JPH0519102A - ハードコーテイング剤及びプラスチツク製光学製品 - Google Patents

ハードコーテイング剤及びプラスチツク製光学製品

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JPH0519102A
JPH0519102A JP3200100A JP20010091A JPH0519102A JP H0519102 A JPH0519102 A JP H0519102A JP 3200100 A JP3200100 A JP 3200100A JP 20010091 A JP20010091 A JP 20010091A JP H0519102 A JPH0519102 A JP H0519102A
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JP
Japan
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group
hard coating
coating agent
coating
refractive index
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JP3200100A
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English (en)
Inventor
Mitsuhiro Takarada
充弘 宝田
Kazuharu Sato
和治 佐藤
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (イ)下記一般式(1) R1 m2 nSi(OR34-m-n
(1) (但し、式中R1は炭素数2〜8のエポキシ基を含む有
機基、R2は炭素数1〜6のアルキル基,アルケニル基
又はアリール基、R3は炭素数1〜6のアルキル基,ア
ルケニル基,アルコキシアルキル基又はアシル基であ
り、m,nは0<m<2,0≦n<2の正数である。)
で示されるエポキシ基含有珪素化合物又はその部分加水
分解物と、 (ロ)酸化アンチモンとチタニアとの混合コロイドと、 (ハ)硬化触媒と を配合してなることを特徴とするハードコーティング剤
を提供する。 【効果】 本発明のハードコーティング剤は、高硬度で
耐摩耗性、更には耐溶剤性、密着性、耐候性、染色性等
の特性が良好な上、屈折率が1.55以上で、チオウレ
タン樹脂やポリカーボネート樹脂等の高屈折率のプラス
チック基材に塗工しても干渉縞の見られない高屈折率の
ハードコーティング膜を与える。従って、本発明のハー
ドコーティング剤によりハードコーティング膜を表面に
形成することにより、高透明性を有し、かつ、外観の良
好なプラスチック製光学製品を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラスチックレンズ等
のプラスチック製光学物品などに耐摩耗性、耐候性等の
特徴を有する高屈折率の被覆層(ハードコーティング
膜)を形成させることのできるハードコーティング剤及
び該ハードコーティング膜が表面に形成されたプラスチ
ック製光学製品に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
眼鏡レンズ等として利用されるプラスチックレンズにお
いては、軽量化を目的に高屈折率レンズが汎用されてお
り、例えば特開昭64−54021号公報には屈折率
1.63〜1.68の素材が提案されている。このよう
な高屈折率レンズは、低屈折率のハードコーティング膜
で被覆すると干渉縞の発生が著しく、光学材料として好
ましくないものとなってしまうため、プラスチックレン
ズの屈折率に近い高屈折率の被膜を与えるハードコーテ
ィング剤を塗布することが望ましい。
【0003】しかしながら、一般に加工性や耐衝撃性に
優れたプラスチック製光学製品に高い硬度や耐摩耗性、
耐溶剤性等の特性を付与することを目的としてアルキル
トリアルコキシシラン加水分解物とコロイダルシリカと
からなるコーティング組成物(特公昭52−39691
号、同62−55554号公報等に記載)が使用されて
いるが、この組成物が与えるハードコーティング膜の屈
折率は1.46前後と低いものであり、上述した高屈折
率の基材の被覆には不向きであった。
【0004】また、このようなコーティング組成物にコ
ロイダルシリカの代わりに屈折率の高い無機微粒子であ
るチタニアゾルを配合すると、被膜の屈折率を高めるこ
とができることが知られており、例えば特公昭63−1
1952号、同58−13101号公報にはコロイダル
シリカとコロイダルチタニアを含有するメチルシラン系
コーティング剤が提案されている。しかし、このコーテ
ィング剤も被膜屈折率が十分に高いものではなく、高屈
折率基材に塗布すると若干の干渉縞が見られ、かつ、染
色性も全くないものであった。更に、特開昭63−22
5635号公報にはアナターゼ型のチタニア微粒子含有
のコーティング剤が提案されているが、このコーティン
グ剤は被膜の屈折率は十分満足できるものの、紫外線照
射によってハードコーティング膜が黄変し易く、耐久性
(耐候性)に乏しいという問題があった。
【0005】また、高屈折率被膜を得ることを目的とし
て、特開昭63−223701号公報には微粒子酸化セ
リウムとジシリル化合物の加水分解物とを配合したコー
ティング剤が提案されている。
【0006】しかし、このコーティング剤を上述の高屈
折率レンズのような屈折率1.6以上の基材に塗布する
には、酸化セリウムの含有量を非常に多くする必要があ
り、このため、上記コーティング剤により得られる被膜
はもろく、透明性に劣るもので、経済的にも不利なもの
であった。
【0007】このように従来のハードコーティング剤は
その被膜屈折率が低かったり、品質に劣るもので、例え
ばチオウレタン樹脂やポリカーボネート樹脂等の高屈折
率レンズを被覆すると干渉縞が発生し易く、それ故、眼
鏡レンズ等のプラスチック製光学製品等の被覆には不向
きなものであった。
【0008】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
高硬度で耐摩耗性、更には耐溶剤性、耐候性、密着性、
染色性等の特性が良好な上、高屈折率のハードコーティ
ング膜を与えるハードコーティング剤及びこのハードコ
ーティング剤によりハードコーティング膜を表面に形成
したプラスチック製光学製品を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は上記
目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、下記一般式
(1) R1 m2 nSi(OR34-m-n …(1) (但し、式中R1は炭素数2〜8のエポキシ基を含む有
機基、R2は炭素数1〜6のアルキル基,アルケニル基
又はアリール基、R3は炭素数1〜6のアルキル基,ア
ルケニル基,アルコキシアルキル基又はアシル基であ
り、m,nは0<m<2,0≦n<2の正数である。)
で示されるエポキシ基含有珪素化合物又はその部分加水
分解物と、硬化触媒とを含有するハードコーティング剤
に対し、無機微粒子として酸化アンチモンとチタニアと
の混合コロイドを配合することにより、高硬度で耐摩耗
性、更には耐溶剤性、密着性、耐候性、染色性等の特性
が良好である上、高屈折率のハードコーティング膜を与
え、プラスチック製光学製品用として好適なハードコー
ティング剤が得られることを知見し、本発明をなすに至
った。
【0010】この場合、式(1)のエポキシ基含有珪素
化合物は、無機微粒子と共に硬化して被膜硬度、耐摩耗
性等の特性を付与することができるが、無機微粒子とし
て屈折率2.0のコロイダル酸化アンチモンと屈折率
2.6のコロイダルチタニアとの混合物を配合すると、
コロイダルシリカのみを配合したコーティング膜の屈折
率は1.45〜1.49程度と低かったのに対し、コー
ティング膜の屈折率を1.55〜1.65程度にまで高
めることができる。更に、上記混合コロイドの配合量を
変えると、種々の屈折率の異なるプラスチック基材(屈
折率が1.55〜1.65程度のもの)に干渉縞を発生
させることなしにノープライマーでハードコーティング
膜を施すことができる。また、上述した特開昭63−2
25635号公報記載のアナターゼ型のチタニア含有ハ
ードコーティング膜のような紫外線による黄変もコロイ
ダル酸化アンチモンを加えることにより防止し得、耐候
性を改善することができるものである。
【0011】従って、本発明は、 (イ)上記式(1)のエポキシ基含有珪素化合物又はそ
の部分加水分解物と、 (ロ)酸化アンチモンとチタニアとの混合コロイドと、 (ハ)硬化触媒と を配合してなるハードコーティング剤、及び、このハー
ドコーティング剤によるハードコーティング膜が表面に
形成されてなるプラスチック製光学製品を提供する。
【0012】以下、本発明につき更に詳述すると、本発
明のハードコーティング剤を構成する(イ)成分は被膜
形成や有機染料の吸着に寄与するもので、下記一般式
(1) R1 m2 nSi(OR34-m-n …(1) で示されるエポキシ基含有珪素化合物又はその部分加水
分解物である。
【0013】ここで、式中の置換基R1は炭素数2〜8
のエポキシ基を含む有機基であり、例えばグリシドキシ
メチル基,グリシドキシプロピル基等の炭素数1〜4の
アルキレン基を有するグリシドキシアルキル基やエポキ
シシクロヘキシルアルキル基などが挙げられる。また、
2は炭素数1〜6のアルキル基,アルケニル基又はア
リール基であり、例えばメチル基,エチル基,プロピル
基,ブチル基,ビニル基,フェニル基等が挙げられる。
3は炭素数1〜6のアルキル基,アルケニル基,アル
コキシアルキル基又はアシル基であり、例えばメチル
基,エチル基,プロピル基,イソプロピル基,ブチル
基,イソブチル基,メトキシエチル基,エトキシエチル
基,ブトキシエチル基,アセチル基,プロピオニル基等
が挙げられる。m,nはそれぞれ0<m<2,0≦n<
2を満たす正数である。
【0014】このような上記式(1)の珪素化合物とし
て具体的は、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン,3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン,
3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン,3
−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン,3−
グリシドキシプロピルフェニルジメトキシシラン,2−
(3’,4’−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメ
トキシシラン,2−(3’,4’−エポキシシクロヘキ
シル)エチルトリエトキシシラン,2−(3’,4’−
エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラ
ン,2−(3’,4’−エポキシシクロヘキシル)エチ
ルメチルジエトキシシラン等が例示され、これらのうち
1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
【0015】更に、上記エポキシ基含有珪素化合物はそ
のまま使用することができるが、予め下記シラン類を加
えて共加水分解し、その部分加水分解物を使用すること
もできる。即ち、シラン類としては、例えばテトラメト
キシシラン,テトラエトキシシラン,テトライソプロピ
ルオキシシラン,メチルポリシリケート,エチルポリシ
リケート,メチルトリメトキシシラン,メチルトリエト
キシシラン,エチルトリメトキシシラン,エチルトリエ
トキシシラン,フェニルトリメトキシシラン,フェニル
トリエトキシシラン,ジメチルジメトキシシラン,ジメ
チルジエトキシシラン,ジフェニルジメトキシシラン,
ジフェニルジエトキシシラン,メチルフェニルジメトキ
シシラン,メチルフェニルジエトキシシラン,3−メタ
クリロキシプロピルトリメトキシシラン,3−メタクリ
ロキシプロピルトリエトキシシラン,3−メタクリロキ
シプロピルメチルジメトキシシラン,3−メタクリロキ
シプロピルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。こ
の場合、有機染料の吸着性を高めるという点からは、3
−グリシドキシプロピルメチルジアルコキシシラン又は
2−(3’,4’−エポキシシクロヘキシル)エチルメ
チルジアルコキシシランとテトラアルコキシシラン又は
アルキルポリシリケートとの混合物やその部分加水分解
物を用いることが好適である。
【0016】また、被膜の屈折率を高める上で、上記エ
ポキシ基含有珪素化合物にフェニルトリアルコキシシラ
ンやジフェニルジアルコキシシランを添加することも効
果的である。
【0017】なお、上記エポキシ基含有珪素化合物は、
通常、アルコール類、ケトン類、エステル類、セロソル
ブ類、芳香族化合物類等の有機溶剤に溶解して使用する
ことが好ましい。
【0018】次いで、本発明のハードコーティング剤で
は、無機微粒子として酸化アンチモンとチタニアとの混
合コロイドを配合するものである。
【0019】この場合、酸化アンチモンとチタニアとの
混合割合は、重量比で10/90〜90/10、特に2
0/80〜70/30とすることが好ましく、酸化アン
チモンが上記割合より少なく含有率が10重量%に満た
ないと、耐候性が悪くなる場合があり、上記割合より多
く含有率が90重量%を越えると、被膜の屈折率が1.
55以下となり、高屈折率レンズに被覆すると干渉縞が
発生し易くなる場合がある。この場合コロイダルチタニ
アは紫外線により価数変化を起こし、一般に黄変し易い
ものであるが、酸化アンチモンを上記割合で配合するこ
とにより、この黄変を防止することができるものであ
る。
【0020】なお、混合コロイドとしては、酸化アンチ
モンコロイドとチタニアコロイドとの混晶物あるいは製
造段階で混合して得られる混晶物等を用いることができ
る。
【0021】また、上記混合コロイドは粒子径が1〜2
00μm、特に2〜50μmであることが好ましく、粒
子径が1μmより小さいと被膜の表面硬度が低下する場
合があり、200μmより大きいと被膜の透明性が低下
する場合がある。
【0022】更に、(ロ)成分の配合量は、これを調節
することによりコーティング膜の屈折率を調節し得るの
で、コーティング膜の屈折率に応じて適宜選定すること
が好ましいが、(イ)成分100部(重量部、以下同
様)に対して無機微粒子固形分として10〜300部、
特に20〜200部とすることが好ましい。(ロ)成分
の配合量が10部に満たないと高硬度の被膜を得ること
ができず、かつ、被膜の屈折率も低くなる場合があり、
300部を越えると得られる被膜が脆く、被覆性に劣る
場合がある。
【0023】本発明の(ハ)成分は、上述した必須成分
の混合物を硬化させるのに必要な硬化触媒である。
【0024】この場合、硬化触媒としては、コーティン
グ剤の安定性、被膜の硬度、無黄変性、硬化性などの点
から、例えばルイス酸触媒、有機アルミニウム化合物、
有機チタニウム化合物等が好適に用いられ、具体的には
塩化アルミニウム、過塩素酸アルミニウム、リン酸アル
ミニウム,アルミニウムトリイソプロポキシド,アルミ
ニウムアセチルアセトナート,テトラブチルチタネー
ト,テトライソプロピルチタネート等が例示されるが、
中でも過塩素酸アルミニウムが好ましく使用される。
【0025】更に、(ハ)成分の添加量は、(イ)成分
100部に対して、0.05〜10部、特に0.1〜5
部とすることができ、添加量が0.05部より少ないと
コーティング剤の硬化性が乏しくなる場合があり、10
部より多いとコーティング溶液の安定性が悪くなること
がある。
【0026】本発明のハードコーティング剤はプラスチ
ック基材との密着性、耐候性、塗工性、反射防止性等を
向上させる目的で本発明の効果を妨げない範囲において
種々の成分を添加することが可能である。例えば、ポリ
オレフィン系エポキシ樹脂、シクロヘキセンオキシド、
ポリグリシジルエステル類、エピクロルヒドリンとビス
フェノールAの縮重合物、グリシジルメタクリレート、
アクリル化合物との共重合体等のエポキシ樹脂、ベンゾ
フェノン系、ベンゾトリアゾール系、フェノール系等の
紫外線吸収剤などが挙げられる。更に、塗布性を向上す
る目的として、各種の界面活性剤を配合することもで
き、特にジメチルシロキサンとポリエーテルとのブロッ
ク共重合体やグラフト共重合体、フッ素系界面活性剤な
どが有効である。
【0027】本発明のコーティング剤は(イ)成分、必
要によっては任意成分を混合した後、(ロ)成分及び
(ハ)成分を添加して得ることができるが、特に有機珪
素化合物としてその部分加水分解物を用いる場合、
(イ)成分、必要により任意成分を混合し、純水や塩
酸、酢酸等の酸性水溶液を添加、加水分解し、これに
(ロ),(ハ)成分を添加してコーティング剤を得るこ
とができる。
【0028】なお、本発明のコーティング剤に含ませる
ことのできる溶剤としては、メタノール,エタノール,
イソプロパノール,ブタノール,イソブタノール,ジア
セトンアルコール等の低級アルコール、メチルセロソル
ブ,エチルセロソルブ,酢酸セロソルブ,ブチルセロソ
ルブ等のセロソルブ類が好ましく、これらにエステル
類、ケトン類、アミド類、芳香族化合物等の溶剤を混合
したものも好適に用いられる。
【0029】本発明のハードコーティング剤は、各種プ
ラスチックなどに適用される。ここで、本発明のハード
コーティング剤が適用されるプラスチック材料は、特に
制限されないが、ポリメチルメタクリレート,ポリカー
ボネート,ポリスチレン,ポリエステル,ポリウレタ
ン,ポリチオウレタン,ハロゲン化ビスフェノールAの
ジメタクリレートポリマー及びその重合体、ハロゲン化
ビスフェノールAのウレタン変性ジメタクリレートポリ
マー及びその共重合体等がある。この場合、本発明のハ
ードコーティング剤はプラスチックレンズ等のプラスチ
ック製光学製品などに塗布され、加熱処理されることに
より、高硬度の保護コーティング膜が得られる。なお、
塗布方法としては、刷毛塗り,ロール塗り,スプレー塗
り,流し塗り,浸漬塗り,スピンコート等の通常の塗布
方法を採用することができる。更に硬化条件は、硬化触
媒の配合量などにより変化するが、プラスチック基材の
軟化点未満の温度、通常80〜150℃で0.1〜10
時間硬化することにより、目的とする硬化被膜を得るこ
とができる。また、本発明のコーティング剤で得られる
硬化被膜は染色可能であるが、染色する際は各種分散染
料の濃度、温度、時間等を任意に決めることができる。
一般的には0.1〜1重量%の染料が分散している染浴
中に80〜100℃で5〜15分間浸漬することによ
り、容易に染色することができる。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のハードコ
ーティング剤は、高硬度で耐摩耗性、更には耐溶剤性、
密着性、耐候性、染色性等の特性が良好な上、屈折率が
1.55以上で、チオウレタン樹脂やポリカーボネート
樹脂等の高屈折率のプラスチック基材に塗工しても干渉
縞の見られない高屈折率のハードコーティング膜を与え
る。
【0031】従って、本発明のハードコーティング剤に
よりハードコーティング膜を表面に形成することによ
り、高透明性を有し、かつ、外観の良好なプラスチック
製光学製品を得ることができる。
【0032】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるも
のではない。
【0033】〔実施例1〕3−グリシドキシプロピルメ
チルジエトキシシラン35g、テトラメトキシシラン5
gをフラスコ内に注ぎ、氷冷下で撹拌しながら0.05
規定の希塩酸水7.5gを30分かけて滴下した。更
に、酸化アンチモン・チタニアゾル(水に分散したSb
25とTiO2との混合物(重量比1:1)を安定剤を
加えてメタノール溶液に溶剤置換したもの,不揮発分2
0%)75gを添加し、20〜25℃で16時間熟成し
た後、エタノール20g、ジアセトンアルコール80
g、過塩素酸アルミニウム・6水和物0.6gをそれぞ
れ添加してコーティング液を調製した。次に、このコー
ティング液をアルカリ処理したCR−39(ジエチレン
グリコールビスアリルカーボネート)に浸漬法で塗工
し、120℃で60分間硬化させた。
【0034】また、上記コーティング液を屈折率1.5
8のポリカーボネート押し出し平板に浸漬法で塗布し、
120℃で60分間硬化させ、外観を目視して干渉縞を
調べた。
【0035】〔実施例2〕実施例1と同様にして、酸化
アンチモンゾル(メタノール溶液,不揮発分30%)3
0g及びチタニアゾル(メタノール溶液,不揮発分20
%)30gを実施例1の酸化アンチモン・チタニア混晶
ゾルの代りに添加し、実施例1と同様に熟成した後、エ
タノール10g、ジアセトンアルコール20g、過塩素
酸アルミニウム・6水和物0.6gをそれぞれ添加して
コーティング液を調製し、実施例1と同様にCR−3
9,ポリカーボネート平板に塗布、硬化させた。
【0036】〔比較例1〕実施例1の酸化アンチモン・
チタニアゾルの代わりにチタニアゾル(日産化学(株)
製、水溶液、不揮発分10%)120gを添加し、実施
例1と同様に熟成した後、エタノール10g、ジアセト
ンアルコール20g、塩化アルミニウム・6水和物1.
2gをそれぞれ添加してコーティング液を調製し、実施
例1と同様にCR−39、ポリカーボネート平板に塗
布、硬化させた。
【0037】〔比較例2〕実施例1の酸化アンチモン・
チタニアゾルの代わりにシリカゾル(メタノール溶液、
不揮発分30%)100gを添加し、実施例1と同様に
熟成した後、エタノール10g、ジアセトンアルコール
20g、アルミニウムアセチルアセトナート0.6gを
それぞれ添加してコーティング液を調製し、実施例1と
同様にCR−39、ポリカーボネート平板に塗布、硬化
させた。
【0038】上記実施例1,2、比較例1,2で得られ
たコーティング膜の性状を下記方法で調べた。結果を表
1に示す。耐摩耗性 #0000スチールウールを用いて被膜を500g荷重
で10回こすり、傷の入り方を目視で判定した。密着性 JIS−K−5400第6.15項に準じ、被膜にナイ
フで1mm間隔で碁盤目を縦、横11本ずつカットして
作成し、セロテープ(ニチバン社製)を付着させた後、
剥離テストを行ない、剥離しなかった升目の数を調べ
た。耐溶剤性 アセトンを含浸させた脱脂綿で被膜を軽く100回こす
り、透明性を目視で判定した。着色度 アトラス・ユブコン((株)東洋精機製作所製、促進耐
候性試験装置)を用いて紫外線を70℃で8時間照射
し、湿潤下、50℃で4時間のサイクルを繰り返して2
00時間暴露した後の被膜の着色度を目視で判定した。屈折率 ポリテトラフルオロエチレンシート上にコーティング剤
を塗布して120℃で60分間硬化させた後、得られた
被膜を剥し、この硬化被膜をサリチル酸メチルの間に挟
み、アッベ屈折率計(アタゴ社製)を用い、25℃で測
定した。干渉縞 コーティング液をポリカーボネート押出し平板(屈折率
1.587)に塗布し、外観を目視して調べた。
【0039】
【表1】
【0040】表1の結果より、本発明のハードコーティ
ング剤により形成されたハードコーティング膜(実施例
1,2)は耐摩耗性、耐溶剤性、密着性が良好な上、紫
外線を照射しても黄変することがなく耐候性に優れ、し
かも、屈折率が高く、ポリカーボネート平板に塗工して
も干渉縞は見られないことがわかった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (イ)下記一般式(1) R1 m2 nSi(OR34-m-n …(1) (但し、式中R1は炭素数2〜8のエポキシ基を含む有
    機基、R2は炭素数1〜6のアルキル基,アルケニル基
    又はアリール基、R3は炭素数1〜6のアルキル基,ア
    ルケニル基,アルコキシアルキル基又はアシル基であ
    り、m,nは0<m<2,0≦n<2の正数である。)
    で示されるエポキシ基含有珪素化合物又はその部分加水
    分解物と、 (ロ)酸化アンチモンとチタニアとの混合コロイドと、 (ハ)硬化触媒と を配合してなることを特徴とするハードコーティング
    剤。
  2. 【請求項2】 混合コロイドが酸化アンチモンコロイド
    とチタニアコロイドとの混晶物である請求項1記載のハ
    ードコーティング剤。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のハードコーティン
    グ剤によるハードコーティング膜が表面に形成されてな
    ることを特徴とするプラスチック製光学製品。
JP3200100A 1991-07-15 1991-07-15 ハードコーテイング剤及びプラスチツク製光学製品 Pending JPH0519102A (ja)

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