JPH05187352A - プランジャ式油圧装置 - Google Patents

プランジャ式油圧装置

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Publication number
JPH05187352A
JPH05187352A JP4022169A JP2216992A JPH05187352A JP H05187352 A JPH05187352 A JP H05187352A JP 4022169 A JP4022169 A JP 4022169A JP 2216992 A JP2216992 A JP 2216992A JP H05187352 A JPH05187352 A JP H05187352A
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JP
Japan
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cylinder block
port
plunger
cylinder
inflow
Prior art date
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Application number
JP4022169A
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English (en)
Inventor
Eiichiro Kawahara
▲栄▼一郎 河原
Naonobu Wakabayashi
尚伸 若林
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 プランジャの吐出と吸入行程間での油圧変化
を滑らかにし、容積効率の低下なしにキャビテーション
エロージョンの発生を防ぐ。 【構成】 シリンダブロック4の端部側面に摺接して配
設された弁部材7には、シリンダブロックの回転に応じ
連結ポート13aを介して、膨張行程にあるプランジャ
が摺合されたシリンダ孔に連通する流入ポート14と、
収縮行程にあるプランジャが摺合されたシリンダ孔に連
通する流出ポートとが形成されている。流入ポートと流
出ポートは、シリンダブロックの回転に応じた連結ポー
ト13aの移動円周軌跡に沿って円弧状に形成されてい
る。一方、弁部材7におけるシリンダブロックの軸方向
端部側面に対する摺接面には、流入、流出ポートの周方
向端部から連結ポートの移動円周軌跡に沿って延びる切
り欠き溝14bが形成されており、この切り欠き溝内に
噴出孔21が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、斜板もしくは斜軸プラ
ンジャ式油圧ポンプ、モータ等のようなプランジャ式油
圧装置に関する。
【0002】
【従来の技術】このようなプランジャ式油圧装置(ポン
プ、モータ等)としては、例えば、特開昭61−118
566号公報に開示の装置がある。このような装置にお
いては、プランジャが吐出行程(収縮行程)から吸入行
程(膨張行程)に移行するときにこのプランジャが摺合
されたシリンダ孔内に急激な油圧変化が生じ、これがプ
ランジャ、斜板、ケーシング等に加振力として伝達さ
れ、上記油圧装置およびこれを用いた油圧式無段変速機
からの騒音を引き起こす一因となっていることが従来か
ら知られている。
【0003】このようなことから、上記油圧変化を緩や
かにするため、上記両行程の間に、予圧縮および予膨張
区間を設けたり、絞り通路(V字溝、切り欠き穴、調整
弁等)を設けたりすることが従来から多数提案されてい
る。(例えば、実開昭63−96372号、特開平2−
129461号公報等)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような絞り通路を
設けた場合には、プランジャが高圧側の行程(例えば、
油圧プランジャモータの場合には、流入行程)から低圧
側の行程(油圧プランジャモータの場合には、流出行
程)に移行するときに、まず、この絞り通路を介して高
圧側の作動油が低圧側に流れる。このような絞り通路を
介しての流れにより、油圧変化が緩やかになるのである
が、この流れ自体は高圧高速の噴流であり、且つ絞り通
路に沿って流れるため、この噴流が流入先の壁面(例え
ば、連結ポートの壁面)に衝突し、その壁面を形成する
金属表面にキャビテーションエロージョンを発生させる
という問題がある。
【0005】なお、このようなことから、特公昭61−
45073号公報には、絞り通路の前に噴出孔を形成
し、この噴出孔から絞り通路の噴流と直交する噴流を噴
出させ、絞り通路の噴流を和らげてキャビテーションエ
ロージョンの発生を抑えることが開示されている。しか
しながら、この場合には、絞り通路の前に形成した噴出
孔を介して高圧側ポートと低圧側ポートとが連通し、こ
の噴出孔からの作動油の流れにより、その分、容積効率
が低下するという問題がある。また、絞り通路は通常、
V字状に形成するなどしてその断面積を徐々に大きくす
るようになっているのであるが、この絞り通路の前に噴
出孔を形成したのでは、噴出孔の部分でまず急激な断面
積変化が発生するのが避けられず、油圧変化を滑らかに
する効果がそれだけ低下するという問題もある。
【0006】本発明はこのような問題に鑑みたもので、
プランジャが吐出行程(収縮行程)から吸入行程(膨張
行程)に移行するときもしくは吸入行程から吐出行程に
移行するときでの油圧変化を滑らかにすることができる
とともに、容積効率を低下させることもなしにキャビテ
ーションエロージョンの発生を防止できるような構成の
プランジャ式油圧装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的達成のた
め、本発明に係るプランジャ式油圧装置は、複数のシリ
ンダ孔を有するシリンダブロックと、これらシリンダ孔
内に摺合配設されたプランジャと、シリンダブロックの
端部側面に摺接して配設された弁部材とから構成され
る。そして、シリンダブロックの端部側面には、各シリ
ンダ孔に連通する複数の連結ポートがシリンダブロック
回転軸を中心とする所定円周上に並んで形成され、弁部
材には、シリンダブロックの回転に応じ連結ポートを介
して、膨張行程にあるプランジャが摺合されたシリンダ
孔に連通する流入ポートと、収縮行程にあるプランジャ
が摺合されたシリンダ孔に連通する流出ポートとが形成
されている。
【0008】そして、流入ポートおよび流出ポートは、
シリンダブロックの回転に応じた連結ポートの移動円周
軌跡に沿って円弧状に形成されている。一方、弁部材に
おけるシリンダブロックの軸方向端部側面に対する摺接
面には、流入および流出ポートの周方向端部から連結ポ
ートの移動円周軌跡に沿って延びる切り欠き溝が形成さ
れており、この切り欠き溝内に、この切り欠き溝が形成
された流入ポートもしくは流出ポートに連通する噴出孔
が形成されている。なお、切り欠き溝を、流入もしくは
流出ポートの周方向端部から移動円周軌跡に沿って漸次
その断面積が減少するように形成し、噴出孔をこの移動
円周軌跡に沿って複数形成するのが好ましい。
【0009】
【作用】上記構成のブランジャ式油圧装置を用いた場合
には、プランジャが高圧側の行程から低圧側の行程に移
行するときに、まず、絞り通路を形成する切り欠き溝を
介して高圧側の作動油が低圧側に流れるのであるが、こ
のとき、噴出孔からも高圧側の作動油が低圧側に噴出す
る。ここで、噴出孔は切り欠き溝内に形成しているた
め、この噴出孔からの噴流が切り欠き溝を通って低圧側
に流れる流れに干渉し、切り欠き溝を通る噴流が和らげ
られる。このため、この装置の場合には、切り欠き溝を
通って低圧側に流れる噴流によるキャビテーションエロ
ージョンの発生が防止される。この場合において、噴出
孔は切り欠き溝内にあるので、切り欠き溝により油圧変
化を滑らかにするという効果はそのまま得られるととも
に容積効率が低下することもない。
【0010】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の好ましい実施
例について説明する。図1に本発明を油圧モータに適用
した例を示している。このモータのケーシング1内に出
力軸2がベアリング3を介して回転自在に支承され、こ
の出力軸2にシリンダブロック4が摺動可能にスプライ
ン結合される。シリンダブロック4はベアリング5を介
してケーシング1に回転自在に支承される。また、ケー
シング1において、シリンダブロック4の一端側(図に
おいて左側)には斜板6が、他端側(右側)には分配弁
板7(弁部材)がそれぞれ設置されている。
【0011】斜板6は出力軸2を囲むように円環状をな
し、トラニオン軸8aを介してケーシング1に傾動可能
に支持させた円環状の斜板ホルダ8内に取り付けられて
いる。従って、斜板6は斜板ホルダ8とともにトラニオ
ン軸8aを中心として傾動して、シリンダブロック4の
回転軸線に対する傾き角を任意に変えることができる。
分配弁板7はケーシング1に固着させており、その中心
部において、シリンダブロック4を貫通する出力軸2の
先端をベアリング9を介して支持する。この分配弁板7
とシリンダブロック4との対向面7f,4fを摺接させ
るために、シリンダブロック4を分配弁板7側へ付勢す
るばね10が出力軸2とシリンダブロック4との間に配
設されている。
【0012】シリンダブロック4は、その回転軸周りに
等間隔を置き、且つ、その回転軸線と平行な9本のシリ
ンダ孔11,11,・・・を有し、各シリンダ孔11内
にそれぞれプランジャ12が摺合されている。各プラン
ジャ12は、対応するシリンダ孔11内に油室13を画
成し、各油室13に繋がる9個の連結ポート13aが、
図2に示すように、シリンダブロック4の前記対抗面4
fに開口してシリンダブロック4内に形成されている。
なお、この開口部は同一円周上に等間隔で並んで形成さ
れている。
【0013】一方、分配弁板7は、図3に示すように、
前記対抗面7fの片側半面に、前記連結ポート13aの
うちのこの半面に対向するポートと連通する一個の流入
ポート14を有し、反対側の片側半面に、この半面に対
向する連結ポート13aと連通する一個の流出ポート1
5を有し、これら流入および流出ポート14,15がそ
れぞれ流入および流出路14a,15aに繋がる。流入
および流出ポート14,15の円周方向端部には、図示
のように、端部から円周方向に延びるV字状の切り欠き
溝14b,15bが形成されている。さらに、これら切
り欠き溝14b,15bにはそれぞれ2個の噴出孔2
1,22が円周方向に並んで形成されている。これら噴
出孔21,22はそれぞれ内部において流入および流出
ポート14,15内に連通しており、流入および流出ポ
ート14,15内が高圧のときには、高圧の作動油はこ
れら噴出孔21,22から噴出するようになっている。
各プランジャ12の先端部には、シュー16が首振り自
在に連結されており、各シュー16は斜板6に摺接して
いる。なお、この摺接を確実に行わせるため、リテーナ
プレート17がシュー16を斜板6の方に押圧するよう
にして取り付けられている。
【0014】以上の構成の油圧モータにおいて、分配弁
板7を介して油室13への作動油の給排を行ってシリン
ダブロック4を図1において左側から見て反時計回りに
回転させると、このシリンダブロック4とともに出力軸
2も反時計周りに回転駆動される。この回転駆動は、例
えば、上死点T.D.C.に位置して最も縮小した状態にある
プランジャ12が対向する油室13内に流入ポート14
を介して高圧作動油を供給して行われる。このように高
圧作動油が供給されると、このプランジャ12の先端に
連結されたシュー16は、傾動した斜板6上を摺接しな
がら移動し、シリンダブロック4が回転駆動される。こ
れにより、このプランジャ12は伸長されてこれが対向
する油室13は拡大される。
【0015】そして、このシリンダブロック4の回転に
より、プランジャ12が下死点B.D.C.まで回転されると
最も膨張した状態となり流入行程が完了し、今度は、シ
リンダブロック4の回転に応じてシュー16が斜板6に
沿って移動してプランジャ12はシリンダ孔11内で縮
小方向に移動する。これにより、油室13内の作動油が
流出ポート15を介して流出される。
【0016】なお、図3に示すように、分配弁板7に形
成された流入ポート14と流出ポート15との間には、
連結ポート13aより大きな間隔が設けられ、この間隔
内に切り欠き溝14b,15bが設けられている。すな
わち、プランジャ12が上死点T.D.C.に位置したときに
その連結ポート13aは、2点鎖線で示すように、流出
ポート15と接するとともに流入ポート14から離れ、
プランジャ12が下死点B.D.C.に位置したときにその連
結ポート13aは、流入ポート14と接するとともに流
出ポート15から離れて位置するように、各ポート1
4,15が形成されている。但し、両ポートから離れて
位置するときでも、切り欠き溝14b,15bを介して
いずれかの対応するポートに連通する。
【0017】このため、シリンダブロック4の回転に応
じて、プランジャ12が上死点T.D.C.から回転移動する
と、連結ポート13aが流入ポート14に対向するまで
の間はこの連結ポート13aが連通する油室13は切り
欠き溝14bのみを介して流入ポート14に連通する状
態となり、プランジャ12の圧縮方向への移動によりこ
の油室13内の作動油は徐々に増圧される。同様に、プ
ランジャ12が下死点B.D.C.にある状態から回転される
と、連結ポート13aが流出ポート15に対向するまで
の間はこの連結ポート13aが連通する油室13は切り
欠き溝15bのみを介して流出ポート15と連通する状
態となり、プランジャ12の膨張方向への移動によりこ
の油室13内の作動油は徐々に減圧される。
【0018】このときのプランジャ12の位置(シリン
ダブロック4の回転角)とこのプランジャ12により画
成された油室13内の油圧との関係を図4および図5に
示している。なお、図5は図1の矢印II−II方向に
視てシリンダブロック4および斜板ホルダ8を示してい
る。図においては、回転角θが0°のときに上死点T.D.
Cに位置するプランジャ12により画成された油室13
内の油圧Pが、回転角の変化に応じてどのように変化す
るかを示している。回転角が0°からθ1だけ回転する
までの間が増圧区間であり、回転角が180°からθ2
だけ回転するまでの間が減圧区間である。本例では、増
圧区間において油圧Pは低圧PLから高圧PHまで緩やか
に変化し、減圧区間において油圧Pは高圧PHから低圧
PLまで緩やかに変化している。
【0019】このようにして油圧変化を緩やかにしてい
るのであるが、この増圧区間での油圧変化および作動油
の流れについて、図6を用いて説明する。図6には、流
入ポート14とこれに対向する連結ポート13aとを円
周方向に沿って断面して示している。連結ポート13a
が形成されるシリンダブロック4はその回転に応じて矢
印Aで示すように移動し、連結ポート13aはこの移動
に応じて、切り欠き溝14bと徐々に対向する。
【0020】連結ポート13aが切り欠き溝14bに対
向する位置までシリンダブロック4が回転すると、この
切り欠き溝14bを介して流入ポート14内の高圧作動
油が連結ポート13aを通って油室13に流入する。こ
のときの高圧作動油の流入方向を図において矢印B,C
により示している。矢印Cは噴出孔21がない場合の流
入方向を示しており、噴出孔21がない場合(従来の場
合)には、高圧作動油は切り欠き溝14bに沿って矢印
Cで示す方向に高速で流れて連結ポート13aの入口部
壁面に衝突する。このため、このままではこの高圧高速
作動油の衝突により、壁面にキャビテーションエロージ
ョンが発生する。
【0021】ところが、このモータにおいては、分配弁
板7に、流入ポート14の内部から切り欠き溝14bに
連通する2個の噴出孔21が切り欠き溝14bに沿って
並んで形成されている。このため、この噴出孔21から
切り欠き溝14b内に高圧作動油が噴出する。この噴出
孔21からの噴出流は、切り欠き溝14b内の作動油の
流れとほぼ直交し、この流れに干渉してこの流速を低下
させるとともに、この流れを上方に押し上げて、矢印B
で示すように、流れの方向を変える。これにより、切り
欠き溝14bから連結ポート13a内に流れる高圧作動
油は、その流速が遅くなるとともに壁面に斜めに当たる
ことになり、キャビテーションエロージョンが発生する
ことがなくなる。
【0022】この切り欠き溝14bおよび噴出孔21を
介して流れる作動油の流路断面積Sと、シリンダブロッ
ク4の回転角θとの関係を図7に示している。切り欠き
溝14bはV字状に形成されており、図において破線E
で示すように、その流路断面積Sはθ=0°からθ=θ
1まで徐々に増加する。一方、噴出孔21は溝14b内
にこれに沿って2個形成されているので、連結ポート1
3aがこれら噴出孔21と対向する位置までシリンダブ
ロック4が回転する度に、図において1点鎖線Fで示す
ように、流路断面積Sは階段状に増加する。このため、
実際の流路断面積Sは両者を加えたものとなり、図にお
いて実線Gで示すように、比較的滑らかに増加する。な
お、図において2点鎖線Hは油圧変化を滑らかにするた
めに要求される流路断面積変化を示しており、この図か
ら分かるように、実際の流路断面積変化を要求断面積変
化に近づけることが可能である。
【0023】以上においては、切り欠き溝14bをV字
状の溝にした場合を説明したが、図8および図9に示す
ように、階段状に流路断面積Sが増加する溝としても良
い。なお、この例では、切り欠き溝14bを3段の階段
状とするとともに、各段にそれぞれ噴出孔21を設けて
いる。この場合にも、噴出孔21からの噴出流により、
切り欠き溝14bに沿った流れ(矢印Cで示す流れ)を
上方に曲げて矢印Bで示すような流れにしており、キャ
ビテーションエロージョンの発生が防止される。なお、
この場合の流路断面積は、図9のように変化する。この
図で、破線E、1点鎖線F、実線Gおよび2点鎖線Hが
それぞれ、切り欠き溝14bの断面積変化、噴出孔21
の断面積変化、合計の(実際の)断面積変化および要求
断面積変化を示している。
【0024】以上においては、斜板プランジャ式油圧モ
ータについて説明したが、これを油圧ポンプとして用い
ても良い。さらに、上記例では斜板の傾動角が調整可能
な可変容量式のモータを示しているが、固定容量式の場
合も同様である。
【0025】以上においては、油圧ポンプもしくは油圧
モータ単体として用いる場合について説明したが、この
ような油圧ポンプとモータとを組み合わせて油圧式無段
変速機を構成することもある。このような無段変速機の
一例を図10に示しており、この無段変速機は、ケース
20a〜20cにより囲まれた空間内に油圧ポンプPお
よび油圧モータMが同芯に配設されて構成されている。
油圧ポンプPの入力軸21はエンジンの出力軸と結合さ
れている。
【0026】油圧ポンプPは、入力軸21にスプライン
結合されたポンプシリンダ60と、このポンプシリンダ
60に円周上等間隔に形成された複数のシリンダ孔61
に摺合した複数のポンププランジャ62とを有してな
り、入力軸21を介して伝達されるエンジンの動力によ
り回転駆動される。油圧モータMは、ポンプシリンダ6
0を外囲して設けられたモータシリンダ70と、モータ
シリンダ70に円周上等間隔に形成された複数のシリン
ダ孔71に摺合した複数のモータプランジャ72とから
構成されており、ポンプシリンダ60と同芯上にて相対
回転可能なようになっている。
【0027】モータシリンダ70は、軸方向に並んで一
体に結合された第1〜第4の部分70a〜70dにより
構成される。第1の部分70aはその左端外周において
ベアリング79aを介してケース20bにより回転自在
に支持されるとともに、右側内側面は入力軸1に対して
傾斜してポンプ斜板ホルダを構成しており、このポンプ
斜板ホルダ上にポンプ斜板リング63が設けられてい
る。第2の部分70bには前記複数のシリンダ孔71が
形成され、第3の部分70cは各シリンダ孔61,71
への油路が形成された分配盤80を有する。第4の部分
70dは第3の部分70Cと結合され、ベアリング79
bを介してケース5cにより回転自在に支持されてい
る。
【0028】上記ポンプ斜板リング63上には、円環状
のポンプシュー64が回転滑動自在に取り付けられ、こ
のポンプシュー64とポンププランジャ62とが連接桿
65を介してある程度首振り自在に連結されている。ポ
ンプシュー64とポンプシリンダ60には互いに噛合す
る傘歯車68a,68bが形成されている。このため、
入力軸1からポンプシリンダ60を回転駆動するとポン
プシュー64も同一回転駆動され、ポンプ斜板リング6
3の傾斜に応じてポンププランジャ62は往復動され、
吸入ポートからのオイルの吸入および吐出ポートへのオ
イルの吐出がなされる。
【0029】また、各モータプランジャ72に対向する
斜板ホルダ73が、その両外端から紙面に直角な方向に
突出する一対のトラニオン軸(揺動軸)73aを介して
ケース20a,20bにより揺動自在に支承されてい
る。この斜板ホルダ73のモータプランジャ72に対向
する面上にはモータ斜板リング73bが配設され、この
モータ斜板リング73b上に滑接してモータシュー74
が取り付けられている。モータシュー74は、各モータ
プランジャ72の端部に首振り自在に連結されている。
斜板ホルダ73は、そのトラニオン軸73aから離れた
位置で、リンク部材39を介して変速用サーボユニット
30のピストンロッド33と連結されており、変速用サ
ーボユニット30により、ピストンロッド33が軸方向
に移動されると、斜板部材73はトラニオン軸73aを
中心に揺動される。
【0030】モータシリンダ70の第4の部分70dは
中空に形成されており、その中心部に、配圧盤18に固
定された固定軸91が挿入されている。この固定軸91
の左端には分配環100が液密に嵌着されており、この
分配環100の軸線方向左端面が偏心して分配盤80に
摺接し得るようにされている。この分配環100によ
り、第4の部分70d内に形成された中空部が、内側に
ある第1油路Laと外側にある第2油路Lbとに区画さ
れている。なお、この分配環100が弁部材であり、モ
ータシリンダ70を構成する分配盤80と摺接するよう
になっている。
【0031】この分配盤80および第4の部分70d内
の詳細構造を図11に示しており、以下、この図も参照
して説明する。分配盤80には、ポンプ吐出ポート81
aおよびポンプ吸入ポート82aが穿設されており、そ
の吐出ポート81aおよびこれに繋がる吐出路81bを
介して、吐出行程にあるポンププランジャ62のシリン
ダ孔61と内側空間からなる第1油路Laとが連通さ
れ、また、ポンプ吸入ポート82aおよびこれに繋がる
吸入路82bを介して、吸入行程にあるポンププランジ
ャ62のシリンダ孔61と外側空間からなる第2油路L
bが連通される。
【0032】さらに、分配盤80には各モータプランジ
ャ72のシリンダ孔(シリンダ室)71にそれぞれ連通
する複数(プランジャ72と同数)の連絡路83が形成
されており、この連絡路83の開口に位置する連結ポー
ト83aが分配環100との摺接面に露出している。こ
れら連結ポート83aが分配環100の作用により、モ
ータシリンダ70の回転に応じて第1油路Laもしくは
第2油路Lbと連通され、膨張行程にあるモータプラン
ジャ72のシリンダ孔71と第1油路Laとが、収縮行
程にあるモータプランジャ72のシリンダ孔71と第2
油路Lbとがそれぞれ連絡路83を介して連通されるよ
うになっている。
【0033】このため、分配環100の摺接面100a
には、図12に示すように、膨張行程にあるシリンダ孔
71に連通するように半円弧状に形成された流入ポート
104と、収縮行程にあるシリンダ孔71に連通するよ
うに半円弧状に形成された流出ポート105とが形成さ
れている。さらに、油圧変化を滑らかにするための切り
欠き溝104a,105aが流入および流出ポート10
4,105の端部に形成されており、この切り欠き溝1
04a,105a内に噴出孔101,102がそれぞれ
形成されている。このため、この装置においても、油圧
変化が滑らかになるとともに、キャビテーションエロー
ジョンの発生が防止される。
【0034】上記のようにして、油圧ポンプPと油圧モ
ータMとの間には、分配盤80および分配環100を介
して油圧閉回路が形成されている。したがって、入力軸
21よりポンプシリンダ60を駆動すると、ポンププラ
ンジャ62の吐出行程により生成された高圧の作動油
が、ポンプ吐出ポート81aからポンプ吐出路81b、
第1油路La(内側空間)およびこれと連通状態にある
連絡路83を経て膨張行程にあるモータプランジャ72
のシリンダ孔71に流入して、そのモータプランジャ7
2に推力を与える。一方、収縮行程にあるモータプラン
ジャ72により排出される作動油は、第2油路Lb(外
側空間)に連通する連絡路83、ポンプ吸入路82bお
よびポンプ吸入ポート82aを介して吸入行程にあるポ
ンププランジャ62のシリンダ孔61に流入する。この
ような作動油の循環により、吐出行程のポンププランジ
ャ62がポンプ斜板リング63を介してモータシリンダ
70に与える反動トルクと、膨張行程のモータプランジ
ャ72がモータ斜板部材73から受ける反動トルクとの
和によって、モータシリンダ70が回転駆動される。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のプランジ
ャ式油圧装置によれば、流入ポートおよび流出ポート
が、弁部材上に、シリンダブロックの回転に応じた連結
ポートの移動円周軌跡に沿って円弧状に形成されてお
り、弁部材におけるシリンダブロックの軸方向端部側面
に対する摺接面には、流入および流出ポートの周方向端
部から連結ポートの移動円周軌跡に沿って延びる切り欠
き溝が形成され、この切り欠き溝内にこの切り欠き溝が
形成された流入ポートもしくは流出ポートに連通する噴
出孔が形成されている。
【0036】このため、このような構成のプランジャ式
油圧装置を用いた場合には、プランジャが高圧側の行程
から低圧側の行程に移行するときに、まず、絞り通路を
形成する切り欠き溝を介して高圧側の作動油が低圧側に
流れるのであるが、このとき、噴出孔からも高圧側の作
動油が低圧側に噴出し、噴出孔からの噴流が切り欠き溝
内を通って低圧側に流れる流れに干渉し、切り欠き溝を
通る噴流が和らげられる。このため、この装置において
は、切り欠き溝を通って低圧側に流れる噴流によるキャ
ビテーションエロージョンの発生を確実に防止すること
ができる。また、この場合において、噴出孔は切り欠き
溝内にあるので、切り欠き溝による油圧変化を滑らかに
するという効果はそのまま得られるとともに容積効率が
低下することもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプランジャ式油圧モータを示す断
面図である。
【図2】上記油圧モータの矢印II−IIに沿った端面
図である。
【図3】上記油圧モータの矢印III−IIIに沿った
端面図である。
【図4】上記油圧モータにおけるシリンダブロックの回
転に伴う油室内の油圧変化を示すグラフである。
【図5】上記油圧モータにおけるシリンダブロックの回
転に伴う油室内の油圧変化および各ポートの位置を示す
グラフである。
【図6】上記油圧モータにおける流入ポートおよび連結
ポート部を示す断面図である。
【図7】上記油圧モータにおけるシリンダブロックの回
転に伴う流路断面積の変化を示すグラフである。
【図8】上記油圧モータにおける流入ポートおよび連結
ポート部の異なる例を示す断面図である。
【図9】図8の油圧モータにおけるシリンダブロックの
回転に伴う流路断面積の変化を示すグラフである。
【図10】本発明に係る油圧モータとモータとからなる
油圧式無段変速機を示す断面図である。
【図11】上記無段変速機の一部を示す断面図である。
【図12】上記無段変速機に用いられる分配環を示す斜
視図である。
【符号の説明】
1 ケーシング 2 出力軸 4 シリンダブロック 6 斜板 7 分配弁板 8 斜板ホルダ 12 プランジャ 14 吐出ポート 15 吸入ポート 21,22 噴出孔 100 分配環

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸を囲む環状配列で軸方向に伸びる
    とともに軸方向一端側に開口して形成された複数のシリ
    ンダ孔を有してなるシリンダブロックと、前記シリンダ
    孔内に摺合されて配設された複数のプランジャと、前記
    シリンダブロックの軸方向他端側の側面に摺接して配設
    された弁部材とを有してなるプランジャ式油圧装置にお
    いて、 前記シリンダブロックの軸方向他端側の側面には、前記
    各シリンダ孔に連通する複数の連結ポートが前記回転軸
    を中心とする所定円周上に並んで配設され、 前記弁部材には、前記シリンダブロックの回転に応じ前
    記連結ポートを介して、膨張行程にある前記プランジャ
    が摺合された前記シリンダ孔に連通する流入ポートと、
    収縮行程による前記プランジャが摺合された前記シリン
    ダ孔に連通する流出ポートとが形成されており、 前記流入ポートおよび流出ポートは、前記シリンダブロ
    ックの回転に応じた前記連結ポートの移動円周軌跡に対
    向して円弧状に形成され、 前記弁部材における前記シリンダブロックの軸方向他端
    側側面に対する摺接面には、前記流入および流出ポート
    の周方向端部から前記連結ポートの移動円周軌跡に沿っ
    て延びる切り欠き溝が形成されており、 この切り欠き溝内に、この切り欠き溝が形成された前記
    流入ポートもしくは流出ポートに連通する噴出孔が形成
    されていることを特徴とするプランジャ式油圧装置。
  2. 【請求項2】 前記切り欠き溝が、前記流入もしくは流
    出ポートの周方向端部から前記移動円周軌跡に沿って漸
    次その断面積が減少するように形成されており、前記噴
    出孔が前記移動円周軌跡に沿って複数形成されているこ
    とを特徴とする請求項1に記載のプランジャ式油圧装
    置。
JP4022169A 1992-01-10 1992-01-10 プランジャ式油圧装置 Pending JPH05187352A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20160046992A (ko) * 2014-10-20 2016-05-02 현대중공업 주식회사 밸브플레이트 및 이를 포함하는 건설기계의 펌프
JP2021099048A (ja) * 2019-12-20 2021-07-01 ロボフューチャー株式会社 ピストンポンプ

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