JPH0519114Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、パチンコ遊技場などで使用される自
動景品払出機に関するものである。

〔従来技術とその問題点〕 パチンコ遊技場などで景品を払い出すときは、
パチンコ玉などの数に相当する景品を人手によつ
て払い出すことが多かつた。このため、多くの人
員を必要とし、また手間が煩雑で払出しに時間を
要していた。従つて、パチンコ玉などの数を例え
ばバーコードで記録し、このバーコードをインプ
ツトすれば、これに相当する景品が自動的に払い
出される自動景品払出機が要望されるが、一部に
おいては既に実用化されている。かかる自動景品
払出機において、景品の形状によつて払出機の内
部構造が異なるが、景品が直方体状の場合は、底
板上に平面状に配置された景品を積層状態で貯蔵
する貯蔵部と、この貯蔵部から景品をコンベアー
に移載し、ケーシングの払出口の内側に搬送する
搬送部と、この景品を払出口から押し出す押出部
からなるのが一般的である。ここで、所定数の景
品を払出口から正確に払い出すことが必要であ
り、払出数に過不足があつてはならない。

〔考案の目的〕

そこで本考案は、所定数の景品を払出口から正
確に払い出すことが可能であり、過誤の景品数を
払い出すことのない自動景品払出機を提供するこ
とを目的とする。

〔考案の構成とその作用〕

本考案の自動景品払出機は、表面に浅い凹部が
形成された直方体状の景品を積層状態で貯蔵する
貯蔵部と、この貯蔵部から水平方向の下部コンベ
アーに移載された景品を垂直コンベアーを経由し
て所定数だけ水平方向の上部コンベアーに移載す
る搬送部と、上部コンベアー上の景品を払出口か
ら押し出す押出部からなる自動景品払出機であつ
て、前記下部コンベアーおよび垂直コンベアー
は、入力信号に基ずいて間欠的に回転し、停止し
た垂直コンベアーの最上部に位置する景品の上面
凹部を押えローラが押えて当該景品を保持するこ
とを特徴とする。

すなわち、下部コンベアーおよび垂直コンベア
ーは、入力信号に基ずいて間欠的に回転して常時
回転している上部コンベアーに所定数の景品を移
載する。そして、上部コンベアー上の景品は、ス
トツパーに衝合して並列状態で停止し、プツシヤ
ーで払出口から一度に押し出されるが、停止した
垂直コンベアーの最上部、つまり垂直コンベアー
の上部プーリーの頂点であつて、不安定な位置す
る景品は、その上面凹部が押えローラで押えられ
ているので、上部コンベアーに移載することがな
く、誤つて多くの景品を払い出すことを防止でき
る。また、垂直コンベアーの最上部に移行する直
前の景品を光電管式のカウンターでカウントする
場合に、カウントを終えた景品が押えローラで保
持されているために、垂直コンベアーの回転方向
と逆方向にバツクすることもなく、カウンターが
同一の景品を２度カウントして過小に払い出すこ
とも防止できる。そして、垂直コンベアーが回転
を再開すると、垂直コンベアーの最上部に位置す
る景品は、押えローラの保持力に打ち勝つて上部
コンベアーに移載する。

〔実施例〕

以下に図面に示す実施例に基いて本考案を具体
的に説明する。

第１図と第２図は自動景品払出機の外観図を示
す。ケーシング１０の正面上部には横に長い払出
口１１が設けられており、この払出口１１から所
定数の景品が受け面１２に押し出される。ケーシ
ング１０の裏側には、裏扉１３およびその下に保
持扉１４が設けられ、この裏扉１３の内側が貯蔵
部である。そして、景品の補給は、通常は裏扉１
３のみを開けて行う。第３図は、装置内部の概略
図を示すが、景品が積層状態に載置される底板２
１を含む貯蔵部、底板２１の景品が繰り出されて
移載される下部コンベアー３０、垂直コンベアー
４０および上部コンベアー５０からなる搬送部、
上部コンベアー５０上に並んだ景品を払出口１１
から押し出すプツシヤー６１を含む押出部がケー
シング１０内に収容されている。なお、この貯蔵
部、搬送部、押出部の系統は、同一価値の景品を
所定数払い出すが、この系統で払い出される景品
の1/10の価値の景品を払出口１１ｂから払い出す
同一構造の別個の系統が設けられ、更には、補助
的に、1/2の価値の景品を１個のみ払出口１１ａ
から払い出す系統も設けられている。従つて、裏
扉１３は、予備貯蔵部用も含めて４枚設けられて
いる。

景品Ｗは、第４図に示すように、例えば筆記具
がプラスチツクケースに納められたものであり、
細長い直方体状をしている。そして、ケースの四
表面には浅い凹部９１が形成されている。この景
品Ｗが底板２１上に例えば10本並列状態に並べら
れ、これが30数段積層される。ここで、底板２１
は上段、中段、下段の３レベルに昇降する。そし
て、底板２１が中段レベルのときに全ての景品Ｗ
が底板２１上に載置されるとともに、図示略のク
ランパーが動作して、クランパーと保持扉１４に
よつて下から２段目以上の景品をクランプする。
そして、底板２１が下段レベルに降下して最下段
の景品が下から２段目の景品から切り離される。

底板２１の両側には、第５図に示すように、繰
出ベルト２３が配置され、繰出ベルト２３，２３
間には１本の繰出バー２４が取り付けられてい
る。そして、この繰出ベルト２３が回転すると、
繰出バー２４が底板２１上を走査するように移動
するが、これによつて、10本の最下段の景品のみ
が繰出バー２４で押圧されて底板２１から繰り出
され、下部コンベアー３０に並列状態で移載され
る。下部コンベアー３０に移載されると、底板２
１が上段レベルに上昇するが、これと同期してク
ランパーが景品Ｗをアンクランプして解放する。
従つて、下から２段目であつた景品が最下段にな
つて底板２１上に載置されて次回の繰出の準備が
完了する。

下部コンベアー３０は、第５図に示すように、
２本の並行な水平回転ベルト３１と摺動板３５か
らなり、水平回転ベルト３１は摺動板３５の表面
に形成された溝３６にはまり込んでいる。従つ
て、底板２１から繰り出された景品は水平回転ベ
ルト３１にひつかかることなく、スムーズに下部
コンベアー３０に移載される。水平回転ベルト３
１には、爪３２が所定間隔で取り付けられ、摺動
板３５の表面から突出している。従つて、摺動板
３５上に並んだ景品は、水平回転ベルト３１の回
転につれて爪３２に押圧されて摺動板３５上を摺
動しながら水平方向の移動する。

垂直コンベアー４０は、２本の並行な垂直回転
ベルト４１と案内板４５からなり、案内板４５の
下端部４５ａは円弧状に湾曲して摺動板３５に接
続されている。そして、垂直回転ベルト４１に
も、爪４２が取り付けられいるが、その間隔は水
平回転ベルト３１の爪３２と同一であり、かつ水
平回転ベルト３１のプーリー３３と垂直回転ベル
ト４１のプーリー４３は１：１の比率で噛み合つ
ている。つまり、爪３２と爪４２が同期してお
り、下部コンベアー３０と垂直コンベアー４０の
接続部において重なり合うようになつている。従
つて、爪３２で押圧されて摺動板３５上を移動し
た景品は案内板４５の下端部４５ａに乗り移り、
直ちに爪４２で押圧されて案内板４５と垂直回転
ベルト４１の間を上昇する。

次に、景品は、上部コンベアー５０に移載さ
れ、第６図に示すストツパー５１に衝合して並列
状態で停止する。そして、プツシヤー６１が矢印
の方向に移動して景品Ｗを払出口１１から押し出
す。ここで、上部コンベアー５０は常時回転して
いるが、水平回転ベルト３１と垂直回転ベルト４
１は、入力信号に基づいて間欠的に回転する。第
７図に示すように、垂直回転ベルト４１の上部プ
ーリー４４の近傍には、光電管式の投光素子と受
光素子からなるカウンター７１が取り付けられて
おり、上部プーリー４４の頂部に位置する景品
Waとこれに続く景品Wbの隙間を利用して通過
した景品数をカウントする。水平回転ベルト３１
と垂直回転ベルト４１が停止しているときは、景
品Waが上部コンベアー５０に移載するために待
機する景品群の先頭であり、第８図に示すよう
に、押えローラ８０が景品Wa上面の凹部９１に
はまり込んでいる。押えローラ８０は、揺動自由
なアーム８１の先端に取り付けられ、バネ８２の
弾発力で下方に付勢されている。従つて、上部プ
ーリー４４頂部の不安定な位置にある景品Waは
押えローラ８０によつて軽く保持されおり、垂直
回転ベルト４１が停止しているときに、不意に上
部コンベアー５０に移載したり、逆戻りしてカウ
ンター７１が再びカウントしないようになつてい
る。つまり、所定数の景品のみが上部コンベアー
５０に移載されて、過誤数の景品Ｗを払い出さな
いようになつている。そして、払出開始信号によ
つて水平回転ベルト３１と垂直回転ベルト４１が
回転を開始し、景品Waを先頭とする景品群が押
えローラ８０の保持力に打ち勝つて上部コンベア
ー５０に移載されるが、カウンター７１の前を所
定数の景品が通過すると、水平回転ベルト３１と
垂直回転ベルト４１の回転が停止する。従つて、
所定数の景品Ｗだけが上部コンベアー５０に移載
し、払出口１１からは所定数の景品Ｗだけが正確
に払い出される。また、上部コンベアー５０の下
には、確認カウンター７２が景品Ｗと同一ピツチ
で配置されており、上部コンベアー５０上の景品
数をカウントし、その数が所定数と一致すればプ
ツシヤー６１が作動し、ここでも過誤数の景品Ｗ
を払い出さない対策が講じられている。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案の自動景品払出機
は、停止した垂直コンベアーの最上部に位置して
上部コンベアーへの移載のために待機する景品の
上面凹部を押えローラが押えて保持するようにし
たので、不意に上部コンベアーに移載したり、逆
戻りして垂直コンベアーを間欠的に回転させるた
めのカウンターが再びカウントしたりすることが
なく、所定数の景品を払出口から正確に払い出す
ことが可能であり、過誤の景品数を払い出すこと
のない自動景品払出機とすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図と第２図は装置の外観図、第３図は装置
内部の概略説明図、第４図は景品の斜視図、第５
図、第６図、第７図は搬送部の説明図、第８図は
押えローラの説明図である。 １０……ケーシング、１１……払出口、１３…
…裏扉、２１……底板、２３……繰出ベルト、２
４……繰出バー、３０……下部コンベアー、３１
……下部回転ベルト、４０……垂直コンベアー、
４１……垂直回転ベルト、５０……上部コンベア
ー、６１……プツシヤー、７１……カウンター、
８０……押えローラ、Ｗ……景品、９１……凹
部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 表面に浅い凹部が形成された直方体状の景品を
   積層状態で貯蔵する貯蔵部と、この貯蔵部から水
   平方向の下部コンベアーに移載された景品を垂直
   コンベアーを経由して所定数だけ水平方向の上部
   コンベアーに移載する搬送部と、上部コンベアー
   上の景品を払出口から押し出す押出部からなる自
   動景品払出機であつて、 前記下部コンベアーおよび垂直コンベアーは、
   入力信号に基ずいて間欠的に回転し、停止した垂
   直コンベアーの最上部に位置する景品の上面凹部
   を押えローラが押えて当該景品を保持することを
   特徴とする自動景品払出機。