JPH0519112U - 解梱機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 段ボールあるいは硬質プラスチックからなる
ツーピースカートンタイプの容器で梱包された内容物を
容器から円滑に取り出す解梱機をうることを目的とする
ものである。 【構成】 内容物が入れられた内箱と、その内箱を覆う
蓋からなる容器から内容物を取り出す装置であって、容
器セット位置の上下にそれぞれ上下左右動する容器蓋を
吸着する吸着ヘッドと、容器内箱の底部を吸着する吸着
ヘッドが設けられ、容器蓋を吸着する吸着ヘッドと連動
して、上下左右動する内容物を吸着する吸着ヘッドを蓋
吸着ヘッドと並列して設け、かつ容器セット位置の両側
に内容物を搬出するコンベアと、容器蓋を排出するコン
ベアを設け、内容物取り出し後の容器内箱を容器蓋が排
出されるコンベアに向かって排出せしめる容器内箱排出
シリンダーを設けたものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本案は段ボール容器あるいはプラスチック容器等で梱包された内容物例えばブ ロック状のチーズやバター等を自動的に容器から取り出すための解梱機に関する 。

【０００２】

【従来の技術】

１０〜３０kgのブロック状にしたチーズやバター等の乳製品は生産場所で外側 をフィルムで覆い更にこれらを段ボールあるいはプラスチック等の容器（以下容 器という）に入れて使用場所へ輸送し使用場所では容器から内容物を取り出して 使用する。 この輸送に使用される容器は内箱とその内箱を覆う蓋を有する所謂ツーピースカ ートンタイプや、段ボール容器に限ればカバーフラップとボトムフラップを糊付 けしたシールエンドカートンタイプあるいはフラップをロック構造にしたロック ボトムカートンタイプ等がある。 これらの容器から内容物を取り出す装置として実公昭６２ー１３９２９号公報に 開示された解梱装置がある。

【０００３】 この公報が開示している解梱装置は段ボールケースの搬送装置上に切断装置と オープナーとを前後に配置し、該切断装置は段ボールケースの搬送方向前後側面 に相対向するように配置されて間歇的に上下に揺動するアームの先端に設けられ た切断刃と、段ボールケースの搬送方向左下部稜線に対向するように配置された 切断刃とで構成され、該オープナーは前記切断装置によって切断された段ボール ケースの搬送方向の左右両側面の上方を支持する装置と、段ボールケースの底部 を開放自在とする受台とで構成された解梱装置である。 この解梱装置によると段ボールケースの搬送方向前後両側面を対角線方向に弧状 に切断すると共に、隅角部を通る稜線を切断し自重で内容物を切断によって解放 された底面から下方に向かって取り出すようにしたものである。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

この解梱装置によると切断刃で段ボール容器の両側面および稜線を切断する際 、切断刃のセッティング位置に対する段ボール容器の静置位置の調整が非常に面 倒で、例えばコンベアで搬送された段ボール容器の静置位置に位置ずれがあると 、段ボール容器の片側面は全く切断せず、もう一方の側面では切断刃が内容物ま で到達して内容物を覆ったフィルムや内容物そのものを損傷することがあり、ま た稜線の切断も不完全となって内容物を円滑に取り出せない問題がある。 更に上記したツーピースカートンタイプ容器の場合は側面が二重になっているた め切断刃が内箱を円滑に切断せず、まして容器が硬質のプラスチック材料からな る場合には全く使用できないという問題がある。 したがって、本案は段ボールあるいは硬質プラスチックからなるツーピースカー トンタイプの容器で梱包された内容物を容器から円滑に取り出す解梱機をうるこ とを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

以上のような目的を達成するため本案は次のような解梱機を提供するものであ る。 すなわち、内容物が入れられた内箱と、その内箱を覆う蓋からなる容器から内容 物を取り出す装置であって、容器セット位置の上下にそれぞれ上下左右動する容 器蓋を吸着する吸着ヘッドと、容器内箱の底部を吸着する吸着ヘッドとを設け、 前記容器蓋を吸着する吸着ヘッドと連動して上下左右動する内容物を吸着する吸 着ヘッドを蓋吸着ヘッドに並列して設け、かつ容器セット位置の両側に内容物を 搬出するコンベアと、容器蓋を排出するコンベアを設け、内容物取り出し後の容 器内箱を容器蓋が排出されるコンベアに向かって排出せしめる容器内箱排出シリ ンダーを設けてなる解梱機である。

【０００６】

【作用】

内容物が入った容器がコンベアによって搬送され、所定位置に停止すると、上 側の蓋吸着ヘッドが下降して蓋を吸着後上昇する。その蓋の吸着とほぼ同時に下 側の内箱吸着ヘッドも内箱の底部を吸着して保持する。 そして蓋吸着ヘッドは機外に設けた排出コンベアまで横移動後下降して蓋を排出 コンベア上へ落下させる。 内容物吸着ヘッドは蓋吸着ヘッドと同じベースに並列に支持されているため蓋吸 着ヘッドの横移動および下降作動と同じ作動をする。 したがって蓋吸着ヘッドが下降して蓋を排出コンベアに落下する時に内容物吸着 ヘッドも下降して内容物を吸着した後上昇して内箱から内容物を取り出す。 そして蓋排出方向と反対側に設けた内容物搬出コンベア上まで搬送して吸着ヘッ ドが下降し、内容物を内容物搬出コンベア上へ下ろす。 この時内箱の底部を吸着している吸着ヘッドは、内容物が内容物吸着ヘッドによ って吸着されて内箱からひきだされた時点で内箱の底部吸着を中断し、シリンダ ーによって若干下降する。 内箱吸着ヘッドが下降すると内箱は側面に設けられたロッドレスシリンダーによ って蓋を搬送したのと同じ排出コンベアへ排出される。

【０００７】

【実施例】

以下、図面に示す実施例にもとずいて説明する。 図２に示す内容物が入った容器（Ｂ）は供給コンベア（１）によって所定のセッ ト位置（Ａ）まで搬送される。 セット位置（Ａ）の上方には図１で示すように蓋吸着ヘッド（２）があり、セッ ト位置（Ａ）の下方には内箱吸着ヘッド（３）がある。 そして蓋吸着ヘッド（２）に並列して内容物吸着ヘッド（４）がある。 以下に説明する蓋吸着ヘッドと内容物吸着ヘッドとは同様の構造であるので蓋吸 着ヘッドのみ説明してある。 台枠（５）の横桁（６）（６）上のレール（７）（７）に沿って移動する台盤（ ８）には蓋吸着ヘッド（２）と内容物の吸着ヘッド（４）が懸吊されており、台 盤（８）上の昇降シリンダー（９）（10）のピストンロッドで昇降する。台盤（ ８）は横桁（６）に装置されたロッドレスシリンダー（11）でレール（７）に沿 って左右動する。 したがって蓋吸着ヘッド（２）と内容物吸着ヘッド（４）とはロッドレスシリン ダー（11）で左右動し昇降シリンダー（９）（10）で上下動する。

【０００８】 図４の（12）は台盤（８）のガイドであってレール（７）に沿って走行する。 図４の（13）（14）は台盤（８）のショックアブソーバー付ストッパーでこれで 台盤（８）の前後位置が規制される。 又（15）は蓋吸着ヘッド（２）又は内容物吸着ヘッド（４）の昇降をガイドする ガイド杆であって、図５に示す台盤（８）のリニアブッシュ（18）に沿って昇降 する。図５の（16）は台盤（８）に設けたストッパーでガイド杆（15）のストッ パー（17）がこれに突き当たることによって、蓋吸着ヘッド（２）又は内容物吸 着ヘッド（４）の下限が規制される。 ヘッド（２）又は（４）は図５の如くブラケット（19）からプレート（20）を介 してシリンダー（９）のピストンロッドとフローテングジョイント（21）で連結 されている。このプレート（20）には前記したガイド杆（15）も連結されている 。 内箱吸着ヘッド（３）は容器セット位置（Ａ）の下方にあって内箱を吸着するも ので上方の蓋吸着ヘッド（２）が下降して蓋を吸着すると同時に内箱吸着ヘッド （３）も内箱の底部を吸着して保持する。

【０００９】 図９の（22）は内箱吸着ヘッド（３）の昇降シリンダーで、そのピストンロッ ドがフローティングジョイント（23）でヘッド（３）とプレート（25）及びブラ ケット（24）を介して連結され、プレート（25）のガイド杆（26）が台枠（５） のリニアブッシュ（27）にそって昇降する。 図７、８に示す（28）は内箱を払い出すためのキッカーアームで台枠（５）のロ ッドレスシリンダー（29）で図７において右方向に向かって移動する。 又、図７、８に示す（30）はストッパーであって供給コンベア（１）で供給され た容器は、これに突当たって停止し、停止したことを図７に示す光電センサー（ 31）で確認して、各シリンダーを動かす制御装置に信号を送るようになっている 。

【００１０】 図７の（32）は容器セット位置（Ａ）における供給コンベア（１）につながる ローラコンベアである。 なお、図７に示すように容器セット位置（Ａ）の周囲にはエア吹き込み用ノズル の穴（33）（33）（33）（33）が開孔しており図１０に示すように蓋（ａ）と内 箱（ｂ）との間にノズルでエアを吹き込んで蓋（ａ）と内箱とが分離し易いよう にする。 そして図１に示すように容器セット位置（Ａ）の左右には内容物搬出コンベア（ 34）と蓋及び内箱を排出するコンベア（35）がある。 図１、図３、図５に示す（36）はホースガイドであり（37）はホースケースであ って各シリンダーに送気するためのホースのガイドであり、ホースのケースであ る。

【００１１】 さて、内容物（Ｃ）が入った容器（Ｂ）がコンベア（１）によって搬送され容 器セット位置（Ａ）におけるストッパー（30）に突き当たると光電センサー（31 ）が検知して制御装置に信号を送り、各エアシリンダーを作動せしめる。 すなわち、容器が所定の位置に停止すると上方の蓋吸着ヘッド（２）がシリンダ ー（９）で下降して蓋（ａ）を吸着後上昇する。その蓋（ａ）の吸着とほぼ同時 に下方の内箱吸着ヘッド（３）も昇降シリンダー（22）で上昇して内箱（ｂ）の 底部を吸着して保持する。 そして蓋吸着ヘッド（２）は機外に設けた排出コンベア（35）までロッドレスシ リンダー（11）でレール（７）に沿って横移動後、シリンダー（９）で下降して 蓋（ａ）をその吸着をといてコンベア（35）上に落下せしめる。 内容物吸着ヘッド（４）は蓋吸着ヘッド（２）と同じ台盤（８）に並列に支持さ れているため、蓋吸着ヘッド（２）の横移動および下降作動と同じ作動をする。 （但し、下降又は上昇作動はスピードコントローラーによってそれぞれのシリン ダーの速度を変更できる。）

【００１２】 したがって、蓋吸着ヘッド（２）が下降して蓋（ａ）を排出コンベア（35）に 落下せしめる時に内容物吸着ヘッド（４）もシリンダー（10）で下降して内容物 （ｃ）を吸着した後上昇して内箱（ｂ）から内容物（ｃ）を取り出す。 その際エアー吹込穴（33）（33）（33）（33）から蓋（ａ）と内箱（ｂ）との間 にエアーが吹き込まれて、内箱（ｂ）からの蓋（ａ）の分離を容易とする。そし て蓋排出方向と反対側に設けた内容物搬出コンベア（34）上までロッドレスシリ ンダー（11）でレール（７）に沿って横移動し、シリンダー（10）で吸着ヘッド （４）が下降すると吸着がとかれて内容物（ｃ）が内容物搬出コンベア（34）上 に下される。 この時内箱（ｂ）の底部を吸着している吸着ヘッド（３）は内容物（ｃ）が内容 物吸着ヘッド（４）によって吸着されて内箱（ｂ）から引き出された時点で内箱 （ｂ）の底部吸着を中断し、シリンダー（22）によって若干下降する。 内箱吸着ヘッタ（３）が下降すると、内箱（ｂ）は側面に設けられたロッドレス シリンダー（29）のキッカーアーム（28）で蓋（ａ）を排出したのと同じ排出コ ンベア（35）へ排出される。

【００１３】 なお、内容物（Ｃ）を内容物搬出コンベア（34）に下ろすために内容物吸着ヘ ッド（４）が下降すると同時に蓋吸着ヘッド（２）も下降し、次の内容物（ｃ） が入った容器の蓋（ａ）を吸着し、以後同様の動作を繰返して連続運転ができる 。 又、各吸着ヘッドの作動機構は図示のものに特定されるものではなく本案の精神 の範囲内において任意に設計変更できるものである。

【００１４】

【考案の効果】

本案によると切断刃で段ボール容器の側面や稜線を切断せずに、吸着して内容 物を取り出しているため、容器の材質に限定されることなく（例えば段ボールで も、硬質の合成樹脂でも、木製でも）使用できる。そして、食品であれば切断刃 によって内容物を損傷した時に微生物汚染の問題があるが、本案は全くそのよう な問題がない。 又、内容物と容器とは全く別な搬送コンベアに搬出することができるので、容器 に災いされることなく内容物の切断ができ、容器は蓋と内箱を一個所に集中して 収集できるので容器を繰返して使用するのに便利である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本案解梱機全体の正面図である。

【図２】同上の平面図である。

【図３】吸着ヘッド搬送装置の正面図である。

【図４】同上の平面図である。

【図５】蓋吸着ヘッド部の正面からみた拡大部分図であ
る。

【図６】蓋吸着ヘッド部の側面からみた拡大部分図であ
る。

【図７】容器セット位置の平面図である。

【図８】同上の側面図である。

【図９】同上の図８と異なった方向からみた側面図であ
る。

【図１０】容器の説明図である。

【符号の説明】

１ 供給コンベア ２ 蓋吸着ヘッド ３ 内箱吸着ヘッド ４ 内容物吸着ヘッド ７ ガイドレール ８ 台盤 ９ 昇降シリンダー（蓋吸着ヘッド） 10 昇降シリンダー（内容物吸着ヘッド用） 11 ロッドレスシリンダー 22 昇降シリンダー（内箱の吸着ヘッド用 ） 34 内容物搬出コンベア 35 蓋と内箱の排出コンベア

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 内容物が入れられた内箱と、その内箱を
   覆う蓋からなる容器から内容物を取り出す装置であっ
   て、容器セット位置の上下にそれぞれ上下左右動する容
   器蓋を吸着する吸着ヘッドと、容器内箱の底部を吸着す
   る吸着ヘッドとを設け、前記容器蓋を吸着する吸着ヘッ
   ドと連動して上下左右動する内容物を吸着する吸着ヘッ
   ドを蓋吸着ヘッドに並列して設け、かつ容器セット位置
   の両側に内容物を搬出するコンベアと容器蓋を排出する
   コンベアを設け、内容物を取り出し後の容器内箱を容器
   蓋が排出されるコンベアに向かって排出せしめる容器内
   箱排出シリンダーを設けてなる解梱機。