JPH0519041Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、体腔内に挿入される挿入部に複数
の湾曲駒を連結した湾曲管部を有する内視鏡に関
する。

〔従来の技術〕

生体腔内に挿入する挿入部は、可撓管部、湾曲
管部および先端構成部からなり、前記湾曲管部
は、複数の湾曲駒を関節軸によつて回動自在に連
結することにより構成されている。そして、前記
各湾曲駒の内側にはワイヤガイドが設けられ、こ
れらワイヤガイドには湾曲操作ワイヤが挿通さ
れ、これら湾曲操作ワイヤの一端側は最先端の湾
曲駒に、他端側は操作部に設けられた湾曲操作機
構に連結されている。前記湾曲操作ワイヤは、一
般に４本からなり、上下の２本が上下湾曲用、左
右の２本が左右湾曲用となつており、湾曲操作機
構によつて湾曲操作ワイヤを選択的もしくは同時
に押し引きすることによつて湾曲管部を任意の方
向に湾曲できるようになつている。したがつて、
前記各湾曲操作ワイヤには湾曲操作時に大きな引
張り力が加わり、湾曲操作ワイヤの端部を最先端
の湾曲駒に対して強固に固着する必要がある。

そこで、従来においては、たとえば特願昭62−
108006号に示すように、湾曲操作ワイヤの先端部
を最先端の湾曲駒に銀ろう等で固着したり、特願
昭58−104001号に示すように、最先端の湾曲駒に
切り起し部を設け、この切り起し部に湾曲操作ワ
イヤを挿通した状態でかしめ固定していた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところが、前述したように湾曲操作ワイヤを銀
ろうによつて固着するものは、銀ろうがワイヤに
沿つて流れ出て固着部付近の湾曲操作ワイヤを硬
質化させ、この硬質化された部分に湾曲操作の繰
返しによつて曲げ力が加わり、湾曲操作ワイヤが
破断する恐れがある。また、湾曲駒に切り起し部
を設け、かしめ固定したものも、湾曲操作の繰返
しによつて湾曲操作ワイヤがそのかしめ部分で屈
曲され湾曲操作ワイヤが破断する恐れがある。

この考案は、前記事情に着目してなされたもの
で、その目的とするところは、湾曲管部の湾曲操
作の繰返しによつて湾曲操作ワイヤに曲げ力が加
わつても破断する恐れがなく、耐久性を向上でき
る内視鏡を提供することにある。

〔問題点を解決するための手段及び作用〕

この考案は、挿入部に複数の湾曲駒を関節軸に
より回動自在に連結してなる湾曲管部を有し、こ
の湾曲管部と、湾曲操作機構を設けた操作部との
間を複数本の湾曲操作ワイヤで連結した内視鏡に
おいて、前記関節軸を湾曲駒に対して回動自在と
し、この関節軸に湾曲操作ワイヤを固着し、湾曲
管部の湾曲に伴つて湾曲操作ワイヤが固着された
関節軸が回動して湾曲操作ワイヤに屈曲力が加わ
らないようにしたことにある。

〔実施例〕

以下、この考案の一実施例を図面に基づいて説
明する。

第６図は内視鏡を示すもので、１は内視鏡本体
で、これは操作部２、挿入部３およびユニバーサ
ルコード４とから構成されている。前記操作部２
には接眼部５、湾曲操作機構としてのアングルノ
ブ６および処置具挿通口７が設けられている。ま
た、挿入部３は可撓管部８、湾曲管部９および先
端構成部１０とから構成されている。

そして、先端構成部１０を構成する先端構成部
本体１１には第１図および第２図に示すように口
金１２，１３が同心的に設けられ、内側の口金１
２にはイメージガイドフアイバー１４および対物
レンズ１５が内装され、外側の口金１３にはライ
トガイドフアイバー１６が内装されている。ま
た、前記湾曲管部９は湾曲駒連結部１７とこの湾
曲駒連結部１７を被覆する外皮１８とから構成さ
れている。前記湾曲駒連結部１７は、境界線ｓを
堺として先端側が２方向の湾曲駒１９……によつ
て形成され、手元側が４方向の湾曲駒２０……に
よつて形成されている。すなわち、２方向の湾曲
駒１９は両端の左右に突出片１９ａ，１９ａを有
し、これら突出片１９ａ，１９ａはリベツトなど
の関節軸２１によつて回動自在に連結されてい
る。つまり、湾曲駒１９……は関節軸２１を中心
として上下方向に回動するようになつている。そ
して、最先端の関節駒１９は前記先端構成部本体
１１に固着されている。また、前記４方向の湾曲
駒２０……は両端の左右に突出片２０ａ，２０
ａ、上下に突出片２０ｂ，２０ｂを有し、これら
突出片２０ａ相互および２０ｂ相互はリベツトな
どの関節軸２３ａ，２３ｂによつて回動自在に連
結されている。つまり、湾曲駒２０……は関節軸
２３ａ，２３ｂを中心として上下および左右方向
に回動するようになつている。そして、前記２方
向の湾曲駒１９の後端の左右突出片１９ａと最先
端の４方向の湾曲駒２０の左右突出片２０ａとは
関節軸２４によつて連結されている。この関節軸
２４は第３図乃至第５図にも示すように、大径部
２４ａと小径部２４ｂを有する軸部２５と、この
軸部２５と一体の固着部２６とからなる。そし
て、関節軸２４の軸部２５は前記突出片１９ａお
よび２０ａの重合部に穿設された連結穴２７に対
して回転自在に、しかもフランジ２５ａによつて
抜出不能に設けられている。さらに、固着部２６
には関節軸２４の軸方向と直角方向、つまり湾曲
駒１９の軸方向に取付け穴２８が穿設され、この
取付け穴２８には左右湾曲用の湾曲操作ワイヤ２
９の先端部が固着されている。すなわち、取付け
穴２８は湾曲操作ワイヤ２９よりやや大径に形成
され、その隙間に銀ろう３０を充填して両者を固
着している。

一方、前記最先端の湾曲駒１９の上下における
内側には上下湾曲用の湾曲操作ワイヤ３１が銀ろ
う３２によつて固着されている。したがつて、２
方向の湾曲駒１９……には上下の湾曲操作ワイヤ
３１，３１が挿通され、４方向の湾曲駒２０……
には前記上下の湾曲操作ワイヤ３１，３１と左右
の湾曲操作ワイヤ２９，２９が挿通している。そ
して、これら湾曲操作ワイヤ２９，２９および３
１，３１は湾曲駒１９……，２０……の内側に突
設されたワイヤガイド３３……挿通されている。
また、これら湾曲操作ワイヤ２９，２９，３１，
３１の末端側は前記操作部２のアングルノブ６に
連結され、アングルノブ６の操作によつて湾曲操
作ワイヤ２９，２９，３１，３１が押し引きさ
れ、挿入部３の湾曲管部９が湾曲操作されるよう
になつている。

すなわち、アングルノブ６によつて湾曲操作ワ
イヤ３１，３１を操作し、たとえば第３図に示す
ように上部の湾曲操作ワイヤ３１を引き、下部の
湾曲操作ワイヤ３１を押し出すと、上部の湾曲操
作ワイヤ３１の引張り力によつて最前端の湾曲駒
１９の上部が操作部２方向に引かれる。したがつ
て、湾曲駒１９……，２０……は関節軸２１，２
３ａおよび２４を支点として回動し、湾曲管部９
は湾曲する。一方、湾曲管部９の湾曲に伴つて左
右湾曲用の湾曲操作ワイヤ２９，２９もその中途
部がワイヤガイド３３で屈曲されるため、湾曲操
作ワイヤ２９，２９に引張り力が加わるととも
に、先端部に屈曲力が加わる。しかし、前記湾曲
操作ワイヤ２９，２９の先端部は湾曲駒１９，２
０に対して回転自在に設けた関節軸２４に連結さ
れているために、湾曲操作ワイヤ２９，２９の先
端部に屈曲力が加わつたとき関節軸２４が回転す
る。したがつて、湾曲操作ワイヤ２９の先端部に
屈曲力が加わることはなく、湾曲管部９の繰返し
湾曲に対しても湾曲操作ワイヤ２９の破断を防止
でき、耐久性を向上できる。

なお、前記一実施例においては、湾曲操作ワイ
ヤ２９の先端部を関節軸２４の固着部２６に設け
た取付け穴２８に挿入し、銀ろう３０によつて固
着したが、第６図に示すように、湾曲操作ワイヤ
２９の先端部を関節軸２４の固着部２６に設けた
取付け穴２８に挿入し、そのワイヤ端部に取付け
穴２８より大きい球状部２９ａを成形することに
よつて抜け止めとなり、銀ろう３０に代つて接着
剤３４とすることができる。

〔考案の効果〕

以上説明したように、この考案によれば、湾曲
駒に対して関節軸を回転自在とし、この関節軸に
湾曲操作ワイヤの先端部を固着したから、湾曲管
部の湾曲操作の繰返しによつて湾曲操作ワイヤに
曲げ力が加わつても破断する恐れがなく、耐久性
を向上できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第６図はこの考案の一実施例を示す
もので、第１図は挿入部の先端側を示す縦断側面
図、第２図は第１図の−線に沿う断面図、第
３図は湾曲管部を湾曲した状態の縦断側面図、第
４図は第１図の部を拡大した側面図、第５図は
第４図の−線に沿う断面図、第６図は内視鏡
の全体を示す側面図、第７図はこの考案の他の実
施例を示す縦断側面図である。 ２……操作部、３……挿入部、６……アングル
ノブ（湾曲操作機構）、９……湾曲管部、１９，
２０……湾曲駒、２１，２３ａ，２３ｂ，２４…
…関節軸、２９，３１……湾曲操作ワイヤ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 挿入部に複数の湾曲駒を関節軸により回動自在
   に連結してなる湾曲管部を有し、この湾曲管部
   と、操作部に設けた湾曲操作機構との間を複数本
   の湾曲操作ワイヤで連結した内視鏡において、前
   記関節軸を、連結する湾曲駒に対して回動自在と
   し、この関節軸に少なくとも１つの湾曲操作ワイ
   ヤを固着したことを特徴とする内視鏡。