JPH05185758A - 熱転写記録媒体及び水系コーティング剤 - Google Patents

熱転写記録媒体及び水系コーティング剤

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JPH05185758A
JPH05185758A JP4021705A JP2170592A JPH05185758A JP H05185758 A JPH05185758 A JP H05185758A JP 4021705 A JP4021705 A JP 4021705A JP 2170592 A JP2170592 A JP 2170592A JP H05185758 A JPH05185758 A JP H05185758A
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成之 原田
Keiji Taniguchi
圭司 谷口
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 スリップ性、耐熱性、耐サーマルヘッドカス
性、耐ブロッキング性の優れた熱転写記録媒体を提供す
ると共に、該熱転写記録媒体を構成する耐熱保護層を形
成する事のできる水系コーティング剤を提供する。 【構成】 支持体上面に熱転写性インク層を有し、支持
体下面に耐熱保護層を有する熱転写記録媒体において、
該耐熱保護層がアセトアセチル基含有ポリビニルアルコ
ールとアセトアセチル基と反応し得る化合物との反応物
及び滑剤から成ることを特徴とする熱転写記録媒体。ア
セトアセチル基含有ポリビニルアルコール、アセトアセ
チル基と反応し得る化合物及び滑剤を含有することを特
徴とする耐熱性被膜形成用水系コーティング剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はスリップ性、耐熱性、耐
サーマルヘッドカス性、及び耐ブロッキング性に優れた
熱転写記録媒体及び耐熱性被膜形成用水系コーティング
剤に関するものである。
【0002】
【従来技術及びその問題点】従来より、コンピューター
やワードプロセッサーなどの出力プリントを熱転写方式
で印字する場合は、支持体の一方の面に熱転写性インク
層を設けた熱転写記録媒体が使用されている。そうした
熱転写記録媒体は、一般に、支持体として厚さ10〜3
0μmのコンデンサ紙やパラフィン紙のような紙、ある
いは厚さ3〜20μmのポリエステルやセロファンのよ
うなプラスチックフィルムを用い、その上に顔料や染料
等の着色剤を混合したワックスをコーティングし、これ
を熱転写性インク層として形成されている。上記熱転写
記録媒体において、支持体としてポリエチレンテレフタ
レートフィルム等のフィルムを用いた場合、記録時に加
熱されるサーマルヘッドによって支持体の一部が溶融し
て、サーマルヘッドに融着することがある。スティッキ
ングと言われるこの現象は、印字品質を著しく低下させ
るともに、支持体がサーマルヘッドに焼き付いて、熱転
写記録媒体の搬送を不可能にする。このスティッキング
現象を防止するため、支持体の一方に耐熱保護層を形成
する技術がある。例えば、特開昭55−7467号及び
同63−172688号公報等には、支持体の一方のシ
リコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノー
ル樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹
脂、又はセルロース樹脂等からなる耐熱保護層を設ける
ことが提案されている。また、特開昭60−20498
9号公報には、芳香族ポリアミドからなる耐熱保護層を
設けることが提案されている。これらの耐熱性樹脂層
は、サーマルヘッド直下での動摩擦力が大きいため搬送
不良が発生し、長時間印字によってサーマルヘッドが摩
耗する等の問題が発生する。
【0003】一方、高耐熱性樹脂からなる耐熱保護層
に、シリコーンオイルを包含させる方法が提案されてい
る。この方法では、シリコーンオイルが耐熱保護層上面
に浮出し、シリコーンオイルがインク面に移行し、印字
品質が低下する。この問題を解決するために、特開昭6
1−184717号及び同62−220385号公報で
は、シリコン変性ポリウレタン樹脂からなる背面(耐熱
保護)層を設けている。該樹脂は良好なスベリ性を持つ
が、サーマルヘッドの熱により軟化又は溶融するため、
比較的高いエネルギーの印字では支持体が破断する。ま
た、50℃以上の環境では離型性が弱いため、背面層に
接するインク層が背面層に移動する。所謂ブロッキング
と言われる現象が発生する。また、特開昭61−143
195号公報には、シリコーングラフト又はブロックア
クリル系共重合体からなる背面層を設けることが提案さ
れている。シリコーングラフト又はブロックアクリル系
共重合体からなる背面層は、スベリ性が良いからスティ
キング現象を防止し、耐熱性や耐ブロッキング性も優れ
ている。しかし、シリコーングラフト又はブロックアク
リル系共重合体は成膜性が悪いため、これを背面層にし
た場合は、連続印字の隙サーマルヘッドによって削ら
れ、サーマルヘッド付近に白色物が付着あるいは融着し
(これをサーマルヘッドカスと言う)、印字品質を低下
させるような欠点がある。
【0004】さらに、前記背面層を付設したものは、そ
の背面層が主として有機溶剤塗工法で形成されるから、
防爆用設備が必要になる等の点で生産コストが増加する
うえ、労働安全や労働環境等の問題もあり、最近では世
界的規模での大気汚染防止運動もあるから、有機溶剤の
排出規制が強化されるのは必至であり、水系コーティン
グ剤への移行は時間の問題となりつつある。しかしなが
ら、現状では、熱転写記録媒体の背面層の形成に有効な
水系コーティング剤は開発されていない。以上述べたよ
うに、これまで熱転写記録媒体の耐熱保護層として、種
々のものが提案されているが、高エネルギー印字、長時
間印字等の条件下では、搬送不良やサーマルヘッドの摩
耗が発生したり、あるいは支持体の破断等が発生したり
などして、印字品質の低下を引き起こし、しかも耐ブロ
ッキング性、耐サーマルヘッドカス性等の面も不充分で
あって、未だ満足されるものは見出されていないのが現
状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高エネルギ
ー印字や多数回印字あるいは高速印字等の過酷な条件下
でも、スティッキング現象やしわ及び支持体破断等の問
題が発生することなく良好な品質の印字が得られると共
に、耐ブロッキング性や耐サーマルヘッドカス性にも優
れた熱転写記録媒体を提供することを第一の課題として
いる。また、熱転写記録媒体の構成要素である耐熱保護
層の形成に際し、高性能な耐熱保護層の形成の可能な水
系コーティング剤を提供することを第二の課題としてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するため鋭意研究を重ねた結果、アセトアセチル
基含有ポリビニルアルコール、アセトアセチル基と反応
し得る化合物及び滑剤を含む水系コーティング剤が耐熱
性にすぐれた被膜を与えることを見出すとともに、この
コーティング剤を用いて支持体下面に耐熱保護層を設け
ることにより、前記課題の解決された熱転写記録媒体が
得られることを見出し、本発明を完成するに至った。す
なわち、本発明によれば、支持体上面に熱転写性インク
層を設け、支持体下面に耐熱保護層を設けて成る熱転写
記録媒体において、該耐熱保護層が、アセトアセチル基
含有ポリビニルアルコールとアセトアセチル基と反応し
得る化合物との反応物及び滑剤から成ることを特徴とす
る熱転写記録媒体が提供される。また、本発明によれ
ば、アセトアセチル基含有ポリビニルアルコール、アセ
トアセチル基と反応し得る化合物及び滑剤を含有するこ
とを特徴とする耐熱性被膜形成用水系コーティング剤が
提供される。
【0007】本発明で使用されるアセトアセチル基を含
むポリビニルアルコール(以下、PVA−OCOCH2
Acと略記する)は、90モル%以上の水酸基がフリー
の状態で存在するポリビニルアルコールを主鎖とし、主
鎖の末端及び/又は側鎖にビニルアルコールモノマー1
00モルに対し1〜50当量、好ましくは5〜15当量
のアセトアセチル基を持つもので、その重合度は300
〜2000、好ましくは600〜2000であり、水溶
性を示すものである。本発明に使用されるアセトアセチ
ル基と反応性を示す化合物は、従来よく知られているも
のであり、例えば、カルボン酸金属塩類、脂肪族ジアミ
ン類、芳香族ジアミン類、脂肪族アルデヒド類、芳香族
アルデヒド類、メチロールメラミン類、あるいはこれら
有機化合物から誘導される化合物が包含される。
【0008】前記金属塩として、例えば、アクリル酸バ
リウム塩、アルギン酸カルシウム塩、アルミニウムホモ
アセテート、2−エチルブタン酸マグネシウム塩、グル
コン酸カルシウム塩、DL−グリセロール酸カルシウム
塩、グリコール酸カルシウム塩、2−ヒドロキシ−4−
(メチルチオ)ブタンカルシウム塩、2−ケト−3−メ
チルブタン酸カルシウム塩、2−ケト−3−メチルペン
タン酸カルシウム塩、2−ケト−4−メチルペンタン酸
カルシウム塩、α−ケト−DL−フェニルアラニンカル
シウム塩、レブリン酸カルシウム塩、マロン酸モノ−p
−ニトロベンジルマグネシウム塩、メソ−タータル酸カ
ルシウム塩、メソ−キサル酸カルシウム塩、メタクリル
酸カルシウム塩、モノペルオキシフタル酸マグネシウム
塩、ナフテン酸コバルト塩、ナフテン酸マンガン塩、ナ
フテン酸亜鉛塩、D−パントテン酸カルシウム塩、フェ
ノキシ酢酸マグネシウム塩、プロピオン酸カルシウム
塩、ソルビン酸カルシウム塩、ステアリン酸アルミニウ
ム塩、ステアリン酸バリウム塩、ステアリン酸カルシウ
ム塩、ステアリン酸鉄塩、DL−タータル酸カルシウム
塩、チオグリコール酸カルシウム塩及びそれらの誘導体
などが挙げられる。カルボン酸金属塩とPVA−OCO
CH2Acとの反応は次の式で表わされる。
【化1】 前記式中、RCOOはカルボン酸残基、Mはn価の金属
イオンを示す。
【0009】脂肪族ジアミン類としては、例えば、1,
4−ジアミノブタン、1,4−ジアミノブタン塩酸塩、
1,10−ジアミノデカン、1,12−ジアミノドデカ
ン、1,7−ジアミノヘプタン、1,6−ジアミノヘキ
サン、1,6−ジアミノヘキサン塩酸塩、ジアミノメタ
ン塩酸塩、1,2−ジアミノ−2−メチルプロパン、
1,9−ジアミノノナン、1,8−ジアミノオクタン、
1,5−ジアミノペンタン、1,5−ジアミノペンタン
塩酸塩、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノ
プロパン、1,3−ジアミノプロパン塩酸塩、1,11
−ジアミノウンデカン、2,2−ジメチル−1,5−ジ
アミノペンタン、2,2−ジメチル−1,3−プロパン
ジアミン、エチレンジアミン、エチレンジアミン塩酸
塩、エチレンジアミンフッ化水素酸塩、エチレンジアミ
ン硫酸塩、2−メチル−1,5−ジアミノペンタン、ト
リメチルヘキサメチレンジアミン、N−アセチルエチレ
ンジアミン、1,2−ビス(2−アミノエトキシ)エタ
ン、N,N′−ビス(2−アミノエチル)−1,3−プ
ロパンジアミン、N,N′−ビス(3−アミノプロピ
ル)−1,4−ブタンジアミン四塩酸塩、ビス(3−ア
ミノプロピル)エーテル、N,N−ビス(3−アミノプ
ロピル)メチルアミン、1,4−ブタンジオールビス
(β−アミノクロトネート)、1,4−ブタンジオール
ビス(3−アミノプロピル)エーテル、3,3′−ジア
ミノジプロピルアミン、ジアミノマレオニトリル、1,
3−ジアミノ−2−プロパノール、N,N′−ジ−n−
ブチルエチレンジアミン、N,N−ジエチル−1,3−
ジアミノプロパン、ジエチレングリコールビス(3−ア
ミノプロピル)エーテル、N,N′−ジエチルエチレン
ジアミン、N,N−ジイソプロピルジアミン、N,N−
ジメチルネオペンタンジアミン、N,N−ジメチル−
1,3−プロパンジアミン、N−エチルエチレンジアミ
ン、N−(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミ
ン、N−(3−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミ
ン、N−イソプロピル−1,3−ジアミノプロパン、N
−イソプロピルエチレンジアミン、N−メチル−1,3
−ジアミノプロパン、N−メチルエチレンジアミン、N
−ベンジルエチレンジアミン、N−フェニルエチレンジ
アミン、m−キシレンジアミン、p−キシレンジアミ
ン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、
1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4
−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン、6−クロロ
−2,4−ジアミノピリミジン、トランス−1,2−シ
クロヘキサンジアミン、1,3−シクロヘキサンジアミ
ン、1,4−シクロヘキサンジアミン、1,2−ジアミ
ノシクロヘキサン、1,2−ジアミノシクロヘキサン塩
酸塩、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルアミ
ン)、及びそれらの誘導体などである。脂肪族ジアミン
とPVA−OCOCH2Acとの反応は次の式で表わさ
れる。 H2N−R−NH2+2PVA−OCOCH2Ac → 前記式中、Rは2価の脂肪酸基を表わす。
【0010】芳香族ジアミン類としては、例えば、2,
2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキ
サフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−
メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビ
ス(m−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス
(p−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス〔4
−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロ
プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサ
フルオロプロパン、3,3′ビス(アミノフェニル)ス
ルホン、2,4−ジアミノアニソール二塩酸塩、2,4
−ジアミノアニソール硫酸塩、4,4′−ジアミノベン
ツアニリド、2,5−ジアミノ−1,4−ベンゼンジチ
オール二塩酸塩、3,3′−ジアミノベンジジン、3,
3′−ジアミノベンジジン四塩酸塩、3,4−ジアミノ
安息香酸、3,5−ジアミノ安息香酸、3,5−ジアミ
ノ安息香酸二塩酸塩、3,3′−ジアミノベンゾフェノ
ン、3,4−ジアミノベンゾフェノン、4,4′−ジア
ミノベンゾフェノン、1,2−ジアミノ−3,5−ジブ
ロモベンゼン−塩酸塩、3,3′−ジアミノ−4,4′
−ジヒドロキシビフェニル、4,4′−ジアミノ−2,
2′−ジメチルジベンジル、4,4′−ジアミノ−3,
3′−ジメチルジフェニルメタン、2,4−ジアミノジ
フェニルアミン、4,4′−ジアミノジフェニルアミン
硫酸塩、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,
4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,3′−ジアミ
ノジフェニルメタン、3,4′−ジアミノジフェニルメ
タン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′
−ジアミノジフェニルスルホン、1,2−ジアミノ−4
−ニトロベンゼン、1,3−ジアミノ−4−ニトロベン
ゼン、1,4−ジアミノ−2−ニトロベンゼン、1,2
−ジアミノ−4−ニトロベンゼン−塩酸塩、4,6−ジ
アミノレゾシノール二塩酸塩、p,p′−ジアミノスチ
ルベン二塩酸塩、4,4′−ジアミノスチルベン−2,
2′−ジスルホン酸、2,4−ジアミノトルエン、2,
6−ジアミノトルエン、3,4−ジアミノトルエン、
2,5−ジアミノトルエン二塩酸塩、2,5−ジアミノ
トルエン硫酸塩、N,N−ジエチル−p−フェニレンジ
アミン、N,N−ジエチル−p−フェニレンジアミン二
塩酸塩、N,N−ジエチル−p−フェニレンジアミン硫
酸塩、N,N−ジメチル−p−フェニレンジアミン、
N,N−ジメチル−p−フェニレンジアミン二塩酸塩、
N,N−ジメチル−p−フェニレンジアミンオキサレー
ト、N,N−ジメチル−p−フェニレンジアミン硫酸
塩、4,4′−ビス(4−アミノ−1−ナフチルアゾ)
−2,2′−スチルベンスルホン酸、1,2−ジアミノ
アントラキノン、1,4−ジアミノアントラキノン、
1,5−ジアミノアントラキノン、2,7−ジアミノフ
ルオレン、2,7−ジアミノフルオレン二塩酸塩、2,
3−ジアミノナフタレン、N−(2−ジエチルアミノエ
チル)−1−ナフチルアミノオキサレート、1,5−ナ
フタレンジアミン、1,8−ナフタレンジアミン、3,
6−ジアミノカルバゾール、5,6−ジアミノ−2,4
−ジヒドロキシピリミジン硫酸塩、2,4−ジアミノ−
6−ヒドロキシピリミジン、4,6−ジアミノ−2−メ
ルカプトピリミジン、2,4−ジアミノ−6−メチル−
s−トリアジン、2,6−ジアミノプリン、2,6−ジ
アミノプリン硫酸塩、2,3−ジアミノピリジン、2,
6−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、
2,4−ジアミノピリジン、o,m,又はp−フェニレ
ンジアミン、o,m,p−フェニレンジアミン二塩酸
塩、o,m,又はp−フェニレンジアミン硫酸塩、テト
ラフルオロ−p−フェニレンジアミン、テトラフルオロ
−m−フェニレンジアミン及びそれらの誘導体などが挙
げられる。芳香族ジアミンとPVA−OCOCH2Ac
との反応は次の式で表わされる。 H2N−Ar−NH2+2PVA−OCOCH2Ac → 前記式中、Arは2価の芳香族基を示す。
【0011】脂肪族アルデヒド類としては、例えば、ア
ルミニウムホルモアセテート、α−n−アミルシンナム
アルデヒド、ブロマール、α−ブロモシンナムアルデヒ
ド、n−ブチルアルデヒド、n−カプリンアルデヒド、
n−カプロンアルデヒド、クロラール、クロロアセトア
ルデヒド、トランスシンナムアルデヒド、シトロネラー
ル、トランス,トランス−2,4−デカジオール、トラ
ンス−2−デセナール、ジクロロアセトアルデヒド、p
−ジメチルアミノシンナムアルデヒド、2,6−ジメチ
ル−5−ヘプテン−1−アール、2,5−ジメチル−2
−フェニル−4−ヘキセニルアルデヒド、2−ドデセナ
ール、4−メトキシ−3−メトキシベンツアルデヒト、
2−エチルブチルアルデヒド、2−エチルクロトンアル
デヒド、2−エチル−2−ヘキセナール、2−エチルヘ
キシルアルデヒド、グルタルアルデヒド、グリオキザー
ル、グリオキシルカルボン酸、トランス,トランス−
2,4−ヘプタジエナール、n−ヘプタアルデヒド、ト
ランス−2−ヘプテナール、シス−4−ヘプテナール、
n−ヘプテナール、α−n−ヘキシルシンナムアルデヒ
ド、2−ヒドロキシアジプアルデヒド、イソブチルアル
デヒド、3−(p−イソプロピルフェニル)イソブチル
アルデヒド、イソバレルアルデヒド、ラウリルアルデヒ
ド、メタクロレイン、メトキシアセトアルデヒド、p−
メトキシシンナムアルデヒド、トランス−2−メチル−
2−ブテナール、3−メチル−2−ブテナール、2−メ
チルブチルアルデヒド、トランス−2−メチル−2−ペ
ンテナール、α−メチルシンナムアルデヒド、2−メチ
ル−4−フェニルペンタナール、3−(メチルチオ)プ
ロピオンアルデヒド、2−メチル−n−バレルアルデヒ
ド、4−ニトロシンナムアルデヒド、トランス,トラン
ス−2−ノナジエナール、トランス−2−ノネナール、
トランス−2−オクテナール、ペラルゴンアルデヒド、
フェニルアセトアルデヒド、フェニルグリオキザール、
2−フェニルプロピオンアルデヒド、3−フェニルプロ
ピオンアルデヒド、ピバルアルデヒド、プロピオンアル
デヒド、トランス−2−ウンデセナール、10−ウンデ
シニルアルデヒド、n−ウンデシルアルデヒド、n−バ
レルアルデヒド及びそれらの誘導体などが挙げられる。
脂肪族アルデヒドとPVA−OCOCH2Acとの反応
は次式で表わされる。 前記式中、Rは脂肪族基を示す。
【0012】芳香族アルデヒド類としては、例えば、p
−アセトアミノベンツアルデヒド、p−アミノベンツア
ルデヒド、p−n−アミロキシベンツアルデヒド、o,
m,又はp−アニスアルデヒド、ベンツアルデヒド、4
−ベンジロキシベンツアルデヒド、o,m,又はp−ブ
ロモベンツアルデヒド、6−ブロモ−2−ヒドロキシ−
3−メトキシベンツアルデヒド、5−ブロモサリチルア
ルデヒド、5−ブロモバニリン、p−n−ブトキシベン
ツアルデヒド、p−n−ブチルベンツアルデヒド、o,
m,又はp−クロロベンツアルデヒド、4−クロロ−2
又は3−ニトロベンツアルデヒド、5又は2−クロロベ
ンツ−2又は5−ニトロベンツアルデヒド、5−クロロ
サリチルアルデヒド、クミンアルデヒド、o又はp−シ
アノベンツアルデヒド、p−n−デシロキシベンツアル
デヒド、3,4−ジアセトキシベンツアルデヒド、3,
5−ジブロモ−4−ヒドロキシベンツアルデヒド、3,
5−ジブロモサリシルアルデヒド、3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシベンツアルデヒド、2,3−、
2,4−、又は2,5−ジクロロベンツアルデヒド、p
−ジエチルアミノベンツアルデヒド、p−ジエチルアミ
ノサリシルアルデヒド、2,3−、2,4−、2,5
−、又は3,4−ジヒドロキシベンツアルデヒド、2,
3−、2,4−、2,5−、3,4−、又は3,5−ジ
メトキシベンツアルデヒド、p−ジメチルアミノベンツ
アルデヒド、o又はp−エトキシベンツアルデヒド、3
−エトキシ−4−ヒドロキシベンツアルデヒド、3−エ
トキシサリシルアルデヒド、p−エチルベンツアルデヒ
ド、o,m、又はp−フルオロベンツアルデヒド、2−
フルオロ−5−(トリフルオロメチル)ベンツアルデヒ
ド、5−ホルミルサリシルアルデヒド、p−n−ヘプチ
ロキシベンゾアルデヒド、p−n−ヘキシロキシベンツ
アルデヒド、m又はp−ヒドロキシベンツアルデヒド、
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンツアルデヒド、2−
ヒドロキシ−5−メチルイソフタルアルデヒド、2−ヒ
ドロキシ−5−ニトロ−m−アニスアルデヒド、イソフ
タルアルデヒド、イソバニリン、p−(メチルチオ)ベ
ンツアルデヒド、o,m、又はp−ニトロベンツアルデ
ヒド、5−ニトロサリシルアルデヒド、5−ニトロバニ
リン、6−ニトロベラトルアルデヒド、4−n−オクタ
デシロキシベンツアルデヒド、p−n−オクチロキシベ
ンツアルデヒド、ペンタフルオロベンツアルデヒド、m
−フェノキシベンツアルデヒド、p−フェニルベンツア
ルデヒド、o−フタルアルデヒド、o−フタルアルデヒ
ドカルボン酸、p−n−プロポキシベンツアルデヒド、
サリシルアルデヒド、o−スルホベンツアルデヒドナト
リウム塩、シリングアルデヒド、テレフタルアルデヒ
ド、テレフタルアルデヒドカルボン酸、テレフタルアル
デヒドカルボン酸メチルエステル、o,m、又はp−ト
ルアルデヒド、2,3,5−又は、2,3,6−トリク
ロロベンツアルデヒド、o又はp−トルフルオロメチル
ベンツアルデヒド、2,3,4−、2,4,5−、又は
3,4,5−トリメトキシベンツアルデヒド、バニリ
ン、o−バニリン、9−アニトラアルデヒド、2,4;
4,5−ビス(2−ブテニレン)テトラヒドロフルフラ
ール、2−ブロモチオフェン−5−カルボキサアルデヒ
ド、クロロフィル、シクロヘキサンカルボキサアルデヒ
ド、3−シクロヘキセン−1−カルボキサアルデヒド、
N−エチルカルバゾール−3−カルボキサアルデヒド、
N−ホルミルモルホリン、N−ホルミルピペラジン、N
−ホルミルピペリジリ、2−ホルミルチアゾール、フル
フラール、フルフラール−5−スルホン酸ナトリウム
塩、5−ヒドロキシメチル−2−フルフラール、2−ヒ
ドロキシ−1−ナフトアルデヒド、インドール−3−ア
ルデヒド、2−メトキシ−1−ナフトアルデヒド、5−
メチル−2−フルフラール、3又は5−メチルチオフェ
ン−2−アルデヒド、1又は2−ナフトアルデヒド、
2,3−ナフタレンジアルデヒド、ニコチンアルデヒ
ド、5−ニトロフルフラール、6−ニトロピペロナー
ル、5−ノルボルネン−2−カルボキサアルデヒド、ペ
リルアルデヒド、2−ピコリンアルデヒド、ピペロナー
ル、ピリジン−4−アルデヒド、2,6−ピリジンカル
ボキサアルデヒド、ピリドキサールヒドロクロリド、ピ
リドキサール5−ホスフェイト、k−ストロファンシ
ン、2又は3−チオフェンアルデヒド、又はそれらの誘
導体が挙げられる。芳香族アルデヒドとPVA−OCO
CH2Acとの反応は次式で表わされる。 前記式中、Arは芳香族基である。
【0013】本発明で使用する滑剤は、常温で固体状を
示し、固体表面に塗布した時に、その固体表面に滑性を
与えるものであり、従来公知のもの、例えば、高級脂肪
族炭化水素類、高級脂肪族アルコール類、高級脂肪酸
類、高級脂肪酸アミド類、高級脂肪酸エステル類、高級
脂肪酸金属塩類、フッ素系化合物、シリコン系化合物、
層状あるいは非層状結晶性無機化合物等が用いられる。
高級脂肪族炭化水素類としては、融点が65℃以上、好
ましくは90℃以上のもの、例えば、パラフィンワック
ス、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン等
のオレフィンワックス等が挙げられる。脂肪族アルコー
ル類としては、構造式CH3(CH2)nOH(だだしnは
13〜35の整数)で示される化合物、その誘導体が挙
げられる。高級脂肪酸類としては、構造式CH3(CH2)
nCOOH(ただしnは8〜46の整数)の直鎖モノカ
ルボン酸あるいはその誘導体が挙げられる。高級脂肪酸
アミド類としては、構造式RCONH2、(RCO)2
H、(RCO)3N(ただし、Rは炭素数9〜47のアル
キル基)で示される各種高級脂肪酸アミドが挙げられ
る。高級脂肪酸エステル類としては、炭素数12以上で
融点65℃以上を持つ各種エステルが使用される。高級
脂肪酸金属塩類としては炭素数10〜46の各種脂肪族
カルボン酸とIIA族、IIB族、IIIB族、及びIVB族のう
ちから選ばれた金属の塩が使用される。金属塩を形成す
る金属としては、例えば、Mg、Ca、Sr、Ba、Z
n、Cd、Al、Sn、Sr、Pb等が挙げられる。フ
ッ素系化合物としては、炭素数12以上のフルオロカー
ボン、フルオロポリエーテル、フルオロシリコン、フル
オロエステルなどが挙げられる。シリコン系化合物とし
ては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシ
ロキサン、アルキル基変性ポリシロキサン、ポリエーテ
ル変性ポリシロキサン、アルコール変性ポリシロキサ
ン、アミノ変性ポリシロキサン、メルカプト変性ポリシ
ロキサン、エポキシ変性ポリシロキサン、カルボキシル
基変性ポリシロキサン、ケイ酸エステル系化合物などが
挙げられる。層状結晶性無機化合物としては、二硫化モ
リブデン、黒鉛、窒化ホウ素、雲母などが挙げられる。
また、非層状結晶性無機化合物としてはフッ化カルシウ
ム、フッ化バリウム、酸化鉛などが挙げられる。本発明
においては、滑剤としては、前記のものの他、鉛やホワ
イトメタルのような軟質金属あるいはフタロシアニンの
ような有機層状結晶化合物も使用することができる。本
発明で用いる滑剤としては、水分散性又は水溶性にすぐ
れたものの使用が好ましい。この点からは、高級脂肪族
アルコール類、高級脂肪族アミド類、高級脂肪酸金属塩
類、低分子量フルオロカーボン類、ポリエーテル変性ポ
リシロキサン類、アルコール変性ポリシロキサン類、ア
ミノ変性ポリシロキサン類の使用が好適である。本発明
においては、特に、末端及び/又は側鎖にヒドロキシ基
及び/又はポリエーテル基を含有するポリジメチルシロ
キサンの使用が好ましい。
【0014】本発明で特に好ましく用いることのできる
アセトアセチル基に対して反応性を示す水溶性化合物と
しては、以下に示すものを挙げることができる。1,4
−ジアミノブタン、1,10−ジアミノデカン、1,1
2−ジアミノドデカン、1,7−ジアミノヘプタン、
1,6−ジアミノヘキサン、1,9−ジアミノノナン、
1,8−ジアミノオクタン、1,5−ジアミノペンタ
ン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロ
パン、1,11−ジアミノウンデセン、1,3−ジメチ
ル−n−ブチルアミン、2,2−ジメチル−1,5−ジ
アミノペンタン、2,2−ジメチル−1,3−プロパン
ジアミン、エチレンジアミン、2−メチル−1,5−ジ
アミノペンタン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、
N−アセチルエチレンジアミン、1,2−ビス(2−ア
ミノエトキシ)エタン、N,N′−ビス(2−アミノエ
チル)−1,3−プロパンジアミン、N,N′−ビス
(3−アミノプロピル)−1,4−ブタンジアミン、ビ
ス(3−アミノプロピル)エーテル、N,N−ビス(3
−アミノプロピル)メチルアミン、1,4−ブタンジオ
ールビス(β−アミノラクトン)、1,4−ブタンジオ
ールビス(3−アミノプロピル)エーテル、3,3′−
ジアミノジプロピルアミン、ジアミノマレロニトリル、
1,3−ジアミノ−2−プロパノール、3−(ジ−n−
ブチルアミノ)プロピルアミン、N,N−ジ−n−ブチ
ルエチレンジアミン、N,N−ジエチル−1,3−ジア
ミノプロパン、ジエチレングリコールビス(3−アミノ
プロピル)エーテル、N−エチルエチレンジアミン、N
−(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、N−
(3−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、N−イ
ソプロピル−1,3−ジアミノプロパン、N−イソプロ
ピルエチレンジアミン、N−メチル−1,3−ジアミノ
プロパン、N−メチルエチレンジアミン、N−ベンジル
エチルジアミン、N−フェニルエチレンジアミン、1,
3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビ
ス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(3
−アミノプロピル)ピペラジン、6−クロロ−2,4−
シアノピリミジン、トランス−1,2−シクロヘキサン
ジアミン、1,3−シクロヘキサンジアミン、1,4−
シクロヘキサンジアミン、1,2−ジアミノシクロヘキ
サン、N,N−ジメチル−p−フェニレンジアミン、
N,N−ジエチル−p−フェニレンジアミン、o−フェ
ニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、N,N−ジ
メチル−p−フェニレンジアミン二塩酸塩、o−フェニ
レンジアミン二塩酸塩、p−フェニレンジアミン二塩酸
塩、2,7−ジアミノフルオレン二塩酸塩、2,3−、
2,6−、又は3,4−ジアミノピリジン、2,4−ジ
アミノピリミジンなどの脂肪族又は芳香族ジアミン類;
ブロマール、グルタルアルデヒド、グリオキザール、n
−ブチルアルデヒド、クロロアセトアルデヒド、トラン
ス−シンナムアルデヒド、グリオキシル酸、2−ヒドロ
キシアジプアルデヒド、メトキシアセトアルデヒド、プ
ロピオンアルデヒド、ベンツアルデヒド、2,3−、
2,4−、2,5−、又は3,4−ジヒドロキシベンツ
アルデヒド、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンツアル
デヒド、2−ヒドロキシ−5−メチルイソフタルアルデ
ヒド、2−ヒドロキシ−5−ニトロ−m−アニスアルデ
ヒド、バニリン、o−バニリン、フルフラール、5−ヒ
ドロキシメチル−2−フルフラール、ピペロナール、ピ
リドキサールヒドロクロリド、k−ストロファンシンな
どの脂肪族又は芳香族アルデヒド類等。
【0015】本発明の水系コーティング剤は、水性媒
体、例えば、水又は水と有機溶剤との混合物中に、前記
したPVA−OCOCH2Ac、アセトアセチル基と反
応し得る化合物及び滑剤を添加混合することによって製
造することができる。コーティング剤中のPVA−OC
OCH2Ac含有率は、1〜10重量%、好ましくは2
〜6重量%である。アセトアセチル基と反応し得る化合
物の含有率は、0.01〜5.0重量%である。滑剤の
含有率は、0.01〜3.0重量%、好ましくは0.0
1〜1.0重量%である。アセトアセチル基に反応性を
示す化合物の使用割合は、PVA−OCOCH2Acに
対する理論量の100〜120%、好ましくは100〜
105%である。また、滑剤は、PVA−OCOCH2
Ac1重量部に対し、0.01〜0.3重量部、好まし
くは0.01〜0.3重量部の割合である。本発明のコ
ーティング剤は、これを固体表面に塗布乾燥させること
によって、固体表面上に耐熱性被膜を形成させることが
できる。この耐熱性被膜製造過程において、PVA−O
COCH2Acと、そのアセトアセチル基に対して反応
性を示す化合物とは反応し、これによって、そのポリビ
ニルアルコールは架橋化され、耐熱性にすぐれた反応物
に変換される。この反応は、40℃以上において速やか
に進行し、コーティング剤を固体表面に塗けた後、60
℃以上、好ましくは100〜120℃に加熱することに
よって迅速に行わせることができる。本発明の熱転写記
録媒体は、前記コーティング剤を塗布乾燥して形成した
耐熱性被膜(耐熱保護層)を有する支持体を用い、常法
により、その耐熱性保護層とは反対の面に、転写層を形
成することにより製造される。
【0016】本発明の熱転写記録媒体には、これに受容
紙を重ね、その耐熱保護層を有する背面から加熱して適
用される各種方式のものが包含され、例えば、転写層と
して熱溶融性インクを含むもの、熱昇華性インクを含む
もの、熱反応性インクを含むもの等が挙げられる。本発
明の耐熱保護層の厚さは、0.1〜3.0μm好ましく
は0.3〜1.5μmの範囲に規定するものがよい。膜
厚が厚すぎると熱伝達性が悪くなるので熱効率上の問題
が生じ、一方、薄すぎると充分な耐熱性と機械強度が得
られなくなる。
【0017】転写層に含有させる着色剤は、その転写方
式に応じて適当なものが用いられる。例えば、熱溶融性
インクを受容紙面へ溶融状態で移行させる方式では、各
種の顔料や染料が用いられる。このようなものとして
は、例えば、カーボンブラック、ベンガラ、レーキッド
C、ファーストスカイブルー、ベンジジンイエロー、フ
タロシアニングリーン、フタロシアニンブルー、直接染
料、油性染料、塩基性染料等が挙げられる。また、転写
層から染料を昇華させて受容紙へ移行させる方式では、
昇華性染料が用いられる。また、転写層から染料を受容
紙へ移行させ、その受容紙上で発色反応させる方式で
は、反応性染料が用いられる。
【0018】本発明に使用する支持体は、従来公知の支
持体をそのまま使用すれば良く、特に制限されるもので
はない。例えば、フィルム状のものとしてポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、
ポリ塩化ビニリデン、ナイロン、ポリカーボネート、ポ
リエチレンテレフタレートなどが使用される。
【0019】本発明では、支持体上に設ける熱転写性層
としては従来公知の各種の熱転写層をそのまま用いるこ
とができ、特に制限されるものではない。例えば、熱転
写層は、通常、着色剤、ワックス類、樹脂類、滑剤等か
ら構成される。
【0020】ワックス類としては、例えば、カルナバワ
ックス、モンタンワックス、オゾケライト、マイクロク
リスタリンワックス、ライスワックス、セレシンワック
ス、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、サゾ
ールワックス、硬化ヒマシ油等が使用される。樹脂類と
しては、例えば、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、スチ
レン樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニ
リデン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポ
リアセタール樹脂、エポキシ樹脂、テルペン樹脂、ロジ
ン樹脂等が使用される。
【0021】滑剤としては、例えばステアリン酸リチウ
ム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウ
ム、ステアリン酸ストロンチウム、ステアリン酸ベリリ
ウム、ラウリル酸カルシウム、ラウリル酸バリウム、1
2−ヒドロキシステアリン酸リチウム、12−ヒドロキ
システアリン酸カルシウム、二塩基性ステアリン酸鉛等
の金属石けん類;N,N′−エチレンビス−12−ヒド
ロキシステアリン酸アミド、N,N′−エチレンビスラ
ウリン酸アミド、N,N′−メチレンビスステアリン酸
アミド、N,N′−エチレンビスステアリン酸アミド、
N,N′−ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,
N′−ジステアリルアジピン酸アミド、N,N′−ジス
テアリルテレフタル酸アミド等のN−置換脂肪酸アミド
類;ポリテトラフルオロエチレン、シリコーン樹脂等が
使用される。
【0022】本発明においては、この熱転写性層の上に
更に表面層を積層することができる。表面層は被転写紙
の平滑性による転写不良を改良し、更には、熱転写成分
の受容紙に対する接着性を向上させることができる。表
面層の形成に用いられる材料は、ワックス類や樹脂類を
主成分とし、必要に応じて、顔料が加えられてもよい。
【0023】
【実施例】次に本発明を実施例及び比較例によって具体
的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。なお、以下に示す実施例・比較例におけ
る部及び%は重量基準である。
【0024】実施例1 塗布液A アセトアセチル基含有ポリビニルアルコール 8.0重量部 〔重合度;1100;アセトアセチル基含有率:2mol%; けん化度 98mol%〕 ステアリン酸アルミニウム 0.5重量部 ステアリン酸亜鉛 1.5重量部 イソプロパノール/メタノール/水(30/40/30) 90.0重量部 塗布液B メチルメタクリレート/アクリロニトリル共重合体 80重量部 エマルジョン(固形分50%) カーボンブラック分散液(カーボンブラック含有率20%) 20重量部 4.5μm厚のPETフィルムの下面に、塗布液A液の
分散混合体を塗布し、115℃で30秒間乾燥し、0.
5μm厚の耐熱保護層を形成した。そのPETフィルム
の上面に、塗布液Bを塗布乾燥し、4.0μm厚のイン
ク層を設け、本発明の熱転写記録媒体を得た。
【0025】実施例2 塗布液C アセトアセチル基含有ポリビニルアルコール 8.0重量部 〔重合度;1100;アセトアセチル基含有率:2mol%; けん化度:98mol%〕 p−フェニレンジアミン 1.5重量部 ポリエーテル変性ポリシロキサン 0.5重量部 〔商品名:SF8410 東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製〕 水 90.0重量部 塗布液D キャンデリラワックス 50重量部 トルエン 320重量部 カーボンブラック 10重量部 4.5μm厚のPETフィルムの下面に、塗布液Cの溶
液を塗布し、115℃で30秒間乾燥し、0.5μm厚
の耐熱保護層を形成した。そのPETフィルムの上面
に、塗布液Dのボールミル分散液を、塗布乾燥し、3μ
m厚のインク層を設け、本発明の熱転写記録媒体を得
た。
【0026】実施例3 塗布液E アセトアセチル基含有ポリビニルアルコール 9.0重量部 〔重合度;1300;アセトアセチル基含有率:1mol%; けん化度:99mol%〕 グリオキザール 0.5重量部 ポリエーテル変性ポリシロキサン 0.5重量部 〔商品名:SF8410 東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製〕 水 90.0重量部 4.5μm厚のPETフィルムの下面に、塗布液Eの溶
液を塗布し、115℃で30秒間乾燥し、0.5μm厚
の耐熱保護層を形成した。そのPETフィルムの上面
に、塗布液Bのボールミル分散液を、塗布乾燥し、4.
0μm厚のインク層を設け、本発明の熱転写記録媒体を
得た。
【0027】実施例4 塗布液F アセトアセチル基含有ポリビニルアルコール 9.0重量部 〔重合度;1300;アセトアセチル基含有率:1mol%; けん化度:99mol%〕 グリオキザール 0.7重量部 ヒドロキシ基変性ポリジメチルシロキサン 0.3重量部 〔商品名:SF8427 東レ・シリコーン(株)製〕 水 90.0重量部 4.5μm厚のPETフィルムの下面に、塗布液Fの溶
液を塗布し、115℃で30秒間乾燥し、0.5μm厚
の耐熱保護層を形成した。そのPETフィルムの上面
に、塗布液Dのボールミル分散液を、塗布乾燥し、3μ
m厚のインク層を設け、本発明の熱転写記録媒体を得
た。
【0028】比較例1 塗布液G ポリビニルアルコール 10.0重量部 〔重合度:1500;けん化度:98mol%〕 水 90.0重量部 4.5μm厚のPETフィルムの下面に、塗布液Gの溶
液を塗布し、115℃で30秒間乾燥し、0.5μm厚
の耐熱保護層を形成した。そのPETフィルムの上面
に、実施例1と同様にインク層を設け、比較用の熱転写
記録媒体を得た。
【0029】比較例2 塗布液H ポリビニルアルコール 9.6重量部 〔重合度:1500;けん化度:99mol%〕 ヒドロキシ基変性ポリジメチルシロキサン 0.4重量部 〔商品名:SF8410 東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製〕 水 90.0重量部 4.5μm厚のPETフィルムの下面に、塗布液Hの溶
液を塗布し、115℃で30秒間乾燥し、0.5μm厚
の耐熱保護層を形成した。そのPETフィルムの上面
に、実施例2と同様にインク層を設け、比較用の熱転写
記録媒体を得た。
【0030】(熱転写試験)以上のようにして得られた
熱転写記録媒体について印字を行ない、サーマルヘッド
に対する摩擦係数、搬送性、耐ブロッキング性、及びヘ
ッド汚れを評価した。それらの結果を表1に示す。な
お、測定方法、評価基準等は下記によった。
【0031】(1)搬送性の評価基準 ○:問題なし △:スティッキング発生 ×:支持体の破断 (2)多数回印字の条件 2インチ/秒、22mJ/mm2で印字した。 (3)耐ブロッキング性の評価方法 インク層面と耐熱保護層面とを、6.00kg/cm2
の圧力下で接触させた状態で、60℃、72時間放置し
た後、次の基準で評価した。 ×:インク層成分が耐熱保護層成分とブロッキングす
る。 ○:インク層成分が耐熱保護層成分とブロッキングしな
い。 (4)ヘッド汚れ性の評価基準 ◎:10km以上連続印字しても、ヘッドが汚れない。 ○:1kmまで連続印字しても、ヘッドが汚れない。 △:500m〜1km未満でヘッドが汚れる。 ×:500未満でヘッドが汚れる。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】本発明の熱転写記録媒体は、前記特定構
成の耐熱保護層を支持体面に設けたことから、スティッ
キング、しわ及び支持体の破断を発生させることなく、
高エネルギー印字、多数回印字又は高速度印字等の条件
下においても、良好な品質の印字を与える。また、本発
明の熱転写記録媒体は、耐ブロッキング性及び耐サーマ
ルヘッド性に優れたものである。本発明のコーティング
剤は、水系のものであるため、その取扱いが非常に容易
であるという利点を持つ。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上面に熱転写層を有し、支持体下
    面に耐熱保護層を有する熱転写記録媒体において、該耐
    熱保護層が、アセトアセチル基含有ポリビニルアルコー
    ルとアセトアセチル基と反応し得る化合物との反応物及
    び滑剤から成ることを特徴とする熱転写記録媒体。
  2. 【請求項2】 アセトアセチル基含有ポリビニルアルコ
    ール、アセトアセチル基と反応し得る化合物及び滑剤を
    含有することを特徴とする耐熱性被膜形成用水系コーテ
    ィング剤。
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