JP2000011421A - 光ディスクの記録再生方法及び光ディスク記録再生装置 - Google Patents

光ディスクの記録再生方法及び光ディスク記録再生装置

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JP2000011421A
JP2000011421A JP11098839A JP9883999A JP2000011421A JP 2000011421 A JP2000011421 A JP 2000011421A JP 11098839 A JP11098839 A JP 11098839A JP 9883999 A JP9883999 A JP 9883999A JP 2000011421 A JP2000011421 A JP 2000011421A
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recording
optical disk
semiconductor laser
optical
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Masahiro Kume
雅博 粂
Yuzaburo Ban
雄三郎 伴
Isao Kidoguchi
勲 木戸口
Ayumi Tsujimura
歩 辻村
Akihiko Ishibashi
明彦 石橋
Yoshiteru Hasegawa
義晃 長谷川
Ryoko Miyanaga
良子 宮永
Satoshi Kamiyama
智 上山
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 波長が400nm以下の短波長の半導体レー
ザ素子を用いて光ディスクへの記録又は再生を行なう場
合であっても、デフォーカスを防止できるようにする。 【解決手段】 半導体レーザ素子12と光ディスク11
との間には、半導体レーザ素子12からのレーザ光を平
行光とするコリメータレンズ13と、コリメータレンズ
13を通った平行光を減衰させる液晶光シャッター14
と、光ディスク11からの反射光を分岐させるビームス
プリッタ15とが設けらている。さらに、コリメータレ
ンズ13により得られた平行光を光ディスク11のデー
タ保持面に集光させる集光レンズ16が設けられてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ光を光記録
媒体に集光して高密度に情報を記録すると共に、記録さ
れた情報を再生する光ディスクの記録再生方法、及び該
記録再生方法を実現する光ディスク記録再生装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】レーザ光をレンズにより光記録媒体上に
回折限界にまで絞り込んで媒体を加熱し、情報を担う微
小マークを媒体の反射率の変化又は磁化の変化として記
録するのが、相変化型(PC)ディスクや光磁気(M
O)ディスクである。このときのレーザ光における回折
限界のスポットサイズは、レーザ光の波長(λ)に比例
するため、記録密度を上げるにはレーザ光の波長を短く
するのが有効である。
【0003】現在、波長が780nmのAlGaAs系
半導体レーザ素子を用いて、直径が12cmの光ディス
クに650メガバイトのデータを記録又は再生できる相
変化型ディスクと、同じく波長が780nmの半導体レ
ーザ素子を用いて、直径が3.5インチの光磁気ディス
クに230メガバイトのデータを記録又は再生する光磁
気ディスクが実用化されている。
【0004】さらに、記録容量を増大させるために、波
長が635nm〜680nmの、より短波長でレーザ発
振するAlGaInP系半導体レーザ素子を用いるシス
テムが開発されており、波長が680nmの半導体レー
ザ素子を用い、直径が3.5インチで記録容量が650
メガバイトの光磁気ディスクが最初に実用化された。ま
た、波長が650nmの半導体レーザ素子を用い、直径
が12cmのディスクに2.6ギガバイトのデータを記
録又は再生可能なDVD−RAMディスクが実用化され
ようとしており、さらに記録容量を4.7ギガバイトま
で増やす検討がなされている。
【0005】一方、半導体レーザ素子の短波長化への開
発も行なわれており、ZnSe系半導体レーザ素子を用
いた波長が510nmの青緑色レーザ光の連続発振、及
びGaN系半導体レーザ素子を用いた波長が410nm
の紫色レーザ光の連続発振の成功が報告されている。従
って、紫色レーザ光を用いることができれば、直径が1
2cmのディスクに15ギガバイトのデータを記録する
ことが可能となり、VTRシステムの代替となる高品位
の映像を記録又は再生可能な光ディスクシステムが実現
する。
【0006】以下、従来の光ディスク記録再生装置につ
いて図面を参照しながら説明する。図3は従来の光ディ
スク記録再生装置における光ピックアップ部を模式的に
表わしている。図3に示すように、半導体レーザ素子5
1から出力されるレーザ光は、コリメータレンズ52に
より平行光とされ、さらに集光レンズ53により光ディ
スク54のデータ保持面に回折限界にまで集光される。
このときの、データ保持面(記録媒体)におけるレーザ
光集光部の温度が上昇することにより結晶とアモルファ
スとの相変化が生じ、この相変化に起因するレーザ光の
反射率の変化に対応させて情報を記録するのが相変化型
光ディスクである。一方、キュリー点以上に温度を上げ
ることにより磁化をいったん消失させ、媒体が冷却する
間に磁界を印加し、記録媒体の磁化の方向によって情報
を記録するのが光磁気ディスクである。この場合の情報
の読み出し(再生)動作は、物質が磁化される方向によ
り光の偏光方向が変化するカー効果を用いている。
【0007】再生時には、光ディスク54から反射され
たレーザ光をビームスプリッタ55により光ディテクタ
56に導いて記録されている情報を読み出す。
【0008】ここで、半導体レーザ素子51から出力さ
れるレーザ光に波長のずれが生じる波長シフトについて
説明する。
【0009】光ディスク54に対して記録を行なう場合
には、記録媒体の温度を上昇させるために、半導体レー
ザ素子51は、出射直後において30mW〜50mW程
度、光ディスク54上において10mW〜20mW程度
の出力値が必要となる。一方、記録された情報を再生す
る場合には、必要な出力値は1mW〜3mW程度であ
り、これ以上の出力値では、記録された情報が破壊され
たり消失したりしてしまうおそれがある。従って、半導
体レーザ素子51は、再生時には低出力の連続発振動作
とし、記録時には高出力で且つ記録信号により変調され
た変調動作とする。このように、光ディスク54の再生
時には半導体レーザ素子51は低出力で動作する一方、
記録時には高出力動作が必要となる。その結果、記録時
には半導体レーザ素子51の駆動電流を増加させる必要
がある。電流に対する光出力の増加の割合は0.5mW
/mA程度であるため、再生時と記録時の電流値の差は
50mA以上にもなる。
【0010】一方、半導体レーザ素子51は、一般に、
AlGaAs又はInGaP等の光半導体材料に形成さ
れ、両端面が平行なミラー面を持つ光共振器(ファブリ
ペロ共振器)を有しており、材料の光利得が最大となる
波長の近傍で且つ共振器の共振条件を満たす波長で発振
する。光利得が最大となる波長は光半導体材料のエネル
ギーギャップEgと一致するが、このエネルギーギャッ
プEgは温度によって変化する。すなわち、温度が高く
なるほどエネルギーギャップEgが小さくなるため、温
度が高くなるにつれて、半導体レーザ素子51の発振波
長は約0.3nm/℃の割合で大きくなる。
【0011】このように、再生時から記録時への電流の
増大によって、半導体レーザ素子51の温度が上昇する
と、発振波長が長くなってしまう。これが波長シフト
(Δλ)であり、周囲温度や半導体レーザ素子51の放
熱状態によっても変わるが、約2nm〜3nm程度の大
きさとなる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本願発明者らは、波長
シフトによって、光ディスク54に対してレーザ光のデ
フォーカス(焦点ずれ)が生じることを確認している。
【0013】図3に示す光ピックアップ部を構成するコ
リメータレンズ52及び集光レンズ53はガラス又はプ
ラスチックからなるが、そのレンズ材料の屈折率は一般
に波長によって変化する。一方、レンズの焦点距離はレ
ンズの屈折率によって変わるため、結果的に、波長が変
化すると焦点距離が変化することになる。これをレンズ
の色収差と呼ぶ。
【0014】図4は焦点距離が3.3mmのレンズの波
長変化に対する焦点距離の変化(μm/nm)の一例を
示している。一般的に、波長が短くなるほど色収差は大
きくなる。図4に示す例では、波長が400nmの場合
には、波長が650nmの場合の3倍程度の色収差が発
生することが分かる。
【0015】光ディスク54の再生時には、図3に示す
レーザ光が常に光ディスク54上に焦点を結ぶように集
光レンズ53を光軸方向に微調整している。これはフォ
ーカスサーボと呼ばれ、ディスク54により反射される
反射光をビームスプリッタ55により光ディテクタ56
に導き、検出された信号に基づきサーボを動作させてい
る。このサーボ動作は、慣性質量が大きい集光レンズ5
3を駆動するため、0.1ms程度の応答速度が必要と
なる。ところが、記録時に電流の増加により半導体レー
ザ素子51の波長が変化してレンズの色収差が発生する
と、レーザ光の光ディスク54上の焦点位置が光軸方向
で変化する。このため、記録時のレーザ光に対してはデ
フォーカス状態となって、集光スポットサイズが広がっ
てしまう。これは、再生動作と記録動作との切替時間が
1μs程度と極めて短時間であるため、フォーカスサー
ボが追随できないからである。このようなことが生じる
と、高密度記録を行なうことが困難となる。
【0016】以上説明したように、波長シフトが大きく
なると、最終的にはデフォーカスが発生してしまうた
め、半導体レーザ素子51は、波長シフトが極力小さく
なるように作製されており、実際には、波長が650n
mの半導体レーザ素子を用いるDVD−RAMにおいて
許容される波長シフトは最大で3nm程度となってい
る。
【0017】しかしながら、本願発明者らは、波長が4
00nmともなれば、許容される波長シフトは1nm以
下であるとの知見を得ており、この場合、ファブリペロ
共振器を持つ半導体レーザ素子においては、たとえ、半
導体レーザ素子の温度を一定値としても、1nm以下に
波長シフトを抑えることは極めて困難である。
【0018】本発明は、波長が400nm以下の短波長
の半導体レーザ素子を用いて光ディスクへの記録又は再
生を行なう場合であっても、デフォーカスを防止できる
ようにすることを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、光ディ
スク記録再生装置において、再生時と記録時とにおいて
半導体レーザ素子に流れる電流値が大きく変化し、この
電流値の変化により半導体レーザ素子の温度が再生時よ
りも記録時の方が高くなり、その結果、波長シフトが発
生するということに着眼した。
【0020】従って、前記の目的を達成するため、本発
明は、再生時の半導体レーザ素子からの出射光の出力値
と記録時の平均出力値とをほぼ同一とすることにより、
再生時と記録時とにおける半導体レーザ素子の温度を同
程度とし、さらに、再生時には、記録されたデータが維
持されるように出力後のレーザ光を減衰させる構成とす
る。
【0021】具体的に、本発明に係る光ディスクの記録
再生方法は、レーザ光発生手段から出力される第1のレ
ーザ光を光ディスクに集光することにより光ディスクに
所望の情報を記録すると共に、レーザ光発生手段から出
力される第2のレーザ光を光ディスクに集光することに
より光ディスクに記録された情報を再生する光ディスク
の記録再生方法を対象とし、第1のレーザ光と第2のレ
ーザ光との間で波長シフトが生じないように、第1のレ
ーザ光の出力値と第2のレーザ光の出力値とを一致させ
ると共に、第2のレーザ光が減衰されてなる第3のレー
ザ光を光ディスクに集光することにより、光ディスクに
記録された情報を再生する。
【0022】本発明の光ディスクの記録再生方法による
と、記録時の第1のレーザ光と、再生時の第2のレーザ
光との間で波長シフトが生じないように、レーザ光発生
手段からの第1のレーザ光の出力値と第2のレーザ光の
出力値とを一致させる。さらに、再生時には、レーザ光
発生手段からの第2のレーザ光が減衰されてなる第3の
レーザ光を光ディスクに照射するため、光ディスクに記
録されたデータが破壊されることがない。
【0023】本発明の光ディスクの記録再生方法におい
て、第2のレーザ光の出力値が第1のレーザ光の出力値
の平均値とほぼ等しいことが好ましい。このようにする
と、記録時の第1のレーザ光自体をデータ変調するよう
な場合であっても、第1のレーザ光の出力値の平均値と
再生時の第2のレーザ光の出力値とをほぼ等しくすれ
ば、波長シフトを確実に防止できる。
【0024】本発明の光ディスクの記録再生方法におい
て、第3のレーザ光は、第2のレーザ光が液晶からなる
光シャッターを透過することによって生成されることが
好ましい。このようにすると、液晶からなる光シャッタ
ーはレーザ光の減衰率を電気的に且つ高速に変更できる
ため、再生時に第2のレーザ光から第3のレーザ光を確
実に生成できる。
【0025】本発明の光ディスクの記録再生方法におい
て、レーザ光発生手段が、波長が600nm帯の赤色レ
ーザ光を出射する半導体レーザ素子又は波長が400n
m帯の青紫色レーザ光を出射する半導体レーザ素子であ
ることが好ましい。
【0026】本発明に係る光ディスク記録再生装置は、
記録時に光ディスクに対して第1のレーザ光を出力する
と共に、再生時に光ディスクに対して第1のレーザ光と
ほぼ等しい出力値の第2のレーザ光を出力するレーザ光
発生手段と、光ディスクとレーザ光発生手段との間に設
けられ、第2のレーザ光の強度を減衰させる減衰手段と
を備えている。
【0027】本発明の光ディスク記録再生装置による
と、レーザ光発生手段が、記録時に光ディスクに対して
第1のレーザ光を出力すると共に、再生時に光ディスク
に対して第1のレーザ光とほぼ等しい出力値の第2のレ
ーザ光を出力するため、記録時と再生時とにおけるレー
ザ光発生手段の温度がほぼ同一となるので、波長シフト
が生じない。さらに、再生時には第2のレーザ光の強度
を減衰させる減衰手段を備えているため、光ディスクに
記録されたデータが破壊されることがない。
【0028】本発明の光ディスク記録再生装置におい
て、減衰手段が液晶からなる光シャッターであることが
好ましい。
【0029】本発明の光ディスク記録再生装置におい
て、レーザ光発生手段が、波長が600nm帯の赤色レ
ーザ光を出射する半導体レーザ素子又は波長が400n
m帯の青紫色レーザ光を出射する半導体レーザ素子であ
ることが好ましい。
【0030】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態について図面
を参照しながら説明する。
【0031】図1は本発明の一実施形態に係る光ディス
ク記録再生装置における光ピックアップ部を模式的に表
わしている。ここでは、光学系が比較的簡単に構成でき
る相変化型光ディスク装置を例に挙げる。図1に示すよ
うに、光ディスク11のデータ保持面に向かって記録又
は再生用のレーザ光を出力する半導体レーザ素子12が
設けられている。半導体レーザ素子12と光ディスク1
1との間には、半導体レーザ素子12側から順に、半導
体レーザ素子12からのレーザ光を平行光とするコリメ
ータレンズ13と、コリメータレンズ13を通った平行
光を減衰させる液晶光シャッター14と、光ディスク1
1からの反射光を分岐させるビームスプリッタ15と、
コリメータレンズ13により得られた平行光を光ディス
ク11のデータ保持面に集光させる集光レンズ16とが
設けられている。また、ビームスプリッタ15により分
岐され、光ディスク11の反射光である読み出し信号及
びサーボ用の信号光を検出する光ディテクタ17を備え
ている。
【0032】液晶光シャッター14は、印加電圧の変化
によって液晶分子の配列が変わることを利用して光の透
過率を変化させる。液晶光シャッター14の代わりに、
電気光学効果や音響光学効果等を用いた減衰器を用いて
もよい。
【0033】以下、前記のように構成された光ディスク
記録再生装置の記録再生方法について図面を参照しなが
ら説明する。
【0034】図2は本実施形態に係る光ディスク記録再
生装置における半導体レーザ素子の動作ごとの出力の様
子を表わしている。
【0035】図2に示すように、まず、記録時には、例
えば、液晶光シャッター14の透過率を最大としてお
き、半導体レーザ素子12には、再生時の第2のレーザ
光Bの光出力値である25mWを中心に、記録信号とし
て光出力値が0mW〜50mWの範囲で変調される記録
光パルス(第1のレーザ光)Aを光ディスク11のデー
タ保持面に集光させる。このとき、記録光パルスのデュ
ーティ比が平均50%であるとすると、半導体レーザ素
子12から出射される第1のレーザ光Aの出力値の平均
値は25mWとなる。
【0036】次に、図2に示すように、再生時には、例
えば、液晶光シャッター14の透過率を10%としてお
き、半導体レーザ素子12に対して、光出力値が25m
Wの連続発振状態で第2のレーザ光Bを発振させること
により、液晶光シャッター14を透過した再生光である
第3のレーザ光Cを生成する。液晶光シャッター14の
透過率を10%程度とすると、光ディスク11に記録さ
れたデータを破壊せずに読み出すことができる。また、
半導体レーザ素子12から出力されるレーザ光は直線偏
光であるため、レーザ光の偏光方向と電圧印加時の液晶
の配列方向とを適当に組み合わせることにより、透過率
の制御を確実に行なえる。
【0037】ここで、記録時のハイデータ値"1"とロー
データ値"0"とが均等でなく偏りがある場合には、すな
わち、デューティ比が50%でない場合には、再生時の
光出力値をピーク出力値とデューティ比との積で調整す
れば、より厳密に波長シフトを抑えることができる。こ
の場合には、再生時においても液晶光シャッター14等
の光減衰器の透過率を調整して、光ディスク11上に集
光するレーザ光の光出力値を変更する必要がある。
【0038】このように、本実施形態によると、記録時
と再生時とにおける半導体レーザ素子12の出力値を一
致させているため、半導体レーザ素子12の温度が再生
時と記録時とにおいて変わらないので、波長シフトの発
生を防止することができる。従って、波長シフトが防止
されるので、再生時と記録時とにおけるデフォーカスを
抑制できる。
【0039】一般に、光ディスク11にデータを記録す
る際には、光ディスク11上の所定の記録領域を検索
(サーチ)する必要があり、このときには、半導体レー
ザ素子12は再生時と同等の第2のレーザ光Bを出力す
る。所定領域が検索できれば、記録光パルスである第1
のレーザ光Aを出力すると共に、該所定領域に対して所
定のデータが書き込まれているか否かの検証(ベリファ
イ)動作を行なう。この検証動作は、すなわち、再生動
作にほかならず、第2のレーザ光Bが出力される。従っ
て、記録動作と再生動作との切り替え処理は極めて高速
に行なう必要がある。
【0040】しかしながら、本実施形態によると、記録
時の第1のレーザ光Aと再生時の第2のレーザ光Bとの
出力値が実質的に同一であるため、レンズの色収差によ
る、記録動作から再生動作又は再生動作から記録動作に
移行するときにデフォーカスが生じない。その結果、光
ディスクのデータ保持面に回折限界の光スポットを確実
に結ばせることができる。なお、本実施形態に係る強誘
電性液晶を用いた液晶光シャッター14は応答速度が1
μs以下であり、実用上問題はない。さらに高速性が必
要であるなら、電気光学効果を用いた光シャッターを用
いればよい。
【0041】また、本実施形態においては、再生時にお
ける半導体レーザ素子12からの出力値と、記録時にお
ける半導体レーザ素子12からの平均出力値と一致する
ようにしたが、必ずしも完全に一致させる必要はなく、
波長シフトが発生しない範囲で一致させればよい。
【0042】また、再生時の光出力値を記録時のパルス
のデューティ比に応じて設定すれば、より確実に波長シ
フトを防止できる。このとき、光ディスク11への記録
は、セクタごとに行なわれるのが一般的であるため、例
えば、セクタごとのデータ群に対するデューティ比を求
め、再生時の光出力値を設定するとよい。
【0043】また、半導体レーザ素子12には、発振波
長が600nm帯の赤色レーザ光を出射する半導体レー
ザ素子又は発振波長が400nm帯の青紫色レーザ光を
出射する半導体レーザ素子を利用できるが、前述したよ
うに、発振波長が短波長となる程、波長シフト量が大き
くなるので、青紫色レーザ光を出射する半導体レーザ素
子の場合には、効果がより顕著となる。従って、記録密
度が15ギガバイトを超えるような高密度光ディスク装
置を実現できる。
【0044】以下、本実施形態に係る光ディスクの記録
再生方法による他の効果を説明する。
【0045】一般に、再生時には半導体レーザ素子12
から出力されるレーザ光のノイズが問題となる。それ
は、光ディスク11からの反射信号光に、半導体レーザ
素子12からのレーザ光のノイズが重畳することによ
り、情報の読み取りエラーが発生するからである。従っ
て、読み取りエラーを防止するために、レーザ光の相対
強度雑音(RIN)を−130dB/Hz以下とする必
要がある。
【0046】図3に示す従来の光ディスク記録再生装置
においては、再生時には半導体レーザ素子51を1mW
〜3mWの出力値で発振させ、この状態で光ディスク5
4から反射してくる反射光がビームスプリッタ55を通
ってその一部が半導体レーザ素子51に戻ってくる。こ
の戻ってくる光の量は0.1%〜1%程度であるが、低
出力状態で発振している半導体レーザ素子51において
は、発振状態が不安定となりやすいため、少量の戻り光
でもノイズが発生する。
【0047】このノイズを抑えるために、従来の装置に
おいては、半導体レーザ素子51に対して周波数が50
0MHz以上の高周波を重畳させることにより、半導体
レーザ素子51の縦モードを単一モードではなくマルチ
モード化している。このようにすると、戻り光の影響を
受け難くすることができる反面、マルチ縦モードの状態
は単一縦モードの場合よりもノイズレベルが高くなり、
−140dB/Hz以下のノイズレベルを得ることは困
難となる。
【0048】これに対して本実施形態においては、再生
時に25mWという高い出力値で半導体レーザ素子12
を動作させるため、単一縦モード発振し、その結果、ノ
イズレベルを−140dB/Hz以下にまで容易に低減
することができる。
【0049】その上、従来よりも高い出力値で半導体レ
ーザ素子12を動作させると、半導体レーザ素子12自
体の発振動作が安定するため、戻り光の影響をも受け難
くできる。さらに、レーザ光の光路に液晶光シャッター
14を設けているため、該液晶光シャッター14によっ
て戻り光も減衰するので、出力光にマルチモード化とす
るための高周波を重畳することなく、−140dB/H
z以下のノイズレベルを確実に実現できる。
【0050】また、光ディスク11を高密度化するため
に波長が短い光を用いる程、現状の光ディテクタ17は
その検出感度が低下するため、半導体レーザ素子12に
要求されるノイズレベルが小さくなり、発振波長が40
0nmの場合には−140dB/Hz以下が必要とな
る。従って、波長が400nmの半導体レーザ素子を光
源に用いる高密度光ディスクに対しても、本実施形態に
係る記録再生方法は、ノイズ低減効果に優れている。
【0051】なお、本実施形態においては、相変化型光
ディスクを用いて説明したが、光磁気ディスクに対して
も同様の記録再生方法を用いることができる。
【0052】すなわち、光磁気ディスクを用いる場合に
は、再生時においては、光磁気ディスクから反射する反
射光の偏光方向を検出することにより情報の"1"と"0"
とを識別し、記録時においては、パルスレーザ光を光磁
気ディスクのデータ保持面に集光すると同時に該データ
保持面に磁気ヘッドによる磁界を印加すればよい。
【0053】
【発明の効果】本発明に係る光ディスクの記録再生方法
によると、レーザ光発生手段から出力される、記録時の
第1のレーザ光の出力値と再生時の第2のレーザ光の出
力値とを一致させるため、波長シフトが生じないので、
波長シフトに起因するデフォーカスを防止できる。ま
た、再生時には、第2のレーザ光が減衰されてなる第3
のレーザ光を光ディスクに照射するため、光ディスクに
記録されたデータが破壊されることがない。また、再生
時の光出力値が従来と比べて大きいため、再生時のレー
ザ光発生手段の出力動作が安定するので、ノイズレベル
を低減できる。
【0054】本発明の光ディスクの記録再生方法におい
て、第2のレーザ光の出力値が第1のレーザ光の出力値
の平均値とほぼ等しいと、記録時の第1のレーザ光自体
をデータ変調するような場合であっても、第1のレーザ
光の出力値の平均値と再生時の第2のレーザ光の出力値
とをほぼ等しくすれば、波長シフトを確実に防止でき
る。
【0055】本発明の光ディスクの記録再生方法におい
て、第3のレーザ光は、第2のレーザ光が液晶からなる
光シャッターを透過することによって生成されると、液
晶からなる光シャッターはレーザ光の減衰率を電気的に
且つ高速に変更できるため、再生時に第2のレーザ光か
ら第3のレーザ光を確実に生成できる。
【0056】本発明の光ディスクの記録再生方法におい
て、レーザ光発生手段が、波長が600nm帯の赤色レ
ーザ光を出射する半導体レーザ素子又は波長が400n
m帯の青紫色レーザ光を出射する半導体レーザ素子であ
ると、短波長を用いた光ディスクの記録密度の高密度化
を実現できる。
【0057】本発明に係る光ディスク記録再生装置によ
ると、記録時と再生時とにおけるレーザ光発生手段の温
度がほぼ同一となるため、波長シフトが生じなくなり、
その結果、波長シフトに起因するデフォーカスを防止で
きる。また、再生時のレーザ光強度を減衰させる減衰手
段を備えているため、光ディスクに記録されたデータが
破壊されることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る光ディスク記録再生
装置における光ピックアップ部を示す模式図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る光ディスク記録再生
装置における半導体レーザ素子の出力動作を示すグラフ
である。
【図3】従来の光ディスク記録再生装置における光ピッ
クアップ部を示す模式図である。
【図4】レンズの波長変化に対する焦点距離の変化(色
収差)を示すグラフである。
【符号の説明】
11 光ディスク 12 半導体レーザ素子(レーザ光発生手段) 13 コリメータレンズ 14 液晶光シャッター(減衰手段) 15 ビームスプリッタ 16 集光レンズ 17 光ディテクタ A 第1のレーザ光 B 第2のレーザ光 C 第3のレーザ光
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木戸口 勲 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 辻村 歩 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 石橋 明彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 長谷川 義晃 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 宮永 良子 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 上山 智 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光発生手段から出力される第1の
    レーザ光を光ディスクに集光することにより前記光ディ
    スクに所望の情報を記録すると共に、前記レーザ光発生
    手段から出力される第2のレーザ光を前記光ディスクに
    集光することにより前記光ディスクに記録された情報を
    再生する光ディスクの記録再生方法であって、 前記第1のレーザ光と前記第2のレーザ光との間で波長
    シフトが生じないように、前記第1のレーザ光の出力値
    と前記第2のレーザ光の出力値とを一致させると共に、 前記第2のレーザ光が減衰されてなる第3のレーザ光を
    前記光ディスクに集光することにより、前記光ディスク
    に記録された情報を再生することを特徴とする光ディス
    クの記録再生方法。
  2. 【請求項2】 前記第2のレーザ光の出力値は、前記第
    1のレーザ光の出力値の平均値とほぼ等しいことを特徴
    とする請求項1に記載の光ディスクの記録再生方法。
  3. 【請求項3】 前記第3のレーザ光は、前記第2のレー
    ザ光が液晶からなる光シャッターを透過することによっ
    て生成されることを特徴とする請求項1に記載の光ディ
    スクの記録再生方法。
  4. 【請求項4】 前記レーザ光発生手段は、波長が600
    nm帯の赤色レーザ光を出射する半導体レーザ素子又は
    波長が400nm帯の青紫色レーザ光を出射する半導体
    レーザ素子であることを特徴とする請求項1に記載の光
    ディスクの記録再生方法。
  5. 【請求項5】 記録時に光ディスクに対して第1のレー
    ザ光を出力すると共に、再生時に前記光ディスクに対し
    て前記第1のレーザ光とほぼ等しい出力値の第2のレー
    ザ光を出力するレーザ光発生手段と、 前記光ディスクと前記レーザ光発生手段との間に設けら
    れ、前記第2のレーザ光の強度を減衰させる減衰手段と
    を備えていることを特徴とする光ディスク記録再生装
    置。
  6. 【請求項6】 前記減衰手段は液晶からなる光シャッタ
    ーであることを特徴とする請求項5に記載の光ディスク
    記録再生装置。
  7. 【請求項7】 前記レーザ光発生手段は、波長が600
    nm帯の赤色レーザ光を出力する半導体レーザ素子又は
    波長が400nm帯の青紫色レーザ光を出力する半導体
    レーザ素子であることを特徴とする請求項5に記載の光
    ディスク記録再生装置。
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