JPH05190970A - 半導体レーザの製造方法 - Google Patents

半導体レーザの製造方法

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JPH05190970A
JPH05190970A JP211292A JP211292A JPH05190970A JP H05190970 A JPH05190970 A JP H05190970A JP 211292 A JP211292 A JP 211292A JP 211292 A JP211292 A JP 211292A JP H05190970 A JPH05190970 A JP H05190970A
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inp
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JP211292A
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Inventor
Mitsuhiro Kushibe
光弘 櫛部
Masahisa Funamizu
将久 船水
Keiji Takaoka
圭児 高岡
Mayumi Sakaguchi
眞弓 阪口
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 コンタクト抵抗の低減により素子抵抗を低減
させることができ、素子特性及び信頼性の向上をはかり
得る半導体レーザの製造方法を提供すること。 【構成】 ダブルヘテロ構造を有する半導体レーザの製
造方法において、InP基板30上にp型不純物の拡散
を抑制するためのn型InP拡散抑制層31を形成した
のち、拡散抑制層31上に該層31よりもキャリア濃度
の低いp型のInGaAs基板側コンタクト層32を形
成し、次いで基板側コンタクト層32上にp型InPク
ラッド層33,MQWの活性層34,InGaAsO光
ガイド層35及びn型InPクラッド層36からなるダ
ブルヘテロ構造部を形成し、次いでダブルヘテロ構造部
上にn型InGaAsコンタクト層37を形成し、次い
で基板30及び拡散抑制層31を除去した後、基板側コ
ンタクト層32の裏面にp側電極を形成し、さらにコン
タクト層37上にn側電極を形成することを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、化合物半導体を用いた
半導体レーザに係わり、特に電極コンタクト部の改良を
はかった半導体レーザの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、情報処理や光通信の光源として、
各種化合物半導体材料を用いた半導体レーザが開発され
ており、その高性能化が望まれている。特に、低電圧動
作特性や高信頼性に対する要求は強く、その研究開発が
盛んに行われている。素子特性間にばらつきがなく、低
電圧で動作する半導体レーザを実現するには、素子全体
の抵抗を下げて発熱を防止すると共に、素子抵抗を安定
化することが必須要素となる。
【0003】素子全体の抵抗は、pn接合に伴う抵抗、
半導体のp,n各領域のオーミックコンタクト抵抗、さ
らに電極金属と半導体との間の接触抵抗で決まってい
る。このうち、pn接合に伴う抵抗及び半導体のp,n
各領域のオーミック抵抗は比較的小さいものであり、ま
た所定のデバイス構造を決めると一義的に決まってしま
いう。ところが、電極金属と半導体との間の接触抵抗
は、電極に接触する半導体の材料と不純物濃度により大
きく変わるものであり、従ってこれらを最適に制御する
ことで接触抵抗を低減させることができる。
【0004】図6は、従来の半導体レーザの概略構造を
示す断面図である。n型InP基板60上に、n型In
Pクラッド層63,InGaAsP活性層64,InG
aAsP光ガイド層65,p型InPクラッド層66及
びp型InGaAsコンタクト層67が成長形成されて
いる。このウェハの表面側から各層67〜64及び63
の一部を選択エッチングしてストライプ状のメサが形成
され、このメサの側部には高抵抗電流阻止層68が埋込
み形成されている。そして、コンタクト層67上にAu-Z
n/Auのp側電極71が形成され、基板60の裏面には A
u-Ge/Ni/Auのn側電極72が形成されている。
【0005】この種の構造の半導体レーザでは、p型コ
ンタクト層67の材料を自由に選ぶことができ、コンタ
クト抵抗を安定に低減することができる。一方、n側電
極72については、n型InP基板60をコンタクト層
として用いる。n型半導体層の熱抵抗を下げるために、
またレーザチップへき開の工程が容易であるように、I
nP基板60は研磨又はエッチングにより100μm程
度まで薄くしてある。しかし、いずれの技法において
も、薄くしたInPの表面に劣化した層が生じ易く、こ
のためn側のコンタクト抵抗が不安定になり易かった。
p型InP基板上にレーザを形成した場合にも基板側の
電極はInP上に形成しなければならず、接触抵抗値を
下げることは難しかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように従来、半導
体レーザにおいては基板側電極でのコンタクト抵抗が大
きく不安定であり、これが素子抵抗を不安定にする要因
になっていた。そして、このような素子抵抗のばらつき
は、低電圧素子作成の際には発振電圧のばらつきとなっ
て現われ、素子特性を低下させる要因になっていた。
【0007】本発明は、上記事情を考慮してなされたも
ので、その目的とするところは、コンタクト抵抗の低減
により素子抵抗を低減させることができ、素子特性及び
信頼性の向上をはかり得る半導体レーザの製造方法を提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の骨子は、基板側
のコンタクト抵抗の低減をはかるために、基板側にもコ
ンタクト層を設けることにある。
【0009】即ち本発明は、ダブルヘテロ接合を有する
半導体レーザの製造方法において、半導体基板上に第1
導電型のコンタクト層を形成したのち、このコンタクト
層上に第1導電型のクラッド層,活性層及び第2導電型
のクラッド層からなるダブルヘテロ構造部を形成し、次
いでこのダブルヘテロ構造部上に第2導電型のコンタク
ト層を形成し、次いで基板を除去した後、第1導電型の
コンタクト層の裏面に第1の電極を形成し、さらに第2
導電型のコンタクト層上に第2の電極を形成することを
特徴とする。
【0010】また本発明は、ダブルヘテロ接合の半導体
レーザの製造方法において、化合物半導体基板上にp型
不純物の拡散を抑制するためのn型の拡散抑制層を形成
したのち、この拡散抑制層上にキャリア濃度が該拡散抑
制層と比べ低い或いは略同一のp型の基板側コンタクト
層を形成し、次いでこの基板側コンタクト層上にp型の
クラッド層,活性層及びn型のクラッド層からなるダブ
ルヘテロ構造部を形成し、次いでこのダブルヘテロ構造
部上にn型のコンタクト層を形成し、次いで基板及び拡
散抑制層を除去したのち、基板側コンタクト層の裏面に
p側電極を形成し、さらにn型のコンタクト層上にn側
電極を形成することを特徴とする。ここでは、基板側コ
ンタクト層のキャリア濃度が拡散抑制層のキャリア濃度
から30%多いような略同一となっていてもよい。
【0011】
【作用】本発明によれば、半導体基板上に基板側コンタ
クト層を形成し、その上に所定のレーザ構造を形成し、
最終的に基板をエッチング除去した後にこの基板側コン
タクト層に電極を形成しているので、基板側電極と接す
る層の材料及び不純物濃度を最適に設定することができ
る。従って、基板側のコンタクト抵抗を低減することが
でき、素子特性及び信頼性の向上をはかることが可能と
なる。また、基板は最終的に全て除去するので、全体の
厚さを薄く且つ正確にコントロールすることができ、放
熱特性を改善することもできる。さらに、基板を研磨し
て薄くするものとは異なり、素子への研磨ダメージを除
去でき、素子特性の不良発生要因を少なくすることがで
きる。
【0012】ここで、InP基板上に基板側コンタクト
層としてInGaAs層を用いた場合、InP基板の除
去に塩酸を用いることができ、InPとInGaAsの
間でエッチング選択比が2000:1以上取れる。この
ため、InGaAs基板側コンタクト層を1μm程度成
長すると、厚さ350μm程度のInP基板のみを容易
に除去することができる。つまり、低バンドバャップで
あり容易に低コンタクト抵抗を実現することが可能であ
るInGaAsを、極めて良好なエッチングストップ層
として用いることができるのである。
【0013】他の材料系ではこのような良好なエッチン
グストップ層を得ることは難しい。例えば、AlGaA
s/GaAs系ではこのような大きなエッチングレート
の差は得られず、厚い基板をエッチングする際には制御
性の良い選択エッチングは難しかった。InGaP/G
aAs系或いはInGaP/GaAsP系では、硫酸と
過酸化水素混合溶液エッチャントを用いると、GaAs
或いはGaAsP基板を除去することができる。しかし
この場合には、硫酸と過酸化水素混合溶液エッチャント
は経時変化が大きく、基板を完全に除去するためには、
エッチャントの再投入等複雑な操作が必要であった。こ
れらに対して、InGaAs/InP系では比較的安定
な塩酸系のエッチャントで、極めて大きなエッチングレ
ートの選択比が得られるので、良好にInP基板の除去
が可能となるのである。
【0014】また、n型の拡散抑制層上にp型の基板側
コンタクト層を形成し、その上に所定のレーザ構造を形
成した場合、基板側コンタクト層から基板側への不純物
の拡散が抑制される。これは、基板側コンタクト層と基
板との間に反対導電型の不純物が基板側コンタクト層と
略同一或いは高濃度にあるので、基板側コンタクト層の
不純物が基板側へ拡散を起こすと、反対導電型層中でp
型不純物とn型不純物が引き合い、不純物の拡散が抑制
されるからである。これにより、基板側コンタクト層の
不純物濃度を高く維持することができ、基板側のコンタ
クト抵抗を十分に低減することが可能となる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。
【0016】図1は、本発明の第1の実施例に係わる半
導体レーザの概略構成を示す断面図である。図中12は
厚さ1μmのn型InGaAs基板側コンタクト層であ
り、この基板側コンタクト層12上に、厚さ60μmの
n型InPクラッド層13,厚さ0.1μmのInGa
AsP活性層14,厚さ0.1μmのInGaAsP光
ガイド層15及び厚さ0.5μmのp型InPクラッド
層16が形成されている。n型InPクラッド層13の
上部より上層が幅1.5μmのメサ構造になっており、
その両側が高抵抗InP層17及びn型InP電流阻止
層18で埋め込まれている。さらにその上部には、厚さ
1.5μmのp型InP層19及び厚さ1μmのp型I
nGaAsコンタクト層20が形成されている。そし
て、コンタクト層20上にはAu-Zn/Auのp側金属電極2
1が蒸着され、基板側コンタクト層12上には Au-Ge/N
i/Auのn側金属電極22が蒸着されている。
【0017】ここで、InGaAs基板側コンタクト層
12のキャリア濃度は、5×1018cm-3〜1×1019
cm-3の間とした。本実施例レーザの発振時の抵抗は9
5%以上が5Ω以下であり、従来のInP基板をコンタ
クト層として用いた時の素子抵抗6Ω以下の歩留まり6
0%に比して、素子抵抗の低減及び安定化が可能であっ
た。次に、本実施例レーザの製造方法を図2を参照して
説明する。
【0018】まず、図2(a)に示すように、厚さ35
0μmのInP基板10上に、有機金属気相成長法(M
OCVD法)を用いて、Si添加の厚さ1μmのn型I
nPバッファ層11,厚さ1μmのn型InGaAs基
板側コンタクト層12,厚さ60μmのn型InPクラ
ッド層13,厚さ0.1μmのInGaAsP活性層1
4,厚さ0.1μmのInGaAsP光ガイド層15及
び厚さ0.5μmのp型InPクラッド層16を順次成
長形成した。次いで、SiO2 マスク(図示せず)を用
い、塩酸と燐酸の混合エッチャント、硫酸と過酸化水素
水の混合エッチャント、塩酸と燐酸の混合エッチャント
を用い、表面から深さ約3.5μmまでエッチングして
メサ構造を形成し、このメサ構造をFeドープの高抵抗
InP層17及びn型InP電流阻止層18で埋め込ん
だ。
【0019】次いで、SiO2 のマスクを弗化アンモニ
ウム溶液で除去した後、図2(b)に示すように、p型
InP層19及び厚さ1μmのp型InGaAsコンタ
クト層20をMOCVD法で成長形成した。その後、半
導体のレーザ構造を積層したウェハを35%塩酸溶液に
漬けた。通常、塩酸によるInPのエッチングレート
は、室温で数十秒間に1μm以上である。本実施例にお
いては、塩酸の気化及びエッチングに伴う塩酸の分解に
より、厚さ350μmのn型InP基板10及び厚さ1
μmのInPバッファ層11を除去し、InGaAs基
板側コンタクト層12の表面を完全に露出するために
は、15〜30時間のエッチングをすることが適当であ
った。このとき、前述したように、InP基板の除去に
塩酸を用いた場合、InPとInGaAsの間で、エッ
チング選択比が2000:1以上取れる。このため、I
nGaAs基板側コンタクト層12を1μm程度成長す
ると、厚さ350μmのInP基板10のみを容易に除
去することができる。つまり、InGaAs基板側コン
タクト層12及びInGaAsコンタクト層20が完全
なエッチングストップ層として機能した。
【0020】このようにして基板10及びバッファ層1
1を除去したウェハを、図2(c)に示す。この後、p
側電極21及びn側電極22を蒸着形成することによ
り、前記図1に示した半導体レーザが得られる。
【0021】ここで、本実施例ではInPクラッド層1
3を作成する際に、膜厚制御性の良いMOCVD法を用
いた。このため、InPクラッド層13の膜厚ばらつき
を、設定値に対して±5%以下と極めて制御性良く膜厚
をコントロールすることができた。InPクラッド層1
3の厚さを60μmとしたとき、厚さのばらつきは±3
%μm以下であった。この値は、研磨によって形成した
際のウェハの厚さのばらつき±10%に対して1/3以
下であった。このため、素子特性が極めて均一にでき
た。特に、半導体層の厚さが極めて均一であるために、
へき開に必要な圧力のばらつきを小さくすることがで
き、これによりへき開時の歩留まりが向上とすると共
に、へき開機による自動へき開が容易に行えるようにな
った。
【0022】なお、本実施例のレーザにおいては、In
Pクラッド層13の厚さは、50〜150μmとした。
InPクラッド層13の厚さがこの範囲を外れると歩留
まりが低下した。
【0023】このように本実施例によれば、n型InG
aAs基板側コンタクト層12上にダブルヘテロのレー
ザ構造を実現し、最終的に基板10及びバッファ層11
を除去した後、基板側コンタクト層12にn側電極22
を形成することにより、n側のコンタクト抵抗を十分に
小さく、且つ安定した値に設定することができる。この
ため、全体としての素子抵抗を低減することができ、素
子特性の向上及び信頼性の向上をはかることができる。
また、ウェハの厚さのばらつきが少なくなることによる
へき開の容易化、ウェハの厚みが薄くなることによる放
熱特性の改善等の効果も得られる。図3は、本発明の第
2の実施例に係わる半導体レーザの概略構成及び製造工
程を示す断面図である。
【0024】本実施例のレーザは、図3(a)に示すよ
うに、p型InGaAs基板側コンタクト層32の上
に、p型InPクラッド層33,InGaAs/InG
aAsP多重量子井戸活性層34,InGaAsP光ガ
イド層35及びn型InPクラッド層36からなるダブ
ルヘテロ構造部が形成され、その上にn型InGaAs
コンタクト層37が形成されている。そして、各層34
〜37をエッチングしてメサ構造が形成され、このメサ
の側部がn型InP層38及びp型InP層39の逆接
合による電流阻止層により埋め込まれている。
【0025】この実施例では、まず図3(b)に示すよ
うに、InP基板30上に高濃度Siドープのn型InP
拡散抑制層31を成長形成し、この上にp型InGaA
s基板側コンタクト層32及びダブルヘテロ構造部を成
長形成する。このため、結晶成長中に、p型InGaA
s基板側コンタクト層32から拡散抑制層31側へのp
型不純物の拡散が抑制され、InGaAs基板側コンタ
クト層32中のp型不純物濃度を高く保つことができ
る。
【0026】InP基板30及びn型InP拡散抑制層
31をエッチング除去する際には、図3(c)に示すよ
うに、n型InGaAsコンタクト層37及びp型In
P層39上にSiO2 のマスク25を形成した状態で行
った。そして、InP基板30及びInP拡散抑制層3
1を除去した後に、弗化アンモニウムによりSiO2
スク25を除去し、さらにn側金属電極の蒸着を行っ
た。さらに、基板側コンタクト層32の裏面にはp側金
属電極の蒸着を行った。
【0027】本実施例レーザにおいては、高濃度Siド
ープInP拡散抑制層31を基板側電極コンタクト層3
2と反対導電型の拡散抑制層として用いているために、
p型InGaAs基板側コンタクト層32中の不純物濃
度を高く保つことができるので、素子抵抗の一段の低下
を実現することができた。このため、しきい値抵抗,し
きい値電圧,しきい値電流が小さく安定であり、また放
熱特性も安定化かつ良好であり、集積化の容易な半導体
レーザを実現することができた。図4は、本発明の第3
の実施例に係わるヘテロバイポーラトランジスタの概略
構成を示す断面図である。
【0028】半絶縁性InP基板40上にn型InP拡
散抑制層41,p型InGaAs基板側(エミッタ側)
電極コンタクト層42,p型InPエミッタ層43,n
型InGaAsベース層44,p型InPコレクタ層4
5及びp型InGaAsコレクタ側電極コンタクト層4
6が形成されている。基板40及び拡散抑制層41に開
口を開けて、基板側電極コンタクト層42に接するよう
にエミッタ電極47が形成され、ベース層44にはベー
ス電極48が形成され、コレクタ側電極層46にはコレ
クタ電極49が形成されている。
【0029】ここで、n型不純物としてはSiを用い、
p型不純物としてはBeを用いた。n型InP拡散抑制
層41のキャリア濃度は3×1019cm-3とし、またp
型InGaAs基板側電極コンタクト層42中のキャリ
ア濃度はそれより低い1×1019cm-3とした。この結
果、n型InP拡散抑制層41を含まない従来構造にお
いて、エミッタ抵抗が25%程度のばらつきを含んでい
たのに対し、本実施例のヘテロバイポーラトランジスタ
においては、エミッタ抵抗のばらつきを5%以下と極め
て小さく抑えることができた。これは、基板側コンタク
ト層42中のp型不純物の拡散を抑え、不純物濃度のば
らつきを抑えることができたためである。
【0030】また、本実施例のヘテロバイポーラトラン
ジスタにおいては、電極の一部を素子裏面から取ってい
るので、表面からの完全なプレーナプロセス構造のもの
と比べて素子面積を減らすことが容易となり、高集積化
が可能となった。図5は、本発明の第4の実施例に係わ
る半導体レーザの概略構成を示す断面図である。
【0031】半絶縁性基板50の上にn型の拡散抑制層
51,p型InGaAs基板側コンタクト層52,p型
InPクラッド層53,InGaAs/InGaAsP
のMQW活性層54,n型InPクラッド層55及びn
型InGaAsコンタクト層56が積層されている。そ
して、各層53〜55の一部をエッチング除去して露出
させたp型InGaAs基板側コンタクト層52上には
p側金属電極57が蒸着され、n型InGaAsコンタ
クト層56上にはn側金属電極58が蒸着されている。
【0032】本実施例のレーザにおいては、しきい値電
圧が2V以下と極めて低く、しかも安定であった。ここ
で、n型の拡散抑制層51を取り除いて同種の構造のレ
ーザを作ったところ、しきい値電圧が1/5〜3Vと極
めて大きくばらついた。これは、p型InGaAs基板
側コンタクト層52中に添加した亜鉛が半絶縁性基板5
0中の鉄元素と引合うために拡散係数が極めて大きくな
り、濃度が下がると共に、濃度のばらつきが極めて大き
くなるためである。
【0033】なお、本発明は上述した各実施例に限定さ
れるものではない。実施例では、基板側コンタクト層,
表面側のコンタクト層共にInGaAsを用いたが、表
面側コンタクト層としてInGaAsPを用いてもよ
い。また、基板側コンタクト層も、塩酸系エッチャント
でエッチングした場合にInPとの間に十分なエッチン
グレートの差が取れればInGaAsPであってもよ
い。また、実施例においては、InGaAs基板側コン
タクト層と基板側のInPクラッドが直接接触していた
が、InGaAs基板側コンタクト層と基板側InPク
ラッドとの間にバンドギャップがInGaAsからIn
Pまで変わる組成変化層を挟めば、基板側コンタクト層
とInPクラッド層との界面でのキャリアのトラップを
防ぐことができ、素子の高速動作に有利になる。
【0034】また実施例では、半導体素子として半導体
レーザやヘテロバイポーラトランジスタをあげたが、こ
れ以外の電界効果型トランジスタ,共鳴トンネル型トラ
ンジスタ,発光ダイオード,フォトダイオード等にも応
用可能である。さらに、実施例では特に電流狭窄型の半
導体レーザについて述べたが、半導体レーザはどのよう
な構造であってもよい。また、金属電極としてはp型に
Au-Zn/Au電極、n型にAu-Ge/Ni/Au電極を用いたが、本
発明では基板側コンタクト層と金属との接触抵抗を下げ
ることが容易であり、種々の金属が電極として使用可能
となる。特に、Ti/Pt/Auのようなアロイングの不要な金
属の使用も容易となり、この場合は電極形成プロセスの
低温化により工程順序の自由度が増すという利点が得ら
れる。
【0035】また実施例では、InGaAs(P)/I
nP系のデバイスを例にとって説明したが,GaAlA
s/GaAs系,InGaAlP/GaAs系,GaA
sP系,GaAlN系,ZnSeS系,CdHgTe
系,AlGaSb系,InAlAs/InP系,BP系
等、種々の材料系に対しても応用可能である。その他、
本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施す
ることができる。
【0036】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、基
板側コンタクト層上に所定のレーザ構造を形成し、最終
的に基板を除去した後に基板側コンタクト層に電極を形
成することにより、基板側のコンタクト抵抗を低減する
ことができ、これにより素子特性及び信頼性の向上をは
かることが可能となる。特に、p型の基板側コンタクト
層と基板との間に高濃度のn型拡散抑制層を形成してお
けば、基板側コンタクト層のp型不純物の濃度を高く維
持することができ、コンタクト抵抗のより一層の低減を
はかることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例に係わる半導体レーザの概略構成
を示す断面図、
【図2】第1の実施例における半導体レーザの製造工程
を示す断面図、
【図3】第2の実施例に係わる半導体レーザの概略構成
及び製造工程を示す断面図、
【図4】第3の実施例に係わるバイポーラトランジスタ
の概略構成を示す断面図、
【図5】第4の実施例に係わる半導体レーザの概略構成
を示す断面図、
【図6】従来の半導体レーザの概略構成を示す断面図。
【符号の説明】
10,30…InP基板、 11…n型InPバッファ層、 12…n型InGaAs基板側コンタクト層、 13,36…n型InPクラッド層、 14…InGaAsP活性層、 15,35…InGaAsP光ガイド層、 16,33…p型InPクラッド層、 17…高抵抗InP層、 18…n型InP電流阻止層、 19…p型InP層、 20…p型InGaAsコンタクト層、 21…p側電極、 22…n側電極、 31…n型InP拡散抑制層、 32…p型InGaAs基板側コンタクト層、 34…多重量子井戸活性層、 37…n型InGaAsコンタクト層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阪口 眞弓 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝総合研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体基板上に第1導電型のコンタクト層
    を形成する工程と、前記コンタクト層上に第1導電型の
    クラッド層,活性層及び第2導電型のクラッド層からな
    るダブルヘテロ構造部を形成する工程と、前記ダブルヘ
    テロ構造部上に第2導電型のコンタクト層を形成する工
    程と、前記基板を除去した後、前記第1導電型のコンタ
    クト層の裏面に第1の電極を形成する工程と、前記第2
    導電型のコンタクト層上に第2の電極を形成する工程と
    を含むことを特徴とする半導体レーザの製造方法。
  2. 【請求項2】化合物半導体基板上にp型不純物の拡散を
    抑制するためのn型の拡散抑制層を形成する工程と、前
    記拡散抑制層上にキャリア濃度が該拡散抑制層と比べて
    低い或いは略同一のp型の基板側コンタクト層を形成す
    る工程と、前記基板側コンタクト層上にp型のクラッド
    層,活性層及びn型のクラッド層からなるダブルヘテロ
    構造部を形成する工程と、前記ダブルヘテロ構造部上に
    n型のコンタクト層を形成する工程と、前記基板及び拡
    散抑制層を除去した後、前記基板側コンタクト層の裏面
    にp側電極を形成する工程と、前記n型のコンタクト層
    上にn側電極を形成する工程とを含むことを特徴とする
    半導体レーザの製造方法。
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