JPH0518901U - 空気入りタイヤ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 ブレーカーを構成するブレーカー層数を少な
くすることができ、重量を軽減するとともに、プライス
テアの発生を防止することができ、操安性を向上させる
ことのできる空気入りタイヤを提供する。 【構成】 トレッド２に埋設されたブレーカー７を備え
た空気入りタイヤにおいて、ブレーカーを鉄、アルミニ
ウム、プラスチック、ＦＲＰ等の材質から成る板に円
形、円筒形、多角形等の孔を均一に多数穿設した多孔板
で形成したもので、ブレーカー層数を少なくすることが
でき、重量を軽減するとともに、プライステアの発生を
防止し、操安性を向上させ、製造工程を簡略化すること
ができる。さらに、ブレーカーの幅Ｂをタイヤ最大幅Ｗ
の50〜90％とすることで、ブレーカーのタガ効果を確保
し、孔の開口総面積をブレーカーの片側表面積の10〜40
％とすることにより、ゴムとの接着性並びに剛性を確保
することができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、環状のトレッド部と、トレッド部の両端から半径方向に延びる一対 のサイドウォールと、サイドウォールの半径方向内端に形成され、リムに嵌合す る環状のビード部とから成り、トレッド部に埋設されたブレーカーを有する空気 入りタイヤに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の空気入りタイヤにおいては、トレッド部に埋設されるブレーカーが、タ イヤの円周方向に対して所定の角度を有する複数本の繊維またはスチール製等の コードをタイヤの回転軸方向に並べて設置し、ゴムで固めてなるブレーカー層を 複数層重合させて形成され、コードのタイヤの円周方向に対する角度が隣接する ブレーカー層のコードと反対方向の角度を有するように配置されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところが従来の空気入りタイヤにおいては、ブレーカーを構成するコードがタ イヤの円周方向に対して所定の角度を有するために、タイヤに空気圧が充填され て荷重がかかった時に、コードの配列方向が円周方向に一致するようにブレーカ ーに張力がかかり、プライステアが発生するという問題があった。

【０００４】 本考案の目的は、ブレーカーを構成するブレーカー層数を少なくすることがで き、重量を軽減するとともに、プライステアの発生を防止することができ、操安 性を向上させることのできる空気入りタイヤを提供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案の空気入りタイヤは、環状のトレッド部と、トレッド部の両端からタイ ヤ半径方向に延びる一対のサイドウォールと、サイドウォールのタイヤ半径方向 内端に形成されたリムに嵌合する環状のビード部とから成り、トレッド部に埋設 されたブレーカーを備えた空気入りタイヤにおいて、ブレーカーを鉄、アルミニ ウム、プラスチック、ＦＲＰ等の材質から成る板に円形、円筒形、多角形等の孔 を均一に多数穿設した多孔板で形成したものであり、ブレーカーを構成するブレ ーカー層数を少なくすることができ、重量を軽減するとともに、プライステアの 発生を防止し、操安性を向上させ、製造工程を簡略化することができる。 さらに、ブレーカーの幅をタイヤ最大幅の50〜90％とすることで、ブレーカー のタガ効果を確保し、孔の開口総面積をブレーカーの片側表面積の10〜40％とす ることにより、ゴムとの接着性並びに剛性を確保することができる。

【０００６】

【実施例】

本考案の実施例を図１乃至図３を参照して説明する。 図１において、空気入りタイヤ１は、環状トレッド２と、環状トレッド２の両 端からタイヤ半径方向に延びる一対のサイドウォール３，３と、サイドウォール ３のタイヤ半径方向内端に形成された環状のビード部４とを備え、ビード部４内 にはビードワイヤ５が埋設され、環状トレッド２と両サイドウォール３，３とを 貫通し、両ビート部４，４内に両端が巻き上げられたカーカス６が設けられ、環 状トレッド２内のカーカス６の外側に環状のブレーカー７が配設されており、ビ ード部４がリム８に嵌合されている。

【０００７】 図２及び図３において、ブレーカー７は矩形の孔71を有する多孔板で形成され ており、矩形孔71はその各辺がタイヤ円周方向に対して所定の角度θを成すよう に設けられ、ブレーカー７全体に均一に穿設されている。 また、図４に示すように、ブレーカー70が、円孔710 を多数均一に穿設して成 る多孔板で形成しても良いものである。

【０００８】 ここで、ブレーカーを構成する多孔板は、鉄、アルミニウム、プラスチック、 ＦＲＰ等の材質から成る板に円形、円筒形、多角形等の孔を均一に多数穿設した ものである。

【０００９】 この構成により、ブレーカーを構成するブレーカー層数を少なくすることがで き、タイヤの重量を軽減することができるとともに、プライステアの発生を防止 することができ、製造工程を簡略化することができる。 さらに、操安性を確保することができ、トレッドのゴムゲージを厚く形成する ことができるから、乗り心地性能が向上し、ロードノイズが軽減される。

【００１０】 また、ブレーカー７の幅Ｂをタイヤ最大幅Ｗの50〜90％に形成することにより タガ効果を確保することができ、ブレーカー幅Ｂがタイヤ最大幅Ｗの50％未満で はブレーカーのタガ効果が不足し、90％を超えると環状トレッド２の両端近くの ショルダー部が破壊されやすくなる。

【００１１】 さらに、孔71の開口総面積をブレーカー７の片側表面積の10〜40％とすること により、ゴムとの接着性並びに剛性を確保することができ、10％未満ではゴムと の接着性が劣化し、また40％を超えるとブレーカーの剛性が不足する。

【００１２】

【考案の効果】

本考案は上述のとおり構成されているから以下に述べる効果を奏する。 ブレーカーを多孔板で形成したことにより、ブレーカーを構成するブレーカー 層数を少なくし、タイヤの重量を軽減することができるとともに、プライステア の発生を防止することができ、製造工程を簡略化することができる。 さらに、操安性を確保することができ、トレッドのゴムゲージを厚く形成する ことができるから、乗り心地性能が向上し、ロードノイズが軽減される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案を適用した空気入りタイヤの幅方向断面
図である。

【図２】本考案のブレーカーの実施例を示す一部切欠斜
視図である。

【図３】本考案のブレーカーの実施例を示す平面図であ
る。

【図４】本考案のブレーカーの異なる実施例を示す平面
図である。

【符号の説明】

１ 空気入りタイヤ ２ 環状トレッド ３ サイドウォール ４ ビード部 ５ ビードワイヤ ６ カーカス ７ ブレーカー ８ リム

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 環状のトレッド部と、トレッド部の両端
   からタイヤ半径方向に延びる一対のサイドウォールと、
   サイドウォールのタイヤ半径方向内端に形成されたリム
   に嵌合する環状のビード部とから成り、トレッド部に埋
   設されたブレーカーを備えた空気入りタイヤにおいて、
   ブレーカーを孔を均一に多数穿設した多孔板で形成した
   ことを特徴とする空気入りタイヤ。
2. 【請求項２】 ブレーカーの幅をタイヤ幅の50〜90％と
   し、孔の開口総面積をブレーカーの片側表面積の10〜40
   ％としたことを特徴とする請求項１に記載された空気入
   りタイヤ。