JPH0518624U - 歯科治療における汚染空気の処理装置及びそのためのフイルター - Google Patents

歯科治療における汚染空気の処理装置及びそのためのフイルター

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JPH0518624U
JPH0518624U JP7386391U JP7386391U JPH0518624U JP H0518624 U JPH0518624 U JP H0518624U JP 7386391 U JP7386391 U JP 7386391U JP 7386391 U JP7386391 U JP 7386391U JP H0518624 U JPH0518624 U JP H0518624U
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勝 茶谷
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 歯科治療によって生じる汚物を効果的に滅菌
・脱臭、除塵して清浄にして、もって、治療室内及びそ
の付近の環境を清浄に保つフィルターを提供する。 【構成】 フィルター本体Iは円筒状に構成されてお
り、各フィルター層35〜39に剛性がないため、気圧
の関係が逆になった時、或いは、フィルター本体に外圧
がかかった時に、フィルター本体が潰れてしまうおそれ
がある。そのため、本考案においては、円筒状フィルタ
ーの中心孔32内にスプリング33が設けられており、
これによって、フィルター本体Iが潰れるようなことは
なく、フィルター機能を十分に発揮できるようにしてい
る。また、ソケット部42の中に、殺菌灯43が一体的
に設けられており、この殺菌灯43によりフィルター本
体II内に導入される空気中に混入している細菌を滅菌す
る。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】
本考案は、歯科治療において発生する汚染空気の処理装置及び該処理装置に使 用して好適なフィルター、より詳細には、配管系に容易に着脱することができ、 滅菌可能で、更には、気圧の逆転又は外圧によっても潰れることない円筒状のフ ィルターに関する。
【0002】
【従来技術】
歯科治療室は外来患者の出入りも多く、室内を滅菌・消毒するための注意を怠 れば、床ならびに器械、器具の表面あるいは空気中などに、微生物が多数残存す る可能性があり、歯科治療室が患者から患者へ、患者から術者へ、あるいは術者 から患者へと、病原微生物を伝播する場所となってしまうおそれがある。特に、 最近では、黄色葡萄状球菌による院内感染が注目を集めている。
【0003】 図3は、本考案による汚染空気処理装置が適用される一例としての従来の歯科 ユニットの要部構成図で、10は歯科ユニット、11は治療椅子、12は無影灯 、13はスピットン、14はワークテーブル、15は排唾管、16はバキューム ホース、20は給排水管ボックス(ジョイントボックス)で、前記排唾管15は 、周知のように、患者の口腔内に入れられ、歯科治療時に発生する汚物(主とし て汚液)を吸引排出する。而して、歯科治療においては、スピットン、排唾管等 からの汚物を吸引廃棄するために、或いは、エアータービン、スプレー等を駆動 するために、真空源(バキューム)、空気圧源(コンプレッサー)、水圧源等を 必要とし、また、それらの配管を必要とする。これらの配管の接続は、治療室内 に設けられた給排水管ボックス20内で行なわれる。
【0004】 図4は、上述のごときジョイントボックス内における排唾管系統の配管例を示 す図で、図示のように、ジョイントボックス20内には、エアーバキュームタン ク21が設けられ、該タンク21内に排唾管15よりバキュームホース16を通 して口腔内の唾液等の汚物が吸引され、フィルター22によってゴミ等が取り除 かれた後、タンク20内に排棄される。このタンク20はバキュームチューブ1 6を通して吸引されてきた汚液と気体を分離するもので、液体等の重いものはタ ンク21の下に溜り、空気はサイホン吸引口23より、図示しないコンプレッサ ーよりの圧縮空気(Air)により、吸い上げられ、フィルター24を介してジ ョイントボックス20内に放出される。タンク21の下部には、リリーフ弁25 が設けられており、前述のようにして、圧縮空気が供給されている間は、タンク 21内が負圧に保たれるため、リリーフ弁25が図示のように上側に上り、弁を 閉じる。そのため、前述のようにしタンク21内に吸引された汚液は該タンク2 1内に溜り、その量が多くなるとフロート26を持ち上げ、ついには、このフロ ート26がサイホン吸引口23に達し、サイホン吸引口23を閉じる。サイホン 吸引口23が閉じると、タンク21内は大気圧に戻るので、タンク21内の汚液 の自重によりリリーフ弁25が下って弁が開き、タンク21内の汚液はドレンパ イプ27を通して排出される。
【0005】 上述のように、従来のジョイントボックス20内においては、患者の口腔内か ら吸引された汚染空気がフィルター24を通して治療室内に放出され、フィルタ ー24によって除塵、脱臭(消臭)されるが、フィルター24に抗菌作用を付加 することはできるものの、滅菌作用を持たせることはできず、従って、フィルタ ー24を通して排気された空気中に細菌が混入しており、この細菌による院内感 染のおそれがある。なお、歯科治療において使用するエアータービン、スプレー 等に対する配管系も、このジョイントボックス20内で連結されるが、図では、 これらについては省略してある。
【0006】
【目的】
本考案は、上述のごとき実情に鑑みてなされたもので、特に、歯科治療によっ て生じる汚物を効果的に滅菌・脱臭、除塵して清浄にして、もって、治療室内及 びその付近の環境を清浄に保つ処理装置及びそのためのフィルターを提供するこ とを目的としてなされたものである。
【0007】
【構成】
本考案は、上記目的を達成するために、(1)患者の口腔内に挿入されて該口 腔内の汚物を吸引排出する排唾管と、コンプレッサー装置と、該コンプレッサー 装置と前記排唾管と連結して前記排唾管より汚物を吸引排出する配管系と、該配 管系の連結を歯科治療室内において行うジョイントンボックスと有し、該ジョイ ントボックス内において、前記排唾管を通して吸引されてきた汚物の気水分離を 行う気水分離タンクと、分離された気体の除塵・消臭を行うフィルターと、該フ ィルターより放出された気体の滅菌を行う殺菌灯とを有する歯科治療における汚 染空気の処理装置、(2)円筒状のフィルター本体と、該フィルター本体の一方 の端部に着脱自在のソケット本体と、前記フィルター本体の他方の端部に設けら れた底板部材とから成り、前記ソケット本体内に殺菌灯を具備し、前記フィルタ ーに供給する汚染空気を該殺菌灯にて滅菌するようにしたフィルター、(3)円 筒状のフィルターと、該フィルターの一方の端部に着脱自在のソケット本体と、 前記フィルター本体の他方の端部に設けられた底板部材とから成り、前記円筒状 のフィルターの中心軸に沿って空洞を有し、該空洞内にスプリングを具備してい るフィルター、を特徴としたものである。以下、本考案の実施例に基いて説明す る。
【0008】 図1は、本考案が適用されたジョイントボックス20の一実施例を説明するた めの要部構成図で、バキュームタンク21乃至リリーフ弁27は、図4に示した 従来のジョイントボックス20と同様である。而して、本考案によるジョイント ボックス20内には、殺菌灯28が設けられており、殺菌灯28によってフィル ター24から放出された空気を滅菌して室内に放出する。従って、このジョイン トボックス20を用いると、患者の口腔から吸引、排気させる汚染空気を消臭、 除塵、滅菌して清浄にしてから室内に放出することができ、従って、治療室内の 空気を清浄に保つことができる。
【0009】 図2は、本考案によるフィルターの一実施例を説明するための構成図で、特に 、このフィルターは、上述のフィルター24に代って使用して好適なものである が、それに限定されるものではない。 図2において、Iはフィルター本体、IIは該フィルター本体Iが着脱自在に装 着されるソケット本体で、図2は、フィルター本体Iとソケット本体IIとが一体 的に装着されている時の状態を示す。 フィルター本体Iは、円筒状に構成され、その一方の端(図において左側)は 、被清浄化空気が導入されるように開口しており、他端(図において右側)は、 底板31により閉塞されている。円筒状フィルター本体Iの中心部には、中心軸 に沿って空洞32が設けられている。この空洞32の中にはスプリング33が設 けられており、また、空洞32の底部にはセパレート板34を介して活性炭(ヤ シコール)35が設けられているが、この活性炭35は必須のものではない。ス プリング33のまわりには、通常、ダイセルモア(商品名)と言われるフィルタ ー層36、ヤシコールを均一に巻き込んだ活性炭層37、シリウスVと言われる フィルター層38、ファインガードと言われるフィルター層39が順次巻回され 、これらが一体的に構成されている。
【0010】 ソケット本体IIは、被清浄化気体が導入される流入口41、及び該流入口41 と連通し、かつ、前記フィルター本体Iと着脱自在に装着されるソケット部42 から成り、流入口41より導入される汚染空気は、ソケット部42を通してフィ ルター本体Iの中心部の空洞32に導入され、空洞32より各フィルター層36 〜39を通して流れ、その間に除塵、消臭される。而して、本考案において、フ ィルター本体Iは円筒状に構成されており、各フィルター層36〜39に剛性が ないため、気圧の関係が逆になった時、或いは、フィルター本体に外圧がかかっ た時に、フィルター本体が潰れてしまうおそれがある。そのため、本考案におい ては、円筒状フィルターの中心孔32内にスプリング33が設けられており、こ れによって、フィルター本体Iが潰れるようなことはなく、フィルター機能を十 分に発揮できるようにしている。フィルター機能が低下した時は、フィルター本 体Iをソケット本体IIから取り外し、フィルター本体Iを新しいものと交換すれ ばよい。
【0011】 上述のように、上記フィルターは、種々のフィルターを何層も組み合せて巻回 しているが、ダイセルモアフィルター36は、アクリルをモア加工したもので、 アンモニア、硫化水素、尿素、口臭、体臭等に対する脱臭効能がよく、また、黄 色葡萄状菌、縁膿菌に対する抗菌性がよく、シリウスVフィルター38は、特殊 アクリル繊維に消臭効果の高い金属化合物を結合させたもので、アンモニア、硫 化水素、メチルメルカブタン、トルメチルアミン等に対する脱臭効能がよく、ま た、ファイルガードフィルター39は、10μm径のアクリル単繊維の不織布で 構成された活性炭素繊維(Activated Carbon fiber)を主材としたもので、これ は、タバコ臭、水道水カビ臭等の消臭、オゾン、塩素等の吸着、除去に優れてお り、本考案は、これらを効果的に組み合せて使用することにより大方の悪臭を消 臭し、また、大方の種類の菌の増殖を抑えることができる。しかし、これだけで は、本フィルター中に導入される空気中に混入している菌を滅菌することはでき ず、このフィルターを前述のごときジョイントボックス20内に用いたのでは、 このフィルターを通して細菌が治療室内に拡散されてしまい、治療室内の滅菌を 十分に行うことはできない。 そのため、他の実施例においては、図2に示すように、ソケット部42の中に 、殺菌灯43が一体的に設けられており、この殺菌灯43によりフィルター本体 II内に導入される空気中に混入している細菌を滅菌する。
【0012】
【効果】
上述のように、本考案によると、歯科治療によって生じる汚液及び/又は汚染 空気を効果的に脱臭、除塵し、かつ、滅菌することができ、従って、排出される 気体及び液体を十分に脱臭、殺菌して排出するので、歯科治療室から排出される 液体及び空気によって、院内及びその付近の環境が汚染される心配はない。また 、フィルターを円筒状にすることによって、何種類ものフィルター層を重ねて設 けることができ、その際、中心部の空洞が気圧の逆転又は外圧によって潰される のを、該空洞内に設けられたスプリングによって効果的に防止することができる 。更には、円筒状のフィルター本体を被清浄化気体流入口を有するソケットに着 脱自在に装着可能にしたので、フィルター本体の交換が非常に簡単になり、また 、ソケット部内に殺菌灯を設けることにより、脱臭、除塵、抗菌に加えて、滅菌 をも行うことのできるフィルターを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案による歯科治療における汚染空気処理
装置の一実施例を説明するための構成図である。
【図2】 本考案によるフィルターの一実施例を説明す
るための断面構成図である。
【図3】 本考案が使用される歯科ユニットの一例を説
明するための図である。
【図4】 本考案によるフィルターを使用するのに好適
なジョイントボックス内の一例を示す図である。
【符号の説明】
15…排唾管、16…バキュームホース、20…ジョイ
ントボックス、21…気液分離タンク、24…フィルタ
ー、28…殺菌灯、I…フィルター本体、II…ソケット
本体、32…空洞、33…スプリング、36〜39…フ
ィルター層、41…流入口、42…ソケット部、43…
殺菌灯。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01D 46/42 Z 7059−4D

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 患者の口腔内に挿入されて該口腔内の汚
    物を吸引排出する排唾管と、コンプレッサー装置と、該
    コンプレッサー装置と前記排唾管と連結して前記排唾管
    より汚物を吸引排出する配管系と、該配管系の連結を歯
    科治療室内において行うジョイントンボックスと有し、
    該ジョイントボックス内において、前記排唾管を通して
    吸引されてきた汚物の気水分離を行う気水分離タンク
    と、分離された気体の除塵・消臭を行うフィルターと、
    該フィルターより放出された気体の滅菌を行う殺菌灯と
    を有することを特徴とする歯科治療における汚染空気の
    処理装置。
  2. 【請求項2】 円筒状のフィルター本体と、該フィルタ
    ー本体の一方の端部に着脱自在のソケット本体と、前記
    フィルター本体の他方の端部に設けられた底板部材とか
    ら成り、前記ソケット本体内に殺菌灯を具備し、前記フ
    ィルターに供給する汚染空気を該殺菌灯にて滅菌するよ
    うにしたことを特徴とするフィルター。
  3. 【請求項3】 円筒状のフィルターと、該フィルターの
    一方の端部に着脱自在のソケット本体と、前記フィルタ
    ー本体の他方の端部に設けられた底板部材とから成り、
    前記円筒状のフィルターの中心軸に沿って空洞を有し、
    該空洞内にスプリングを具備していることを特徴とする
    フィルター。
JP1991073863U 1991-08-21 1991-08-21 汚染空気処理用フィルター Expired - Lifetime JP2538031Y2 (ja)

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Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5184466A (ja) * 1975-01-20 1976-07-23 Shoji Makino Batsugufuirutaa
JPS58109115A (ja) * 1981-11-16 1983-06-29 プロセス・サイエンテイフイツク・イノベイシヨンズ・リミテツド ガス浄化用円筒状フィルタ−カ−トリッジ
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JPS6334438U (ja) * 1986-08-25 1988-03-05
JPH01139139A (ja) * 1987-11-26 1989-05-31 Nippon Sheet Glass Co Ltd 脱臭・殺菌装置

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