JPH0518659U - 遠心機用溶着形チユーブ保持密封装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は溶着形チューブを保持すると共にチ
ューブ穴を密封する装置に関するもので、部品点数の削
減による原価低減と操作性の向上、そしてロータの回転
安定性向上を目的とする。 【構成】 遠心機用ロータ１のチューブ穴２に挿入した
溶着形チューブ３の上部に、チューブ穴２の密封と溶着
形チューブ３の保持を同時に行えるマルチキャップ１５
を装着した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は溶着形チューブを保持すると共にチューブ穴を密封する溶着形チュー ブ保持密封装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来技術を図３〜図５を参照して説明する。ロータ１のチューブ穴２に挿入し た溶着形チューブ３の上部に、該チューブ３が回転中溶着形チューブ３が変形、 破損しないようこれを保持するスペースキャップ４を装着する。そして更に上部 より、Ｏリング５とネジ部６を有するキャップ７の中央に設けられた六角穴８に 、これと適合する六角棒９を有するハンドル１０で、ロータチューブ穴上部に設 けられたネジ部１１に締め付けることにより、溶着形チューブ３を密封する。遠 心分離終了後溶着形チューブ３を抜き取る場合はハンドル１０でキャップ７を取 り外しチューブセッタ１２の爪部１３を、スペースキャップ４の切り欠き部分１ ４に合わせて引き抜く。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記したように従来の溶着形チューブ保持ロータチューブ穴密封装置において は、以下に述べる問題点があった。 １つは、スペースキャップ４とキャップ７の２個を装着しなければならないた め操作性が悪いということである。特に、スペースキャップ４が引き抜きずらい ことが問題となっている。理由は、チューブセッタ１２の爪部１３がチューブ穴 ２の制限を受けるため小さく、スペースキャップ４の切り欠き部分１４は、強度 的な問題から浅い円柱状の溝となっているため、チューブセッタ１２とスペース キャップ４との間に、十分な接触が確保できないためである。 ２つめは、部品点数が多いため原価高であるということである。 ３つめは、前記スペースキャップ４とキャップ７を装着しなければならないた め、おのずとロータの高さが大きくなってしまうということである。より高性能 なロータ１の実現のためロータ１設計の際には、回転の安定性向上からロータ１ の高さを極力小さくなるよう配慮しなければならない。

【０００４】 本考案の目的は、溶着形チューブを保持しロータのチューブ穴を密封する装置 の操作性向上と原価低減そしてロータの回転の安定性を向上させることである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的は、従来の溶着形チューブ保持装置であるスペースキャップの機能と 、ロータチューブ穴密封装置であるキャップの機能を合わせ持つマルチキャップ を溶着形チューブの上部に装着することで達成される。

【０００６】

【作用】

上記のように構成された溶着形チューブ保持密封装置は、従来の装置に比べ高 さを低くすることが可能となるため、これに合わせてロータの高さを低くするこ とが可能となり、ロータの回転安定性向上を図れる。また、部品点数が減ること から原価低減が図れると共に、ネジ部からマルチキャップを取り外しさえすれば 、チューブを抜き取ることが可能となり操作性が格段に向上する。

【０００７】

【実施例】

図１、図２は本考案の一実施例を示す。 遠心機用ロータ１のチューブ穴２には溶着形チューブ３が挿入されており、そ の上部にマルチキャップ１５がピンハンドル１６でチューブ穴２のネジ部１１に 締め付けられている。マルチキャップ１５はＯリング５とピン穴１７そしてチュ ーブ穴２のネジ部１１と噛み合うためのネジ部１８を有し、溶着形チューブ３を 支持するための面１９を内部に持つ。ピン穴１７は、ピンハンドル１６でチュー ブ穴２のネジ部１１に締め付ける際、ピン２０が挿入されるためのもので４個設 けられている。ピンハンドル１６の２個のピン２０と、該ピン２０と噛み合うピ ン穴１７は溶着形チューブ３を支持するための面１９を避けているため、マルチ キャップ１５の高さを更に低くすることを可能としている。

【０００８】

【考案の効果】

本考案によれば、従来個々の装置となっていた溶着形チューブ保持装置とロー タチューブ穴密封装置とを統合し、１つの装置で溶着形チューブ保持機能とロー タチューブ穴密封機能を有するようにしたので、操作性の向上、原価低減、より 回転安定性の向上したロータを装着した遠心分離機を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の一実施例を示す要部の断面図。

【図２】 本考案に使用されるハンドルの一部を示す斜
視図。

【図３】 従来技術を示す要部断面図。

【図４】 従来のハンドルを示す斜視図。

【図５】 従来のスペースキャップ取外し用チューブセ
ッタの斜視図。

【符号の説明】

１はロータ、２はチューブ穴、３は溶着形チューブ、５
はＯリング、７はキャップ、１１はチューブ穴２のネジ
部、１５はマルチキャップ、１９は溶着形チューブを支
持する面である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 遠心分離される試料を収納し、上端開口
   部を溶着した溶着形チューブをロータ内のチューブ内に
   挿入して前記試料を遠心分離するものにおいて、前記溶
   着形チューブの上面にフィットする面及びチューブ穴上
   部のネジ部にネジ嵌合するネジ部とＯリングを有するマ
   ルチキャップを前記溶着形チューブ上部に装着したこと
   を特徴とする遠心機用溶着形チューブ保持密封装置。