JPH05184292A - 高カルシウム強化乳飲料及びその製造方法 - Google Patents

高カルシウム強化乳飲料及びその製造方法

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JPH05184292A
JPH05184292A JP4019387A JP1938792A JPH05184292A JP H05184292 A JPH05184292 A JP H05184292A JP 4019387 A JP4019387 A JP 4019387A JP 1938792 A JP1938792 A JP 1938792A JP H05184292 A JPH05184292 A JP H05184292A
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calcium
calcium carbonate
milk
acid
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JP4019387A
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English (en)
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Takashi Kashimata
俣 崇 志 柏
Tadashi Nakatsubo
坪 正 中
Teruo Arai
井 暉 雄 荒
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Meiji Dairies Corp
Original Assignee
Meiji Milk Products Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 炭酸カルシウムを酸で可溶化した後、カゼイ
ンナトリウム添加乳ベースにこれを加え、常法にしたが
って処理して、高カルシウム強化乳飲料を効率的に製造
する。 【効果】 カルシウム濃度が非常に高いだけでなく、加
熱殺菌処理しても、長期間沈澱の生成がなく、風味、食
感がすぐれた高カルシウム強化乳飲料が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は乳飲料、更に詳細にはカ
ルシウムを高度に強化してなる新規な高カルシウム強化
乳飲料及びその効率的製造方法に関するものである。
【0002】本発明は、乳をベースとした乳飲料のカル
シウム強化を炭酸カルシウムを用いて行うのであるが、
従来の炭酸カルシウムによるカルシウム強化の欠点であ
る沈澱の生成、ザラつきといった口ざわりの悪さ等風
味、物性の劣化を生じることなく、しかもカルシウムを
製品で150〜250mg%もの大量のカルシウム強化
が可能である。そのうえ、本発明では、乳ベースとカル
シウム溶液とを個々別々に加熱殺菌した後に両者を混合
するという従来法を採る必要がなく、両者を混合した後
に加熱殺菌できるので製造時間、製造工程、製造コスト
等を大幅に軽減することができ、新規な高カルシウム強
化乳飲料をきわめて効率的に製造することができる。
【0003】
【従来の技術】カルシウムは、骨の成長に不可欠である
ばかりでなく、体液のアルカリ性の保持、血液の凝固作
用の促進、神経の興奮性の抑制等重要な役割を果す栄養
素である。しかしながら、現代の食生活ではカルシウム
の摂取量は不足しており、そのため、カルシウム強化食
品の開発が行われるようになった。そこでカルシウム強
化が、比較的カルシウムに富んでいる食品である牛乳や
乳飲料についても行われるようになった。
【0004】カルシウム強化飲料を調製するには、従
来、塩化カルシウム、乳酸カルシウム等の水溶性カルシ
ウム塩を添加使用することが行われてきたが、これら水
溶性カルシウムは、これを20mg%以上添加すると、
加熱殺菌処理した後、熱のために蛋白質の凝集が生じる
ので、これらの水溶性カルシウムは加熱殺菌後にしか添
加することができない。
【0005】また、炭酸カルシウム等不溶性カルシウム
塩は、蛋白質と反応して凝集をひき起すことはないの
で、添加時期は加熱殺菌の前でも後でも良いけれども、
沈澱等が生じる欠点は避けられない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来法の内、
前者にあっては、乳ベースとカルシウム溶液とを別々に
加熱殺菌した後にこれらを混合する必要があるため、調
合パス及び製造時間が多くかかるという欠点がある。し
たがって、これらを節約するために、加熱殺菌前の溶液
混合を可能ならしめる技術の開発が強く望まれていた。
【0007】他方、後者にあっては、製造された製品
は、経時的に沈澱を生じる速度が非常に速い欠点があ
り、飲用に供した場合、外観が悪いだけでなく飲用時に
容器をよく振る必要があるし、製品でのカルシウム量の
バラツキが出る欠点があるし、飲用後、口の中に不純物
が残留し、不快感がある等の欠点があり、これらの欠点
の改良も強く望まれていた。
【0008】したがって本発明の課題は、これら従来法
の欠点を解決すること、つまり加熱殺菌前にカルシウム
剤を添加できる新システムを開発すること、及び、長期
間保存しても沈澱生成がなく飲用しやすい新製品を開発
すること、である。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を一
挙に解決するためになされたものであって、各方面から
検討した結果、予めカゼインナトリウムを添加した乳ベ
ースを使用すれば、炭酸カルシウムを酸で処理して可溶
化した液体をこれに添加した後、加熱殺菌処理すること
が可能であること、つまりそれぞれの液体を個別に殺菌
処理する必要がなくなること、を発見し、この新知見に
基き、本発明は完成されたものである。
【0010】本発明を実施するには、先ず、炭酸カルシ
ウム液を調製する必要がある。それには、炭酸カルシウ
ムと酸とを水の存在下で充分に接触せしめる。酸として
は、有機酸、無機酸のいずれもが使用可能であり、例え
ば、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、グルコン酸、酒石
酸、乳酸、酢酸、フマル酸、リン酸、塩酸その他の酸、
特に食用に適した酸が適宜使用される。その使用量に格
別の限定はないけれども、アルカリ側のカルシウム液が
得られるように調節するのがよく、カルシウム量が25
〜100mg%となるように使用するのがよい。
【0011】炭酸カルシウム液を添加した後の乳ベース
は、そのpHが6〜6.9、好ましくはpH6.5〜
6.8となるのが好適であるから、そのためには、上記
によって調製した炭酸カルシウム液のpHは、8.5〜
13、好ましくはpH9〜12の範囲内に調整するのが
好適である。したがって、上記によって調整した炭酸カ
ルシウム液のpHがこのpH範囲内にない場合には、ア
ルカリ処理して、希望するpH域に調整するのが好まし
い。アルカリ剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、炭酸ナトリウムその他すべての食用アルカリ自
体及び/又は該水溶液が適宜単用ないし2種以上併用で
きる。
【0012】このようにして得た調合液は、常法にした
がって自由に加熱殺菌処理することができ、例えば13
0〜140℃、2〜3秒間処理することによって、殺菌
処理された高カルシウム強化乳飲料が得られる。
【0013】本発明によれば、カゼインナトリウムを乳
ベースに添加使用し、これを炭酸カルシウムの酸可溶化
液と有機的に結合するという新しい構成を採用すること
により、炭酸カルシウムを使用するにもかかわらず、熱
安定性にすぐれ、加熱処理しても沈澱の生成がなくしか
も風味、食感、外観が劣化することがないという卓越し
た特徴も併有するものである。したがって、殺菌工程を
自由に行うことが可能となり、その結果、従来の乳飲料
の製造方法及び製造装置がそのまま使用できることとな
り、特別の設備も必要でなく、作業性も良好であって、
工業的処理が行えるという著効が奏される。このように
本発明は、すべてのタイプの乳を使用する飲料を高度に
カルシウム強化することを可能ならしめ、風味、食感、
外観を損うことなく、カルシウムを大量に強化すること
ができ、カルシウム含量が150〜250mg%という
きわめて高いカルシウム強化乳飲料製品を工業的に且つ
きわめて効率的に製造することを可能ならしめるもので
ある。
【0014】以下、試験例及び実施例により本発明を更
に詳しく説明する。
【0015】
【試験例1】下記表1の原料配合にしたがい、無脂乳固
形分(SNF)10.0%、乳脂肪分(Fat)3.0
%、カルシウム200mg%(SNF由来125mg
%、炭酸カルシウム由来75mg%)の高カルシウム強
化乳飲料を製造した。
【0016】
【表1】
【0017】すなわち、先ず炭酸カルシウム、クエン
酸、水を混合機にて充分に攪拌混合し、炭酸カルシウム
液を得、これに水酸化ナトリウムを加えてpH9〜12
の範囲内に調整した。一方、脱脂粉乳、無塩バター、水
を混合攪拌しておき、これにカゼインナトリウムをそれ
ぞれの量(0,0.2,0.4,0.5,0.6,0.
7,0.8%)添加し、そしてこれに上記で調製した炭
酸カルシウム液を添加攪拌して、高カルシウム強化乳飲
料を7種類製造した。
【0018】それぞれの高カルシウム強化乳飲料を、そ
れぞれ、オイルバスにて130℃に加熱し、130℃で
の乳蛋白質の凝固時間を測定して、図1の結果を得た。
なお、図中、耐熱性は、加熱開始後の蛋白質の凝固が発
生しない時間とした。図1の結果から、カゼインナトリ
ウムの添加量に応じて乳蛋白質の耐熱性が向上すること
が実証された。つまり、カゼインナトリウムは乳蛋白質
の熱安定性を向上せしめることが実証されたのである。
【0019】
【試験例2】試験例1で示した原料配合により(ただ
し、カルシウム塩としては、炭酸カルシウムのほか、乳
酸カルシウムと塩化カルシウムをそれぞれ0.183%
用い、カゼインナトリウムはいずれの塩の場合も0,
0.5,1.0%使用した。)、そして試験例1と同様
の操作をくり返して、SNF10.0%、Fat3.0
%、カルシウム200mg%の高カルシウム強化乳飲料
をそれぞれ3種類製造した。
【0020】そこでこれらの高カルシウム強化乳飲料
を、それぞれ、オイルバスにて130℃に加熱し、13
0℃での乳蛋白質の凝固時間を測定して、図2の結果を
得た。この結果から明らかなように、該飲料において加
熱による凝固、凝集を防止しうるカルシウム塩として
は、炭酸カルシウムが最も良いことが立証された。
【0021】
【実施例1】下記表2の原料配合にしたがい、そして試
験例1と同様に処理して、SNF10.0%、Fat
3.0%、カルシウム200mg%の高カルシウム強化
乳飲料を製造し、これを130℃、2秒のUHT殺菌処
理した後、その経時的カルシウム変化量を測定して下記
表3の結果を得た。
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】表3の結果から明らかなように、本発明に
よれば長期間に亘ってカルシウムは沈澱せず分散状態を
維持していることが実証された。また、水酸化ナトリウ
ムを使用しない場合も、同様にすぐれた結果が得られ
た。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、カゼインナトリウムを
添加した乳ベースに、クエン酸で可溶化した炭酸カルシ
ウムを、必要あれば水酸化ナトリウムでpH調整後、混
合することで乳タンパク質の熱安定性のある高カルシウ
ム強化乳飲料が効率的に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カゼインナトリウムの添加量と乳蛋白質の耐熱
性との関係図である。
【図2】カルシウム塩の種類と乳蛋白質の凝固時間との
関係図である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭酸カルシウムを用い、沈澱がなくしか
    もカルシウム含量を150〜250mg%強化してな
    る、カゼインナトリウム含有高カルシウム強化乳飲料。
  2. 【請求項2】 炭酸カルシウムを酸で可溶化した後、カ
    ゼインナトリウムを添加した乳ベースにこれを加え、常
    法にしたがって殺菌処理することを特徴とする、加熱殺
    菌処理しても乳蛋白質の凝固が生じず、且つ、炭酸カル
    シウムの沈澱がなくしかもカルシウムが高度に強化され
    た高カルシウム強化乳飲料の製造方法。
  3. 【請求項3】 炭酸カルシウムを酸で可溶化した後、ア
    ルカリ処理することを特徴とする請求項2に記載の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 カゼインナトリウムの添加量が乳ベース
    の0.3〜1.5%であることを特徴とする請求項2又
    は請求項3に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 カルシウムとして、炭酸カルシウムを酸
    で可溶化したものをカルシウムとして25〜100mg
    %使用することを特徴とする請求項2〜請求項4のいず
    れか1項に記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項2〜請求項5のいずれか1項に記
    載の製造方法によって製造された高カルシウム強化乳飲
    料。
JP4019387A 1992-01-09 1992-01-09 高カルシウム強化乳飲料及びその製造方法 Pending JPH05184292A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6811800B2 (en) 1998-09-29 2004-11-02 The Procter & Gamble Co. Calcium fortified beverages
JP2006000029A (ja) * 2004-06-16 2006-01-05 Karushin:Kk 高濃度のカルシウム含有飲料の製法及びその清涼飲料水
JP2008067625A (ja) * 2006-09-13 2008-03-27 Meiji Milk Prod Co Ltd 新規な食感を有する乳性飲料およびその製造方法
CN103222508A (zh) * 2013-04-28 2013-07-31 马瑞 一种含有橘子果粒的黑豆豆奶配方

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