JPH05190881A - 光起電力素子の製造方法 - Google Patents
光起電力素子の製造方法Info
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- JPH05190881A JPH05190881A JP4003935A JP393592A JPH05190881A JP H05190881 A JPH05190881 A JP H05190881A JP 4003935 A JP4003935 A JP 4003935A JP 393592 A JP393592 A JP 393592A JP H05190881 A JPH05190881 A JP H05190881A
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Abstract
多結晶半導体からなる光起電力素子の製造方法を提供す
る。 【構成】 多結晶シリコン(1)の表面に水素を含有する
非晶質シリコン膜(2)を形成した後、導電型決定不純物
を含有した雰囲気中で熱処理を施し、光起電力素子とし
ての半導体接合部を形成する。
Description
法に関し、特に多結晶半導体を母材とする光起電力素子
に関する。
電変換機能を担う半導体接合部があり、この部分は、光
起電力素子内に入射した光が吸収されることによって生
成される電子と正孔を夫々分離し外部にこれら電子及び
正孔を取り出す機能を果たしている。
用されている単結晶材料の他に多結晶材料、さらには非
晶質材料がある。これら材料の中でも多結晶材料により
形成された光起電力素子にあっては、比較的光電変換効
率が高く且つ大面積化が容易という特徴を有することか
ら近年注目を浴びるに至っている。
常熱拡散法が使用される。この熱拡散法とは、例えばp
型の多結晶半導体を基板とする光起電力素子にあって
は、この基板をn型不純物を含んだ雰囲気中に放置し、
この状態で熱処理を施すことによりそのn型不純物をそ
の基板中に拡散させ、その拡散させた部分に所望の濃度
を備えたn型半導体を形成するのである。この拡散によ
り、その基板内にはこのn型半導体と母材であるp型半
導体との接触面ができ、この部分が半導体接合部とな
る。
法に関しては、例えば特開昭62−108579号に記
載されている。
成過程を説明するための素子構造図である。同図(a)
はp型の多結晶半導体(41)で、多くの粒界(41a)によっ
て囲まれた多数個の結晶粒(41b)…(通常数mm程度)
が集合することによって構成されている。
る断面図で、多結晶半導体(41)にはこの様な粒界(41a)
…が膜厚方向に沿って存在している。
体(41)をn型の導電型決定不純物、例えばリンを含有す
る雰囲気中(例えばPOCl3ガス雰囲気)に放置する
とともに、この半導体(41)を850℃で熱処理し、この
p型の多結晶半導体(41)の表面(41c)側からそのn型の
不純物を拡散する。 これによりp型の多結晶半導体(4
1)の表面側はn型の多結晶半導体(42)に成るとともに、
そのp型多結晶半導体(41)とn型多結晶半導体(42)との
接触面は、半導体接合部としての接合界面(43)となる。
えた光起電力素子にあっては、その接合界面(43)が平坦
で且つ光入射面からこの界面(43)までの距離がその界面
全域で等距離であることが光波長感度特性にとって好ま
しい。
の接合界面(43)は多結晶半導体を母材とした場合平坦と
はなり得ず、通常粒界(41a)の部分での接合界面(43)
は、結晶粒(41b)…の部分で形成されるそれと比較して
表面(41c)から深い位置に形成される。
の部分とでは種々の元素に対する拡散係数に大きな差が
あるためで、とりわけ粒界(41a)の部分における拡散係
数が異常に大きいことに因っている。これについての物
性面からみた理由は、この粒界(41a)の部分では半導体
元素同士の結合エネルギーが小さく、その結果外部から
侵入する異元素と極めて容易に結合してしまうためであ
る。
拡散係数の差に基づく影響が現れ、導電型決定不純物が
この粒界(41a)に沿って特に深く拡散してしまい、その
粒界(41a)の部分における接合界面(43)は通常の拡散に
より形成される結晶粒(41b)における接合界面(43)とで
は位置の面で不揃いとなる。
特性との関係は、一般に光入射面に近い部分に半導体接
合が配置されている場合にあっては短波長光の感度特性
が優れ、一方遠い部分に配置されている場合にあっては
その短波長光の感度特性は小さなものとなりむしろ長波
長光の感度特性が大きくなる傾向にある。
不揃いな部分が半導体接合部に存在すると光起電力素子
としての光波長感度特性を不安定なものとしてしまう。
力素子の具体的な光波長感度特性としては、多数の粒界
を含有する多結晶半導体から成る場合には光入射側の表
面から見て深い半導体接合で吸収される光が多くなるこ
とから、主に長波長領域での感度特性が大きくなる。一
方、比較的少数の粒界しか存在しない多結晶半導体、言
い換えれば結晶粒が大きなもので構成されて成る多結晶
半導体の場合にあっては、むしろ短波長光に対する感度
が大きいものとなる。
て結晶粒の大きさが大きく変化する多結晶半導体にあっ
ては、その結晶粒の大きさの程度により光に対する感度
特性が種々変化することとなる。更には、前述した熱拡
散法のための設定温度にわずかな変動が生じても粒界内
での導電型決定不純物の拡散の程度が大きく変化するこ
ととなり、素子特性の安定化が成し得ないこととなる。
方法の特徴とするところは、多結晶半導体の表面に、水
素を含有する非晶質半導体膜を被着形成し、次に前記非
晶質半導体膜が形成された前記多結晶半導体を導電型決
定不純物を含有した雰囲気中で熱処理を施すことによ
り、該導電型決定不純物を前記非晶質半導体膜の表面側
より拡散せしめるとともに、前記非晶質半導体膜を多結
晶化させることにある。
の表面に水素を含有する非晶質半導体膜を被着形成す
る。これにより、その水素は大きな拡散係数を有すると
いう粒界の特質を利用してその粒界内に十分拡散するこ
ととなる。
それまでの大きな拡散係数を有するという特質を喪失
し、ほぼ結晶粒と同程度の拡散係数を有する状態とな
る。
れた以降のその多結晶半導体は後工程で導電型決定不純
物を拡散させる場合にあっても、その粒界内への拡散と
結晶粒内への拡散の程度が同程度のものとなる。
有する多結晶半導体であっても接合界面は平坦で且つ光
入射面からその接合界面までの距離をその界面全域で等
しくすることができる。
れば、多結晶半導体の表面に非晶質半導体を形成しその
非晶質半導体の表面から導電型決定不純物を拡散させる
こととなる。このため、この導電型決定不純物の拡散に
よって形成される導電型半導体層の厚みがその非晶質半
導体膜の膜厚と同等かそれ以下の場合にあっては、その
拡散によって形成される導電型半導体層の母材がこの非
晶質半導体となることから下地となっている多結晶半導
体を母材とする場合に比べて均質な層を形成することが
できる。
多結晶半導体よりも劣るものの膜内に多結晶半導体のよ
うな特異な物性を示す粒界を持たないことから全体とし
て均質であることが言える。
に導電型決定不純物を拡散したならば、前述の粒界で生
じたような異常な拡散が生じないこととなり、その拡散
によって形成される接合界面も平坦とすることができ
る。
明するための工程別素子構造断面図である。
p型多結晶半導体(1)を示しており、粒界(1a)に囲まれ
た多数個の結晶粒(1b)…を含んでいる。
多結晶半導体(1)上に、水素を含有する非晶質シリコン
膜から成る非晶質半導体膜(2)を従来周知のプラズマC
VD法によって形成する。この非晶質半導体膜(2)の代
表的な形成条件は、表1に示す。
スとしてシラン(SiH4)を100sccm流し、基
板温度400℃,反応時真空度0.1Torrの下、高
周波電力50mW/cm2を対向電極間に印加すること
によりプラズマを発生させ、その反応性ガスを分解して
行った。この非晶質シリコン膜の膜厚は約1000Åと
した。
ば、反応性ガスとして水素を含有するシランガスを使用
することから、これの分解反応によって形成された非晶
質シリコン膜には必然的に水素が取り込まれることとな
る。このシランガスの他には、ジシラン等の高次シラン
ガスや、水素・アルゴン等との混合ガス等を使用した場
合も同様である。
形成にあっては、ターゲットとして固体シリコンを使用
し、そのスパッタ用ガスとしてアルゴン等の不活性ガス
に水素を添加して成膜することによっても同様に膜中に
水素を含有する非晶質シリコン膜を形成することができ
る。
含まれる水素が多結晶半導体(1)の粒界(1a)内に拡散す
ることとなり、この結果その粒界(1a)はそれまでの大き
な拡散係数を有するという特質を喪失し、結晶粒(1b)…
における不純物に対する拡散の程度とほぼ同等な性質と
なり後工程での導電型決定不純物拡散の程度が多結晶半
導体全体として均一なものとなる。
POCl3ガス(100mg/min質量制御)と酸素ガ
ス(300sccm)、そして窒素ガス(10slm)を混
合したガスを流しつつ熱処理を施すことによりこの多結
晶半導体(1)の表面側には導電型決定不純物であるリン
が拡散されpn接合による半導体接合部が形成される。
図中の(3)は接合界面を示している。因みに、この熱処
理の温度は850℃、処理時間は20分とした。
側はn型半導体(1d)になると同時に、先に形成した非晶
質半導体膜(2)はその熱処理によってn型多結晶半導体
(2a)となる。
を拡散させたことにより従来発生していた導電型決定不
純物、実施例ではリンの粒界(1a)への異常拡散は生じな
い。
界面(3)は、表面(4)からの深さがほぼ均一なものとな
り、その表面(4)を光入射側としたならば光起電力素子
としての光波長感度特性を安定なものとすることができ
る。
り、先の工程で導入した水素が放出されてしまわないか
どうかという問題が考えられるが、これは実験結果によ
り問題とならないことを確認している。この理由として
は、水素を拡散するために使用した非晶質半導体(2)自
体が、多結晶半導体(1)からの水素放出をキャップする
が如く抑制させる効果を有しているためと考えられる。
晶半導体(1)の裏面にBSF(BackSurface Field)構造
とするためのp+層(5)、そして光入射面側及び裏面側の
集電極(6)…、そして窒化シリコンなどからなる光反射
防止膜(7)を夫々従来周知の形成方法で形成する。
と、これにより形成した光起電力素子の電気的特性との
関係を示す特性図である。この熱処理温度以外の熱処理
条件は、前記実施例と同様としている。同図の縦軸は、
光起電力素子として特性項目で、開放電圧(VOC),短
絡電流(ISC),曲線因子(F.F.),光電変換効率
(%)を夫々示している。
930℃へと高温化するにつれて開放電圧が僅かに低下
するが、これはこの高温化によって形成されるn+層の
膜厚が厚くなるため短絡電流が低下しこの影響にを受け
るためである。
とから総合的な評価となる光電変換効率が向上すること
となっている。
とこのn+層の膜厚は薄くなるものの半面n+層と下地の
半導体との界面におけるキャリアの表面再結合が増加し
てしまい短絡電流が再び低下の傾向を示す。
処理温度は810〜930℃の範囲が、好ましくは83
0〜890℃の範囲とするのがよい。
品)として、100個のサンプルを形成した場合の光電
変換効率の分布図を示している。同図には、同数の従来
の光起電力素子(従来品)の特性も同時に示している。
この従来の光起電力素子とは、本発明の特徴である水素
を含有する非晶質半導体膜の形成を行わなかったことの
みを異にし、他の形成条件は同一としたものである。
が、13%の効率を示し、またそのバラツキも12.5
%から13.5%の範囲内に収まっている。これに対し
て、従来例光起電力素子にあっては、本発明光起電力素
子の13%よりも低い12.5%の効率を示す素子の数
が最も多く、又その効率のバラツキの範囲も11.5%
から13.5%と広く分布している。
る粒界の処理を行っていることから粒界による影響が殆
どなく、特性のバラツキが少なくなったためである。
質半導体膜(2)を形成させた多結晶半導体の表面(4)を光
入射面としたが、本発明はこれに限られるものではな
く、非晶質半導体膜を形成したその表面と対向する多結
晶半導体の裏面側を光入射面としてもよい。
不純物の拡散によるn型半導体(1d)の形成ではそのn型
半導体(1d)を多結晶半導体(1)の内部にまで形成される
程度にまで拡散したが、本発明製造方法はこれに限るも
のではなく、その拡散が非晶質半導体(2)内に留まる程
度の拡散であってもよい。
れるn型半導体(1d)は均質な非晶質半導体(2)を母材と
して形成されることとなることから、前記実施例と同様
の平坦な接合界面を形成することが可能となる。
射面側にのみ非晶質半導体膜を形成し、粒界に対する処
理を行ったが、これに加えて裏面側即ちp+層を形成し
た側についても非晶質半導体膜を形成して、その裏面に
ついても同様に粒界に対する処理を行っても良い。
として非晶質シリコン膜を使用したが、本発明はこの他
に水素を含有した非晶質シリコン窒化膜や、非晶質シリ
コンカーバイド膜等を使用してもよい。
ば、非晶質半導体膜に含まれる水素によって多結晶半導
体に多数存在する粒界への導電型決定不純物の異常拡散
を抑制できることとなる。
不純物の拡散の程度がほぼ同等とすることができること
から、斯る拡散で形成される半導体接合部の接合界面を
平坦なものとすることができる。このことは、光入射面
とその接合界面とを容易に平行にでき、それら面間隔が
その界面全域で等距離とし得る。
多結晶半導体に含まれる粒界の多少に拘らず光波長感度
特性が安定なものとなる。
造断面図である。
の関係を示す特性図である。
図である。
面
Claims (1)
- 【請求項1】 多結晶半導体の表面に、水素を含有する
非晶質半導体膜を被着形成し、次に前記非晶質半導体膜
が形成された前記多結晶半導体を導電型決定不純物を含
有した雰囲気中で熱処理を施すことにより、該導電型決
定不純物を前記非晶質半導体膜の表面側より拡散せしめ
るとともに、前記非晶質半導体膜を多結晶化させること
を特徴とする光起電力素子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4003935A JP2962915B2 (ja) | 1992-01-13 | 1992-01-13 | 光起電力素子の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4003935A JP2962915B2 (ja) | 1992-01-13 | 1992-01-13 | 光起電力素子の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05190881A true JPH05190881A (ja) | 1993-07-30 |
JP2962915B2 JP2962915B2 (ja) | 1999-10-12 |
Family
ID=11570997
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4003935A Expired - Fee Related JP2962915B2 (ja) | 1992-01-13 | 1992-01-13 | 光起電力素子の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2962915B2 (ja) |
-
1992
- 1992-01-13 JP JP4003935A patent/JP2962915B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2962915B2 (ja) | 1999-10-12 |
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