JPH0518346U - 自動車座席のヘツドレスト装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】パワーヘッドレスト装置の部品点数を削減する
と共に、シートバック上部の狭いスペースにも容易に取
り付け可能なヘッドレスト装置を提供する。 【構成】ステー１には、中空部２、開放部３、保持穴４
を設け、この中空部２には、パイプ状モータ１１を固定
し、開放部３には、減速器１３をスクリュウ１６の中空
部１６ａに一体に設けて保持穴４にブッシュ１８を介し
て保持してステー１と駆動機構を一体化すると共に、減
速器１３とパイプ状モータ１１を各々のねじ１３ａと１
１ａにより螺合させ、又、ステー１には、背面部９に複
数の嵌合溝を有するガイドレール８を摺動可能に係合さ
せる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】 本考案は、自動車座席のヘッドレスト装置に関するもので、特に、モータを使 用してヘッドレストの高さを調整するパワーヘッドレスト装置に関するものであ る。

【産業上の利用分野】

【０００２】

【従来の技術】

従来のパワーヘッドレスト装置としては、例えば図５に示す特開昭６３−２１ ４２０７号の様に、シートバーックの上部に２本のパイプ１００にヘッドレスト １０１が支持固定され、ステー１０２には、スクリュウネジ１０３が嵌合し、シ ートバック側面に取り付けれたモータ１０４の回転をトルクケーブル１０５で減 速器１０６を介してスクリュウネジ１０３に伝えヘッドレスト１０１を昇降させ るものや、

【０００３】 図６、図７に示すように、シートバックの上部にヘッドレスト１１０を昇降さ せる駆動ユニット１１１を形成し、スライド用ラックギャ１１２を有するステー １１３に支持固定された２本のパイプ１１４により支持されたヘッドレスト１１ ０がモータ１１５の回転を伝達するピニオンギャ１１６の回転に伴い昇降するも のが一般的である。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、特開昭６３−２１４２０７号のようなヘッドレスト装置においては シートバックフレームにモータを取り付けるためのブラケットや、トルクケーブ ル等の部品点数が増えると共に、シートの重量が重くなる問題がある。

【０００５】 又、組立工程においても、駆動部と機構部とを別々に組み付ける必要があり非 常に手間が掛かる問題がある。

【０００６】 この問題を解決するために図６、図７に示すヘッドレスト装置が存在するが、 この場合においては、モータを直接ヘッドレストの駆動部に取り付けるため、従 来のようにトルクケーブル等は削減でき、組み付け時においても１工程で組み付 けることが可能となる。

【０００７】 ところが、シートバック側の上部は、非常にスペースが狭く、駆動機構とモー タを一体化すると、シートフレーム前側には駆動機構、後ろ側にはモータとシー トバックの幅方向にスペースをとり、背中で駆動機構を押し付けたり、シートク ッションがモータに触れたりしないよう新たな部品が必要となってくる。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上述の問題を一掃し部品点数の少ないコンパクトなヘッドレスト装 置を提供するために、シートバック側、又は、ヘッドレスト側のどちらか一方に 取り付けられ、中空部と開放部を有するステーと、他方に取り付けられ、背面部 に複数の嵌合溝を有するガイドレールと、前記ステーとガイドレールの間に設け られる摺動部材と、前記中空部に固定されるパイプ状モータと、開放部に設けら れ、中空部を有するスクリュウと、前記スクリュウの中空部に摺動部材を介して 配設される減速器を一体に設けたこと特徴とするヘッドレスト装置を提供する。

【０００９】 又、ヨークの一端に雄ネジを設けたパイプ状モータと減速器の一端に設けた雌 ねじを螺合させて連結させることが好ましい。

【００１０】

【作用】

ステーの中空部に設けられたパイプ状モータを駆動させると、モータの回転は 減速器により減速され出力軸から取り出される。この出力軸には、ガイドレール の背面部の複数の嵌合溝と嵌合するスクリュウが配設されており、モータの駆動 に伴いガイドレールが摺動する。

【００１１】

【実施例】 以下、本考案の実施例を図面に基づき説明する。 図１は、本考案の実施例を示す斜視図で、１は断面形状が略凸状のステーで、 そのステー内部の中央近傍には、長手方向に伸びる中空部２と開放部３及び、保 持穴４を有している。又、前記ステー１の両側面には、圧入溝５が各々設けられ ており、そしてこのステー１は、ステー１の上面部に設けられ中空部２に貫通す るボス部１ａ、１ａにより、図示されない自動車座席のシートバック側のフレー ムの上部にボルト等により固定される。

【００１２】 前記ステー１の両側面には、合成樹脂性のスライダー６がボス７を圧入溝５に 圧入させることで固定されており、後述するガイドレール８を滑らかに摺動させ る。又、圧入溝５に圧入固定するために摺動中にずれることがない。

【００１３】 ８は、ガイドレールで、断面が略Ｃ字状をしており、その背面部９には、背面 部９を貫通する複数の嵌合溝１０が設けられている。又、嵌合溝１０は、背面部 ９を貫通させることなく膨出させる方法も考えられる。

【００１４】 １１は、駆動源となるパイプ状モータで、出力軸１２側のモータヨークの先端 には雄ねじ１１ａが設けてある。このパイプ状モータは、前記ステー１の中空部 ２にステー１をシートバック側に取り付ける際ボルト等で同時に固定する。又、 パイプ状モータ１１の出力軸１２は、減速器１３に連結されている。この減速器 の一端には、前述した雄ねじと螺合する雌ねじ１３ａが設けられ、他端の出力軸 １３ｂは先端部がＤ字状に加工されている。

【００１５】 この減速器１３は、ステー１の開放部３に設けられるスクリュウ１６の中空部 １６ａにブッシュ１４及びワッシャー１５を介してはめ込まれ、減速器１３の出 力軸１３ｂをスクリュウ１６のＤ字穴１７を貫通させて、ステー１の保持穴４に ブッシュ１８を介してスクリュウ１６を回転可能に軸支している。

【００１６】 次に本考案の動作を説明する。 パイプ状モータ１１を駆動させると、この回転は減速器１３で減速されスクリ ュウ１６を回転させる。このスクリュウ１６は、ガイドレール８の背面部９の嵌 合溝１０に嵌合されているため、スクリュウ１６の回転に伴いヘッドレスト１９ が取り付けられたガイドレール８がシートバック側に取り付けられたステーに対 し上下に摺動しヘッドレストが調整される。

【００１７】 又、本考案は、上述した実施例に限定されるものではなく、例えば、ガイドレ ール８をシートバック側に取り付け、ステー１を長手方向のパイプ状モータ１１ 側に延長させて、このステー１にヘッドレスト１９を取り付ける等の設計変更も 可能である。

【００１８】 次に、本考案の他の実施例を図４に基づき説明する。 ３０は、ヘッドレスト１９が取り付けられるステーで、このステー３０には、長 手方向に設けられる中空部３１と開放部３２が設けられている。前記ステー３０ の中空部には、パイプ状モータ３３及び減速器３４が固定されている。又、ステ ー３０の開放部３２にはスクリュウ３５が減速器３４からのＤ字状の出力軸３４ ａにより軸受けを介して軸支されている。尚、スクリュウ３５には、前記の出力 軸３４ａが挿通される図示されないＤ字状の穴が設けられている。このため、モ ータの回転に伴いスクリュウが回転する。 ３６は、シートバック側に取り付けられるガイドレールで、背面に複数の嵌合 溝３６ａを有している。この嵌合溝３６ａには、前記スクリュウ３５が嵌合して おり、モータの回転に伴いシートバック側に固定されたガドレール３６内をステ ー３０が上下に摺動する。

【００１９】

【考案の効果】

以上の事から明らかなように、本考案は、シートバック側、又は、ヘッドレス ト側のどちらか一方に取り付けられ、中空部と開放部を有するステーと、他方に 取り付けられ、背面部に複数の嵌合溝を有するガイドレールと、前記ステーとガ イドレールの間に設けられる摺動部材と、前記中空部に固定されるパイプ状モー タと、開放部に設けられ、中空部を有するスクリュウと、前記スクリュウの中空 部に摺動部材を介して配設される減速器を一体に設け、ステーと駆動機構を一体 化させるとともに、ヨークの一端に雄ネジを設けたパイプ状モータと減速器の一 端に設けた雌ねじを螺合させて連結させるため、従来、駆動部と機構部が別々に 設けられているために発生する部品点数の増大、組付けの複雑化等の問題が解決 できる。

【００２０】 又、ヘッドレスト装置自体が非常にコンパクトで、シートバック上部の限られ たスペースに問題なく簡素に取り付け可能なヘッドレスト装置を提供できる。

【００２１】 更に、パイブ状モータと、減速器は、各々のねじ部を螺合させて連結させるた め、軸ずれがなく効率よく回転を取り出すことができる。

【００２２】

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の分解斜視図

【図２】本考案の断面要部図図

【図３】本考案の正面図

【図４】他の実施例

【図５】従来例

【図６】従来例

【図７】図５の拡大要部図

【００２３】

【符号の説明】

１ ステー ２ 中空部 ３ 開放部 ４ 保持穴 ５ 圧入溝 ６ スライダー ８ ガイドレール １０ 嵌合溝 １１ パイプ状モータ １１ａ 雄ねじ １３ 減速器 １３ａ 雌ねじ １６ スクリュウ １６ａ 中空部 １８ ブッシュ

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】シートバック側、又は、ヘッドレスト側の
   どちらか一方に取り付けられ、中空部と開放部を有する
   ステーと、他方に取り付けられ、背面部に複数の嵌合溝
   を有するガイドレールと、前記ステーとガイドレールの
   間に設けられる摺動部材と、前記ステーの中空部と開放
   部に一体に設けられた駆動機構から成る自動車座席のヘ
   ッドレスト装置。
2. 【請求項２】前記ステーと一体の駆動機構は、ステー中
   空部に固定されるパイプ状モータと、開放部に設けら
   れ、中空部を有するスクリュウと、前記スクリュウの中
   空部に摺動部材を介して配設される減速器から成ること
   を特徴とする請求項１に記載の自動車座席のヘッドレス
   ト装置。
3. 【請求項３】ヨークの一端に雄ネジを設けたパイプ状モ
   ータに減速器の一端に設けた雌ねじを螺合させて連結し
   たことを特徴とする請求項２に記載の自動車座席のヘッ
   ドレスト装置。