JPH05184842A - フィルター材料およびフィルターエレメント - Google Patents

フィルター材料およびフィルターエレメント

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JPH05184842A
JPH05184842A JP19679192A JP19679192A JPH05184842A JP H05184842 A JPH05184842 A JP H05184842A JP 19679192 A JP19679192 A JP 19679192A JP 19679192 A JP19679192 A JP 19679192A JP H05184842 A JPH05184842 A JP H05184842A
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filter element
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JP19679192A
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Inventor
Katsutoshi Yamamoto
勝年 山本
Osamu Tanaka
修 田中
Osamu Inoue
治 井上
Tomoo Kusumi
智男 楠見
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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  • Filtering Of Dispersed Particles In Gases (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Filtering Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 大きい瀘過面積を有するフィルターエレメン
トおよびそのためのフィルター材料を提供する。 【構成】 フィルター材料は、相互に対向する複数の可
撓性フィルター媒体を複数の結合領域で一体に結合され
ており、隣合う2つのフィルター媒体の結合領域は所定
間隔で離れて相互に平行であり、これらの2つのフィル
ター媒体の一方とそれに隣合う別のフィルター媒体との
間の結合領域は、該結合領域の隣合う2つの間でフィル
ター媒体を隔てた反対側に存在する。フィルターエレメ
ント11は、フィルター媒体13により規定された、隣
接する筒状気体流入チャンバー15および筒状気体流出
チャンバー17を有し、チャンバーの軸に垂直な断面は
実質的に同じ形状のハニカム構造である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フィルターエレメン
ト、特にエアーフィルター装置用のフィルターエレメン
トに関し、より詳しくは高性能エアーフィルター装置、
例えばHEPA(High Efficiency Particulate
Air)、ULPA(Ultra Low Penetration Ai
r)または超ULPAフィルターとして使用されるフィ
ルター装置に使用されるフィルターエレメントに関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年における科学技術の進歩および生活
様式の変化に伴い、清浄な空間や清澄な空気が必要とさ
れる場合が増えてきている。病院や住居内において清澄
な空気が望ましいのは当然であり、種々の空気清浄器が
用いられている。また、精密機械工業や食品産業におい
ても同様である。更に、集積回路や半導体の製造、薬品
の製造、人工臓器などのメディカル関連製品の製造にお
いては、通常の清浄空間より遥かに少ない量の塵埃しか
許容されず、一般的にはHEPAフィルター、好ましく
はULPAフィルター、より好ましくは超ULPAフィ
ルターグレードのフィルター装置が必要とされている。
【0003】上述のような空気清浄用のフィルター装置
は、清浄にすべき空気を通過させて塵埃を除去するフィ
ルター材料から成るフィルターエレメントを有するフィ
ルターをフィルター装置に装着するようになっている。
【0004】このフィルターエレメントの一例を図5に
模式的に斜視図にて示す。フィルターエレメント1は、
複数の畝状部2を形成するように屈曲されたフィルター
媒体3、例えばガラス繊維の瀘布から成る。更に、一般
的にはフィルター媒体を均等に配置するためにスペーサ
ー(またはセパレーター)4が畝状部と畝状部との間に
配置されている(2つのみを例示的に図示)。このよう
なフィルターエレメント1の周囲を矩形のフレーム(図
示せず)内に気密的に結合してフィルターとする。フィ
ルターを通過する空気は、矢印で示すように、図5の右
手後方からフィルター材料を通過して左手前方に向かっ
て流れる。このようなフィルターエレメントは、例えば
高機能フィルターの展開(大阪ケミカル・リサーチシリ
ーズ VOL.5 NO.9 大阪ケミカルマーケッティ
ングセンター発行)の40〜41頁に記載されている。
【0005】フィルター装置の性能の判断基準のひとつ
に瀘過面積なる概念がある。より詳しくは、フィルター
エレメントの単位体積当たりの瀘過面積がフィルター装
置の性能の尺度となる。一般的に、可能な限りコンパク
トなフィルターエレメントが可能な限り大きい瀘過面積
を有する態様が、高性能を有する態様として好ましい。
【0006】図5のフィルターエレメント1において
は、フィルター媒体3の総面積が瀘過面積となる。この
ような構造のフィルターエレメントの性能を上げるため
に瀘過面積を増やすには、畝状部と畝状部との間隔、即
ち、ピッチ(図5の長さp)をできる限り小さくして、
畝状部を襞状にすることが通常行われている。
【0007】しかしながら、使用するフィルター媒体の
種類に応じて材料自体の可撓性の問題故にピッチを小さ
くするのには限界があり、また、あまりピッチを小さく
すると隣接するフィルター媒体同士(または、セパレー
ターが存在する場合はフィルター媒体とセパレーター)
が接触して空気の流路がいたずらに小さくなって圧力損
失が大きくなる要因となり好ましくない場合が多い。
【0008】また、ピッチが小さくなると、隣接する襞
と襞との間隔のバラツキが大きくなる。即ち、バラツキ
の絶対値としては小さくても、ピッチが小さいので割合
としては大きくなり、そのため、フィルターエレメント
を通過する空気が偏流を起こす原因となり易い。均等な
ピッチを確保するためにセパレーターを配置してもよい
が、構造的に複雑なフィルターエレメントとなる。
【0009】例えば従来からエアーフィルターに一般的
に使用されているガラス繊維の不織布をフィルター媒体
として使用する場合を考えると、厚さ約0.5mmの不織
布を使用して図5の構造のフィルターエレメントを構成
する場合を考えると、奥行き(図5の長さc)が130
mmとした場合、ピッチは5mm程度が限界であると考えら
れる。従って、例えば間口(図5の長さa×長さb)が
570mm×570mmのフィルターエレメントの場合、瀘
過面積は約16m2となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従って、大きい瀘過面
積を有するフィルターエレメントおよびそのための材料
を提供することが本発明が解決しようとする課題であ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述の課題は、フィルタ
ー媒体により規定された、相互に隣接する複数の筒状気
体流入チャンバーおよび複数の筒状気体流出チャンバー
を有して成るフィルターエレメントであって、チャンバ
ーの軸に垂直な断面はいずれのチャンバーについても実
質的に同じ形状であるハニカム構造であることを特徴と
するフィルターエレメントにより解決されることが見出
された。
【0012】
【作用】本発明のフィルターエレメントは、従来から一
般的に使用されているフィルターエレメントとは全く異
なる構造であり、それ故に上述のような課題を解決でき
るものである。以下、添付図面を参照して好ましい態様
を例として本発明を詳細かつ具体的に説明する。
【0013】図1に本発明のフィルターエレメント11
の一部分を斜視図で模式的に示す。図示したフィルター
エレメント11は、相互に対向するフィルター媒体13
および13’により規定された相互に隣接する気体流入
チャンバー15および気体流出チャンバー17を有して
成る。図1から明らかなように、それぞれのチャンバー
の軸に垂直な断面は実質的に同じ形状であり、いわゆる
ハニカム構造を形成している。気体流入チャンバー15
は気体流入側の端部で開口して反対側の端部で閉口し、
気体流出チャンバー17は、その逆、すなわち、気体流
入チャンバーの開口側で閉口し、気体流入チャンバーの
閉口側で開口している。(理解を容易にするために閉口
している部分には陰影を施している。)フィルターエレ
メントにより瀘過される気体は、矢印で示すように開口
を通って気体流入チャンバー15に入り、フィルター材
料13を通過して、気体流出チャンバー17に入ってそ
の開口から出て行く。
【0014】対向するフィルター媒体13および13’
は結合領域19において結合されている。図1から理解
できるように結合領域は、所定の間隔dで離れ、気体の
流れ方向に平行である。所定間隔dは、フィルターエレ
メントに必要な瀘過面積、フィルター媒体の可撓性など
の性質により適当に決定できる。間隔dが小さいほど目
開きが小さくなり、単位体積当たりの瀘過面積は大きく
なる。この結合は、フィルターチャンバーの端部(即
ち、気体が流入する面および気体が流出する面)におい
ては気密的に行い、瀘過すべき気体がフィルター媒体を
通過せずに気体流出チャンバーに入らないように行う必
要がある。しかしながら、端部以外については、気密的
に結合領域を形成しない場合は、隣の気体流入チャンバ
ーに入るだけであるので、スポット的な結合領域とする
ことも可能である。
【0015】結合領域の幅wは、小さいほど(即ち、点
または線に近いほど)、フィルター媒体の無駄が無くな
り有効に使用できるフィルター媒体の面積が大きくな
る、即ち、瀘過面積が大きくなるので好ましい。図1に
示した態様では、wが非常に小さく、結合領域は実質的
に線状となっている。別法では、結合領域の幅を広くす
ることも可能である。この場合、結合の確実性が増加
し、また、構造強度が強いという利点もある。
【0016】図2に結合領域39の幅wを大きくした場
合のフィルターエレメント31の一部分を気体の流入方
向に垂直な側面図で模式的に示している。(図1と同様
に閉口部分には陰影を施している。)フィルターエレメ
ント31は、フィルター媒体33および33’により形
成される気体流入チャンバー35および気体流出チャン
バー37を有して成る。この場合であっても、チャンバ
ーに軸に垂直な方向の断面は実質的に同じ形状である。
【0017】チャンバーの開口については、チャンバー
の断面全体が開口しているのが好ましいが、断面の一部
分のみが開口している態様であってもよい。図1に示す
態様では、断面全体が開口している。閉口については、
断面全体が閉口している必要がある。例えば、図2に示
すように、気体流出チャンバー37の少なくとも断面全
体を覆うような適当なフィルム40を閉口端部分に結合
することにより、フィルターエレメントの気体流入側の
気体流出チャンバーの端部(または気体流出側の気体流
入チャンバーの端部)を閉じることができる。このフィ
ルムは、瀘過すべき気体に対して不透過性のものであ
る。このフィルムの選択に当たり、フィルター媒体との
接着性を考慮する必要があるが、エアフィルターに通常
使用されているエポキシやポリエステルフィルム等を使
用することができる。結合の方法については、周知の結
合方法、例えば接着剤による結合法や熱融着方を使用で
きる。必要に応じて、開口に重なるフィルム部分を適当
な方法で除去してよい。
【0018】チャンバーの断面形状は特に限定されるも
のではなく、フィルターエレメントに要求される性能に
応じて適当に選択できる。例えば、結合領域の幅が狭い
場合は菱形形状に近い形状となり、また、結合領域の幅
が大きい場合は、六角形形状に近いものとなるが、この
ような形状から導かれる種々の形状を採用できる。
【0019】より大きい瀘過面積を達成するには、チャ
ンバーの断面(目開き)を小さくすればよい。
【0020】本発明のフィルターエレメントにおいて、
図1や図2では気体流入チャンバーの列と気体流出チャ
ンバーの列が交互に配置されているが、必ずしもその必
要はない。例えば気体流入チャンバーが1列存在し、そ
の両隣に2列以上の気体流出チャンバーが存在してよ
い。この場合、瀘過される気体は2回以上フィルター媒
体を通過するため除塵効果が向上する。
【0021】更に、本発明は、相互に対向する複数の可
撓性フィルター媒体を複数の結合領域で一体に結合し
た、フィルターエレメントを製造するためのフィルター
材料であって、隣合う2つのフィルター媒体の結合領域
は所定間隔で離れて相互に平行であり、これらの2つの
フィルター媒体の一方とそれに隣合う別のフィルター媒
体との間の結合領域は、該結合領域の隣合う2つの間で
フィルター媒体を隔てた反対側に存在することを特徴と
するフィルター材料を提供する。このフィルター材料に
より本発明のフィルターエレメントを容易に製造でき
る。
【0022】本発明のフィルター材料を模式的に図3に
示す。図3は、フィルターエレメントにした場合に気体
が流れる方向に垂直な断面図である。本発明のフィルタ
ー材料41は、隣合う可撓性フィルター媒体43と4
3’との間に結合領域45を有する(実際には、フィル
ター媒体および結合領域の厚さは非常に薄いが、理解の
ため誇張して図示している)。結合領域は所定間隔Iで
離れて相互に平行であり、これらのフィルター媒体の一
方、例えばフィルター媒体43に隣接する別のフィルタ
ー媒体43”との間の結合領域45’は、結合領域45
の間、例えば中間部分(I/2)に存在する。このよう
に結合領域を形成することにより、千鳥状に結合領域が
存在するようになっている。
【0023】フィルター媒体の結合領域は、接着剤、例
えばホットメルト接着剤や熱融着性のフィルム、例えば
オレフィン系フィルムなどにより形成する。結合領域4
5の配列や寸法などは、目的とするフィルターエレメン
トに応じて適当に決定できる。
【0024】このようなフィルター材料をフィルター媒
体が相反する方向(例えば図3の矢印の方向)に引っ張
り、その状態て適当な方法でフィルター媒体の周囲を固
定してフレームに組み込むことによりハニカム構造のフ
ィルターーエレメントが得られる。
【0025】本発明のフィルターエレメント(またはフ
ィルター材料)に使用するフィルター媒体は、上述のよ
うに引っ張られて曲がることができるようにある程度の
可撓性を有するものであれば、一般的にエアーフィルタ
ー装置に使用されているフィルター媒体であってよい。
例えば、ガラス繊維の瀘布、合成繊維の瀘布を使用でき
る。目開きを大きくする、即ち、フィルター媒体をより
強く引っ張ることを考慮した場合、ガラス繊維のフィル
ター媒体より、合成樹脂のフィルター媒体、例えばポリ
テトラフルオロエチレン(PTFE)の多孔膜が好まし
く、更に、微小粒子の捕集効率を大きくすること、圧力
損失を小さくすることなどを考慮した場合、孔径が微小
でかつ膜厚が薄いPTFE多孔膜のようなフィルター媒
体を使用するのが特に好ましい。
【0026】なかでも、ポリエチレン、ポリプロピレン
のようなポリマー繊維の織布または不織布とラミネート
構造にしたPTFE多孔膜のようなフィルター媒体は、
完全に折り目を付けても、ガラス繊維のフィルター材料
のように折れてそれ故に新たに塵埃を発生することもな
いので好ましい。
【0027】このようなポリテトラフルオロエチレンか
らなる多孔質フィルター媒体は、例えば、ポリテトラフ
ルオロエチレン半焼成体を延伸したのちこれをポリテト
ラフルオロエチレン焼成体の融点以上の温度でヒートセ
ットしてなるポリテトラフルオロエチレン多孔膜であっ
て、走査型電子顕微鏡写真の画像処理によるフィブリル
と結節の面積比が99:1〜75:25であり、平均フ
ィブリル径が0.05μm〜0.2μmであり、結節の最大
面積が2μm2以下であり、かつ平均孔径が0.2μm〜
0.5μmであるポリテトラフルオロエチレン多孔膜、平
均孔径が0.2μm〜0.5μmであり、かつ5.3cm/秒
の流速で空気を透過させた時の圧力損失が10mmH2
〜100mmH2Oであるポリテトラフルオロエチレン多
孔膜、ポリテトラフルオロエチレン半焼成体を二軸方向
に少なくとも50倍の伸張面積倍率で延伸し、ポリテト
ラフルオロエチレン焼成体の融点以上でヒートセットさ
れたポリテトラフルオロエチレン多孔膜のようなもので
ある。
【0028】このような多孔膜は、粒子を確実に捕集す
る為にはフィルターの繊維に付着した粒子の再離脱の防
止や貫通粒子の遮蔽が必要である。その為には、確実に
捕集したい粒子の大きさよりも小さい孔径のフィルター
材を用いるべきである。従って、PTFE多孔膜にあっ
ては平均孔径の小さいものが好ましい。
【0029】フィルター材料の孔径と空孔率が同一であ
れば圧力損失は膜厚に比例するので、膜厚は薄い方が好
ましい。
【0030】フィルター材料の圧力損失、孔径、空孔
率、膜厚が同じであっても粒子捕集性能は異なるもので
あり、理論上は0.5μm以下の細かい繊維を用い又バ
インダーを可能なかぎり少量に抑える、すなわち繊維以
外の部分を減らすことが好ましいといわれている(化学
工学協会52年会江見準講演要旨集参照)。上述のPT
FE多孔膜は、このような諸条件を満足するものであ
る。
【0031】これらPTFE多孔膜について製法を含め
てより詳細に説明する。PTFE多孔膜の延伸前の材料
は、特開昭59−152825公報で定義されたPTF
E半焼成体に準拠するものである。このPTFE半焼成
体を二軸方向に伸張面積倍率で少なくとも50倍、好ま
しくは少なくとも100倍、さらに好ましくは少なくと
も250倍延伸し焼成した延伸多孔体の構造は、ほとん
ど結節のない微細な繊維からなる特有な膜構造を有す
る。
【0032】しかも、そのようにして製造したPTFE
多孔膜の平均孔径はきわめて小さく、通常0.5μm〜
0.2μmであり、さらに膜の厚みも延伸前の20分の1
から100分の1程度に減少している。
【0033】これらの諸要件は、半導体の微細パターン
を加工する高度な清浄空間を維持するためのエアフィル
ター材料に適している。
【0034】低圧損のフィルターを作製するための一つ
の要件は、薄いPTFE多孔膜で良いことになるが、従
来法(特公昭56−17216号公報)では延伸倍率を増
大させても厚みは少ししか減少しない。けれども、極端
に延伸倍率を増大させ厚みを小さくすると孔径は大きく
なるので延伸前のフィルム厚みを薄くせざるを得ない。
しかし工業的に利用できるフィルムの延伸前厚みはせい
ぜい30μm〜50μmまでである。品質及び歩留りを考
えると、100μm前後の厚みの延伸前フィルムが通常
である。
【0035】前記したPTFE半焼成体を二軸方向に伸
張面積倍率で少なくとも50倍延伸し焼成する製法で
は、工業的に生産性に支障のない厚み100μm程度の
延伸前フィルムを用いて目的を達成することができる。
【0036】PTFE多孔膜における各パラメータの一
般的な範囲および好ましい範囲をまとめて示す。 一般的な範囲 好ましい範囲 焼成度: 0.30〜0.80 0.35〜0.70 延伸倍率: 長手方向 4〜30 長手方向 5〜25 幅方向 10〜100 幅方向 15〜70 合計 50〜1000 合計 75〜850 (延伸倍率の合計が250倍以上の時には、焼成度は
0.35〜0.48であることが特に好ましい。) 一般的な範囲 好ましい範囲 平均孔径: 0.2〜0.5μm 0.2〜0.4μm 膜厚: 0.5〜15μm 0.5〜10μm フィブリル/結節面積比:99/1〜75/25 99/1〜85/15 平均フィブリル径: 0.05〜0.2μm 0.05〜0.2μm 結節の最大面積: 2μm2以下 0.05〜1μm2 圧力損失: 10〜100mmH2O 10〜70mmH2
【0037】前記の各特性は次の測定方法で求められ
る。平均孔径 ASTM F−316−86の記載に準じて測定される
ミーンフローポアサイズ(MFP)を平均孔径とする。実
際の測定は、コールター・ポロメーター(Coulter Por
ometer)[コールター・エレクトロニクス(Coulter Ele
ctronics)社(英国)製]で測定を行う。
【0038】膜厚 株式会社ミツトヨ製1D−110MH型膜厚計を使用
し、多孔膜を5枚重ねて全体の膜厚を測定し、その膜厚
を5で割り、得られた値を1枚の膜の膜厚とする。
【0039】圧力損失 多孔膜を直径47mmの円形に切り出し、透過有効面積1
2.6cm2のフィルターホルダーにセットし、これの入口
側を0.4kg/cm2に加圧し、出口側から出る空気の流量
を上島製作所製流量計で調節し多孔膜透過流速を5.3c
m/秒に合わせる。その時の圧力損失をマノメーターで
測定する。
【0040】焼成度 まず、PTFE未焼成体から3.0±0.1mgの試料を秤
量して切取り、この試料を用いてまず結晶融解曲線を求
める。同様にPTFE半焼成体から3.0±0.1mgの試
料を秤量して切取り、この試料を用いて結晶融解曲線を
求める。
【0041】結晶融解曲線は、示差走査熱量計(以下、
「DSC」という。例えば島津製作所社製DSC−50
型)を用いて記録する。まずPTFE未焼成体の試料
を、DSCのアルミニウム製パンに仕込み、未焼成体の
融解熱および焼成体の融解熱を次の手順で測定する。 (1) 試料を50℃/分の加熱速度で250℃に加熱
し、次いで10℃/分の加熱速度で250℃から380
℃まで加熱する。この加熱工程において記録された結晶
融解曲線の1例を図6の曲線Aとして示す。この工程に
おいて現われる吸熱カーブのピーク位置を「PTFE未
焼成体の融点」または「PTFEファインパウダーの融
点」と定義する。 (2) 380℃まで加熱した直後、試料を10℃/分の
冷却速度で250℃に冷却する。 (3) 試料を再び10℃/分の加熱速度で380℃に加
熱する。加熱工程(3)において記録される結晶融解曲線
の1例を図6の曲線Bとして示す。加熱工程(3)におい
て現われる吸熱カーブのピーク位置を「PTFE焼成体
の融点」と定義する。
【0042】続いてPTFE半焼成体について結晶融解
曲線を工程(1)に従って記録する。この場合の曲線の1
例を図7に示す。PTFE未焼成体、焼成体、半焼成体
の融解熱は吸熱カーブとベースラインとの間の面積に比
例し、島津製作所社製DSC−50型では解析温度を設
定すれば自動的に計算される。
【0043】そこで焼成度は次の式によって計算され
る。 焼成度=(ΔH1−ΔH3)/(ΔH1−ΔH2) ここで、ΔH1はPTFE未焼成体の融解熱、ΔH2はP
TFE焼成体の融解熱、ΔH3はPTFE半焼成体の融
解熱である。PTFE半焼成体に関しては、特開昭59
−152825号公報に詳細な説明がある。
【0044】画像解析 フィブリルと結節の面積比、平均フィブリル径、最大の
結節面積は次に示す方法で測定する。多孔膜表面の写真
を走査型電子顕微鏡(日立S−4000型蒸着は日立E
1030型)でとる(SEM写真。倍率1000倍〜50
00倍)。この写真を画像処理装置(本体名:日本アビオ
ニクス株式会社製、TVイメージプロセッサTVIP−
4100II;制御ソフト名:ラトックシステムエンジ
ニアリング株式会社製、TVイメージプロセッサ イメ
ージコマンド4198)に取り込み、結節とフィブリル
に分離し、結節のみからなる像と繊維のみからなる像を
得る。結節のみからなる像を演算処理することで最大の
結節面積を求め、フィブリルのみからなる像を演算処理
しフィブリルの平均径を求める(総面積を総周長の1/
2で割る)。フィブリルと結節の面積比は、フィブリル
像の面積の総和と結節像の面積の総和の比から求めるこ
とができる。
【0045】結節の定義 結節は、次のいずれかを満足するものをいう。 (1)複数のフィブリルがつながっているかたまり(図
8:点で埋められた部分。) (2)つながっているかたまりがフィブリル径より太い
(図11及び図12:斜線部) (3)一次粒子及び一次粒子がかたまっていて、そこか
らフィブリルが放射線状に伸びている(図9、図10及
び図13:斜線部) なお、図14は、結節とは見なさない例である。すなわ
ち、フィブリルが枝分かれしているが、フィブリルと分
岐部分の径が同じである場合、分岐分岐は結節とは見な
さない。
【0046】具体的には、PTFEファインパウダー
(ダイキン工業株式会社製「ポリフロン・ファインパウ
ダーF−104」)のペースト押出成形によって得られ
た未焼成フィルム(厚さ100μm)を339℃のオー
ブン中で50秒間加熱処理して、焼成度0.50の半焼
成フィルムを得、このフィルムを320℃に加熱してフ
ィルムの長手方向に100%/秒の延伸速度で8倍、フ
ィルムの幅方向に25倍延伸し(合計で延伸前のフィル
ム面積の200倍とする。)、この延伸フィルムが収縮
しないように350℃で3分間熱固定処理を行うことに
より得られる。このようにして得られるPTFE多孔膜
は、厚さ1.0μm、平均孔径が0.28μm、フィブリル
と結節の面積比が95:5、平均フィブリル径0.14
μm、最大結節面積0.38μm2であり、5.3cm/秒の
流速で空気を通過させた時の圧力損失が45mmH2Oで
ある。
【0047】また、上述のようなフィルター材料とラミ
ネート構造にする織布または不織布は、例えばユニチカ
株式会社から市販されているエルベス(登録商標)を使
用できる。
【0048】本発明の好ましい態様では、フィルターエ
レメントは気体流入チャンバーの列および気体流出チャ
ンバーの列が複数、例えば数十、数百枚またはそれ以上
隣接する構造となっている。このようなフィルターエレ
メントを適当なフレームに嵌め込んでフィルターエレメ
ントの周囲とフレームとを気密的にシールしてフィルタ
ーとし、これをフィルター装置に組み込んで使用する。
図4に本発明のフィルターエレメント51を示す。図示
した態様では、フィルターエレメントはフレーム53内
に嵌め込まれている。
【0049】本発明のフィルターエレメントを、間口5
70mm×570mm(図4の長さe×長さf)、奥行き1
30mm(図4の長さg)として、目開き(フィルター媒
体間の距離、図4の長さd)を従来技術のフィルターエ
レメントのピッチと同様に2mmにして、フィルター媒体
の厚さを0.2mmとすると、フィルターエレメントの瀘
過面積は、約21m2となる。
【0050】
【発明の効果】本発明の構造のフィルターエレメント
は、従来のフィルターエレメントと比較して相当大きい
(,例えば約2倍の)瀘過面積を有する。また、ポリテ
トラフルオロエチレンから成るフィルター材料を使用す
る場合、単位膜面積当たりの圧力損失が従来のガラス材
と同等であっても、瀘過面積が増えるので全体としての
圧力損失は小さくでき好ましいフィルターエレメントと
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のフィルターエレメントを模式的に示
す部分斜視図である。
【図2】 本発明の別のフィルターエレメントを模式的
に示す部分側面図である。
【図3】 本発明のフィルター材料の模式図である。
【図4】 本発明のフィルターエレメントをフレームに
組み込んだ状態を模式的に示す斜視図である。
【図5】 従来技術のフィルターエレメントを模式的に
示す斜視図である。
【図6】 焼成度を測定する場合にDSCにより測定さ
れた未焼成PTFEおよび焼成PTFEの結晶融解曲線
の一例を示す図。
【図7】 焼成度を測定する場合にDSCによる測定さ
れた半焼成PTFEの結晶融解曲線の一例を示す図。
【図8】 フィブリル一結節構造の一例の模式図。
【図9】 フィブリル一結節構造の一例の模式図。
【図10】 フィブリル一結節構造の一例の模式図。
【図11】 フィブリル一結節構造の一例の模式図。
【図12】 フィブリル一結節構造の一例の模式図。
【図13】 フィブリル一結節構造の一例の模式図。
【図14】 フィブリル一結節構造の一例の模式図。
【符号の説明】
1…フィルターエレメント、2…畝状部、3…フィルタ
ー材料、4…スペーサー、11…フィルターエレメン
ト、13,13’…フィルター媒体、15…気体流入チ
ャンバー、17…気体流出チャンバー、19…結合領
域、31…フィルターエレメント、33,33’…フィ
ルター材料、35…気体流入チャンバー、37…気体流
出チャンバー、39…結合領域、40…閉口用フィル
ム、41…フィルターエレメント、43,43’,4
3”…フィルター媒体、45,45’…結合領域、51
…フィルターエレメント、53…フレーム。
フロントページの続き (72)発明者 井上 治 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 (72)発明者 楠見 智男 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相互に対向する複数の可撓性フィルター
    媒体を複数の結合領域で一体に結合した、フィルターエ
    レメントを製造するためのフィルター材料であって、 隣合う2つのフィルター媒体の結合領域は所定間隔で離
    れて相互に平行であり、これらの2つのフィルター媒体
    の一方とそれに隣合う別のフィルター媒体との間の結合
    領域は、該結合領域の隣合う2つの間でフィルター媒体
    を隔てた反対側に存在することを特徴とするフィルター
    材料。
  2. 【請求項2】 フィルター媒体が、織布または不織布に
    より少なくとも片面がラミネートされたポリテトラフル
    オロエチレン多孔膜である請求項1記載のフィルター材
    料。
  3. 【請求項3】 フィルター媒体により規定された、相互
    に隣接する複数の筒状気体流入チャンバーおよび複数の
    筒状気体流出チャンバーを有して成るフィルターエレメ
    ントであって、チャンバーの軸に垂直な断面はいずれの
    チャンバーについても実質的に同じ形状であるハニカム
    構造であることを特徴とするフィルターエレメント。
  4. 【請求項4】 フィルター媒体が、織布または不織布に
    より少なくとも片面がラミネートされたポリテトラフル
    オロエチレン多孔膜である請求項3記載のフィルターエ
    レメント。
  5. 【請求項5】 請求項1または請求項2記載のフィルタ
    ー材料の両端のフィルター媒体を相反する方向に引っ張
    り、引っ張られた状態を固定することにより形成される
    請求項3または請求項4記載のフィルターエレメント。
JP19679192A 1991-07-23 1992-07-23 フィルター材料およびフィルターエレメント Pending JPH05184842A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111389127A (zh) * 2020-04-22 2020-07-10 杭州老板电器股份有限公司 滤网及油烟机

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