JPH05188166A - 液体金属冷却型原子炉 - Google Patents

液体金属冷却型原子炉

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JPH05188166A
JPH05188166A JP4003765A JP376592A JPH05188166A JP H05188166 A JPH05188166 A JP H05188166A JP 4003765 A JP4003765 A JP 4003765A JP 376592 A JP376592 A JP 376592A JP H05188166 A JPH05188166 A JP H05188166A
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JP
Japan
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core
heat exchanger
reactor
primary system
outlet
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JP4003765A
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English (en)
Inventor
Kengo Iwashige
健五 岩重
Takao Sakai
隆雄 酒井
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 原子炉容器径を小さくし、1次冷却系の簡素
化と小型化が可能な液体冷却型原子炉を提供する。 【構成】 次式が成立するように、炉心1と熱交換器2
とを配置する。 【数20】L≧ΔpCF/(gβρW) ここで、Lは炉心1と熱交換器2との伝熱中心間の距離
7、Wは発電などの産業上の利用に供する炉心1の熱出
力、gは重力加速度、βは冷却材の体膨張率、ρは密
度、Cは比熱、Δpは上記の熱出力Wを得る際の1次系
の流量Fにおける1次系の圧力損失である。 【効果】 定格時の炉心熱出力を除去可能な循環流量が
浮力により得られ、目的が達せられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液体金属冷却型原子炉に
係り、特に高速炉に使用する液体金属冷却型原子炉に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来の液体金属冷却型原子炉である高速
炉の構造については、「日立評論Vol.67 No.11 (1985-1
1) p.891〜892」に記述されている。
【0003】この従来例のうち、従来例1は図2を、従
来例2は図3を、それぞれ用いて説明する。図2はタン
ク型高速炉の模式縦断面図、図3はループ型高速炉の模
式縦断面図であり、1は炉心、1aは炉心伝熱中心、2
は熱交換器、2aは熱交換器伝熱中心、3は原子炉容
器、4は炉上部機構、5は高温プレナム、6は低温プレ
ナム、7は伝熱中心間距離、8はルーフスラブ、9は主
循環ポンプ、10は隔壁、11は高圧プレナム、12
a、12bは配管、13は補助熱交換器を示している。
【0004】従来例1のタンク型高速炉の場合は、図2
に示すように、原子炉容器3の内部に炉心1、炉上部機
構4、複数基の熱交換器2及び複数基の主循環ポンプ9
が設置されており、原子炉容器3は冷却材として用いる
液体金属ナトリウム(以下、ナトリウムと略称)によっ
て満たされている。
【0005】更に、原子炉容器3内には、通常の定格運
転時において、炉心1から流出する高温のナトリウム
と、熱交換器2から流出する低温のナトリウムとを分離
する隔壁10が設置されており、隔壁10によって、原
子炉容器3内は上部の高温プレナム5と下部の低温プレ
ナム6とに分けられている。
【0006】原子炉容器3の上部は、ルーフスラブ8に
よって閉ざされている。通常の定格運転時には、主循環
ポンプ9により循環流量が確保され、約360℃の低温
プレナム6のナトリウムが主循環ポンプ9及び高圧プレ
ナム11を通り、炉心1と熱交換して約530℃のナト
リウムとなり、高温プレナム5に流入している。また、
高温プレナム5のナトリウムは、熱交換器2を通り、冷
却されて低温プレナム6に流入している。
【0007】原子炉が停止し、スクラムした場合は、崩
壊熱除去用の補助熱交換器13が作動し、ポニーモータ
と呼ばれる小型ポンプや、原子炉内の自然循環により、
原子炉停止後の崩壊熱を除去するに十分な、定格時の1
0〜3%程度の循環流量が確保されるようになってい
る。
【0008】一方、従来例2のループ型高速炉の場合
は、図3に示すように、原子炉容器3内に炉心1を内蔵
し、原子炉容器3と、原子炉容器3外の熱交換器2及び
主循環ポンプ9とを、配管12bで接続し、1次冷却系
を構成している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来技術のタ
ンク型高速炉では、原子炉容器内に炉心、熱交換器及び
主循環ポンプなどの1次系の機器が内蔵されるため、原
子炉容器径が大きくなり、1次冷却系は大型化し、複雑
化していた。
【0010】また、従来技術のループ型高速炉では、原
子炉容器、熱交換器、主循環ポンプ及び配管を含めた1
次冷却系全体の占有面積が大きくなるとともに、各1次
系の機器を配管で接続するので、1次冷却系が複雑化し
ていた。
【0011】本発明は、上記のことに鑑みなされたもの
であり、高速炉における原子炉容器径を小さくし、1次
冷却系の簡素化及び小型化が可能な、液体冷却型原子炉
を提供することを目的にしている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的は、次のように
して達成することができる。
【0013】(1)1次系に炉心と熱交換器とを有し、
炉心は原子炉容器内に設置してあり、1次系の冷却材に
液体金属を用い、炉心の出口と熱交換器の入口とを結ぶ
経路、及び熱交換器の出口と炉心の入口とを結ぶ経路を
形成してある液体金属冷却型原子炉において、発電など
の産業上の利用に供する炉心における熱出力をW(W)、
重力加速度をg(m/s2)、冷却材の体膨張率をβ(1/K)、
密度をρ(kg/m3)、比熱をC(J/kgK)、炉心と熱交換器と
の伝熱中心間の距離をL(m)、熱出力Wを得る際の1次
系の流量F(kg/s)が、1次系の経路を一巡したときの圧
力損失をΔp(Pa)とした場合、炉心及び熱交換器の配置
が、次式を満足していること。
【0014】
【数5】 L≧ΔpCF/(gβρW)……………………(1) (2)1次系に炉心と熱交換器とを有し、炉心は原子炉
容器内に設置してあり、1次系の冷却材に液体金属を用
い、炉心の出口と熱交換器の入口とを結ぶ経路、及び熱
交換器の出口と炉心の入口とを結ぶ経路を形成してある
液体金属冷却型原子炉において、発電などの産業上の利
用に供する炉心における熱出力を得る際の1次系に形成
してある経路における、炉心の出口と熱交換器の入口と
の間の代表温度と、熱交換器の出口と炉心の入口との間
の代表温度の差をΔT(K)、重力加速度をg(m/s2)、冷
却材の体膨張率をβ(1/K)、密度をρ(kg/m3)、炉心と熱
交換器との伝熱中心間の距離をL(m)、熱出力を得る際
の1次系の流量が、1次系の経路を一巡したときの圧力
損失をΔp(Pa)とした場合、炉心及び熱交換器の配置
が、次式を満足していること。
【0015】
【数6】 L≧Δp/(gβρΔT)……………………(2) (3)(1)又は(2)において、炉心の出口と熱交換
器の入口とを結ぶ経路、及び熱交換器の出口と炉心の入
口とを結ぶ経路のうちの少なくとも一つが、1次系の冷
却材が充填してある容器内に存在すること。
【0016】(4)(1)又は(2)において、炉心の
出口と熱交換器の入口とを結ぶ経路、及び熱交換器の出
口と炉心の入口とを結ぶ経路のうちの少なくとも一つ
が、1次系の冷却材が流通する配管内に存在すること。
【0017】(5)(1)又は(2)において、熱交換
器内の1次系の冷却材の液位を、原子炉容器内の1次系
の冷却材の液位よりも高く保持してあること。
【0018】(6)(5)において、1次系の冷却材
を、原子炉容器内における上蓋まで1次系の冷却材を充
満してあること。
【0019】(7)(5)において、原子炉容器内にお
ける上蓋と1次系の冷却材の液面との間に、気体を封入
してあること。
【0020】(8)(1)又は(2)において、炉心の
出口と熱交換器の入口とを結ぶ経路内、及び熱交換器の
出口と炉心の入口とを結ぶ経路内に、原子炉の発電など
の産業上の利用に供する炉心の熱出力を除去する際の1
次系の流量における1次系の経路の圧力損失よりも、吐
出し圧力が小さいポンプを設けてあること。
【0021】(9)(8)において、ポンプを、原子炉
の起動時には1次系の冷却材の駆動に用い、発電などの
産業上の利用に供する炉心の熱出力を定常的に除熱する
際には停止してあること。
【0022】(10)1次系に炉心、熱交換器及びポン
プを有し、炉心は原子炉容器内に設置してあり、1次系
の冷却材に液体金属を用い、炉心の出口と熱交換器の入
口とを結ぶ経路、及び熱交換器の出口と炉心の入口とを
結ぶ経路を形成してある液体金属冷却型原子炉におい
て、発電などの産業上の利用に供する炉心における熱出
力をW(W)、重力加速度をg(m/s2)、冷却材の体膨張率
をβ(1/K)、密度をρ(kg/m3)、比熱をC(J/kgK)、炉心
と熱交換器との伝熱中心間の距離をL(m)、熱出力Wを
得る際の前記1次系の流量F(kg/s)が、1次系の経路を
一巡したときの圧力損失をΔp(Pa)、ポンプの吐出し圧
力をΔpf(Pa)とした場合、炉心及び熱交換器の配置
が、次式を満足していること。
【0023】
【数7】 L≧(Δp−Δpf)CF/(gβρW)………………(3) (但し、Δp>Δpf) (11)1次系に炉心、熱交換器及びポンプを有し、炉
心は原子炉容器内に設置してあり、1次系の冷却材に液
体金属を用い、炉心の出口と熱交換器の入口とを結ぶ経
路、及び前記熱交換器の出口と前記炉心の入口とを結ぶ
経路を形成してある液体金属冷却型原子炉において、発
電などの産業上の利用に供する炉心における熱出力を得
る際の1次系に形成してある経路における、炉心の出口
と熱交換器の入口との間の代表温度と、熱交換器の出口
と炉心の入口との間の代表温度との差をΔT(K)、重力
加速度をg(m/s2)、冷却材の体膨張率をβ(1/K)、密度
をρ(kg/m3)、炉心と熱交換器との伝熱中心間の距離を
L(m)、熱出力を得る際の1次系の流量が、1次系の経
路を一巡したときの圧力損失をΔp(Pa)、ポンプの吐出
し圧力をΔpf(Pa)とした場合、炉心及び熱交換器の配
置が、次式を満足していること。
【0024】
【数8】 L≧(Δp−Δpf)/(gβρΔT)………………(4) (但し、Δp>Δpf) (12)(10)又は(11)において、炉心の出口と
熱交換器の入口とを結ぶ経路、及び熱交換器の出口と炉
心の入口とを結ぶ経路のうちの少なくとも一つが、1次
系の冷却材が充填してある容器内に存在すること。
【0025】(13)(10)又は(11)において、
炉心の出口と熱交換器の入口とを結ぶ経路、及び熱交換
器の出口と炉心の入口とを結ぶ経路のうちの少なくとも
一つが、1次系の冷却材が流通する配管内に存在するこ
と。
【0026】(14)(10)又は(11)において、
熱交換器内の1次系の冷却材の液位を、原子炉容器内の
1次系の冷却材の液位よりも高く保持してあること。
【0027】(15)(14)において、原子炉容器内
における上蓋まで、1次系の冷却材を充満してあるこ
と。
【0028】(16)(14)において、原子炉容器内
における上蓋と1次系の冷却材の液面との間に、気体を
封入してあること。
【0029】
【作用】炉心と熱交換器の伝熱中心間の距離Lに対し、
式(1)及び式(2)が成立するように、炉心と熱交換
器とを配置することにより、発電などの産業上の利用に
供する炉心の熱出力を得る際の1次系の流量における、
1次系の圧力損失に相当する流体の駆動圧力が浮力によ
り発生するため、定常状態において、主循環ポンプを用
いて、1次系の流体を強制的に循環させることなく、1
次系の流体は上記の流量で循環し、炉心の熱出力を取り
出すことができる。
【0030】したがって、1次系の機器である主循環ポ
ンプの削除、又は小型化・低吐出し圧化が実現でき、1
次冷却系を簡素化した液体金属冷却型原子炉が提供され
る。
【0031】また、炉心と熱交換器の伝熱中心間の距離
Lに対し、式(3)及び式(4)が成立するように、炉
心と熱交換器とを配置することにより、発電などの産業
上の利用に供する炉心の熱出力を得る際の1次系の流量
における、1次系の圧力損失Δpよりも小さい吐出し圧
力Δpfで流体を強制的に駆動しても、(Δp−Δpf)に
相当する駆動圧力が浮力により発生し、定常状態におい
て、主循環ポンプで1次系の流体を強制的に吐出し圧力
Δpで循環させなくとも、1次系の流体は上記の流量で
循環し、炉心の熱出力を取り出すことができる。
【0032】したがって、1次系の機器である主循環ポ
ンプの小型化・低吐出し圧力化が実現でき、1次冷却系
を簡素化した液体金属冷却型原子炉が提供される。
【0033】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面により説明す
る。
【0034】図1は実施例1の模式縦断面図、図4は実
施例の評価に用いた1次系の圧力損失特性図、図5から
図8までは、それぞれ対応する実施例2から実施例5ま
でにおける各実施例の模式縦断面図、図9は実施例6、
8における模式縦断面図、図10は実施例7、9におけ
る模式縦断面図であり、3aは炉心出口の容器、12c
〜12gは配管、14aは電磁式ポンプ、14bは機械
式ポンプ、15は熱交換器液面、16は高温プレナム液
面を示しており、そのほかは前出の符号である。
【0035】図1は実施例1の場合である。原子炉容器
3をナトリウムで満たし、その内部に炉心1、炉上部機
構4及び4基の熱交換器2が設置されている。熱交換器
2の入口と炉心1の出口は、共に高温プレナム5内にあ
り、高温プレナム5を介してつながっている。また、熱
交換器2の出口と炉心1の入口は、共に低温プレナム6
内にあり、低温プレナム6を介してつながっている。
【0036】また、炉心1の伝熱中心1aは原子炉容器
3の下部に、熱交換器2の伝熱中心2aは原子炉容器3
の上部に、それぞれ位置している。この両者の伝熱中心
間の距離7、すなわちLは、この実施例、及び後述する
実施例5までのいずれの場合においても、式(1)及び
式(2)を満足する必要がある。この実施例の場合、式
(1)を満足するためには、次式(5)から明らかなよ
うに、Lが13.7m以上であることを要し、このた
め、L=14mと決定している。
【0037】
【数9】 L=14(m)〉△pCF/(gβρW)=13.7(m)……(5) また、このときの評価条件を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】上記のように、L=14mの場合は、1次
系の圧力損失は8103Paとなり、定格熱出力780
MWtに対して、浮力により2394kg/sの1次系
の循環流量がポンプの駆動力なしに得られ、熱出力78
0MWtを除去することができる。
【0040】また、このときの炉心出入口の温度はそれ
ぞれ550℃及び300℃となり、次式(6)が成立
し、式(2)を満足する。
【0041】
【数10】 L=14(m)>Δp/(gβρΔT)=13.7(m)………(6) なお、上記のことを検討するに当って、1次系の循環流
量に対する1次系の経路の圧力損失の評価には、1次系
の主な圧力損失の発生源である、炉心の燃料集合体と、
熱交換器との圧力損失を考慮している。評価に用いた炉
心は、直径7.5mmの燃料ピン250本からなる直径
0.25mの燃料集合体350体によって構成されてい
る。また、熱交換器は、1基あたり6000本の直管型
伝熱管で構成され、直管型伝熱管の内径は23mmであ
る。
【0042】この炉心と熱交換器とにより構成されてあ
る1次系の循環流量に対する圧力損失特性を図4に示
す。
【0043】いま、1次系の経路に沿った座標をx、座
標xにおける冷却材の温度をT、基準温度をT0、上記
x座標の水平方向からの傾き角度をφ、経路に沿った一
巡の積分を記号∫cで表すとき、浮力による駆動圧力Δ
0は、次式で求められる。
【0044】
【数11】 Δp0=∫cgβρ(T−T0)・sinφ dx …………(7) 式(7)で求めたΔp0と1次系の圧力損失Δpとが等
しくなる流量が浮力により得られ、この流量と炉心の定
格の熱出力とに対して、炉心の出入口温度が定まる。
【0045】上述のように、実施例1によれば、式
(1)及び式(2)が成立するようにL=14mとする
ことにより、定常時にポンプの駆動力なしに、浮力のみ
で得られた循環流量により、780MWtの熱出力を除
去することが可能となり、従来において主循環ポンプが
占有していたスペースを削除、又は縮小でき、1次冷却
系を簡素化することができる。
【0046】上記の一実施例と同様な検討を、前述した
従来例1と従来例2の各場合について行ってみる。
【0047】式(8)は、従来例1の場合を、式(1)
により、評価したものである。
【0048】
【数12】 L=4(m)〈△pCF/(gβρW)=1100(m)…………(8) このときの評価条件を表2に示す。
【0049】
【表2】
【0050】表2に示すように、この場合は、定格熱出
力2600MWt、1次系の流量13000kg/s、こ
の流量に対する1次系の圧力損失0.4MPaである。
しかし、伝熱中心間距離Lは約4mに設計されており、
式(8)から式(1)が従来例1では成立しないことが
わかる。また、このときの炉心出入口の温度は、それぞ
れ530℃及び380℃であり、式(2)により評価す
ると、式(9)となり、式(2)も満足されていない。
【0051】
【数13】 L=4(m)<Δp/(gβρΔT)=1100(m)…………(9) また、従来例1における、もう一つの熱交換器である原
子炉停止後の崩壊熱除去用の補助熱交換器13に対し
て、式(1)及び式(2)により評価すると、式(1
0)及び式(11)のようになる。
【0052】
【数14】 L=7(m)〈△pCF/(gβρW)=1100(m)……(10)
【0053】
【数15】 L=7(m)<Δp/(gβρΔT)=1100(m)………(11) 式(1)及び式(2)の、いずれも満足していない。
【0054】次に、式(12)は、従来例2の場合を、
式(1)により評価したものである。
【0055】
【数16】 L=4(m)<ΔpCF/(gβρW)=2300(m)……(12) このときの評価条件を表3に示す。
【0056】
【表3】
【0057】表3に示すように、この場合は、定格熱出
力720MWt、1次系の流量4300(kg/s)、こ
の流量に対する1次系の圧力損失0.7MPaである。
この従来例も、伝熱中心間距離Lが約4mに設計されて
おり、式(12)により式(1)が、この従来例では成
立しないことがわかる。
【0058】また、このときの炉心出入口の温度はそれ
ぞれ、530℃、400℃であり、式(2)により評価
すると、式(13)のようになり、式(2)も満足しな
い。
【0059】
【数17】 L=4(m)<Δp/(gβρΔT)=2300(m)………(13) 次に、本発明を実施した液体金属冷却型原子炉の評価例
を表4に示す。
【0060】
【表4】
【0061】表4の作成に際しては、1次系の冷却材に
ナトリウムを用い、1次系の圧力損失は図4に示した特
性を使用した。表4は、炉心出口温度を550℃とした
条件で炉心と熱交換器の伝熱中心間距離L=7、14、
21mとした各場合について、浮力のみで得られる1次
系の循環流量、除去可能な熱出力、圧力損失及び炉心入
口温度を求め、炉心入口温度200℃以上の場合につい
て示したものである。表4の各事例について検討した際
の具体的な数値などは省略するが、いずれの場合も、式
(1)及び式(2)を満足している。また、Lを増すこ
とにより、除去可能な熱出力を増加させることができ
る。
【0062】図5は実施例2の場合である。原子炉容器
3をナトリウムで満たし、その内部に炉心1、炉上部機
構4が設置され、原子炉容器3の外部に配置された4基
の熱交換器2の入口、出口が、それぞれ高温プレナム
5、低温プレナム6に配管12c、12dで接続され、
熱交換器2の入口と炉心1の出口とを結ぶ流路、及び熱
交換器2の出口と炉心1の入口とを結ぶ流路が、それぞ
れ形成されている。
【0063】この実施例の場合も、炉心1の伝熱中心1
aと、熱交換器2の伝熱中心2aとの間の距離7、すな
わちLに対して、前出の式(5)と同式が成立するよう
に、L=14mとなる位置に炉心と熱交換器を配置して
あり、このときの評価条件は、前出の表1と同じであ
る。
【0064】1次系の圧力損失は、図4を用いて求め
た。上記のように、L=14mの場合、1次系の圧力損
失は8103Paとなり、定格熱出力780MWtに対
して、ポンプの駆動力なしに、浮力により2394kg
/sの1次系の循環流量が得られ、定格熱出力780M
Wtを除去することが可能である。また、このときの炉
心出入口の温度はそれぞれ550℃、300℃となり、
前出の式(6)と同式が成立し、式(2)を満足する。
【0065】この実施例では、式(1)及び式(2)が
成立するように、L=14mとすることにより、定常時
にポンプの駆動力なしに、浮力のみで得られた循環流量
により、780MWtの熱出力を除去することが可能で
あり、従来において、主循環ポンプ、熱交換器と主循環
ポンプ、及び主循環ポンプと原子炉容器とを接続してい
た配管が占有していたスペースを削除、又は縮小でき、
1次冷却系を簡素化することができる。
【0066】図6は、実施例3の場合である。原子炉容
器3をナトリウムで満たし、その内部に炉心1を設置
し、径が原子炉容器3よりも小さく、炉心の出口に連結
されてある円筒状の、炉心出口の容器3aを置き、この
内部に高温プレナム5が形成され、炉上部機構4が設置
されている。
【0067】炉心出口の容器3aの外部に配置されてあ
る4基の熱交換器2の入口が、炉心出口の容器3aの上
部と配管12eによって接続され、熱交換器2の出口は
低温プレナム6に接続され、熱交換器2の入口と炉心1
の出口とを結ぶ流路、及び熱交換器2の出口と炉心1の
入口とを結ぶ流路が形成されている。
【0068】炉心1の伝熱中心1aと、熱交換器2の伝
熱中心2aとの間の距離7、すなわちLに対して、前出
の式(5)と同式が成立するように、L=14mとなる
位置に炉心と熱交換器を配置している。このときの評価
条件は、表1と同じである。この実施例は、実施例2と
同様に、式(1)及び式(2)を満足し、定格熱出力7
80MWtに対して、浮力により2394kg/sの1次
系の循環流量がポンプの駆動力なしに得られ、定格熱出
力780MWtを除去することが可能である。また、炉
心出入口の温度はそれぞれ550℃、300℃である。
【0069】この実施例では、式(1)及び式(2)が
成立するように、L=14mとすることにより、定常時
にポンプの駆動力なしに、浮力のみで得られた循環流量
により、780MWtの熱出力を除去することが可能で
あり、従来の主循環ポンプ及び配管が占有していたスペ
ースを削除、または縮小し、1次冷却系を簡素化するこ
とができる。また、原子炉容器3の高さが、低温プレナ
ム6を構成する部分の高さのみからなるので、原子炉容
器3の高さを減ずることが可能である。
【0070】図7は、実施例4の場合である。原子炉容
器3をナトリウムで満たし、その内部に炉心1及び炉上
部機構4を配置し、原子炉容器3の外部に4基の熱交換
器2が設置され、熱交換器2の入口と炉心1の出口は、
高温プレナム5と配管12fを介して連絡し、熱交換器
2の出口と炉心1の入口は、低温プレナム6と配管12
gを介して連絡している。
【0071】原子炉容器3内の高温プレナム5は、ルー
フスラブ8との間に液面を持たず、熱交換器2の液面1
5は高温プレナム5よりも高い位置に保持され、熱交換
器2の液面15とルーフスラブ8の下面との液位差か
ら、高温プレナム5に生じる圧力のうち、上方成分の圧
力をルーフスラブ8の下面で受け止める構造にしてあ
る。
【0072】炉心1の伝熱中心1aと熱交換器2の伝熱
中心2aとの間の距離7、すなわちLは、前出の式
(5)と同式が成立するように、L=14mとなる位置
に炉心と熱交換器を配置している。このときの評価条件
は表1と同じである。
【0073】すなわち、式(1)及び式(2)を満足
し、定格熱出力780MWtに対して、浮力により23
94kg/sの一次系の循環流量が、ポンプの駆動力なし
に得られ、定格熱出力780MWtの除去を可能にして
いる。
【0074】この実施例では、式(1)および式(2)
が成立するように、L=14mとすることにより、定常
時にポンプの駆動力なしに、浮力のみで得られた循環流
量により、780MWtの熱出力を除去することが可能
であり、従来の主循環ポンプ及び配管が占有していたス
ペースを削除、又は縮小でき、1次冷却系を簡素化する
ことができる。また、原子炉容器3の高さを従来と比べ
て高くすることなしに、式(1)及び式(2)を満足す
る液体金属冷却型原子炉を提供することができる。
【0075】図8は実施例5の場合である。原子炉容器
3をナトリウムで満たし、この内部に炉心1及び炉上部
機構4を配置し、原子炉容器3の外部に4基の熱交換器
2を設置し、熱交換器2の入口と炉心1の出口とは、高
温プレナム5と配管12fによって連絡し、熱交換器2
の出口と炉心1の入口とは、低温プレナム6と配管12
gによって連絡している。
【0076】原子炉容器3内の高温プレナム5は、ルー
フスラブ8との間に液面16を有し、熱交換器液面15
は、高温プレナム5よりも高い位置に保持され、熱交換
器液面15と高温プレナム内の液面14の液位差から生
じる、ルーフスラブ8と高温プレナム内の液面14との
間に存在する気体の圧力のうち、上方成分圧力をルーフ
スラブ8により受け止める構造にしてある。
【0077】炉心1の伝熱中心1aと熱交換器2の伝熱
中心2aとの間の距離7、すなわちLは、前出の式
(5)が成り立つように、L=14mとなる位置に炉心
と熱交換器を配置している。このときの評価条件は表1
と同じである。
【0078】式(1)及び(2)を満足し、浮力により
2394kg/sの1次系の循環流量がポンプの駆動力
なしに得られ、定格熱出力780MWtを除去すること
が可能である。
【0079】この実施例では、L=14mとすることに
より、定常時にポンプの駆動力なしに、浮力のみで得ら
れた循環流量により、780MWtの熱出力を除去する
ことが可能であり、従来の主循環ポンプ及び配管が占有
していたスペースを削除、又は縮小でき、1次冷却系を
簡素化することができる。また、原子炉容器3の高さを
従来と比べて高くすることなしに、式(1)及び式
(2)を満足する液体金属冷却型原子炉を提供してい
る。
【0080】図9は実施例6の場合である。この実施例
は、実施例1の場合において、熱交換器2の出口部に、
発電などの産業上の利用に供する定格の熱出力Wを除熱
する際の1次系の流量Fにおける、1次系の経路の圧力
損失Δpよりも小さい吐出し圧力Δpfのポンプ14a
を取り付けた場合である。
【0081】この実施例の一例として、W=780MW
t、F=2390kg/s、Δp=8100Paであ
り、また炉心1の伝熱中心1aと熱交換器2の伝熱中心
2aとの間の距離7、すなわちL=14mという設定に
おいて、Δpf=6170Paの電磁式ポンプ14aを
取り付けた場合を、以下に説明する。
【0082】原子炉起動時において、電磁式ポンプ14
aにより、6170Paの吐出し圧力で1次系を駆動
し、2390kg/sに満たない1次系の循環流量21
00kg/sを得る。炉心の熱出力を徐々に上昇させ、
780MWtに満たない520MWtまで上昇させて
後、電磁式ポンプ14aの吐出し圧力を徐々に低下させ
て、電磁式ポンプ14aを停止させる。このとき、1次
系は炉心出入口温度がそれぞれ500℃、309℃であ
り、浮力のみにより上記の2100kg/sの1次系の
循環流量を定常に保った状態で、520MWtの熱出力
を除去することが可能である。
【0083】更に、炉心の熱出力及び熱交換器の冷却能
力を徐々に上昇させて780MWtの熱出力とする。こ
のとき、定格熱出力780MWtを除去可能な1次系の
流量2390kg/sが浮力により定常的に得られ、炉
心出入口温度をそれぞれ550℃、300℃に保った状
態で運転することが可能となる。
【0084】この実施例によれば、1次系の経路中に定
格流量を達成するに満たない吐出し圧力の電磁式ポンプ
14aを取り付け、原子炉の起動時に電磁式ポンプ14
aを駆動することにより、原子炉の停止状態から、定格
熱出力における浮力のみによる運転に、スムーズに移行
可能な液体金属冷却型原子炉が提供できる。
【0085】図10は実施例7の場合であり、上記の実
施例6の変形例である。この実施例は、実施例2の、熱
交換器2の出口と低温プレナム6とを結ぶ配管の途中
に、発電などの産業上の利用に供する定格の熱出力を除
熱する際の定格1次系の流量における、1次系の経路の
圧力損失よりも小さい吐出し圧力の機械式ポンプ14b
を取り付けた場合である。
【0086】この実施例によれば、実施例6の場合と同
様に、1次系の経路中に定格流量を達成するに満たない
吐出し圧力のポンプを取り付け、原子炉の起動時に、ポ
ンプを駆動することにより、原子炉の停止状態から、定
格熱出力における浮力のみによる運転に、スムーズに移
行できる液体金属冷却型原子炉が提供できる。
【0087】次に、実施例8について説明する。この実
施例の図面は、実施例6の図9と同じであるので、同図
を用いて説明する。なお、図9の内容については、既述
してあるので省略する。
【0088】この実施例では、熱交換器2の出口に、定
格流量F=2394kg/sのときの1次系の圧力損失
Δp=8103Paに満たない吐出し圧力Δpf=40
50Paの電磁式ポンプ14aが設置されている。
【0089】炉心1の伝熱中心1aは原子炉容器の下部
に、熱交換器2の伝熱中心2aは原子炉容器の上部に位
置しており、両者の伝熱中心間の距離7、すなわちL
は、式(3)を満足している必要がある。すなわち、こ
の実施例の場合は、次式(14)から明らかなように、
Lが6.9m以上であることを要し、このため、L=7
mと決定している。このときの評価条件は表1と同じで
ある。
【0090】
【数18】 L=7(m)〉(Δp−Δpf)CF/(gβρW)=6.9(m)…(14) 定格熱出力780MWtの場合、上記の2394kg/s
の1次系の流量で炉心の熱を除去する必要があるが、ポ
ンプの吐出し圧力Δpf=4050Paでは、この流量
は得られない。この実施例では、L=7mとすることに
より、780MWtの炉心の発熱時において、(Δp−
Δpf)=4053Paの浮力による駆動圧力が発生
し、上記の2394kg/sの1次系の循環流量を確保
し、定格熱出力を除去することが可能である。また、こ
のときの炉心出入口の温度はそれぞれ550℃、300
℃となり、次式(15)が成立し、式(4)を満足す
る。
【0091】
【数19】 L=7(m)>(Δp−Δpf)/(gβρΔT)=6.9(m)…(15) なお、上記の1次系の循環流量に対する1次系の経路に
おける圧力損失の評価には、図4の圧力損失特性を用い
た。上記のように、この実施例では、式(3)及び式
(4)が成立するように、L=7mとすることにより、
定格流量を確保するに満たないポンプの吐出し圧力を浮
力による駆動圧力で補い、定格流量2394kg/sを
確保でき、定格熱出力780MWtを除去することがで
きる。したがって、従来の主循環ポンプの小型化が可能
となる。
【0092】なお、図2及び図3で示した従来例1及び
従来例2の液体金属冷却型原子炉では、定格運転時には
ポンプの吐出し圧力力Δpfは1次系の圧力損失Δp以
上に設計されており、式(3)及び式(4)のΔp>Δ
fという条件を満たしていない。
【0093】上記の実施例8の場合について、その他の
評価例を表5に示す。
【0094】
【表5】
【0095】表5は、表4で示した熱出力、1次系の流
量、1次系の圧力損失及び炉心出入口温度の各条件に対
して、1次系の圧力損失の1/2の吐出し圧力のポンプ
を設け、1次系の冷却材を循環させる条件を付加したも
のである。
【0096】これにより、炉心と熱交換器との伝熱中心
距離を、表4に示した浮力のみで1次系の冷却材を駆動
可能な場合の条件に対し、1/2に短縮することが可能
である。表5に例示した各Lは、具体的な数値は省略す
るが、式(3)及び式(4)をそれぞれ満足している。
更に、Lを増すことにより、除去可能な熱出力を増加さ
せることができる。
【0097】更に、実施例9について説明する。この実
施例の図面は、実施例7の図10と同じであるので、図
10を用いて説明する。なお、図10の内容について
は、既述してあるので省略する。
【0098】この実施例は、実施例8の変形例であり、
Δp=8103Pa>Δpf=4000Paの条件にお
いて、前出の式(15)と同式が成立し、この実施例に
おいても実施例8と同様の効果により、従来の主循環ポ
ンプの小型化が可能である。
【0099】実施例8及び実施例9に示した定格流量時
の1次系の圧力損失に満たない吐出し圧力のポンプを1
次系循環経路に取り付ける効果は、実施例1〜5などの
定常運転時に浮力のみによって、1次冷却材を駆動する
液体金属冷却型原子炉に対しても有効であり、表5に示
すように、炉心と熱交換器の伝熱中心間距離を短縮する
ことができる。
【0100】
【発明の効果】本発明によれば、炉心と熱交換器の伝熱
中心間の距離Lに対し、式(1)〜式(4)が成立する
ように、炉心と熱交換器とを配置することにより、以下
の効果が得られる。
【0101】炉心と熱交換器の伝熱中心間の距離Lに対
し、式(1)及び式(2)が成立するように、炉心と熱
交換器とを配置することにより、発電などの産業上の利
用に供する炉心の熱出力を得る際の1次系の流量におけ
る、1次系の圧力損失に相当する流体の駆動圧力が浮力
により発生し、定常状態において、主循環ポンプで1次
系の流体を強制的に循環させることなく、1次系の流体
は上記の流量で循環し、炉心の熱出力を取り出すことが
できる。これにより、1次系の機器である主循環ポンプ
の削除、または小型化・低吐出し圧力化が実現でき、1
次冷却系を簡素化した液体金属冷却型原子炉が提供され
る。
【0102】また、炉心と熱交換器の伝熱中心間の距離
Lに対し、式(3)〜式(4)が成立するように、炉心
と熱交換器を配置することにより、発電などの産業上の
利用に供する炉心の熱出力を得る際の1次系の流量にお
ける、1次系の圧力損失Δpよりも小さい吐出し圧力Δ
fで流体を強制的に駆動しても、(Δp−Δpf)に相
当する駆動圧力が浮力により発生し、定常状態におい
て、主循環ポンプで1次系流体を強制的に吐出し圧力Δ
p・流量Fで循環させることなく、1次系の流体は上記
流量Fで循環し、炉心の熱出力を取り出すことができ
る。これにより、1次系の機器である主循環ポンプの小
型化・低吐出し圧力化が実現でき、1次冷却系を簡素化
した液体金属冷却型原子炉が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の模式縦断面図である。
【図2】従来例1のタンク型高速炉の模式縦断面図であ
る。
【図3】従来例2のループ型高速炉の模式縦断面図であ
る。
【図4】本発明の実施例の評価に用いた1次系の圧力損
失特性図である。
【図5】本発明の実施例2の模式縦断面図である。
【図6】本発明の実施例3の模式縦断面図である。
【図7】本発明の実施例4の模式縦断面図である。
【図8】本発明の実施例5の模式縦断面図である。
【図9】本発明の実施例6、8の模式縦断面図である。
【図10】本発明の実施例7、9の模式縦断面図であ
る。
【符号の説明】
1…炉心、1a…炉心伝熱中心、2…熱交換器、2a…
熱交換器伝熱中心、3…原子炉容器、7…伝熱中心間距
離、8…ルーフスラブ、12a〜12g…配管、14a
…電磁式ポンプ、14b…機械式ポンプ、15…熱交換
器液面、16…高温プレナム液面。

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1次系に炉心と熱交換器とを有し、前記
    炉心は原子炉容器内に設置してあり、前記1次系の冷却
    材に液体金属を用い、前記炉心の出口と前記熱交換器の
    入口とを結ぶ経路、及び前記熱交換器の出口と前記炉心
    の入口とを結ぶ経路を形成してある液体金属冷却型原子
    炉において、発電などの産業上の利用に供する前記炉心
    における熱出力をW(W)、重力加速度をg(m/s2)、前記
    冷却材の体膨張率をβ(1/K)、密度をρ(kg/m3)、比熱を
    C(J/kgK)、前記炉心と前記熱交換器との伝熱中心間の
    距離をL(m)、前記熱出力Wを得る際の前記1次系の流
    量F(kg/s)が、前記1次系の経路を一巡したときの圧力
    損失をΔp(Pa)とした場合、前記炉心及び前記熱交換器
    の配置が、次式を満足してなることを特徴とする液体金
    属冷却型原子炉。 【数1】 L≧ΔpCF/(gβρW)……………………(1)
  2. 【請求項2】 1次系に炉心と熱交換器とを有し、前記
    炉心は原子炉容器内に設置してあり、前記1次系の冷却
    材に液体金属を用い、前記炉心の出口と前記熱交換器の
    入口とを結ぶ経路、及び前記熱交換器の出口と前記炉心
    の入口とを結ぶ経路を形成してある液体金属冷却型原子
    炉において、発電などの産業上の利用に供する前記炉心
    における熱出力を得る際の前記1次系に形成してある経
    路における、前記炉心の出口と前記熱交換器の入口との
    間の代表温度と、前記熱交換器の出口と前記炉心の入口
    との間の代表温度の差をΔT(K)、重力加速度をg(m/
    s2)、前記冷却材の体膨張率をβ(1/K)、密度をρ(kg/
    m3)、前記炉心と前記熱交換器との伝熱中心間の距離を
    L(m)、前記熱出力を得る際の前記1次系の流量が、前
    記1次系の経路を一巡したときの圧力損失をΔp(Pa)と
    した場合、前記炉心及び前記熱交換器の配置が、次式を
    満足してなることを特徴とする液体金属冷却型原子炉。 【数2】 L≧Δp/(gβρΔT)……………………(2)
  3. 【請求項3】 前記炉心の出口と前記熱交換器の入口と
    を結ぶ経路、及び前記熱交換器の出口と前記炉心の入口
    とを結ぶ経路のうちの少なくとも一つが、前記1次系の
    冷却材を充填してある容器内に存在する請求項1又は2
    記載の液体金属冷却型原子炉。
  4. 【請求項4】 前記炉心の出口と前記熱交換器の入口と
    を結ぶ経路、及び前記熱交換器の出口と前記炉心の入口
    とを結ぶ経路のうちの少なくとも一つが、前記1次系の
    冷却材が流通する配管内に存在する請求項1又は2記載
    の液体金属冷却型原子炉。
  5. 【請求項5】 前記熱交換器内の前記1次系の冷却材の
    液位を、前記原子炉容器内の前記1次系の冷却材の液位
    よりも高く保持してある請求項1又は2記載の液体金属
    冷却型原子炉。
  6. 【請求項6】 前記1次系の冷却材を、前記原子炉容器
    内における上蓋まで充満してある請求項5記載の液体金
    属冷却型原子炉。
  7. 【請求項7】 前記原子炉容器内における上蓋と前記1
    次系の冷却材の液面との間に、気体を封入してある請求
    項5記載の液体金属冷却型原子炉。
  8. 【請求項8】 前記炉心の出口と前記熱交換器の入口と
    を結ぶ経路内、及び前記熱交換器の出口と前記炉心の入
    口とを結ぶ経路内に、前記原子炉の発電などの産業上の
    利用に供する炉心の熱出力を除去する際の1次系の流量
    における1次系の経路の圧力損失よりも、吐出し圧力が
    小さいポンプを設けてある請求項1又は2記載の液体金
    属冷却型原子炉。
  9. 【請求項9】 前記ポンプを、前記原子炉の起動時には
    前記1次系の冷却材の駆動に用い、発電などの産業上の
    利用に供する炉心の熱出力を定常的に除熱する際には停
    止してある請求項8記載の液体金属冷却型原子炉。
  10. 【請求項10】 1次系に炉心、熱交換器及びポンプを
    有し、前記炉心は原子炉容器内に設置してあり、前記1
    次系の冷却材に液体金属を用い、前記炉心の出口と前記
    熱交換器の入口とを結ぶ経路、及び前記熱交換器の出口
    と前記炉心の入口とを結ぶ経路を形成してある液体金属
    冷却型原子炉において、発電などの産業上の利用に供す
    る前記炉心における熱出力をW(W)、重力加速度をg(m/
    s2)、前記冷却材の体膨張率をβ(1/K)、密度をρ(kg/m
    3)、比熱をC(J/kgK)、前記炉心と前記熱交換器との伝
    熱中心間の距離をL(m)、前記熱出力Wを得る際の前記
    1次系の流量F(kg/s)が、前記1次系の経路を一巡した
    ときの圧力損失をΔp(Pa)、前記ポンプの吐出し圧力を
    Δpf(Pa)とした場合、前記炉心及び前記熱交換器の配
    置が、次式を満足してなることを特徴とする液体金属冷
    却型原子炉。 【数3】 L≧(Δp−Δpf)CF/(gβρW)………………(3) (但し、Δp>Δpf
  11. 【請求項11】 1次系に炉心、熱交換器及びポンプを
    有し、前記炉心は原子炉容器内に設置してあり、前記1
    次系の冷却材に液体金属を用い、前記炉心の出口と前記
    熱交換器の入口とを結ぶ経路、及び前記熱交換器の出口
    と前記炉心の入口とを結ぶ経路を形成してある液体金属
    冷却型原子炉において、発電などの産業上の利用に供す
    る前記炉心における熱出力を得る際の前記1次系に形成
    してある経路における、前記炉心の出口と前記熱交換器
    の入口との間の代表温度と、前記熱交換器の出口と前記
    炉心の入口との間の代表温度との差をΔT(K)、重力加
    速度をg(m/s2)、前記冷却材の体膨張率をβ(1/K)、密
    度をρ(kg/m3)、前記炉心と前記熱交換器との伝熱中心
    間の距離をL(m)、前記熱出力を得る際の前記1次系の
    流量が、前記1次系の経路を一巡したときの圧力損失を
    Δp(Pa)、前記ポンプの吐出し圧力をΔpf(Pa)とした
    場合、前記炉心及び前記熱交換器の配置が、次式を満足
    してなることを特徴とする液体金属冷却型原子炉。 【数4】 L≧(Δp−Δpf)/(gβρΔT)………………(4) (但し、Δp>Δpf
  12. 【請求項12】 前記炉心の出口と前記熱交換器の入口
    とを結ぶ経路、及び前記熱交換器の出口と前記炉心の入
    口とを結ぶ経路のうちの少なくとも一つが、前記1次系
    の冷却材を充填してある容器内に存在する請求項10又
    は11記載の液体金属冷却型原子炉。
  13. 【請求項13】 前記炉心の出口と前記熱交換器の入口
    とを結ぶ経路、及び前記熱交換器の出口と前記炉心の入
    口とを結ぶ経路のうちの少なくとも一つが、前記1次系
    の冷却材が流通する配管内に存在する請求項10又は1
    1記載の液体金属冷却型原子炉。
  14. 【請求項14】 前記熱交換器内の前記1次系の冷却材
    の液位を、前記原子炉容器内の前記1次系の冷却材の液
    位よりも高く保持してある請求項10又は11記載の液
    体金属冷却型原子炉。
  15. 【請求項15】 前記1次系の冷却材を、前記原子炉容
    器内における上蓋まで充満してある請求項14記載の液
    体金属冷却型原子炉。
  16. 【請求項16】 前記原子炉容器内における上蓋と前記
    1次系の冷却材の液面との間に、気体を封入してある請
    求項14記載の液体金属冷却型原子炉。
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