JPH05188638A - トナー用樹脂組成物 - Google Patents

トナー用樹脂組成物

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JPH05188638A
JPH05188638A JP4004687A JP468792A JPH05188638A JP H05188638 A JPH05188638 A JP H05188638A JP 4004687 A JP4004687 A JP 4004687A JP 468792 A JP468792 A JP 468792A JP H05188638 A JPH05188638 A JP H05188638A
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JP
Japan
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molecular weight
resin
toner
weight distribution
polymer
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JP4004687A
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English (en)
Inventor
Takuo Suzuki
卓夫 鈴木
Tsunehiro Masaoka
恒博 正岡
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ランニング時の画像カブリを生じることがな
く、低温定着性、耐オフセット性及び非凝集性に優れた
トナー用樹脂組成物を得る。 【構成】 ビニル系共重合体を主成分とし、分子量5万
以上の重合体を50重量%以上含有し、ゲルパーミエー
ションクロマトグラフィーで測定された分子量分布にお
いて、分子量分布ピークの裾が分子量3000以下及び
分子量80万以上に存在し、かつ最大ピーク高さを10
0とした時に、分子量5万の位置の高さが30以上であ
ることを特徴とするトナー用樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビニル系共重合体を主
成分とし、かつ電子写真等に使用されるトナー用樹脂組
成物に関し、より詳しくは、静電荷像現像方式のうちの
いわゆる乾式現像方式に用いられるトナー用樹脂組成物
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真等において静電荷像を現
像する方式として、乾式現像方式が多用されている。乾
式現像方式では、摩擦により帯電したトナーが、電気的
引力により感光体上の静電潜像に被着されてトナー像が
形成され、次に、該トナー像が用紙等の転写材上に転写
され、さらに熱ロール等により定着されて永久可視像と
される。通常、トナーは、染料もしくは顔料等の着色材
等を結着用のトナー用樹脂組成物に分散させたものを、
キャリアーと称されている鉄粉等と混合してなる2成分
現像剤、あるいは上記着色材が分散されたトナー用樹脂
組成物にマグネタイト等の磁性体粒子を分散させた磁性
トナーとして構成されている。
【0003】定着方法としては、トナーに対して離型性
を有する材料により表面が形成されている加熱ローラー
の該表面に、用紙のトナー像が形成されている側の面を
圧接させつつ該用紙を通過させることにより行う、加熱
ローラー法が多用されている。加熱ローラー法では、消
費電力を節約するために、並びに複写速度を高めるため
に、より低温で定着可能なトナー用樹脂組成物が求めら
れている。そこで、従来、より低い温度で定着可能なト
ナーが、種々検討されている。
【0004】例えば、軟化点の低いトナー用樹脂組成物
を用いることにより、定着可能温度を低下することを可
能としたトナーが提案されている。しかしながら、この
ようなトナー用樹脂組成物を用いた場合には、定着時に
トナーの一部が加熱ローラーの表面に移行し、移行した
トナーが次に送られてくる用紙に付着して画像を汚すと
いう現象(以下、オフセット現象)が発生しやすく、か
つトナーが凝集しやすくなるという問題があった。そこ
で、耐オフセット性等を改善するために、トナー用樹脂
を低分子量の重合体成分と高分子量の重合体成分とから
なる樹脂により構成する技術が提案されている(特開昭
56−158340号、特開昭58−202455号
等)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、
複写機、ファクシミリ及びプリンター等の小型化に伴っ
て、これらの装置内の現像機も小型化が進行しており、
その結果、トナーとキャリアーとが狭い現像機内におい
て攪拌されることになるため、トナーが現像機内で過粉
砕され、ランニング時に画像カブリが発生するという現
象が問題となってきている。そして、上記先行技術に記
載されているトナー用樹脂組成物を用いた場合において
も、このランニング時の画像カブリ等を含む全ての問題
を解決することはできなかった。
【0006】本発明の目的は、上述した従来のトナー用
樹脂組成物の欠点を解消し、ランニング時に画像カブリ
を起すことがなく、低温定着性、耐オフセット性及び非
凝集性に優れたトナーを与え得るトナー用樹脂組成物を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のトナー用樹脂組
成物は、ビニル系共重合体を主成分とするトナー用樹脂
組成物において、分子量5万以上の重合体を50重量%
以上含有し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
(以下、GPCと略す。)で測定された分子量分布曲線
において、分子量分布の裾が分子量3000以下及び8
0万以上に存在し、かつ最大ピーク高さを100とした
時に、分子量5万の位置の高さが30以上であることを
特徴とするトナー用樹脂組成物である。また、本発明に
かかるトナーは、着色材と、上記トナー用樹脂組成物と
を主成分として含有していることを特徴とする。以下、
本発明のトナー用樹脂組成物及びトナーの詳細につき説
明する。
【0008】ビニル系共重合体 本発明に用いられるビニル系共重合体としては、スチレ
ン系単量体、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エ
ステル単量体を構成単位とするものが好ましい。上記ス
チレン系単量体の具体的な例としては、スチレンの他
に、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メ
チルスチレン、α−メチルスチレン、p−エチルスチレ
ン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレ
ン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシル
スチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ドデシ
ルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチ
レン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン
等を挙げることができる。
【0009】上記アクリル酸エステルまたはメタクリル
酸エステル単量体の具体的な例としては、アクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリ
ル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n
−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチ
ルヘキシル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタ
クリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタク
リル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリ
ル酸ステアリル等のアクリル酸またはメタクリル酸のア
ルキルエステルの他、アクリル酸2−クロルエチル、ア
クリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタ
クリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチ
ル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸
2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸グリシジル、ビス
グリシジルメタクリレート、ポリエチレングリコールジ
メタクリレート、メタクリロキシエチルホスフェート等
を挙げることができ、アクリル酸エチル、アクリル酸プ
ロピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタ
クリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸
ブチル等が特に好ましく用いられる。
【0010】さらに、本発明において用いられるその他
のビニル系単量体としては、アクリル酸、メタクリル
酸、α−エチルアクリル酸、クロトン酸等のアクリル酸
及びそのα−あるいはβ−アルキル誘導体、フマル酸、
マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸等の不飽和ジカ
ルボン酸並びにそのモノエステル誘導体及びジエステル
誘導体、コハク酸モノアクリロイルオキシエチルエステ
ル、コハク酸モノメタクリロイルオキシエチルエステ
ル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル
アミド等を挙げることができる。
【0011】分子量分布 本発明のトナー用樹脂組成物は、分子量5万以上の重合
体を50重量%以上含有することを特徴とする。また、
GPCで測定された分子量分布において、分子量分布の
裾が分子量3000以下及び80万以上に存在し、かつ
最大ピーク高さを100とした時に分子量5万の位置の
高さが30以上であることを特徴とする。このような、
分子量分布を有するトナー用樹脂組成物を用いる理由
を、以下において説明する。
【0012】通常、樹脂の強靱性は分子量が大きくなる
ほど高くなることが知られているが、本発明者らが種々
検討した結果、現像機内でランニング時に過粉砕を起こ
し、画像カブリが発生するひとつの原因として、トナー
用樹脂の強靱性が深く関与することを見出した。そし
て、樹脂の強靱性を低下させる原因が、5万未満の分子
量の重合体であること見出した。従って、本発明のトナ
ー用樹脂組成物では、樹脂の強靱性を高めるために、分
子量5万以上の重合体が50重量%以上の割合で含有さ
れている。50重量%未満では、樹脂強度が弱くなり、
現像機内で過粉砕を起こし、ランニング時に画像カブリ
が発生することがある。
【0013】さらに、単に分子量5万以上の重合体を5
0重量%以上含有していればいいのではなく、上記分子
量分布曲線において最大ピーク高さを100とした時
に、分子量5万の位置の高さが30以上であることが必
要である。通常、同種の重合体を混合する場合、分子量
の近い重合体同士は均質になりやすいが、分子量の著し
く異なる重合体同士は均質になり難い。従って、分子量
5万未満の重合体と、分子量5万を越える重合体とを混
合した場合も、完全に均質にはならないことが多い。そ
の結果、混合された樹脂において、分子量5万未満の重
合体が多量に含まれた樹脂強度の弱い部分が発生し、該
樹脂強度の弱い部分を中心として樹脂全体が砕けやすく
なる。
【0014】上記のように樹脂強度の弱い部分を無く
し、分子量5万未満の重合体と5万を越える重合体とを
均質に分散させるには、分子量5万の重合体が一定量以
上含有されていることが必要である。すなわち、分子量
5万の重合体は、分子量5万未満の重合体及び分子量5
万を越える重合体の双方と均質になりやすいため、分子
量5万の重合体が一定量以上含有されていると、樹脂全
体が均質で、かつ強靱となる。従って、分子量5万の重
合体が一定量以上含有されていれば、トナー用樹脂の過
粉砕による画像カブリの発生を少なくすることができ
る。
【0015】よって、本発明では、上記のような観点か
ら、トナー用樹脂全体を均質化するために、上記分子量
分布曲線における最大ピーク高さを100とした時に、
分子量5万の位置の高さが30以上とされる。また、低
分子量の重合体は高温における流動性が高く、定着性を
高めるように作用する。従って、トナーとしての十分な
定着性を得るには、分子量分布における低分子量重合体
成分の裾が3000以下である必要がある。低分子量側
の裾が3000を越えると、十分な定着性が得られな
い。尚、本願発明において分子量分布の裾とは、分子量
分布曲線での相対比率ゼロとなる部分を指している。
【0016】他方、高分子量の重合体成分は、高温にお
ける弾性が高く、耐オフセット性を改善するように作用
する。従って、トナーとして十分な耐オフセット性を得
るには、上記分子量分布曲線における高分子量側の裾が
80万以上であることが必要である。高分子量側の裾が
80万未満では、十分な耐オフセット性を得ることはで
きない。
【0017】本発明のトナー用樹脂組成物の製法 上記ビニル系共重合体の合成は、懸濁重合、乳化重合、
溶液重合または塊状重合等の公知の重合方法により行う
ことができ、これらの重合方法を組み合わせてもよい。
なお、本発明のトナー用樹脂組成物は、凝集性の点から
ガラス転移点が50℃以上であることが好ましい。さら
に、本発明のトナー用樹脂組成物は、定着性の点を考慮
して、ゲル分が30重量%以下であることが望ましい。
【0018】他の添加成分 本発明のトナー用樹脂組成物では、本発明の目的を達成
し得る範囲内において、酢酸ビニル、塩化ビニル、また
はエチレン等が上記ビニル系共重合体に共重合されてい
てもよく、また、これらモノマーの重合体が混合されて
いても差し支えない。また、ポリエステル樹脂やエポキ
シ樹脂がビニル系共重合体に混合されていてもよい。さ
らに、脂肪族アミド、ビス脂肪族アミド、金属石鹸また
はパラフィン等がトナー用樹脂組成物中に混合されてい
てもよい。また、離型剤として、低分子量ポリエステル
またはポリプロピレンワックス等を添加したり、流動性
を高めるために疎水性シリカ等を添加しても差し支えな
い。
【0019】トナー 本発明にかかるトナーは、上記トナー用樹脂組成物と、
着色材とを主成分とする。着色材としては、従来よりト
ナーを構成するのに用いられている公知の染料や顔料を
用いることができる。このような、着色材の例として
は、例えば、カーボンブラック、クロームイエロー、ア
ニリンブルー等が挙げられる。また、本発明を達成し得
る範囲内において、帯電制御剤としてニグロシン、スピ
ロンブラック(保土ヶ谷化学社製)等の染料やその他フ
タロシアニン系の顔料を添加してもよい。さらに、磁性
トナーとして用いるために、マグネタイト等の磁性粉を
含有させてもよい。また、上述した分子量分布特性は、
トナー用樹脂組成物としての特性であるが、トナー全体
の分子量分布が、上記分子量分布特性を示すものであっ
てもよい。
【0020】
【作用】本発明のトナー用樹脂組成物及びトナーでは、
分子量5万以上の重合体が50重量%以上含有されてい
るため、トナー用樹脂組成物の強靱性が高められてい
る。しかも、GPCで測定された分子量分布曲線におけ
る最大ピーク高さを100とした時に、分子量5万の位
置の高さが30以上とされているため、分子量5万未満
の重合体成分及び分子量5万を越える重合体成分が分子
量5万の重合体の存在により均質化され、従ってトナー
用樹脂組成物全体の均質性が高められるため、過粉砕に
よる画像カブリの発生が防止される。
【0021】さらに、上記分子量分布曲線において、分
子量分布の裾が分子量3000以下にあるため、低分子
量重合体成分の作用によりトナー用樹脂組成物の流動
性、ひいては定着性が高められる。他方、上記分子量分
布曲線における分子量分布の裾が分子量80万以上に存
在するため、高分子量重合体成分によって耐オフセット
性が高められる。
【0022】
【発明の効果】以上のように、本発明にかかるトナー用
樹脂組成物及びトナーでは、上記分子量分布曲線におい
て分子量分布の裾が分子量3000以下及び80万以上
に存在しているため、すなわちビニル系共重合体が低分
子量の重合体成分及び高分子量の重合体成分からなるた
め、低温定着性及び耐オフセット性が高められており、
他方、分子量分布5万以上の重合体を50重量%以上含
有し、上記分子量分布曲線の最大ピーク高さを100と
した時に分子量5万の位置の高さが30以上であるた
め、樹脂の強靱性が高められることにより、ランニング
時の画像カブリの発生が効果的に防止される。
【0023】よって、低温定着性及び耐オフセット性に
優れているだけでなく、ランニング時の画像カブリの発
生も効果的に防止されるため、小型の現像機を有する小
型の電子写真複写装置、ファクシミリ等に好適なトナー
用樹脂組成物及びトナーを供給することが可能となる。
【0024】
【実施例の説明】以下、実施例及び比較例を挙げること
により、本発明を明らかにする。なお、以下において、
「部」は、特にことわらない限り「重量部」を意味する
ものとする。実施例1 スチレン70部、メタクリル酸メチル10部及びアクリ
ル酸n−ブチル20部を重合して得られた分子量のピー
ク値が7000の樹脂Aを30部と、同じ組成を有し分
子量のピーク値が3万の樹脂Bを20部と、同じ組成を
有し分子量のピーク値が10万の樹脂Cを20部と、ス
チレン75部及びアクリル酸n−ブチル25部を重合し
て得られた分子量のピーク値が40万の樹脂Dを30部
とをニーダーで溶融混練し、得られた樹脂を冷却し、粉
砕することにより実施例1の樹脂Eを得た。
【0025】上記樹脂Eの分子量分布をGPC測定によ
り行った。測定条件は、カラム温度:40℃、溶媒:テ
トラヒドロフラン(THF)、流速:1mm/分、試料
濃度:0.2%、試料の量:100μm、カラム:KF
−80Mを2本及びKF−802.5(いずれもsho
dex社製)である。
【0026】上記のようにして測定された樹脂Eの分子
量分布曲線を図1に示す。図1の分子量分布曲線におい
て、最大ピークは分子量20万であり、上記最大ピーク
に対する分子量5万の位置の高さの比率は85%であ
り、低分子量側の裾は分子量800に、高分子量側の裾
は分子量300万に存在している。また、樹脂Eにおい
て、ゲル分は0重量%、ガラス転移点Tgは59℃、分
子量5万以上の重合体の含有割合は55重量%であっ
た。なお、図2〜図5に、上記樹脂Eを得るのに用いた
樹脂A〜Dの各GPC測定により得られた分子量分布曲
線を示す。
【0027】上記のようにして得た樹脂E100部と、
カーボンブラック(三菱化成社製、商品名:MA−10
0)5部と、スピロンブラックTRH1部と、ポリプロ
ピレンワックス(三洋化成社製、商品名:ビスコール5
50−P)2部とを溶融混合し、冷却後に粗粉砕し、さ
らにジェットミルで微粉砕し、約12〜15μmの平均
粒度を有するトナー粉末を得た。得られたトナー粉末に
疎水性シリカ粉末(日本アエロジル社製、商品名:R−
972)0.3部を添加してトナーを作成した。このト
ナー10gを100mlサンプル瓶にとり、50℃の恒
温槽中に8時間放置した後、パウダーテスター(ホソカ
ワミクロン社製)で凝集度を測定したところ、凝集性は
認められなかった。
【0028】また、このトナー4部を約50〜80μm
の平均粒径を有する鉄粉キャリアー96部と混合して現
像剤を作り、この現像剤を用い、電子写真複写機により
複写物を得た。使用した電子写真複写機は三田工業社製
DC−2105であり、現像機を小型化するために現像
機の容量を半分にしたものを用いた。低温での定着性
は、電子写真複写機の熱ローラーの設定温度を160℃
とし、複写物をタイプライター用砂消しゴムで摩擦した
時に、複写画の濃度が変化するか否かにより判断した。
その結果、樹脂Eを用いて構成された現像剤では、十分
な定着性を示した。
【0029】耐オフセット性は、電子写真複写機の熱ロ
ーラーの設定温度を220℃に設定し、オフセット現象
が発生するか否かにより判断した。樹脂Eを用いて構成
された現像剤では、オフセット現象は認めれなかった。
また、5000枚のランニングテストを行ったところ、
画像カブリは全くみられなかった。
【0030】実施例2 3リットルのセパラブルフラスコにキシレン800gを
入れ、気相を窒素ガスで置換した後、この系をキシレン
の沸点まで加温した。キシレンの還流が起きた状態で攪
拌しつつ、スチレン830g、アクリル酸2−エチルヘ
キシル162g、架橋剤としてのジビニルベンゼン8g
及び重合開始剤としてのアゾビスイソブチロニトリル3
0gを溶解してなる混合物を、4時間かけて滴下し、溶
液重合を行った。滴下終了後、さらにキシレンの沸騰す
る温度で攪拌しつつ、4時間熟成した。しかる後、系の
温度を200℃まで徐々に上げつつ、減圧下においてキ
シレンを脱溶剤し、冷却粉砕し、樹脂Fを得た。
【0031】上記樹脂Fにおいて、実施例1の場合と同
様にして、GPCにより分子量分布を測定した。その結
果、図7に示す分子量分布曲線が得られた。この分子量
分布曲線では、最大ピークは分子量9000にあり、該
最大ピーク高さを100とした時、分子量5万の位置の
高さは、70であり、低分子量側の裾が分子量1300
に、高分子量側の裾が分子量350万に存在していた。
また、樹脂Fのゲル分は0%であり、ガラス転移点Tg
は63℃であり、分子量5万以上の重合体は40重量%
の割合で含有されていた。
【0032】樹脂F70部と、樹脂D30部とをキシレ
ン200部に溶解混合した後、200℃の減圧下で脱溶
剤し、冷却粉砕して樹脂Gを得た。得られた樹脂Gの分
子量分布を実施例1の場合と同様にGPCで測定したと
ころ、図6に示す通り、最大ピークは分子量35万の位
置にあり、該最大ピークに対する分子量5万の位置の高
さが60%であり、低分子量側の分子量分布の裾が13
00にあり、高分子量側の分子量分布の裾が350万で
あった。また、樹脂Gのゲル分率は0%、ガラス転移点
Tgは62℃、分子量5万以上の重合体の含有割合は6
0重量%であった。
【0033】実施例1で用いた樹脂Eに代えて、上記樹
脂Gを用いたことを除いては実施例1と同様にしてトナ
ーを作成した。得られたトナーの分子量分布は、上記樹
脂Gとほぼ同様であった。さらに、実施例1と同様にし
て現像剤を作成し、実施例1と同様にして評価したとこ
ろ、凝集性は認められず、十分な低温定着性及び耐オフ
セット性を示した。また、5000枚のランニングテス
トを行ったところ、画像カブリは見られなかった。
【0034】実施例3 上記樹脂G35部と、マグネタイト(平均粒径0.3μ
m)60部と、カーボンブラック(三菱化成社製、商品
名:MA−100)2部とニグロシン1部と、ポリプロ
ピレンワックス(三洋化成社製、商品名:ビスコール5
50−P)2部とを溶融混合し、冷却後粗粉砕し、さら
にジェットミルで微粉砕して約12〜15μmの平均粒
度を有する磁性トナー粉末を作成した。上記磁性トナー
粉末に疎水性シリカ粉末(日本アエロジル社製、商品
名:R−972)0.3部を添加し、磁性トナーを作成
した。磁性トナーの分子量分布は、上記樹脂Gの分子量
分布とほぼ同じであった。
【0035】電子写真複写機としてシャープ社製、SF
−7700を用いたことを除いては、実施例1と同様に
して上記磁性トナーのテストを行ったところ、凝集性は
認められず、十分な低温定着性及び耐オフセット性を示
した。また、5000枚のランニングテストを行ったと
ころ、画像カブリは見られなかった。
【0036】実施例4 3リットルのセパラブルフラスコにトルエン800gを
入れ、気相を窒素ガスで置換した後、この系をトルエン
の沸点まで加温した。トルエンの還流が起きた状態で攪
拌しつつ、スチレン373g、メタクリル酸n−ブチル
125g、メタクリル酸グリシジル1.2g、アクリル
酸0.8g及び重合開始剤としてのアゾビスイソブチロ
ニトリル15gを溶解してなる混合物を、1時間かけて
滴下しつつ、溶液重合体を行った。滴下終了後、さらに
トルエンの沸騰する温度で攪拌しつつ4時間熟成した。
しかる後、系の温度を180℃まで徐々に高めつつ、減
圧下においてトルエンを脱溶剤し、冷却粉砕し、樹脂H
を得た。
【0037】上記のようにして得た樹脂Hについて、実
施例1と同様にしてGPCにより分子量分布を測定し
た。得られた分子量分布曲線を図7(a)に示す。この
分子量分布曲線から、分子量分布の最大ピークは分子量
15000の位置にあり、該最大ピークの高さを100
とした時、分子量5万の位置の高さの最大ピーク高さに
対する比率は90%であり、低分子量側の裾が分子量2
000の位置に、高分子量側の裾が800万の位置にあ
った。また、樹脂Hのゲル分は10%、Tgは60℃、
分子量5万以上の重合体の含有率は55重量%であっ
た。
【0038】実施例1において樹脂Eに代えて上記樹脂
Hを用いたことを除いては、同様にしてトナーを作成し
たところ、分子量分布は、高分子側の分子が若干切断さ
れたせいか、高分子側の分子量分布曲線における裾が分
子量300万の位置となっていた。(図7(b))。さ
らに、上記トナーを用いて実施例1と同様にして現像剤
を作成し、評価したところ、凝集性は認められず、十分
な定着性及び耐オフセット性を示した。また、5000
枚のランニングテストを行ったところ画像カブリは認め
られなかった。
【0039】実施例5 樹脂Aを35部、樹脂Bを13部、樹脂Cを10部、樹
脂Dを42部、カーボンブラック(三菱化成社製、商品
名:MA−100)を5部、スピロンブラックTRHを
1部、及びポリプロピレンワックス(三洋化成社製、商
品名:ビスコール550−P)2部をニーダーで溶融混
練し、得られた樹脂を冷却後粗粉砕し、さらにジェット
ミルで微粉砕し、約12〜15μmの平均粒度を有する
トナー粉末を作成した。上記トナー粉末に疎水性シリカ
粉末(日本アエロジル社製、商品名:R−972)0.
3部を添加しトナーIを得た。
【0040】得られたトナーIについて、実施例1と同
様にしてGPCにより分子量分布曲線を得た。得られた
分子量分布曲線を図8に示す。この分子量分布曲線にお
いて、分子量分布の最大ピークは分子量35万の位置に
あり、該最大ピークの高さに対する分子量5万の位置の
高さは45%であり、低分子量側の裾は分子量800の
位置にあり、高分子量側の裾は分子量300万の位置に
あった。また、トナーIのゲル分率は0%、Tgは61
℃、分子量5万以上の重合体の含有割合は55重量%で
あった。
【0041】上記トナーIを用い、実施例1と同様にし
て現像剤を作成し、評価した。その結果、凝集性は認め
られず、十分な定着性及び耐オフセット性を示した。ま
た、5000枚のランニングテストを行ったところ、画
像にカブリは見られなかった。
【0042】実施例6 樹脂Aを20部と、樹脂Bを10部と、樹脂Cを40部
と、樹脂Dを30部とをキシレン200部に溶解し、混
合した後、200℃の減圧下で脱溶剤し、冷却粉砕し、
樹脂Jを得た。得られた樹脂Jについて、実施例1と同
様にしてGPCにより分子量分布曲線を得た。分子量分
布曲線において最大ピークは分子量15万の位置にあ
り、該最大ピークの高さに対する分子量5万における高
さの比率は50%であり、低分子量側の裾は分子量80
0の位置に、高分子量側の裾は分子量300万の位置に
あった。また、樹脂Jのゲル分率は0%、Tgは64
℃、分子量5万以上の重合体の含有率は70重量%であ
った。
【0043】実施例1において、樹脂Eに代えて上記樹
脂Jを用いたことを除いては、実施例1と同様にしてト
ナーを作成し、GPCにより分子量分布を測定した。そ
の結果、分子量分布は、上記樹脂Jとほぼ同様であっ
た。上記樹脂Jの分子量分布曲線は、図9に示す。上記
トナーを用いて実施例1と同様にして現像剤を作成し、
評価した。その結果、凝集性は認められず、十分な定着
性及び耐オフセット性を示した。また、5000枚のラ
ンニングテストを行ったところ、画像カブリは見られな
かった。
【0044】比較例1 樹脂Aを40部と、樹脂Bを5部と、樹脂Cを5部と、
樹脂Dを50部とを、実施例1と同様にして溶融混練
し、樹脂Kを得た。樹脂Kについて、実施例1と同様に
してGPCにより分子量分布を測定した。得られた分子
量分布曲線を図10に示す。分子量分布曲線において、
樹脂Kの分子量の最大ピークは分子量40万の位置に、
最大ピーク高さに対する分子量5万の位置における高さ
の比率は15%であり、低分子量側の裾は分子量800
の位置に、高分子量側の裾の位置は分子量500万の位
置にあった。また、樹脂Kのゲル分は0%、Tgは57
℃、分子量5万以上の重合体含有比率は55重量%であ
った。
【0045】実施例1において、樹脂Eに代えて上記樹
脂Kを用いたことを除いては、実施例1と同様にしてト
ナーを作成した。得られたトナーの分子量分布は、上記
樹脂Kの分子量分布とほぼ同じであった。さらに、上記
トナーを用いて現像剤を作成し、実施例1と同様にして
評価したところ、凝集性は認められず、十分な定着性及
び耐オフセット性を示した。しかしながら、5000枚
のランニングテストを行ったところ、画像にはっきりと
したカブリが見られた。
【0046】比較例2 実施例1において、樹脂Eに代えて、樹脂Fを用いたこ
とを除いては、実施例1と同様にしてトナーを作成した
ところ、該トナーの分子量分布は樹脂Fとほぼ同様であ
った。このトナーの分子量分布曲線は先に図7で示した
通りである。さらに、上記トナーを用いて実施例1の場
合と同様にしてトナーを作成し、評価したところ、凝集
性は認められず、十分な定着性及び耐オフセット性を示
した。しかしながら、5000枚のランニングテストを
行ったところ、画像にはっきりとしたカブリが見られ
た。
【0047】比較例3 樹脂Aを20部と、樹脂Bを30部と、樹脂Cを50部
とを実施例1と同様にして溶融混練し、樹脂Lを得た。
この樹脂Lについて、実施例1と同様にGPCにより分
子量分布を測定し、分子量分布曲線を得た(図12)。
この分子量分布曲線において、分子量の最大ピークは分
子量10万の位置にあり、該最大ピーク高さに対する分
子量5万の位置における高さの比率は85%であり、低
分子量側の裾は分子量800の位置に、高分子量側の裾
は分子量60万の位置にあった。また、樹脂Lのゲル分
率は0%、Tgは57℃、分子量5万以上の重合体含有
率は、55重量%であった。
【0048】実施例1において、樹脂Eに代えて樹脂J
を用いたことを除いては、実施例1と同様にしてトナー
を作成したところ、該トナーの分子量分布は上記樹脂J
のそれとほぼ同じであった。さらに、上記トナーを用い
て現像剤を作成し、評価したところ、凝集性は認められ
ず、十分な定着性が得られた。しかしながら、オフセッ
ト現象が発生していた。さらに、5000枚のランニン
グテストを行ったところ画像にカブリは見られなかっ
た。
【0049】比較例4 樹脂Bを50部と、樹脂Cを10部と、樹脂Dを40部
とを実施例1と同様にして溶融混練し、樹脂Mを得た。
この樹脂Mについて、実施例1と同様にしてGPCによ
り分子量分布を測定し、分子量分布曲線を得た(図1
3)。樹脂Mの分子量分布において、最大ピークは分子
量3万の位置に、該最大ピークの高さに対する分子量5
万の位置における高さの比率は80%、低分子量側の裾
は分子量4000の位置に、高分子量側の裾は分子量3
00万の位置にあった。また、樹脂Mのゲル分率は0
%、Tgは61℃、分子量5万以上の重合体の含有比率
は60重量%であった。
【0050】実施例1において樹脂Eに代えて樹脂Mを
用いたことを除いては、実施例1と同様にしてトナーを
作成したところ、得られたトナーの分子量分布は樹脂M
の分子量分布とほぼ同じであった。さらに、上記トナー
を用い、実施例1と同様にして現像剤を作成し、評価し
たところ、凝集性は認められず、十分な耐オフセット性
が得られたが、画像はほとんど定着していなかった。も
っとも、5000枚のランニングテストを行ったところ
画像にカブリは認められなかった。
【0051】上記実施例1〜6及び比較例1〜4におけ
る分子量分布特性、ゲル分及びガラス転移点を表1に並
びに実施例1〜6及び比較例1〜4の評価結果を下記の
表2に示す。また、表1において、上記実施例及び比較
例で用いた樹脂A〜Dの分子量分布曲線における最大ピ
ーク値の分子量を併せて示す。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1におけるトナー用樹脂Eの分子量分布
曲線を示す図。
【図2】樹脂Aの分子量分布曲線を示す図。
【図3】樹脂Bの分子量分布曲線を示す図。
【図4】樹脂Cの分子量分布曲線を示す図
【図5】樹脂Dの分子量分布曲線を示す図。
【図6】実施例2におけるトナー用樹脂Gの分子量分布
曲線を示す図。
【図7】樹脂Fの分子量分布曲線を示す図。
【図8】(a)は実施例4で用意した樹脂Hの分子量分
布曲線を、(b)は樹脂Hを用いて作成されたトナーの
分子量分布曲線を示す各図。
【図9】実施例5で用意したトナーIの分子量分布曲線
を示す図。
【図10】実施例6で用意した樹脂Jの分子量分布曲線
を示す図。
【図11】比較例1で用意した樹脂Kの分子量分布曲線
を示す図。
【図12】比較例3で用意した樹脂Lの分子量分布曲線
を示す図。
【図13】比較例4で用意した樹脂Mの分子量分布曲線
を示す図。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビニル系共重合体を主成分とするトナー
    用樹脂組成物において、分子量5万以上の重合体を50
    重量%以上含有し、 ゲルパーミエーション・クロマトグラフィーで測定され
    た分子量分布曲線において、分子量分布の裾が分子量3
    000以下及び80万以上に存在し、かつ最大ピーク高
    さを100とした時に分子量5万の位置の高さが30以
    上であることを特徴とする、トナー用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 着色材と、請求項1に記載のトナー用樹
    脂組成物とを主成分として含有することを特徴とする、
    トナー。
JP4004687A 1992-01-14 1992-01-14 トナー用樹脂組成物 Pending JPH05188638A (ja)

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