JP3423102B2 - 光起電力素子 - Google Patents
光起電力素子Info
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- Y02E10/50—Photovoltaic [PV] energy
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Description
率が極めて高い光起電力素子を、低コストで提供するこ
とを目的とする。
安価な半導体材料として、太陽電池をはじめTFT,L
CD等の様々な半導体デバイスに用いられている。とこ
ろが非晶質半導体には、光を長時間照射するとその特性
が劣化する、所謂光劣化という問題がある。光劣化が生
じる原因の一つとして、従来から、非晶質半導体中に含
まれる酸素、窒素等の不純物の影響が指摘されている。
て光劣化を抑制するために、10-7Pa台もしくはこれ
以下の真空度まで排気できる高真空対応の製造装置を用
いて非晶質半導体を形成する方法が提案されている(M.
Ohnishi et al.,JapaneseJournal of Applied Physic
s, 26(1987)1404)。この方法を用いることにより、反
応室内壁からの脱ガスや装置のリークを従来装置よりも
少なくでき、これらの原因で、製造プロセス中に膜中に
混入していた酸素,窒素等の不純物量が低減され、この
結果光劣化が抑制される。
i型層iに用いた光起電力素子の、光照射前後のエネル
ギーバンドの予想図である。同図に於いて、pはp型
層、nはn型層を夫々表している。
入した酸素原子はi型層i中でドナーとして働き、伝導
帯EC近くにドナー準位10を形成する。これに伴いi
型層i中でのフェルミ位置EFは伝導帯ECに近付くよう
に変化するので、p型層pとi型層iとの界面ではエネ
ルギーバンドの傾きが急峻となり、該界面に於ける電界
強度が強くなる。また、i型層iとn型層nとの界面で
はエネルギーバンドの傾きは緩やかになり、該界面に於
ける電界強度は弱くなる。この結果、i型層i中での電
界強度分布が不均一になる。
時間照射されると、同図(b)に示すように、i型層i
中に於いてフェルミ位置EF近傍に新たな価電子欠陥2
0が生成される。このため、光照射後に於いては、p型
層pとi型層iとの界面におけるエネルギーバンドの傾
きはさらに急峻なものとなり、該界面に於ける電界強度
も更に強くなる。一方、i型層iとn型層nとの界面の
エネルギーバンドはますます平坦となり、このため該界
面に於ける電界強度が特に弱くなる。
た時に、i型層iとn型層nとの界面近傍で生成される
ホールは、該界面に於ける電界強度が特に弱いためにp
型層pまで達すること無くi型層i中で電子と再結合し
てしまう。従って、i型層i中での光生成キャリアを外
部に有効に取り出すことができず、このために光電変換
効率が低下していた。
て形成した、膜中の不純物が少ない非晶質半導体をi型
層iに用いた光起電力素子の場合には、光照射前のi型
層i中でのエネルギーバンドの傾きは、不純物の混入に
より形成される不純物準位が少ないので、図3(a)に
示した場合よりも均一になる。光照射後に於いても、新
たに価電子欠陥は生成されるものの、やはりi層中での
電界は、前述した光起電力素子よりも均一となり、従来
よりも光照射後の光電変換効率が高い光起電力素子が得
られていた。
を用いても、光照射後の光電変換効率は未だ充分なもの
ではなかった。
の選定や、内面処理を施す必要がある、また真空ポンプ
にもターボ分子ポンプ等の高真空仕様のポンプを使う必
要がある等の理由で、高価なものとなっていた。
て高い光起電力素子を、この様な高価な装置を使わず
に、量産レベルの製造装置を用いて低コストで提供する
ことを目的とする。
p型,i型及びn型層を有する光起電力素子であり、上
記i型層が酸素及びボロンを添加した非晶質半導体から
成り、前記酸素及びボロンの濃度が夫々1×1020〜1
×10 22atoms/cm3及び1×1017〜1×10
19atoms/cm3の範囲であることを特徴とする。
度の0.01〜1%であることを特徴とする。
の酸素及びボロンを添加している。このために、酸素を
含んだことにより生じるドナー準位、及び長時間の光照
射により生成される価電子欠陥の影響で生じるフェルミ
位置の移動を補償できる。この結果、光照射後に於いて
もi型層中の電界強度分布を均一にできるので、極めて
高い光照射後の光電変換効率が得られる。
の濃度の割合を、所定の範囲とすることにより、一層効
果的に、光照射後の光電変換効率を向上できる。
1×1020〜1×10 22atoms/cm3の濃度の酸
素を添加しているので、高価な高真空対応の製造装置を
用いる必要がなく、量産用レベルの製造装置を用いて低
コストで製造できる。
す素子構造断面図である。同図に於いて1はガラス,石
英等から成る基板であり、2はSnO2,ITO等の透
明導電材から成る透明電極である。透明電極2の形成に
は熱CVD法を用いたが、スパッタ法を用いても良い。
pはp型の非晶質シリコンカーバイドから成るp型層で
あり、iは、本発明の特徴である、酸素及びボロンを添
加した非晶質シリコンから成るi型層である。nはn型
の非晶質シリコンから成るn型層であり、3はAg,A
l等の金属から成る裏面電極である。p型層p,i型層
i,n型層nは、プラズマCVD法を用いて形成した。
また、裏面電極3の形成にはスパッタ法を用いたが、蒸
着法を用いることもできる。
す。また同時に従来のi型層の形成条件も示す。尚、従
来例1のi型層は高真空対応の製造装置を用い、また本
実施例及び従来例2のi型層は高真空対応でない量産用
の製造装置を用いて形成した。各製造装置の到達真空度
もあわせて示す。
酸素濃度及びボロン濃度を示したものである。尚、酸素
及びボロン濃度の測定には、二次イオン質量分析法を用
いた。
びボロン濃度は、高真空対応の製造装置を用いて形成し
た従来例1のi型層が最も少なく、酸素が3.5×10
18atoms/cm3、ボロン濃度は測定限界である
1.0×1015atoms/cm3以下であった。これ
に対し、量産用の製造装置を用いて形成した従来例2の
i型層は、ボロン濃度は測定限界以下であるものの、酸
素濃度は5.0×1019atoms/cm3と従来例1
のi型層よりも約一桁増加している。さらに本実施例の
i型層に於いては、原料ガスに酸素及びボロンを添加し
ているので、酸素濃度が5.0×1020atoms/c
m3、ボロン濃度が5.0×1017atoms/cm3で
あった。
素子の光照射前後の光電変換効率である。尚光照射は、
ソーラーシミュレータを用いて、AM1.5,125m
W/cm2の光を48℃の温度で310時間照射した。
力素子の光照射後の光電変換効率は9.0%と、従来例
2の光起電力素子よりも大幅に改善されており、従来例
1の高価な高真空対応の製造装置を用いて形成した光起
電力素子に比べても極めて高い値であった。
変換効率の変化から予想される光照射前後のエネルギー
バンドの予想図であり、同図(a)は光照射前、(b)
は光照射後である。
電力素子は、i型層i中に酸素を添加しているので、前
述したようにドナー準位10が生成される。ところが本
実施例のi型層iは、酸素と同時にボロンも添加してい
るので、ドナー準位10と同時にボロンによるアクセプ
ター準位30も形成される。このためフェルミ位置E F
はミッドギャップ付近に固定されるので、i型層i中の
電界強度分布は均一となる。
うに、フェルミ準位EF近傍に新たに価電子欠陥20が
生成されるが、i型層i中に既に存在しているドナー準
位10及びアクセプター準位30の影響で、フェルミ位
置EFは新たに生成された価電子欠陥20の影響を受け
にくい。このため光照射後に於いてもi型層i中でほぼ
均一な電界分布が保たれるので、高い光電変換効率が保
たれる。以上の理由で本実施例の光起電力素子は、長時
間の光照射後に於いても極めて高い光電変換効率を有す
るものと考えられる。
の量を変化させて光起電力素子を形成した。形成には量
産用の、到達真空度が1.3×10-3Paの製造装置を
用いた。尚、光起電力素子の構造は図1の構造と同じで
ある。また表4は、i型層iの形成条件である。i型層
iに添加する酸素及びボロンの量は、夫々原料ガスに添
加するCO2及びB2H6の流量を制御して変化させてい
る。
素子を、ソーラーシミュレータを用いて、AM1.5,
125mW/cm2の光を48℃の温度で310時間照
射し、光照射後の光電変換効率を測定した。
で表した特性図であり、縦軸はi型層i中の酸素濃度、
横軸は同層中のボロン濃度である。
s/cm3以下では、ボロン濃度の増加に伴い、光照射
後の光電変換効率が低下することがわかる。ところが、
酸素濃度が1×1020atoms/cm3以上、ボロン
濃度が1×1017atoms/cm3以上の領域では、
光照射後の光電変換効率は大幅に改善され、従来は得ら
れなかった9.0%を越える極めて高い値が得られた。
と、夫々1×1022atoms/cm 3、1×1019a
toms/cm3を越えると、光照射後の光電変換効率
は再び低下した。
せるためには、酸素及びボロンの濃度を、夫々1×10
20〜1×1022atoms/cm3及び1×1017〜1
×1019atoms/cm3の範囲とする必要がある。
してボロン濃度が0.01%及び1%の線である。同図
に於いて、光照射後の光電変換効率が9.0%を越える
領域は、この2本の破線に囲まれた領域にある。このこ
とから、酸素及びボロンの濃度を上記の範囲とし、さら
に酸素濃度に対するボロン濃度の割合を0.01〜1%
の範囲とすることで、光照射後の光電変換効率が極めて
高い光起電力素子を得られることがわかる。
内壁からの脱ガスや装置のリーク等の原因でi型層中に
混入する酸素の濃度は1×1020atoms/cm3以
下である。従って、上記の濃度範囲の酸素をi型層中に
混入させる為には、原料ガスにCO2等の酸素源となる
ガスを添加する必要がある。
して非晶質シリコンを例にとり説明した。然し乍ら、こ
れに限らず非晶質ゲルマニウム、非晶質シリコンゲルマ
ニウム等の他の非晶質半導体を用いた光起電力素子にお
いても同様の効果があることは言うまでもない。
素及びボロンを所定の濃度添加した非晶質半導体を用い
ている。このために、光照射後も極めて高い光電変換効
率を有する光起電力装置を、高価な高真空対応の製造装
置を用いることなく低コストで提供できる。
図である。
ルギーバンドの予想図である。
光起電力素子の、光照射前後のエネルギーバンドの予想
図である。
効率を等高線で表した特性図である。
ター準位
Claims (2)
- 【請求項1】 p型,i型及びn型層を有する光起電力
素子であり、 上記i型層が、酸素及びボロンを添加した非晶質半導体
から成り、前記添加した酸素及びボロンの濃度が夫々1
×1020〜1×10 22atoms/cm3及び1×10
17〜1×1019atoms/cm3の範囲であることを
特徴とする光起電力素子。 - 【請求項2】 上記ボロンの濃度が、上記酸素の濃度の
0.01〜1%であることを特徴とする請求項1記載の
光起電力素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06622095A JP3423102B2 (ja) | 1995-03-24 | 1995-03-24 | 光起電力素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06622095A JP3423102B2 (ja) | 1995-03-24 | 1995-03-24 | 光起電力素子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08264822A JPH08264822A (ja) | 1996-10-11 |
JP3423102B2 true JP3423102B2 (ja) | 2003-07-07 |
Family
ID=13309541
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06622095A Expired - Fee Related JP3423102B2 (ja) | 1995-03-24 | 1995-03-24 | 光起電力素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3423102B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10319757B2 (en) | 2016-08-29 | 2019-06-11 | Canon Kabushiki Kaisha | Photoelectric conversion device and imaging system |
-
1995
- 1995-03-24 JP JP06622095A patent/JP3423102B2/ja not_active Expired - Fee Related
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US10319757B2 (en) | 2016-08-29 | 2019-06-11 | Canon Kabushiki Kaisha | Photoelectric conversion device and imaging system |
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JPH08264822A (ja) | 1996-10-11 |
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