JPH05189799A - 光学的情報記録装置及びそれに用いる半導体レーザの駆動方法 - Google Patents

光学的情報記録装置及びそれに用いる半導体レーザの駆動方法

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JPH05189799A
JPH05189799A JP4021579A JP2157992A JPH05189799A JP H05189799 A JPH05189799 A JP H05189799A JP 4021579 A JP4021579 A JP 4021579A JP 2157992 A JP2157992 A JP 2157992A JP H05189799 A JPH05189799 A JP H05189799A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 1つの半導体レーザを用いてのダイレクトベ
リファイを可能とした光学的情報記録装置及び半導体レ
ーザの駆動方法を提供する。 【構成】 光学的情報記録媒体に光ビームを照射して情
報を光学的に記録する光学的情報記録装置において、互
いに異なるエネルギー準位を有する少くとも2つの発光
層からなる活性層を備えた半導体レーザと、この半導体
レーザを記録信号に応じて互いに異なる波長の記録用光
出力と再生用光出力で発振させるレーザ駆動手段と、こ
の記録用光出力と再生用光出力を波長により屈折角また
は回折角を変えて前記記録媒体の情報トラック上に記録
用光スポットと再生用光スポットを所定間隔を置いて位
置させるための波長分散素子とを設け、前記記録用光ス
ポットで情報を記録すると共に、再生用光スポットでそ
の記録情報を再生してベリファイを行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は情報記録媒体に光学的に
情報を記録する光学的情報記録装置に関し、特に光源で
ある1つの半導体レーザを用いて記録と同時のダイレク
トベリファイを行う光学的情報記録装置及びそれに用い
る半導体レーザの駆動方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、光学的情報記録装置においては、
情報の記録動作は消去、記録、ベリファイの3つのプロ
セスが必要であり、記録媒体がディスク状のものであっ
た場合は、それぞれのプロセスにディスクの1回転を要
していた。そのため、情報の記録に長時間を要し、この
問題を解決するために様々な研究がなされている。例え
ば、旧データの上から新たなデータを重ね書きするオー
バライト記録方式が知られており、この方式によれば消
去プロセスを要することなく直接情報の記録が行えるた
め、その分記録時間を短縮することができる。また、最
近では記録と同時にベリファイを行うというダイレクト
ベリファイが試みられている。このダイレクトベリファ
イと前述のオーバライト方式を併用すれば、ディスクの
1回転で消去、記録、ベリファイを全て同時に行え、記
録時間を従来の1/3に短縮することができる。ダイレ
クトベリファイの方式としては、例えば情報トラック上
に記録用光スポットと再生用光スポットを前後して照射
し、先行する記録用光スポットで情報の記録を行い、そ
の後の再生用光スポットで記録情報を即座に再生すると
いう方式が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら、上
記従来のダイレクトベリファイ方式では、記録用と再生
用の2つの光スポットを作成する場合、光源として2つ
の別々の半導体レーザを使用したり、あるいはアレイ状
の半導体レーザを用いて記録と再生の光スポットを作成
しているために、2つの光スポットの位置調整、即ち光
学系の調整が極めて難しくなるという問題があった。ま
た、アレイ状の半導体レーザを使用した場合、半導体レ
ーザ素子の熱干渉の問題により素子の間隔をつめられ
ず、2つの光スポットをあまり近づけられないために、
光学系の性能が充分に得られないという問題があった。
【0004】本発明は、このような問題点を解消するた
めになされたもので、その目的は1つの半導体レーザを
用いてダイレクトベリファイを行えるようにした光学的
情報記録装置及びそれに用いる半導体レーザの駆動方法
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、光学的
情報記録媒体に光ビームを照射して情報を光学的に記録
する光学的情報記録装置において、互いに異なるエネル
ギー準位を有する少くとも2つの発光層からなる活性層
を備えた半導体レーザと、この半導体レーザを記録信号
に応じて互いに異なる波長の記録用光出力と再生用光出
力で発振させるレーザ駆動手段と、この記録用光出力と
再生用光出力を波長により屈折角または回折角を変えて
前記記録媒体の情報トラック上に記録用光スポットと再
生用光スポットを所定間隔を置いて位置させるための波
長分散素子とを設け、前記記録用光スポットで情報を記
録すると共に、再生用光スポットでその記録情報を再生
してベリファイを行うことを特徴とする光学的情報記録
装置によって達成される。
【0006】また、本発明の目的は、互いに異なるエネ
ルギー準位を有する2つの発光層からなる活性層を含み
積層された半導体レーザにおいて、前記半導体レーザの
第1の発振波長の第1のしきい値電流よりも大きい第1
の駆動電流と、前記第1の駆動電流よりも大きい第2の
発振波長の第2のしきい値電流よりも大きく、かつ第1
の発振波長の光出力がゼロとならない第2の駆動電流と
を選択的に流すことを特徴とする半導体レーザの駆動方
法によって達成される。
【0007】更に、本発明の目的は、互いに異なるエネ
ルギー準位を有する2つの発光層からなる活性層を含み
積層された半導体レーザにおいて、第1の発振波長の第
1のしきい値電流以下の第1の駆動電流と、第1のしき
い値電流よりも大きい第2の発振波長の第2のしきい値
電流近傍の第2の駆動電流と、第2のしきい値電流より
も十分に大きい第3の駆動電流との3つの駆動電流のう
ち、いずれか1つを高速にかつ選択的に流すことを特徴
とする半導体レーザの駆動方法によって達成される。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
して詳細に説明する。図1は本発明の光学的情報記録装
置の一実施例を示した構成図である。図1において、1
は情報記録媒体であるところの光磁気ディスク、2はこ
のディスク1上に照射される光ビームを微小光スポット
に絞るための対物レンズである。3は光磁気ディスク1
への入射光束と反射光束を分離するための偏光ビームス
プリッタ、4はビーム整形プリズム、5はコリメータレ
ンズ、6は記録、再生光源として設けられた半導体レー
ザである。半導体レーザ6の具体的な構造及び特性につ
いては、詳しく後述する。22は半導体レーザ6を駆動
するための半導体レーザ駆動回路で、半導体レーザ6を
記録信号に応じて互いに波長の異なる記録用光出力と再
生用光出力で発振させるよう駆動する。再生用光出力は
ベリファイ用光ビームとして使用するもので、波長λ1
(830nm)の情報が記録されない程度の一定光出力
である。また、記録用光出力は波長λ2 (780nm)
の情報信号によって変調された高強度の変調光出力であ
る。半導体レーザ駆動回路22の具体的な構成及び動作
は詳しく後述する。
【0009】7は波長選択性を有する膜が形成されたダ
イクロイックプリズムで、ベリファイ用光ビームである
λ1 の波長光を偏光ビームスプリッタ8側へ透過し、記
録用光ビームであるλ2 の波長光を1/2波長板16側
へ反射する。また、10は1/2波長板、11は偏光ビ
ームスプリッタ、12及び14は集光レンズ、13及び
15は受光素子で、記録媒体が光磁気材料であるときの
一般的な差動検出光学系が構成されている。この差動検
出光学系では、λ1 の波長光であるベリファイ用光ビー
ムの反射光を差動検出し、ベリファイ用の信号を再生す
る。もちろん、この光学系は通常再生時の情報再生にも
使用される。なお、記録媒体が相変化メディアである場
合は、集光レンズ12と受光素子13だけでよい。一
方、偏光ビームスプリッタ8で反射された光束9は、図
示しない制御光学系へ導かれ、オートフォーカスやオー
トトラッキングのためのサーボエラー信号を得るのに使
用される。更に、1/2波長板16、偏光ビームスプリ
ッタ17、集光レンズ18及び20、受光素子19及び
21は、λ2 の波長光を差動検出するための光学系であ
る。通常、λ2 の波長がλ1 の波長よりも短い場合は、
光磁気ディスク1上の波長λ2 の光スポットは波長λ1
の光スポットよりも小さくなり、λ2 の波長光のほうが
再生能力が高くなる。従って、上記光学系はこういう場
合に再生能力を高めるために使用するもので、必らずし
も必要ではない。
【0010】次に、半導体レーザ6の具体的な構成につ
いて説明する。本実施例の半導体レーザとしては、例え
ば2つの異なる組成または幅の量子井戸層からなる活性
層の半導体レーザが使用できる。図2は半導体レーザ6
の断面構造を示した図、図3は半導体レーザの活性層付
近のエネルギーバンドを示した図である。図2、図3に
示すように、この半導体レーザの構造としては、80Å
GaAs井戸(第2発光層)301と60Å Al
0.12Ga0.88As井戸(第1発光層)302が300Å
Al0.36Ga0.64As障壁303により隔てられてお
り、その上下は500Å GRIN Al0.3 Ga0.7
As−Al0.5 Ga0.5 As光・キャリアの閉じ込め層
(SCH層)304,305ではさまれている。また、
レーザの膜構成は、図2に示すようにn+ −GaAs基
板310上に0.5μmのn+ −GaAsバッファ層3
08、1.5μmのn−Al0.5 Ga0.5 As下部クラ
ッド層306、SCH層304、井戸層302、障壁層
303、井戸層302、SCH層305、1.5μmの
p−Al0.5 Ga0.5 As上部クラッド層307、0.
5μmのp+ −GaAsキャップ層309が分子線エピ
タキシャル法により積層されている。そして、p側には
Au/Cr電極311、n側にはAu−Ge/Au電極
312が蒸着され、オーミックコンタクトをとってアロ
イ化してある。なお、活性層付近の304,301,3
03,302,305は全てドーピングを行っていな
い。
【0011】ここで、電極312,311間に電流を流
すと、電子eは、第1発光層302及び第2発光層30
1に注入され、まず第1発光層302中で電子eと正孔
hとの再結合が生じ、波長λ1 (830nm)の光が誘
導放出される。次に、注入電流を増していくと、第2発
光層301中でも電子eと正孔hとの再結合が生じ、波
長λ2 (780nm)の光が誘導放出される。更に注入
電流を増加すると、波長λ1 の発振は停止し、波長λ2
の光のみが発光する。上記の如き電流−光出力特性の概
略を図4に示す。図4において、Iは電流、P1 ,P2
はそれぞれ波長λ1 ,λ2 の光の出力を示す。電流Iを
増加していくと、まず第1のしきい値電流I=Ithで波
長λ1 の光が発振し、続いて第2のしきい値電流I=I
1 で波長λ2 の光が発振する。さらに電流を増していく
と、I=I2 で波長λ1 の光が発振を停止し、波長λ2
の光のみが発振する。
【0012】図5は本発明の半導体レーザの駆動方法に
用いる半導体レーザ駆動回路の具体例を示した回路図で
ある。なお、この実施例は記録媒体からの反射光のノイ
ズを低減するために、半導体レーザを高周波駆動する駆
動回路に適用した例である。図5において、205は演
算増幅器、206はチョークコイル、207は高周波の
発振器である。入力端子201には光磁気ディスク1に
記録される記録信号が入力され、入力端子202には図
示しない制御部から再生パワー設定信号が入力される。
また、半導体レーザ6には常時発振器207から例えば
数100MHzの高周波の所定振幅正弦波信号(図示の
3 −I1 またはI1 −I0 )や、あるいは矩形波の駆
動信号が供給される。チョークコイル206はこの駆動
電流が演算増幅器205側へ漏れ込まないように設けて
ある。なお、図中R1は抵抗器、RV1及びRV2は半
固定抵抗器、Cはコンデンサを示す。上記駆動回路で
は、記録信号が“0”であるときは再生状態であるた
め、λ1 の波長光のみ一定光出力で発光させ、λ2 の波
長光は出力をゼロにする必要がある。そこで、再生状態
では入力端子202に再生パワー基準電圧が入力され、
半導体レーザ6が波長光λ1 の再生パワー光出力で発振
するようになっている。この場合、図4に示した駆動電
流I0 とI1 の間で高周波駆動されるように、半固定抵
抗器RV2で調整がなされている。この調整において
は、図1に示した受光素子19または21にλ2 の波長
光の反射光が戻らない最大の駆動電流をみつければよ
い。一方、記録信号が“1”のときは、図4において駆
動電流I1 とI3 の間で高周波駆動されるように半固定
抵抗器RV1で調整がなされている。
【0013】図6に上記半導体レーザ駆動回路の各部の
信号波形を示す。図6(a)は記録信号、図6(b)は
半導体レーザ6の駆動電流である。記録信号が“0”で
ある場合、入力端子201に再生パワー基準電圧が入力
され、半導体レーザ6には図6(c)に示すようにI0
とI1 の間の高周波パルス電流が供給される。このと
き、半導体レーザ6の光出力は図6(c)に示すよう
に、波長λ1 の一定パワー出力となり、波長λ2 の光出
力は図6(d)に示す如くゼロとなる。波長λ1 の光出
力は、記録直後のベリファイ用光ビームとして使用され
る。また、記録信号が“1”である場合は、半導体レー
ザ6には図6(b)に示すようにI1 とI3の間の高周
波駆動電流が供給され、図6(d)に示すように波長λ
2 の高光強度の光出力となる。もちろん、この高強度光
出力は情報の記録に使用される。このとき、電流I1
λ2 の光出力はゼロ、電流I3 で大きなピーク値の光出
力となる。なお、記録信号が“1”のときは、λ1 の光
出力は図6(c)に示す如く再生パワーを維持し、常時
一定の再生パワーの光出力となる。この実施例では、半
導体レーザ6の光出力は高周波の光パルス列であるが、
図1の受光素子13,15の応答速度に比較して十分に
高い周波数であるため、実効的に一定出力とみなしてよ
い。
【0014】次に、図1の実施例に示した光学的情報記
録装置の動作を説明する。まず、情報を記録する場合
は、半導体レーザ駆動回路22に記録信号が入力され、
駆動回路22では記録信号に対応して図6(b)に示し
たような駆動電流を半導体レーザ6に供給する。これに
より、半導体レーザ6は図6(c),(d)に示したよ
うにλ1 ,λ2 の波長光を出力する。半導体レーザ6の
光出力は、λ1 及びλ2の波長について色消しされたコ
リメータレンズ5で平行化された後、ビーム整形プリズ
ム4で光ビームの断面形状が円形状に修正される。この
とき、λ1 とλ2の波長光は波長が異なるために、ビー
ム整形プリズム4の波長分散特性によりプリズム4での
屈折角(または回折角)が異なり、これによって光軸が
互いに平行ではなくなり、λ1 とλ2 の波長光にある一
定の角度θが生じる。ビーム整形プリズム4を射出され
た光ビームは偏光ビームスプリッタ3を透過し、λ1
びλ2 の波長について色消しされた対物レンズ2へ入射
し、ここで微小光スポットに絞られて光ディスク1の記
録面上に照射される。図7に記録面上の光スポットを示
しており、103は波長λ2 の光ビームによる光スポッ
ト、104は波長λ2の光ビームによる光スポットであ
る。光スポット103と104の距離は、前述したビー
ム整形プリズム4による角度をθ、対物レンズ2の焦点
距離をfとすると、ftanθとなる。従って、光スポ
ット103と104は情報トラック上に一定間隔を置い
て結像し、波長λ2 の光スポット103は、先行した位
置に結像し、波長λ1 の光スポット104はその後に続
くことになる。これらの光スポット103,104はト
ラッキング制御やフォーカシング制御がかけられ、記録
面に合焦しつつ情報トラック上を走査する。101はそ
のトラッキング制御用の案内溝を示す。
【0015】光スポット103は波長λ2 の高光強度の
光出力であるため、記録面上に記録ビット102が記録
され、その記録ビット102上を波長λ1 の光スポット
104が走査する。このとき、光スポット103の照射
と図示しない磁気ヘッドからの一定方向の磁界の印加に
よる光変調方式によって情報が記録され、光スポット1
04は再生パワーに設定されているため、情報が記録さ
れることはない。光スポット103,104の記録面か
らの反射光は、対物レンズ2、偏光ビームスプリッタ3
を経由してダイクロイックプリズム7に入射し、ここで
その波長選択特性によりλ1 の波長光のみ、偏光ビーム
スプリッタ8側へ透過する。なお、λ2の波長光は1/
2波長板16側へ導かれる。偏光ビームスプリッタ8で
は、入射光束が2つに分割され、一方が1/2波長板1
0側へ、他方が光束9として図示しない制御光学系へ導
かれる。1/2波長板10へ導かれた光束は、偏光ビー
ムスプリッタ11で更に2つに分割され、この分割光束
は集光レンズ12,14を介してそれぞれ受光素子13
及び15で検出される。そして、受光素子13及び15
で検出された信号は、図示しない差動アンプで差動検出
され、光磁気信号として再生される。こうしてλ1 の波
長光の光スポット104が再生され、先行した光スポッ
ト103で記録された記録ビットの情報が再生される。
得られた再生信号は、図示しないベリファイ判定回路へ
送られ、ここで再生信号と記録信号を比較することで情
報が正しく記録できたかどうかを判定するベリファイが
行われる。即ち、記録直後に記録確認を行うというダイ
レクトベリファイが行われる。このように情報トラック
上を光スポット103と104が所定間隔を置いて走査
し、先行する光スポット103の記録情報を後につづく
光スポット104で再生しながら一連の情報の記録が行
われる。もし、この一連の記録過程でベリファイエラー
が検出された場合は、同じ位置に再記録を行ったり、あ
るいは他の代替位置に再記録を行うなどの処理が行われ
る。なお、偏光ビームスプリッタ8で反射された光束9
は制御光学系に導かれ、トラッキング及びフォーカス制
御のためのサーボエラー信号が生成される。そして、図
示しないサーボ制御回路によって光スポットのトラッキ
ング制御やフォーカス制御が行われる。
【0016】また、通常の情報再生を行う場合は、半導
体レーザ駆動回路22は図6(b)に示したI0 からI
1 のパルス駆動電流で半導体レーザ6を駆動する。これ
により、半導体レーザ6は図6(c)に示したようにλ
1 の波長の再生パワーで発光し、光ディスク1の記録面
には図7に示したλ1 の波長光の光スポット104のみ
が照射される。従って、通常再生時には、光スポット1
04が情報トラック上を走査し、その反射光を用いて前
述した再生光学系で再生することにより、情報トラック
上に記録された一連の情報が再生される。
【0017】図8は本発明の半導体レーザの駆動方法に
用いる半導体レーザ駆動回路の他の実施例を示した回路
図である。以上の実施例では、半導体レーザ6を高周波
パルス駆動電流で駆動したが、この実施例では直流的に
半導体レーザ6を駆動し、前記実施例と同様に波長λ1
の再生パワー光出力と、波長λ2 の記録パワー光出力を
得るようにした例である。図8において、記録信号は入
力端子201へ入力され、演算増幅器205で増幅され
た後に、半導体レーザ6へ印加される。ここで記録信号
が“0”であるときは、半導体レーザ6への駆動電流は
演算増幅器205の非反転入力端子の入力電圧に応じた
電流となる。このときの駆動電流は図9に示すIL とな
るように、予め直流電源208の電圧を半固定抵抗器R
V2で調整することで、初期設定がなされている。図9
に示した電流IL は半導体レーザ6を再生パワーで駆動
するための駆動電流であり、このとき半導体レーザ6は
波長λ1 の所定の再生パワーPR の光出力で発振し、波
長λ2 の光は発振しない。一方、記録信号が“1”であ
るときは、半導体レーザ6の駆動電流は、演算増幅器2
05の非反転端子入力電圧と反転端子入力電圧の和に応
じた電流となる。この場合、駆動電流が図9に示すIH
となるように、半固定抵抗器RV1で調整されており、
従ってこのとき波長λ1 の光は再生パワーPR のままで
発振し、波長λ2 の光は記録パワーPW で発振する。
【0018】図10は上記半導体レーザ駆動回路の各部
の信号波形を示した図で、図10(a)は記録信号、図
10(b)は半導体レーザ6の駆動電流である。駆動電
流は前述したように記録信号が“0”のときはIL
“1”のときはIH となり、IL とIH の間で変化す
る。これにより、半導体レーザ6においては、波長λ1
の光は図10(c)に示すように、記録信号に関係なく
常時再生パワーPR で発振し、波長λ2 の光は図10
(d)に示すように、記録信号が“1”のときのみ記録
パワーPW で発振する。従って、本実施例の駆動回路で
あっても、図7に示したようにλ2 の波長光を光スポッ
ト103として結像でき、それに続いてλ1 の波長光を
光スポット104として結像することができ、前記実施
例と同様に1つの半導体レーザを用いてのダイレクトベ
リファイを行うことができる。
【0019】なお、以上の実施例では、光ビームの照射
と磁界印加による光変調方式の装置に実施した例を示し
たが、本発明はこれに限ることなく、光スポットを用い
て光学的に情報を記録する装置であれば適用が可能であ
る。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、1つの半
導体レーザでありながら記録用光スポットと再生用光ス
ポットを情報トラック上に所定間隔を置いて結像させる
ことができ、これによって従来のような煩雑な光学調整
を要することなく、安定度の高いダイレクトベリファイ
を実現できるという効果がある。また、第1の発振波長
の光強度を略一定にしたまま、第2の発振波長の光強度
をオン、オフでき、簡単に半導体レーザを駆動できると
いう効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学的情報記録装置の一実施例を示し
た構成図である。
【図2】図1の実施例に使用される半導体レーザの構造
を示した断面図である。
【図3】その半導体レーザの活性層付近のエネルギーバ
ンドを示した図である。
【図4】その半導体レーザの電流−光出力特性を示した
図である。
【図5】本発明の半導体レーザの駆動方法に用いる半導
体レーザ駆動回路の具体例を示した回路図である。
【図6】その半導体レーザ駆動回路の各部の信号波形を
示した図である。
【図7】記録媒体の記録面に波長の異なる記録用光スポ
ットと再生用光スポットが照射された状態を示した説明
図である。
【図8】本発明の半導体レーザの駆動方法に用いる半導
体レーザ駆動回路の他の実施例を示した回路図である。
【図9】図8の半導体レーザ駆動回路における半導体レ
ーザの駆動電流IL とIH を示した図である。
【図10】図8の半導体レーザ駆動回路の各部の信号波
形を示した図である。
【符号の説明】
1 光磁気ディスク 2 対物レンズ 4 ビーム整形プリズム 6 半導体レーザ 7 ダイクロイックプリズム 13,14 受光素子 22 半導体レーザ駆動回路 103,104 光スポット 205 演算増幅器 207 高周波発振器 301 第2発光層 302 第1発光層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学的情報記録媒体に光ビームを照射し
    て情報を光学的に記録する光学的情報記録装置におい
    て、互いに異なるエネルギー準位を有する少くとも2つ
    の発光層からなる活性層を備えた半導体レーザと、この
    半導体レーザを記録信号に応じて互いに異なる波長の記
    録用光出力と再生用光出力で発振させるレーザ駆動手段
    と、この記録用光出力と再生用光出力を波長により屈折
    角または回折角を変えて前記記録媒体の情報トラック上
    に記録用光スポットと再生用光スポットを所定間隔を置
    いて位置させるための波長分散素子とを設け、前記記録
    用光スポットで情報を記録すると共に、再生用光スポッ
    トでその記録情報を再生してベリファイを行うことを特
    徴とする光学的情報記録装置。
  2. 【請求項2】 互いに異なるエネルギー準位を有する2
    つの発光層からなる活性層を含み積層された半導体レー
    ザにおいて、前記半導体レーザの第1の発振波長の第1
    のしきい値電流よりも大きい第1の駆動電流と、前記第
    1の駆動電流よりも大きい第2の発振波長の第2のしき
    い値電流よりも大きく、かつ第1の発振波長の光出力が
    ゼロとならない第2の駆動電流とを選択的に流すことを
    特徴とする半導体レーザの駆動方法。
  3. 【請求項3】 前記第1の駆動電流を前記半導体レーザ
    に流したときの第1の発振波長の光出力と、前記第2の
    駆動電流を流したときの第1の発振波長の光出力とが等
    しくなるように、第1及び第2の駆動電流を選択したこ
    とを特徴とする請求項2の半導体レーザの駆動方法。
  4. 【請求項4】 互いに異なるエネルギー準位を有する2
    つの発光層からなる活性層を含み積層された半導体レー
    ザにおいて、第1の発振波長の第1のしきい値電流以下
    の第1の駆動電流と、第1のしきい値電流よりも大きい
    第2の発振波長の第2のしきい値電流近傍の第2の駆動
    電流と、第2のしきい値電流よりも十分に大きい第3の
    駆動電流との3つの駆動電流うち、いずれか1つを高速
    かつ選択的に流すことを特徴とする半導体レーザの駆動
    方法。
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