トルエン、キシレンを含む
炭素数6〜10の芳香族炭化水素を多量に含むものであ
る。この高オクタン価ガソリン基材は、自動車用燃料あ
るいは芳香族製造用として好適に使用し得るものであ
る。
【0013】本発明で用いる結晶性アルミノガロシリケ
ートは、SiO4 、AlO4 及びGaO4 が骨格中にお
いて四面体配位をとる構造のものであり、水熱合成によ
るゲル結晶化法や、結晶性アルミノシリケートの結晶の
格子骨格中にガリウムを挿入する方法や、結晶性ガロシ
リケートの骨格構造中にアルミニウムを挿入する方法等
で製造することができる。
【0014】そして、本発明においては、このような方
法で製造された結晶性アルミノガロシリケートに結合剤
(バインダー)を配合し、混練、成形、焼成して所定の
形状の触媒組成物を調製し、これを一旦アンモニウム水
溶液で処理してアンモニウム型に変換し、次いで焼成し
て水素型に変えた後、この水素型アルミノガロシリケー
トについてドライ条件下でアンモニアと接触させるアン
モニア変性処理を行い、得られたアンモニア変性結晶性
アルミノガロシリケートを触媒として使用する。
【0015】上記結晶性アルミノガロシリケートを製造
するうえで、ゲル結晶化法は、目的とする量のアルミニ
ウム及びガリウムを同時に含有させて結晶性アルミノガ
ロシリケートを調製できるので有利な方法である。この
ゲル結晶化法による結晶性アルミノガロシリケートは、
シリケート合成のために必要な必須成分として、シリカ
源、アルミナ源及びガリア源を含む均質微細な状態にし
た水性原料混合物を水熱合成条件に保持することにより
製造される。ここで、シリカ源としては、例えば、けい
酸ソーダ、けい酸カリウム等のけい酸塩や、コロイド状
シリカ、シリカ粉末、溶解シリカ、水ガラス等を用いる
ことができ、また、アルミナ源としては、例えば、硫酸
アルミニウム、硝酸アルミニウム等のアルミニウム塩
や、アルミン酸ソーダ等のアルミン酸塩や、アルミナゲ
ル等を用いることができ、更に、ガリア源としては、例
えば、硝酸ガリウム、塩化ガリウム等のガリウム塩や酸
化ガリウム等を用いることができる。更に、アルミナ源
やガリア源として、ボーキサイト鉱床、亜鉛鉱床等の鉱
床からの抽出精練の過程で得られるアルミニウム、ガリ
ウムを含んだ溶液あるいは水酸化物を使用することも可
能である。
【0016】そして、上記水性原料混合物中には、上記
の必須成分の他に、目的とする結晶性アルミノガロシリ
ケートの成長を速め、純度を良くし、良質の製品を得る
ために使用される有機添加物、アルカリ金属源やアルカ
リ土類金属源、その他にpH調整剤等が補助成分として
添加される。この目的で使用される有機添加物として
は、例えば、テトラプロピルアンモニウム塩、テトラブ
チルアンモニウム塩、トリプロピルメチルアンモニウム
塩等の第四級アンモニウム塩や、プロピルアミン、ブチ
ルアミン、アニリン、ジプロピルアミン、ジブチルアミ
ン、モルホリン等のアミン類や、エタノールアミン、ジ
グリコールアミン、ジエタノールアミン等のアミノアル
コールや、エタノール、プロピルアルコール、エチレン
グリコール、ピナコール等のアルコールや、有機酸、エ
ーテル、ケトン、アミノ酸、エステル、チオアルコール
あるいはチオエーテル等を用いることができ、また、水
熱合成条件下で上記の如き有機添加物を生成するような
化合物を使用することもできる。また、アルカリ金属源
やアルカリ土類金属源としては、ナトリウム、カリウム
等のアルカリ金属、マグネシウム、カルシウム等のアル
カリ土類金属の水酸化物、ハロゲン化物、硫酸塩、硝酸
塩、炭酸塩等を用いることができ、pH調整剤としては
硫酸、硝酸等の鉱酸を挙げることができる。
【0017】上記各必須成分及び補助成分をそれぞれ一
種以上混合して得られた水性原料混合物は、50〜30
0℃、好ましくは140〜300℃、より好ましくは1
50〜250℃の温度及び自己圧下の条件下に、1時間
〜7日程度、好ましくは2時間〜5日間攪拌しながら保
持することにより結晶化が行われ、これによって結晶性
アルミノガロシリケートが得られる。結晶化温度を14
0〜300℃、好ましくは150〜250℃とすること
により、反応活性に優れた結晶性アルミノガロシリケー
トを効果良く得ることができる。140℃以下の結晶化
温度でも結晶化時間を長くすることにより反応活性に優
れた結晶性アルミノガロシリケートを得ることができる
が、この場合には、結晶化時間を長くする必要が生じて
経済的ではない。また、この結晶性アルミノガロシリケ
ートのゼオライト結晶相は準安定相にあるので、すでに
生成した結晶が長時間水熱合成条件に置かれた場合、目
的としない他の相が生成混入する可能性もあり、水熱合
成条件下に長時間置くことは好ましくない。
【0018】ところで、この水熱合成法によって結晶性
アルミノガロシリケートを製造する場合、生成する結晶
性アルミノガロシリケートの粒子の大きさに影響を与え
る因子としては、シリカ源の種類、第四級アンモニウム
塩等の有機添加物の量、鉱化剤としての無機塩の量や種
類、ゲル中の塩基量、ゲルのpH及び結晶化操作時の温
度や攪拌速度等が挙げられる。これらの条件を適当に調
節することにより、粒径0.1〜19μmの範囲の粒子
含有率が80重量%以上の結晶性アルミノガロシリケー
トを得ることができる。この結晶性アルミノガロシリケ
ートの粒子径は0.05〜20μmの範囲内に分布する
ように規定するのがよい。結晶性アルミノガロシリケー
トの粒子が20μmより大きくなると、Si、Al、G
a結晶成分の分布が不均一となり、触媒成分として使用
する場合には、この不均一が触媒性能を損なう。反応分
子の大きさと細孔寸法が同じゼオライト構造の細孔の中
では、分子の拡散速度は遅くなる。従って、粒子直径が
20μmを超えるような大きな粒子では、細孔深部の活
性点に反応分子が接近し難く、活性点が反応中有効に使
用されなくなり、また、外表面でのコーク析出により、
細孔入口がコークでふさがれて細孔深部が有効に使用さ
れなくなり、活性や選択性の低下につながるものと思わ
れる。
【0019】また、MASNMR(Magic Angle Spinnin
g Nuclear Magnetic Resonance) 分析により、結晶性シ
リケートの結晶構造中に存在する元素及びその組成につ
いて、有益な情報を直接あるいは間接的に得ることがで
きる。例えば、結晶性アルミノシリケートにおいては、
アニオン性骨格構造中の四面体配位のAlについての情
報が27Al−NMRにより得られる。また、構造中の
(SiO4 )に隣接する4個の四面体(TO4 :T=A
l、Ga、Si)に関する情報が29Si−NMRにより
得られる。本発明における結晶性アルミノガロシリケー
トにおいても、27Al−NMR、71Ga−NMRにより
骨格構造中の四面体配位のAl、Gaの存在が確認さ
れ、29Si−NMR分析の情報から結晶構造中のSiO
2 /(Al2 3 +Ga2 3 )モル比が計算された。
この値は、元素分析の結果から得られた値とよく一致し
た。
【0020】本発明で使用する結晶性アルミノガロシリ
ケートは、その反応活性が組成によって影響を受ける
が、高い反応活性を得るには組成物中のアルミニウムが
0.1〜2.5重量%であって、ガリウムが0.1〜
5.0重量%であるのがよい。また、このものはSiO
2 /(Al2 3 +Ga2 3 )のモル比が17〜60
6、好ましくは19〜200であり、かつ、SiO2
Al2 3 のモル比が32〜870、好ましくは35〜
300であり、そして、SiO2 /Ga2 3 のモル比
が36〜2,000、好ましくは40〜500であり、
更にその組成が500℃以上の焼成物の酸化物のモル比
で表して次式 aM2/n O・bAl2 3 ・Ga2 3 ・cSiO2 で示されるものが好ましい。ここで、この組成式中、M
はアルカリ金属又はアルカリ土類金属を示し、nはアル
カリ金属あるいはアルカリ土類金属の原子価数を示す。
また、a〜cは次の数値を示す。 a:(b+1)±3.0、好ましくは(b+1)±2.
0の正数 b:0.04〜62.5、好ましくは0.1〜14.0 c:36〜2,000、好ましくは40〜500
【0021】本発明で用いる特に有用な結晶性アルミノ
ガロシリケートはMFIタイプ及び/又はMELタイプ
の結晶構造体である。MFIタイプ、MELタイプの結
晶性アルミノガロシリケートは、The Structure Commis
sion of the InternationalZeolite Association によ
り公表された種類の公知ゼオライト構造型に属する〔At
las of Zeolite Structure Types, W. M. Meiyer and
D. H. Olson (1978).Distributed by Polycrystal Book
Service, Pittsburgh, PA, USA〕。
【0022】次に、本発明においては、このようにし
て、あるいは、アルミノシリケートゼオライト結晶の格
子骨格中にガリウムを挿入する方法や結晶性ガロシリケ
ートの骨格構造中にアルミニウムを挿入する方法で調製
した結晶性アルミノガロシリケートに結合剤(バインダ
ー)を配合し、水を加えて混練し、所定の形状に成形
し、所定の温度で焼成して成形物を調製する。ここで、
結合剤は触媒の機械性質(強度、耐摩耗性、成形性)を
高めるために使用されるもので、例えば、アルミナ、ア
ルミナボリア、シリカ、シリカアルミナ等の無機酸化物
が挙げられる。そして、その添加量は触媒組成物中に1
0〜70重量%の範囲がよい。ただし、効果的なアンモ
ニア変性処理においては、アルミナを含有する結合剤が
好ましい。また、これらの無機結合剤として燐を添加す
ることにより成形体の機械的強度を更に向上させること
ができる。また、結晶性アルミノガロシリケートと結合
剤との混合物は、押出し成形、スプレードライ、打錠成
形、転動造粒、油中造粒等の方法で粒状、球状、板状、
ペレット状等の各種成形体とすることができる。また、
成形時には、成形性を良くするために有機化合物の滑剤
を使用するのが望ましい。このようにして得られた混合
物は、350〜700℃で焼成される。
【0023】この焼成触媒成形物は、次に一旦アンモニ
ウム水溶液で処理してアンモニウム型に変換され、次い
で焼成されて水素型に変換される。アンモニウム型への
変換は、例えば硝酸アンモニウム、塩化アンモニウム、
弗化アンモニウム等のアンモニウム塩の0.1〜4規定
アンモニウム水溶液が使用され、成形物1g当たり0.
5〜10mlのアンモニウム水溶液を添加し、20〜1
00℃、0.5〜10時間の条件で行うイオン交換処理
を通常1〜5回、好ましくは2〜4回繰り返すことによ
り行われる。また、水素型への変換は、アンモニウム型
に変換された触媒成形物を空気雰囲気下に200〜80
0℃、好ましくは350〜700℃の温度で1〜24時
間、好ましくは2〜10時間焼成することにより行われ
る。
【0024】また、本発明で使用するアンモニア変性結
晶性アルミノガロシリケートについては、脱水素能を更
に向上させたり、あるいは、炭素析出を抑制する目的
で、補助成分として金属成分を担持させて用いることが
できる。この補助成分としての金属成分は、これを成形
用のバインダー中に配合して担持させてもよく、また、
触媒成形物をアンモニウム型に変換した後であって、焼
成して水素型に変換する前に添加してもよく、更には水
熱合成により結晶性アルミノガロシリケートを調製する
際にシリカ源、アルミナ源及びガリア源と共に添加して
もよい。触媒活性を向上させる補助金属成分としては、
例えば、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、
バリウム、ランタン、セリウム、チタン、バナジウム、
クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、レニウ
ム、鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウム、イリジウ
ム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、亜鉛、ガリ
ウム、インジウム、ゲルマニウム、スズ、鉛、リン、ア
ンチモン、ビスマス、セレン等が挙げられ、これらの金
属は、単独で使用できる他、2種以上を組合わせて用い
ることもでき、その担持量は金属換算で0.1〜10重
量%である。また、反応の際にコーク堆積を抑制する効
果を持つ補助金属成分としては、例えば、マグネシウ
ム、カルシウム、ランタン、セリウム、ルテニウム、イ
リジウムの中から選ばれる1種以上の金属を挙げること
ができ、その担持量は金属換算で0.01〜5重量%で
ある。
【0025】本発明においては、このようにして得られ
た水素型結晶性アルミノガロシリケートを含む触媒組成
物に対してドライ条件下にアンモニアと接触させ、触媒
組成物中の水素型アルミノガロシリケートをアンモニア
変性させる。このアンモニア変性処理は、アンモニア源
としてアンモニアガスあるいは処理温度でアンモニアガ
スを生成するメチルアミン、エチルアミン、ブチルアミ
ン等の鎖状アミン等を使用し、通常室温〜700℃、好
ましくは300〜600℃の処理温度で0.1〜24時
間、好ましくは1〜10時間接触させることにより行わ
れる。圧力はアンモニアガスを吸着させるのに十分な圧
力であればよく、一般に5kg/cm2 以下で十分であ
る。そして、アンモニア源としてアンモニアガスを使用
する場合、好ましくはこのアンモニアガスを窒素ガスや
アルゴンガス等の不活性ガス及び/又は水素ガスと適当
な割合、例えばアンモニアガス0.1〜50体積%、不
活性ガス50〜99.9体積%及び/又は水素ガス0.
1〜99.0体積%の割合で混合して使用するのがよ
い。従って、アンモニアガスとしては、変性処理される
アルミノガロシリケート触媒が充填された反応器の前に
アンモニア合成触媒を充填したアンモニア合成器を配設
し、このアンモニア合成器に水素と窒素の混合ガスを通
して得られるアンモニアガスを含有するこのアンモニア
合成器からの流出ガスであってもよい。
【0026】本発明で用いるアンモニア変性結晶性アル
ミノガロシリケートを含有する触媒組成物は、上述のよ
うにして調製されるもので、軽質炭化水素を原料とした
高オクタン価ガソリン基材製造用の触媒として極めて優
れた初期活性と触媒寿命を有する。そして、本発明にお
いては、このようなアンモニア変性結晶性アルミノガロ
シリケートを含有する触媒組成物の存在下に軽質炭化水
素を反応させて高オクタン価ガソリン基材を製造する。
【0027】反応温度については、反応物である軽質炭
化水素の組成と高オクタン価ガソリン基材の収率等を考
慮して定められるが、350〜650℃の範囲が好まし
い。反応温度を低くすることは、メタン、エタン等の軽
質ガスの副生を抑えるものの、高オクタン価ガソリン基
材の収率を減少させ、また、高温では高オクタン価ガソ
リン基材の収率を高めることができるが、コーク等によ
る触媒の活性低下を促進し、触媒の再生頻度を増加させ
ることとなる。軽質炭化水素がn−パラフィンを主成分
とする場合には450〜650℃、イソ−パラフィンを
主成分とする場合には400〜600℃、オレフィンを
主成分とする場合には350〜550℃の範囲が好まし
い。
【0028】また、反応圧力については、大気圧下でも
高収率で高オクタン価ガソリン基材を得ることができる
ので、特に高圧は必要としない。軽質炭化水素が高オク
タン価ガソリン基材へ転化する際には、脱水素を含む反
応が進行するので、反応条件下では水素を添加しなくて
も反応にみあう水素分圧を有することとなる。意図的な
水素の添加は、コークの堆積を抑制して再生頻度を減ら
す利点があるが、高オクタン価ガソリン基材の収率は、
水素分圧の増加により急激に低下するため、必ずしも有
利ではない。それ故、水素分圧は5kg/cm2 以下に
抑えることが好ましい。
【0029】反応生成物から回収されたメタン及び/又
はエタンを主成分とする軽質ガスを新しい炭化水素供給
原料と共に反応に再循環すると、触媒上へのコーク析出
を抑制し、長時間に亘って芳香族炭化水素の収率を高く
維持することができる。また、この軽質ガスの循環は、
本発明で規定したアンモニア変性結晶性アルミノガロシ
リケートの使用と関連して特に大きな効果を発揮する。
軽質ガスの循環量は、炭化水素供給原料1重量部当り
0.5〜3重量部程度とするのがよい。
【0030】本発明のアンモニア変性結晶性アルミノガ
ロシリケート含有触媒組成物は、反応に使用することに
より、その触媒活性を徐々に失い、劣化するが、この劣
化した触媒組成物については、上述したアンモニア変性
処理と同様の操作、すなわちドライ条件下に室温〜70
0℃、好ましくは300〜600℃の温度でアンモニア
ガス又は処理温度でアンモニアを生成するメチルアミ
ン、エチルアミン等と0.1〜24時間、好ましくは1
〜10時間接触させることにより、再活性化し再度使用
することができる。この再活性化処理は、触媒組成物中
のコーク質を焼成して再生する工程を繰り返すことによ
り触媒の活性が初期活性の80%以下、好ましくは90
%以下まで劣化した際に行うのがよい。また、この再活
性化処理は、反応器外で行ってもよいし、また、反応器
それ自体の中でも行うこともできる。なお、反応中に原
料と混合してドライ条件下にアンモニアガスを導入する
ことも可能であり、このアンモニアの導入は触媒の再生
の前後を問わない。
【0031】本発明の方法を実施するための反応様式と
しては、固定床、移動床あるいは流動床等があり、何れ
の反応形式も採用可能である。反応物流量は、固定床の
場合ガス空間速度で100〜10,000hr-1、好ま
しくは100〜2,000hr-1である。反応様式とし
て固定床以外のものを使用するに当たっても、接触時間
は固定床と同様の値となるように考慮すればよい。
【0032】なお、本発明のアンモニア変性結晶性アル
ミノガロシリケートを含有する触媒組成物は、上述の通
り軽質炭化水素の転化反応用触媒成分として利用し得る
ほか、その固体酸としての性質を利用して、例えば炭化
水素の異性化、アルキル化、不均化反応、メタノールの
芳香族化反応等の触媒として利用可能であり、また、脱
水素機能を有しているため、軽質オレフィンの製造触媒
用として、例えばプロパンの脱水素によるプロピレンの
製造に利用することも可能である。
【0033】更に、本発明のアンモニア変性処理におい
ては、触媒組成物において、触媒の調製時や再生の際に
結晶骨格構造中から外れたアルミニウム及び/又はガリ
ウムがこのアンモニア変性処理により再び結晶骨格内へ
戻るという現象が生起しているものと思われる。従っ
て、本発明のアンモニア変性処理方法は、従来の結晶性
ガロシリケートを含有する触媒組成物に対しても、その
高活性化、触媒寿命の改善という効果を有する。
【0034】
【実施例】以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明
をより詳細に説明するが、本発明の要旨を逸脱しない限
り、これらの実施例に限定されるものではない。
【0035】参考例1:結晶性アルミノガロシリケート
の製造 硅酸ナトリウム〔Jケイ酸ソーダ3号、SiO2 :28
〜30重量%、Na:9〜10重量%、残部水、日本化
学工業(株)製〕1,706.1g及び水2,227.
5gからなる溶液(I)と、Al2 (SO4 3 ・14
〜18H2 O〔試薬特級、和光純薬工業(株)製〕6
4.2g、Ga(NO3 3n2 O〔Ga:18.51
%、添川理化学(株)製〕32.8g、テトラプロピル
アンモニウムブロマイド369.2g、H2 SO4 (9
7重量%)152.1g、NaCl3 26.6g及び水
2,975.7gからなる溶液(II)とをそれぞれ調製
した。次いで、上記溶液(I)の中に室温で攪拌しなが
ら溶液(II)を徐々に加えた。得られた混合物をミキサ
ーで5〜15分間激しく攪拌し、ゲルを解砕して乳状の
均質微細な状態にした。次に、この混合物をステンレス
製のオートクレーブに入れ、温度165℃、時間72h
r、攪拌速度100rpmの条件で自己圧力下に結晶化
操作を行った。この結晶化操作終了後、生成物を濾過し
て固体生成物を回収し、約5リットルの水を使用して5
回洗浄と濾過を繰り返した。濾別して得られた固形物を
120℃で乾燥し、更に650℃、空気流通下で3時間
焼成した。得られた焼成物は、X線回析の結果、MFI
構造を有するものであり、それら生成物のSiO2 /A
2 3 (モル比)、SiO2 /Ga2 3 (モル
比)、Si/(Al2 3 +Ga2 3 )(モル比)は
各々64.8、193.2、48.6であった。
【0036】参考例2:触媒の調整 前記で示した結晶性アルミノガロシリケートにバインダ
ーとしてのアルミナパウダー〔Cataloid A
P、触媒化成工業(株)製〕を結晶性アルミノガロシリ
ケート:アルミナパウダーの重量比が約65:35とな
るように加え、更に水を加えて十分に練った後押出成形
し、120℃で3時間乾燥後、600℃で3時間空気雰
囲気下で焼成した。次いで、各成形物に対し、その1グ
ラム当りに5mlの割合で約2規定の硝酸アンモニウム
水溶液を加え、100℃で2時間イオン交換処理を行っ
た。各々の成形物に対してこの操作を4回繰返した後、
120℃で3時間乾燥してアンモニウム型とし、これを
触媒Aとした。更に,この触媒Aを600℃で空気雰囲
気下に3時間焼成することにより、水素型結晶性アルミ
ノガロシリケートとし、これを触媒Bとした。
【0037】比較例1:n−ヘキサンの転化反応 流通式反応装置を用い、参考例2に記載の水素型結晶性
アルミノガロシリケート触媒Bをそのまま使用してn−
ヘキサンの転化反応を行った。反応は、温度:538
℃、圧力:1atm、LHSV:2hr-1、触媒量:3
ml(16〜28メッシュパス)及び反応時間:25時
間の条件で行った。得られた反応生成物を装置に直結し
たガスクロマトグラフで分析した。結果を表1に示す。
【0038】実施例1:n−ヘキサンの転化反応 参考例2に記載の水素型結晶性アルミノガロシリケート
触媒Bにアンモニアガス25体積%とN2 ガス75体積
%の混合ガスを室温で1.5時間接触させて触媒を調製
した。この混合ガス中の水分濃度は1ppm であっ
た。得られた触媒を用いて比較例1と同じ反応条件でn
−ヘキサンの転化反応を行った。結果を表1に示す。
【0039】実施例2−1:n−ヘキサンの転化反応 参考例2に記載の水素型結晶性アルミノガロシリケート
触媒Bにアンモニアガス25体積%とN2 ガス75体積
%の混合ガスを500℃で3時間接触させ加熱処理して
触媒を調製した。これを用いて比較例1と同じ反応条件
でn−ヘキサンの転化反応を行った。結果を表1に示
す。
【0040】実施例2−2:再生処理後の持続性の確認 実施例2−1で用いた触媒を用いて、同じn−ヘキサン
の転化反応を再生処理を挟んで3回行った。この時の反
応結果を表1に示す。この結果は、再生処理後にも高め
られた活性が維持されることを示している。。
【0041】実施例3:n−ヘキサンの転化反応 アンモニア変性処理に用いた混合ガスをアンモニアガス
1体積%とN2 ガス99体積%とした以外は、上記実施
例2−1と同様にして触媒を調製し、これを用いて比較
例1と同じ反応条件でn−ヘキサンの転化反応を行っ
た。結果を表1に示す。
【0042】実施例4:n−ヘキサンの転化反応 アンモニア変性処理に用いた混合ガスをアンモニアガス
4体積%とN2 ガス96体積%とし、処理条件を500
℃で3時間として触媒を調製した。これを用いて比較例
1と同じ反応条件でn−ヘキサンの転化反応を行った。
結果を表1に示す。
【0043】実施例5:n−ヘキサンの転化反応 アンモニア変性処理に用いた混合ガスをアンモニアガス
1体積%とN2 ガス99体積%とし、処理条件を500
℃で1時間として触媒を調製した。これを用いて比較例
1と同じ反応条件でn−ヘキサンの転化反応を行った。
結果を表1に示す。
【0044】実施例6:n−ヘキサンの転化反応 アンモニア変性処理に用いた混合ガスをアンモニアガス
5体積%、H2 ガス50体積%及びN2 ガス45体積%
とした以外は、上記実施例2−1と同様にして触媒を調
製し、これを用いて比較例1と同じ反応条件でn−ヘキ
サンの転化反応を行った。結果を表1に示す。
【0045】比較例2:アンモニウム型でのアンモニア
変性処理 参考例2で得られたアンモニウム型結晶性アルミノガロ
シリケート触媒Aに対してアンモニアガス25体積%と
2 ガス75体積%の混合ガスを500℃で3時間接触
させ加熱処理した後、更に600℃で、空気雰囲気下に
3時間焼成して水素型結晶性アルミノガロシリケートの
触媒を調製した。これを用いて比較例1と同じ反応条件
でn−ヘキサンの転化反応を行った。結果を表1に示
す。
【0046】
【0047】比較例3:プロパンの転化反応 流通式反応装置を使用し、参考例2に記載の水素型結晶
性アルミノガロシリケート触媒Bを触媒としてプロパン
の転化反応を行った。反応は、温度:538℃、圧力:
1atm、GHSV:780hr-1、触媒量:3ml
(16〜28メッシュパス)及び反応時間:25時間の
条件で行った。得られた反応生成物を装置に直結したガ
スクロマトグラフで分析した。結果を表2に示す。
【0048】実施例7:プロパンの転化反応 実施例2−1に記載の触媒を用いて比較例3と同じ反応
条件でプロパンの転化反応を行った。結果を表2に示
す。
【0049】実施例8:プロパンの転化反応 実施例7に記載の触媒を用い、GHSV:380hr-1
とした以外は比較例3と同じ条件でプロパンの転化反応
を行った。結果を表2に示す。
【0050】 この表2の結果から、プロパンを原料とした場合には、
比較例の場合に比べてその芳香族収率が顕著に向上して
いるのが判る。
【0051】比較例4:ブタンの転化反応 流通式反応装置を使用し、参考例2に記載の水素型結晶
性アルミノガロシリケート触媒Bを触媒としてブタンの
転化反応を行った。反応は、温度:538℃、圧力:1
atm、GHSV:510hr-1、触媒量:3ml(1
6〜28メッシュパス)及び反応時間:25時間の条件
で行った。得られた反応生成物を装置に直結したガスク
ロマトグラフで分析した。結果を表3に示す。
【0052】実施例9:ブタンの転化反応 実施例2−1に記載の触媒を使用し、比較例4と同じ反
応条件でブタンの転化反応を行った。結果を表3に示
す。
【0053】 この表3の結果から、ブタンを原料とした場合には、比
較例の場合に比べて芳香族収率が顕著に向上しているの
が判る。
【0054】比較例5:連続使用後の活性 比較例1に記載のn−ヘキサンの転化反応と触媒再生を
繰り返し50回行った。50回目の再生した後の触媒を
用いたn−ヘキサンの転化反応の結果を表4に示す。
【0055】比較例6:H2 処理の効果 比較例5に記載の50回再生後の触媒をH2 ガスで50
0℃、3時間加熱処理して触媒を調製し、これを用いて
比較例1と同じ反応条件でn−ヘキサンの転化反応を行
った。結果を表4に示す。
【0056】実施例10:劣化触媒への効果 比較例5に記載の50回再生触媒をアンモニアガス25
体積%とN2 ガス75体積%の混合ガスに接触させなが
ら500℃で3時間加熱処理して触媒を調製した。これ
を用いて比較例1と同一条件でn−ヘキサンの転化反応
を行った。結果を表4に示す。表4に示す通り、この実
施例10においては飛躍的にその触媒活性が戻っている
のが判明した。
【0057】
【0058】比較例7:劣化触媒の活性 参考例2に記載の水素型結晶性アルミノガロシリケート
触媒Bに対して温度650℃で1時間スチームを導入し
て触媒を調製し、これを用いて比較例1と同一条件でn
−ヘキサンの転化反応を行った。結果を表5に示す。
【0059】実施例11:劣化触媒への効果 比較例7に記載の触媒をアンモニアガス25体積%とN
2 ガス75体積%の混合ガスに接触させながら500℃
で3時間加熱処理して触媒を調製し、これを用いて比較
例1と同一条件でn−ヘキサンの転化反応を行った。結
果を表5に示す。
【0060】
【0061】比較例8:劣化触媒の活性 結合剤の無い形で、参考例2と同様の処理をして得た水
素型結晶性アルミノガロシリケートを比較例7と同じ条
件でスチーム処理し、得られた触媒を使用して比較例1
と同じ条件でn−ヘキサンの転化反応を行った。結果を
表6に示す。
【0062】実施例12:劣化触媒への効果 比較例8に記載の触媒をアンモニアガス25体積%と窒
素ガス75体積%の混合ガスに接触させながら、500
℃で3時間加熱処理して触媒を調製した。得られた触媒
を使用して比較例1と同じ条件でn−ヘキサンの転化反
応を行った。結果を表6に示す。この表6の結果から明
らかなように、実施例12においては、アルミナ結合剤
を使用した実施例11の場合に比べて、その効果が小さ
いことが分かる。
【0063】
【0064】
【発明の効果】本発明による軽質炭化水素の高オクタン
価ガソリン基材への転化反応方法によれば、高転化率、
高選択率の割には触媒の炭素析出が抑制され、触媒寿命
を延長させ、長時間にわたり高収率で芳香族炭化水素を
得ることができる。このため、触媒当たりの生産量を向
上させることができる等の利点を有し、産業上極めて有
効な方法である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 和友 神奈川県横浜市旭区柏町116−6、柏ハイ ツC−101

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素数2〜7のパラフィン及び/又はオ
    レフィンを主成分とする軽質炭化水素を、触媒成分とし
    て結晶性アルミノガロシリケートを含む触媒組成物の存
    在下に水素分圧5kg/cm2 以下、温度350〜65
    0℃の条件で処理することにより、高オクタン価ガソリ
    ン基材を製造するに際し、触媒成分として、水素型アル
    ミノガロシリケートをドライ条件下でアンモニアと接触
    させて得られたアンモニア変性結晶性アルミノガロシリ
    ケートを使用することを特徴とする高オクタン価ガソリ
    ン基材の製造方法。
  2. 【請求項2】 アンモニア変性処理が、アンモニアガス
    と不活性ガス及び/又は水素ガスとの混合ガスを使用し
    て行われる請求項1記載の高オクタン価ガソリン基材の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 アンモニア変性処理が、圧力5kg/c
    2 以下、温度室温〜700℃、処理時間0.1〜24
    時間の条件で行われる請求項1記載の高オクタン価ガソ
    リン基材の製造方法。
  4. 【請求項4】 軽質炭化水素が、炭素数2〜4のパラフ
    ィン及び/又はオレフィンを主成分とする請求項1〜3
    のいずれかに記載の高オクタン価ガソリン基材の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 触媒組成物中のコーク質を焼成して再生
    する工程を繰り返すことにより触媒の活性が劣化した際
    に、ドライ条件下にアンモニアと接触させることにより
    結晶性アルミノガロシリケートを再活性化する請求項1
    〜4のいずれかに記載の高オクタン価ガソリン基材の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 アンモニア変性結晶性アルミノガロシリ
    ケートがアルミナ結合剤を含んでいる請求項1〜5のい
    ずれかに記載の高オクタン価ガソリン基材の製造方法。
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