JPH05190130A - 電子顕微鏡の電子ビーム偏向磁場調整方法 - Google Patents

電子顕微鏡の電子ビーム偏向磁場調整方法

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JPH05190130A
JPH05190130A JP4003983A JP398392A JPH05190130A JP H05190130 A JPH05190130 A JP H05190130A JP 4003983 A JP4003983 A JP 4003983A JP 398392 A JP398392 A JP 398392A JP H05190130 A JPH05190130 A JP H05190130A
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sample
electron beam
magnetic field
deflection
screen
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Tomoji Konno
智司 今野
Sadaaki Kohama
禎晃 小浜
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Original Assignee
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 カーソルを表示することなく、基準マークだ
けで偏向磁場の直交度調整や画像の回転角度調整を行
う。 【構成】 まず、基準マークを有する試料に対して電子
ビーム2を走査信号発生装置10から走査信号処理回路
11を介して偏向コイル4乃至7に供給される鋸歯状波
信号が形成する磁場により二次元走査し、前記試料をC
RT20の画面上に表示し、次に、前記走査信号処理回
路11より鋸歯状波信号を処理し、前記試料に対して電
子ビーム2を前回の走査方向と反対方向に二次元走査
し、その試料を前記CRT20の画面上にミラー反転表
示して、今回の試料画像と前回の試料画像とを重ね合わ
せ、以後、同様の操作を交互に繰り返し、その間前記C
RT20の画面上の前記両試料画像のズレを観察しなが
ら偏向コイル4乃至7に供給する鋸歯状波信号を直交度
調整回路14により調整して偏向磁場の歪を調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電子顕微鏡の電子ビ
ーム偏向磁場調整方法に関し、特に偏向磁場の直交度調
整や画像の回転角度調整に好適な電子顕微鏡の電子ビー
ム偏向磁場調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、走査型電子顕微鏡(SEM:s
canning electronmicroscop
e)において、電子銃から放射された電子はコンデンサ
レンズでビーム状に収束され、更に2対の電磁コイル、
即ちX,Y偏向コイルで偏向されて試料の所定位置に照
射される。X,Y偏向コイルは異なった周期の鋸歯状波
電流によりそれぞれの偏向磁場を発生し、一方の偏向磁
場により電子ビームをX軸方向(X偏向コイルにより電
子ビームが走査される方向)に偏向し、他方の偏向磁場
により電子ビームをY軸方向(Y偏向コイルにより電子
ビームが走査される方向)に偏向する。そして、観察用
のCRTの電子ビームはこれらの偏向に同期して走査さ
れ、検出器からの2次電子信号が増幅されて画像信号と
なり、試料の小さな領域が画像信号によって変調された
コントラストを持つ2次元画像としてCRT画面上に拡
大表示される。
【0003】ところで、上記X,Y偏向コイルによって
発生する2つの偏向磁場が正確に直交していない場合
は、CRTの画面上に表示される試料画像に偏向歪が生
じる。
【0004】従来の偏向磁場の直交度調整方法について
説明する。
【0005】図7は十字形の基準マークIを有する試料
が載置されている試料ステージ上の電子ビーム走査領域
を示し、図8はこの走査領域内の基準マークIのCRT
画面上の画像である。
【0006】偏向歪のない通常の走査領域ABCD内の
基準マークIはCRT画面上も歪のない基準マークIaと
して表示され(図8破線)、この基準マークIaは基準マ
ークIと相似形である。しかし、例えばX偏向コイルの
偏向磁場がY軸方向に歪んでいて、Y偏向コイルの偏向
磁場と直交していない場合、即ち偏向歪のある走査領域
A´B´C´D´内の基準マークIはCRT画面上では
水平部分が左上がりに傾斜する歪んだ基準マークIb(図
8実線)として表示される。
【0007】そこで、この偏向歪をなくすために、CR
T画面上に形の歪んだ基準マークIb の他に、X軸方向
(CRT画面の水平方向)に平行なカーソル(直線状の
輝線)Cを表示し、基準マークIb の水平部分の傾斜を
カーソルCに平行になるようにY偏向コイルに供給する
鋸歯状波電流を調整する。
【0008】逆に、Y偏向コイルの偏向磁場がX軸方向
に歪んでいる場合は、Y軸方向(CRT画面の垂直方
向)に平行なカーソルCをCRT画面上に表示して偏向
歪の調整を行う。また、X軸及びY軸方向のいずれの方
向にも歪んでいる場合は、X軸又はY軸にそれぞれ平行
な2つのカーソルCをCRTの画面上に表示して偏向歪
の調整を行う。
【0009】更に、従来の画像の回転角度調整方法につ
いて説明する。
【0010】図9に示すように走査領域A´B´C´D
´内の正方形の基準マークIIを有する試料が試料ステー
ジの所定の位置に載置されずにX軸から負の方向にθだ
け傾いている場合、CRTの画面上でもX軸から負の方
向にθだけ回転して図10IIa で示すように表示され
る。そこで、CRTの画面上にX軸方向に平行なカーソ
ルCを表示し、基準マークIIa の上部の辺がカーソルC
と平行になるようにX偏向コイルとY偏向コイルに供給
する鋸歯状波電流を調整し、走査領域A´B´C´D´
に対してθだけ回転した走査領域ABCDを得る。この
結果、基準マークIIは図10の基準マークIIb のように
CRT画面上では正方形の上部の辺はX軸と平行になり
傾きが調整される。
【0011】なお、正方形の基準マークIIの回転の状態
によっては、画像の回転角度調整はY軸に平行なカーソ
ルCをCRT画面上に表示して行われる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来の
電子顕微鏡の電子ビーム偏向磁場調整方法では、偏向磁
場の直交度調整や画像の回転角度調整の際、CRT画面
上に基準マーク等の試料画像の他に、調整の基準となる
カーソルを表示しなければならず、そのため回路構成が
複雑になるとともに、調整操作が煩瑣で調整に多くの時
間を要するという問題があった。
【0013】この発明はこのような事情に鑑みてなされ
たもので、その課題は表示装置画面上にカーソルを表示
することなく、基準マークだけで偏向磁場の直交度調整
や画像の回転角度調整を容易に且つ短時間で行うことが
できる電子顕微鏡の電子ビーム偏向磁場調整方法を提供
することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、この発明の電子顕微鏡の電子ビーム偏向磁場調整方
法は、まず、基準マークを有する試料に対して電子ビー
ムを二次元走査し、前記試料を表示装置の画面上に表示
し、次に、前記試料に対して電子ビームを前回の走査方
向と反対方向に二次元走査し、その試料を前記表示装置
の画面上にミラー反転表示して、今回の試料画像と前回
の試料画像とを重ね合わせ、以後、同様の操作を交互に
繰り返し、その間前記表示装置画面上の前記両試料画像
のズレを観察しながら偏向コイルに供給する鋸歯状波信
号を調整して偏向磁場の歪を調整する。
【0015】
【作用】 表示装置の画面上にミラー反転した試料画像
が重畳表示されるので、2つの試料画像の基準マークの
ズレを観察しながら、偏向コイルの偏向磁場の歪を調整
することができる。
【0016】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて説
明する。
【0017】図1は、この発明の一実施例に係る電子ビ
ーム偏向磁場調整方法が使用される走査型電子顕微鏡の
全体構成図である。
【0018】1次電子を放射する電子銃1の下方に、1
次電子を電子ビーム2に収束するコンデンサレンズ3が
配置され、更にコンデンサレンズ3の下方に電子ビーム
2をそれぞれX軸方向、Y軸方向に偏向するX偏向コイ
ル4,7及びY偏向コイル5,6が配置されている。
【0019】X,Y偏向コイル4乃至7の下方には対物
レンズ8を介して試料ステージ9が配置され、この試料
ステージ9にLSI等の試料が載置される。電子ビーム
2に応じて試料から放射される2次電子2aは検出器1
7(例えばフォトマル等)によって捕捉され、この検出
器17は増幅器18を介して画像処理装置19に接続さ
れている。画像処理装置19はCRT(表示装置)20
に接続され、このCRT20は画像処理装置19の画像
信号により試料の画像を表示する。
【0020】一方、後述する4種類の鋸歯状波信号を発
生する走査信号発生装置10の各出力端子X,X´,
Y,Y´は、前記鋸歯状波信号を処理する走査信号処理
回路11に接続されている。この走査信号処理回路11
は、X軸走査信号増幅器12とこのX軸走査信号増幅器
12の出力電圧を電流に変換する電圧/電流変換増幅器
13とを介してX偏向コイル4,7に接続されている。
更に走査信号処理回路11は、Y軸走査信号増幅器15
と、加算器21と、この加算器21の出力電圧を電流に
変換する電圧/電流変換増幅器16とを介してY偏向コ
イル5,6に接続されている。
【0021】X軸走査信号増幅器12及び電圧/電流変
換増幅器13の接続点は、X軸方向とY軸方向の二つの
偏向磁場の直交度を調整する直交度調整回路14の入力
端子に接続されている。この直交度調整回路14は例え
ば可変抵抗器で構成され、その摺動接点は加算器21に
接続されている。
【0022】前記走査信号発生回路10の出力端子Xか
らは、電子ビーム2をX軸方向に偏向するための所定の
周期の鋸歯状波信号をX偏向コイル4,7に出力する。
これに対し、出力端子X´からは電子ビーム2をX軸方
向と反対方向に偏向するための鋸歯状波信号を出力す
る。一方、走査信号発生回路10の出力端子Yからは、
電子ビーム2をY軸方向に偏向するための所定の周期の
鋸歯状波信号をY偏向コイル5,6に出力する。これに
対し出力端子Y´からは、電子ビーム2をY軸方向と反
対方向に偏向するための鋸歯状波信号を出力する。
【0023】前記直交度調整回路14は、走査信号発生
装置10の出力端子X又はX´から出力され、走査信号
処理回路11で処理されてX軸走査信号増幅器12で増
幅される鋸歯状波信号を、図示しないダイヤル等で摺動
接点の位置を調整し、その信号の振幅を調整した信号を
加算器21に供給する。
【0024】次に、上述の構成の走査型電子顕微鏡の動
作を説明する。
【0025】電子銃1から放射された1次電子はコンデ
ンサレンズ3で電子ビーム2に収束され、この電子ビー
ム2はX偏向コイル4,7及びY偏向コイル5,6の発
生する磁場で偏向された後、対物レンズ8で焦点調整が
行われた試料ステージ9上の試料に照射される。
【0026】走査信号処理回路11は、走査信号発生装
置10の出力端子Xから出力される短い周期の鋸歯状波
信号を処理してX軸走査信号増幅器12に供給する。X
軸走査信号増幅器12は、供給された鋸歯状波信号を増
幅し、その出力電圧を電圧/電流変換増幅器13に供給
する。電圧/電流変換増幅器13は、供給された電圧に
応じた鋸歯状波電流をX偏向コイル4,7に供給する。
【0027】同時に、走査信号処理回路11は、走査信
号発生装置10の出力端子Yから出力される長い周期の
鋸歯状波信号を処理してY軸走査信号増幅器15に供給
する。Y軸走査信号増幅器15は、供給された鋸歯状波
信号を増幅し、その出力電圧を電圧/電流変換増幅器1
6に供給する。電圧/電流変換増幅器16は、供給され
た電圧に応じた鋸歯状波電流をY偏向コイル4,7に供
給する。
【0028】このようにして、X偏向コイル4,7及び
Y偏向コイル5,6の発生する磁場により電子ビーム2
をX軸方向及びこれに直交するY軸方向の2次元に走査
し、試料から発生する2次電子を検出器17で捕捉す
る。検出器17の出力信号は、増幅器18で増幅されて
画像処理装置19に供給される。この画像処理装置19
は、増幅器18からの出力信号に応じた画像信号をCR
T20に供給し、前記画像信号に応じたコントラストを
持つ2次元画像をCRT20の画面上に拡大表示する。
走査信号発生装置10から供給される鋸歯状波信号によ
り、CRT20側の電子ビームの走査は電子ビーム2の
走査に同期する。
【0029】勿論この同期には、画像処理装置19にフ
レームメモリを設け、このフレームメモリの読み出し走
査とCRT20側の電子ビームの走査とを同期させ、間
接的にCRT20側の電子ビームの走査と電子ビーム2
の走査とを同期させる場合を含む。
【0030】なお、直交度調整回路14の図示しないダ
イヤルを調整すると、X軸走査信号増幅器12で増幅さ
れた鋸歯状波信号の一部が加算器21に供給され、Y軸
走査信号増幅器15で増幅された鋸歯状波信号に加算さ
れる。このようにして、Y偏向コイルの偏向磁場が変化
し、画像が調整される。
【0031】次に、この発明の一実施例に係る偏向磁場
の直交度調整方法について説明する。 まず、図2に示
すようにX偏向コイル4,7の偏向磁場がY軸方向に歪
んでいて、Y偏向コイル5,6の偏向磁場と直交してい
ない場合の調整方法について説明する。
【0032】この場合、十字形の基準マークIが表示さ
れた基準試料を試料ステージ9上に載せ、その基準試料
上で電子ビーム2を走査すると、図2の走査領域周期A
´B´C´D´内において電子ビーム2が左から右上に
短い周期で、そして上から下に長い周期で1,2,3,
……,N−1,N(N:自然数)とN本走査される。
【0033】同時に走査信号発生装置10からサンプリ
ング信号が画像処理装置19に送られて、CRT20の
画面上でも図3に示すように電子ビームが左から右上
に、そして上から下に1,2,3,……,N−1,N
(N:自然数)とN本同期して走査される。したがっ
て、基準試料表面の基準マークI はCRT20の画面上
では、図3のIaで示すように水平部分が右下がりに傾斜
して表示される。
【0034】次に、走査信号処理回路11が、走査信号
発生装置10の出力端子Yの代わりに、出力端子Yから
出力される鋸歯状波信号と同周期で且つ逆極性の鋸歯状
波信号を出力端子Y´から得て、Y軸走査信号増幅器1
5に供給する。この鋸歯状波信号はY軸走査信号増幅器
15で増幅され、その出力電圧が電圧/電流変換増幅器
16で鋸歯状波電流となりY偏向コイル5,6に供給さ
れる。
【0035】その結果、電子ビーム2は左から右上に短
い周期で、そして今度は下から上に長い周期でN,N−
1,……,3,2,1と走査される(上下のミラー反
転)。CRT20のX軸及びY軸方向の電子ビームの走
査は固定されていて前と同じであるので、基準マークI
はCRT20の画面上では、図3にIbで示すように水平
部分が右上がりに傾斜して表示される。
【0036】このようにして、CRT20の画面上には
水平部分が左上りとなる基準マークIaと右上りとなる基
準マークIbとが重畳表示されることになる(図3参
照)。この画像は所定時間後クリアされ、走査信号処理
回路11は上述の出力端子YとY´の切り替えを所定の
時間間隔で自動的に繰り返す。したがって、CRT20
の画面上に基準マークIa、基準マークIbが交互に現れ、
基準マークIaと基準マークIbとが重畳して表示される。
【0037】そこで、CRT20の上述の画像を観測し
ながら、直交度調整回路14のダイヤルでY偏向コイル
5,6の偏向磁場を変化させて、前述の基準マークIaと
基準マークIbとが一致するように調整する。このように
して、Y偏向コイル5、6の偏向磁場とX偏向コイル
4,7の偏向磁場とが直交し、基準マークIは図3の破
線で示すようにCRT20の画面上で偏向歪みのない画
像になる。
【0038】逆に、Y偏向コイル5、6の偏向磁場がX
軸方向に歪んでいる場合、又は偏向磁場がX軸方向、Y
軸方向のいずれの方向にも歪んでいる場合も同様に直交
度調整回路14のダイヤルを調整することによりY偏向
コイルの偏向磁場を変化させて偏向歪みをなくすことが
できる。
【0039】更に、この発明の一実施例に係る画像の回
転角度調整方法について説明する。
【0040】前述の偏向磁場の直交度調整方法と同様に
図4に示すように走査領域A´B´C´D´内におい
て、電子ビームが左から右上に短い周期で、そして上か
ら下に長い周期で1,2,3、……,N−1,Nと走査
されると、CRT20の画像上でも図5に示すように電
子ビームが左から右上に、そして上から下に1,2,
3,……,N−1,Nと同期してN本走査される。
【0041】したがって、図4に示すように走査領域A
´B´C´D´内で、正方形の基準マークIIがX軸から
θだけ負の方向に傾いているときには、CRT20の画
面上でも基準マークIIは図5にIIa で示すようにCRT
20のX軸からθだけ負の方向に傾いている。
【0042】次に、走査信号処理回路11は走査信号発
生装置10の出力端子Xの代わりに、出力端子Xから出
力される鋸歯状波信号と同周期で且つ逆極性の鋸歯状波
信号を出力端子X´から得て、X軸走査信号増幅器12
に供給する。この鋸歯状波信号はX軸走査信号増幅器1
2で増幅され、その出力電圧が電圧/電流変換増幅器1
3で鋸歯状波電流となりX偏向コイル4,7に供給され
る。
【0043】その結果、電子ビーム2は前とは逆に右か
ら左に短い周期で、そして前と同様に上から下に長い周
期で走査される(左右のミラー反転)。CRT20のX
軸及びY軸方向の電子ビームの走査は固定されていて前
と同じであるので、基準マークIIはCRT20の画面上
では、図5にIIb で示すようにCRT20の水平方向か
らθだけ正の方向に傾むいて表示される。
【0044】このようにして、CRT20の画面上には
負の方向に角度θだけ傾く基準マークIIa と正の方向に
角度θだけ傾く基準マークIIb とが互いにズレた画像と
なる(図5参照)。この画像は所定時間後クリアされ、
走査信号処理回路11は上述の出力端子XとX´の切り
替えを所定の時間間隔で自動的に繰り返す。したがっ
て、基準マークIIa 、基準マークIIb が交互に現れ、基
準マークIIa と基準マークIIb とが所定時間重畳して表
示される。
【0045】そこで、CRT20の上述の画像を観測し
ながら、走査信号処理回路11によりX偏向コイルとY
偏向コイルの偏向磁場を変化させて、前述の基準マーク
IIaと基準マークIIbとが一致するように調整する。
【0046】基準マークIIa と基準マークIIbとが一致
したときには、走査領域A´B´C´D´に対してθだ
け回転した走査領域ABCDとなり、そのときのX軸方
向の走査方向により図6に示すようにX軸方向に傾きが
ない基準マークIIa 又は基準マークIIbとなる。
【0047】以上のようにこの実施例の電子顕微鏡の電
子ビーム偏向磁場調整方法によれば、基準マークI又は
IIだけで偏向磁場の直交度調整や画像の回転角度調整が
できるので、CRT20の画面上に基準マークI又はII
の他にカーソルCを表示する必要がなくなる。また、重
畳表示された基準マークIa,Ib又はIIa ,IIb の画像の
ズレを観察しながら偏向磁場の直交度調整や画像の回転
角度調整することができる。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、この電子顕微鏡の
電子ビーム偏向磁場調整方法によれば、表示装置の画面
上にミラー反転した試料画像が重畳表示されるので、2
つの試料画像の基準マークのズレを観察しながら、偏向
コイルの偏向磁場の歪を調整することができる。したが
って、磁場の直交度や画像の回転角度等の調整を容易且
つ迅速に行うことができる。また、表示装置の画面上に
基準マークの他にカーソルを表示する必要がないので、
そのための回路が不要になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明の一実施例に係る電子ビーム偏
向磁場調整方法が使用される走査型電子顕微鏡の全体構
成図である。
【図2】図2は試料ステージ上に基準マークIを有する
試料が載置されているときの電子ビームの走査領域を示
す説明図である。
【図3】図3は図2に示す走査領域に対応するCRTの
画像を示す説明図である。
【図4】図4は試料ステージ上に基準マークIIを有する
試料が載置されているときの電子ビームの走査領域を示
す説明図である。
【図5】図5は図4に示す走査領域に対応するCRTの
画像を示す説明図である。
【図6】図6は画像の回転角度調整が終了したときのC
RTの画像を示す説明図である。
【図7】図7は試料ステージ上に基準マークIを有する
試料が載置されているときの走査領域を示す説明図であ
る。
【図8】図8は図7に示す走査領域に対応するCRTの
画像を示す説明図である。
【図9】図9は試料ステージ上に基準マークIIを有する
試料が載置されているときの走査領域を示す説明図であ
る。
【図10】図10は図9に示す走査領域に対応するCR
Tの画像を示す説明図である。
【符号の説明】
2…電子ビーム 4,7…X偏向コイル 5,6…Y偏向コイル 10…走査信号発生装置 11…走査信号処理回路 12…X軸走査信号増幅器 13,16…電圧/電流変換増幅器 14…直交度調整回路 15…Y軸走査信号増幅器 20…CRT

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 まず、基準マークを有する試料に対して
    電子ビームを二次元走査し、前記試料を表示装置の画面
    上に表示し、 次に、前記試料に対して電子ビームを前回の走査方向と
    反対方向に二次元走査し、その試料を前記表示装置の画
    面上にミラー反転表示して、今回の試料画像と前回の試
    料画像とを重ね合わせ、 以後、同様の操作を交互に繰り返し、その間前記表示装
    置画面上の前記両試料画像のズレを観察しながら偏向コ
    イルに供給する鋸歯状波信号を調整して偏向磁場の歪を
    調整することを特徴とする電子顕微鏡の電子ビーム偏向
    磁場調整方法。
JP4003983A 1992-01-13 1992-01-13 電子顕微鏡の電子ビーム偏向磁場調整方法 Pending JPH05190130A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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